僕達は昼食を食べようと、またファミレスに行った。
「わたし、これと、これと、これがいい!」
ももちゃんは、メニューを次々と指差した。
ハンバーグステーキと…ビーフシチューと…パスタ?
「そんなに食べられないだろ?」
「だって、どれも美味しそうだもん。決められないよ」
「無茶だよ。そんなの」
「大丈夫!わたし、少しずつ食べたいだけ。あとはお兄ちゃんが食べて」
「僕だって無理だよ」
「お兄ちゃん、男でしょ?大人でしょ?わたしのカレシでしょ?カノジョのお願い聞いてくれないの?」
女性はいつも確認したがる。自分がどれだけ愛されているか、彼氏が自分の為にどこまでしてくれるか。
つまり僕は試されているわけだ。
「わかった!彼氏のすごい所を見せてあげるよ!」
「さすがお兄ちゃん!」
喜ぶももちゃんが、小悪魔に見えた…
しかし、さすがにこれはキツイ。必死で食べる僕を、ももちゃんは、あおり立てた。
「ほら、頑張って!まだ残ってるよ。もったいないよ」
やっと食べ終わった…とりあえず僕は勝った。
ももちゃんは、満足そうに笑った。
食後のコーヒーのカップを手に、僕は計画を話した。
「温泉に行こうと思うんだ。この時期は混み合ってるけど、探せばきっとあるよ。海か山か…」
ももちゃんはリンゴジュースを飲みながら言った。
「わたし、海がいいな」
「海か…じゃあ水着を買おう。まず旅館の手配だ」
温泉旅館は思いの外、空きが少なく予約が大変だった。でもやっと一部屋、確保できた。何もない田舎だが、綺麗な所で、近くに海水浴場もある。
それからデパートに水着を買いに行った。
売り場には、色とりどりの水着が並んでいる。
「ももちゃん、どれがいい?」
「う~ん…いっぱいありすぎて、よくわかんない。お兄ちゃん選んで」
ここはやっぱり、ワンピースよりビキニだよな。
とはいっても子供用だ。大人の物より、露出度は低い。
じゃあ、できるだけ可愛いのを…これかな。
花柄で、フリルが付いている。
「これ、どうかな?」
「かわいい!ねえ、着てみていい?」
「もちろん」
試着室の前で、ワクワクしながら待った。
「いいよ」
その声で、カーテンを開けた。
水着姿のももちゃんは、思った通り、すごく可愛い!
彼女は得意げに
「どう?」
と、色々なポーズを取って見せた。
初めて、ももちゃんの体をまじまじと見た。
やっぱり小さい。同い年の子と比べても、小さい方かもしれない。
体は細いが、痩せすぎではない。
大人の女性のような、くびれはない。でもしなやかで、無駄がないボディライン。
僕はもともと、グラマーな体型が好みだった。おっぱいとお尻が大きくて、くびれのある女性が。
子供の体に興味があったわけではない。
でも、ももちゃんは別格だ。
未成熟な少女だけが持つ、二度と戻らない期間限定の美しさ。
すべてが愛しく、抱きしめたくなる。
「お兄ちゃん?」
ももちゃんの声で、我に帰った。
ずいぶん長く、見とれてたみたいだ。
僕は
「うん、すごく似合ってる。最高に可愛いよ!今まで僕が見た中で一番だよ!」
「それ、誉めすぎだよ…」
と言いながらも、彼女は喜んでいた。
「気に入った?」
「うん!お兄ちゃん、ありがとう!」
代金は、僕が支払った。
ももちゃんは『いっぱいあるから、わたしのお金使って』と言ったが、僕は決めていた。
今後は絶対に亮のお金は使わない。僕の力で、ももちゃんと暮らしていくんだ。
その他、海水浴に必要な物も買った。浮き輪とか、ビーチパラソルとか…
部屋に返ると、ももちゃんは水着を袋から出して、楽しそうに鼻唄を歌いながら、眺めていた。
そんな仕草のひとつひとつが、可愛らしく、愛しかった。