このままでは人類国家は魔族の食肉場と化してしまう!
事態を重く見た法皇庁は、ついに彼らを動かすことを決断する。
そう、神の殺し屋と畏怖される法皇庁第十三課を。
「一般常識、という言葉があるよな」
コツコツと音をたてて、黒いコートを羽織った男が歩きながら講釈をしている。
「例えば、だ。この世界でレイプされて喜ぶ女がどれほどいるとおもう?」
コツリ。男が目の前で立ち止まり、私の顔を覗き込むようにして問いかける。
「答えは、そう、マイノリティ。少数派、だ。一般常識とは多数派の感情に拠るものだと俺はおもう」
パシン。
男が私のむきだしになった乳房を叩いた。
思わず声が漏れる。
「驕ったな? 魔王デグリアリス。俺より膂力があるからと、俺より魔力があるからと、驕ったな」
ニヤニヤと笑う男が憎らしい。
だが驕った、というのは間違いだ。
勝利して当然だったはずだ。
男から感じる力は余りにも小さい。
本来なら、下級火炎術式の一発で男は消し炭になるはずだった。それなのに、それなのに……!
「力にもいろいろあるのだよ、当代魔王。俺の力は【レイプ・マジョリティー】。その世界において、レイプされたときに感じる一般常識、一般的な想いを強制的に刷り込む。刷り込まれた相手はレイプされる恐怖におののき、一切の力の行使を封じられてしまう。例え、性行為という概念が存在しない種族であっても関係はない。俺がセフレ神より賜りし権能の光は万里に遍く全てのモノを桃色へ染め上げる。そう、お前のように」
パンッ。
再び男の掌が私の胸を打った。
「あぁっ!」
「良い声で鳴くじゃないか。やはり俺の考えは間違っていなかったようだな。そうだ、その通りだ。お前のような強大な力を持つ存在も、聖神に祝福されし当代勇者でさえ鎧袖一触に葬り去った貴様でさえも、一般人に堕ちれば只の女だ。そうだろう?」
余りにも邪悪な笑み!
我々魔族より、よほど魔に染まっているように見えた。
「ああ、まだ名乗っていなかったな。俺の名はペニスリス・ハンス・ヨアヒム・マルセイユ。法王庁第十三課、特級異端審問官、【強姦のペニスリス】とは俺のことだ」
だが、と男は続けた。
「大きな力の行使には大きな制約が伴う。俺は力を行使した相手を1年の間レイプし続けなければならない。よって、だ。お前は俺にレイプされ続けることになる。1年の間、な」
にやりと笑う男のおぞましい笑顔に、怖気がはしった。
「やめよ!! 貴様……そのような真似をして勝利して嬉しいか!」
「いいや、まったく」
薄笑いを浮かべていた男は顔中に青筋を走らせ、目を見開いた。
その目は充血していて、狂を、そして凶を発している。
握り締めた拳から滴る血は、男の憤怒の大きさを物語っていた。
「汚らわしき魔族に俺のチンポを突っ込むことを考えると憤怒で精子が死滅してしまいそうだ。だが、神の名の元、お前をレイプする。神は言われた。貴様ら邪悪を辱め、陵辱し、然るのちに無残に殺せ、と」
「穴という穴、無事でいられるとおもうなよ。貴様が遊び半分で焼きつくしたジャハル市には妹が住んでいた。その夫、そして子供と共にな。俺は泣きながら彼らの遺骨を掘り出した。なに、詫びろなどとは言わぬ。貴様も魔王だ。プライドもあろう。だが言っておく。貴様は詫びさせて下さいと懇願するだろう」
そして無表情のまま私の身体に触れてきた。
「やめろ!!」
抵抗しようと試みるが、身体が動かない。
いや、それだけではない。
私の意思に反して身体は動き出し、着ている服を脱ぎ始めた。
まるで自分の身体が自分のものではないかのように勝手に動いていく。
「さぁて、どんな風に犯してやろうかなぁ」
男が楽しげに笑いながら私の肢体を眺め回す。
悔しさに涙が出てくる。
「この変態め……」
「おいおい、これからもっと恥ずかしい目に合うんだぜ? そんなんで泣いてたら身が持たないぞ?」
「黙れ! このような屈辱を受けて私が黙っていると思うのか!?」
「威勢が良いねぇ。でも、いつまで続くかな?」
男が指をパチンと鳴らすと、周囲の景色が変わった。
私は石造りの部屋の中心に立っていた。
「なっ!? ここは一体……転移魔法!?」
慌てて周囲を見渡す。
周囲には、私を取り囲むように5人の男たちが立っている。皆一様に全裸で、股間を大きく勃起させていた。
余りにも大きい股間に私は背筋が凍る。
「おい、貴様ら何をしている! 早く服を着ろ!」
男たちに向けて叫んだが、彼らはニヤニヤと笑うばかりで動こうとしない。
それどころか、ズボンを脱いで下半身を露出させ、私に見せつけるように自慰を始めた。
「くっ……!」
あまりにも異様な光景に言葉を失う。
何故、彼らがそんなことをしているのか理解できなかった。
理解できないことが、恐ろしかった。
「彼らはセフレ神の敬虔な信者だ。同時に、屈強な聖戦士でもある。貴様ら汚らわしき魔族を100ではきかないほどにレイプしてきた神の使徒なり」
淡々と語る男の声を聞きながら、目の前の異常な状況を理解しようと努めた。
しかし、どれだけ考えようとも彼らの行動の意味が分からない。
「あ……悪魔め……」
震える声で呟く。
「それは貴様だろう? 貴様ら魔王軍が殺した人間の数、19194545名。残虐なる魔王よ、人の力を知れ。死者の葬列に並ぶ順番が来たぞ」
いつの間にか私の背後に移動していた男に耳元で囁かれる。それだけで全身に鳥肌が立ち、おぞましさに身震いした。
「みろ、彼らも貴様を罰したくてウズウズしているようだ」
男が指さしたのは、先ほどから私の身体を舐めまわすような眼で見ている5人組の男達だった。
「い、いやっ、いやだぁっ!」
思わず後退ろうとしたが、体が動かない。
それどころか、自ら四つんばいとなり、尻を突き出してしまう。
「レイプ・マジョリティーの権能は、対象をレイプされる恐怖により精神を縛鎖し、術者の意のままに従わせる力がある」
男の言葉に絶望で目の前が真っ暗になった。
こんな奴らに好き勝手に犯されるなど耐えられない。
必死に抵抗するが、体はいうことを聞いてくれない。
「さぁ、お楽しみの時間だ」
背後に立った男がゆっくりと私の尻を撫でまわし始めた。
その手つきだけで吐き気が込み上げてくる。
「触るな! 穢らわしい!!」
叫ぶ私を嘲笑うかのように、男はショーツの上から秘所を愛撫し始めた。
あまりの嫌悪感に涙が滲む。
(嫌だ……助けて……)
心の叫びも虚しく、私の陰核は充血して固くなっていく。
「くくくっ……どうした? そんなに震えて? 怖いのか?」
男の嘲るような声に必死で首を振る。
違う、これはただの生理現象だ。決して感じているわけではないと自分に言い聞かせる。
「よし。敬虔なる信徒諸君。この薄汚い魔族への懲罰をくれてやるので見ておくがいい」
ペニスリスはおもむろにズボンを脱ぎ、下穿きまでも放り捨てた。
目の前にあるのは……そう。余りにも巨大な……巨大なペニス。
「54センチだ。いっておくが最初から本気で犯す。これは神なる裁きの打擲也」
ペニスリスはおもむろに私の膣へその化け物のようなペニスを押し当てると、一息に突いた!
「アギャアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
私は絶叫した。膣が裂け、血が吹き出る。
痛い! 熱い! 苦しい! 辛い! 悲しい! そんな感情が一気に押し寄せてきた。
余りの痛みに失神してしまいそうになる。だが、男の抽送によって意識が強制的に覚醒させられる。
パンッ、パンッ、パァン!! 肉と肉のぶつかり合う音が響き渡る。
そのたびに子宮が押し潰され、激痛が走る。
「アァッ! アアッ!!」
私の口から洩れるのは、もはや嬌声ではなく悲鳴。
「ふん、やはり初めてだったか。だが、貴様にくれてやる慈悲はない。その痛みをもって、己の罪を悔いるんだな」
魔族の強靭な肉体がうらめしかった。
魂まで焼き焦がすような激痛でさえも死ぬことが出来ない。せめて気絶できれば楽なのに、それすらも許されないのだ。
ペニスリスのピストン運動は徐々に激しくなっていった。
突き入れられるたびに骨盤が砕け、内臓がひしゃげていくのが分かる。
もう何も考えられない。ただ、苦痛だけが脳を支配していた。
ドピュッドピュー!! ビュルルル──
ペニスリスの精液が私の膣内へ放出されていく……熱い……熱い!?
「ああああ熱いイイイイィィ!!」
私はまたもや絶叫した。熱いのだ。極大火炎魔法を受けたかのような灼熱が膣内を荒れ狂っているのを感じる。
「くくく。俺はセフレ神より祝福されている。この身に流れる体液の一滴残らずすべて神聖なものと置き換わっているのだ。どうだ、聖なるザーメン、聖子の味は! 熱いか! 苦しいか! だがそれは貴様の邪悪さゆえだ!」
男は射精しながらもなおピストンをやめない。まるで拷問のように延々と続く地獄の中で、私はただただ悲鳴を上げ続けた。
そしてようやく男の律動が終わったとき、私はすでに虫の息だった。
全身が痙攣している。もう意識を保っていることさえ難しい。このまま眠ってしまいたい衝動に駆られる。
「おっと、まだ寝るには早いぞ」
そういって男は私の髪を掴み、無理やり上体を起こさせた。
「この空間はな、レイプ部屋という。ここで流れる時間は現実のそれとは異なっている。そして、体への影響もだ。仮にここで1年間飲まず食わずでレイプしつづけたとしても、現実世界では1時間しかたっていないのだ。よって体への負担も1時間分のそれになる。詰まり貴様は、文字通り1年! 休まずレイプされ続けるんだよ!」
何という悪趣味な能力なのだろう。
1年間もの間休みなく犯され続けるなど想像しただけで気が狂いそうだ。
いや、実際に気が狂ってしまうのだろう。
私はもう……
■
1年がたった。
当代魔王デグリアリスはまだいきていた。
だが、当代魔王デグリアリスはもうどこにもいない。
「殺シテ、殺シテ、殺シテ、殺シテ、殺シテ、殺シテ、殺シテ、殺シテ、殺シテ、殺シテ、殺シテ、殺シテ、殺シテ、殺シテ、殺シテ、殺シテ、殺シテ、殺シテ、殺シテ、殺シテ、殺シテ、殺シテ、殺シテ、殺シテ、殺シテ、殺シテ、殺シテ、殺シテ、殺シテ、殺シテ、殺シテ、殺シテ、殺シテ、殺シテ、殺シテ、殺シテ、殺シテ」
ペニスリスは冷たい目で魔王だったモノを見た。
そして懐へ手を入れ、銃を取り出し…魔王だったモノの口に咥えさせて引き金をひいた。
「地獄でも、犯され続けろ」
ペニスリスは魔王の遺骸に唾を吐き捨て、踵を返し魔王城を出て行った。
人魔の争いは続く。