※この作品はR-18です。

少子高齢化に子宝の神キレる   作:大中小太郎

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第二話

 

 

 

最近、淫らになっているのは、私の家だけではないようだ。

 

例えば、私のクラスの級友たち。

ここ最近、男子も女子も、どこか色気が増したように見える。

有り体に言うと、童貞っぽさや処女っぽさが消えて、雰囲気が垢抜けていた。

彼ら彼女らに何が起きたのかは、だいたい察しが付く。

 

きっと――神様に子を成せと命じられたのは、私だけじゃなかったんだ。

 

友人の女子たちは、いつも学校が終わると、真っ直ぐ家に帰ってしまう。

とても浮き足だった足取りで、どことなく欲情したような雰囲気で。

彼女たちが何を楽しみに帰路を急いでいるのか……

私が知る必要はないし、知らない方がいいのだろう。

 

 

○

 

 

父と叔母は、その肉体関係を、ほとんど私に隠さなくなった。

父が仕事から帰ってくると、叔母は新妻のように嬉々として迎えて、私の目も憚らずいちゃつくようになった。

 

「その……叔母さん……」

「ん? なぁに、さとうちゃん」

 

父が風呂に入っている間、私はそのことについて、遠慮がちに物申す。

 

「えっと……お父さんとの、ことなんだけど……」

 

私がこうして父と叔母の関係に触れるのは、初めてのことだった。

そのとき叔母が見せた表情に、私は少し寒気がした。

薄い笑み、慈愛すら感じる表情。

なのに……目が少し怖い。

その表情に似つかわしくない、昏くてどろどろしたものが宿って見える。

 

「ふふっ、ごめんなさいね♡ 毎夜、騒がしくしちゃって」

 

姪っ子に、実の兄との関係がバレているというのに、ちょっとしたことであるかのようだった。

いずれ私がこうして尋ねてくることも、予想していたんだろう。

だったら私も、遠慮なく踏み込ませてもらう。

 

「もうちょっと……自重できない? その……声とか」

「んー、ごめんね? 無理かも。兄さんってば上手なものだから、勝手に声が出ちゃうの♡」

 

悪びれもせず言い切る叔母に、私は思わず詰問する。

 

「……兄妹、なんだよね?」

「ええ、そうよ。死んだ両親が嘘をついてなかったなら」

「なのに……っ!」

 

それは、世に許されないことではないかと言おうとすると、叔母は目を弓状に細めた。

ぞくっとした。

叔母の中の、表に出されなかった感情を引き出してしまったのだと、直感した。

 

「ええ、そうね。世間はそう言うのよねぇ」

 

叔母は夕食後の後片付けを続けながら、私に語る。

 

「私と兄さんの生まれた家はね……ちょっと問題があったの。

 世間一般でいう『愛』とやらは、あまり存在しなかったのでしょうね」

 

私は何も言わず、叔母さんの話を聞いていた。

祖父母に会ったことがない私も、薄々感じていたことだ。

 

「そんな中、兄さんはずっと私を守ってくれていたの。

 私が危ない目に遭えば体を張ってくれて、酷い目に遭えば泣いてくれたわ。

 私以上に、私を大切にしてくれたの。だから私は、その分だけ、兄さんに尽くすと決めたの」

「…………」

 

それは、いい話なのだろう。

だから私の母さんが死んだ後も、叔母さんはその代わりを務めてくれている。

そこだけなら、世間から見ても正しい愛の形だ。

……ふと、思う。

なぜ私は、いちいち『正しいかどうか』を判定しようとしてるんだろう?

 

「兄さんは私を『女』としても愛したがってくれたわ。私もそれで構わなかった。

 色んな男性を見て来たけど、あれほど私のことを慈しんでくれる男性はいなかったんだもの」

「…………」

 

ほんの少し、共感してしまった。

女が必要とする男性とは、煎じ詰めれば、他の誰よりも自分を愛してくれる男だ。

なら、その条件を満たす親兄弟がいた場合、それと愛し合ってはいけないのはなぜなのか……

 

「遺伝子が近親者を拒否するから、世間がそれを許さないから……みんなそういう『本能』や『ルール』に負けてるだけ」

 

叔母の言葉が、私の胸にすとんと落ちる。

 

「なら、もしも……そんな本能やルールを越えてでも愛してくれるとしたら……それって、本物の『強い愛』じゃない?」

 

肉体の本能を凌駕する、愛。

世界が定めた掟を破る、愛。

ああ……確かに……それは、悪とはされているけれど、『強い愛』には違いない。

その愛に立ち塞がる最後の関門は、相手がそれを受け入れてくれるかどうかだけ。

 

「私はそれが嬉しくて、嬉しくて――でも兄さんは、これはいけない感情なんだって、ずっとずっと我慢してくれてたの」

 

少し意外だった。

なんならお母さんと出会う前は、叔母さんと肉欲に溺れていたのだと予想していた。

 

「兄さんがどれだけ私を愛してくれていたか知ったのは、兄さんが結婚して、別々に暮らすようになってからよ。

 世界を恨んだわ。なんで、血が繋がっているだけで、愛を諦めなきゃいけないんだろうって」

「…………」

 

叔母さんの洗った食器を拭いていく。

狂気的な愛を語る叔母さんの隣から、私は離れようとしなかった。

 

「さとうちゃんが生まれて、義姉さんが亡くなったとき、ようやく気付いたの。

 ああ、今度は私が愛してあげる番なんだって」

 

叔母さんは子供の頃から、私を可愛がってくれた。

それはもう初孫を見た祖母のような溺愛ぶりだった。

 

「奥さんを失った兄さんを支えたかった。不安で辛いときには、この体で慰めてあげたかった。

 義姉さんの分まで、さとうちゃんを愛してあげたかった――『あの日』から、それを隠せなくなった」

 

あの日――私が神様に『子を成せ』と命じられた日。

子宝の神様が祟りか何かを起こしたような、この町を包んだ異変の夜。

そんなもの――叔母さんにとっては、きっかけでしかなかったのだ。

神様に手を加えられるまでもなく、叔母さんは比翼の鳥を見つけ出していたのだから。

 

「そしていまに至る、よ――後は、さとうちゃんが受け入れてくれるかどうかだけ」

「私、が……?」

 

普通に聞けば、私がお父さんと叔母さんの関係に目を瞑るかどうか、という問いだ。

でも、もうひとつ、忘れてはならない前提がある。

 

「でも……お父さんは……」

 

お父さんは……叔母さんよりも、私を愛してるということだ。

お父さんが『つがい』にしたがっているのは、私であるということだ。

そのことについて、この叔母はどう思っているのか。

 

「くすっ――もしかしてさとうちゃん、私がさとうちゃんに嫉妬するって思ってる?

 兄さんに愛されていることについて」

「っ!」

 

やっぱり、叔母は知っていた。私が父に手出しされていることを。

 

「怒るわけないじゃない。何より愛しいさとうちゃんが、『私と同じように』愛されるんだもの。

 私があげられるもので、何より素敵なものといったら、それは『兄さんの愛』なの♡」

 

ああ…………そういうことか。

この叔母の中では、いまだに私は可愛い姪っ子、娘同然なんだ。

だから、自分の人生を最も幸いにしてくれたものを……兄からの愛という贈り物を、私に分け与えているんだ。

 

「だからね、さとうちゃん――」

 

いつの間にか私の背後に立っていた叔母さんが、私の両肩に手を置いた。

 

「私に、遠慮しないでいいのよ?」

 

叔母の触れた指先から全身に、何かが広がっていくような気がした。

まるで、叔母がこれまでの人生で培った妖気のようなものが、流れ込んでくるかのようだった。

私の体は、そう錯覚するほどに、不可解な興奮と戦慄に満たされていた。

 

「これは私からのお願い――」

 

そんな私に――叔母さんの声が、耳元で囁く。

 

「『私たちの愛』を……どうか受け入れてちょうだい♡」

 

ぐらりと……私の視界が歪む。

眩暈と同時に、全身が火照る感覚があった。

ああ……そっか……

いつも料理を作ってくれる叔母さんなら――私に一服盛るくらい、容易いことだった。

 

 

○

 

 

気がつくと、私は父の寝室にいた。

両手が動かない。頭の上で手首を縛られ、縄がベッドに結ばれている。

 

「起きた? さとうちゃん」

 

はっきりしてきた視界に、黒くて大胆な下着姿の叔母が見えた。

 

「叔母、さん……? お父さん……?」

 

叔母の向こうに、半裸の父が見える。

肌寒さを感じて見れば、私は全裸でベッドに拘束されていた。

 

「っ!?」

「ああ、ごめんね縛ったりして。でも、こうした方が、さとうちゃんも言い訳できると思うの」

 

叔母が私を宥めるように、頬に手を沿える。

 

「な、なに? なんなのっ?」

 

叔母の狂気的な瞳にぞっとした。

それと同じくらい、熱い眼差しにドキッとした。

これから何をされるのかを、予感してしまったからだろうか。

意識を失う前に、叔母は言っていた――『私たちの愛』を受け入れてほしいと。

それはつまり、ここで、父と叔母に……っ!

 

「んっ!?」

 

不意に、叔母に唇を奪われた。

 

「ちゅぅ、れろぉ……」

 

そのまま、舌を絡ませてくる。

私を逃がさないためか、頭を掴んで、さらに深く口付けてきた。

 

「ふぁ……叔母ひゃん、やめへぇ……♡」

「はぷ、ちゅる……だめ♡ ずっと、ずーっと、この日を待ってたのよ?」

 

叔母の言っていることの意味が分からなかった。

叔母は、兄である私の父を愛しているのではなかったのか。

私の唇を奪うなら、私を愛している父の方ではないのか。

 

「ああ♡ 可愛い♡ さとうちゃん、やっぱり最高に可愛いわ♡ 兄さんの血を受け継いだ女の子、生まれたときからずっと変わらない、私の天使♡」

 

叔母は私の体のあちこちにキスを繰り返しながら、ねっとりした口調で語り始める。

 

「さとうちゃんは本当に兄さんそっくりよ。目元とか、鼻筋とか、唇の形なんかも」

「やだ、叔母さん……んっ♡ なんで、こんな……」

 

情熱的な愛撫に思わず声を零しながら、叔母の真意が分からなくて戸惑う。

 

「ふふ、驚かせちゃった? でもね、本心よ? 義姉さんが亡くなって、さとうちゃんのママ代わりになった日からは特に。私はずっと、あなたに夢中だったんだから♡」

「うそ、なに言って……」

「ああ、誤解しないで? 兄さんのことはもちろん愛してるわ。でもそれは何て言うか、兄さんの思いを受け止めてあげたいっていう愛なの」

 

叔母の手が私の乳房から脇腹を撫でて、下腹部へと滑り込む。

 

「でも、私の方から『欲しい』って思ったのは、さとうちゃんが初めてよ♡」

 

叔母の手がクリトリスを愛撫し始めた。

 

「あっ♡ やっ♡ 叔母さ、んっ♡」

「気持ちいい? よかった♡ 兄さんの手ほど逞しくないけど、さとうちゃんをイかせるコツはちゃんと聞いてるから♡」

 

そこでようやく、私はお父さんの存在を思い出す。

 

「お、お父さんっ、止めてっ、叔母さんを止めてぇ!」

「だそうだ。ちょっと待て」

「あんっ、兄さん……♡」

 

お父さんは私の懇願に応じて、叔母さんを背後から抱き寄せ、私から引き剥がす。

叔母さんはお父さんに胸を鷲掴みにされ、顔を振り返らせると猛烈なキスに唇を奪われた。

 

「ちゅっ、んむぅ♡ はぁ、あふっ、兄しゃん……♡」

「さとうを怖がらせないって約束だろう」

「んあ♡ ごめんなさい、怒らないで♡」

 

父は叔母を解放すると、私の髪を撫でる。

 

「驚かせてごめんな、さとう」

「お、お父さん……これ、どういう……」

「簡単なことだ、叔母さんは私だけじゃなく、お前のことも欲しいそうだ」

 

唖然とした。

叔母の口からも聞いたことだけど、叔母の『愛』は、兄であるお父さんだけじゃなく、私にも向いていたのだ。

 

「安心しなさい。叔母さんより先に、お父さんのものにしてやるからね」

 

今度はお父さんに唇を奪われる。

そのまま舌を絡められ、口腔内を舐め回された。

 

「んっ、ちゅぱ……んぅ……♡」

 

その心地良さに、体から力が抜けていく。

条件付けというのは恐ろしい。ここ連日、お父さんに愛撫され続けてきたせいで、体が勝手に応じてしまう。

 

「ちゅっ、んくっ……んぅ……はぁ……♡」

「大丈夫だよ、まずはいつも通り愛撫してやるからな。といっても、今日は叔母さんにも手伝ってもらうが」

「ええ、今日は私と兄さんの二人がかりで、さとうちゃんを可愛がってあげる♡」

 

私の左右から、お父さんと叔母さんが覆い被さる。

 

「あっ♡ 待って、そんなの――ふああっ♡」

 

父と叔母、四本の腕が、私の性感帯を刺激し始めた。

 

「んっ♡ やぁんっ♡ だめっ、そこっ♡ ひゃうんっ♡」

「可愛い声だな、もっと聞かせてくれ」

「んんっ♡ お父さんっ♡ 叔母さんっ♡ やめてっ♡ やだっ♡恥ずかしいっ♡」

「さとうちゃんってば、私と同じように開発されちゃってるみたいね♡ 兄さんってば、悪いパパなんだから♡」

 

再び父に唇を塞がれ、大きな手が乳房を宥めるようになで回す。

叔母はもう片方の乳首に吸い付いて、私の秘所に細い指先をゆっくり這わせた。

二人の人間に左右から前戯されるという未知の体験、なのに父に快感を覚えさせられた体は、みるみる燃え上がっていく。

 

「さとうちゃん、準備万端みたいね♡ 兄さん――」

「ああ」

 

いつの間にかお父さんが私の体から離れ、叔母さんが私に寄り添う。

お父さんの手が私の両脚を左右に開き、叔母さんが私の陰唇を指で広げていた。

 

「さあ、さとうちゃん。今夜こそ、お父さんの女になってあげましょうね♡」

「っ!」

 

自分の足の間から、お父さんのペニスが見えた。

愛撫は何度もされてきた、手や口では何度もしてきた、でも挿入だけは拒んできた。

でも、とうとう……お父さんが私の中に入ろうとしている。

 

「ま、まって、お父さん待って……っ」

 

思わず逃げようとするけど、両手はベッドに結び付けられ、叔母にも押さえ込まれている。

 

「すまない、さとう……お前から求めてくれるときを待っていたかったけど……お父さん、もう我慢できなさそうだ」

 

お父さんが私に覆い被さり、真正面から見下ろしてくる。

その瞳には、叔母さんと同種の、昏い感情が見えた。

知らなかった……お父さんも、そんな顔をするんだ。

今日まで私の体を弄んできたときの顔は、まだ本性を抑えるような余裕を残していたんだ。

 

「お父さんはな、妹(こいつ)とさとうの幸せだけが全てなんだ」

 

私の胸を片手で愛撫しながら、お父さんは腰を密着させてくる。

割れ目に陰茎がぴたりと当てられ、思わず体がびくっと震えた。

 

「妹(こいつ)の幸せは、私に愛されて、さとうを愛することだ」

「やっ、お父さんっ、なんか怖い……っ」

 

私は顔を逸らしたけど、お父さんの手に戻されて、また唇を奪われる。

ああ、だめだ……お父さんのキス、拒めない。条件反射で舌を絡ませてしまう。

怖さとか、抵抗感とか、そういう真っ当な感情が、簡単に説かされてしまう。

 

「さとうの幸せは……お父さんのことを愛して、叔母さんに愛されることだ」

「ぷぁ♡ な、なに、言ってる、の……? んあっ♡」

 

父の男根が、その先端部を、私の膣口にあてがった。

ああ、来ちゃう……とうとう、お父さんが、私の中に来ちゃう……っ!

 

「そして私の幸せは、お前たちを愛することなんだ」

「や、やだっ、お父さん落ち着いてっ、それだけは――」

 

どうにか説得しようとしたとき、お父さんの分身が、その先端部を、私の膣内に少しだけ鎮めた。

 

「っっっ、あああぁぁぁっ♡」

 

たったそれだけで――私の全身は、激しい痙攣を伴うほどの絶頂に襲われた。

 

「ほら、体はもう分かってるじゃないか。さとう、そろそろ自分に正直になりなさい」

 

お父さんが何を言っているのかよく分からない。

分からないけど、もしこれが、お父さんのペニスが、全部入ってしまったら……

 

「やぁ♡ おとうさん、だめぇ♡ 来ちゃ、だめぇ♡ 終わっちゃう、私、なにか終わっちゃうよぉ……♡」

 

半泣きになって懇願するけど、そんな私の言葉には、私自身が認められない本音が滲んでいるように聞こえた。

 

「行くぞ、さとう。お父さんの女になるんだ!」

「ああああああ~♡♡♡」

 

ついにお父さんが、私の中に入ってきた。

 

「はひっ♡ ああっ♡ んあああぁぁぁっ♡」

 

私の膣内が拡張され、奥へ奥へと登ってくるほど、入口で感じた絶頂がまた訪れる。

 

「んおっ♡ ふあっ♡ ぁぁぁっっっ♡」

 

男性の逸物が女陰に埋め込まれていく短い時間で、私は永遠にも思えるほどのオーガズムに放り込まれた。

そして遂に、私の最奥部に、お父さんが到達した瞬間――

 

「――――――っっっ♡♡♡」

 

私は、自分の嬌声が聞こえなくなるほど鮮烈な悦楽で、意識を失うのだった。

挿入されただけでイった、なんてものじゃない。

子宮口にキスされただけで、気絶するほど達した。

私の体は、あまりにも、この瞬間を待ちわびていた。

 

(あ……そう、だったんだ……♡)

 

白閃光に包まれた意識が、ようやく理解する。

 

――私が、自分の心に『うそ』をついていたことを、理解する。

 

(私、ずっと……こう、したかったん、だ……♡)

 

世間の常識に、囚われていた。

親子でセックスはいけないから、という理由だけで、拒んでいた。

体はとっくに、この人を『つがい』と認定していたのに、目を逸らしていた。

だからお父さんを拒まず、父親に性的虐待されている娘という被害者の立場で自分を騙した。

 

「お……」

 

私の本心は、ずっと前から――

 

「お父さぁん♡」

 

この人と、セックスしたかったんだ。

 

「さあ、さとうちゃん。拘束、外してあげるね?」

 

いつの間にか、叔母さんが私の手首の縄を外していた。

もうそんなもの、必要ないからだ。

 

「お父さんっ、気持ちいい♡ 来て、きてぇ♡」

 

私は自由になった両手で、父の背中を掻き抱く。

もっと深く繋がりたくて、足を絡めて腰を押し付ける。

すると父は、優しく微笑んでくれた。

 

「可愛いよさとう。やっと素直になったな」

「うん♡ ごめんなさいっ♡ いままで断ったりしてごめんなさいっ♡」

 

いいんだ――と言うように、父は私を抱きしめながら、腰を動かし始める。

 

「あっ♡ あっ♡ あんっ♡」

 

少しも痛くなかった。

お父さんの動きが強くなるほど、私の快感は昂ぶった。

 

「ああ、さとう。もう我慢しないからな!」

「いいよっ♡ してっ♡ お父さんの好きなようにしていいっ♡」

 

お父さんは私の両足を肩に乗せると、上から押しつぶすようにピストンしてきた。

 

「ああぁぁっ♡ すごいっ♡ こんな深いぃっ♡」

 

私の一番奥にまで届いた剛直が、何度も何度も、子宮内を突き上げる。

そのたびに、決して小さくない絶頂が生じて、私の視界を明滅させた。

 

「ひゃうぅ♡ イってりゅ♡ お父さんっ♡ わたしイってるよっ♡ お父さんのおちんぽでイってるのぉ♡」

 

それがびっくりするほど嬉しくて、思わず叫んだ。

体がどうかしてしまうんじゃないかというほどなのに、止めてほしくない。

気が狂ってしまうんじゃないかというほどイってるのに、もっと味わいたい。

 

「おとうさん♡ もっと♡ もっと犯してっ♡ 犯していいのっ♡ 変えてっ、私を変えてっ♡

 お父さんのための娘に作り変えてぇ♡ お父さんの、嫁さんにしてぇ♡」

 

狂ってもいい、壊れてもいい――その先にある新しい自分に――『お父さんのお嫁さん』に、なりたい!

 

「ああ、可愛いぞさとう。叔母さんと同じようにしてやるからな!」

 

お父さんの腰付きが、緩急と角度を多彩にする。

これまでとはまた違う種類の快楽が、私を襲った。

 

「んあっ♡ はぁ~♡ これっ♡ すごっ♡ おなかの奥がっ♡ 溶けちゃいそうだよぉ♡」

 

子宮口をノックされるたび、私はイき続けた。

脳みそが沸騰しそうなほどの多幸感が、絶え間なく押し寄せてくる。

 

「ふあぁっ♡ しゅごいっ♡ おまんこ、気持ちいい♡ お父さん、おちんぽぉ♡ ズポハメっ、幸せだよぉ♡」

 

もう自分が何を言っているのかもわからない。

胸中に浮かんだ感情が断片的に言葉になってるだけだ。

 

「さとうちゃん。素敵、素敵よ♡ 一番大好きな人に抱かれて、幸せそうな顔してるわ♡」

 

隣から叔母さんの声が聞こえてくる。

 

「その顔を、させてあげたかったの。『私たちの愛』、受け取ってくれた?」

 

絶頂していた私に答える余裕はなかった。

その言葉の意味を充分に理解することもできなかった。

ただ、叔母さんに手を握られて、その手を握り返すのが精一杯だった。

 

「ぐっ、さとう、出るぞ!」

「出してっ♡ いっぱい出してっ♡ お父さんのせーえき、ほしいのぉ♡」

 

私は父の背中にしがみついて、両足を絡めて腰を押し付ける。

男の人のラストスパート、男性が最もオスになる瞬間、私の体もそれに応えてメスになる。

 

「ひゃうぅ♡ イってりゅ♡ おとうしゃあんっ♡ わらひイってるよぉ♡ イってうのにぃ♡ まだイってるよぉ♡」

 

子宮口を突かれるたびに、イってるのにイってる。

連続絶頂は、途切れることのない一つの大きなオーガズムとなって、私の思考を奪い尽くした。

 

「くおっ」

 

やがてお父さんが腰を深く押し込み、熱いものを爆発させた。

 

「あぁ~♡ 出てるっ♡ おとうさんっ♡ おとうさんのせーし、どくんどくんってぇ♡ わたしのナカでイってるぅ♡」

 

びゅるびゅると注がれる精子が、子宮を満たす。

神様の命令を果たせた体が、幸福感に包まれる。

 

「お、とぉさん……おば、さん……♡」

 

かつてない絶頂の嵐から解放された私は、そのまま眠りに落ちていった。

 

 

○

 

 

――思えば、私はとんだ勘違いをしていた。

松坂家で起きていた三角関係についてだ。

 

叔母さんはお父さんを愛していて、

でもお父さんは私を愛していて、

私は叔母さんの愛を尊重する。

 

この家に起きていることを、私はそう認識していたけど……

 

(矢印の向き……逆、だったんだ……)

 

つまり――

お父さんはずっと前から、叔母さんを愛していて――

叔母さんはずっと前から、私のことを愛していて――

私が愛していたのはお父さんで――叔母さんに自分を重ねることで、満足しようとしていた。

 

叔母さんは、そのことに最初から気付いていたんだ。

なのに私は、世間の常識に囚われて、自分の気持ちに背を向けていた。

だから叔母さんは、きっと純然たる善意で、私をお父さんに抱かせたのだろう。

 

倫理や常識を打ち破るくらいでなければ、愛じゃないから。

家の外ではそれを守らなければならなくても、この家の中では、そうでなくてもいい。

父は存分に妹を抱くことができて、叔母さんは兄に愛されながら名を愛せて、私は叔母さんの愛されながら父に抱かれる。

ひとたび禁忌を破ったことで、私たちは自由になった。

 

だから今夜も、明日も、明後日も――

私たちは、愛に包まれながら、その結晶を作り続けている。

 

 




ご一読いただきありがとうございました。

なにやら性欲が衰えて間が空いてしまいました。
だいぶ頭があれな一家だけど、死人が出ないだけ原作よりマシという……
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