同作をpixivにも投稿しています。
注意点
EXTRA(無印)、CCC、EXTRA漫画版を自分なりにいいとこ取りした世界観です。
聖杯戦争終結後の話です。
作中におけるオリ主は、無印基準の名無し男主人公です。
1.
一週間ほど前から、タマモの様子がおかしい。
ここ最近の聖杯戦争で注目を集めるサーヴァントとマスターを紹介する番組を、卓袱台に置いた肘で頬杖をついてぼーっと眺めるタマモを見ながら、改めて確信する。
出会った時から色んな意味で妙な調子というかテンションを携えた彼女ではあるが、ここ最近は別の意味で妙だ。ふと気付くと溜め息を漏らしていたり、こちらをぼんやりと眺めているのを指摘するとやたらと慌てる。それに、前者の意味での妙に高いテンションも鳴りを潜めており、好きそうな話題を振ったりしてもかなり反応が薄い。
台所や風呂、寝室は別に部屋があるとはいえ、基本的には四畳半の居間で過ごす二人っきりの生活なうえ、もう短い付き合いでもないので鈍感な自分でも分かる。タマモが何か悩みを抱えているのは間違いない。
しかし、だからと言って直接聞いても素直に打ち明けてくれる彼女ではない。外面はいつも溌剌と明るく振る舞うが、内面は意外に繊細で奥ゆかしく、心配をかけまいとする良妻なのだから。
「……あ、ご主人様、私の方を見ていたようですが、どうかされましたか?」
こちらの視線に気付いたタマモは、慌てて笑顔を取り繕うとにこりと微笑む。
ほら、こんな風に。
「あ! さーてーはー、私に惚れ直してしまいました? ああ、なんと罪な愛され妻なのでしょう! ここは二人きりの愛の巣ですし、いつでもいいのですよ! さあ!」
タマモはいつもの調子で軽口を叩くと、ばっと両手を大きく広げる。派手なネオンが踊るウェルカムという文字を後光代わりに背負う彼女を、はいはい、と軽く流して、現状を解決するヒントを求めて手元の端末を確認してみる。
まずはカレンダーを開いて、タマモが一番気にしそうな記念日なんかの日程を見直すがやはりこれといって無い。その後は、この辺境アパートまで対応している唯一の通販店のセール情報を見、更に今度都心で行われる聖杯戦争の日程及び賞品等々までチェックするが、引っ掛かるものは無かった。
うーんと頭を捻りつつ、ならこっちかなと体調面、つまりステータスを確認すべく、端末の欄を指先でとんと叩く。
ワンタッチで画面がパッと変わり、自分達二人のステータスが現れた瞬間、あ、と思わず声が漏れそうになった。
なんと、タマモの魔力が減っていたからだ。減少幅は一割程度と本来気にするほどでもないが、今の自分達に減る要素などあっただろうか。
確かに十日ほど前、ちょっとした野暮用で久しぶりに都心に出て、聖杯戦争に参加した。他のサーヴァントとマスターとの戦いが久方ぶりなうえ、相手も相当の強敵でかなり消耗したのは事実だ。
もしや、その時の分がまだ回復し切っていなかったのだろうか。そういえば、帰ってきて三日くらいは朝昼晩と確認していたが、特に問題はなさそうだと思ってからは元々半隠居生活なこともあって、逐次見ていなかったような気がする。
ああ、これのせいかも知れない。自分のマスターとしての魔力の素質は甘めに見てもそこそこ程度であり、あの時の激しい戦いの傷をまだ回復させ切れていなかったのだ。
はあ、と一つ溜め息を吐いて、いやこの溜め息は自分が吐いていいものじゃない、とタマモの名前を呼ぶ。
「はい! ではでは、寝室まで……」
まだ続いていたらしいその件はスルーして、最近タマモが悩んでいるように見受けられること、そしてそれが魔力絡みの問題なのではと尋ねてみる。
すると、タマモは「あー……」と斜め上に視線を投げて空返事した後、こくこくと頷いた。
「じ、実はそうなんです」
やはりか。そんな大事なことに気付けず、マスターとして申し訳ない。
そう言いながら頭を下げた自分に対し、彼女は両手をぶんぶんと左右に振った。
「い、いえいえ。そんなことはありません! それに、これくらいならあと数日もすれば完全に回復しますので」
それなら安心、ではあるものの、だからと言ってこのままよかったよかったではこちらの気が収まらない。だから、少しでも早く回復するために何か出来ることは無いだろうかと尋ねると、タマモは両手の指先をそれぞれ合わせて、上目遣いにこちらを見る。
「では、その、ご主人様さえよろしければ、これから魔力供給して頂けると……」
それは、つまり。
「具体的には、愛の営み、えっち、セックスです」
やっぱり。……今から?
「はい。普段の交わりでも魔力は頂けていますが、専用の術式を組めばもっと効率よく頂けるので、それを実行しようかと。ですが、その分ちょっとだけ、いつもよりご主人様がお疲れになってしまうかもなのですが……」
前半は流暢に、後半は言いにくそうに提案したタマモに対し、横に首を振って、そんなことは気にしない、と答える。彼女の消耗を少しでも肩代わり出来るなら些細な問題だ。
「で、ではっ! お布団、敷きますね?」
語気を跳ねさせ、期待した眼差しを向けるタマモの言葉を今回は流さずに頷くと、彼女は狐耳をぴょこんと立て、頬をほんのりと赤く染めた。
2.
自分達の住んでいるアパートのこの一室はタマモの趣味により『和』をテーマにデザインされているが、それは寝室も変わらない。戸は障子、照明は行燈、衣装入れは箪笥、寝具は布団と、霊子虚構世界なるハイテクな世界に反してレトロな雰囲気に纏められている。
そんな寝室のど真ん中に敷かれた敷布団の上に自分は胡坐をかいて座っており、その背後でタマモは魔力供給のための術式なのか、声を潜めて何かを唱えていた。
「……はい。では、次の段階に進みますので、上着を脱いで下さいな」
詠唱を終えたタマモに促され、言われた通りに半袖のTシャツを脱ぐ。
すると、背後からこちらの肩、首回りに細い腕が回ってきて緩く抱き着かれてしまう。所作自体はゆっくりだったので驚きはあまり無かったが、タマモのふわりとした甘い香りと背中にやんわりと触れたたわわな膨らみの感触に、仄かに体温が上がるのを感じた。
「ふふっ、ご主人様の背中……。こうしてみると、意外と大きくて逞しいんですよねー……」
うっとりとした嬉しそうな声色で言いながら、タマモは背中にすりすりと頬擦りする。
魔力供給の準備に何が必要か知らない自分でも、これは関係ないと分かる。彼女の愛慕の言葉と、自身の早い昂ぶりに気恥ずかしさを覚えつつ、タマモ、と呼ぶと、彼女は「分かってますよう」と身を引いた。
そして、少しの衣擦れの音、しゅっと薄い紙や布切れを振った音を続けて響かせると、背中に手の平がぺたりと押し当てられ、シールを張り付けるようにすりすりと満遍なくこすられる。
「ご主人様、今、大事なお札を貼りましたが、異常はありませんか?」
いや、大丈夫。そう返すとタマモは「本当ですか?」ともう一度尋ねて来たので、少し間を挟んで自身の体調を再確認し、改めて問題ないと返す。
「それなら安心です。では剥がしますので、少しピリっとしますよ」
タマモがそう言った次の瞬間、背中に貼られたお札の端が僅かに捲れる感覚と、お札がペりぺりと剥がされる感覚が続けざまに走る。さながら粘着力の無くなりかけた絆創膏を剥ぐようで、痛いというよりもむず痒い。
「さて、準備も終わりましたので……」
タマモは使い終わったお札を丸めているのかクシャクシャと音を鳴らすと寝室の片隅のゴミ箱にポイと投げ、こちらの前に軽い足取りでやってくるとちょこんと正座をする。
「では早速……と言いたいところですが、どうせするなら、やっぱり楽しみたいですよね?」
小首を傾げたタマモに、せっかくならね、と返すと、ふふっと笑う。
「じゃあ、はい」
そして、タマモは両手をこちらに向かって広げた。
……?
意図が分からず今度は自分が首を傾げるが、タマモは微動だにしない。いや、正確に言えば、広げた手を更に、ん、と突き出した。
……???
「もー、相変わらず鈍感なんですから! 可愛い妻がこう来たら、ぎゅっと抱き締めて耳元で『愛してるよ』からのぶちゅーっと熱烈なベーゼではありませんか!」
タマモは体をくねらせて一人二役で自らの語った内容を熱演すると、むーっとこちらに不満気な顔を見せる。
あの仕草だけでそこまで察するのは、もはやエスパーだと思うが……。
「まあ、半分は冗談です。ですが、半分は本気です。さっき言った台詞をそっくりそのままでも大歓迎ですが、ご主人様からして頂ければ私はどんな形でも構いませんので、さあもう一度!」
そう言うと、タマモは顎を少し持ち上げると静かに目を瞑って唇を僅かに突き出させる。
最初からこれなら自分も察したのに、と思うと同時に、今まで幾度となく行っていることなのに鼓動の高鳴りとそれに伴う興奮と緊張が湧き上がる。だが、彼女を待たせるのも悪いので、唾ごとそれらを呑み込み、目の前の唇にそっと自身の唇を重ねた。
「んっ……」
僅かに開いたタマモの口から、静かに声が溢れる。ぶちゅーと熱烈に重ねなくとも分かる彼女の唇の感触は瑞々しくて柔らかくて、つい自分の方はかさついて強張っているのではと不安になるほどだ。
触れ合わせた唇を少し離してまた重ね、時には角度も変えてとバードキスを交わす。これから行われるであろう情事に比べまだまだ大人しいキスだが、だからこそ小さな興奮の灯火が徐々に大きくなっていく感覚に体も火照っていく。
「……ご主人様」
その炎に先に中てられたのは、タマモだった。一度だけ小さく呼び掛ける声を出すと、重ねた彼女の唇がそっと割り開かれ、ぬめる粘膜が未だ閉じたこちらの唇をつんとつつく。
押せ押せなタマモには似つかわしくないようにも思える、おずおずとしたノック。こういう時の誘いが大人しい時はのちに控える行為が激しくなる場合か、タマモが甘えたい時、それかその両方だ。
自分も口を開いて舌を取り出すと、待機していたタマモの舌が出迎えてくれ、早速抱擁を交わす。
「ん、ちゅっ、はぁっ、んっ、あむっ……」
決して広くはない寝室を満たす、粘膜同士を絡ませる淫靡な水音と、息継ぎの合間に漏れるしっとりと濡れたタマモの声。自分の耳にはもうそれらしか聞こえず、それは向こうも変わらないはずだ。
睦み合う舌だけでなく、耳まで蕩けてしまいそうなほどに気分はふわふわと浮つき、どこか残っていたはずの緊張はもはや残滓すらなく、高揚しつつもどこか落ち着いた心地で深いキスを続けていく。
「ん、はぁ、あぁっ……」
けれど、その時間は不意に終わってしまう。タマモの方からそっと唇を離し、二人を繋ぐものは細い一本の銀糸のみとなり、それもやがてぷつりと切れてしまった。
自分としてはまだあの幸福感を味わっていたかった気も、と早々に切り上げられたのを残念に思いつつ、彼女の口元から視線を上げる。そこにはほんのりと蒸気した頬を赤く染めて、黄色い瞳を情欲に潤ませた一匹の狐が息を乱していた。
「ご主人様の仰りたいこと、分かりますよ。私だって、ずっと続けていたいくらいです。でも、もう、私、我慢が出来ないのです……!」
タマモは獲物を見定める目つきでこちらを見やり、口元に付着した――もはやどちらのものかも分からない――涎を舌なめずりして舐め取ると、体勢を下げた。
「だって、ご主人様のが、もう、こんなになっているんですから。これを前にして、我慢なんて無理ですっ……!」
タマモはズボン越しに股座をすりすりと撫でる。キスに夢中であまり意識していなかったが、既にそこは内側から大きく押し上げるほどに猛っており、タマモに触れられるとまたびくんと大きく脈動する。
ボディタッチすら碌にしていない口付けのみでこんな風になるとは、と自分でも驚いていると、彼女は慣れた手つきでベルトに手を掛けてズボンをするすると脱がせていき、あっという間に裸に剥かれてしまう。
「ではでは、改めて……。ふふっ、がっちがちに硬くて、とても逞しくて……。相変わらず、最高のおちんちんですねっ」
タマモは嬉々とした声と笑みを浮かべて、愛おしそうに陰茎に頬擦りする。彼女は基本的に自分に対して甘いと分かっていても褒められると嬉しいし、柔らかくも滑らかな頬の感触もとくれば、怒張も反応してしまう。
「ふふっ、今日はい~っぱい可愛がってあげますし、可愛がって貰いますからね? それでは、先手は不肖ながら私から、早速頂きますっ!」
タマモは張り切った声音で言うと、早速の言葉通り先端に口付け、流れるように口を開けて亀頭をぱくんと咥え込む。
先程口付けで味わったばかりのふわりとした唇の感触に浸る間もなく、生温かい口内、ぬめる赤い舌に亀頭がぶつかり、裏筋をざらついた面がこする。
続けざまに叩き込まれるそれらの感触につい唸り声が漏れるが、タマモは口を止めずに柔く唇で噛みながら剛直を口内に収めていき、敏感な部分に甘い痺れを刻み込む。
ぞくぞくと背筋が震える感覚に軽く気を持って行かれていると、気付いた時にはタマモの赤い唇は根本近くまで達しており、肉棒の殆どはこちらから視認できなくなっていた。
「いふぃふぁひゅよ?」
タマモは口内に屹立を含んだまま、もごもごと喉を震わせて声を漏らす。何を言おうとしたのか判別したり察しようとする間もなく、口内で震えた空気にまで責め立てられて、腰にぞくりと快感が走った。
だが、そんなむず痒い快楽はすぐにもっと多大な快楽の殴打で上書きされてしまう。本格的な口奉仕が始まったからだ。それも、頭ごと動かして口腔全体で男根を扱く、激しいものが。
「んっ、くふっ、んんっ、んむっ……」
肉塊を咥えたタマモの口からは、普段の明るい声は影もないくぐもった声が絶えず溢れ出し、それに合わせてじゅぷっ、じゅるっ、と粘液が攪拌するはしたない水音が奏でられる。
そんな熱の入った口奉仕をいきなりされ、両手の指も折り切らない回数の往復のうちに早くも精液が込み上げてきてしまい、つい下半身にぐっと力がこもる。気持ちいいのは結構だが、これではいくら何でも早すぎると、歯噛みしてどうにか堪えようと奮闘する。
それをタマモは知ってか知らずか、一切奉仕の手を緩めない。そして、その時はあまりにも呆気なく訪れてしまう。
「んっ! く、ふっ、んん……」
まだやる気満々で頭を動かしていたタマモだったが、射精が始まると一旦動くのを止めて、口内に空洞を作るように僅かに顔を引いて、亀頭のみを咥えて顔を動かす。
唾液でぬらぬらと光る分身と、こちらを上目遣いで見る彼女を視界に映し 全身を駆け巡る快楽に身を任せて、精液を吐き出していく。
昨日もタマモと閨事をともにしたばかりだと言うのに、数日溜め込んだような濃厚な精液を口内に容赦なく吐き出し、夥しい量の白濁で蹂躙していく。しかし、彼女はそれをじっと受け入れ、未だ口内で跳ねる度にどく、どくと追加される精液すら口を離さずに口内に溜めてにんまりとした笑顔でこちらの顔を覗いていた。
何度も細かく精液を追加した長い射精が終わると、タマモは亀頭を咥えたまま喉をこくこくと跳ねさせて、大量の子種を口内から体内へ収めていく。
それが終わると最後に鈴口をちゅっと吸い上げて、ようやく口を離した。
「……ご主人様、私のお口で気持ちよくなって頂けるのはとても嬉しいのですが、いくら何でも早すぎませんか? せめてもう少しくらい耐えてくれないと、やりがいありませんよー?」
タマモはにやにやとした笑顔と意地の悪い声で煽っては、指先で亀頭をつんつんとつつく。
とはいえ、嬉しそうでもあるので本気でそう思っているわけではなさそうだが、申し訳ないと苦笑を交えて謝罪し、自分でも驚いているくらいだと、若干の言い訳もしておく。
「ふふっ、まあ、こちらもまだまだお元気みたいですし、許してあげます。では、お次はこちらでお楽しみ下さいな」
タマモは軽く鼻を鳴らして微笑むと、自身の和服の胸元に手を掛けて、躊躇なく捲って包んでいたものをたぷんと溢れさせた。
現在着用しているやたらと露出の多い和服は勿論、カジュアルな服装や水着に身を包もうとも自己主張の激しい、タマモの豊かな乳房。それが他ならぬ彼女自身によって露わにされ、今も余韻によってふるふると小さく揺れ弾んでいる。
ついつい目を惹く大きな膨らみは一切形が崩れたりしておらず、ふっくらとした丸みを描いていた。透き通った白い乳肌の中央には、彼女の髪色と同じく鮮やかな桃色の乳首と乳頭が咲いており、乳首に至っては既に上向きにつんと尖っていた。何度見ても非の打ち所がないと思わせられる、美巨乳という言葉が相応しい乳房だ。
今でこそ、普段の生活でタマモの双乳で作られる谷間を不意に覗いてしまおうとも、特に慌てたり照れたりせずに応対出来る――もっとも、彼女はそれが少し不満らしいが――ものの、やはりこういう場で、それも直となれば欲望の熱は一気に温度を増し、思わず生唾を呑み込んでしまう。
それと同時に、早すぎる射精を終えたばかりながら硬度を維持したままだった屹立も、まだまだ足りないと言わんばかりに疼きを訴え、びくびくと脈動する。
タマモはそんな陰茎を見やると口の端を持ち上げて、股間の前に伏せると再度頭と乳房を寄せて笑う。
「お待たせしました、っと」
そして、両手を使って乳房をそれぞれ持ち上げると、手の平の上でたぷたぷと揺れる乳肉で分身をぎゅっと挟み込んだ。
すべすべの乳肌に加え柔らかくボリュームのある質感に肉棒が包み込まれ、思わずうなり声じみた声を漏らしてしまう。
「あらあら、まだ挟んだだけですのに、ご主人様ったら可愛いんですから。まるで、初めてして差し上げた時みたいですよ? あの時のご主人様のお姿と言ったら、今思い出しても……」
こちらをにやにやと覗くタマモに、あの時のことは言わないでくれと手を振って降参宣言しつつ、自分も先程から覚えている違和感、魔力供給のせいかどうにも今日は感じやすい、と伝えると、彼女は「ふむふむ……。そうかもですねえ」と何度か小さく頷いた。
「もっとも、私は何にも気にしませんし、構いませんけどねー」
タマモはそう続けると口を閉ざしてもごもごと動かした後、口を開けて粘っこい唾液を舌を伝わせて肉塊に落とす。
潤滑油となる道具を用いない際は、タマモ曰く愛情と欲情がたっぷり混ざったお手製潤滑油で濡らしてくれるが、その生温かさは『これから気持ちよくしてあげます』という宣言でもある。期待に早くも肉棒が跳ねてしまうが、タマモは乳房の圧を強くしてそれを抑え込んだ。
「さてさて、こちらはいつまで持つか、お手並み拝見といきましょう」
まずはとろりとした唾液に塗れて口淫を終えた後以上に濡れ光る屹立を豊乳でむにむにと捏ね始める。
たぷんたぷんと柔肉を弾ませたり、まるで双乳をスポンジに見立て怒張を洗うようにこすっていく。乳肌の谷間では粘っこい潤滑油の銀糸が乳肉同士や剛直を結んでは、弾む柔乳がそれらを切る。
男根と谷間が一通り唾液に塗れると、タマモは改めてぎゅっと挟み込んでこちらを見上げると柔和な笑みを零し、乳房を上下に揺らし始める。
いよいよ本格的なパイズリ奉仕が始まった。乳房を動かす速度は最初だからか緩慢ではあるが、実の詰まったハリのある瑞々しい乳肌が程よい摩擦を伴って上に下にと滑るのは、遅くとも、いや、遅いからこそ感触がしっかりと伝わり、早くも息が乱れてしまう。
四方を乳肉に包まれた男性器が、柔乳の上下に合わせて顔を出してはまた埋もれてと繰り返す。だが、何度目かの往復で陰茎がびくんと大きく跳ねて暴れた瞬間、谷間からぬるりと滑って溢れてしまいそうになる。
「あらあら、逃げて時間稼ぎしようなんて、そうはさせませんよ~」
それにいち早くタマモは気付くと、双乳を下から掬って持ち上げていた手の位置を前で指を組ませるように変え、分身の逃げる先を指の格子で塞ぐ。
それからは指でも屹立を豊乳に押し付けて絶えず扱いていく。ぬるぬるむにゅむにゅとタマモの柔乳が陰茎を舐める感触に加え、体の上で豊満な乳房が揺れ踊る姿は視覚的にも刺激が強い。
それに、指で抑え込んで零れてしまう懸念もなくなったからか、最初よりもパイズリに熱が入っており、先端付近だけをぎゅーと強く圧したり、互い違いに捏ねてみたりと、タマモ自身も乳奉仕を楽しんでいた。
「もう先っちょからお汁がこんなに溢れてしまっていますよ~? そろそろ、限界ですか? それとも、まだ頑張ります?」
タマモは肉塊に添えた指を鈴口へ伸ばすと、だらだらと溢れる我慢汁を白く細い指で亀頭に塗り付けて撫でていく。鈴口をかりかりと爪先でくすぐられ、カリ首の裏を引っ掻かれ、裏筋をなぞられてと好き放題に弄ばれ、その間も肉幹は乳肉に愛される。
「私はいつでもいいですよー。だから、ご主人様のだーい好きなタマモのおっぱいで、気持ちよく射精しちゃいましょ? 精液いっぱいびゅーって出して下さいなっ」
満面の笑顔を浮かべたタマモに射精とそれに連なる精液を求められ、一応は出来る限り耐えようと奮闘していた精神はあっさりと陥落してしまう。肉幹を包む柔乳の感触と亀頭を責める指先の感触に、あえなく二度目の絶頂を迎えて思い切り射精する。
「んっ! あっ、すごいですっ、二回目なのに、こんなに……」
鈴口からは勢いよく精液が噴き出し、びゅっ、びゅっと白濁が飛び出す度にそれらはタマモの元々白い乳肌をより白く彩りながら、谷間に溜まっていく。
「今回も沢山出ましたねっ。それでは……」
タマモは微笑みを崩さないまま、白い水溜まりに口元を近付けると、じゅるじゅるとはしたない音を立てて啜っていく。
「ん、じゅっ、ご主人様の、精液、んっ、美味し……」
見る見るうちに白濁の水嵩は減っていき、あっと言う間にそれら全て啜り切ると、タマモは唇にこびり付いた白濁を舌なめずりして舐め取った。
「こちらも、綺麗に致しますね」
そして、先端に残滓を付着させた亀頭に向かって口を大きくあーんと開けると、ぱくっと咥え込む。双乳の谷間とは違う温かさに体が跳ねたのも束の間、控えていた舌が亀頭にまとわりつき、まるで別の生き物のように暴れて舐め回していく。
亀頭は勿論、殆ど精液が垂れていない肉幹にまで舌は伸びていき、明らかにとっくに掃除なんて終わっているのにもかかわらず、生温かい粘膜を肉棒に這わせてくる。
射精を終えて間もない敏感な屹立への刺激に、射精したばかりなのにまた出してしまうのでは、と思わず歯噛みして堪えていると、タマモはちゅぽんと口を離す。
「ぷはっ……。お掃除、完了です」
そう言って解放された怒張には完了の言葉通り、精液は欠片も残っていなかった。名目は掃除とはいえ再びの丹念な口淫が終わり、残念な気持ちは抱えつつも男のプライドとしてあっさりと達してしまうのを避けれたことに安堵する。
「で~も~、あんなに速いと流石に物足りないので、延長戦ですっ!」
だが、その安堵も束の間、タマモは明るく言い放つと豊乳で改めて包み込み、綺麗にしたばかりの亀頭にちゅっとキスを落とす。
口では先端をちゅうちゅうと吸い上げて奥から引きずり出すように、乳肉では先程よりも強く挟んで根本から先端に絞り導くように擦り上げる。
肉竿から走るぞくりとした独特の感覚に身を震わせている間にも、行為はエスカレートしていく。舌は吸うのでは飽き足らず尿道を穿って催促し、くすぐったさを内包した慣れない刺激に襲われる。強烈な乳圧を伴った柔乳肉では荒々しく剛直を扱き続け、我慢の精神ごと削るかのよう。
手加減の一切ない、精液を早く出せと言わんばかりの責め。それは、お掃除フェラによって硬度と興奮を維持していた陰茎をあっさりと更なる射精に導いた。
「んっ! ふっ、んむっ……」
射精の瞬間まで鈴口を虐めていたタマモの口内に、またも精子が注がれていくが彼女は口淫の時と変わらず、吐き出される精液を受け入れごくごくと飲み下していく。
しかし、先程を上回りかねない精液量と、相変わらずの粘っこい濃厚な白濁はなかなか喉を降りて行かないのか、飲み切れていない分がやがて口端から溢れてしまい、とうとうタマモは口を離してしまう。
「っ! ぷあっ! はっ、はぁっ……!」
口の端からずるりと繋がった粘度の高い白濁を谷間に垂れ零し、荒く息を吐くタマモ。一方、急に解放された男根はもう終わりかけの勢いのない射精を続けており、先端から小さく溢れた精液が谷間に零れ、口内から溢れた分と混じり合っていた。
タマモは息を整えながらその様子をぼんやりと見ていたが、息が多少落ち着くと口の端に垂れていたものを指で掬って口に含むと、長く息を吐いた。
「……沢山、出ましたね……。精液で、溺れちゃうかと思いました……」
あまりの射精量に一度息を詰まらせたにもかかわらず、タマモはうっとりとした声色で呟くと、射精の余韻に震える陰茎を双房で絞り上げていく。そうして尿道に残っていたものや、肉幹に付いた分も乳房で拭き取ると、所々に白濁が浮いた豊乳を口元に寄せた。
「ご主人様の大事な精液、勿体ない勿体ない……」
タマモは乳肌に熱心に舌を這わせて、飲み切れなかった分を舐め取っていく。赤い舌を美巨乳が這い、粘度の高い白濁や塊のようなぷるぷるした精子までもを口内に運んでいく光景に目を奪われると同時に、この射精量に改めて自分で驚く。
そして、それは驚愕だけにとどまらず、ある種の疑念も生み出す。
いくら何でも、三回目なのにこの量は……。それに、タマモの奉仕が気持ちいいのは間違いないが、いくら何でも早すぎる気も……。
「それでは、そろそろ本番ですし私も脱いでしまいますね」
そんな一抹の疑問は、タマモの一言と所作で頭から吹き飛んでしまう。いつの間にか体を起こしていた彼女は、既に自らの服に手を掛けていた。
まずは帯がしゅるりと解かれて、胸元をはだけさせていた和服全体の拘束が緩む。続く躊躇の無い静かな衣擦れの音に合わせてタマモの肢体を覆い隠す和服の面積が減っていき、それらは霊子的に分解されて寝室脇の衣装箪笥へ仕舞われていく。
やがて、和服を構築していた霊子が完全にタマモ自身から消え去る。つまりそれは、彼女の生まれたままの姿が目の前に晒されている、ということでもあった。
女性としては少し高めの身長ながら、自分よりは一回り小柄なタマモの体躯。最近、他のサーヴァントやエネミープログラムとの戦闘もとんと無くなり、本人は弛んできたなんて気にする素振りを見せていたが、くびれのある腰と引き締まったお腹を見ると杞憂としか思えない。勿論、本人が影で努力している可能性は大いにあるが。
そこから視線を上げれば、ついさっきまで屹立を苛めていた、今は唾液でてらてらと輝いている豊満な乳房が目に飛び込んでくる。引き締まったシルエットに大きくはみ出した丸みを作る、たぷんと実の詰まった双房は垂れとは無縁で支えがなくとも全く形を崩さず、髪と同じ色をした桃色のつんと尖った乳首とぷくっとした乳輪を見せつけていた。
そして、やはりタマモをタマモたらしめる、背後に覗くもふもふの狐尻尾。あれは彼女の肢体とはまた別の意味で極上であり、狐耳と合わせて非常に人を駄目にする触り心地だ。
稀に都心部に行った際、タマモは周りのマスターやサーヴァントを見ては『最近の女は規格外のスタイルが多過ぎる』なんて愚痴っぽくぼやくが、やはり自分が誰よりも心惹かれるのは目の前の愛妻だ。
射精も終えて、小康状態となっていた陰茎は自然と硬度を増して呼吸も乱れ、つい生唾を呑んでしまう。
そんな様子に気付いたタマモは首を傾げた。
「? ご主人様、どうしました?」
見惚れていた。正直にそう伝える。事ここに至り隠す気はない。
「……ご主人様っ! 大好きー!」
それを聞いた途端、タマモが飛び掛かってきたかと思えば、流れるように抱き締められ押し倒される。
自分達がこういう関係に落ち着く以前に、彼女からの――貞操の危機すらある――数多の愛情表現を躱し抜け出してきた自分でも、今のは反応すら出来なかった。
幼子が愛用しているぬいぐるみのように、頬ずられ撫でられ軽い口付けをちゅっちゅとなすがままに浴びていたが、一頻り愛でてタマモは満足したのか、最後に強めにハグをすると体を起こす。そして、こちらの体の上で膝立ちになると、既に愛液を滴らせていた淫唇を左右から大きく広げ、その中を見せつけた。
「ご主人様、見て下さい。ご主人様があんなこと言うから、もうこんな風になっちゃいました。実を言えばご奉仕させて頂いている時には既に洪水でしたけど、さっきの一押しでもう大洪水です!」
真っ赤に熟れた肉びらがひくひくと蠢き、ぽたぽたと熱い蜜がこちらの体に垂れ落ちる。
一方、眼前に展開されている光景とは裏腹に、タマモは淫靡さの全くない明るくはしゃいだ笑顔と口調で言う。
「と、い、う、わ、け、で! ご主人様からの前戯を飛ばすのは非常に残念ですが、それ以上に私が我慢出来ませんので、頂いちゃいますねっ!」
タマモはそう続けると、両手で大きく開かせた淫唇の奥で物欲しそうにぱくぱくとしきりに口を開閉させる膣口を、亀頭に宛がう。
亀頭の先端に熱く柔らかな肉穴が触れ、怒張から伝わる熱さに全身が甘く痺れたのも束の間、タマモは一息に腰を下ろし、瞬く間に剛直の全てが熱に包まれていく
「あっ、はぁっ……! ふふっ、私の中、ご主人様のおちんちんでいっぱいですっ……!」
根本まで呑み込んだ肉塊が自身を貫く感覚に、早くもタマモは喜悦に染まった艶やかな笑みを見せ、早速腰を上下に揺らし始める。
「出したくなったら、いつでもいいですからね?」
口元は口角を上げて、でも同時に瞳は獲物に狙いを定めた獣の目つきであり、内に灯る嗜虐の焔を垣間見せられながら、遠慮ない腰つきで肉棒を扱かれていく。
それによって与えられる、というよりは叩き込まれる快感は非常に大きく、既にここまでに三度の絶頂を迎えているのに、もう陰嚢から精液が昇ってくる感覚に襲われてしまう。
「あっ、んっ、おちんちん、硬くて、素敵ですっ!」
今回こそ、少しでも抑えなければ。頭ではそう分かっているものの、タマモに完全に主導権を握られた騎乗位も、欲情を煽る彼女の嬌声とゆさゆさと揺れる豊乳も、何もかもが射精を促してくる。
もう、駄目だ。自分を鼓舞する言葉はあっさりと諦めの言葉に変わってしまい、タマモの膣内に差し込んだばかりの肉竿が、どくんと大きく脈動した。
「っ! あっ……!」
二桁にすら届かない回数の上下運動での、あまりにも早すぎる絶頂とそれに伴う射精。流石にタマモもこれは想定していなかったのか、一瞬だけ驚いた声を漏らして根本に呑み込んだ状態で腰を止めてしまう。
だが、今更止まろうと既に迎えた絶頂が中断されるわけはなく、膣の最奥を精液が叩き、胎内へ注がれていく。
四度目、それもここまで間を空けないとなれば、普通であれば精液の量は一度目や二度目に比べ相当減るはず。にもかかわらず、今回の射精も今までと同じく、数日溜めた射精と変わらぬ量を注ぎ込んだ。
精液量こそ立派だがこの速さはいくらなんでも。これでは煽られるどころか幻滅されても仕方ない、と射精を終えて多少冷静になった頭で考え、少し落ち込みながらも、顔を上げてタマモの方を見やる。
「あっ、ひっ、あっあぁっ……!」
見やった目を、そのまま丸くしてしまった。当のタマモの様子はと言えば、目を見開いて口をぱくぱくとさせて声にならない声を漏らして、全身をびくびくと震わせていたからだ。
それに面食らって言葉を詰まらせていると、やがてタマモはくたりと力なく、こちらにへたり込んできた。
「はっ……、あ……、あぁ……」
明らかに、これはおかしい。これまで自分の方は普段以上に我慢が利かなかったり、回復も早く精液の量も多いと違和感はあったが、事前にタマモが言っていた『もっと効率よく頂ける』のせいかと思っていた。
しかし、受け取る側であり終始余裕を携えていた彼女がこうなってしまうとは、もしや魔力供給が上手く言っていないのかもしれない。
ともかく、慌ててタマモに大丈夫かと声を掛ける。
「……だ、だい、じょーぶ、れしゅ……」
ゆっくりと顔を上げて、ふにゃふにゃに崩れた顔と声で答えるタマモ。いや、これで大丈夫なわけがない。
供給が上手くいっていないのかも知れない、今日はもう止めておこうと、とりあえずこれ以上の行為の中止を提案すると、彼女はぶんぶんと首を横に振った。
「それは、駄目、駄目ですっ」
そうは言っても現にこの調子では、と再度中止を促すが、タマモが振る首は横向きのまま変わらない。
「違うんですっ……! むしろ、上手くいきすぎてるくらいですっ。だって、あれ、魔力供給のためのお札じゃありませんからっ!」
え?
「…………あ」
いかにも、不味い台詞を言ってしまった、という顔を浮かべるタマモ。当然、自分も先の発言を聞き流してなどおらず、こちらの体に跨るタマモを逃がさないように脚をぐっと掴み、どういうことか、と詰問した。
「え、えーっと、その、ですね……」
さっさと逃げるのも言い逃れも無理だと悟ったのか、タマモは意外にもあっさりと色々と白状した。
曰く、魔力切れなど真っ赤な嘘で、魔力が減少していたのはこのお札を作っていたせいだったと。
曰く、悩んでいたように見えたのはこのお札を――夜の営み用に作成した、対象者の精力増強、媚薬成分、精液自体も媚薬化だの色々盛り盛り欲望二百パーセントのお札――をちょちょいと作ったものの、使おうとしても断られるのは分かっていたため、どうしたものかと悩んでいたからだと。
曰く、そう言うわけで今回の件は自分の心配に調子を合わせただけであり、魔力切れだと体調を心配されるのは悪いなあと思いつつ、渡りに船とほくほくだったと。
「……その、ご主人様?」
ことの顛末を話し終えたタマモが、おずおずとこちらに尋ねる。
何?
「ど、どうして私は、こんな体勢にさせられているのですか?」
顔を振り向かせて、困惑の声で言うタマモ。そんな彼女の現在の体勢は、尻尾を携えた桃尻をこちらにぷりんと向けて、両手と両膝は布団についてと、所謂四つん這いの体勢である。
タマモが今回の一件について話し、嘘で演技だったと言い出してから、自分はタマモの弁明や話の続きを促しては、彼女の体を文字通り手取り足取り、今の姿勢に移行させていた。白状兼弁明の途中で「あのー……」となんのつもりかと尋ねられても、いいから続きを話しなさいと催促し、聞き終わる頃には文句無しの四つん這いが出来ていた。
「も、もしや、お仕置きのお尻ぺんぺん、いや、今はあえてスパンキングと呼びましょう。それですか?」
そう言うタマモは声色こそ少しの焦りが見受けられるが、内容を聞く限りまだまだ余裕がありそうである。
それは違う。いくら罰だとしても、タマモが痛がる姿はあまり見たくはない。
尻尾の付け根を指ですーっとなぞってその旨を伝えると、タマモは不気味さかくすぐったさか、はたまた両方にか身と尻尾を震わせた。
「で、では、何を……」
おずおずと尋ねるタマモに、回答代わりに二人が交わった証の混合液が垂れている秘唇を左右に大きく広げる。先程たっぷり出した精液と大洪水と自ら称した愛液が溢れ、その感覚にかぶるりとお尻と尻尾が揺れる。
そして、それを零すひくつく膣穴に、がちがちに勃起したままの分身を押し当てる。
「んっ、ご主人様、もしかっ……」
タマモが何か言い掛けるが、構わずに一気に最奥まで陰茎を押し込んだ。
「ひっ! あ、あぁああっ!」
瞬間、タマモは大きく嬌声を張り上げて全身をびくびくと跳ねさせる。この反応だけで、多大な法悦が全身を駆け巡っているのが一目で分かる。
けれど、これにも一切構わず、突き入れた腰を大きく引き上げてまた押し込む。
「ああぁっ! ごしゅ、じんさまぁっ! はぁんっ!」
今、自分がタマモに抱いている思いは、彼女が挙げた痛いお仕置きなんかで満たされるものじゃない。この思いを、限りなく滾り続ける肉欲を、その肉体で受け止めてもらう。それ以外に術はない。
いきなりの深いストロークでのピストン運動にもタマモの膣内はすぐに順応し、柔らかな膣肉で程よい締め付けを懸命に返してくる。こうしてすぐに適応するのは、今までの夫婦生活で培ってきた営みの経験もあるだろうが、それ以上に本人が言っていた、精液に含まれているらしい媚薬効果が先程の膣内射精でしっかりと発揮されているのだろう。
改めて、なんて物を作り、あまつさえ使ってくれたんだ、と思う。しかし、今やいっそとことんやってやろうという心持ちであり、さっきは碌に味わう間もなく絶頂してしまった柔肉壺を、腰を何度も前後に動かして貪っていく。
「あっ、はぁんっ! ひぁっ! あっ、あぁっ~……!」
早くも大量の愛液を分泌させる、普段以上に絡みつく膣壁を押し広げて肉竿を突き入れ、奥にかけて窄まりを強くする最奥へ勢いよく叩き込む。引き上げる際にはぴったりと張り付いた膣肉を、一気に腰を引いてカリで荒くこする。
深いストロークで腰を揺する度に、タマモは高い喘ぎ声を休みなく上げては、後ろからでも優に視界に入る豊かな乳房を大きく揺らす。彼女を逃がさないように――もっとも、そんな必要はなさそうだが――その細い腰を両手でしっかりと抑えているので、それに手を伸ばしは出来ないが、たぷたぷと乳肉を揺らして淫らに踊る姿に集中出来ると思えば悪くない。
それに、見応えなら眼前に突き出された桃尻も負けてはいない。時折ひくひくと蠢く尻穴は体が悦楽に震えるときゅっと窄まりを強くし、そのやや上部では立派な金毛尻尾も可愛らしくわさわさと揺れ動いていた。
既に射精を繰り返したお蔭でお札による様々な効果にも体が慣れて来たのか、増幅された快感を余裕をもって享受しながらタマモを責め立てていく。
「あぁあっ! イクっ、あっ、イッ、イクっ!」
一方、フェラやパイズリの際に飲精を行っていたが、本格的に効果が現れる引き金となったのが膣内射精だったタマモはまだまだ慣れていないのだろう。自分より二足は早く絶頂を迎えて全身を大きく跳ねさせると、力無く上半身を前のめりにへたり込ませた。
丸いお尻を突き出した体勢で、絶頂の余韻に打ち震えるだらしない策に溺れた女狐の姿。普段はあまり見れない、単純な快楽だけに屈服したその姿に幾らか溜飲が下がる。
だが。
「……あっ!? やあぁっ、またっ! ひぁあっ……!」
これで満足したわけではない。精々半分だ。何せ、自分はまだ達していないのだから。
未だタマモは絶頂の余韻から降り切れていないみたいだが、構わずに腰を容赦なく動かして、蜜壺を抉っていく。
絶えず膣内を行き来する剛直に、膣肉は積極的に絡んで健気に奉仕する一方、好きに貫かれているタマモ本人はと言えばだらしない声を上げて喘ぎ、肉同士がぶつかる乾いた音が響く寝室に彩りを添えることしか出来ていない。
半ば放心状態の彼女の肉体をこのまま好き勝手に貪るのもいいが、それでは一人でしているのと大差はない。
なので、この辺りで少し趣向を変え、膣内の入り口から最奥までを摩擦する深いストロークから、膣口の辺りをカリ首で捏ねる細かいものへと動き方を変えてみる。
「あぁっ! そんな、浅いところばっかりぃっ……!」
屹立の半分も埋没させない程度の抜き差しでも、亀頭に吸い付く膣ひだをカリ首で弾く度に発情した淫肉はきゅうっと亀頭の先端部のみを可愛らしく食み、掻き出される愛蜜の量を増やす。
「んっ、あぅっ……、あっ、ん、んんっ……」
とはいえ、やはりこれまでの腰使いに比べると物足りなさも大きいのか、タマモは少しでも快楽を増やそうと、突き出した尻を自ら動かして躍起になる。
そんな不満気な様子に、これはお仕置きだと改めて教えてやるべく、亀頭を呑み込ませた状態のまま、動かすのをぴたりと止めた。
「っ……! やあぁっ、ご主人様っ! そんな、意地悪しないでぇっ……! んっ、ふぅっ、あっ、んんっ……!」
すると、タマモは震える声で懇願し、さながら自慰をするように、碌に動かない怒張に自ら腰を振って膣道を必死に擦り付ける。
それでもこちらからは動かず、突き上げたお尻を前後に振って快感を享受するタマモを黙って見やる。豊乳をぷるぷると揺らし、ぱちゅん、ぱちゅんとタマモの尻とこちらの腰がぶつかる力ない音が鳴っては、明らかに物足りなさそうな声が聞こえてくる。
すっかり出来上がった膣内が余程疼くのだろう、タマモはとうとう腰を止めてしまうと、へたり込ませた顔をこちらに向けた。
「ダメぇっ、これじゃ、足りないんですっ……! 奥まで、ぐちゃぐちゃにして下さいっ……!」
大きな黄色い瞳をうるうると潤ませて、涙声で必死に訴えるタマモ。その姿はまるで肉食獣に睨まれた弱々しい小動物のようで、嗜虐心と庇護欲を同時にそそる。
その姿に免じ、だけどまだ完全に許したわけではないので、何も言わずいきなり最奥まで突っ込んだ。
「お願い、ごしゅじんさっ……! かっ、はあっ……!」
奥深くまでの挿入を求めていた蜜壺を一気にこじ開けると、タマモは声を詰まらせて体をがくがくと跳ねさせる以外に何も反応を返さない。
しかし、いざ腰を動かし始めると、あっと言う間に色付いた声を上げ始める。
「あっ、ひぁっ! はぁんっ! これっ! これが欲しかったのぉっ! ご主人様のおちんちんっ! あぁああっ!」
待ち侘びた肉塊の感触をタマモは夢中になって貪り、僅かな時間とはいえお預けをされていた膣肉もすぐさま締め付けを強くして、もう離さないと言わんばかりに絡みついてくる。
タマモの桃尻に何度も腰を打ち付けて男根を突き入れ、たっぷり分泌され膣奥に溜まった愛液をカリで穿り出す。その度に、互いの体がぶつかる弾ける音が響き、ぐちゅっ、ぶちゅっ、と膣口から溢れた粘液の塊が潰され、タマモは可愛らしい嬌声を上げる。
「いいっ! ご主人様のぉっ、おちんちん、気持ちいいよぉっ……! あっ、んっ、あぁあ~……!」
一突きごとに軽い絶頂を味わっているのか、最奥を小突く度にタマモは全身をびくんと跳ねさせて、膣道も小刻みに僅かな膨張と強い収縮を繰り返す。
それは彼女の肢体が享楽に震える無意識の所作ながら、自らを貫く生殖器の射精を促す動きでもあり、自分も肉棒に未だ枯れない精液が込み上げてきて大きく脈打つ。
「っ! ご主人様っ、出そうなんですねっ! 欲しいっ、欲しいですっ! ご主人様の精子、中に注いで下さいっ!」
すぐそこまで迫った射精の予兆をタマモは目敏く気付くと、口早に膣内射精をせがむ。自分もそう言われるが早いか、――相手にその気は微塵も無いと分かっていても――目の前の牝が離れないように腰をしっかりと掴んでスパートを掛ける。
「あっ! はぁっ、あぁんっ! ご主人様っ、イクっ! あっ! あぁあっ!」
これから子種を注ぐ場所を何度も小突く、一層激しさを増したピストン運動にタマモは一足先に絶頂を迎えた。それに少し遅れて膣内が強烈に陰茎を吸い上げて搾り、たまらず自分も絶頂に達した。
「あっ! きたぁっ! 精子っ、ご主人様の精子ぃっ……!」
タマモの望み通り、そして自らの欲望のまま、自身が主導権を握っての膣内射精を行う。
元々組み敷いている体勢に加え、腰を掴み込んで子宮口に先端をぴったりと押し当ててのそれは、愛の営みというよりも孕ませるための交尾というべき荒々しい種付けだった。
「あぁんっ、この、精子が入ってくる感じ、好きっ、中出し、好きぃ…」
だが、タマモはそれに対する嫌悪感など一切なく、胎内を精子で犯されることに歓喜の声を漏らして悦ぶ。
既にお札の効果を知った今となっては驚きもないが、今回もこれまでと同じく、衰えのない射精が今まで以上に続く。膣内で男性器がどく、どくと脈打つ度に精液の塊が昇っていく感覚が下半身を満たし、余すところなく子宮を白濁で蹂躙しつくしていく。
それから何度か甘い震えと吐精を繰り返した頃、ようやく今回の射精も落ち着きを見せた。体はすっかりこの感覚に慣れ、今回は射精が終わってもへたり込んだりはせず、悠々と腰を引く。
「ん、ひぃっ、はぁんっ……!」
屹立が抜かれていくことにすら快楽の声を上げるタマモの傍ら、膣穴をカリで引っ掻きつつ全てを抜き去ると、肉竿はぶるんと弾けながら姿を現した。
射精を終えた直後にもかかわらず分身は硬度を維持して天井を指しており、立ち込める性臭が鼻腔をくすぐる。それもそのはず、亀頭の先端から肉幹の根本まで、タマモの愛液でべっとりとデコレーションされてぬらぬらと輝いているのだから。
「あ、はっ、あぁ……」
一方、タマモはと言えば自慢の尻尾はへにょりと垂れ、ぱくぱくと開閉する膣穴からは出したての精液と愛液の混合液をこぷこぷと溢す。口からは自らを満たしていた陰茎の喪失か、せっかくの精液の喪失か、もしく両方にか切なそうな声を漏らしていた。
……少し、やり過ぎたかも知れない。お仕置きとはいえ反省しつつ、タマモが落ちつくまではそっとしてやろうと、彼女を横たえさせて何か拭くものでも、とベッド脇に目を向けて探していると、タマモのか細い声が聞こえた。
「ご主人様、ご主人様ぁっ……」
呼ばれそちらを向き直すと、タマモは淫蕩よりも別の感情が色濃い顔をしており、潤んだ瞳の端には涙の雫が浮かんでいた。
「私、反省しましたからっ……。だから、お顔が見たいですっ、見ながら、愛して欲しいですっ、さっきのも気持ちよかったけど、これで終わりは嫌ですっ……!」
こちらの腕にすがりつく、普段のお調子者は鳴りを潜めて懇願するタマモの姿。
そのあまりにもいじらしいお願いは、叶えてあげねば主人としても旦那としても失格だろう。
気分をもう少し落ち着けるため一度だけ静かに深呼吸して、彼女の体を起こす。そして、緩く胡坐をかいて座り、抱き締める。
もう、怒ってないよ。
出来る限り優しい声でそう言って、一旦抱擁を離すと、僅かな硬直を挟んでタマモはとろんとしていた瞳をぱっちりと開いて狐耳をぴこんと立たせ、飛び掛かるかの如く抱き着いてきた。
「ご主人様っー!」
それをしっかりと抱き留めて、愛妻の頭をよしよしと撫でてやる。
「好きっ、ご主人様っ、大好きですっ……」
こちらの胸にすりすりと額を擦り付けて甘えるタマモ。彼女の方も二度の膣内射精と時間が経って媚薬効果に慣れてきたのか、一度目のような息も絶え絶えといった様子はかなり薄くなっていた。
しかし、発情した声音や牡を誘うフェロモンは一切衰えがないどころか濃さを増しており、愛する妻の色香に、勃起した分身が更に脈打つ。
「ご主人様、また私のおまんこで、いっぱい気持ちよくなって下さいね?」
それが自らの体に当たっているタマモも待ち切れないらしく、抱き着いた姿勢のまま、早速肉棒にぐじゅぐじゅの膣口を押し当てると、率先して腰を下ろす。散々奥まで穿られたうえ、精液と愛液が混ざり合った淫汁に満ちた膣内は、瞬く間に男性器を再び最奥まで迎え入れた。
「はぁああっ……、タマモは、ご主人様のおっきなおちんちんが、大好きなんですっ、好き、大好きですっ……!」
自身の秘部を満たす肉塊にタマモは喜悦の声を上げると、こちらの胸に顔を寄せて頬擦りする。
そんな甘えん坊をよしよしと撫で、ついでにぴょこんと立った狐耳も一緒に撫でてやる。
「あっ、はふぅ……」
気持ちいいとくすぐったいが綯い交ぜになった気の抜けた声を漏らし、表情を弛緩させるタマモ。
尻尾とは似て非なる質感のふわふわの狐耳を梳いては根本を掻き、弱い刺激にぴくぴくと震えれば手で包み込んで軽く揉む。こちらに伝わってくる感触もさることながら、タマモ本人も瞳をとろんと蕩けさせて、繰り返し甘い吐息を零していた。
「ご、ご主人様、あの……」
すると、もう片方の狐耳をぴこぴこと動かしたので、次はそちらに手を移し、同じように愛撫してやる。
そうして、存分に愛でたところで、そこに口を寄せてそっと呟く。
「はぁあぁっ……。……は、はいっ! お願いしますっ……!」
それは、挿入はタマモがしてくれたから、次はこちらが動く番だという旨の言葉。狐耳を愛されとろんとしていたが、言われた言葉を理解するとタマモは緩んでいた顔を幾らか持ち直させてこくこくと頷き、期待にか頬を一段と赤く染めた。
その期待に応えるべく、それに自分ももっと彼女を味わうべく、体をしっかりと抱き抱えて腰を動かす。
陰茎を荒く突き込んで貪っていた先程とは違う、ゆったりとした動きで膣ひだをこする。膣内もその勢いに合わせるかのように、きつく強く締め付けるのではなく、とろとろの柔肉で抱擁し、肉幹を絶えず撫でてくれる。
「あっ、んっ、ご主人様っ、私のおまんこ、気持ちいいですか?」
タマモの問いに、勿論だ、最高だと頷いて褒め称えると、彼女はこれでもかと口角をふにゃふにゃに緩めてしまう。
喜悦を隠しもしない笑顔に自分も嬉しく思っていると、タマモは自身の胸元にこちらの顔をぎゅっと抱き寄せてきた。
「ご主人様、こっちも、おっぱいも愛して下さいっ。舐めたり吸ったり、お好きにして構いませんから」
タマモは自慢の豊乳を差し出す言葉とともに、顔を包み込む。ぷるんとたわむ、すべすべの乳肉に捕らえられて息が一瞬詰まるが跳ね除けるなんてことは出来ず、自身の欲望と彼女の切望に促され、桃色の突起をぱくんと咥え込む。
既にぷっくりと大きく膨らんだ、程よい弾力を携えた魅力的な乳首を口内に収め、乳輪の縁を舌でなぞっていく。
「んっ、はぁっ……、あぁん……」
快感を中央に寄せ集めるように少しずつ舌を中央に寄せるが、肝心の乳頭には触れずにまた縁に舌を戻してまた中央に寄せていく。それを何度か繰り返し、肉粒付近に舌が来た際にタマモの体がぴくんと跳ねたのを合図に、かちかちに尖った蕾を舌でつつく。
「あっ! はぁあっん!」
焦らした分を取り返すように、舌先で突起を転がしては先端をくすぐる。それでも飽き足らず唇で乳首を挟み込んで軽く引っ張ると、タマモは全身をびくんと跳ねさせて、たわわな柔乳をたぷたぷと揺らす。
産んだ子を育む役目を担う、大事な箇所である双房。限りなく現実に近いとはいえ、電子世界で生きる自分達がそれを果たすことがあるのかは分からないが――タマモならどうにか出来そうだしやりかねない気もするが――、今は自分が赤子になった心地でたっぷりと甘える。
「ご主人様ぁ、こっちも、こっちもちゅうちゅうって、吸って下さいっ……」
タマモもそれを望んでいるのか、もう片方の乳房を手の平で持ち上げてぷるぷると揺らし誘い、そちらも咥え込んで吸ってやると、彼女は高い嬌声を漏らす。
しばし、タマモに求められるまま母性の象徴に夢中になっていたが、その最中にタマモはまたもや甘えた声で呼び掛けてきた。
「ご主人様ぁっ……!」
一体、次は何がお望みかと顔を上げるが、すぐに察しがついた。
鮮やかな桃色をしたぷるんとした唇が、つんと可愛く突き出されていたからだ。惜しい気持ちはあるがそれ以上に応えてやりたくて、乳房から口を離して早速口付けるとすぐさま向こうからも返ってきて、それはあっと言う間に舌を絡ませ合うものへと変化していく。
「んっ、ちゅっ、くちゅっ、あんっ……」
主導権も何もなく、口元が唾液に濡れるのも厭わず、お互いに思うまま自らの舌と相手の舌を絡ませる。重ねた唇の隙間からはくちゅくちゅと粘液を混ぜる音と、二人の吐息とこもった熱が溢れていく。
最初にしたようなタマモから一方的に貪られるキスも――本人に言うとこれからが色々と危うそうなので言わないが――好きなのだが、こうして求め合い与え合う口付けもとても心満たされ、甲乙なんてつけられない。
「ちゅぷっ、はぁっ、しゅきっ、んっ、ご主人様っ、好きぃっ……」
愛慕を囁く彼女に自分も羞恥を捨てて返し、自分はタマモを抱き締め、タマモも自分を抱き締める。
上でも下でも繋がり合い、相手の心の内まで分かりそうなほどに精神も繋がり、二つが一つに溶け合う錯覚すら覚えながら、少し怠ってしまっていた前後運動に注力して、膣内を掻き回す。
「あぁっ! んっ、おちんちん、いいっ! 気持ちいいですっ……!」
媚薬で普段以上に蕩け、ぐじゅぐじゅに熟れた膣肉は際限なく温度を増し、無数の肉粒が怒張を余すところなく舐め上げる。極上の蜜壺との摩擦で得る快感は凄まじく、腰を何度も突き上げて掻き回し、先端が最奥に達していても更に押し込んで、子宮口を穿る。
「ひあぁあっ! あぁんっ! おちんちんと子宮でも、キス、しちゃいますか……? ふふっ、大歓迎ですっ……!」
タマモも腰を押し付けてぐりぐりと捻ってポルチオを亀頭にこすり付け、鈴口と子宮口を深く口付けさせる。
精液を排出する穴と受け入れる穴が睦み合っていると、それに連なって膣奥のひだが離さないと言わんばかりに窄まりを強くし、膣全体も蠢いて再度の膣内射精をせがむ。
その刺激にたまらず精液がぐっと込み上げ、屹立が一際大きく膨張する。今日幾度となく味わった、射精の予兆。
密着した腰同士を殆ど離さない僅かな動きだけでポルチオへのキスを繰り返しながら、もう限界だとタマモに伝えると、彼女はこちらにぎゅっと抱き着いて、耳元で囁いた。
「私も、イク、イクから、出して下さいっ、私の子宮、ご主人様のでいっぱいにして下さいっ……!」
お互いに絶頂が近いと確認し合い、肌と肌を触れ合わせたまま、腰だけを二人とも擦り付けて快感を送り合う。今までみたいに一方が登り詰めるのではなく、二人ともが最上級の快楽を味わうために。
そして、もはや何度目か分からぬ子宮口へのキスで、タマモの体がびくんと跳ね上がったその瞬間、堪えに堪えた欲望を思いきり開放した。
「っ! イッ、イクっ! あっ、あぁああぁっっ!」
それと同時に、タマモも大きく声を張り上げて絶頂を迎え、自分も尿道を最大限広げてせり上がる精液を目の前の子宮へと注いでいく。頂点に達した快楽と待望の膣内射精が引き金となったのか、柔らかく締め付けていた膣壁も根本から窄まって収縮を繰り返して、欲しい欲しいと催促する。
「あぁっ、はぁん! おちんちんが、びくびくして、あっ、あぁっ……!」
タマモは強大な絶頂の余韻に浸りながらも、膣内で膨らんでは精子を吐き出す男性器の感覚と、胎内を夥しい量の白濁で満たされていくことに至福の譫言を漏らしていた。
溜め込んでいた分はとうに出してしまっても、作り立ての新鮮な子種を注ぎ続ける。だが、そんな放精もやがては治まり、注ぎ込む感覚は失せていってしまう。
しかし、陰茎の疼きはまだまだ治まらず、脈打ちが止まらない。
「ご主人様、まだまだ出来そうですね? 私も、どこまでもお供しますっ」
興奮で真っ赤に色付いても、唾液や汗に汚れ髪が少し張り付いていても、にっこりと笑うタマモは誰よりも可愛らしく美しい。そんな愛妻の笑顔と言葉を受け、また腰を動かし始めると、彼女は歓喜の嬌声を漏らして、結合部から淫靡な音をかき鳴らす。
愛情も欲望も求め合う二人が繋がる音は、小さな寝室をもうしばらく満たし続けていた。
3.
何でこんなお札を作った?
「聞いちゃいますー? それ」
ゴミ箱でクシャクシャになっていたお札を広げたものをタマモの目の前でひらひらと揺らして尋ねると、ちょこんと座布団に正座する彼女は悪戯っぽく笑う。
結局、先の魔力供給の名を借りた交わりは最終的に両手の回数くらいまで射精した頃にようやく落ち着きを見せ、それが約一時間前の話。つまり、逆に言えばこうして改めて尋ねる余裕が出来るまでに一時間近く掛かってしまった。
これほど強力な媚薬もとい媚札を作った理由は、申し開きしてもらわねばならない。というわけで、毅然とした態度で、内容如何によってはお仕置きも考える、と更に強気に押す。
「お仕置きと来ましたか。ですが、普段は私にリードされがちなご主人様の、今日みたいな強引でSな一面も、それはそれで……」
構ってあげないって方向で。
「放置プレイだけは駄目です! 狐は寂しいと死んでしまうのです!」
タマモはひええと叫び声を上げながら、全身をくねらせて恐ろしがる。その姿は有名な絵画そっくりであり、相変わらずのおふざけムードである。
何はともあれ嫌がってはいるので、それなら早く言いなさいと急かすと、タマモも冗談で流せないと悟ったのかさっさと表情と調子を戻してこちらに向き直る。
「では、少々お時間を頂きますが……。ご主人様、夫婦が円満でいるためにこれだけは避けなければならないものってなんだと思いますか?」
タマモからの問いは唐突なものであったが、良妻であろうとする彼女が切り出す”夫婦について”の話は真面目な内容なのだろう。なので自分も、ここは真剣に考える。
しかし、肉体面にしろ精神面にしろ、色々と思い付きすぎて上手く絞り込めない。タマモの口振りから察するに、きっと彼女にはある程度固まった答えがあるのだろうが……。
あれこれ考えてはうむむと首を捻っていると、タマモはそんな自分の姿に見兼ねたのか、正座していた脚を片方どんと一歩前に踏み出して、片膝を立てる。
「それは、夜の営みが無くなること。直球で言いますと、セックスレスです! 情欲に火照る体で妻が必死に誘おうと、夫は燃えに燃えていた過去など忘れてもうお前は抱き飽きたと宣い蔑ろ……。果ては新たな女に走られ……、ああ! なんと不幸な妻なのでしょう!!!」
熱弁を揮って右手ではぐっと拳骨を作り、ぎゅううと強く握り締めるタマモ。その一方で自分は、タマモの妄想の中でも体を持て余すのはタマモの方なんだなあ、そりゃあ是の枕以外見たことないしなあ、としみじみ思っていた。
「というわけで、万が一のその時に備えて最終兵器として作った……、のですが、あったら使ってみたくなるのが人情、我慢など出来ません。……つまり、旦那様がだーい好きな、新婚気分を忘れたくない可愛い愛妻の茶目っ気ですよう」
茶目っ気で済ませるには効果が強力すぎると思うが、その点に関しては?
「いやー、そのですね、私、工房とか構えるのってあんまり上手じゃなくて、こういう工作もそこまで得意じゃないんですよねー。お料理みたいに頑張ろうって気分にもなったことありませんでしたし。だから、こんなもんかなーって作ってみたら、この有様と」
タマモは拳で自分の頭をこつんと叩いてウィンクし、舌をペロンと飛び出させる。
はあー……っと、深い溜め息が漏れた。相変わらずと言えばそれまでだが、いい加減すぎやしないだろうか。
「で、でも、安心安全なのは確信がありましたよ! だって、ご主人様に使うのに妙なものはぜーったいに使いませんから! それに、効き目こそちょーっと私の願望が出ちゃったかなってくらいで、効果自体は仕様通りでしたし!」
タマモはあわあわと捲し立てる。だが、それらの弁があったからと言って、嘘をついてしめしめと利用したのは事実であり。
「……新婚気分を忘れたくない、っていうのは、本心なんですよ……?」
語気は次第に弱まり、しおらしい姿を見せるタマモ。自慢の金色の尻尾も力なく頭を下げて全身がしょぼんとしょげており、数十秒前までのハイテンションだった彼女とはまるで別人だ。
「……やっぱり、怒ってます?」
上目遣いにこちらに見上げ、か細い声で尋ねるタマモ。ここで大泣きしながら訴えられればええいこの期に及んで噓泣きをと突っぱねられただろうが、彼女の黄色い瞳は唯一、悲しみだけを彩っていた。
冗談めかして言った『放置プレイは嫌』は本心だろうし、原因はタマモとはいえ、落ち込んでいる姿は見たくないものだ。
一つ溜め息をついて、タマモの名前を呼ぶ。
いいよ、反省してるみたいだから許す。
そう声を掛けると、彼女はぱあっと顔を明るくして、こちらに抱き着いてきた。
「ご主人様ーっ!」
やれやれ、我ながら甘い。でも、それも仕方ないだろう。だって、タマモは愛する妻なんだから。
それに、自分も少し言いたいことがある。なので、抱き着くタマモを一旦引き剝がし、また座布団に座らせる。
「は、はい。何でしょうか?」
言われた通り大人しく腰を下ろした彼女の前で小さく深呼吸をした後、語り掛ける。
こういうことは事前に言う。言えば、その、自分だってやぶさかじゃない。それに、自分がタマモに飽きるなんて心配はしなくていい、絶対にずっとタマモが好きだから。
自分で頬が熱くなるのを感じながらもそこまで言った後、照れ隠しも込めて、終わり、と強めに締め括った。
「あ、ぁ……、ご、ごしゅじん、さまっ……」
だが、タマモはまだ消化し切れていないのか、口元を両手で押さえて、小さな声を漏らし、わなわなと震えている。大きな瞳の中には、ハートマークが浮かんでいるようにすら見えた。
そして、次の瞬間にはタマモがまたもや――さっき以上の勢いで――飛び掛かってきた。
「ご主人様ーっ!」
抑えられないと言わんばかりに再度抱き着かれ、身動きが出来なくなる。キャスターの名を返上してもよさそうなくらい、俊敏な動きだった。
しかし、今回はこちらから抜け出そうとせずとも割と早めにタマモ自らすっと体を引くと、にこりと微笑んだ。
「実は私も、お話がありまして」
タマモは自身の胸の谷間に右手を突っ込むと、ごそごそと何かを漁り始める。程なくしてすっと引き抜くと、その右手はある物を摘まんでいた。
それは、渦中のあのお札。それがもう一枚、そこにあった。
やはり、まだあったか。そんな気はしていた。試作とはいえ、一枚きりとは考えにくい。
そう思案していると、タマモは握ったそのお札を自身の口元に持っていき、扇子のように横にスライドさせる。すると、お札の枚数が四枚に増える。重なっていたのだ。
……だが、まだ予想圏内だ。予備も考えれば、予めこのくらい作っておくのもおかしい話ではない。元々、使用した一枚含め、計五枚作製したのだろう――。
つい眉を顰めながらもそう納得していると、タマモはお札を摘まむ指の力を緩める。すると、四枚のお札は同じものがびらびらと広がって落ちていき、やがて、床に端がとさりと落ちた。あれらは一枚じゃなく、綴りになった物の一枚目だったのだ。目算で数えても、それぞれ十枚は優に超えている。
…………馬鹿じゃないの?
我慢し切れず思わず声に出すと、タマモはそれらをひょいと拾ってまた畳みつつ、にこやかに笑う。
「ほらほら、よくあるじゃないですか。愛しい人を思いつつ、お料理やマフラーを編んでいたヒロインが、彼が喜ぶ姿を想像しているうちについつい焦がしてしまったり、やたらと長く作ってしまったり、みたいな? それと一緒ですよう」
タマモはえへへと頬を押さえて照れた顔を浮かべているが、それとこれとは根本が違う。タマモが例に出したそれらは可愛げがあるが、これは色欲しか感じない。
ブラックコーヒーに対し砂糖一粒レベルに苦味が大多数の苦笑と、今日一番の深い溜め息が漏れる。しかし、タマモは笑顔を崩さないまま、こちらの腕にぎゅっと抱き着いてきた。
「なーのーで、これからも沢山愛し合いましょうね?」
そう言うタマモの表情は、憎らしいほどに素敵で見惚れるほどの満面の笑みだ。あまりにもタマモらしすぎて、怒る気にもならない。
降参宣言代わりに腕に抱き着いた彼女に、加減は考えること、とだけを伝えて、こちらからも抱き締めてやる。
「ふふっ、ご主人様! だーい好きですっ!」
ああ、もう。惚れた弱みか。
何もかもが滅茶苦茶でハチャメチャなタマモだが、そんな彼女をやっぱり愛していて、こんな風に面白おかしく退屈しない日々をずっと過ごしていたい。
胸の中でこちらを見上げ、今日一番の笑顔を浮かべる愛妻を見て、改めて、そう思った。