※この作品はR-18です。

Dirty Works   作:空薬莢

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仇は仇となるが、救いも仇となる場合がある。
故に、最悪の事態は常に考えるべきである――



Inter Mission~血肉に飢えし憤怒~

同時刻、エリアRos国内 樹海――

――殺す。

殺す。

アイツらは――殺す。

俺から何もかもを奪い、体よく利用し続けるアイツらは……殺して、殺して、殺し尽くし、叩き伏せ、擂り潰し、削り取り、抉り取り、踏み躙り、焼却し、灰塵とし、この世から消し去ってやらなければ。

だからこそ、今行われている、総合兵装見本市《Оружие Показать》を潰すのは有用だ。

待っていろ、クソ野郎共。

ふんぞり返ったその椅子から引き摺り落として、批判の的にしてやる。

青年はそう思いながら、樹海を疾走する。

ただ、目的地を目指して。

憎悪を胸に。

異形の身体を従えて――

 

 

一方、《Оружие Показать》会場では――

「……ってぇ…………。アンタ本当にエリアRosの軍人かよ……」

「お前が弱過ぎただけだ」

地面に這いつくばった男を一瞥し、俺は言う。

弱い犬ほどよく吠える、と諺にもあるが、事実その通り。

コイツは弱過ぎた。なにせ、ほぼ蹴り技だけでこの様だから。

技にもよるが、隙が大きく、バランスの崩れやすい蹴り技主体で戦う事自体、俺はあまりしない。徒手格闘で魔物を殺る分には、蹴り技は楽だが。

故に、蹴り技主体で戦う事は、手加減に当たる。

「…………終わり?」

背後から聴こえる、小さな声。

振り返る。

いつも通りの、無表情なノルシェが立っていた。

「……あぁ。終わりだ」

「そう。…………物色の続き、しよう」

そう言い、手を差し出してくるノルシェ。

(……繋げ、か。…………恋人じゃあるまいし)

些細な行為が重大なミスに繋がる。だから、

「……繋ぐ必要は無い。迷子はグラナデやフィアだけで充分だ」

差し出された手を払う。

俺には、その手を握る資格どころか、差し出される資格もあってはならない。

「…………残念」

手を払われたノルシェは小さく、呟く。

しかし、無味乾燥した声であり、さほど落胆しているようには聴こえない。心中ではどうかは、解りかねるが。

(……兎も角だ)

物色するなら、早い方が良いかもしれない。

「何処のブースに行く?」

「…………Shooter System」

比較的すぐの返答。

Shooter System――オプションパーツのメーカーか。

「……了解した」

俺は歩き出す。

数歩後ろをついてくるノルシェ。

足早にSS社ブースへ向かい、展示品の確認。

元より、二脚架や三脚架、光学照準器など狙撃銃、分隊支援火器のオプション製造を得意とするメーカーである同社の製品は俺も好きだ。……尤も、光学照準器はAA社製の方が好みだが、何分値が張る製品ばかりである、AA社に比べれば、SS社製はやや安価で性能が良い為、コストパフォーマンスは比較的良好と言える。

そう思いながら、二脚架を吟味する俺の横では、

「……今回は不作?」

「おいおい嬢ちゃん、手厳しいぜ。堅実とでも言ってくれよ」

ノルシェとSS社社員が話していた。

(……まぁ、確かに目新しい製品は無いな)

堅実さと斬新さは対極。

どちらが良いかは、使い手次第。

(……だが、武装に左右され過ぎるようなら、ソイツは一流じゃない)

様々な装備に慣れておかなければならないのは、当然だ。

「……で、何か買ってくかい?」

「……特に無い」

「そうかい。ま、今度はなんか買ってくれよ?」

ノルシェの方の会話は決裂したらしく、俺の方へとノルシェの視線が向く。

『他のブースに行こう』

ノルシェの眼は、そう言っているように見える。

『了解だ。……次のブースに行こうか』

俺も眼で答え、次のブースへと歩き出す――

 

 




――以上、まさかのInter Story。
これが無いと(正確には、今話の前半)、次話が理解しづらくなるかと思い、製作した次第。
では、今回はこの辺で。
拝読ありがとうございました――

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