ヒヨリ」
「ま、またですか先生……」
細い肩を掴まれたヒヨリは押されるままにデスクに両腕をつき後ろを振り向く。滑らかな髪が服を滑り落ち、目深に被った帽子の下から紺色の瞳が自身の背後に立つ人物を見つめている。
サラリという衣擦れとともにスカートがめくり上げられ、露わになった白い下着に男は指を滑り込ませた。
「んっ……く」
自身の思いに反して身体が反応を示してしまうことがシャーレに屋根を借りることになったヒヨリが未だ慣れないことである
アリウスの庇護は個人的な領域には至らない。つまり持たざる者は持たざるままに生きてきた。
そんなヒヨリがシャーレに入り浸るようになるのは自然なことだったのかもしれない。
部屋に響くのはクチュクチュという水音が静かに意図しない喘鳴に伴う声を噛み殺す息遣いのみ。
「大分、濡れやすくなったな」
(先生のせいですけど……住まわせてもらってるのに私が出せるものなんかないですし……仕方ない……ですよね)
「……挿れるぞ」
「んんっ……!」
小柄なヒヨリの華奢な骨盤に手を掛けたと同時にヒヨリの中に肉棒が侵入する。
アリウススクワッドでも小柄なヒヨリの秘裂は綺麗にピッタリと閉じていたが、大人の雄々しくそり返り、膨隆した亀頭を持つそれが抉るように穿孔し、茎を包み込むように縋り付いている。
「あっ、ああぁっ! ひっ……!」
先ほどまで無かった、肉が叩きつけられる乾いた音が水音に加わり、規則正しい律動が繰り返される。その都度にヒヨリは手を硬く握りながら快楽を噛み殺した。
胎内で快楽を与え続けるモノが微かに膨隆するのをヒヨリは察知した。それは経験的に吐精の予兆であることを知っている。
(また……中に……)
引き抜かれる肉棒に伴って白濁したものが溢れ、ヒヨリの太ももを伝う。
快楽に荒げていた呼吸のせいか、朦朧とした意識の中ヒヨリは胎内に自分と違う体温を知覚するが、それが徐々に自分の体温と交わり、境界がなくなっていくのを感じる。
(赤ちゃんできちゃうかもしれないけど、私なんかが拒否できる訳……ないですよね)
パチン、と先ほどまでの肉のぶつかり合う音とは違う、一際大きな音が響く。
小ぶりなヒヨリの尻に赤い跡がついている。
「ああんっ!」
「ヒヨリは本当に叩かれるのが好きだな」
「……わかんないです……」
ヒヨリの言葉を無視し、さらに乾いた音が繰り返し響く。
ペタリと、膝が抜け女の子座りのようにへたり込むヒヨリに先生は一歩近き、
「掃除」
未だ息の整わないヒヨリの目の前に男の赤黒い逸物が向けられていた。
(――ちゃんとしないと苦しいのされちゃう)
反射するようにまだ硬い竿を口に含むと一度大きく飲み込み、口に含んだまま亀頭の隅々に舌を這わせた。
丹念に自分の愛液と精液をこそぎ落としていく。
過去に自分の中に入ったものを舐めたくないと先生に言ったことがあった。その際に嘔吐してもやめない執拗なイラマチオを受けたことがヒヨリには繰り返したくない経験として脳裏にこびり付いている。厳密には記憶はほぼ無い。だが繰り返される挿入は拘束具により抵抗できず、舌根を喉へ引き寄せ挿入を拒んでも鼻を塞がれ呼吸をしたタイミングで突き込まれるなど、責めは人体を理解し把握しているように確実に行われ、ヒヨリの身体を苦痛と死の限界まで苛んだ。当然嘔吐するが吐瀉物を再び口に咀嚼嚥下することを強いられ、体内に収め終わるかと思えば再び肉棒に喉をこそがれる。繰り返しが記憶こそ飛んでいるが記録としてヒヨリの身体に刻まれている。
「いいぞ……出るっ」
コクコクと喉を鳴らして静液を飲み下す。両手の先で口を押さえて少し体をのけぞらせながら懸命に青臭い白濁液を飲み干そうとする姿を尻目に先生は服を整え始めた。
「これから連邦生徒会に用があるから出るけど夜には帰るから。床綺麗にしといて、食事は冷蔵庫のもの何食べてもいいから」
虚な目で見送った大人の背中が、ドアの向こうに消える。ヒヨリは指し示された掃除すべき場所を確認する。
それは貪られたヒヨリの胎内から溢れ、太ももを伝い落ちた白い物だった。
ヒヨリはゆっくりと床に両手をつき這いつくばると、小さな舌で丹念に床に残った体液をねぶりとった。