会えずに日々を過ごしていた間、色々と溜め込んでいた二人の話。
同作をpixivにも投稿しています。

注意点
二次設定、独自設定、独自解釈等があります。
オリキャラ(名無し男)との絡みになります。

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R-18パートは1、2番のみです。3番はR-18要素のないパートになっています。


二乗に膨らむ思慕の情

1.

 筋肉馬鹿組織などとどこぞの輩に揶揄されたりすることもあるが、勁牙組でも頭を使う時は使うし、会議を行い現状や今後を話し合ったり、決議を採ることだってある。

 丁度、本日最後の予定はその定例会議であり、先程それを終えた終えた早鬼は、参加していた幹部連中への労いもそこそこに、今日決議されたあることへの喜びそのままに最速で自室に戻る。もう後は風呂に入って食事をして寝るだけだが、その前にどうしても、もう一度確認したいことがあった。

「……うん、間違いない……な! 間違いなく、明日だ!」

 滅多に使わない事務仕事用の机の元に真っ先に駆け寄って卓上カレンダーをじーっと見たかと思えば、喜悦に溢れた声を上げ、ベッドに向かって横向きにぼすんと倒れ込んだ。

「明日、明日か~。ふふ、明日……」

 早鬼は愛用の枕を胸元に手繰り寄せると強く抱き締めて、湧き上がる喜びを言葉にして吐き出す。だが、それでも足りず、抱いた枕に顔を埋めて、およそ部下には見せられない緩み切った笑顔を浮かべる。

 これほど早鬼が明日を楽しみにするのは何故なのか。それは、ここしばらく会えていなかった恋人と、久しぶりの会うことが出来る日だったからだ。そして、確認したかったこととは、本当に明日なのか、それをどうしても風呂に行く前に知りたかった。そうしないと、碌に湯舟に浸かれないほどに、そわそわしてしまいそうだったから。

 お互いに予定が合わず、もう一か月近く会えていなかった〇〇と会える。もう今の早鬼はそれで頭がいっぱいで、脳裏に浮かぶのも彼の顔や声、匂い等々、〇〇のことばかり。

 〇〇と触れ合える、声が聞ける、愛し合える。そう改めて思うと、早鬼は自分の中である感情が強烈に膨らむのを感じ、ぞくりと体を震わせる。次第にその感情はどんどん大きくなり、徐々に息が乱れ、体の芯が熱くなっていく。

 もはやその感情を、情欲を抑えられず、自らの火照りと欲求に任せ、下半身に手を伸ばして下着越しに秘部を撫でた。

「ぁ……」

 中指が割れ目に触れた瞬間、早鬼は小さく声を漏らして手を離すが、快感を求める気持ちに押され、続けて秘所を緩く撫でさする。

 下着の上から中指全体を淫唇に沿って押し当て、緩く前後に揺らすようになぞり、甘い刺激を与えていく。

「んっ、はぁっ……。……あ」

 緩い快感に静かな喘ぎを漏らしていた早鬼だったが、少し間を開けて気の抜けた声を漏らすと慌てて立ち上がり、この部屋の扉の元へ小走りで向かう。

 自らの目でも鍵を見て、手でもがちゃがちゃとノブを回し、しっかりと扉が施錠されていたのをチェックすると、ふうと息を吐いてベッドに戻る。急いでいたのでもしかしてと思ったが、過去の自分に抜かりはなかったようだ。

 戻る途中で上の服もブラも脱いでそれら衣服は椅子の背もたれに乱雑に掛け、再びベッドに寝転んでからはショーツも脱いで脇に置き、声を抑えるために枕を引き寄せて口元へ押し付ける。

「んっ、ん、っ……」

 ついつい始めてしまった自慰だったが、最後まで、と決心してそのための気掛かりも潰してスカート以外は全て脱いでしまうと、もう幾らかあった遠慮の気持ちは全く無くなり、それは手つきにも反映されていた。

 直に陰核をすりすりと撫で続け、枕と口元の僅かな隙間から静かに息を漏らして快楽を貪っていく。するとあっという間に淫唇はじっとりと湿り気を帯び始め、指先で捏ねるクリトリスも硬く膨らんでしまう。

「はぁっ! っ、ん、んっ~……」

 枕で抑えているのにもかかわらず、敏感な秘芽で得る法悦に思わず早鬼は大きな声を漏らしてしまい、頬を赤らめる。扉の外までは聞こえていないとは思うものの、流石にとても恥ずかしかったのでそれからはなんとか堪え、陰核を絶えず弄り続けていく。

 そして、今までシーツをぎゅっと掴んでいた左手を離し、ベッドのシーツに押し付けて乳首を擦っていた豊乳へと進めて鷲掴む。

 以前までは大して思うこともない、むしろ動きにくいとすら思っていた、中々に大きく実った乳房。でも、○○と恋仲になり、色々したりしてもらったりするうちに、今では自分の体の中でも好きになった箇所。

 そんな乳肉を、○○の手つきを思い出しながら揉みしだく。優しく揉みほぐしたり、少し荒っぽく、だけど痛くしたりは絶対にしない温かな手つきや、ぷくんと突き出た先端を指先で捏ねたり弾いたりする動き。記憶にあるそれらと、この体を褒めてくれる〇〇の言葉と声を思い返しつつ、乳房を自らの手で愛撫する。

 恋人への溢れんばかりの思慕はもう片方の手へも伝播し、たまらず陰核を弄っていた指を膣穴へ向かわせる。そこはすっかり濡れていたが、一応入り口を軽く撫でて具合を確かめた後、中指を膣内へ侵入させた。

「んっ、あっ……。あ、ぅっ……」

 既にとろとろに濡れそぼっていた膣内は、早鬼の細い指をスムーズに根本まで呑み込んでいく。でも、そこまでは良かったのだが、望んでいるところまで指は届かず早鬼は残念そうな声を漏らす。

 それでも、膣内に入れた指を出し入れさせて柔肉をにちゃにちゃと捏ね、膣壁に押し当ててはひたすらにひだを撫で回す。

 乳房と膣内を夢中で弄る早鬼の中にある感情は、確かに『気持ちいい』というものだ。けれど、同時に○○の指ならもっと気持ちいいのに、もっと幸せな気分になるのにと、叶わない思いが絶えず湧き上がってくる。

 胸に募る思いと疼く肉欲を、文字通り自ら慰めて耐え忍ぶ早鬼の瞳の端には僅かに雫が光り、それはそっと頬を伝う。

「っ! んっ、んっ~……!」

 やがて、早鬼はベッドの上でびくんと大きく体を跳ね上げさせ、自慰による絶頂を迎えた。

 全身を駆け巡る、大きな快感。しかし、この絶頂は早鬼にとっては非常に物足りないもので、充足感どころか虚しさの膨らむものだった。

 大して余韻に浸りもせずに膣内に入れていた指をさっさと引き抜き、ぼんやりと眺める。明かりに照らされて輝く愛液を纏う自らの指を見て思わず、はあ、と溜息が漏れた。

 ここ最近、毎日独りで自慰行為に耽っていたが、毎回終わっては溜息をつくのがすっかりお決まりになっていた。その理由なんて分かっている、この手は○○の手じゃないと、してくれているのは○○じゃないと、いつも思ってしまうからだ。

 入浴前に致した場合、この後はぼんやりと天井を十秒ほど眺めた後、だらだらと服を着直して風呂へ行くのが一連の流れだったが、今日は少し違う。早鬼は頬を伝っていた雫を勢いよく拭うとがばっと起き上がり、幾らかすっきりとした顔で服を着てから風呂場へと向かっていった。

 早く明日にならないかなと思いながら、翼や尻尾をいつも以上に念入りに手入れをして、褒めて貰おうと思いながら。

 

 

 

2.

 鶏の鳴き声に急かされるように眠りから目覚め、朝食を済まし、服を着替えたりと支度を済ます。いつもと変わらない、至って普通の朝の日常風景。だが、今日は違う。あちらに何事も無ければ、早鬼が来るであろう日だ。

 この一か月近く、お互いに予定が合わず、顔すら会わせられない寂しい日々を送っていたが今日は違う。自分は勿論、早鬼の方も――時折様子を伝えに来てくれたり手紙のやり取りを手伝ってくれる、仲のいい狼霊曰く――、何も予定がない日のはずだ。

 なので、支度を済ませてからは早鬼の来訪を今か今かと待ちながら、少しでも今日のデートを早鬼が楽しんでくれるよう、どこへ行こうか何をしようかと昨日の晩と同じく、一人考えていた。

 しかし、そんな待つ時間を楽しみにする反面、少し不安も感じていた。と言うのも、大抵自分が朝食を終えるないし食べている頃には最速で乗り込んでくるのだが、今日はこうして予定を改めて考えるほど、時間的余裕があったからだ。

 そうして時は過ぎて朝と昼の中間辺りになった頃、胸中に抱えていた不安が更に膨らむ。早鬼に急用が入ってしまったのではないか、と。もしも、彼女ではなく狼霊がここを訪れたなら、それでまず間違いないだろう。でも、急用程度ならいい。だけど、もし彼女の身に何かあったとしたら。

 いや、でも、まさか、いやいや、だけど――。そんな風に悶々としていると、玄関の方から勢いのある声が響いた。

「○○っ、いるかー!?」

 聞き覚えのある、ずっと待ち望んでいた声に返事も碌にせずに慌てて立ち上がり、玄関へと急いで駆けて、その引き戸をガラガラと勢いよく開ける。

「あ! ○○っ! 良かった、ちゃんと居たな」

 そう言って、玄関の向こうに居た人物はにかっと笑い、自分もつられて頬を緩める。そこには、頭に思い描いていた予想通りの人物、早鬼が笑顔で立っていた。

 久しぶりに見た、彼女の眩しい笑顔。それをこうして再び見れたこと、自分の心配が杞憂で済んだこと、その両方がとても嬉しかった。

「早鬼、久しぶり。っと、その前に、中に入ろうか」

「ああ、悪いな」

 人里に出向く際、外見で妖怪だと分かってしまう者が纏う衣装には大雑把に分けて二通りある。人間に紛れるために人里の人間らしい恰好をするか、全く気にしないかだ。早鬼は本人の豪快な性格通り後者で、それは今日も全く変わらず、大きな黒い翼やふさりとした尻尾を一切隠そうとはせず、継ぎ接ぎの節目ごとに色や模様の別れたワンピースと白いスカーフという、お気に入りの衣装に身を包んでいた。一応、もう一つの特徴でもある頭頂部近くに生えた馬耳は帽子で隠れているが、これは本人に隠す意志があってのものでなく、単にこの帽子がお気に入りだからだろう。

 彼女が自宅を訪ねて来るのも一回や二回じゃないしいつもこんな調子なので、この家に人ならざるものが通っているのはもう近所にもバレバレだと思うが、念のため一先ず中に入ってもらう。

「それにしても、今日は少し来るのが遅かったから心配してたけど、何事も無さそうで……」

 言いながら玄関の戸を閉めて、改めて早鬼と向かい合ったその時、思わず口を止めてしまった。向かい合う彼女の赤い瞳が、どこかぼんやりとして、熱っぽく思えたからだ。

 さっきまでは元気そうに見えたけど、としばし自分も黙って早鬼の様子を観察していると、彼女のかぶっている帽子の中で、馬耳がもそもそとしきりに動いているのに気付く。

 それを見て、少し違和感を覚えた。こんな風に馬耳が忙しない時は早鬼もそわそわしている時が多いが、目の前の彼女はむしろじっとしていて大人しい。そういえば、大抵こうして日が空いた後の邂逅は、顔を合わせた途端に飛び掛かって来るのが常なのに、今日はそれも無かった。

「早鬼、随分静かだけど、もしかして体調悪い?」

 もしや、貴重な機会だからと無理を押して来たのかもと思い声を掛けると、早鬼は二三回瞬きしてから、「いや、そうじゃない」と返事をしつつ帽子を脱いで傍らの帽子掛けに引っ掛ける。自分は帽子を滅多にかぶらないし、かぶる知り合いも早鬼以外にいないので、ほぼ彼女のためだけのものだ。

 覆い隠していた帽子の無くなった馬耳はこちらをはっきりと向いていて、自分の声に集中しているらしかった。他に気を向けるものは無いので、当然かもしれないが。

「大丈夫、これ以上はないってくらい健康だ。遅れたのにはちょっと理由があってな……」

 それならよかった、と胸を撫で下ろしつつも、その理由とやらが気になったが、早鬼は「そんなことより」と言葉を続ける。

「〇〇は、今日の予定は大丈夫か? 一応、空いている日だったと思うけど」

「ああ、それならばっちり。朝から晩まで丸一日、予定も何も入れてない」

「そうか! なら安心だな、うん」

 それを聞いた早鬼はぱあっと顔を明るくし、ロングブーツを履いた脚で玄関の三和土をこつんと軽く叩く。

「で、さっきの話に戻るが、今日は確かにちょっと遅れた」

 彼女はもう一度、三和土を脚でこつんと叩く。

「でも、さっきも言った通りそれには理由があるんだ。私としても、遅れるつもりは無かったんだけど、ついつい、ね。それで、その理由なんだけど……」

 こちらから催促せずとも教えてくれるつもりらしく、自分は黙って早鬼の言葉を待つ。

 そして、早鬼は口を開く直前、三度、三和土を脚で叩く。その音は前の二回より少し大きくて、まるで走り出すのを待ち切れない競争馬のようだ。

「我慢出来なかったんだ」

「……え?」

 早鬼は極めて明るい声で言って歯を見せ笑うと、こちらの困惑の声にも構わず、ワンピースの裾を掴み、躊躇なくたくし上げる。

「今日がとにかく楽しみで早起きしすぎて、まだ〇〇も起きてないと思って、出る時間までに二回も一人でしてたんだ。でも、ほら。疼きは収まらないし、お前の姿を見て、声を聞いたらもっと酷くなるしで、さっき黙ってたのもこれをずっと我慢してたんだ」

 捲られたワンピースの中から、覆う面積のとても狭いローライズの黒い紐パンが露わになるが、その股布は見て分かるくらいじっとりと濡れていて、薄布では吸い切れない蜜の滴が太腿を伝い垂れ落ちていた。

「多分、〇〇も色々と今日のこと、考えてくれてたとは思う。どこに行こう、何をしようって。でも、その前に私と……」

 そこまで言うと、早鬼は甘えた瞳でこちらをじっと見つめる。まるで、ずっと餌をお預けされていた子犬を思わせる、早く欲しいと言いたげな、潤んだ赤い瞳。

「!? んっ、んむっ……」

 その瞳に魅入られたように殆ど無意識に体が動き、気付いた時には早鬼を両手で抱き締めて、その唇を奪っていた。

 驚きに固まる彼女を他所に、押し付けた唇から舌を伸ばして早鬼の唇を割り開き、中に侵入して同じく固まっていた舌をやや強引に絡ませる。

 すると、ここまでなすがままだった彼女もいよいよ行動に出る。但し、それは舌を追い出したり噛み付いたりの抵抗ではなく、早鬼の方からも舌を絡ませ、荒々しいキスを受け入れる動きだった。

「ちゅっ、んっ、くちゅっ……」

 そのまましばし口付けを交わした後、自分から唇を離す。時間にすると比較的短いキスながら、急だったからか、息を乱していない自分に対し早鬼は荒く息を吐く。

「はぁ、あっ……。いきなりは、驚くじゃないか……」

 受け入れこそしたものの突然の口付けを不満そうに言う早鬼だが、自分だって彼女に言いたい言葉があった。

「早鬼、いきなりあんな姿を男に見せたら、どんな風になるか考えなかった? 溜まってたのは、早鬼だけじゃなく、こっちもだって」

 早鬼が会えない寂しさやら劣情やらを溜め込んでいた間、自分も同じだったんだと教えてやる。

 すると、言われた当の本人はポカーンとした、気の抜けた表情をしばし見せていたが、やがてぽつりと呟いた。

「……考えなかった。そうだよな、〇〇だって、私を想ってくれてたんだよな……」

 どうやら、本当にそこまで考えてなかったらしい。

 しかし、すぐに嬉しそうな満面の笑顔を浮かべると、両手と漆黒の翼をばさりと大きく広げた。

「でも、大丈夫だ! お前の私への気持ち、全部受け止めてやるぞ!」

 表情、言動、声色、それら全部に思いの丈の全てを受け止めるという自負が感じられる、自信満々な様子の早鬼。普段は格好いいと形容出来るほど、整った容姿や頼りがいのある言動をするのに、こういう時はその調子が可愛くてたまらない。

「じゃあ、遠慮しないよ」

「当たり前だ! はなからそんなものするな!」

 威勢のいい啖呵の返事代わりに早鬼をまた抱き締めて唇を重ねると、今回はすぐに彼女の方から舌が伸びてきて、控えていた舌を絡め取られてしまう。

「ちゅっ、んっ、ん、ちゅぷっ、んっ~……」

 幸せそうな声を漏らしてキスをする早鬼の、次は自分の番だと言いたげな求めに応じ、舌を差し出してディープキスの手綱を彼女に任せると、それを察した彼女は俄然積極的に舌を絡ませてくる。

 早鬼は余程舌粘膜同士を睦み合わせたいのか、歯やその周りは一切撫でず、ただひたすらに舌を絡ませて、くちゅくちゅと水音を響かせていた。

 その合間、自分は早鬼を抱き締めていた両手から右手を離して、彼女の頭頂部へと向かわせる。

「あっ、んっ! はぁっ……」

 頭頂部に生えた、こちらを向いてピンと立った馬耳に触れると、早鬼は一瞬だけ口内を責める舌を止め、可愛らしい声を漏らす。

 髪や翼と同じく黒色の、少し短めのふさりとした毛に覆われた馬耳。それを、毛の生えた方向に沿って優しく撫でる。

 早鬼は久しぶりに味わう、口付けをする際に合わせてよく行う愛撫に気持ちよさそうに身震いしつつ、こちらの舌をあむあむと唇で甘噛みする。それがもっとして欲しいと言っているように思え、もう片方の耳は勿論、撫でるだけでなく根本を軽く掻いたりすると、彼女はディープキスを行いながらも鼻にかかった声を溢れさせた。

「ぷはっ、はぁっ、はぁっ……」

 しかし、すぐに息を強く吐いて口を離すと、荒い呼吸を繰り返す。

「だ、駄目だ。気持ち良すぎて、息が続かないっ……」

「なら、こっちは止めておく?」

「駄目っ! キスはまた後でするから、今はもっと撫でてくれ!」

「分かった。じゃあ……」

 それなら中断するかと提案したがそちらは断られ、むしろもっととせがまれる。それならと馬耳を柔く揉んでやると、早鬼は心地良さそうな息を漏らした。

「んっ、はぁっ……。〇〇、羽と、尻尾もっ……」

 更に別の箇所もと言うので、まずは先程からパタパタと小さく跳ねている黒い翼へと手を伸ばしていく。

「ぁっ……」

 早鬼の漆黒の羽はしなやかですらりと美しく、広げるとそれは包み込まれそうなほどに大きい。触り心地自体はやはりふわふわした耳に比べれば幾らか劣るものの、それは感触の質が違うだけで、翼の上面を手で滑らせたときのなめらかさは耳には無い心地よさがある。

 それに、今してあげているように、羽根の一本一本を指で撫でた際の嬉しそうに羽をぱたぱたと揺らす早鬼も見所だ。

「〇〇の手、気持ちいい……」

 彼女のうっとりとした声に気を良くしつつ、次はゆらゆらと左右に揺れていた尻尾へと手を伸ばす。

 これまた黒色をした尻尾は毛量が多く、もこもこと膨らんで見えるが、実際に手を通してみれば柔らかくさらさらな感触が手を包み込んで心地いい。

 そんな尻尾を手櫛で撫でながら、早鬼を抱き締めていた左手も一旦離して、彼女の後頭部へと手を回す。

 そして、後ろで括って纏めた艶やかな長い黒髪も手櫛で梳いて、二本の尻尾をそれぞれの手で撫でてやる。

「いつもお手入れお疲れ様。相変わらず羽も尻尾も髪も綺麗で、触り心地も凄くいいね」

「ふふっ、〇〇がこうして褒めてくれるなら、大した苦じゃないさ。元々弄るの好きだしな。でも、〇〇に手伝ってもらうのも好きだから、またその時は頼むぞ?」

 早鬼は甘えた声で言うと、こちらの胸元に額を押し付けてすり寄せる。普段は豪快かつ色々と荒っぽい彼女だが、こう言った細やかな身なりの手入れが好きだと知った時は驚いたものだ。

 しばし早鬼の黒い尻尾達と翼や耳を撫でていたが、髪がさらりと舞う度にほんのりと甘く香るシャンプーの匂いがふわりと漂い、嗅覚でも彼女の存在を強く感じてしまう。

 次第に自分の中で大きくなる早鬼の魅力に我慢出来なくなって、彼女の耳元で静かに囁いた。

「早鬼、服、下げるよ」

「ああ、好きなようにしてくれ」

 服を脱がせるという言葉に早鬼は一切躊躇なく頷きを返す。

 尻尾や翼を撫でていた右手をオフショルダーのワンピースの胸元へ伸ばし、一息にぐいと引き下げると、彼女の肩や胸元と一緒に、豊かな乳房を包む黒いブラが姿を表す。

 それは肩紐のない形状をしており、乳房を覆うカップは黒いレース、それもうっすらと肌が見えるようにデザインされた、非常に大人っぽいセクシーなブラだった。

「早鬼、これ、新しいブラだよね」

「ああ、分かるのか?」

「分かるよ。それに確か下も新しいやつだったと思うけど……」

「うん、うんっ! 久しぶりに○○に会えるから、新しいのにしたんだ! 気付いてくれるの嬉しい! 大好きだ!」

 早鬼は両手じゃ足りないのか、翼まで使ってこちらを抱き締めて、全力で愛情表現をしようとする。それをなんとかしっかりと受け止めて、彼女の新品のブラをするりと脱がす。

「でも、早鬼、ごめん。今は何よりも早鬼本人を……」

「大丈夫、私もそうだから構わない。下着姿くらいいつでも好きなだけ見せてやるから、今はもっと、な?」

 せっかく自分のために用意してくれたものなのに早々に脱がせつつ謝罪すると、早鬼は首を横に振ってにこりと笑う。

 また時間がある時に早鬼が満足するまで沢山褒めてあげようと心に刻み込んでから、覆うもののない彼女の乳房へ手を伸ばし、大きく広げた五指で鷲掴みにする。

「あっ、ん、はぁっ……」

 早鬼の豊かな乳肉は掴む指を受け止めて沈ませると同時にハリのある弾力を与え、たぷたぷと手の中で揺れ弾む。

 まだ碌に手に力も入れていないのに、手の平にしっかり重量感と質感を与えてくるうえに滑らかでと、相変わらず触り心地抜群の乳房だが、一つ、どうしても気になることがあった。

「早鬼、もう乳首がこんなに硬くなってるけど、そんなに興奮してた?」

「ひゃうっ!」

 肉房を柔く揉む手の平に触れる乳首が、脱がせたばかりだと言うのに既にかちかちに尖っていたのだ。

 そんな肉粒を指の股で軽く挟み、濃い桜色をした乳輪ごときゅうと摘まんでやると、彼女は小動物のような嬌声を上げてこちらを上目遣いに見やる。

「い、言っただろ? ずっと○○に会いたかったって。こんな風に触って欲しかったって。さっきも言ったけど、今日だってもう二回オナニーしたし、昨日だって風呂に入る前に一回して、寝る前にも二回したんだ。というか、なんなら毎日してたし……」

 直近の自慰遍歴を恥ずかしげもなく早鬼は言うと、胸を揉むこちらの手をぎゅっと掴む。

「ずっと、○○のこの手を想像しながら、弄ってたんだ。〇〇にこうして触れられるのを、想像しながらっ……」

 丸っこい大きな赤い瞳をほんのりと潤ませて、ねだる視線を向ける早鬼。その姿は勝気な勁牙組組長ではなく、恋人にずっと思いを募らせていた一人のいじらしい女の子で、そんな彼女の期待に応え、豊乳を掴む手の平の力を少しだけ強め、むにむにと揉む。

「んっ、もっと、触って……」

 早鬼に求められるまま、しかし荒っぽくはせずに乳肉を揉みほぐす。手の中で弾む柔肉に大きく広げた指を沈ませては感触を楽しみ、時には硬く尖った乳首を指先で転がしてやると、彼女は可愛らしい啼き声を上げて体を震わせる。

「どう? 気持ちいい?」

「ああっ、自分の手より、想像より、ずっと気持ちいいっ……!」

 これまで幾度となく繰り返していたらしい自慰の手つきを思い出しているのか、早鬼はそれ以上だと口々に言っては、乳房だけで得ているとは思えないくらい相当な悦楽に身を浸らせる。

 自らの手でそれほど感じてくれることを嬉しく思いながら、抱き抱える左手の中で体をよじり跳ねさせる早鬼の乳肉を好き勝手に揉みしだいていたが、しばらくすると彼女はその手をぎゅっと掴み、静止させた。

「○○、頼むっ。早く、下も触ってくれっ。もうずっと疼いてて、おかしくなりそうなんだ……!」

 そして、もっと下を弄って欲しいとすがるようにねだる。

「分かった。じゃあ……」

 そんな早鬼に急かされて乳房からは一旦手を離し、彼女の下半身へと向かわせてローライズの黒い紐パンの紐を片方ほどく。だが、たっぷりと淫水を吸った重いショーツは肌に貼り付いてしまって離れず、指で摘んで捲るとようやく秘部が露わになる。

 ショーツがそうなってしまっている時点で既に分かり切っていたが、早鬼の秘部は既にどろどろで、ふわりと生えていた陰毛も大量の愛液に塗れてべとべとになっていた。

 そんな秘部に指を触れさせると、早鬼はびくんと体を跳ねさせる。

「ああぁっ、は、早く、早くっ……!」

 早鬼はこちらにねだる瞳を向けて――しかし自分から指に押し込んだりはせず――、入れられるのをじっと待つ。

 こちらからして欲しいと瞳でも訴える彼女をこれ以上待たせては悪いと、指先に淫汁を伝わせる、熱く柔らかな膣口に中指を宛がい、ゆっくりと侵入させた。

「あっ、はあぁっ……!」

 指の第一関節すら埋まり切らないうちから、早鬼は歓喜に体を震わせて嬌声を上げる。

 彼女の膣内はあれだけ濡れていたのに非常にきつく、挿入されるものが生殖器ではないにもかかわらず強く締め付けて、にゅるにゅると柔肉を絡ませてくる。

 そんな秘洞を開墾しながら指を奥まで進ませ、指の股が早鬼の淫唇に触れるくらい根本まで呑み込ませると、彼女は一際大きくぶるりと全身を揺らす。

「あっ、あぁんっ! 私の指じゃ届かないところまでぇっ……! は、早くっ、もっと弄ってっ……!」

 真っ赤に蒸気した上目遣いの早鬼にねだられ、差し込んだ指をずるりと引き抜く。

「ひゃうぅっ、あっ、あぁっ~……!」

 たったそれだけで早鬼は可愛い啼き声を上げて下半身をがくがくと揺らし、三和土に愛液をぽたぽたと落とす。

 次は急かされる前に、白く濁った愛液に塗れた中指を押し込んで抜き差ししてやると、彼女はまた腰を大きく震わせた。

「やっぱり、〇〇の指っ、好きっ! 自分でするより、ずっと気持ちいいんだっ……!」

 恥ずかしげもなくそう言われるのは照れる反面やはり嬉しくて、もっとよがらせたくなり、出し入れする中指をある箇所で止めて、指を曲げてざらついた天井を撫でてやる。

「じゃあ、この辺りはどう?」

「ひああぁっ! そこっ、はぁっ!」

 責め方を変えた瞬間、早鬼は体をふらりとよろけさせてしまったので、それを体で受け止める。けれど、それでも指を止めはせずにすぐにまたそこを弄ってやると、彼女はこちらに体をもたれさせたまま、びくびくと快楽に震える反応を返す。

「ここされるの好きだもんね。気持ちいい?」

 先程の様子や三和土に落ちる愛液の染みがどんどん広がっていることから、実際はどうかなんて分かり切っている。しかし、わざと尋ねてみると早鬼はこちらの肩に顔をすりすりと頬擦りし、こくこくと頷く。

 早鬼の弱点を撫でる度に膣内は強く締まって指に柔ひだをしゃぶりつかせ、僅かな動きでも淫らな水音が鳴り響かせる。

「そろそろイキそう?」

 彼女の様子から恐らくそうだろうと思い尋ねると、早鬼は言葉を紡ぐ余裕もないのか、喘ぎ声のみを口から吐き出しては繰り返し頷く。

「ちゃんと抑えててあげるから、いつでもイッていいよ」

 肩に顔を埋める早鬼の、頭頂部の馬耳の傍でそう囁き、左腕でその体を抱き留めて膣内を指で掻き回してやると、早鬼はこちらの左腕をぎゅっと掴んで一瞬だけ強く体を強張らせた。

「あっ、ああぁぁっ!」

 早鬼は大きな嬌声を上げて全身をがくがくと震わせて、淫唇からは熱い潮を吹き出して手の平をびしょびしょに濡らす。それに少し遅れて早鬼は抱き留めるこちらの体にだらんと全身をもたれかからせ、そんな彼女をしっかりと支えようと右手の指も秘所から引き抜くと、粘っこい分泌液が三和土に落ちて染み込み、既にいくつも刻まれた淫らな染みの仲間入りをした。

「一人でしてた時と比べて、どうだった?」

 両腕でしっかり早鬼を支えてから、絶頂を迎えて荒い息を繰り返す彼女にそう問い掛けると、早鬼は息を切らせながらも赤らんだ頬を緩める。

「比べ物にならないくらい、最高に良かった……」

 早鬼はこちらに抱き着いてくると、すりすりと何度も頬擦りをする。今日も既に何度か経験した、彼女の可愛らしい愛情表現だが、今の自分はそんな彼女を存分に甘えさせてあげるのは出来そうになかった。

「早鬼……」

 甘える早鬼を抱き締めてやりながらも、彼女の名前を呼んで腰を早鬼の体へ押し当てる。すると、早鬼はこちらの言いたいことを察したのだろう、頬擦りを止めるとこちらに向き直り、鼻先を指でつつく。

「どうどう。してくれと言ったのは私だけど、やられっぱなしは性に合わないんだ」

 早鬼はそこまで言うと、廊下を、厳密には寝室の方向を指差した。

「続きは、あっちでな」

 

 朝の支度の際に畳んだ布団は再度広げられ、傍らには荒く脱ぎ捨てられた男女の服と下着。邂逅早々に玄関で情事に耽り、欠片も冷めぬ興奮に任せ寝室に向かった二人が、今どんな格好をしているかなんて明白だ。

「さあ、次は私の番だな!」

 仰向けで寝転ぶ、というより寝転ばさせられた自分の股座に、早鬼は一糸纏わぬ姿で頭を突っ込み、天井を指す陰茎の前で高らかにそう宣言する。

「でも、その前に~……」

 早鬼は何もせずともびくびくと勝手に脈打つ分身に顔をぐいと寄せると、鼻をひくひくと動かした。

「ん、ん~……。相変わらず、いい匂い……、大好きな、〇〇の匂い……」

 うっとりとした声色で言いながら、鼻息をすんすんと鳴らして夢中で匂いを嗅ぐ早鬼。今は裸とはいえ、ついさっきまで衣服の中だったのだから牡臭はまだ強いだろうに、彼女は男根の香りに悦び、カリ裏や陰嚢にも鼻が触れるほどに近付けて匂いを堪能する。

「○○、ちょっとだけ味見してもいいよな? な?」

 そして、次はそう言うとこちらの返事も待たず、鈴口にちゅっとキスを落とす。

「ぅっ……」

 刹那、久方ぶりの性感にぞくりと背筋が痺れ、体が無意識にぶるりと震えてしまう。彼女が自慰をしていたのと同じく自分も自らを慰めてはいたが、玄関で早鬼が言った通り、愛しい人がしてくれるというのは快感の質が一段違う。

「ちょっとキスしただけなのにびくってしたな? これじゃ、さっきまでの私と大差ないぞ?」

 早鬼はにやにやと笑うと、続けて亀頭からカリ裏、肉幹をぺろぺろと舌先で舐め始める。ぬるついた温かな粘膜に敏感な箇所を舐められる度に体はわななき、屹立はどくどくと脈打つ一方、肉棒を舐める彼女はまるで飴を貰った童子のように、しきりに舌を動かして舐め続けていた。

 鈴口や裏筋は勿論、根本までもしっかりと舌先だけで陰茎を舐めつくしたところで、早鬼はようやく口を離す。

「うん、本当にたまらないな、これは。匂いも、味も、何もかも大好きだ!」

 しかし、それで終わりではなく、更に彼女は剛直にすりすりと頬擦りし、またちゅっちゅっとキスの雨を降らせる。陰茎に甘える早鬼の淫蕩な姿と、柔らかな唇の感触に体の震えは収まらず、鈴口からは先走り汁が溢れ出す。

「我慢汁もこんなに出して……。そんなに待ち切れない?」

 早鬼は上目遣いでこちらを覗いて軽く首を傾げると、鈴口に口付けして出し立てのそれらをちゅっと啜り、こくんと喉を動かして飲み下す。

「早鬼、分かってるなら……」

「ふふっ、そうだな。〇〇はすぐに私にしてくれたのに、私が焦らすのは不義理だな」

 早鬼は楽しそうに微笑み陰茎から顔を離すと、体を起こしてこちらの体の上で膝立ちになる。

 隠すものの一切無い、生まれたままの早鬼の姿。腕やお腹、脚周りはきゅっと引き締まって程よく筋肉が付き、弾むようなハリを持った乳房は豊かに実りと、男女問わず羨む体躯はいつ見てもひたすらに美しい。

 特に、本人も自慢のしなやかな脚線美はこれ以上ないほどで、芸術の域に達していると言っても過言ではないはすだ。それに、すらりとしたスマートな体躯ながら、ブーツを脱ぐと自分の目線に馬耳が来るくらいとやや小柄な身長なのも、また可愛い。

 そんな早鬼の肉体美に見惚れていると、彼女は寝室に来る前からぐちゃぐちゃに濡れそぼり、蜜を脚に伝わせていた淫唇を大きく開く。

 そこは真っ赤に熟れてぱくぱくと膣口を休みなく開閉させており、開く度に重く粘っこい蜜が奥からとろりと溢れ、こちらの体に零れ落ちてくる。それはまるで、極限まで腹を空かせた猛獣の涎のよう。

「〇〇、今日は中出し以外は駄目だからな? 今日は全部こっちでって決めてたんだ。口やおっぱいはまた今度、〇〇が満足するまで付き合ってやるから、な?」

「組長の仰せのままに。むしろ、俺もそのつもりだったけどね」

「何だ、考えることは一緒か。それなら、遠慮はいらないな」

「遠慮なんて、はなからしなくていいよ」

 少し前に言われた言葉をそっくり返すと、早鬼はあっはっはと一笑した後、陰茎に膣穴を自ら宛がい、腰を下ろして根本までを一気に呑み込んだ。

「ああぁぁっ、はぁっ、あぁんっ!」

「くっ、うあぁっ……!」

 いきなり最奥まで達する挿入だったが、大量の潤滑油を備えていた膣穴はずぶずぶと肉棒を収め、子宮口まで先端を届かせる。

 指で味わっていた時はかなり狭かったが、早鬼の体の疼きが幾らか治まったからか、今は驚くほどスムーズな挿入だった。しかし、分身の全てを収めた途端、蜜壺は強烈に締まって屹立を強く抱擁して全力で精液を搾り取ろうとしており、先程とは違いこれが生殖器だとはっきりと分かっているかのようだ。

 そんな柔肉に陰茎を包み込まれ、思わず情けない声を漏らしてしまうが、早鬼も全身を痙攣させて感じ入る。

「はあぁっ……、これっ、これが欲しかったんだ……! 硬くて、大きくて、奥まできて、最高に気持ちいいっ……!」

 久方ぶりに膣内で味わう怒張の感触に彼女は言葉でも悦びを口にし、こちらに色付いた眼差しを向けた。

「○○、私はもう、お前じゃないと満足出来ないんだ。私の体は、もう全部お前専用なんだ。ほら、ここも、好きなだけ揉んだり弄ったりしていいからな」

 早鬼はこちらの両手をそれぞれ取って自らの乳房に押し付け、手の平の上から乳房を揉ませるように指を動かす。手の平を通して伝わる、滑らかで弾力に富む、彼女の豊かな乳肉の感触。それを再び味わった瞬間、殆ど無意識に五指に力がこもり、双乳を揉みしだいてしまう。

 すると、早鬼はにこっと笑みを零して両手を離すと後を任せ、自らのお腹をとんとん叩く。

「ふふっ、私の中で、お前のがまた大きくなったぞ。○○も、私の体が好きみたいだな」

「当たり前だよ。早鬼の体が魅力的なのは勿論、そもそも早鬼自身もめちゃくちゃ可愛いんだから」

 そんな返しに彼女は一瞬だけ目を丸くすると、頬を真っ赤に染めてにやにやしながら、こちらの胸をぺしぺしと叩く。

「な、なんだ、急に口説いたりして。私だって、何も○○の体だけが好きなわけじゃなくて、お前の全てが好きだぞ!」

 見るからに喜びが隠し切れない緩み切った表情で、尻尾をわさわさと振るい、翼もぱたぱたとはためかせる早鬼。彼女の部下の狼霊達と変わらず、嬉しい時の感情表現が大変分かりやすく、愛らしい。

「よし、それじゃあ、お互いにだーい好きな相手の体で気持ちよくなろうな」

 早鬼はこちらの腰に手をつくと、早速腰を動かし始める。剛直の形どおりに一切の隙間なく纏わり付かせていた膣肉をぐいと持ち上げて肉幹を扱き上げ、カリ首が僅かに溢れるとすぐにまた腰を下ろし、一息に最奥まで呑み込む。

「うっ、くうっ……!」

 挿入時と変わらず、動き出しにもかかわらず深いストロークで腰を上下させ、いきなり強烈な快感を叩き込んでくる早鬼。こちらがその快楽の強さに思わず呻き声を上げても彼女は遠慮なく腰を揺すり、完全に主導権を握った騎乗位で責め立ててくる。

 肉棒を粘っこい愛液に塗れた膣壁に犇めくひだがこすり上げ、結合部からはにちゃにちゃと粘っこい水音が絶え間なく響く。けれど、それは早鬼の膣肉も陰茎で抉られているということであり、そこから生まれる快楽に彼女も全身を震わせる。

「あっ、んっ! あんっ! やっぱり、最高に気持ちいいっ……!」

 包み込む手の中でも乳房が揺れ弾むほど激しく腰を動かす早鬼の顔は早くも快感に蕩け、すっかり自身を満たす怒張の感触に夢中になっていた。生殖器同士での摩擦で得る快感を貪る行為は彼女の官能も大きく昂らせ、それに呼応するように膣奥に備わった沢山の粒々が分身をにゅるにゅると撫でて射精を促してくる。

「んっ、○○の、中で膨らんだぞ? もうイキそうなのか?」

「早いけど、結構、きつい、かな……」

 久しぶりに味わう極上の膣内と豊かな乳房の感触、それに自分との交わりを心から楽しむ早鬼の姿に、もう精液が込み上げてきてしまう。

「気にしない気にしない。○○もずっと我慢してたんだろ? いつでも出していいからなー」

 彼女は笑顔でそう言うと、少しでも長持ちするように抑えるどころか、今までよりも更に勢いをつけて腰をがつがつと振りたくる。

 出しても構わないとは言われても、やはり早すぎるのはと思い下半身に力を込めて何とか射精を抑え込む。

「んっ、まだ頑張る? じゃあ、これなら、どうだ?」

 だが、早鬼の方は手心は一切なく、陰茎を深く呑み込ませてから左右に腰を捻り、奥の膣肉で亀頭やカリ首を磨き上げる。

 狭いぬるぬるの膣圧で扱かれるのとは違う、柔らかいぷりぷりの肉粒ブラシで愛撫されるような快感は言わば不意打ちで、歯を食いしばらせて耐えていた我慢をいとも簡単に彼方へと攫って行った。

「っ! くっ、早鬼っ、出るっ!」

 高まりきった欲望は早鬼の中で爆ぜ、全身が絶頂の快感に満たされるとともに、膣内に深く突き刺さった陰茎から勢いよく精液が飛び出していく。ここ一か月溜め込んだ思慕と肉欲の滾りは全て彼女の膣内、引いては子宮へと注がれ、その感覚にか早鬼はぶるりと体を揺らした。

「あっ、んっ、ぁ……。中で出てる出てる……。こうしたら、まだ、出るよな?」

「くぁっ、あっ……!」

 射精の瞬間こそ早鬼は腰の動きを止めたものの、すぐに持ち直すと再び腰を緩く上下させて、自身の胎内へ白濁を吐き出されながらも分身を柔壺で絶えず愛撫し続ける。

 久方ぶりの性交、それも膣内射精かつ受け入れる本人からも強く求められ、搾られるままに精液を二回、三回と細かく吐き出し、更に彼女の子宮内を白く染めていく。

「んっ……。とりあえず、一回目はこんなとこか? ふふっ、沢山出したなー。○○も溜まってたって言ってたもんな」

 射精が治まると、早鬼は嬉しそうに頬を緩めて尻尾を大袈裟にわさわさ揺らし、射精を終えようと未だ硬い屹立を腹部越しによしよしと撫でる。その優しげな手つきは、先程子宮で飲み干したばかりの大量の子種も、一緒に包み込むかのようだった。

「でも……」

 そんな落ち着いた空気も束の間、早鬼は両手と黒翼を大きく広げて、ばさりとこちらに覆い被さってくる。顔の両脇は腕で、左右は漆黒の幕で塞がれ、視界に映るのは殆ど彼女の姿のみとなってしまう。

「これくらいじゃ、○○も全然足りないよな?」

 早鬼はにこにこした顔で言うとこちらの胸板に自身の体を預け、更に精液を搾り取ろうと腰をすぐに振り始める。

 こちらの体に押し付けられた豊乳がむにゅりと形を変えながら潰れる感触や、その中でも確かに硬く尖る乳首の感触に心奪われる間もなくまた始まった、射精したばかりで敏感な陰茎への膣壁での愛撫。

 それにより与えられる快感はもはや心地いいではなく、襲われるかの如く暴力的なもので、少しでもその快楽の捌け口を求めて、両手で布団を思いきり握り締めてしまう。

「さ、早鬼っ、イッたばかりで、そんなにされたらすぐにっ……」

「大丈夫。私ももうすぐイクから、早いとか気にしなくていいぞ。今回は一緒に気持ちよくなろうなー」

 それを聞いた早鬼は喜色満面の笑みを欠片も崩さずに、構わず腰を振りたくる。自分としては制止のつもりだったが、彼女に意図が伝わらなかったのか、それともあえて無視したのか、動きを微塵も止めはしない。

「こう、して、子宮の入り口でぐちゃぐちゃにされるの、〇〇好きだったよな?」

 それどころか、もっと快感を叩き込んで、一秒でも早く射精を導こうとすらする。亀頭を一番奥に押し付けて鈴口と子宮口を接吻させて腰を小さく前後に揺らし、カリ首を膣ひだで丹念に捏ね回す。

「あんっ、あっ、はぁんっ! これ、私も奥をカリがこすれて、子宮をぐりぐりってされて、どっちも最高に気持ちよくて好きなんだっ……!」

 閉ざされた視界に唯一映る、早鬼が自分を貪り淫蕩に身を浸す蕩けた表情。与えられる感覚は彼女の膣内や乳房の感触と体温、熱っぽい吐息の脳髄まで染められそうな色艶や、汗ばんだ体とふわりと揺れる黒髪から漂う上質なシャンプーの香りと、自らの感覚の何もかもが早鬼に支配され、埋め尽くされていく。

 自分に出来ることと言えば、彼女から与えられる快感に打ち震え、身を捩り、時折乱れた息をみっともなく吐き出すのみ。

 しかし、そんな自分の姿を早鬼はとても愛おしそうに、そのぱっちりとした赤く丸っこい瞳を潤ませて、じっと見つめていた。

「ぐっ、あぁっ……!」

「イクッ……! あっ、あぁあっ~~……!」

 そして、自分達は早鬼の言った通り、二人同時に絶頂を迎える。彼女は自分の体の上でびくんと全身を強く痙攣させ、自分も腰を突き上げるように体を震わせて、再び子宮内へ向けて精液を注ぐ。

「はぁっ、あっ……。これっ、この、染み込む感じ、好きっ……。中出しされるの、好き……!」

 拳一つも離れていない距離で、早鬼は淫蕩に浮かされた顔と言葉を恥ずかしげもなく露わにして、射精中の肉棒を膣肉で扱き続ける。それはもはや搾取されるかのようで、彼女の渇きを癒すためだけに子宮に精子を追加していく。

 自分の意思とは関係なく搾られる射精は一回目と同じかそれ以上に長く続き、それが治まると、早鬼は腰を止めてしっとりと汗の浮いた顔を明るく綻ばせた。

「○○、ずっと気持ちよさそうな顔してたけど、私の中、そんなに気持ちよかった?」

「……見ての通り、めちゃくちゃ、気持ち、いいよ」

 二回続けての騎乗位を終えても、まだまだ余裕のある早鬼に対し、下で寝ているだけながら呼吸を乱してそう答えると、彼女は満面の笑顔を浮かべてこちらの胸元に頬擦りする。

「そっかそっか。それは嬉しいなー」

「でも、早鬼の方も、顔をしっかり見られてるって、分かってる?」

「ああ、勿論さ。○○は私より記憶力いいんだから、よく覚えておいてくれよ? 私が、どこをどうされるのが好きなのか」

 快楽に溺れる顔を覗かれているのは自分だけではない、というお返しのつもりだったのに、早鬼から返って来たのは羞恥でも照れでも怒りでもなく、後学に活かしてくれとの答え。

 ある意味組長らしい、とても肝が据わった返答に息を整えつつ苦笑いしていると、早鬼は体を起こして、翼も軽く畳む。

「さて、休憩終わりっ。それじゃあ、次は……」

 そして、腰を持ち上げて陰茎からずるりと引き抜くと、そのまま後ろに体をころんと転ばせて、大きく両手を開く。

「○○が上の番な。ほら、早く早く」

 次はこちらに主導権を譲っての三回戦目、と早鬼は言う。だが、そんな体力も性欲もまだまだ尽きない彼女に対し、どうどうと手の平を向けて制する。

「早鬼、ちょっと待って」

「え、もう、おしまい……?」

 少し前までの張り切った様子はどこへやら、心底残念そうな声と顔を早鬼はこちらに向けるが、自分は首を軽く横に振る。

「いや、そっちは大丈夫。俺もまだしたりないくらいだから」

 先程、体力も性欲も尽きない、と彼女を評したが、正直、それは自分も変わらなかった。事実、体力こそ彼女ほどではないので少し回復に時間が掛かったが、既に二回射精しているがまだまだ分身は硬く滾っているし、早鬼への情欲も未だ燃え盛っているので、それは杞憂だ。

「そうじゃなくて、翼とか尻尾とか……」

 そこまで言うと、早鬼は少しだけ自身の背中の方を振り返る。と言うのも、彼女が急に寝転ぶものだから、自慢の翼や尻尾が自身の体で潰れてしまっているのだ。

「気にするな、大して痛くない」

 しかし、当の本人はこの返事。確かに、この程度は早鬼にしてみればちょっと不快なくらいで、痛いうちに入らないかもしれないけれど。

「いや、少しでも痛いなら駄目だって。……だから、ちょっとだけ待って」

 自分との性交に気が逸りまくっているのは嬉しく思うが、それならいいやとは流せない。なので、伸ばされた両手に応えるように早鬼の元へ体を向かわせるが、覆い被さるのではなく彼女の体を起こして抱き抱える。

「んー? 何するんだ?」

 大人しく抱き留められている早鬼の体躯越しに、脇に畳んで置いていた掛け布団に手を伸ばして広げ、翼や尻尾の当たる部分は出来るだけ柔らかくなるように隙間を大きく作って敷いてから、早鬼の体を大事に大事にそっと預ける。

「これなら痛くないと思うけど、どう?」

 言われた早鬼は翼を軽くはためかせたり、尻尾をふりふりと揺らす。見る限りでは動きにくそうな様子はなく、問題は無さそうだ。

「痛いかどうかもあるけど、翼も尻尾も毎日手入れしてるのに、雑に扱うのは勿体ないよ。いつも見惚れるくらい、綺麗なんだからさ」

 漆黒の天馬を自称し、それに全く異論ない美しい見目をしているのに、こんなことで荒れては勿体ない。そう言うや否や、体を横たえて具合を確かめていた早鬼の腕が急にこちらに伸びてきて、ぎゅっと強く抱き締められる。

「うぷっ」

「○○の、私のために色々考えてくれるそういうところ、大好きだ!」

 早鬼は喜び満点に半ば叫ぶように言いながら、自由度の増した黒翼でも包み込む。腕も声も翼も使った全身全霊の抱擁を一身に受け、ぐいと引き寄せられた顔は豊乳でもみくちゃにされ、一言で言うならとても幸せな心地だが、もう一言足していいなら結構苦しい。

 こちらを抱き留める力はなかなかに強く、放っておいたらいつ解放してもらえるか分からないので、慌てて早鬼の肩をぽんぽん叩く。少しの間を開けて、早鬼は息を詰まらせるこちらに気付くと、手と翼を離して「悪い悪い」とからから笑った。

「でも、これならこんな体勢だって平気だぞ。ほらほら」

 早鬼は寝転んだまま、すらりと伸びた脚を大きく開かせてお尻を少し持ち上げて膝裏は自らで抱え込み、淫唇をぐいと突き出して見せつける。

 眼前の秘所は小休止を挟んだにもかかわらず、冷めやらぬ興奮に蠢いて愛液を滾々と湧かせており、それに押されてか先程出した精液が奥から滲むように溢れ出す。

「さ、せっかくの精子が勿体ないから、早く〇〇ので蓋してくれ。なんなら、もっとぐちゃぐちゃにして掻き出して、もっと新鮮な精子をたっぷり注いでくれてもいいんだぞ?」

 精液と愛液で白く濁る淫裂をお尻と尻尾ごとふりふりと振って、再びの挿入と膣内射精を早くと急かし、ねだる早鬼。

 色香で惑わすというよりは、発情し切った獣に近いはしたない姿。だが、彼女よりは多少理性的なだけで自分も十分に盛った獣であり、気付いた時には目の前の牝に覆い被さっていた。

「早鬼、もう一回中に出すまで、もう止めないからね」

「ああ、いくらでも来い! 全部受け止めてやるから!」

 どれだけ色欲に塗れても、始めた時と変わらぬ快活な調子の彼女の言葉に、淫部に宛がった肉棒を遠慮なく、いきなり最奥まで突き立てる。

「ああっ、はぁっ、あんっ!」

 その勢いに乗じ自分の体も早鬼の方へ倒して前傾に構えると、彼女は手が使えない代わりか、自由に動かせる漆黒の翼を大きく広げて、翼での抱擁を行う。

 既に早鬼の性器が完全に出来上がっているのは分かっているし、体勢も整えたので多少荒くしても平気なのは分かっているので、抜け切る寸前まで腰を引く深いストロークで、最奥に何度も亀頭を叩き付ける。

「はあぁっん、好きっ、騎乗位も好きだけどっ、〇〇に乗られるのも好きっ、あぁっ、好きぃっ!」

 早鬼は口々に好き好きと言っては快楽に喘ぐ。まるで、その言葉を口にする度に性感が増すかのように膣の締め付けは強くなり、ひだはわなないて陰茎にちゅうちゅうと吸い付いてくる。

 そんなひだをカリ首で抉りながら腰を引くと、早鬼は歓喜の声を上げて体を震わせ、蜜壺からは大量の愛液と自らの精液の残滓が膣奥から溢れ出す。

 しかし、引きずり出される量よりも新たに分泌される量の方がずっと多く、何度突き込んでも早鬼の膣内は分身をきつくもスムーズに迎え入れ、媚肉を絡み付かせて奉仕する。

「はぁんっ、いいっ、気持ちいいっ! あ、あんっ、イクっ、あっ、ああぁっ~~!」

 自分のペースではない、強引な責め立てをお返しされた早鬼は、それが新鮮だったのか想定以上に早くも絶頂を迎えた。瞳をぎゅっと閉じて全身を縮こまらせて翼の抱擁を強くし、何度かびくびくと震えた後、荒く息を吐く。

「あっ、はあっ……。ひあぁっ! ああぁ、んっ、あ、あぁっ~……!」

 だが、射精まで止めないと言った通り、余韻に浸る間も与えず腰を打ちつけ、早鬼の蜜壺を掻き回す。

 乱れた呼吸を整える間もなく、構わず続けられたピストン運動に彼女は大きく啼き声を上げ、膝裏を抑えていた手も緩み離れてしまう。しかし、今や完全に自分の体が彼女の肢体を抑え込んでいるため、まんぐり返しになった早鬼を自分が覆い被さって突く体勢は一切変わらず、差し出された性器を欲しいままに堪能し続ける。

 そこに遠慮などは一切なく、より快楽を貪り、より彼女を骨抜きにしてやろうと、更に腰を深くして未だ絶頂にわななく膣内の奥に鎮座する子宮へ、陰茎を強く押し付ける。

 そして、これまでの大きなストロークから小刻みに叩く動きへと変えて、子宮口へ何度もキスを浴びせてやる。

「くひっ、はぁんっ、それ、好きっ! もっと、子宮、突いてっ、あんっ! ひうっ……!」

 すると、すぐさま早鬼は言葉でも肉体でも反応を返す。口からはもっとと更なる責めを求め、膣内ではぬるぬるに蕩けた肉粒を亀頭に張り付かせて、膣奥で暴れる陰茎に少しでも快感を与え、自身も貪ろうと躍起になる。

 早鬼は最奥を小突かれるのが好きなのは既知のことなので、肉壺が今まで以上に絡み付いてくるのは分かっていたのに、その快感の強さは思わず腰を止めかけるほどだった。けれど、それ以上にもっと味わいたい気持ちが強く、むしろ加速させながら彼女の馬耳に手を伸ばして緩く撫でる。

「ひゃっ、耳っ、触っちゃっ、あっ、ひあぁっ……」

 玄関で触れた際、性感とはまた異なる快感で虜になっていたそこをまた弄ってやると、彼女は半端に開けた口をぱくぱくさせて、小動物のような可愛らしい声で啼く。続けてもう片方の馬耳もふわふわと軽い手つきで撫でては手の平で包んで柔く揉むと、人と同じ耳を真っ赤に染めてしまう。

「あうぅっ……、それもっ、好き、好きぃ……」

 ふにゃふにゃな声で言う早鬼の馬耳から手を離し、湯気が出そうなほどに紅潮した耳から頬、首元を撫でる。見るからに熱そうなそこは思った通りにとても熱く、性的快感を伴った触れ合いと伴わない触れ合い、両方から得る快感でごちゃ混ぜになっている彼女の様子に、思わず頬を緩めて小さく笑う。

「早鬼、何しても好きって言ってるよ」

「……だっ、だって、全部好きなんだっ。○○も、○○にするのもされるのも、全部、大好きっ!」

 早鬼は照れか興奮かはたまた両方により蕩けていた顔を幾らか持ち直させると、こちらの両頬に両手を添えて真正面に向き合い叫ぶ。

「だから、もっと強く組み伏せて、もっと深く愛して、私はお前の女だって、牡としての〇〇を、私に叩き込んでっ。私を、もっと〇〇に夢中にさせてっ!」

 上から抑え込まれて乗られ、身動きが殆ど取れない状況かつ肉棒を深く突き立てられながらも、早鬼は腰を僅かではあるが揺すり、献身的な牝として自らを抱く牡に奉仕する。

 自ら性器を見せつけ煽り、膣内射精を望み、一番奥まで蹂躙されるのすら好きだと言った彼女の精一杯の行為は、責めるだけでは味わえなかった快楽を生み出し、それに刺激され精液が一気に持ち上がっていく。

「早鬼、もう一回、出すよっ。また、早鬼のなかにっ」

「うんっ、出してっ! 私の中を、またいっぱいにしてぇっ!」

 挿入した時と変わらず膣内射精を求める早鬼は、これだけ突き込んでも全く緩みも衰えもない締め付けで、逃がさないと言わんばかりに陰茎にしがみ付いてくる。

 だが、当然自分にそんな意志などなく、むしろこちらからも腰をしっかり落とし、胎内への入り口と精液を排出する穴をぴったりと接合させた。

「出るっ! ぐっ、うぁっ……!」

「あっ、ひあっ! イクっ! あ、ああぁぁっ~……!」

 この突き込みで射精するつもりだった自分は勿論、早鬼もその動きに押されてか、ともに絶頂を迎え、二人して声を張り上げる。

 三度目の射精となれば、本来勢いなんて殆ど無い。しかし、会えずにいた分の貯蔵と、早鬼と再会し触れ合ってから今もなお湧き上がり続ける欲望は枯れておらず、二度目に僅かに劣る程度の射精を彼女の子宮へと叩き付ける。

「はぁぁっ~……、種付け、好きぃっ……、○○の精子、好きっ、大好きっ……!」

 翼を大きく広げてこちらに抱き着いて、早鬼は譫言のように言っては無意識なのか未だに腰を揺すって精液の排出を促し搾り、子宮でごくごくと呑み続ける。

 完全に組み敷かれて、上に乗っかられての射精となれば放っておいても全て彼女のものなのに、貪欲にもっともっとと欲しがる姿に自分も本能を刺激され、目の前の牝にありったけの子種を注ぐ。

 そうして三回目とは思えないほど長く射精していたが、それもやがて治まり一旦打ち止めとなる。

 それから二人してしばし荒く息を吐きながら見合っていたが、膣内に入れっぱなしの陰茎がどくんと脈打つと、早鬼は汗の浮いた顔で、あの時と変わらない快活な笑顔を見せた。

「〇〇、まだ出来そうなら、遠慮は……」

「するな、でしょ?」

 続く言葉は預かりそう答えると、彼女は大きく頷く。そして、また腰を動かして、久方ぶりに味わい貪る肉欲に、二人一緒に身を沈ませていった。

 

 

 

3.

「んー、気持ちいいなー。どうして朝風呂ってのは、こんなに気持ちいいんだろうな」

「早鬼、気持ちいいのは分かるけど、あんまり羽ばたかない。どんどん水嵩減ってるし、こっちの顔にばしばし当たってる」

「おっと、悪い悪い」

 自分に言われ、早鬼は浴槽の湯をばしゃばしゃと飛び散らせていた翼を畳むと、ふーっと息を吐いてこちらにもたれかかる。

 お互いに思う存分交わり合った後、自分達はとりあえず一風呂浴びることにした。時刻は昼ご飯の準備に向いた頃合いで、その前に布団も干さなければと思ったが、流石に服を着るのすら躊躇するほどにぐちゃぐちゃどろどろのままそれらを行うのは、如何ともしがたかった。

 男一人のあばら家なので風呂もそこまで広くなく、浴槽に二人一緒に入るには今のように二人ともが同じ向きを向いて片方がもう片方にもたれる形になり、のびのびとは入れない。だが、恋人と一緒に入るのであればそんなのは気にならないし、一人の湯浴み以上に心も体も温まって心地いい。

 そうして朝から風呂を頂きながら、早鬼がここに居ることも実感しながらのんびりしていたのだが。

「そうだ! 〇〇に言わなきゃならないことがあったんだ!」

 早鬼は突然ざばあっと水音を立てて立ち上がり、くるりと回ってこちらを向く。

 浴室に備えられた小窓から差し込む陽光が、ぽたぽたと水滴を落とす引き締まった肉体や自慢の漆黒の髪や翼に反射してきらきらと輝き、天馬という言葉が持つ神々しさを体現する、彼女の肉体美はひたすらに美しい。でも、自慢のすらりと伸びた脚の奥では、尻尾が水を吸ってなんとも貧相になってしまっているのはご愛敬か。

 そんな早鬼の姿をぼうっと眺めていると、彼女はこちらに右手を差し出して、にこっと笑う。

「おめでとう! 今日から〇〇も、正式に勁牙組の一員だ!」

「……はい?」

 突然の言葉に状況が呑み込めず、首を傾げて思わずそう返すと、早鬼は笑顔を崩さず差し出していた右手を更にぐいと伸ばす。

「昨日の会議で決まったんだ! 何、安心しろ。組長権限のごり押しじゃなくて、ちゃんと幹部全員、満場一致で決まったからな! 〇〇は会議の資料製作や帳簿の計算等々、私達が苦手な分野に積極的に手を貸してくれたし、その出来もいいからな。なに、やることは今までと変わらないし、雑務担当としてお前用の部屋も作るから、楽しみにしててくれ!」

 要するに、勁牙組の後方支援として正式に認められた、ということらしい。

 確かに、時折勁牙組にお邪魔した際、頭を使う類の雑務をよく手伝っていたが、それがこんな形で評価されるとは。自分だって正直に言えばそう言ったことが特別得意なわけでもないが、親密にしてくれている狼霊の方曰く、『そのままの意味で十人力』と評してくれていたのはお世辞じゃなかったみたいだ。

 担当こそ雑務という、勁牙組の普段の様子を考えると雑用に近い役職なのだろうが、提案した早鬼の様子を見る限り、悪いものではないのだろう。

 何より、これからはもっと気兼ねなく彼女と一緒に居られるのには間違いない。それなら、断る理由なんて何もない。

 こちらからも右手を伸ばし、彼女の右手を取ると、勁牙組組長は口角を大きく持ち上げた。

「それとな、もう一つ、実は別の担当もあってな。何だと思う?」

 早鬼は握り合った手をぶんぶんと大きく振ってにやにやしながら、そんなことを言う。承諾した後で『実は……』と付け足すとはなかなかあくどいと思う反面、彼女のことだから恐らく騙す嵌める等の意図はなく、単純に驚かせようと思っているだけなのだろう。

 とはいえ、今の段階ではその問いへの手掛かりがなくていくら考えても分からず、「うーん……」と首を捻ると、彼女はにんまりと笑う。

「勁牙組組長専属かつ専用の、種馬係だ」

「……はい?」

 恐らく、今までの人生で一番の困惑の声だった。

「ふっふっふ、まあ、これは私が勝手に決めた、誰にも言っていない秘密の役職だ。いやー、これからは漆黒の天馬が真っ白になる日々だな。そして、ゆくゆくは……、ああでも、真っ白なドレスが先か? あーもう、夢は広がって笑いが止まらないな!」

 あっはっはと大声で笑って、一人で何やら盛り上がる早鬼。大層ご機嫌なのは嬉しいし、やっぱりこういう楽しそうにしている姿はとても可愛いのだけれど。

「早鬼、一応言っておくけど、これからもう一戦ってのはちょっと無理だからね」

 なんとなく次の発言が読めたので先手を打つと、喜悦一色だった彼女は「え」と呟いて、ばしゃりと浴槽に腰を下ろすと、斜め下を向いて目を伏せる。

「酷い……。せっかく、久しぶりに会えたのに……」

 端に涙を浮かべた赤い瞳を雫が零れ落ちそうなほどに潤ませて、馬耳もそわそわと落ち着きなくしきりに揺らし、恨めしそうに言う早鬼。言葉でも所作でもはっきりと分かる、落胆し切った彼女の姿。

 ああ、もう。この半泣きを見ると、どうにも断れない。

「早鬼。もしかしたら早鬼は今日だけ気にして気付いていないかも知れないけど、俺は明日も明後日も空けてあるから。だから、明日……、いや、今日の晩まで、我慢……」

 時間はまだまだあるし、今すぐは無理だが時間を空けてなら、と提案すると、それを言い切る前に彼女は潤んでいた瞳を輝かせ、こちらに抱き着いてくる。

「ああ、約束だ!」

「……どうどう、狭い浴槽なんだから」

「というか、それなら今日は〇〇をお持ち帰りするぞ! デートの後は、そのままうちに直行だ!」

「はいはい、仰せのままに。早鬼組長」

 言いながら彼女の背中を緩く撫でてぽんぽんと叩いてやると、早鬼はこちらの胸に頬擦りし、とてもご機嫌な様子で甘えてくる。

 何はともあれ、自分も勁牙組の一員になり、これから今以上にこの組長に振り回されたり、他の狼霊達と苦労を分け合うことになるのだろう。でも、それもいいかなと思いつつ、予定を立てていたデートの行先に、精力剤でも購入するために竹林の診療所を増やさないとな、なんて考えていた。


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