同作をpixivにも投稿しています。
注意点
二次設定、独自設定、独自解釈等があります。
オリキャラ(名無し男)との絡みになります。
1.
それぞれ程度の違いはあれど、幻想郷では人間、妖怪、神様等々の距離が近い。人里を歩いていて『妙に存在感のある人だな』と遠巻きに見かけた人物が、実は非常に高名なお方だった、なんてことも少なくない。
そうなると種族の垣根を超えた色恋懇ろも無い話ではなく、何を隠そう自分もそちら側の人間だ。
そんな自分はと言えば生まれついての普通の人間。一方、お相手は多岐にわたる面を持つ非常に偉大な秘神なのだが。
「それで、あいつらときたら……」
今まさに、卓袱台に肘をついて醤油煎餅を齧り、可愛くも時折憎らしい部下の愚痴を零す隠岐奈はあまり神様らしくは見えず。
しかも、その内容も『部下二人が最近踊りの練習をサボっている』なんてこれまた人間臭いもので。
神様然とした重苦しさの一切ない緩い雰囲気の中、彼女の愚痴が一区切りしたところでふと思い付いた疑問を投げ掛けた。
「そういえば、隠岐奈さんの踊りとか舞いって見た覚えがないですね。やっぱり、上手なんですか?」
それを司る面も持つ神様相手に対し、なんとも無礼な疑問。実際、隠岐奈は怪訝に唇を尖らせる――が怒った様子はなく、「むう」と一言呟く。
「この私を前にして、失礼なやつめ。……よし、分かった。特別だぞ?」
隠岐奈は右手を軽く掲げて円を描くようにくるりと回す。すると、何も無い中空に扉が現れ、そこから小さな鼓と立派な扇を取り出すと鼓をこちらに投げる。
「ほれ」
「……こっちから言った手前悪いんですが、叩き方なんて知りませんよ?」
「大体でいい。リズムを大きく崩さず、軽くトン、トンって具合で構わん。あとはこっちで合わせる」
鼓なんて叩いた経験もないド素人の懸念に事もなげに隠岐奈は返すと、卓袱台を脇に寄せろと続ける。
そうして、居間に即席の舞台を作り、部屋の中央で彼女が扇を、自分は居間の端っこで鼓をそれぞれ構える。
「よし。いつでもいいぞ」
「……では」
言い出しっぺは自分なうえ、舞を披露するのは隠岐奈なのに妙に緊張しながら、鼓を軽く叩く。
そこまで広くはない居間に響く、軽い音。隠岐奈はその音色をしばし聞いた後、瞳を閉じて顔を少し伏せる。
瞬間、彼女の纏う空気が変わる。今までの弛緩したものは一気に鳴りを潜め、自分も意識が呑まれて手が止まってしまい、慌てて今までのリズムに合わせ直す。
そして、隠岐奈は静かに顔を上げ、ゆったりとした動きで舞を始める。
それは、派手な動きは一切無い、落ち着いたものだった。しかし、動作の一つ一つにキレとメリハリがあるのが自分でも分かる。
見入っているのに、いや、だからこそか手が止まらない。舞が始まる直前は思わず止めてしまったのに、今は体が勝手に叩いている。
やがて、隠岐奈は上げていた顔を再度伏せて体をぴたりと静止させる。そのまま十秒は経った頃、不意に顔を上げるとにこりと微笑む。
その笑顔からしばしの間を空けて、舞が終わったのだとようやく気が付いた。
「どうだった?」
「……凄かった、です」
隠岐奈の舞は優雅で、気品があって、神々しくて。技術の良し悪しだとか具体的な話は正直に言えば何一つ分からないが、それでも思わず夢中になって放心してしまうほどであり、こういう他ない。
「その、こんな感想ですみません。でも本当に、言葉にできないくらい、凄かったです」
もっと語彙を尽くしたいが上手く言えない。隠岐奈本人も、終わった後のこちらの様子からそれを察しているのか、特に咎めもせずに「構わないよ」と大らかさを見せつける。
「はー、久々だから疲れた。ほら、いつもの」
わざとらしく大袈裟に溜め息を吐いて、あるものをねだる隠岐奈。その口調と求めているものがつい先程までの威厳と少々ギャップがあり、つい頬が緩んでしまう。
「分かりました。では、少し待って下さい」
でも、断る理由なんてある訳はなく。彼女に鼓を返し、脇に寄せていた卓袱台を元の場所に戻してから、胡座に座り直す。広げた脚は少し大きめの隙間を作って。
準備が出来たところで隠岐奈の方を見やると、既に鼓と扇を仕舞っていた彼女は小さくにやりと笑う。
「じゃあ、遠慮なく」
隠岐奈は広く組んだ胡座で作られた空間に腰を下ろすと、軽くもたれてくる。こちらからも彼女の前に腕を回して緩く抱き締めると、満足気に息を漏らした。
自分の前にこうして腰掛け、椅子の背もたれよろしくもたれるのが彼女はかなりお気に入りだ。それこそ、いつものと形容する程度には。
隠岐奈の小柄な体躯は腕の中にすっぽりと収まり、ふわりと漂う長く美しい金色の髪の甘い匂いや、神様でも人と変わらない命の温かさと柔らかさが心地いい。
「そうそう、十二分に承知のうえだろうが、あれは神の舞だぞ。勿論、奉納物はしっかり用意してあるんだよな?」
「え?」
「何もないとは言わないよな。あんな風に煽っておいて」
隠岐奈はこちらの脚をぺちぺちと叩いて、意地悪い声で言う。
舞を始めたのは彼女自ら率先してだった、と言いたいところではあるが、そのきっかけの失礼な問い掛けをしたのは彼女の言う通り、自分であり。
「んー……。では、今度出掛けた時に少しお高いおやつでもどうですか?」
「ああ、それはいいな」
とりあえず思い付いた案を隠岐奈はからからと笑って了承する……が。
「でも、それじゃ足りないな」
やはりそれだけでは不足だったらしい。
「……なら、あとは何がいいですか?」
しがない普通の人間には、今すぐ思いつくいい奉納物のアイデアなどなく、早くも降参と白旗を上げて不足分を補うものを尋ねる。
すると、隠岐奈はこちらの体にもたれるのを止めると体ごと向き直り、向かい合わせに体勢を変えた。
「お前を貰おうかな」
その一言と同時に、隠岐奈はこちらの頬に両手を添える。据わった黄色い瞳に、思わず背筋が震えた。
捧げ物。言い方を変えるならば、供物。だが、自らを捧げる恐怖よりも幸福感の方がずっと大きく思えるのは、秘神に魅入られているのか。
長い睫毛を携えた美しい瞳から視線を外せないまま、生唾をごくりと飲む――が、彼女はすぐにその雰囲気を仕舞い込むと、にこにこ笑う。言葉どおりだけど意味が違うぞ、と表情が言っていた。
「勘違いするなよ。体で払ってもらう、ってやつだ」
「……それだと、俺の方は得しかしてませんよ?」
「結構じゃないか。お互いに損しないなんて」
隠岐奈は笑顔を崩さずこちらの首に腕を回すと、緩く抱き着いてくる。
「私はこういうことにも寛容な神様だからな。どんどん私を求めてくれていいんだぞ」
耳元で囁かれる、内容は淫靡なのに軽い口調での誘い文句。そのギャップのある声音としっとりと濡れた吐息が、脳髄に甘く響く。
「私がお前と交わるのが好きなように、お前だって私とするの……」
隠岐奈はそこで言葉を区切ると、耳元に寄せていた顔を少し離して向かい合い、不安げに軽く首を傾げた。
「好き、だよな?」
自信満々に言い切るかと思いきや、こうしたところでは尊大さが秘してしまうのが可愛らしい。
「大好き、ですよ」
そんな秘神を不安にさせないためにも当然だとまずは言葉で、次にこちらからも抱き締め返して行動でも返事をすると、彼女は満足げに息を漏らした。
2.
夜どころか日も沈んでいないのに、晩御飯の準備すらしていないのに、互いを求め合うとは何とも淫蕩に溺れている気がしてしまう。
もっとも、愛する神様から賜ったありがたい神託なのだから、遠慮や気兼ねなど全く無用だ。そんなものを気にして隠岐奈の機嫌を損ねるなど馬鹿馬鹿しいにもほどがある。
一組の布団の上で既に自分は衣服を脱ぎ去り準備万端。一方、当の秘神はと言えば、居間で寛いでいた時と狩衣と帽子が無くなった以外は何も変わっていない。
「丁重に扱ってくれよ? 前にした時から少々日が空いたとはいえ、これくらい言わなくても分かっているとは思うが」
「勿論ですよ」
なんでも『今日はお前が優しく脱がせろ』とのことだ。これをいつも通りの尊大な口調で告げられた時、甘え方が子供っぽくて可愛い、なんて頭を過ぎったが言わないでおいた。
「では、失礼します」
まずはシャツに手を掛けるが、この時点で既に情欲がつい湧き上がってしまう。
何せ、内に収めた非常に豊かな膨らみの所為でシャツがぱつぱつに張っており、ほんのりと下着のラインまでもが浮き上がっているからだ。
逸る気持ちを抑え、優しく優しくと頭で唱えながら窮屈そうに張り詰めたボタンに手を掛けて、一つずつ外していく。
ボタンが一つ外れる度に、下着もあるとはいえ拘束が緩まって乳房がふるふると揺れる光景に目を奪われていると、不意に隠岐奈が歯切れ悪く「あー、その……」と声を漏らす。
「どうかしましたか?」
「……もし、汗の匂いとかしたとしても、言わないように」
先の舞で本人が気にするほど汗をかいたかは自分には全く分からない。非常に短い時間だったとはいえ、隠岐奈なりに多少は緊張していたのかも知れないし、本人の気にし過ぎなだけかもしれない。
そのどちらだろうと、自分から脱がせろと誘っていざ今になって気になってしまったのかと思うと、いじらしさに頬が緩んでしまう。
「気にしませんよ」
ボタンを全てを外し終えてはらりと緩んだシャツをそっと脱がせる。
そうして眼前に現れる、大人っぽくも清楚な印象を与える白いレースが施されたブラと、それに包まれたとても大きな乳房。シャツの隙間から覗いていた時から、隠岐奈お気に入りの下着、ひいてはよく見慣れたものと分かっていたが、やはり彼女にとても似合っている。
そして何より、きめ細かく白い肌と、何もせずとも呼吸に合わせて静かに上下する豊乳の谷間に目が釘付けになってしまう。
「――きゃあっ!」
何の前置きもなく、その谷間に顔を埋めて思い切り鼻から息を吸い込む。隠岐奈が珍しく甲高い悲鳴を上げたが気にしない。
彼女の言った通り、脱いだばかりのシャツの中は少し蒸れて熱っぽく、普段よりも濃い匂いがこもっている。もっとも、それは嫌なものではなく、思考が蕩けるほどに甘い香りだった。
「汗の匂いなんて全くしませんよ。いつも通りのいい匂いがします」
「どうして躊躇なくそんなことするかなお前は!」
顔を真っ赤にして声を荒げ、ぺちぺちとこちらの背中を叩く隠岐奈。「普段からかわれているお返しと、そうやってあわあわする様子が可愛いからですよ」とは心内でだけ唱えて、顔を起こしてあははと笑って返す。
「それに、そのブラ、やっぱりよく似合ってますね。凄く可愛いです」
「や、やかましいっ!」
重ねた賛辞は揶揄かゴマすりと思われたか、次は腕をぺしんと叩かれる。とはいえ、殆ど痛くないので本気で怒ってはいないのだろうが、本心をそんな風に捉えられるのは本意ではないので、また今度改めて褒めることにする。
「こちらも、脱がせますよ」
隠岐奈の背中に手を回してブラのホックを外すと、拘束の緩んだ下着の内側で、乳肉は自身の重みで揺れて撓む。続けて二本の肩紐に手を掛けてするりするりとそれぞれ外し、双房の豊かさに見合う大きな面積を誇るブラを脱がせると、包み込んでいたものがぶるんとまろび出る。
たぷたぷと重たげに揺れる、大の男の手の平ですら溢れてしまうほどに実った白くきめ細かな乳房。彼女はあまり表に出さないが、隠し切れていない大らかな母性を体現する豊乳は呼吸に合わせて静かに上下し、それだけでも刺激的に見えてしまう。
しかも、これだけの大きさを持っているにもかかわらず、垂れと無縁の美しい丸みを描いてハリの良さも見せつけてくる。何度見ても、見惚れる以外の選択肢が無い光景だった。
「こんなに大きいのに凄く整った形で、肌も綺麗で、相変わらず非の打ち所なんてありませんね」
「……本当に、そう思ってるか?」
「はい。心から」
「……なら、いい」
先のこともあってか訝しげな瞳を向けられたが、その瞳を見ながらの訴えに、隠岐奈は少しだけ頬を染めて小さく頷く。どうやら、今回は曲がりなく伝わってくれたみたいだ。
もっとも、隠岐奈のその疑いは何も先のやり取りだけのせいではない。彼女が抱える、あるコンプレックスのせいだ。
透き通る乳肌の白の中で、ほんのりと隆起した桜色の美しい乳輪。そして、その中央にはぷくっと膨れた乳首があるが、その中央は少し凹んで先端が隠れてしまっていた。
そう、この陥没乳首を、彼女は気にしているのだ。
「本当ですよ。隠岐奈さんのおっぱいは、とても綺麗で、最高です。大好きですよ」
一方、自分は全く気にしていない。むしろ可愛いとすら思っている。とはいえ、だからと言って隠岐奈に『気にするな』と言うのも違う。
ならば、どうするか。簡単だ。全てひっくるめて愛してやればいいだけだ。
「では、いつも通りこの子を出しましょうか」
「んっ、ふぁ、んっ……」
顔を出し切らない陥没乳首の上を指先ですりすりと撫でると、隠岐奈はくすぐったさと快感が同居した声を漏らす。
先端を撫でていた指を乳輪に沿って、円を描いて這わせていく。手には力を一切込めず、ただ指先をつーっと滑らせるだけのそれはやはりむず痒い感覚が強いらしく、逃れるように身動ぎするが、それでも手は止めない。
乳輪や突起の先端を気ままに、だが手は止めずに愛撫を続けていると、次第に彼女の口から溢れる吐息に熱がこもり始める。
「あっ、はぁっ……、ん、あぁ……」
少しずつ高まっていく性感に声の艶も増し、指先に触れる乳突起も段々と膨らみ、硬くなっていく。
「口でもしますね」
隠岐奈は僅かに体を縮こまらせて身構え、視線をこちらの口元に向ける。乱れ始めた呼吸とほんのりと潤む金色の瞳に見守られ、開けた口で乳輪ごと蕾をぱくんと咥え込む。
「んっ! く、んっ……!」
備えてはいても隠岐奈は全身をびくっと震わせ、しかし意地なのか声だけは少しでも抑えようと口を手で塞ぐ。
その奮闘を前に悪い気がしつつも、構わず舌先で乳首を舐め上げ、指では穿るように軽く引っ掻く。
方や吸盤の如く何度も吸い上げ、方や周りから押し出すように乳肉も柔く揉む。
「やっ、ぁっ、くぅっ、ん、んっ~……!」
絶え間ない刺激に舌や指に触れる乳頭は更に勃起していき、隠岐奈も両手で口を塞いで、嬌声は隙間から漏れる程度まで抑え込む。
こういう時でも威厳を保ちたがる姿が本当に愛おしい――などと改めて愛慕を深めたところで、口と手の両方を一旦離して今回の軍配は彼女に譲る。
「あっ、はぁっ……、も、もう、いい、のか……?」
言いながら口元の拘束を緩める隠岐奈に頷きを返す。埋没していた突端は既に顔を出して、すっかり摘まめるほどの大粒にまで膨らんでいた。これが隠れていたとは思えないほどだ。
「ほら、出ましたからね。隠岐奈さんの乳首、ぷっくりしてて可愛いです」
「……恥ずかしいこと言うな……。馬鹿……」
隠岐奈は消え入りそうな声で呟き、真っ赤な顔をふいと横に逸らす。
「……では、もう一度、しますよ?」
「え? んっ! ふあぁっ……!」
普段は持て囃せと煽る秘神の、照れと羞恥の混ざった表情と、つい今し方まで弄っていた、目の前で物欲しそうにひくつく大粒の乳首に我慢ならず、問い掛けの形ではあるが有無を言わさずに再び飛び込んだ。
先程まで指で弄っていた方を口で咥え、既に唾液に濡れた方へは手を向かわせる。
指先で摘まんだり引っ掻いた分を労わるように舌を丹念に這わせ、口内で大粒の突端を転がしてはちゅうちゅうと吸う。
もう片方は元来の滑らかな乳肌をぬめらせる潤滑油の上から、指を滑らせてかちかちの蕾を何度も弾き、乳肉に軽く押し込んで優しく捏ねてやる。
「あっ、ひぁっ、はぁんっ! また、乳首ばっかり……!」
「相変わらず敏感で可愛いですね」
「か、可愛いって言えば、あんっ、いいと、思うなっ! それとっ、お前が、んっ、敏感に、したんだっ。いつもいつも、あぁあっ、赤ん坊みたいに、弄るから……」
途切れ途切れの喘ぎ混じりに隠岐奈はお前のせいだと訴えると、こちらに不服そうな視線を送る。
だが、自分にはそんなものは痛くも痒くもなく、むしろそれならと豊かな両乳房の先端を寄せて一緒に咥え、じゅるると音を立てるほどに強く吸い上げてやる。
「あっ、くっ、あぁんっ! だ、だからっ、いつも言ってるだろう! まだ何も出ないって、何度言っても聞きやしない……!」
「でも、甘いですよ。隠岐奈さんのおっぱい」
彼女の纏う甘ったるい匂いや艶やかな声、大きな艶乳を好きに堪能するこの時間の心地良さに浮かされているのか、乳を吸っては舌で転がす度、蕩けるほどの甘さが脳髄を満たすのはまぎれもない事実だ。
「隠岐奈さんは少し気にしていることもあるみたいですけれど、俺は本当に、大好きです。いい匂いで、柔らかくて、こうしてるだけで気持ちよくて、これ以上ないくらい最高です……!」
語彙も何もない賞賛ながら、思いつくままに褒めそやすと、隠岐奈は唇を僅かに噛んで歪ませる。これは、嬉しいがそれをあまり表に出したくない時の彼女の癖だ。
「やれやれ、分かった分かった。そこまで言うなら、おっぱいは好きにしてていいから。その代わり、もう少し優しくな」
隠岐奈は照れと呆れを混ぜ合わせた調子で言うと、こちらの頭に手を回してよしよしと撫でる。
その穏やかな手つきに促され、言われた通り舌での愛撫は控えてやや弱めに吸い付くと、彼女は表情を緩め笑みを零す。
「ん……、そうそう、偉い偉い……。私だってお前にこうやって甘えられるのは、好き……じゃなくて、嫌ではない、から、吝かではないんだぞ、うん」
そこまで言うと照れ隠しにか隠岐奈は小さく咳払いする。後半部分を追及したい気もするが、今の時点でも愛おしさでお腹がいっぱいなのでまた今度に取って置こう。
本当に乳飲み子になった気分で巨大な柔乳を夢中で味わい、彼女の母性的な温かみに包まれる。
自分よりもずっと高位の存在であり、同時に恋人でもある秘神からの授乳に甘える最中、不意に下半身を優しい感触が襲う。それは、固く勃起した陰茎をすりすりと緩く撫で始める。
「全く、おっぱい吸ってるだけなのにこんなに大きくして……。お前も、気持ちよくなりたいんだよな?」
それとは勿論、隠岐奈の手だ。彼女のしなやかな指が、怒張の感触を確かめるように絶えず撫でている。
次第に隠岐奈の手はもっと下にまで伸びていき、陰嚢にまで触れてくる。
「ここもパンパンだな。まあ、最近できてなかったし、一人でもしてないみたいだもんな。今日は濃いのをたっぷり出してくれるって期待しているぞ」
隠岐奈は陰嚢の皺を指先でなぞり、手の平で包むと緩く揉む。瞬間、何度味わっても慣れないぞくぞくとした感覚が背筋を襲い、それは快感とくすぐったさの両方となって全身を震わせ、つい乳房を強く吸い上げてしまう。
「んっ……! 悪い悪い、びっくりさせちゃったな。まあ、それはそうと、どうする? して欲しい?」
肉体的にも精神的にも余裕が出来て、すっかり余裕を取り戻したらしい隠岐奈は、いつも通りの責めっ気の強い調子で言いながら肉棒を緩く責め立てる。
ここまでされて断るはずなんてないのに意地が悪い、と言いたいが、自分も随分調子に乗った手前、強くは言えず。
何より、そんなことで機嫌を損ねてこの至福の時間を終わらせたくはない。
「お願い、します。隠岐奈さんに、して欲しいです……!」
「よしよし、素直で可愛いな。いっぱい気持ちよくしてやるからなー」
からかう口振りながら、こちらを見る表情や頭を撫でる手つきはとても優しいものであり、やはり『嫌じゃない』らしい。
「先に言っておくが、簡単に出したりするなよ? それと、もしイキそうになったらその前にちゃんと言うように」
隠岐奈はそう前置きすると、自分の手よりも一回り小さな手の平で怒張をふわりと包み込む。そして、二、三回緩く掴み直して手に馴染ませると、早速上下に扱き始める。
しっかりと扱いて素早く射精を促す、ではなくゆったりとした速度で屹立を撫でるような手コキは普段の前戯であれば非常に物足りないもどかしいものだ。
しかし、彼女の言った通り、ここ数日自慰すらしていない体にはこの緩慢な速度での手淫の緩やかな昂ぶりがひたすらに心地よく、自分を満たす淡い甘さの中に多大な快楽となって押し寄せてくる。
だが、それは決して甘さを上書きしてしまうものではなく、むしろそれら以外の全てを蕩けさせる多幸感となり、耽溺以外の選択肢が無くなってしまう。
「びくびくって跳ねてるぞ。そんなに気持ちいいか?」
既に膨らみ切った分身が脈動し震えても、隠岐奈は手を止めずに変わらぬ速度で扱く。
手が往復する度に精液が陰嚢から引きずられる感覚に襲われ、それを堪えるべく下半身に必死に力を込め、何とか射精を堪える。
「ふふっ、擦る度に我慢汁が出て凄いぞ。もう手がべとべとだ」
射精をそうして堪えても先走り汁はだらだらと溢れて彼女の指を汚し、それらは潤滑油にもなって滑る指の摩擦を減らして快楽を増す。
次第に背筋がぞくぞくとわななき、膝が情けなく震える。それでも、柔乳に顔を埋めて、母乳が出ずとも不思議と湧き上がる甘さを湛える乳を夢中で吸う。
いつまでも、こうしていたい。その思いが大きく湧き上がるが、やがて限界は訪れてしまい、声を何とか絞り出す。
「っ、うぁっ……! 隠岐奈さんっ、もうっ……!」
「出そうか? じゃあ……」
精液が尿道を迫り上がる感覚にたまらず声を漏らすと、隠岐奈は手の平で亀頭を包み、少しだけ体をこちらに寄せる。
「いつでも出しちゃっていいからなー」
口元に圧し掛かる乳圧が増して少し息苦しさを覚えると同時に始められた、我慢汁でぬめる手を使っての亀頭全体へのマッサージ。しなやかな指が敏感な先端をにちゃにちゃと湿った音を響かせて撫で回し、鈴口を指先でくすぐられ、穿られる。
扱く動きとは違う、強烈な快感にたまらず全身が震えてしまうが、隠岐奈はそれを抱き寄せて包み込み、頭を優しく撫でる。
何もかもを抱擁する温かさに包み込まれたまま、溜め込み続けた悦楽は遂に限界を迎えた。
「っ! っ、ふぅっ……!」
「お、イッたか。よしよし、そのまま私の手に出してていいからな」
自分は豊満な乳肉に顔を埋めてくぐもった声を上げ、方や隠岐奈は余裕たっぷりに射精を受け入れる。
「偉い偉い、射精出来て偉いぞー」
躓いても泣かなかった子を褒めるように言いながら、頭をぽんぽんと軽く叩く。そんな幼子扱いにも一切の逆らいも出来ず、授乳を受けながら亀頭を包む手の平にどくどくと精液を吐き出し続ける。
視界が白黒するほどの射精が治まるまでの間、隠岐奈はずっと頭を撫でてくれ、やがて絶頂に震えていた体も落ち着きを見せる。
しかし、思考は依然ふわふわと浮つく中、彼女は下半身に伸ばしていた手を持ち上げて、目の前で広げてみせた。
「ほら、見てみろ、たっぷり出したなー。おっぱい吸いながらこんなに濃い精液を出すなんて、えっちな赤ちゃんもいたもんだな?」
隠岐奈の手の中には出し立ての大量の精液がべったりと張り付いており、強い精臭をこれでもかと放つ。あまりの粘度に液体と言うよりもゼリーを思わせる固形物に近い塊すらあり、いかに自分が溜め込んでいたか、それを無遠慮に吐き出したかを改めて思い知らされる。
「ま、これも立派な捧げものだな」
そんな白濁の塊に隠岐奈は躊躇いなく口付けると、じゅっ、じゅるっ、と淫靡な音を立てて啜る。見る見るうちに手の平の白い水嵩は減っていき、それが無くなると僅かに残ったものすら舌を這わせて舐め取っていく。
「ん、くちゅ、あむっ……、本当に濃い、厭らしい味……」
隠岐奈はそれらをしっかりと咀嚼すると恍惚とした声音で呟き、喉をこくんと跳ねさせ、小さく息を吐いてこちらを見やる。
「私のおっぱい吸って、私の手に思いっきり射精して、気持ちよかったか?」
「はい、すごく、よかったですっ……」
「そうか、それなら何よりだ」
隠岐奈の行った一連の流れについ見惚れ、息を整える暇もなく未だ乱れる呼吸で言うと、彼女は嬉しそうににこりと笑う。それは、今し方の行為の淫蕩さを全く思わせない、穏やかで優しい微笑みだった。
「……でも、まだまだ固いな」
その笑顔はすぐにまた悪戯っぽい表情に変わる。我ながら節操がないが、隠岐奈の魅力に浮かされっぱなしの性欲は、精飲する淫らな姿だけですっかり元通りになっていた。
「そうだな、なら……。よし、次は立て」
隠岐奈は口元に手を当てて少々考える素振りを挟んだ後、たった一言だけ新たな天啓を授ける。
何をされるのかは分からないが、間違いなくお互いに良いことだ。今更揺らがぬ確信を持ってすぐに立ち上がると、秘神は敬虔な姿にうんうんと頷く。
「じゃあ、次はお前のだーい好きなおっぱいでしてやるからな」
隠岐奈は自身の豊かな双房を持ち上げて、たぷたぷと揺らす。たわわな柔肉が大きく弾む光景に視覚から、そしてこれまでの記憶から、この深い渓谷がいかに気持ちいいかを伝えてくる。
彼女の眼前で硬く勃起した陰茎は、早くもびくんと脈打ち、新たな刺激を求めていた。
「ほらほら、こっちに来い。待ちきれ無さそうだぞ?」
言われてごくりと唾を呑み込み一歩踏み出すと、隠岐奈は持ち上げた乳肉で突き出された分身をぎゅっと挟む。
瞬間、怒張から伝わる乳房の柔らかさと温かさに背筋が痺れ、下半身がずしりと重くなった錯覚を覚える。
その感覚に虜になるのも束の間、隠岐奈は更に双乳をぎゅっと寄せる。すると、たっぷりと実の詰まった巨大な乳肉は、屹立の全てを包み込んでしまう。
「ふふっ、私のおっぱいで全部隠れてしまったな? それじゃあ、気持ちよくしてやるからな」
隠岐奈は誇らしげな笑顔を見せると、両手を揺らして柔肉を動かし始める。
大袈裟な動きでなくとも肉棒を隙間なく包む豊乳はたぷんたぷんと揺れ弾み、四方八方から柔肉がむにゅむにゅと押し合い愛撫する。
蒸れてほんのりと浮いた汗と早くも溢れる我慢汁が潤滑油となり、滑らかな摩擦を伴って乳肌が吸い付いてくるのだからたまらない。
「ちゅっ、ちゅぷっ……。……こうすると、もっと良いよな」
口内に溜めた唾液が隠岐奈の舌を伝って谷間にとろりと垂れ落ち、それらを乳肉で丹念に捏ねて陰茎全体に塗り広げていく。
一段と滑らかさが増したパイズリは腰が浮きそうになるほど非常に気持ちよく、自身の乳房を使った奉仕を隠岐奈自らしてくれている光景は、視覚的にも至上の悦楽がある。だが、授乳手コキで射精直前に味わった執拗な責めと、終始浸っていた幸福感に比べると、贅沢ながらもどかしい思いが湧き上がってしまう。
「隠岐奈さん、その……」
「物足りないんだろう?」
隠岐奈はこちらの言葉を先読みし、上目遣いに口角を少し持ち上げる。どうやら彼女自身もそう分かったうえで、あえてゆったりとしていたらしい。本当に、意地が悪い。
「どうしようかなー?」
わざとらしい声色ににやにや笑いを添えて言いながら、彼女はうーんと首を捻って考え込む素振りを見せた後、口を開く。
「なら、お前が腰を触れ。ぎゅーってしててやるから」
隠岐奈はそう言うとを改めて肉塊を強く挟み込み、乳圧を強めてにこっと笑う。
一方、自分も彼女の肩に手を置くことを返事代わりにして、更なる快感を求めて早速腰を動かしていく。
「んっ、そうそう、上手上手」
根本から亀頭までをすっぽりと包み込む柔肉から腰を引き、抜け落ちてしまう前に再び谷間の中に挿入し、それを何度も繰り返す。
突き上げる度に乳房が腰に触れて軽い音を立ててたぷんと弾けるように揺れ、腰を引けば左右から押し合う乳肉が陰茎の無くなった隙間をすぐに埋めて、柔らかくも閉じた路を作って待ち構える。しかも、潤滑油に塗れたそれはすべすべの乳肌との程よい摩擦で分身を迎え入れ、強い圧迫で扱いてくれる。
勃起し切った肉棒が埋もれるほどに豊満な双乳で得る快感は凄まじく、性交の如く腰を振るのを止められない。
「ふふ、気持ちよさそうな顔して……。ん、くちゅ、じゅぷっ……」
自分が腰を打ち付ける間も、隠岐奈は適度に唾液を垂らして谷間の粘液が枯れないようにしたり、乳圧を時折強めたり弱めたりと、自身の乳房を犯すのを率先して手伝ってくれる。
彼女自らの意志でしていることながら、奉仕の熱心さに官能のみならず征服感も刺激される。授乳手コキでは隠岐奈のものになって寵愛をひたすらに賜る悦びがあったが、今はその真逆と言えた。
やがて、蓄積された欲望を吐き出そうと精液が大きく込み上げ、それに引き摺られて屹立が僅かに膨張する。
「ん、そろそろか? ほら、このままおっぱいの中に出してしまえ」
それを隠岐奈も感じ取ると、口調こそ投げやりだが優しく微笑んで受け入れる旨を口にし、自分も目前の絶頂に向けてスパートをかける。
そして、谷間の最も深く、突き入れた怒張が彼女の胸元に達した瞬間、溜め込んだ精を解放した。
「っ! くぅっ、あぁっ……!」
「あっ、びくびくってして、出てる出てる……」
母性の象徴とも言える豊かな膨らみに男性器を突っ込み、性交さながらに犯した挙句に欲望を吐き出しているにもかかわらず、こちらを見上げる隠岐奈はにこにこと微笑んでおり、瞳は温かく優しい。
「……ん、出し終わったみたいだな」
慈母を思わせる眼差しに見守られての射精が程なくして治まると、隠岐奈は双乳をぎゅっと寄せたまま持ち上げて怒張を引き抜き、谷間をゆっくりと開く。
久方ぶりに開放された谷間は、濃い精臭が立ち上るほどにべっとりとした白濁に染まり、両乳房の間で糸を引いて左右を繋ぐ。散らばる唾液や我慢汁の混合液は度重なるピストンで攪拌され、泡立ってすらいた。
美しい白磁の乳肌をこれほどまでに汚してしまい、罪悪感を覚える。だが、隠岐奈を我が物にしたかのような光景に、どこか酔ってもいた。
「二回目なのにこれはまた随分と……。本当におっぱい好きだなー」
一方、当の隠岐奈は大して気にも留めず、こびりついた精液を指先で掬ってにちゃにちゃと一頻り弄ると、脇に置いていたタオルをぽいとこちらに投げ渡す。
「見惚れるのに満足したら、綺麗にしてくれるか? ついでに周りの汗なんかも拭いてくれると嬉しいな」
にっこりと笑ってのお願いに、多少の征服感に浮ついていたのがバレていたことにドキリとしつつも頷き、タオルで彼女の体を拭いていく。恐らく、先の心持ちを抱かせ、それを煽るのも彼女の手の平の上だったのだろう。
まずは鎖骨辺りに浮いた汗を拭いたら下へ、豊満な乳房の方へと手を向かわせる。タオル越しであろうとも伝わって来る柔らかさや、拭く動作だけでもゆさゆさと揺れる光景、更には「裏も綺麗に」と言われ片手で持ち上げた乳肉の重みに、ついつい意識が奪われてしまう。
「うん、もういいぞ。お疲れ様」
一通り拭き終わると、隠岐奈は労いとともに微笑んでこちらの頭をよしよしと撫でる。
わざわざ撫でられるほどのことかと思う反面、こうした触れ合いを好み、常に半歩先を歩いて余裕を見せたがる彼女の所作に強い愛おしさを覚える。
自分だって隠岐奈に喜んでもらえるのも褒められるのも当然嬉しく、そういう気さくな彼女だからこそ時折崩したくなる意地悪な気持ちも抱け、彼女もそれをまた受け入れてくれる。それくらいが、自分達には丁度いいのだと思う。
「……なあ、まだ出来るよな?」
今まさに、隠岐奈がこちらに向けた――無意識かも知れないが――甘えた瞳に、これまでの分を返そうと責めっ気が湧き上がるように。
「勿論です。でも、流石にこれ以上連続では少し厳しいので……」
「んっ……」
隠岐奈の頬に触れ、軽く撫でると小さく吐息が漏れる。
「ん、はぁ、ぁっ……」
さらさらと頬から首元に掛けて数回撫でると、濡れた黄金色の瞳は一層甘えたものに。零れる吐息も、普段の落ち着いた尊大な色が薄い、小動物のような可愛らしいものへと変わる。
すっかりしおらしくなった隠岐奈のスカートに手を掛けて、纏う残りの衣服を脱がせていく。
そうして露わになったショーツは、ブラとお揃いの高級感のある白いレースで、紐で左右を留めたセクシーなもの。だが、それ以上に目を惹いたのはクロッチの部分であり、既に濃い染みが出来たそこは、薄布がぴったりと張り付いて淫唇の形を浮き上がらせていた。
「おっぱいだけでこんなに?」
「う、うるさいっ……」
恥ずかしそうにふいと顔を逸らす隠岐奈。けれど、それは肯定と変わらない。
横で結ばれた紐をするりとほどき、その紐を引っ張ってショーツも脱がせる。愛液を吸って重みを増した薄布は糸を引きながら剥げ落ちるかのように脱げ、じっとりと濡れた淫部を曝け出した。
これでとうとう纏う衣服が全て無くなり、隠岐奈は文字通り一糸纏わぬ姿となる。時折幼くも見える整った容姿や、白い首筋に鎖骨、今日だけでも散々に味わった美巨乳にきゅっとしたくびれのあるお腹、早くも蜜を滴らせる姫割れにほっそりと伸びた脚も全てが目の前にある。こうして何も纏わずにいても、どこか人ならざる気品と佇まいを感じるのは、やはり彼女がそういう存在だからに他ならない。
しかし、神様であると同時に、いや、その前に隠岐奈はただ一人の愛する女性であり、そんな彼女が裸体を晒し、あまつさえ極上の肢体を興奮に火照らせているとなれば。
「あ……」
隠岐奈の肩にそっと手を乗せて少しだけ力を込めて押し倒すと、彼女は小さく声を上げてそれを受け入れ、頬の赤らめを強くする。
「では、どうしましょうか? 口とか、指とか、隠岐奈さんのお好きな方で」
「……指で、してくれ。そ、それで、口は、キスしろ」
逡巡を挟んでそう言うと、恥ずかしそうにふいと顔を逸らす隠岐奈。
自分で言っておいて、とは思いつつも、組み敷かれたまま大人しく次の捧げものを待ってくれている秘神の頭から髪を再び数回撫でてから、「しますね」と囁くと、こくんと頷く。
割れ目に手を伸ばして淫唇に触れると、仄かな熱を伴った蜜が指先を濡らす。脱がせた際に見て分かっていたが、べとべとに濡れた淫唇は既に綻んで受け入れる準備万端だ。
「あっ、んっ……、ぁっ……」
まずは淫唇全体を緩く広く愛撫する。今この瞬間も分泌液をとろりと溢れさせる膣口から愛液を掬ってそれを塗り広げるように、滑らかな肌の上に手を滑らせる。
指が淫核を覆う包皮を掠める度、一対の小さな花弁をなぞる度、膣穴に僅かに指が沈んで僅かに水音を響かせる度、隠岐奈は身を捩って切ない声を零す。
「あんっ、くぅっ、ひぁっ……、ん、んっ……」
そんな風に可愛らしく啼く口を、顎をくいと持ち上げて唇で塞ぐ。
ぷるんと瑞々しい唇の感触を、細かなキスを何度か落として楽しみ、時に長めに重ねる。
「んっ、ちゅっ、ちゅぷっ、ん、ん~……」
すると、向こうからもキスが返ってくる。こちらの短いキスに合わせて隠岐奈もちゅ、ちゅっとバードキスで応じ、重ねて離れずにいれば、鼻にかかった声を隙間から吐息とともに溢れさせる。
隠岐奈のお願いどおり指と口の両方で愛すと、彼女は素直に悦びを伝えてもっとと甘えてくる。それがたまらなく劣情と庇護欲を掻き立て、愛撫にも熱が入っていく。これまで彼女が与えてくれた分を返すように、それ以上を与えられるようにと。
緩く秘部を撫でていた指を、ある箇所に向かわせる。今まであえてあまり触れずにいた、敏感なところへと。
「ちゅっ……、あぁっ、んっ! ん、あ、ふあぁっ……」
指先がクリトリスをつんとつつくと、隠岐奈はびくんと体を跳ねさせて高い声を上げる。こちらからすぐに唇を重ねてその嬌声ごと口を塞ぎ、すりすりと包皮の上から秘芽を撫でてやる。
淫核を弄る度に隠岐奈は腰をかくかくと跳ねさせ、返すキスも次第に辿々しくなり、体を強張らせる。止めどない快感に耐えているのだろう。
「いつでもイっていいですからね」
隠岐奈が自分に掛けた言葉と同じように告げ、自分も手を抜かずに淫唇を弄る。
肉芽を指先でとんとん軽く叩いては少しだけ力を込めて圧迫し、指先を揺すってみたり、時には粘度と量の増した愛液を拾って塗し、指を滑らせて強くし過ぎないように注力しながら刺激する。
ねだられた口付けも、少しやり方を変えて口元に落とすものだけに留める。乱れる呼吸を邪魔しないために、が主な理由だが、甘い喘ぎが自分も耳元で聞きたくて、も大きいのは秘密だ。
「ん、あっ、くぅんっ! はぁっ、あぁっ……! やっ、だめっ、イク、イクっ……!」
やがて、隠岐奈は絶頂を間近に控えると布団をぎゅっと握り締め、それを少しでも先延ばしにするべく耐える。
その手に空いていた左手をそっと重ねると、彼女はすぐに察して縋るものを布団からこちらの手に切り替える。絡ませた指にぎゅうと力が込められるが、それとは裏腹に隠岐奈の表情が若干柔らかくなったのは見間違いじゃないはずだ。
「っ、イっ、イクっ! あっ! あぁあっ~~!!」
遂に隠岐奈は絶頂を迎えると、大きく声を上げて全身をびくんと跳ね上げる。繋いだ手は握り締められて痛いくらいだが好きにさせてやり、やがてその力が抜けていくと、それに連なって全身をだらりと弛緩させた。
「はっ、はぁっ……」
荒く息を吐いてこちらを見つめる隠岐奈の瞳は潤み、紅潮した頬や額にはうっすらと汗が浮いていた。
肌に張り付いた髪を払い、呼吸を整える妨げにならないように口元に軽く唇を落とし――。
もう一度、淫核を指の腹で圧迫する。
「っ! ひぁぁっ! なっ、何をっ……!」
「さっき、自分は二回して貰いましたから、その分のお返しにもう一回、ですよ」
「だ、だからって、イッたばかり……、ふあぁっ!」
動揺した様子の隠岐奈はまだ何か言いたげだったが、かちかちに勃起した淫核を撫でて溢れた喘ぎがそれを掻き消す。
このまま先程と変わらず愛撫を続ければ、二度目の絶頂に導くのは難しくない。しかし、それではお互いにつまらないと、指先を下へ向かわせて淫裂を撫でる。
「んっ、次は、そっちでする、の……?」
一度絶頂を迎えたこともあり、指先に絡み付く粘液は一段と熱い。ひくつく花弁を緩く撫で、その間にある小さな肉穴に触れると、入り口が指先に吸い付いてくる。
熱く粘度の高い液を止めどなく溢れさせる、隠岐奈の膣口。そこへ、中指をそっと侵入させた。
「ん、っ、はぁっ、ひぅっ……」
ぷちゅ、と蜜溜まりを崩して沈む中指に、柔らかな媚肉がすぐさま絡み付いてくる。
侵入を拒む、というよりは奥へと呑み込もうとする膣内の蠕動に促され、狭い穴を指先で押し広げ開墾していく。
そして、第二関節程度まで沈ませた辺りで指を止めて、そこを指の腹で掻いてやる。
「やっ、そこっ……! だめっ、あっ、ん、はぁんっ……、やめてぇっ……!」
幾度となく愛し合い、既に熟知した弱点を責めると、隠岐奈は体をぞくぞくと震わせて全身を跳ねさせる。
色付いた吐息の合間に、彼女は駄目だ止めてなどと訴えるが一切止めたりなんかしない。止めたところで拗ねた視線を送られるだけだ。それもまた可愛いが。
陰茎に先んじてひくつく膣壺の感触を指で、隠岐奈のしおらしい啼き声を耳で楽しんでいたが、徐々に別の嗜虐心も顔を出す。
「やぁっ……、ん! んむっ……」
隠岐奈の唇を無理矢理奪い、口を塞ぐ。その瞬間こそ彼女は目を見開いて体をびくっと強張らせたが、それが荒くも口付けだと分かった途端に体の力がふわりと抜けてしまう。相変わらず、口付けに弱い。
「ん、ちゅっ、あぁっ、ん、んっ、ひぁっ……」
すっかりなすがままの隠岐奈の唇に短いキスを何度も重ね、膣壁は変わらず浅い部分を掻き回す。
蜜壺を掻き回す淫らな水音と口付けのリップ音、その合間にこもった甘ったるい喘ぎだけが室内に響き、彼女の下半身がびくびくと跳ね続ける。
「あんっ、ん、ちゅぷっ、んっ……。っ! イっ、はぁんっ! んん~~っ……!」
やがて、隠岐奈は一際大きく声を上げると、寝そべりながらも全身を弓なりに仰け反らせる。
膣内も強く脈動を繰り返し、吹き出した熱い滾りは中指を挿入する右手の平のみならず布団の染みをより色濃いものにしてしまう。それらが二度目の絶頂の証左なのは、誰が見ても明白だった。
重なり合う唇の隙間から荒く息を吐く隠岐奈のためにも唇を離し、指もするりと引き抜いて覆い被さっていた姿勢を起こす。秘部を弄っていた右手はすっかりびしょびしょに濡れ、淫唇も未だに腰を突き出して小さく潮を吹いており、もはや洪水と言っていいほどにどろどろだ。
「はあっ、はぁっ……」
隠岐奈は力なく大股を開いて下半身をかくつかせ、真っ赤に熟れた小淫唇もびくびくと脈動を繰り返す。荒い呼吸に合わせて上下する乳房は玉の汗を浮かせ、漏れる吐息は熱っぽく、この寝室の温度を上げているのではと錯覚するほどだ。
そんな彼女のこちらを見る目は少し恨めしっぽくも、確かな満足を伴ったもので。
「はぁっ、はぁっ……。……あ」
隠岐奈の視線が、ある一点に釘付けになる。自分は既にそうなっていると自覚していたが、向こうからは見えなかっただろうし、それどころでもなかったのだろう。
彼女の視線の先にあるもの。それは、完全に復活した怒張だ。先の前戯で堪能した艶やかな肢体や蕩けた声、愛欲を昂らせる魅力でとっくに臨戦態勢であり、先端からは早くも我慢汁が溢れている。
言わずとも待ち切れないと隠岐奈も察したらしく、右腕を支えに体を起こす――いや、起こそうとするが、起きてこない。ぷるぷると震える右腕を見るに、どうやら力が入らないらしい。
隠岐奈は恥ずかしそうな表情でこちらに目線を送る。自分は少し笑って頷き、彼女の背中に手を回して抱き起こし、お互いに座った姿勢になる。
「腰、抜けちゃいました?」
ついつい緩みそうになる頬を何とか堪え、隠岐奈の金糸を梳いていると、彼女はかあっと頬を赤くする。
「言わんでいい! それに、もう大丈夫だ! だから笑わない!」
勢いよく捲し立てて「むう……」と可愛く唸ると、大丈夫という自らの弁を示すべく自ら膝立ちになる。
「全く……。いいか、お前はそのまま座っていろ」
ムキになるところも可愛いなあ、なんて思いつつも隠岐奈のしたいことを察し、素直に頷きと短い返事をして、緩い胡座に体勢を整える。
彼女は更に一歩こちらに身を寄せると、片手で姫割れを左右に開く。ぽたぽたと零れ落ちる愛液が肉棒を濡らし、先んじて味わう熱に心臓の高鳴りが増す。
そして、腰を下ろして亀頭を膣口に宛がう。柔らかい肉の輪っかが窄まって、早くも先端を食んでくる。
「入れるぞ……」
こちらの肩に空いた片手を置いて支えを作ると、隠岐奈はゆっくりと腰を下ろす。
亀頭に口付けしていた膣穴は大口を開けて分身を呑み込み、狭い膣道を押し広げ、しかしよくほぐした甲斐もあって滞りなく奥へと誘い込まれていく。
蕩けた膣肉を掻き分けた先からそれらはにゅるにゅると纏わり付き、肉ひだを絡ませて屹立を歓迎する。
「あっ、はぁっ……、んっ、ん……」
自ら腰を少し下ろすのに合わせて、悩ましい声を漏らす隠岐奈。それが快感一色であることや、挿入を深める度に法悦に緩む表情の官能を本人は分かっているのだろうか。
「んっ、奥まで、入った、ぞ……」
やがて二人の腰は触れ合い、亀頭の先端が最奥に達すると、自らの膣内に陰茎が満ちる感覚にか、隠岐奈は全身を軽くわななかせる。
そんな彼女に向かい、両手を広げる。隠岐奈は少し恥ずかしそうに唇を尖らせるが、「全く……」と呟くとこちらに抱きついて来てくれたので自分も抱き締め返す。
「んー……」
先の呆れた口調とは裏腹の随分甘えた声にまたも頬が緩むが、何も言わないでおく。
最奥までの挿入を果たしたものの、お互いに動きはせずに隠岐奈の肢体の暖かさと柔らかさを味わう。
一切動かずとも隠岐奈の膣内は愛液を纏った柔肉で肉幹を撫でてくれるし、淫口は根本をしきりにきゅうきゅうと食い締めて心地良い刺激を享受してくれる。ふわりと漂う甘い香りは勿論、こちらの胸板に当たる豊満な乳房の感触も、官能を徐々に高めていく。
このままこうしているだけで絶頂まで導かれてもおかしくない、快感と充足感。だが、だからと言ってこれで満足しているわけでない。もっと、更に、と快楽を求める気持ちが湧き上がる。
「ん……、中でびくびくってしてるな。……動きたい?」
隠岐奈の問いにすぐさま「はい」と頷くと、素早い返事に彼女は口角を緩め、こちらの首元に手を回して体を委ねた。
「いいぞ。お前の好きにしてくれ」
自分も隠岐奈の背中に回していた腕を下げて、ハリがあるお尻を持ち上げて彼女を手と腿で支えて動く余裕を作り、ずっと疼いていた腰をいよいよ動かしていく。
「んっ、あんっ、あぁっ……!」
隠岐奈自身も情欲を抑えていたのか、動き始めるとすぐに嬌声を上げ始める。
指でさえ狭かった膣穴は、中を掻き回すものが一回り以上大きなものであろうと抱擁し、出し入れの度に窄まりを強くして肉ひだを陰茎に絡み付かせてくる。
特に奥ほどその傾向が強く、最奥まで突き上げる度に柔らかい粒々が亀頭を丹念に磨き、カリ裏にまでぬるぬるの膣肉がぴったりと張り付き撫で回してと、目前の子宮への種付けを促す。
気を抜いたらすぐにでも射精し兼ねない、極上と呼んで間違いない最高の肉壺だった。
「あっ、はぁんっ、あぁあっ、いいっ、気持ちいいっ……!」
加えて、眼前では端正な顔を緩ませて法悦を口にし、突き上げる度に双乳を重たげに弾ませる。
隠岐奈の肢体を聴覚でも視覚でも堪能し、ついついたぷたぷと派手に揺れる乳房に視線を奪われていると、不意に彼女は笑い、顔をぐいと谷間に引き寄せられてしまう。
「ずーっと物欲しそうに見て、しょうがないやつだな。そんなに好きか?」
「何度でも言いますけど、本当に大好きですよ」
急に引っ張られて息が少し詰まったものの、頭を埋めながらも即答すると隠岐奈はまた笑う。
「はいはい、こっちも好きにしていいから」
呆れた様子の――けれど、どこか嬉しそうでもある――許可に素直に甘え、早速乳首に口を寄せて咥え込む。
行為の前は隠れていたとは思えないくらい、ぷっくりと膨れた大粒の蕾を舌先でちろちろと舐めては飴の如く転がし、音を立てて吸い上げる。
更には口だけでは飽き足らず、もっちりとした桃尻を持って支えていた片手をもう片方の乳肉にも伸ばして、たっぷりとした重量感を手の平で味わい、五指を沈ませては柔らかさを楽しむ。
「んっ、さっきよりも大きく、固くなってるぞ。あっ、はぁっ、甘えんぼ、め」
隠岐奈は煽るように言ってはこちらの頭をぽんぽんと軽く叩いて撫でる。しかし、合間に漏れる喘ぎは隠せておらず、媚肉の締め付けが一段と増したのは勘違いではないはずだ。
「では、甘えた分、お返ししますよ」
「それは、んっ、楽しみっ、だ」
あえて、その挑発を受け立つ。どうやって返すかなんてのは、一つしかない。
これまで入り口から最奥まで、深く突き上げていたピストン運動を、あえて浅い部分のみに切り替える。
「ここ、好きでしたよね」
そして、先程散々に指で苛めた箇所を、次はカリ首で捏ねてやる。
「んっ! あ、うっ……、ふぅっ……」
責め始めて早々、隠岐奈は体をびくっと跳ねさせるが、声は口元に手を押し当てて必死に堪える。余裕ぶった手間、蕩けた姿を見せたくないのだろう。
そうやって頑張る姿が可愛く、同時に嗜虐心をそそり、快感でその鍵を壊してしまいたくなる。
「やっ、あっ、そこ、ばっかりっ……!」
細かく腰を前後させ、ざらついた膣壁を繰り返し肉傘で執拗に抉る。カリ首に掻き出される粘度の高い淫蜜は白く濁ってぐちゅぐちゅと結合部で鳴り、声量を抑えたこもった喘ぎ声とも混ざり合う。
その間も柔乳を弄るのを止めたりはせず、実の詰まった豊乳を揉みしだき、指の隙間から押し出されてぷっくりと溢れた乳輪と乳首をじゅっ、じゅるっと音を立てて吸う。
「ひぁっ、あっ、本当に、赤ん坊か、はぁんっ、お前、はっ……!」
声を艶やかに荒げさせて悪態をつく隠岐奈だが、そんなのは聞く耳を持たずに、していいと言ったのはそちらだと言外に思う存分甘えてやる。
腰をじわじわと前後に動かしてねちっこく膣肉を捏ね、指でも舌でもこりこりの乳粒を転がし、弾き、先端をくすぐるように愛撫する。
「あっ、ん、くぅっ、う、うぅ~っ……!」
責めている箇所の感度だけなら間違いなく敏感な部分であり、体も既に出来上がっているのだから今の時点でも相当な快感を一身に受けているはずだ。
だが、出来上がっているからこそ、ついさっきまでは味わえた最奥での快感に届かない微妙な物足りなさが余程もどかしいのか、やがて隠岐奈は喘ぎ混じりに唸ると、自ら腰を動かして陰茎を奥まで届かせようと奮闘する。
もっとも、主導権を握っているのは完全にこちらである以上、それを許さずに入り口の周りだけを責め続ける。
そうやって十分に焦らしに焦らし、愛液を絶えず溢れ差す膣肉すらも陰茎の更なる挿入を求め窄まりを強くした、その時を見計らい――。
「っ!? あっ! ひあぁぁっ!!」
一気に最奥まで、躊躇なく突き上げた。
刹那、隠岐奈は悲鳴じみた嬌声を上げ、背中を弓なりに反らせて全身をびくびくと大きく跳ねさせる。口にこそしないが相当疼いていたのだろう、透き通る瞳の端には雫が浮かび、膣道は強く収縮して分身を強烈に締め付けてくる。
快感で隠岐奈が秘する姿を暴くという当初の目的こそ達成したが、その感慨に浸るよりも一層彼女を悦びで蕩けさせてやろうと、脚を持ち上げて腰を揺すり、奥深くを何度も小突く。
「あっ、はぁんっ、やぁっ、おくっ、だめっ、だめぇっ……!」
不意に、そして急激に増した快楽の大きさに耐え切れずか、隠岐奈は制止を訴えるが甘く響く声に力はなく、こちらの肩に置かれた彼女の手の力も緩んでしまう。
すかさず、隠岐奈の腰に添えた腕に力を込めてしっかりと支え、耳元で囁く。
「しがみついていいですよ。それまで動かないようにしますから」
隠岐奈は荒い呼吸をしながらもこちらの首の後ろに腕を回して、言った通りしっかりとしがみ付く。こういう時はとても素直に聞き入れて、更なる突き上げを求める彼女が可愛くて仕方ない。
体勢を互いに改めて整えたら、再び最奥を叩いてはぐりぐりと亀頭を押し付ける。
「あぁっ、そこ、いいっ、もっと、もっとしてぇっ……!」
やはり、隠岐奈の膣内は最奥が一段と具合も感度もよく、こうして集中的に責めるとそれがよく分かる。
子宮へ向けて窄まりを強くする奥まった膣粘膜を肉傘が抉れば、入り口はきゅうと締まり蜜壺はぬるぬるの膣ひだを肉幹に絡ませる。肝心の奥では無数の肉粒を蠢動させ、ぷりぷりの柔らかいブラシで亀頭を舐めしゃぶってくる。
それらから与えられる悦楽は、気を抜けば一瞬で理性も我慢も溶けて絶頂まで導かれてもおかしくない。隠岐奈の方に生まれる快楽も著しいらしく、喘ぎ声が止まず響く。
突き上げの度に彼女の体が揺れるとふわりと金糸が舞って見目も美しく、ふと、呟いた。
「隠岐奈さん、凄く、綺麗です」
「こ、こんなときに、なに言ってっ……」
「すみません、つい。でも、本当に、綺麗ですよ」
もう一度そう告げると隠岐奈は口をぱくぱくさせ、あううと声にならない唸りを漏らすと、こちらの肩に頭を埋めて項垂れてしまう。図らずも言葉責めになってしまった、なんて心内で頬を掻くが、可愛い姿が見れたので良しとする。
それからも奥を重点的に責め続け、時折ストロークを深めにしたり、子宮口を小刻みに叩いてみたりと変化を付けて柔肉壺を掻き回す。
「ひぁっ、あっ、あんっ、あぁ~~……」
ぬるぬるの膣道との摩擦で得る快感は勿論、それで隠岐奈が声を乱して耳まで興奮に赤く染めるのが、今の自分にとって何よりの悦びだった。尊大で可愛らしい神様との、見目も肉体も魅力たっぷりの女性との、そして愛おしい恋人との交わりがただ嬉しい。
たまらず、結合部で互いの体がぶつかる音と隠岐奈の喘ぎ声が響く中、依然項垂れたままの彼女の耳元で囁く。
「隠岐奈さんの中、凄く気持ちいいですよ。窄まっててきついのにふわふわで柔らかくて、温かくて、締め付けてきて……。ずっとこうしていたいくらい、最高に気持ちいいです。隠岐奈さんはどうですか? 気持ちよくなってくれていますか?」
分かってはいても、隠岐奈の言葉で聞きたい。その思いで尋ねた問いに、彼女は伏せていた顔を上げて視線を合わせる。眼前に映る秘神の潤んだ瞳は、いつもと雰囲気が違う。
「私、私も、貴方のが気持ちいいのっ、もう、私のは貴方の形にされてるのっ、貴方専用なのっ 貴方、好きっ、大好きっ……!」
今までの尊大さは欠片もない、神様としてではなく、一人の女性としてそう言い切ると、隠岐奈はこちらに思い切り抱き付く。
少し、驚いた。隠岐奈のこうした威厳を取り払った姿を見るのは一度や二度ではないが、色事の最中には滅多に無かったからだ。大抵は終わった後の余韻の中で、密やかに見せてくれていた。
しかし、思い当たる節もある。ここ暫くタイミングが合わず、彼女と会うことすら日が空いていた。本人が認めたことは一切ないが、彼女は意外と寂しがり屋で甘えたがりな一面もある女性だ。
それを改めて心に刻み、愛慕の詰まった抱擁にこちらから強く抱き締めて応えると、隠岐奈はぐいと顔を寄せて荒っぽくキスをする。
その口付けにも、当然応える。一度、そっと離れてから、彼女の顎をくいと持ち上げて優しく返す。
「俺も大好きですよ。愛してます」
「うん、うんっ、私もっ! 貴方が好きっ、愛してるのっ。ずっと私を、私だけを見ててっ……」
隠岐奈からまた口付けが返ってきて、そのまま互いに舌を絡ませ合う。
ほんの僅かでも多く、目の前の愛する者との繋がりを求めて舌を交わらせ、睦み合い、唾液と粘膜を絡ませ合う。抑えていたものを全て解放した情熱的なディープキスに、彼女の官能も昂っているのか媚肉は絶えず痙攣して陰茎に絡み付く。
入り口は離さないとばかりに根本を食い締め、膣壁は大量の愛液を纏って肉幹に熱烈な抱擁とキスを浴びせ、膣奥は子種を求めて窄まりを強める。膣内全体が陰茎を扱くかのように蠢き、愛欲を求めての交わりは今やその先の本懐を果たすべく、胎内に精を受け入れようとしていた。
「んっ、くちゅっ……。ん、はぁあっ……、だめっ、イクっ、イクっ!」
「っ、俺もっ、もうっ……! 隠岐奈さん、中に、出しますよ……!」
「うんっ! 出してっ! 貴方の精子で、私をいっぱいにしてぇっ!」
互いに絶頂が目前であると伝え合い、ともにその時を迎えるべくアイコンタクトを交わす。そして、引き上げた腰を打ち付けて最奥を突き上げるのに合わせて、限界まで膨らんだ欲望を一気に解放した。
「イクっ! いっ、ひぁあっ! あぁぁんっ! あ、ふっ、はぁんっ……」
射精と同時に隠岐奈も絶頂を迎え、分身が脈打つ度に吐き出される精液はどくどくと目前の子宮口を通して彼女の胎内に注がれていく。
絶頂を迎えた膣内は全体が痙攣を繰り返して脈動する肉棒を更に搾り上げ、膣奥も子種を受け入れながらも亀頭を吸い上げてくる。
一滴でも多くの精液を欲しようとする蠱惑的な肉悦は、絶頂による極上の快感から降ろさせてはくれず、二回、三回と射精を重ね、精子を子宮内へ追加する。
お互いに相手の体をそれぞれ抱き締め合い、湧き上がる愛おしさを胸に種付けを続けていたが、長い吐精もやがて治まり、静かに息を吐く。
二人して絶頂の余韻に荒い息を吐いて、とりあえずはと思い隠岐奈の背に回していた手を緩め――。
「だめ」
ようとしたところで、彼女に待ったをかけられてしまう。
「そのまま、ぎゅってして、撫でて……」
隠岐奈はこちらの胸に顔を埋め、長く息を吐いて甘えてくる。
すっかり口調も仕草も尊大さが秘してしまった、構って欲しがりな面もある神様を、とても可愛らしい女性を、愛する隠岐奈を、彼女が満足するまで優しく撫でていた。
3.
隠岐奈に身を捧げてからしばし経ち、雰囲気もすっかり落ち着いて時刻もそろそろ晩御飯の準備でも、という頃。あの時と同じく彼女を後ろから抱き抱えながら、一つ尋ねる。
「足りましたか?」
「いや、まだ」
即答されてしまった。
確かに、事前にこれでチャラ、なんて言っていなかったのでこの回答自体は有り得たが、こうなるといよいよ如何ともしがたい。
うむむと頭を捻り、再び「それなら何が」と愚直に尋ねると、隠岐奈はこちらを振り向いてふふと笑い、そっと囁く。
――思わず、心臓が跳ねた。その反応が面白かったのか、秘神は尚もくっくと笑っている。散々そういう行為に耽った後とはいえ、意識したことも一度や二度ではないが、改めて隠岐奈から求められると少々面映ゆくもあり。
「ま、それは今すぐじゃなくていいさ。今はまだ、お前と二人で居たいしな。でも、その時は私のそういう面もしっかり見せて、教えてやるからな」
隠岐奈は、彼女の前に回したこちらの手を取るとお腹の少し下に当てさせ、上から手の平を優しく撫でる。まるで、その奥を慈しむように。
その手つきの優しさと温かさから、多彩な面を持つ隠岐奈の、とても大きなものであろう母性を一足先に感じていた。