※この作品はR-18です。

8月のヒメゴト 〜僕と桃香の7日間〜   作:水無月零

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3日目
『お兄ちゃんじゃないとヤダ』


目が覚めた。

外はもう明るいが、まだ朝の5時だ。

隣のももちゃんは、まだ寝ている。天使のような純真無垢な顔…

見れば見るほど、幼い子供だ。

 

ゆうべの事が、夢だったように思える。

いや、誤魔化しはやめよう。あれは現実だ。小学生の少女に、僕は卑猥な事をした。犯罪だ。

 

昨日は、手で弄るだけにとどまったが…このままだと…僕は…取り返しのつかない事をしてしまう。

 

もう終わりにしよう。

大橋亮に、何とかして連絡を取って…

そういえば昨日、ももちゃんが電話してた。そうだ!ケータイだ。

 

ももちゃんのショルダーバッグは、ソファーの横にあった。

亮の番号を調べて、会社に行ってから電話しよう。

ももちゃんを裏切るような罪悪感を感じながら、バッグを開いた。

 

中には…現金の入った封筒…ハンカチ…厚手のノート…日記帳か?…あとは…それだけだ…ケータイがない。

 

女の子のバッグは、もっと色々入ってると思ったが…いや、それよりケータイは?

日記帳を見れば、何かわかるか?

それに手を伸ばした時…

 

「う~ん…」

ももちゃんが、寝返りを打った。

ヤバい!起きるかも。

僕は慌てて中身をバッグに戻した。

 

会社に向かう車の中で、僕は考えていた。

 

ももちゃんは、ケータイを持っていない…

僕の部屋には電話はない。僕のケータイだけだ。

それなら、昨日話していたのは、独り言か?それとも…

 

『イマジナリーフレンド』というのが、あるらしい。孤独な子供が空想の友達を作って、ひとりで会話する現象だ。

普通はもっと小さい幼児に起こることらしいが…

ももちゃんはそんなに、寂しい子供なのか?

友達もいない…親から充分な愛情も受けられない…?

 

そもそも亮は、娘に300万も持たせる程、経済的余裕があるのに、ケータイを買い与えないのか?

 

僕が親なら心配で、絶対持たせる。

だって知らない家に、娘ひとりで行かせるんだぞ。いつも連絡取れるようにするのが普通だろ?

 

連絡を取る気がない。

迎えに行くつもりも、呼び戻すつもりもない?まさか…

 

亮の手紙…『君にしか頼めないんだ。娘の事、よろしく頼む』…

何を頼むんだ?

『お父さんの家は?仕事は?』『話しちゃダメって、お父さんに言われてる』

 

亮は、娘を捨てる気か?

ももちゃんは、それを知ってるのか?

でもそんな事、本人には聞けない…

 

これは、警察にでも行くべき事件かもしれない…

いや…

それならそれで、別に構わない。

 

その時僕が感じた素直な気持ちは、娘を捨てる亮に対する憤りでも、ももちゃんを憐れむ気持ちでもなく…

彼女とずっと一緒にいられるかもしれない、喜びだった。

 

もう、自分に嘘つくのは、やめよう。

気付いたんだ。

僕は…ももちゃんが好きだ。

 

出会ってからまだ3日目だが…あの子が可愛くて仕方ない。

明るくて、無邪気で、真っ直ぐで、一緒にいると幸せな気持ちになる。

エッチな事もしたから、好きになったのか?いや、それだけじゃない。

可愛い外見と、純粋な美しい内面。両方に心惹かれたんだ。

子供ではない、ひとりの女性として。

 

あの子が欲しい。誰にも渡したくない。

まだ12歳?関係ない!

ロリコン?変態?何とでも言え!

ももちゃんが大好きだ!

 

亮が、あの子を要らないと言うなら、僕が面倒見る。

僕が愛する。僕が…ももちゃんを抱く。

 

会社に着くと上司に、しばらく休ませて欲しいと言った。

実家の親が倒れて、看病したいと。もちろん嘘だ。

上司は渋ったが、強引に押し通した。

 

僕は、午前中に帰った。

部屋に戻ると、ももちゃんは洗濯物を干していた。

まるで新妻みたいに…

 

僕を見て驚いていた。

「あれっ?お兄ちゃん、お仕事は?」

「しばらく休むよ。ももちゃんと一緒にいたいから」

突然の言葉に、彼女はしばらく固まっていた。

「えっ?ホント?ホントにいてくれるの?」

「うん」

ももちゃんは、僕に抱きついた。

「うれしい…お兄ちゃん、大好き!」

「僕も大好きだよ」

小さな頭を撫でた。

 

彼女は僕を見上げて…目を閉じた。

少しだけ開いた、可愛いピンクの唇…

 

僕は体を屈めて、そっとキスをした。

 

「ももちゃん…昨日、セックスしたいって言ったね」

「うん、言ったよ」

「僕でもいいの?」

「お兄ちゃんじゃないとヤダ」

「ありがとう。僕も、ももちゃんとしたい」

「して…」

「でも、ここじゃないよ」

「え?どこで?」

「明日から旅行に行こう。どこか綺麗な所で、ももちゃんと、初めてをするんだ」

 

ももちゃんの目から涙が落ちた。

「どうしたの?」

「うれしいの…だって…お兄ちゃん…わたしのために…」

それ以上は言葉が出ず、ももちゃんはただ、涙を流して…

僕は、そんな彼女を優しく抱き寄せた。

 

近所の公園から、蝉の鳴き声が聞こえていた。

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