「鈴谷、提督とセックスしたい」
私の言葉に、提督はなにも理由を聞かなかった。疑問はたくさんあったはずなのに、ただ「わかった」とだけ言って、自分の私室へと案内してくれた。
「いらっしゃい、部屋のものは、好きに使うといい」
「……おじゃましまーす」
私はおっかなびっくり部屋に入った。
部屋は質素で、掃除が行き届いている。
考えてみれば、男の人の部屋にはいるのは、これが初めてだ。
「シャワーは浴びるかい?」
「あ、ううん。大丈夫、お風呂はいってきたから」
「なるほど、準備万端というわけだ」
提督が意地悪く言った。私は顔から火が出そうだった。
「おいで」
提督に手を引かれる、ごつごつとした指が、力強く私を連れさっていく。
提督は、なんだか少し強引だった。
でもそれが提督の本心ではないことは知っていた。こういうときの彼は相手に合わせて、態度を変えていたから、だからたぶん、私みたいな女には、こうしたほうが良いと思ったんだろう。
「鈴谷」
ベッドの前までやってきて、私は急に抱きしめられた。初めて、男の人にそんな風にされた。
私はきっと、突き飛ばしたっていいはずだった。「調子にのるな!」って怒ったっていいはずだった。
それなのに、心はまったく抵抗しなかった。力がどんどん抜けていく。体があつくて、皮膚が泡立つようにぞわぞわする。
知らなかった。まさか自分が、男の人に強引にされるのが好きだったなんて。
顎を掴まれる。
「や、いや……!」
私は急に怖くなって、ようやくまともに抵抗した、でもそれは自分でもわかるほど弱々しいものだった。
「ん、そうだな、やはり止めておくかい?」
ところが提督はいきなり態度を変えて、優しく言った。
「私も流石に、初日で、というのは早いと思うぞ?」
「う、ううん! お願い! やめないで」
「……そうか、分かった。だが鈴谷、そのまえにルールを決めよう」
「ル、ルール?」
「ああ、本当に嫌な場合は。エフユーと言うんだ」
提督が急に変なことを言った。
「え……エフユー?」
「ああ、別に、めったに言わない言葉なら何でもいいのだが。……つまり、それを言えば、私はどんなときであろうと動きを止める。そういう言葉だ」
「……あ、うん」
「反対に、それ以外では、もう止まらないぞ」
ぎゅう、と肩を掴まれる。さっきよりもずっと強く抱きしめられる。
「鈴谷」
顎に当たった手が上がり、強引に唇を上向かせる。
「目を閉じなさい」
「あ、いや……」
言葉とは裏腹に、私の瞳は閉まっていた。
「ん……ふ……ちぅ……」
大きな唇が私をついばみ、熱い舌が唇と前歯を押し開く。
ファーストキスは、気持ちの悪いものだった。自分の中に他者が入ってくることは、鳥肌が立つほどの恐怖だった。
でも同時に、心地よさも感じていた。乱暴で、強引で、でもそれほど激しく求められているという事実に、ゾクゾクした。
提督が、貪るように唇を咬む。私はいつしか力を抜いて、その異物を受け入れていた。「だめ」「いや」といいつつ、教えられたエフエーという言葉は口にしなかった。
もはや拒絶の言葉はただの喘ぎ声だった。「だめ」だと言っているのに、「いや」だって私はちゃんと口にしている、それなのにされてしまう。求められてしまう。それが心地よかった。
「だめぇ……」
自分がこんな人間だったなんて知らなかった。罪悪感がこんなに甘いものだなんて知らなかった。
だからだろうか、私はついに、本物の罪の名を口にした。
「こんなのダメだよ……パパ……」
提督が、ぴたりと動きを止めた。
「………………鈴谷?」
エフユーという言葉以外では止まらないと言った提督だったけど、流石に度肝を抜かれたのか、びっくりした様子で体を離した。
やばい。やばい。やばいっ!
私は顔面蒼白になっていた。いままで誰にもばれなかったのに、こんな土壇場で口にした自分のアホさ加減にうんざりした。
「…………」
ところが、提督はなにも言わなかった。ただ、表情をなくして、じっと正面を向いている。それは、作戦立案室でしか見ないような、提督が本気で物事を考えている顔だった。
「…………たしか、鈴谷は母子家庭だったな」
やがて、提督は言った。
「え、あ、うん」
「であればその後、ご母堂は再婚などして――いや」
提督は、さまざまな懸念をかき消すように頭を振るった。
「いや、あえて聞くまい。……私は、君たちの望むようにするまでだ。……鈴谷、私を父と呼びたいのなら、呼ぶといい」
これは後で知ったことだけれど、そのときの提督はどうも、私が養父のような存在から性的虐待を受けていたのではないか、と思っていたらしい。ひどい話だが、事実はもっと酷いので仕方がない。
それになにより、その時の私はただ嬉しくて、目の前に差し出されたご馳走に食いついた。
「ほんと! 本当にいいの!?」
胸の中に、不思議な幸福感が広がった。
「ああ、かまわないよ」
「~~っ! パパ!」
「なんだい鈴谷?」
「パパ! パパぁ!」
私はギュッと、提督に抱きついた。信じられないほど心地よかった。男の人の大きな体に抱きつくと、心がふわふわと溶けていった。
パパ、パパ、と口にするたびに、心が幼くなっていく。私は子供のころに言えなかった分を取り戻すように、その名を呼んだ。
「はは、鈴谷は甘えん坊だな」
提督がまた、態度を変えた。頭をなでて、優しく名前を呼んでくれる。それはさっきまでとはぜんぜん違う、親が子供にするような愛のこもった仕草だった。
「~~パパぁ……」
私はますます甘えていく。知らなかった、まさか私が、こんなに父親を求めていたなんて。
パパなんていらないと、ずっとそう思っていた。でもそんなの嘘だった。狐が葡萄にするように、手に入らないものを酸っぱいと言い張っていただけだった。
あるいはママへの反発かもしれない。
私が何を言っても、私を不幸な子あつかいしたあの人。『〇〇にはパパがいなくて可哀想』そういいつづけたママへの反抗心が。私に父を遠ざけさせた。
でも違った。私はたしかにかわいそうだった。これほどの愛を知らなかったのだから。
そしてママも可哀想だった。
これほどの愛を失ったのだから。
「パパ……パパァ……」
私は、今度は自分から唇を求めた。頭を撫でられながら、提督の口に舌を差し入れた。
「ん……ちゅぅ……」
ママがあんなに求めていた人の唇を、思う存分にあじわった。
なんて優越感、なんて甘美。
私は蜂蜜でも舐めるように、男の唇を貪った。
「ぱぱぁ……ふふ、ん、じゅる……」
「す、鈴谷……」
提督は、さすがに及び腰だった。提督にとってはごっこ遊びとはいえ、親子関係でキスすることに抵抗を覚えていた。
「鈴谷……その、本当にいいのか?」
それは、確認の形をした拒絶だった。提督が『否』と言って欲しがっているのが、私にはわかった。
「私を、父というのはかまわないが。だったら、こういうことはしないほうがいいんじゃないか? もっと穏やかな関係でいることだって出来ると思――」
私は言葉をキスで塞いだ。
「……あのね、提督。提督も、あの言葉を言っていいんだよ?」
「あの言葉?」
「うん、エフユーって」
提督の顔色が変わった。
「そしたら、鈴谷も離れるから……」
私はそれが、提督の急所だって分かっていたはずだ。提督は決して、私利私欲で艦娘を抱いていたわけではなかった。そこにあったのはむしろ滅私の精神だ。
だから、その言葉は艦娘だけに許された権利で、提督自身が口にするつもりはないのだと。そう、気づいていたはずだった。
「そしたら、鈴谷、諦めるから。我慢するから……」
「その必要はない」
提督の身体に力が戻る。私をぎゅぅっと抱きしめる。
「あ、ああ……」
押しつぶされそうな包容の中で、私はますますとろけていく。
「鈴谷、お前は私の娘だ、もう絶対に離さない」
「あぁ……パパぁ……」
べちゃべちゃと舌を絡ませる。私はもう立っていられなくて、提督の体に貼り付けにされる。
提督の太い指が後頭部を鷲掴みにする。息が続かなくなるほどキスをされた。
「んぐ……ぴちゅ……んん、んんん!……ぷはぁ、はぁ……はぁ」
「まったく、父親を誘惑するなんて、悪い子だな」
そのときにはもう、提督は完全に役になりきっていた。私が求める理想の父が、母と私が育んだ歪んだ父像が、そこにあった。
父を求める私の心が狂気だったように、提督の気持ちも、また狂気だった。艦娘が望むなら自分の心を押し殺してでも叶えてやる。それが提督の狂った夢だ。
それを私は利用した。
ばちん! と提督が、ううん、パパが、私のお尻を叩いた。
「ひゃあ! ぱ、ぱぱぁ?」
「悪い子だ。そうだろう? なあ鈴谷」
「ひぅ! うう、……ごめんなさいパパ。おこって、もっと鈴谷のこと叱ってぇ……」
「ああ、これからいくらでも叱ってあげよう」
「わぁ……うれしい……」
提督に愛されることが嬉しかった。怒られることが嬉しかった。褒められたり、蔑まれることさえうれしかった。
そのとき、私はようやく自分の望みを知った。
「パパ。鈴谷ね、パパと全部したいの」
「全部?」
「うん。パパとすること、全部。よしよしってされて、ぎゅーってされて、うんと褒めてほしい。ずーっと鈴谷のこと好きでいてほしいの」
提督がうなずこうとするのを、キスで止めた。
「それだけじゃないの。恋人とすることも、全部したい。デートして、エッチして、ドキドキしてほしい。全部、全部パパとしたい。パパとだけしたいの」
「……鈴谷は、強欲だな」
「だめ?」
「いや、ダメなことなど、ひとつもないよ」
そして、提督は私を求めた。大きな顔が首筋にうまる。腰に回されていた指がお尻に食い込む。舌が、鎖骨をなでていく。
「は……あん……」
どさり、と私はベッドに押し倒された。自由になった提督の手が胸に触る。「ああん!」と私の知らない私の声が上がる。
リボンタイがむしり取られて、ブレザーの前を開けられる。ぷつんぷつんとシャツのボタンを外されて、バッ! と前を脱がされた。
紫色のブラジャーに包まれた、まっしろな胸がさらされた。
「ほう、ずいぶんと大人っぽい下着をしているんだな」
「あ……パパ、こういうの、嫌い?」
「いや、よく似合っているよ。素敵じゃないか」
「えへへ、よかったぁ。……あのね」
私は内緒話でもするように唇を寄せる。実際、それは罪の話だった。
「これね、ママとおそろいなの」
「……そうか」
「うん……だからね、パパ。ママにするみたいに、してほしいの……」
「……わかった」
パパがキスをしてくれる。おっぱいを揉んでくれる。
ブラが外されて、固く尖った乳首が歯で噛まれる。
「ひゃん! ああ、パパァ……」
「かわいいよ鈴谷」
パパは、本当に全部してくれた。褒める言葉は父のようで、胸に吸い付く姿は赤ん坊みたいだった。そして、欲望のままに私の貪る様は、凶暴な男そのものだった。
指先が股間に伸びる。
「きゃ! そこダメ!」
「しずかになさい」
拒絶の言葉はあっけなく無視された。それが、私をゾクゾクさせた。いやなのに、ダメって言っているのに、パパなのに、それなのに私を求めてくれることが言いようもない快楽だった。
「あっ! あっ! あっ! パパ、やめて!」
パパは、まったく手加減してくれなかった。ショーツに手を突っ込むと、ヒダもクリトリスも一緒くたに揉みしだく。
でもそれでちょうどよかった。私のそこはとっくに濡れていて、パパのくれた刺激をあっさりと飲みほした。
「…………っっっ!!!」
強すぎる刺激から逃げようと、腰が勝手に浮き上がる。でもパパは全然逃してくれなくて、身体をガッシリと抑え込まれた。
頭が布団にうまる。もうどこにも逃げ場がない。それなのにパパは許してくれない。股間をビチャビチャに弄り倒して、思うがままに弄ばれる。
「あ! ダメ! イク! イッちゃうぅぅぅぅ!!!」
「いいよ、イきなさい鈴谷。ほら、パパの前でイってごらん」
「!!!!! あ、ああああああ~~~~!!」
私はあっさりと、最初の絶頂を果たした。
はぁはぁと呼吸を繰り返す。
パパがびちゃびちゃになった手を広げて、私の匂いがひろがった。
「まったく、感じやすい子だ。ずいぶんといやらしい娘だね」
「だ、だってこんなの無理だよぉ……」
「だらしないな、ママにするように、してほしいんだろう」
提督がベッドに座って、足を広げた。
「なら次は、ママがしたように、やってみるかい?」
「あ……」
私はふらふらと、猫のようにベッドを這って、パパの股間にひざまずいた。
膨らんだズボンに手を当てて脱がそうとする。熱い。男性のズボンの構造がよくわからない。ジッパーをおろしたいけれど、パンパン過ぎて指が届かない。ベルト? を先に外そうとする。
悪戦苦闘する私を、パパは手伝ってはくれなかった。ただじっと見下ろして、私のしたいようにさせてくれた。
ベルトが緩み、ようやくジッパーを下ろす。
飾り気のないボクサーパンツと、むわっとする男の人の匂いがした。
それがたまらなかった。
「はぁ……はぁ……」
肉っぽくて、酸っぱいような匂いは、本当なら不快に思ってもいいはずなのに、その時の私には信じられないくらい良い匂いに思えた。
パンツを下ろす。
やわらいだペニスが、だらりと垂れた。
「やれやれ、ずいぶん焦らしてくれたね。さめてしまったよ」
「あ、ごめんなさぃパパぁ……」
「謝らなくていい。どうすればいいか、わかるかい?」
頭を撫でられて、そっとそこに誘導される。
パパのおちんちん。ちょっとグロテスクな肉の棒。
だけど私は、宝物みたいにそこに触れた。硬いような柔らかいような不思議な感触。
やり方は、ここ数週間でさんざん見てきた。
でもするのは初めてだった。
「あも……んん……」
舌に乗せる。くわえ込む。しょっぱい。くさい。
「ん……くぅ……んん……ん」
「隙間をつくらず、包み込むようにしなさい。……ああ、そうだ。うちの娘は覚えがいいな」
パパが褒めてくれる。それが嬉しくて、私はたちまちコツを掴んでいった。最初は舌で、次は上顎で、最後には喉奥で亀頭を舐めた。
「ん! んんん~~!」
「ああ、気持ちいいよ鈴谷。とても上手だ」
パパのおちんちんが、どんどん大きくなっていく。
喉が強制的にこじ開けられて、呼吸がどんどん苦しくなる。
「じれったいな。……ほら、こうするんだ」
「んん! んんんん~~~~~!!!!」
パパが頭を掴んで、ぐいぐいと前後に動かした。私は反射的に抗おうとしたけれど、でも、パパはそんなもの無視して、私の口を乱暴に犯した。
「ああ、いい子だ鈴谷」
でもその苦しさが、つらさが、私にはうれしかった。
だって、それって本当ってことでしょう?
気をつかって、お情けでなんてされたくない。
それよりも乱暴でも、苦しくても、本気で求めてほしい。
私のことなんてなにも考えないで、私のことだけ想ってほしい。
「いくぞ……鈴谷!」
私はもうなにもできなかった。腕をだらんと下げて、おっぱいをゆさゆさ揺らして、ただ喉の奥を犯されていた。
「ぐっ!」
ドクンっ! と、口に熱い液体が吐き出された。パパがビクビクと震える。頭をがっしりと固定されて、どくどくと精液を注がれる。
息ができない。喉が苦しい。勝手に涙が流れていく。
手が離れる。
「ぷはっ! けふ! けほ! はぁ……はぁ……はぁ……」
ようやくまともに息をする。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
途端に、信じられないくらいの生臭さに襲われた。まるで全身に精液を浴びたみたいに、パパの匂いで満たされていく。
「こぷ、あ……」
溢れそうにあった精液を、私は慌てて受け止めた。精液は半透明の、鼻水みたいな液体で、苦くてしょっぱい味がした。
私はそれに、ふたたび飲んだ。
舌に絡む液体を、コクコクと喉を鳴らして飲み干した。
「……まったく、鈴谷は本当に覚えがいいな」
ティッシュを取ろうとしたパパが、呆れたように箱を戻した。
「いい子だ。とても気持ちよかったよ。ありがとう」
「あ、パパぁ……」
パパが頭を撫でてくれる。さっきまでの乱暴さが嘘のようで、私はふたたび溶けていく。
「えへへ、鈴谷、上手だった?」
「ああ、とても初めてとは思えないよ」
「あ……えっと、やっぱり分かる? 鈴谷、そういう経験ないって……」
「まあ、なんとなくだがね」
パパが複雑な表情をした。パパからすると、このときの私は養父に性的虐待を受けた特殊なファザコンで、それでいて処女というとんでもない変態になっていたらしい。
でも実際はもっとひどいなんて、わからないだろう。
「ね、パパ、脱いで」
「ああ……」
私の中に、また熱が灯る。
パパの服を脱がせていく。真っ白な制服の下から、意外と筋肉質な体が出てくる。
同じように、私も脱いだ。鈴谷の服を脱ぎ去って、ママとおそろいの下着も脱ぐ。
ふたりで、裸で向き合った。
「きれいだよ。鈴谷」
「えへへ、ありがとう。パパもかっこいいよ」
肌と肌が触れ合って、私は全身でパパを感じた。
「ね、パパ、鈴谷に、して……」
「うむ。……だがすまん、もう少しだけ待ってくれないか?」
パパがすまなそうにいう。
「歳もあってね、二度目は少し時間がいるんだ」
「え、あ、そうなんだ」
「知らなかったかい? はは、そういうところはたしかに、初めてらしいな」
そういえば、他の艦娘とするときも、二度目は時間をおいていたように思う。あれは、そういう時間だったのか。
「えっと、なんかごめんね? せかしちゃって……」
「なに、こういう時間も、楽しむものさ」
「あ……む……パパぁ……」
私達は裸で抱き合って、キスをした。
それから全身に口づけをした。私もパパも相手のすべてを味わいたくて、どんな汚いところにも口をつけた。
最後はお互いの股間に顔をうずめて、いつまでもそこを吸っていた。
おちんちんをしゃぶるのがこんなに楽しいなんて、思いもしなかった。
私はびっくりするくらい小さくなったそこを丁寧に舐めた。そのたびに帰るパパの反応が楽しかった。
パパに舐めてもらうのも、嬉しかった。私が知らない、私の弱点をほじくり出されてもてあそばれるのは、うっとりするほど気持ちよかった。
ずっとそうしていたかった。けど、
「パ、パパぁ……もうがまん、できないよぉ」
私はついに音を上げた。これ以上いじられたら、またイッてしまいそうだった。
「お願い。もうして欲しいのぉ……」
「ああ、待たせて悪かったね」
パパが、私を仰向けに寝かせて、カエルみたいに足を押し開いた。
お互いの性器が向き合う。私もパパも、もう準備はできていた。
「……本当に、いいのかい?」
パパが、最後に言った。
私はうっとりとして答えた。
「もちろんだよ。……鈴谷の初めて、パパにもらって欲しいなぁ」
「……そうか」
「うん……パパが最初で、最後になってほしいの。パパの赤ちゃん産みたい……パパのママになりたいの……」
私の願いは虚無だった。
艦娘は妊娠などしない。
「ああ、分かった。孕ませてあげよう」
でも提督は、優しく嘘をついてくれた。
「わぁ……大好き……パパぁ……」
キスは罪の味がした。
男が私にのしかかる。
「ん……くっ!」
ペニスが膣口にうまる。パパはきっと、処女膜を破るのにも慣れていて、体重をかけると、一気に私の処女を奪った。
「~~~~っっっっ!!」
痛みが、全身を駆け抜けた。
「大丈夫かい? 鈴谷。今日はここまでにしてもいいんだよ」
「っ! だい、じょうぶ。……気持ちいい、から……」
嘘じゃなかった。たしかに痛い。でもその苦しみはやっぱり、私にとって喜びだった。
パパに抱かれている。痛みはその証明だ。
「お願い、パパ。鈴谷のことなんて気にしないで、鈴谷で気持ちよくなって欲しいの。ちゃんと、本当に駄目なときは、いうから……」
「……わかった」
そして、パパは鈴谷が望むとおりにしてくれた。
「~~っ!! つっ! んんん!」
いきなり腰を突かれる。痛みが爆発して、涙が溢れ出す。
口を抑えてなんとか耐える。
「ああ、鈴谷、気持ちいいよ……」
パパは、もう私を見てもいなかった。
目を半ば閉じかけて、ただ腰を打ち付けている。ペニスで娘の体を味わい尽くそうと、血まみれのそれをこすりつけている。
それが私には嬉しかった。
「パパ……パパぁ……ん……」
キス。でもそれもすぐに離れるキスだった。私はもっとしていたいのに、パパは自分がしたいようにしかしてくれない。
「パパ、どう? 鈴谷の体? 気持ちいい?」
「ああ、最高だ」
「よかったぁ……。ああん!」
胸をぎゅうぎゅうと揉まれる。ゴムまりみたいに乱暴にされる。
「えへへ、おっぱい、好きなの? いいよ、鈴谷の胸も、おまんこも、パパのものだよ。なんでもして、いいんだから」
「まったく……本当にいやらしい子に育ったな」
「やぁん、そんな、いじわるいわないで……」
「それがいいんだろう? ほら、尻をあげなさい」
ペニスが抜かれる、ひっくり返されて犬みたいに四つん這いになった。
痛みが来た。
「はぐぅ。いた、痛ぃぃぃ」
さっきよりも深いところまで貫かれる。痛みと快楽が同時にくる。
「やぁ、これやぁだ。パパが見れない、怖い……」
「我慢しなさい」
ばちん、とお尻を叩かれる。まるで幼いころ母にされたみたいに、ばちんと、また叩かれる。
「はぅ! うう、ううううう……」
私は、犬みたいに唸って、パパがくれる痛みに耐えていた。自分ではもうなにもできない。ただパパが許してくれる時を待っている。
「あ……パパぁ……」
やがて、パパが再び私をひっくり返した。おまんこを突いて、抱きしめて、いつまでもキスをしてくれた。
私は夢心地で聞いた。
「ねえ、パパ、気持ちいい?」
「ああ、気持ちいいよ」
「それって、ママよりも?」
パパは一瞬おいて、「ああ」と答えた。
「あぁ、嬉しい……」
そのとき、私はようやく自分の本当の望みをしった。
私はたぶん、あの人を恨んでいたんだ。
目の前の私を見ようとせず、その向こうの恋人ばかりを見ていた母。
私はあの女から、幻想を奪ってやりたかったのだ。
いま、その夢が叶った。
そう思うと、信じられないくらい気持ちよくて……、
「あ! あ! パパ! もう私、イッちゃう!!」
「まったく、パパに気持ちよくなって欲しいといったのは嘘だったのかい? 私はまだ高まっていないよ。我慢しなさい」
「~~~~っ!!!??」
いままでで一番の苦しみが来た。痛みなら、耐えられた。でも快楽に耐えるのはとんでもなく大変だった。
「あ、あ、無理無理。いっちゃう。いっちゃうよぉ。パパぁ!」
「駄目だ」
「そんな……、意地悪言わないで……うぅ……ううううう……」
「我慢、しなさい……」
私はもう、狂ってしまいそうだった。
絶頂のいただきで、私はなんとか踏みとどまる。「うぐぅ……おごぉぉぉ……」と豚みたいな唸り声を上げて、パパの言いつけを守ろうとする。
「ひっく……も、だめぇ……あぐ、あっあっあっ」
抑えれば抑えるほどに快感は高まって、私は張り裂けそうだった。
「もうすこし、だ……」
「も、無理ぃ……お願い、一緒に……一緒がいいのぉ……うう……いい子にするから……わがままいわないから……だから……だから、パパの精子ちょうだぃ……」
「……っ!」
その時が来る。パパが壊れそうなほど腰を打ち付ける。
私は全身でしがみついた。
「……いく、ぞ」
「あ! あ! ダメダメダメ! いっくうううううぅぅぅうぅぅ!!」
「……くぁっ!!」
頭が真っ白になっていく。
脚がビクビクと跳ね上がり、嬌声が闇へと消えていった。
パパのペニスがどくどくと震えて。あつい感触が広がっていった。
「……はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」
パパの体から力がぬけて、私の体にのしかかった。でも私にも押しのける力は残っていなかった。
やがて、ペニスが縮んで膣から抜けた。股の間を血と精液が垂れた。
「ぱ、ぱぁ……」
私は絶頂のなかで、そっとパパを抱きしめた。ふわふわとした気持ちの中で、子供みたいに呼びかけつづけた。
どうしてだろう、そのときまたあの直感が訪れていた。私がパパの実娘だと、心と体が叫んでいた。
「……鈴谷?」
そしてパパも、私を呼んだ。
その目は私と同じ色をしていた。
私にはすぐにわかった。たぶんいま、パパもおなじ直感をうけている。
「なぁに? ぱぱ……」
「ああ、いや、なんでもない……」
でもパパは大人で、提督で、だから私ほど直感を信じていなかった。
「ねぇ、パパ……」
「なんだい?」
「もしも、もしもなんだけど、さ――」
この関係は、いつか絶対に破綻する。
そのときは、きっとすべてを壊すだろう。提督が抱いた小さな夢も、他の女達のささやかな夢も、全部がめちゃくちゃに破壊される。
「鈴谷が、もし本当の娘だったら、どうする?」
ああ。なんて顔だろう。
暗い満足が、私の体を濡らしていく。さっき、あんなに満たされたのに、もう心が飢えていく。
この顔は、私だけのものだ。他の女が誰も知らない。艦娘もママも入れない。私だけのパパの顔。
「……ふふ、うそうそ。冗談だよ。じょーだん」
「あ、ああ。そうか……」
「にひひ、信じた?」
でも今はまだ、腕の中。
「……鈴谷ね……パパ、だーい好きだ」
すべてが堕ちる快楽に、心のそこからおぼれていった。
end
※誤字脱字などがありましたら感想の方でご指摘ください。
※また、作者ハーメルンは浅く、作法や文化にうといところがありますので、そのほか些細な違和感などあれば教えていただけると助かります。