最近、淫らになっているのは、私の家だけではないようだ。
例えば、私のクラスの級友たち。
ここ最近、男子も女子も、どこか色気が増したように見える。
有り体に言うと、童貞っぽさや処女っぽさが消えて、雰囲気が垢抜けていた。
彼ら彼女らに何が起きたのかは、だいたい察しが付く。
きっと――神様に子を成せと命じられたのは、私だけじゃなかったんだ。
友人の女子たちは、いつも学校が終わると、真っ直ぐ家に帰ってしまう。
とても浮き足だった足取りで、どことなく欲情したような雰囲気で。
彼女たちが何を楽しみに帰路を急いでいるのか……
私が知る必要はないし、知らない方がいいのだろう。
○
父と叔母は、その肉体関係を、ほとんど私に隠さなくなった。
父が仕事から帰ってくると、叔母は新妻のように嬉々として迎えて、私の目も憚らずいちゃつくようになった。
「その……叔母さん……」
「ん? なぁに、さとうちゃん」
父が風呂に入っている間、私はそのことについて、遠慮がちに物申す。
「えっと……お父さんとの、ことなんだけど……」
私がこうして父と叔母の関係に触れるのは、初めてのことだった。
そのとき叔母が見せた表情に、私は少し寒気がした。
薄い笑み、慈愛すら感じる表情。
なのに……目が少し怖い。
その表情に似つかわしくない、昏くてどろどろしたものが宿って見える。
「ふふっ、ごめんなさいね♡ 毎夜、騒がしくしちゃって」
姪っ子に、実の兄との関係がバレているというのに、ちょっとしたことであるかのようだった。
いずれ私がこうして尋ねてくることも、予想していたんだろう。
だったら私も、遠慮なく踏み込ませてもらう。
「もうちょっと……自重できない? その……声とか」
「んー、ごめんね? 無理かも。兄さんってば上手なものだから、勝手に声が出ちゃうの♡」
悪びれもせず言い切る叔母に、私は思わず詰問する。
「……兄妹、なんだよね?」
「ええ、そうよ。死んだ両親が嘘をついてなかったなら」
「なのに……っ!」
それは、世に許されないことではないかと言おうとすると、叔母は目を弓状に細めた。
ぞくっとした。
叔母の中の、表に出されなかった感情を引き出してしまったのだと、直感した。
「ええ、そうね。世間はそう言うのよねぇ」
叔母は夕食後の後片付けを続けながら、私に語る。
「私と兄さんの生まれた家はね……ちょっと問題があったの。
世間一般でいう『愛』とやらは、あまり存在しなかったのでしょうね」
私は何も言わず、叔母さんの話を聞いていた。
祖父母に会ったことがない私も、薄々感じていたことだ。
「そんな中、兄さんはずっと私を守ってくれていたの。
私が危ない目に遭えば体を張ってくれて、酷い目に遭えば泣いてくれたわ。
私以上に、私を大切にしてくれたの。だから私は、その分だけ、兄さんに尽くすと決めたの」
「…………」
それは、いい話なのだろう。
だから私の母さんが死んだ後も、叔母さんはその代わりを務めてくれている。
そこだけなら、世間から見ても正しい愛の形だ。
……ふと、思う。
なぜ私は、いちいち『正しいかどうか』を判定しようとしてるんだろう?
「兄さんは私を『女』としても愛したがってくれたわ。私もそれで構わなかった。
色んな男性を見て来たけど、あれほど私のことを慈しんでくれる男性はいなかったんだもの」
「…………」
ほんの少し、共感してしまった。
女が必要とする男性とは、煎じ詰めれば、他の誰よりも自分を愛してくれる男だ。
なら、その条件を満たす親兄弟がいた場合、それと愛し合ってはいけないのはなぜなのか……
「遺伝子が近親者を拒否するから、世間がそれを許さないから……みんなそういう『本能』や『ルール』に負けてるだけ」
叔母の言葉が、私の胸にすとんと落ちる。
「なら、もしも……そんな本能やルールを越えてでも愛してくれるとしたら……それって、本物の『強い愛』じゃない?」
肉体の本能を凌駕する、愛。
世界が定めた掟を破る、愛。
ああ……確かに……それは、悪とはされているけれど、『強い愛』には違いない。
その愛に立ち塞がる最後の関門は、相手がそれを受け入れてくれるかどうかだけ。
「私はそれが嬉しくて、嬉しくて――でも兄さんは、これはいけない感情なんだって、ずっとずっと我慢してくれてたの」
少し意外だった。
なんならお母さんと出会う前は、叔母さんと肉欲に溺れていたのだと予想していた。
「兄さんがどれだけ私を愛してくれていたか知ったのは、兄さんが結婚して、別々に暮らすようになってからよ。
世界を恨んだわ。なんで、血が繋がっているだけで、愛を諦めなきゃいけないんだろうって」
「…………」
叔母さんの洗った食器を拭いていく。
狂気的な愛を語る叔母さんの隣から、私は離れようとしなかった。
「さとうちゃんが生まれて、義姉さんが亡くなったとき、ようやく気付いたの。
ああ、今度は私が愛してあげる番なんだって」
叔母さんは子供の頃から、私を可愛がってくれた。
それはもう初孫を見た祖母のような溺愛ぶりだった。
「奥さんを失った兄さんを支えたかった。不安で辛いときには、この体で慰めてあげたかった。
義姉さんの分まで、さとうちゃんを愛してあげたかった――『あの日』から、それを隠せなくなった」
あの日――私が神様に『子を成せ』と命じられた日。
子宝の神様が祟りか何かを起こしたような、この町を包んだ異変の夜。
そんなもの――叔母さんにとっては、きっかけでしかなかったのだ。
神様に手を加えられるまでもなく、叔母さんは比翼の鳥を見つけ出していたのだから。
「そしていまに至る、よ――後は、さとうちゃんが受け入れてくれるかどうかだけ」
「私、が……?」
普通に聞けば、私がお父さんと叔母さんの関係に目を瞑るかどうか、という問いだ。
でも、もうひとつ、忘れてはならない前提がある。
「でも……お父さんは……」
お父さんは……叔母さんよりも、私を愛してるということだ。
お父さんが『つがい』にしたがっているのは、私であるということだ。
そのことについて、この叔母はどう思っているのか。
「くすっ――もしかしてさとうちゃん、私がさとうちゃんに嫉妬するって思ってる?
兄さんに愛されていることについて」
「っ!」
やっぱり、叔母は知っていた。私が父に手出しされていることを。
「怒るわけないじゃない。何より愛しいさとうちゃんが、『私と同じように』愛されるんだもの。
私があげられるもので、何より素敵なものといったら、それは『兄さんの愛』なの♡」
ああ…………そういうことか。
この叔母の中では、いまだに私は可愛い姪っ子、娘同然なんだ。
だから、自分の人生を最も幸いにしてくれたものを……兄からの愛という贈り物を、私に分け与えているんだ。
「だからね、さとうちゃん――」
いつの間にか私の背後に立っていた叔母さんが、私の両肩に手を置いた。
「私に、遠慮しないでいいのよ?」
叔母の触れた指先から全身に、何かが広がっていくような気がした。
まるで、叔母がこれまでの人生で培った妖気のようなものが、流れ込んでくるかのようだった。
私の体は、そう錯覚するほどに、不可解な興奮と戦慄に満たされていた。
「これは私からのお願い――」
そんな私に――叔母さんの声が、耳元で囁く。
「『私たちの愛』を……どうか受け入れてちょうだい♡」
ぐらりと……私の視界が歪む。
眩暈と同時に、全身が火照る感覚があった。
ああ……そっか……
いつも料理を作ってくれる叔母さんなら――私に一服盛るくらい、容易いことだった。
○
気がつくと、私は父の寝室にいた。
両手が動かない。頭の上で手首を縛られ、縄がベッドに結ばれている。
「起きた? さとうちゃん」
はっきりしてきた視界に、黒くて大胆な下着姿の叔母が見えた。
「叔母、さん……? お父さん……?」
叔母の向こうに、半裸の父が見える。
肌寒さを感じて見れば、私は全裸でベッドに拘束されていた。
「っ!?」
「ああ、ごめんね縛ったりして。でも、こうした方が、さとうちゃんも言い訳できると思うの」
叔母が私を宥めるように、頬に手を沿える。
「な、なに? なんなのっ?」
叔母の狂気的な瞳にぞっとした。
それと同じくらい、熱い眼差しにドキッとした。
これから何をされるのかを、予感してしまったからだろうか。
意識を失う前に、叔母は言っていた――『私たちの愛』を受け入れてほしいと。
それはつまり、ここで、父と叔母に……っ!
「んっ!?」
不意に、叔母に唇を奪われた。
「ちゅぅ、れろぉ……」
そのまま、舌を絡ませてくる。
私を逃がさないためか、頭を掴んで、さらに深く口付けてきた。
「ふぁ……叔母ひゃん、やめへぇ……♡」
「はぷ、ちゅる……だめ♡ ずっと、ずーっと、この日を待ってたのよ?」
叔母の言っていることの意味が分からなかった。
叔母は、兄である私の父を愛しているのではなかったのか。
私の唇を奪うなら、私を愛している父の方ではないのか。
「ああ♡ 可愛い♡ さとうちゃん、やっぱり最高に可愛いわ♡ 兄さんの血を受け継いだ女の子、生まれたときからずっと変わらない、私の天使♡」
叔母は私の体のあちこちにキスを繰り返しながら、ねっとりした口調で語り始める。
「さとうちゃんは本当に兄さんそっくりよ。目元とか、鼻筋とか、唇の形なんかも」
「やだ、叔母さん……んっ♡ なんで、こんな……」
情熱的な愛撫に思わず声を零しながら、叔母の真意が分からなくて戸惑う。
「ふふ、驚かせちゃった? でもね、本心よ? 義姉さんが亡くなって、さとうちゃんのママ代わりになった日からは特に。私はずっと、あなたに夢中だったんだから♡」
「うそ、なに言って……」
「ああ、誤解しないで? 兄さんのことはもちろん愛してるわ。でもそれは何て言うか、兄さんの思いを受け止めてあげたいっていう愛なの」
叔母の手が私の乳房から脇腹を撫でて、下腹部へと滑り込む。
「でも、私の方から『欲しい』って思ったのは、さとうちゃんが初めてよ♡」
叔母の手がクリトリスを愛撫し始めた。
「あっ♡ やっ♡ 叔母さ、んっ♡」
「気持ちいい? よかった♡ 兄さんの手ほど逞しくないけど、さとうちゃんをイかせるコツはちゃんと聞いてるから♡」
そこでようやく、私はお父さんの存在を思い出す。
「お、お父さんっ、止めてっ、叔母さんを止めてぇ!」
「だそうだ。ちょっと待て」
「あんっ、兄さん……♡」
お父さんは私の懇願に応じて、叔母さんを背後から抱き寄せ、私から引き剥がす。
叔母さんはお父さんに胸を鷲掴みにされ、顔を振り返らせると猛烈なキスに唇を奪われた。
「ちゅっ、んむぅ♡ はぁ、あふっ、兄しゃん……♡」
「さとうを怖がらせないって約束だろう」
「んあ♡ ごめんなさい、怒らないで♡」
父は叔母を解放すると、私の髪を撫でる。
「驚かせてごめんな、さとう」
「お、お父さん……これ、どういう……」
「簡単なことだ、叔母さんは私だけじゃなく、お前のことも欲しいそうだ」
唖然とした。
叔母の口からも聞いたことだけど、叔母の『愛』は、兄であるお父さんだけじゃなく、私にも向いていたのだ。
「安心しなさい。叔母さんより先に、お父さんのものにしてやるからね」
今度はお父さんに唇を奪われる。
そのまま舌を絡められ、口腔内を舐め回された。
「んっ、ちゅぱ……んぅ……♡」
その心地良さに、体から力が抜けていく。
条件付けというのは恐ろしい。ここ連日、お父さんに愛撫され続けてきたせいで、体が勝手に応じてしまう。
「ちゅっ、んくっ……んぅ……はぁ……♡」
「大丈夫だよ、まずはいつも通り愛撫してやるからな。といっても、今日は叔母さんにも手伝ってもらうが」
「ええ、今日は私と兄さんの二人がかりで、さとうちゃんを可愛がってあげる♡」
私の左右から、お父さんと叔母さんが覆い被さる。
「あっ♡ 待って、そんなの――ふああっ♡」
父と叔母、四本の腕が、私の性感帯を刺激し始めた。
「んっ♡ やぁんっ♡ だめっ、そこっ♡ ひゃうんっ♡」
「可愛い声だな、もっと聞かせてくれ」
「んんっ♡ お父さんっ♡ 叔母さんっ♡ やめてっ♡ やだっ♡恥ずかしいっ♡」
「さとうちゃんってば、私と同じように開発されちゃってるみたいね♡ 兄さんってば、悪いパパなんだから♡」
再び父に唇を塞がれ、大きな手が乳房を宥めるようになで回す。
叔母はもう片方の乳首に吸い付いて、私の秘所に細い指先をゆっくり這わせた。
二人の人間に左右から前戯されるという未知の体験、なのに父に快感を覚えさせられた体は、みるみる燃え上がっていく。
「さとうちゃん、準備万端みたいね♡ 兄さん――」
「ああ」
いつの間にかお父さんが私の体から離れ、叔母さんが私に寄り添う。
お父さんの手が私の両脚を左右に開き、叔母さんが私の陰唇を指で広げていた。
「さあ、さとうちゃん。今夜こそ、お父さんの女になってあげましょうね♡」
「っ!」
自分の足の間から、お父さんのペニスが見えた。
愛撫は何度もされてきた、手や口では何度もしてきた、でも挿入だけは拒んできた。
でも、とうとう……お父さんが私の中に入ろうとしている。
「ま、まって、お父さん待って……っ」
思わず逃げようとするけど、両手はベッドに結び付けられ、叔母にも押さえ込まれている。
「すまない、さとう……お前から求めてくれるときを待っていたかったけど……お父さん、もう我慢できなさそうだ」
お父さんが私に覆い被さり、真正面から見下ろしてくる。
その瞳には、叔母さんと同種の、昏い感情が見えた。
知らなかった……お父さんも、そんな顔をするんだ。
今日まで私の体を弄んできたときの顔は、まだ本性を抑えるような余裕を残していたんだ。
「お父さんはな、
私の胸を片手で愛撫しながら、お父さんは腰を密着させてくる。
割れ目に陰茎がぴたりと当てられ、思わず体がびくっと震えた。
「
「やっ、お父さんっ、なんか怖い……っ」
私は顔を逸らしたけど、お父さんの手に戻されて、また唇を奪われる。
ああ、だめだ……お父さんのキス、拒めない。条件反射で舌を絡ませてしまう。
怖さとか、抵抗感とか、そういう真っ当な感情が、簡単に説かされてしまう。
「さとうの幸せは……お父さんのことを愛して、叔母さんに愛されることだ」
「ぷぁ♡ な、なに、言ってる、の……? んあっ♡」
父の男根が、その先端部を、私の膣口にあてがった。
ああ、来ちゃう……とうとう、お父さんが、私の中に来ちゃう……っ!
「そして私の幸せは、お前たちを愛することなんだ」
「や、やだっ、お父さん落ち着いてっ、それだけは――」
どうにか説得しようとしたとき、お父さんの分身が、その先端部を、私の膣内に少しだけ鎮めた。
「っっっ、あああぁぁぁっ♡」
たったそれだけで――私の全身は、激しい痙攣を伴うほどの絶頂に襲われた。
「ほら、体はもう分かってるじゃないか。さとう、そろそろ自分に正直になりなさい」
お父さんが何を言っているのかよく分からない。
分からないけど、もしこれが、お父さんのペニスが、全部入ってしまったら……
「やぁ♡ おとうさん、だめぇ♡ 来ちゃ、だめぇ♡ 終わっちゃう、私、なにか終わっちゃうよぉ……♡」
半泣きになって懇願するけど、そんな私の言葉には、私自身が認められない本音が滲んでいるように聞こえた。
「行くぞ、さとう。お父さんの女になるんだ!」
「ああああああ~♡♡♡」
ついにお父さんが、私の中に入ってきた。
「はひっ♡ ああっ♡ んあああぁぁぁっ♡」
私の膣内が拡張され、奥へ奥へと登ってくるほど、入口で感じた絶頂がまた訪れる。
「んおっ♡ ふあっ♡ ぁぁぁっっっ♡」
男性の逸物が女陰に埋め込まれていく短い時間で、私は永遠にも思えるほどのオーガズムに放り込まれた。
そして遂に、私の最奥部に、お父さんが到達した瞬間――
「――――――っっっ♡♡♡」
私は、自分の嬌声が聞こえなくなるほど鮮烈な悦楽で、意識を失うのだった。
挿入されただけでイった、なんてものじゃない。
子宮口にキスされただけで、気絶するほど達した。
私の体は、あまりにも、この瞬間を待ちわびていた。
(あ……そう、だったんだ……♡)
白閃光に包まれた意識が、ようやく理解する。
――私が、自分の心に『うそ』をついていたことを、理解する。
(私、ずっと……こう、したかったん、だ……♡)
世間の常識に、囚われていた。
親子でセックスはいけないから、という理由だけで、拒んでいた。
体はとっくに、この人を『つがい』と認定していたのに、目を逸らしていた。
だからお父さんを拒まず、父親に性的虐待されている娘という被害者の立場で自分を騙した。
「お……」
私の本心は、ずっと前から――
「お父さぁん♡」
この人と、セックスしたかったんだ。
「さあ、さとうちゃん。拘束、外してあげるね?」
いつの間にか、叔母さんが私の手首の縄を外していた。
もうそんなもの、必要ないからだ。
「お父さんっ、気持ちいい♡ 来て、きてぇ♡」
私は自由になった両手で、父の背中を掻き抱く。
もっと深く繋がりたくて、足を絡めて腰を押し付ける。
すると父は、優しく微笑んでくれた。
「可愛いよさとう。やっと素直になったな」
「うん♡ ごめんなさいっ♡ いままで断ったりしてごめんなさいっ♡」
いいんだ――と言うように、父は私を抱きしめながら、腰を動かし始める。
「あっ♡ あっ♡ あんっ♡」
少しも痛くなかった。
お父さんの動きが強くなるほど、私の快感は昂ぶった。
「ああ、さとう。もう我慢しないからな!」
「いいよっ♡ してっ♡ お父さんの好きなようにしていいっ♡」
お父さんは私の両足を肩に乗せると、上から押しつぶすようにピストンしてきた。
「ああぁぁっ♡ すごいっ♡ こんな深いぃっ♡」
私の一番奥にまで届いた剛直が、何度も何度も、子宮内を突き上げる。
そのたびに、決して小さくない絶頂が生じて、私の視界を明滅させた。
「ひゃうぅ♡ イってりゅ♡ お父さんっ♡ わたしイってるよっ♡ お父さんのおちんぽでイってるのぉ♡」
それがびっくりするほど嬉しくて、思わず叫んだ。
体がどうかしてしまうんじゃないかというほどなのに、止めてほしくない。
気が狂ってしまうんじゃないかというほどイってるのに、もっと味わいたい。
「おとうさん♡ もっと♡ もっと犯してっ♡ 犯していいのっ♡ 変えてっ、私を変えてっ♡
お父さんのための娘に作り変えてぇ♡ お父さんの、嫁さんにしてぇ♡」
狂ってもいい、壊れてもいい――その先にある新しい自分に――『お父さんのお嫁さん』に、なりたい!
「ああ、可愛いぞさとう。叔母さんと同じようにしてやるからな!」
お父さんの腰付きが、緩急と角度を多彩にする。
これまでとはまた違う種類の快楽が、私を襲った。
「んあっ♡ はぁ~♡ これっ♡ すごっ♡ おなかの奥がっ♡ 溶けちゃいそうだよぉ♡」
子宮口をノックされるたび、私はイき続けた。
脳みそが沸騰しそうなほどの多幸感が、絶え間なく押し寄せてくる。
「ふあぁっ♡ しゅごいっ♡ おまんこ、気持ちいい♡ お父さん、おちんぽぉ♡ ズポハメっ、幸せだよぉ♡」
もう自分が何を言っているのかもわからない。
胸中に浮かんだ感情が断片的に言葉になってるだけだ。
「さとうちゃん。素敵、素敵よ♡ 一番大好きな人に抱かれて、幸せそうな顔してるわ♡」
隣から叔母さんの声が聞こえてくる。
「その顔を、させてあげたかったの。『私たちの愛』、受け取ってくれた?」
絶頂していた私に答える余裕はなかった。
その言葉の意味を充分に理解することもできなかった。
ただ、叔母さんに手を握られて、その手を握り返すのが精一杯だった。
「ぐっ、さとう、出るぞ!」
「出してっ♡ いっぱい出してっ♡ お父さんのせーえき、ほしいのぉ♡」
私は父の背中にしがみついて、両足を絡めて腰を押し付ける。
男の人のラストスパート、男性が最もオスになる瞬間、私の体もそれに応えてメスになる。
「ひゃうぅ♡ イってりゅ♡ おとうしゃあんっ♡ わらひイってるよぉ♡ イってうのにぃ♡ まだイってるよぉ♡」
子宮口を突かれるたびに、イってるのにイってる。
連続絶頂は、途切れることのない一つの大きなオーガズムとなって、私の思考を奪い尽くした。
「くおっ」
やがてお父さんが腰を深く押し込み、熱いものを爆発させた。
「あぁ~♡ 出てるっ♡ おとうさんっ♡ おとうさんのせーし、どくんどくんってぇ♡ わたしのナカでイってるぅ♡」
びゅるびゅると注がれる精子が、子宮を満たす。
神様の命令を果たせた体が、幸福感に包まれる。
「お、とぉさん……おば、さん……♡」
かつてない絶頂の嵐から解放された私は、そのまま眠りに落ちていった。
○
――思えば、私はとんだ勘違いをしていた。
松坂家で起きていた三角関係についてだ。
叔母さんはお父さんを愛していて、
でもお父さんは私を愛していて、
私は叔母さんの愛を尊重する。
この家に起きていることを、私はそう認識していたけど……
(矢印の向き……逆、だったんだ……)
つまり――
お父さんはずっと前から、叔母さんを愛していて――
叔母さんはずっと前から、私のことを愛していて――
私が愛していたのはお父さんで――叔母さんに自分を重ねることで、満足しようとしていた。
叔母さんは、そのことに最初から気付いていたんだ。
なのに私は、世間の常識に囚われて、自分の気持ちに背を向けていた。
だから叔母さんは、きっと純然たる善意で、私をお父さんに抱かせたのだろう。
倫理や常識を打ち破るくらいでなければ、愛じゃないから。
家の外ではそれを守らなければならなくても、この家の中では、そうでなくてもいい。
父は存分に妹を抱くことができて、叔母さんは兄に愛されながら名を愛せて、私は叔母さんの愛されながら父に抱かれる。
ひとたび禁忌を破ったことで、私たちは自由になった。
だから今夜も、明日も、明後日も――
私たちは、愛に包まれながら、その結晶を作り続けている。
ご一読いただきありがとうございました。
なにやら性欲が衰えて間が空いてしまいました。
だいぶ頭があれな一家だけど、死人が出ないだけ原作よりマシという……