沼地の小屋で雨宿りをした後、ゲンキ達はクノエシティに辿り着いた。
「着いたよ、クノエシティに」
コルニが両手を広げて街全体を紹介した。
「わあ、色んなキノコが一杯。まるでおとぎ話の世界にいるみたいだね!」
ナタネは街に生えている沢山のキノコを見てときめいていた。大きな傘を被ったキノコが生えた中世を思わせる街並み。おとぎ話の世界に迷い込んでしまうかのような感じになっていた。
(クノエシティ、画面でしか分からなかったけど、こうしてみると、確かにメルヘンだなあ・・・)
ゲンキは前世の記憶でゲーム画面でしか感じられなかったおとぎ話のような街並みを見て感嘆していた。
「あはは、キノコがふわふわしてて面白い!」
ナタネはキノコの傘に座って弾んでいた。
「うん、あたし、分かるよ。ここのジムリーダーさんもおとぎ話の住人みたいな面白い人だって」
「そうだよ、この街のジムリーダーは面白い人でね。どんな人かと言うと・・・」
「はああああああ?!」
コルニがジムリーダーについて話そうとすると、何かの驚く声が聞こえて来た。
「何だろう、向こうで騒動が起こってるみたい・・・」
「よし、見てみよう!」
コルニとナタネは騒動が起こっている場所に向かっていった。
「あたしと勝負しろっての!目と目があったら、ガチでジョーシキでしょ!」
見るとバッドガールがホープトレーナーに無理矢理勝負を挑もうとしていた。
「ゲンキ、任せて」
心配する少年にコルニがやめさせようと動いてが・・・。
「あらあ、あんさん、お久しぶりどすなあ」
そこへ一人の少女がやって来た。黒のロングヘアーに紫の触角のような髪飾りにピンクの手が隠れるほど長い振袖のドレスに丈の高いブーツを履いた狐目の少女がバッドガールの前に現れた。
「マーシュさんだ」
コルニは彼女がジムリーダーのマーシュである事に気付いた。少年も前世の記憶で彼女がマーシュだとすぐ分かった。
「いやあ、またここで会えるなんて嬉しいわあ」
「げ、あんたあの時の!へ~んだ、あんたのリズムに狂わされないっての!絡まれる前に退散退散!」
バッドガールは一目散にマーシュの前を去っていった。
「あらあら、もう行ってしもうたわあ・・・」
バッドガールが行ってしまってマーシュは寂しそうにしていた。
「マーシュさん!」
コルニがマーシュに手を振った。
「あら、コルニはん、また会いましたなあ」
ジムリーダー仲間と再会してマーシュは嬉しそうに微笑んでコルニ達に近付いた。
「こんな所まで来てくれて嬉しいわあ。今日も修行しはるん?」
「ううん、この子と一緒にカロス地方を旅してるの」
コルニはゲンキを背後に抱きかかえて少年を紹介した。
「あらあ、小さくてかいらしい子やあ。着飾ったらさぞええやろなあ・・・」
「は、初めまして・・・」
マーシュの顔を見て少年は綺麗だと思った。色白の肌の美少女が笑顔を自分に見せている光景に少年は緊張してどう接すればいいか困ってしまった。
「あらあら、照れてはって、可愛いこやあ。丁度いい振袖なんか着せたらええやろか」
「いいね、それは見てみたいかも!」
「あたしも気になるな!」
マーシュがいい衣装を少年に着せようかと言ってくるとコルニとナタネは興味津々になっていた。
「あらあら、あんさん・・・」
マーシュがナタネをつぶさに見た。
「あんさん、いい衣装やなあ。森の妖精さんみたいやわあ」
「妖精さんかあ・・・そう言われると嬉しいね!」
マーシュに妖精みたいだと言われてナタネは満更でも無さそうだった。
「あんさん達も衣装を着たら可愛くなるやろうなあ。良かったらうちのジムに遊びに来る?」
マーシュがジムに遊びに来ないかとコルニ達を誘って来た。
「た、大変だ~~~!」
するとそこへ街の住人が大急ぎで走って来た。
「どうかしたの?」
「ボール工場に赤いスーツに眼鏡をかけた連中が現れて工場を占拠したんだ!」
「赤いスーツ?」
「あの集団でしょうか。困った人達ですね」
スモモは赤いスーツからフレア団だと察した。
「あらあら、何か大変な事でも起こってるんやろか・・・?」
「マーシュさん、行ってみよう!」
「この子の衣装替えしたいけど、後回しやな!」
コルニ、少年達は急いで工場に向かっていった。工場の門前でフレア団が見張りをしていた。
「おかしな人達、また悪さをしてるの!」
コルニが皆の前に出てしたっぱに声をかけた。
「げ、ジムリーダーか。バラ様の命令だ、ここを通すか!」
したっぱ達がベトベターやラクライ達を出して来た。コルニはマーシャドー、ナタネはナエトル、スモモはチャーレム、そしてマーシュはニンフィアを繰り出した。
「僕も!」
「大丈夫、こいつらはあたし達で充分だから!」
「安心してみててなあ」
コルニ、マーシュ達は問題ないと言って少年に見ているよう言った。コルニ達に言われて少年は見守る事にした。
「行くよ!」
コルニ達のポケモンはそれぞれの技を振るってしたっぱのポケモン達を蹴散らしていった。
「うわあ、強い!」
「に、逃げろ!」
コルニ達の強さを目の当たりにしてしたっぱ達は工場へ逃げていった。
「追いかけるよ!」
「坊ちゃん、ちゃんと付いてきてな」
マーシュ達の後を追いかけるように少年はその後を付いていった。