※この作品はR-18です。

Dirty Works   作:空薬莢

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――女性にとって大切なものは何か?
純潔?見た目?気品?――笑わせる。そんなものはゴミ箱に捨てろ。
――と、思う奴は腐るほどいるものだ。
ならば、どうするかは……自分達次第。




人殺しの手、毒された少女

同時刻――

彼女は目が覚めると、廃墟内にいた。

周りには体格の良い男性ばかり。

(何でこんなところにいるんだろう……)

両手も殆ど自由が効かない。拘束されているらしい。

「コイツらが新しいヤツか」

「あぁ、そうだ」

男達の中心では、ボス格と思われる更に体格の良い5人の男と、痩身の男が談合をしている。

誰が見ても商談。

男の視線から考えて、品物は人間。それも自分と然程歳の変わらない少女だ。

様々な毛色、小から大まで様々な25人の少女達が後ろ手に親指同士を結束バンドで括られ、床に転がされており……全員、目が虚ろだった。

「全員堕ちてる(、、、、)から暴れる心配は無い。後は好きに使って――ぐあっ!?」

銃声。

商人の右膝が鮮血のシャワーを伴って砕け、主を跪(ひざまず)かせる。

「暴れねぇだと?ふざけんなよ」

苛立ちを隠そうともせず、憎々しげに言うのは幹部の一人。

彼の手には.44口径自動拳銃《弐拾八式軽銃》が握られており、銃口から僅かに硝煙が尾を引いていた。

そのまま銃口は移動し――

「女(メス)って生き物はなぁ!」

商人の左膝が砕け、両手が地に着くも、

「泣き叫ばせて!」

右肘を砕かれ、

「懇願させて!」

左肘も砕かれて、コンクールの上に這い蹲る。

「地べたに這い蹲らせてよぉ!」

右肩と左肩までもが砕かれると同時に、二挺目の《弐拾八式軽銃》が抜かれた。

「犯すのが良いんだろうがっ!!」

双銃に込められた計9発の銃弾が乱雑に肉を引き裂き、商人の命を血溜まりの中に沈める。

「けっ、来世で後悔しな……クソ野郎っ!」

物言わぬ骸の顔に唾と空弾倉が吐き落とされ、彼は仲間達に向き直る。

「やりすぎだぞ、バガー」

「別に良いだろ、ただで良いメスが手に入ったんだからなぁ?」

「さぁ、野郎共!物足りねぇかもしれねぇが、このメス共をハメ倒すぞっ!!」

バガーと呼ばれたボス格の掛け声を口火に、下っ端達が欲望を露にし、少女達に襲い掛かる。

その後は地獄絵図だ。

服は引き裂かれて、

露になった乳房は揉みしだかれ、桜色に色付いた頂点も弄られる。

意識が朦朧としていようと、少女達の身体は正直なのだろうか、

女性器から蜜が止め処なく溢れ、

熱り立った肉棒を膣に突き立てられて、前後(ピストン)運動。劣情(情欲)を満たす為の受け皿となる。

「コイツは締まりが良いぜ!!」

「何っ!?俺にも挿れさせろ!」

「いいぜ?俺が一発注ぎ込んだらな」

受け皿(、、、)の質は良いらしく、一部の者は奪い合いを始める始末だ。

廃墟内に得も言われぬ性臭と水音が充満し、辺り一面に撒き散らされた白濁液の池が出来上がる。

「さてと……俺達も一発ヤるか」

先程の男が彼女に近付いてくる。

(私も犯されるの?)

そんなのは嫌だ。というか、見ず知らずの男に処女を奪われるのが好きな女性などいないだろう。

しかし、今の状況では、回避することはできない。

彼女に与えられた選択肢はただ一つ。強姦されることだけ……でも嫌だっ!

「コイツはさっきから意識があったみてぇだからなぁ……楽しませてくれよ?」

伸ばされた腕が彼女の服を掴み、力任せに引き裂こうとするが、

直後に響いた轟音と、壁の崩落が男達の気を引き、少女から手を放した――

 

 

「Let's Huntingtime(さぁ、阿呆狩りの時間だよ)♪」

壁を突き破って廃墟内に侵入した私とグラナデさんは即座に得物を構え、バイクから降りる。

酷い状況。

服を引き裂かれた少女達が半身をゴム質の表皮に変質させたギャング共に犯されていた。

中には、まだ犯されていないであろう少女も見受けられるが。

急いで始末しなければならない。

「楽しみの邪魔すんじゃ――ごふっ!?」

少女の膣に挿入していた汚いナニを引き抜き、襲い掛かる下っ端の顔面に12ゲージ散弾を叩き込み、ニヤけた不快な面を不細工なミンチに変えてやる。

こんな雑菌だらけのミンチなど精肉店はお断りだろう。

「まだまだ来るよ、フィアちゃん♪」

片手で10ゲージ半自動散弾銃《JA DR30》を振るうグラナデさんが言う。

「よく見りゃ雌じゃねぇか!」

「しかも上玉だっ!」

「さぞかし締まりが良さそうだな!!」

次々と下半身を露出したままのギャング達が向かってくる。

既に頭がイカれているのか、ホルスターにしまわれた銃を抜かない。

(直線的……殺れるっ)

その腹部に照準を合わせ――少女達を巻き込まぬよう、引き付けてから――発射。

生ゴミを量産した所で弾切れ。マガジン交換。

射撃再開しようとし――横に跳ぶ。

「チッ、外……たか……」

直後、元いた場所に半身がゴム菅と化したギャングが落下。空中で散弾銃を構え直し、発射。

反動で体勢が崩れ、転がりながら着地の衝撃を逃がす。

敵の方を確認すると――胸部が吹き飛んでいる。殺ったか。

「ボサッとしない♪背後から増援だよっ!」

声のした方向では、

散弾銃をホルスターに戻したグラナデは振り向きながら右肩に吊ったコンテナを構え、解放。

「Fire!!」

5発の45㎜擲弾を射出。

「オマケだよっと!」

更に腰に下げたAA GHG45-G(柄付き手榴弾)も投擲。

爆発。

突入時の破口から湧いた増援は血の霧と肉片のシャワーに変わる。

「っとボサッとしちゃダメだ」

前を向き直し――眼前に迫る敵の面に散弾銃の銃口を突き立て、射撃。吹き飛ばす。

「アハハハハッ!!脆い、鈍いっ!」

グラナデさんのトリガーハッピー気味な声。銃声からして、短機関銃の掃射。本人曰く苦手な武器のはずだから明らかな手抜き。遊んでいるのかな?

仕事は遊びじゃないはずだ。現に私は集中力を切らせば、たちまち組伏せられてレイプされるだろう。

勿論、私はレイプされたくない。そんな行為は情婦(デリヘル)に丸投げすればいい。

スライドストップ。マガジンエジェクト(排出)。

リロード。

スライド解除(リリース)。

辺りを見回して雑魚を探すが……死体のみ。

後は幹部格のみっ!

多分、雑魚よりは魔物化が進んでいるかも……。

しかし、わたしの、考えは甘かった。

(嘘……)

銃口の向ける先――照準した対象は――

「止まれっ!」

薄汚れたワンピースを着た黒髪の少女と、少女の首に手を回し、その頭蓋に大型拳銃を突き付ける男。

見た感じ、どちらもれっきとした人間。

人間だと認識した直後、

「……っあ!?」

脳髄を握り潰されるような痛みが走る。

脳裏に、視界に浮かび上がる風景。

――瓦礫の山。

――母親の死体。

――額に風穴の空いた男。

――血に濡れた手。

――握られた拳銃(鉄の塊)……。

「ぁ……あぁぁぁ……ぁあぁぁぁっ!!」

フラッシュバック。

浅くなる呼吸、高まる心拍数。

手から零れ落ちる散弾銃。

込み上げる吐き気に抗うと、膝に力が入らなくなり、地面に崩れ落ちる。

「よぉし……そっちのチビもだっ!銃(チャカ)を捨てろ!」

吐き気と動悸に蹲(うずくま)る私を無害と判断した男はグラナデさんに言う。

「嫌だよっ♪」

が、拒否される。ある意味当然だろう。

「コイツが死んでもいいのかっ!?」

その態度に激情した男がトリガーにかけた指に力を込める。

撃つ気だ。でも、今の私には止められない。……いや、人間を撃てない自分には止められない。

「別に構わないよ。……無理だから」

対するグラナデさんは余裕の表情だと思う。確認できる状況じゃない。

「ヘ、他人はどうでもいいのかよ。ひでぇな」

「随分余裕だね。自分の腕を見てみなよ♪」

「……腕だと?」

男が自分の腕を見ると同時に、

「アァアァァァァッ!!」

少女が男の腕に犬歯を含む前歯全てを突き立て――

噛(、)み(、)千(、)切(、)っ(、)た(、)。

肘から下を失い、湯水の如く鮮血を吹き出す右腕を振り上げ、絶叫する男。

「このクソガキがぁっ!!」

残る左手に握り締めた自動拳銃が少女の向けられるも、

銃声。

瞬間、男の身体は上半身と下半身に泣き別れ。絶命。

「注意散漫ってね♪……大丈夫、フィアちゃん?」

グラナデが心配そうに声をかけてきて、私は背中を擦られる。

徐々に落ち着く動悸と吐き気を抑えるのに、数分の時間を有した。

「ハァ……ハァ……ハァ…………ありがとうございます」

「大丈夫?心的外傷後ストレス障害(PTSD)っぽかったけど?」

鋭いですね……グラナデさん、と口にしそうになる心を抑え、

「今は……何とか。……で、さっきの女の子と男は?」

状況確認を促す事で話を逸らす。

「男は死亡。女の子は無事だよ」

「そうですか……。良かった……」

大きく息を吐き、立ち上がる。

確かに、先程の少女は無事。男の身体は二つに別れ、盛大に血を撒き散らしている。

「……グラナデさんが…………殺ったんですね」

「うん。アイツ、《魔物》だったから」

手にした《JA DR30》をホルスターに戻しながら、グラナデさんは答えた。

「フィアちゃん、覚えておいて。《F》の中には、体内構造だけを変質させる種類もあるって事を……」

それだけ言って、グラナデさんが少女に近付き――

「……少し痛いけど、我慢してね」

少女の腕に注射器らしき物を刺す。

ワクチンか何か?……いや、採血みたいだ。

暫くして――

「…………やっぱり」

何かを確信したようにグラナデさんが呟き、携帯端末を取り出す。

「セルゲイ……《同類》がいたよ……」

と、だけ告げて端末をしまい、少女に向き直る。

「貴女、名前は?」

「天樹……遥……」

「天樹ちゃんね。……家族は?」

「…………いない」

「いない?」

僅かに首を傾げ、更に質問する。

「怖い男の人に……ぐす……」

何かを言いかけ、泣き出す。

(もしかして……)

私は天樹と名乗った少女の両親の末路が想像できた。

グラナデさんも同じらしく、僅かに苦々しい表情をしている。

「…………ありがとう、天樹ちゃん。……私達と一緒に来てくれないかな?」

「貴女達と……?」

不思議そうな顔をされた。

「うん。……住む所とか、そういうのを天樹ちゃんにあげられるの。……どうする?」

「知らない人の話は……信じられない」

ごもっともだ。よく子供に教えられる事の一つにある。『知らない人についていっちゃいけません』ってことだろう。

「……まぁ、そうだよね。信じないと思うけどさ、私達は天樹ちゃんに危害を加える気は無いよ。ね、フィアちゃん?」

「え?えぇ……まぁ」

突然話を振られ、私は戸惑いながらも答える。

私に人間は殺せないし、天樹ちゃんに恨み辛みは無い。要するにどうこうするつもりもない。

……むしろ、同情しそうだが、それは努めて考えないようにする。

予想が正しいなら、天樹ちゃんは《孤児》で、孤児は同情される事を嫌う傾向がある。

「……言われるのは辛いだろうけどさ、両親の死んじゃった天樹ちゃんは、生きる上での選択権が自分にあるんだよ。……だから、選んで。私達と一緒に来るか、一人で生きるか」

優しく問うグラナデさんだが、私には明らかな強制に聞こえた。

このまま一人で生きるならば、遠からず天樹ちゃんはならず者達にレイプされてしまうだろう。

薄々、言われた言葉の真意を悟ったであろう天樹ちゃんは暫し悩み、

「…………分かった。……一応、信じる」

おずおずと、答える。

「賢明な判断だよ。……じゃ、自己紹介。私はグラナデ・ヴェルファー。こんな形でも20歳だよ♪……で、そっちの子がフィア・リベリちゃんね」

「よろしく、天樹ちゃん」

「はい……。よろしく……お願いします」

声音はまだ強ばっている。……仕方無いか。

「さ、自己紹介も済んだし……我が家に帰りますか♪」

先に動いたグラナデさんを追って、私と天樹ちゃんもバイクに向かって歩き出す。

 

2時間後――

便利屋の応接スペース。

テーブルの上には、仄かに湯気の立つホットミルクのマグカップが置かれている。

「――天樹 遥。年齢は14、か……。まだ運が良い方だな、普通ならもうゲス野郎共の玩具になっていただろう」

天樹ちゃんへの質問を一通り終えたセルゲイさんはそう言った。

因みに、当人(天樹ちゃん)はソファに座っており、向かい合わせのソファではグラナデさんが盛大に寝ている。……本当に威厳もへったくれも無い。

「辛辣ですよ……セルゲイさん」

「事実を述べたまでだ。……ともかく、そこで寝てる幼女の言った事かもしれんが、居住場所は便利屋(ウチ)の空き部屋を提供しよう」

「ありがとう……ございます」

「……礼はいらない。お前は俺達が保護すべき対象だっただけだ……」

何処か遠い目をして、セルゲイさんは時計を見、

「……もうすぐ夕飯時か。挨拶ついでにマスターの所に行くぞ」

「ほぶっ!?」

グラナデさんを叩き起こし、

「……」

いつの間にか現れたノルシェさんが追撃を加えていた。

(……なんか、見慣れてきたなぁ…………)

これって、職業病なのかな……。

なんて思いながら、今日も今日とて私達、便利屋のメンバーはマスターの店に向かう――

 

 




以上、《人殺しの手、毒された少女》でした。
…………わりと酷い出来。そのうち修正するかもしれません。
拝読者の方は次回をお楽しみに。
では、拝読してくださってありがとうございました。
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