「そのシグナル、おそらく私が原因だろう。」
想定外の発言に、私達は言葉を失った。
「ロゼッタが、原因・・・?」
好奇心旺盛なアイラも、驚きのあまり口をポカンと開けたままだった。
「ええ、私が、いや、正確に言うと守林人全体がその原因なのだと思う。」
「それはどういうことなんだ?」
私がロゼッタに問いかける。
「なかなか信じられないだろうが・・・」
ロゼッタはゆっくりと話を始めた。
「この海域には、キカイイッカクという機械獣が存在する。キカイイッカクは昔からパニシングに侵食された侵食体がこちらに来るのを察知して私達に異常を知らせてくれていたのだが、先日彼自身が少しパニシングに影響されてしまったようなんだ。」
パニシングという言葉に、私達は気を引き締めた。
「パニシングに影響された彼は、動物でいう「発情期」のようなんだ。普段はめったに海面に出て来ないのだが、「発情期」になってからは頻繁に海面にあらわれて来て、その大きなペニスを・・・」
「ちょっと待って!?なんで機械体がおちんちんを持ってるの!?」
アイラが好奇心をむき出しにして問いかける。
「空中庭園の構造体とは違い、私達守林人やキカイイッカクは独自で開発されたものなんだ。その開発者の意向に従って、私達には生殖器が標準装備されている。もちろん然るべきときにはオーガズムに達するし、孕むことだってできる。」
ロゼッタが淡々と答える。アイラはロゼッタの言葉に再び絶句した。ルシアもリーフも、目を丸くすることしかできない。
「話を戻そう。キカイイッカクのペニスが大きく勃起しているのを見た私は、彼の意識海へのリンクを試みた。すると、彼がパニシングに侵食されつつあるということの他に、こんなことがわかった。」
「彼は、私たち守林人とセックスがしたいようなんだ。」
その言葉を聞いた私は、ロゼッタの体を改めて見て恐る恐る声を発した。
「ということは、あのシグナルは・・・。」
「概ね指揮官の推測に間違いはない。私とキカイイッカクがセックスをして、同時にオーガズムに至った瞬間に生じた共鳴電波だ。」
そう言うと、ロゼッタは体の向きを変えた。
彼女の「馬」の後ろ脚が見える。
2本の後ろ脚の間から、白い液が垂れ流されている。
その液が発する臭いは、まさに私が先程ディアンヌに渡された毛皮から香った臭いそのものだった。
「指揮官は男性だから、おそらくこの臭いに馴染みがあるだろう。ディアンヌが“毛皮についていた私のザーメンの臭いに気づかれてしまった”と顔を赤くして話をしにきたぞ。」
私は、先程のディアンヌの表情を思い出した。確かに「ウブなんだろう」という推測だけでは片付けようのないくらい顔が赤かったような気がする。
「私達がここで待っている間、あなたはキカイイッカクの性欲を発散させるために、彼の性処理を行ってきたのですね。」
ルシアが口を開いた。
「構造体同士の性行為・・・」リーフが状況をなんとか飲み込もうと苦労している。
アイラはなにかを考えているようで、沈黙している。手には短くなった鉛筆が握られているが、先程とはうって変わってその手の動きは鈍い。
さて、異常シグナルの原因はわかったので、私達の任務はこれで終了である。
あとは、この状況をどうするべきか。
守林人たちのやっていることは非常に合理的だし、止める必要はない。適当に会話をして帰投するのが最善策だろうか・・・。
私は頭を掻きむしって考える。
「ねぇ。アシモフに回線を繋いでもいいかしら?」
沈黙を破ったのはアイラだった。
「どうして?」
私はアイラに声をかけた。
「私達も、セックスしてみたくない?」
思わぬ一言に心臓が止まりかけた。
「ちょっと待ってください!?セックス!?!?」リーフが声を荒らげた。
「いいじゃない。私達ももともとは人間だったのよ?」アイラが真面目な顔で答える。
「私は成長してからこの身体になったの。人間だった頃はオナニーもしょっちゅうしたし、イった勢いで潮を吹いてキャンバスを汚して怒られたこともあったわ。生理だって当然あったけど、セックスだけはしたことがなかったの。リーフだってオナニーの1つや2つ、経験あるでしょう?」
「それは・・ありますが・・・。」リーフが顔を真っ赤にして答える。
「あるなら、なおさらよ!私はセックスに興味がある。考古学者としてじゃなくって、1人の人間の女性として。」アイラはなおも真面目に話し続ける。
「う・・・。ルシアは、どう思いますか・・・?」返答に困ったリーフは、ルシアに話を投げた。
「私は・・・ちょっとだけ、セックスに興味があります・・・。」ルシアも顔を真っ赤にして答える。
「じゃあ決まり!指揮官、アシモフに回線!早く!!」
アイラが私の顔の前に仁王立ちをして言った。
吹雪でスカートがなびき、黒い下着のようなものが見えている。
「いやいやいや、守林人がどういうかわからないでしょ!?」
私は狼狽しながら答えた。
「守林人としては・・・手が多いほうがありがたいというか・・・」
騒ぎを聞きつけてやってきたディアンヌが、ロゼッタの代わりに答えた。
「直接キカイイッカクとセックスするということはないかもしれないが、私達にもやるべきことはあるんだ。」
「何をするんですか?」ルシアが問いかけた。
「気持ちいいこと・・・さ♡」
そういったディアンヌの股下から、なにやら太くて長いものが伸びてきた。
「これを見てくれ。」
ディアンヌは仰向けに倒れ込んだ。
そして、私達に大きく反り立ったディアンヌのペニスを見せつけ始めた。
「これは私のチンポだ。このチンポをキカイイッカクの体内でしごいてもらって、ザーメンを彼に吸い取ってもらうと、そのザーメンが彼のエネルギー源となってロゼッタとのセックスに使われる。彼はもともと大量のエネルギーを消費するんだが、発情してからは需要が供給に追いつかなくてな。こうして我々の持つエネルギーをザーメンに変えてキカイイッカクに供給しているんだ。あ、一応言っておくとマンコもちゃんとあるぞ?ほかの守林人とセックスできるように両方の性器を持っているんだ。」
ディアンヌのペニスからはカウパー液が漏れており、キカイイッカクにしごいてもらったときの快感を思い出しているようだ。
「ほら、指揮官。早くそのアシモフとやらに連絡を取ってくれ。」
「空中庭園と守林人の、「裸の交わり」と行こうではないか。」
もう何を言っても無駄だと思い、私は渋々アシモフに連絡を取った。
尋常じゃなく罵倒されるに違いない、と思って繋いだ回線で、アシモフは極めて淡白にこう答えた。
「俺個人の研究として、野営地における新しいエネルギー供給システムの構築というのがあってだな・・・。守林人たちが持っているペニスと女性器のシステムを利用してなにかできないか研究していたところなんだ。」
「ちょうど今、研究が最終段階に差し掛かった物があるから、それを組み込んで5分以内に投下する。精液の生成源は簡単に言ってしまえばエネルギーとオイルだから、それの補給剤も一緒に入れておく。色も乳白色に調整済みだ。ちょっとやそっとじゃへばらない程度の量だから、ぜひ楽しんでデータを取るよう伝えてくれ。万が一に備えてエネルギー剤も入れておくので安心してくれ。人間で言うアドレナリンのようなものだ。」
あまりに想定外の返答に、胃薬が欲しくなった。
「ねぇ、指揮官!どうだったの!?」アイラが私の肩をつかんで揺さぶりながら問いかける。
頭を激しく揺さぶられながらひねり出した「セックス、していいみたいです・・・。」という一言で、ようやくアイラの攻撃から解放された。
眼の前がグニャグニャになりつつルシアとリーフを見ると、2人の表情もかなり明るかった。
しばらくして、守林人の一隊が投下されたボックスを運んできた。
「せっかくだから、指揮官も見てみたら?」
「いやいや、君たちの全裸だぞ?恥ずかしくないのか??」
私は驚いて答えた。
「私は、指揮官でしたら・・・いいですよ。」
ルシアにそう言われて、私は彼女たちの全裸の機体が組み込まれたボックスを開けた。
箱は全部で7箱あった。
3箱は彼女たちの「女性」としての生まれたままの姿をした機体だった。
驚くべきことに、初回のジャミングで見た彼女たちの姿にそっくりだった。
どうせなら、と私は彼女たちの機体をゆっくりと観察することにした。
ルシアの機体を見る。
白く柔らかな肌と淡いピンク色の乳首のコントラストが美しい。
乳房の大きさに対し、乳輪は若干小さい。杏仁豆腐にちょこんと乗っているクコの実のような感じだ。
乳房そのものもハリはあるが、それに触れるものすべてを優しく包み込んでくれるような優しさも感じられる。
女性器の割れ目はやや小さく、尻もルシアと同じ体格の女性と比べるとやや小さいように感じる。
次に、リーフの機体を見る。
透き通るような白い肌とピンク色の逆元装置のメリハリが目を引く。
ルシアよりも乳房がやや大きく、乳首の主張は若干控えめだ。
腹部に若干脂肪があるのだろうか、ルシアの機体で見られた腹筋がリーフには見えない。いかにもスレンダーで柔らかそうな見た目だ。
触ろうとした右手をなんとかして引っ込めるのに苦労した。
最後にアイラの機体を見る。
一言で言ってしまえば、「暴力的」な機体だ。
いつもは装甲で保持しているために分からないが、この機体でのアイラの乳房はスライムのように若干垂れている。
その乳房と対称的に腹部のくびれが凄まじい。
太ももや尻に宿るたっぷりとした脂肪、それは戦闘には無関係かもしれないが、男性を自分の腟内へ誘うという観点においては絶大な破壊力を誇る。
セックスの時に激しく揺れ動くアイラを想像すると、無意識に自身の息子が反応してしまいかねないぐらい危険だ。
もう3箱は、彼女たちをふたなりにしたような機体だった。
鼠径部に、スリットのようなものが見える。
ルシアの機体に備え付けられた箱に入っていた紙に、「意識海オフライン時換装可能」というアシモフのなぐり書きの文字があった。
箱の状況から察するに、彼女たちの機体にはヒト型のペニス以外に、ウマ型、ブタ型、イルカ型のペニスを装着できるようだ。
それぞれのペニスのモデルとなった動物に忠実な射精ができるよう、精液用のボトルの種類も量も多い。
「低粘性精液用」、「高粘性精液用」、「ゲル状精液用」というラベルと、それぞれがどのペニスを入れたときに使用するのかというマニュアルも付属している。射精しすぎてへばらないようにと、エネルギー剤の箱がそれぞれのペニスあたり1ダースずつ入っている。
この量を生身の人間が射精したら、間違いなく死ぬだろう。
「全部使わないといけないのでしょうか・・・?」
リーフが心配そうにこちらを見る。その顔はほんのり赤くなっている。
「データを取ってこいって言われてるし、どのペニスでも1回は射精してもらわなきゃだろうねぇ・・・」
私が答えると、リーフは体を震わせた。
アイラがリーフの肩を掴んでこう言った。
「楽しんでデータを取ってこいって、アシモフが言ってたでしょ?私も男の人のお射精はやったことがないけど、きっととっても気持ちいいはずよ!そんなにビクビクしないで、お射精の快感を楽しみに待ちましょう?」
「そう・・・ですね・・・。」
リーフがリラックスして答えた。
そして、もう1箱はセリカとヴィラからだった。こんな手紙も添えて。
「指揮官1人だけのけものだと寂しいと思いまして、いろいろかき集めておきました。ちょっと早いバカンスだと思って、彼女たちの身体を楽しんでくださいね♡ セリカ」
「自分が指揮してきた女の子たちを、自分の手で犯してみたいとは思わない?私も軍医だったから、射精しすぎて死なないようにいろいろ入れておいてあげたわ。せいぜい楽しみなさい。 ヴィラ」
箱の中には、栄養ドリンクと精力剤の瓶、追加の血清がぎっしりと詰められていた。その中にある得体の知れない木箱を開くと、“PDE阻害薬”や“人間用強心薬(救急用)”などというどう考えてもヤバイ瓶が複数個と、「性行為四十八手」という古ぼけた本が入っていた。絶対ヴィラの仕業だろう。
ルシアたちに機体を換装させている間、タバコ代わりにとりあえず1本だけ栄養ドリンクを飲んでおくことにした。
頭にカフェインが染み渡っていく感覚と、やや高鳴る自分の心臓で、理性的な思考はしばらくできなかった。