【魔女兵器二次創作】イルカのマッサージ レンちゃんがイルカちゃんに自慰ばれした結果おっぱいビリビリされちゃうお話 作:あかん子を説法
原作:Witch's Weapon -魔女兵器-
タグ:R-18 性転換 魔女兵器 オナニー TS百合 自慰バレ
タイトル通り。魔女兵器のレンちゃんが性欲に負けてオナニーしている所をあろう事かイルカちゃんに見られてしまうお話です。二次エロは初投稿。
原作今一度読み込んでなるべく原作の設定に沿う事でこんなお話があってもおかしく無いよね(狂乱)、という作りを目指しました。
原作知らなくても読める(引き摺り込める)様ざっくりだけど少しだけディープな原作キャラ設定覚え書き付属。知らない人には伝われこの作品の魔力、知ってる人には思い出せレンちゃんカワイイ。
※当SSは『Witch's Weapon -魔女兵器-』という2019年4月〜2020年8月27日の期間中存在していたレンちゃんかわいいなTSSFコンテンツの二次創作物です。https://witchs-weapon.net←HP跡地
当作品に対する知識がある程度必要となっております。が、その寿命の短さ故に知らないという方、もしくは知っているけれど忘れているという方が殆どかと思われますので、自分の復習も兼ねたキャラの情報を記載しておきます。まあ本文内だけで必要情報分は大方の察しはつく様書くし、多分大半の情報は使い切れず本文に無関係なので深く知りたい方以外はレンちゃんがかわいいという事だけ分かっていれば読み飛ばしても大丈夫だとは思う。
↓以下情報↓
魔女兵器に於ける魔女とは……何らかの情報に感染して神秘的特性を得た人間の事。なるのは基本的に女性だけ。覚醒の際は魔女の繭と呼ばれる結界を構成するといった特有の設定があるが今作では割愛。情報源は魔導書だったり、研鑽の末独力で辿り着いたり、生来の資質だったり様々。
情報には負荷があり許容量を超えると発狂。ドールと呼ばれる理性なき怪物と化す。因みに主人公はちょっと魔女に分類していいか怪しい更なるイレギュラーという扱い。
「
作中基本となるキーワードの一つ。特異点現象と作中で呼ばれる超常現象を起こす物の総称。魔女と関わりの深い物も異質物化する。
・レン
主人公。赤メッシュ(地毛っぽい?)入りの黒髪長髪、可愛らしい容姿でCVくぎゅうの十五歳。ひょんな事からとんでもない事件に巻き込まれ、そこで神様に夢であったら、と祈った結果奇跡の代償?として肉体を再構成され女体化してしまった男子。完璧に再構成された肉体なので傷一つない綺麗な身体をしている。身長は男子の頃は165cmだが女体化後は161cm(なおも成長中)と愛らしさの割に意外と高め。おっぱいは服によって見た目サイズが変わるがそこそこある。縞パン。ナプキン派。前述した経緯もあってか全身かなり敏感。
レンという名前は女体化後の名前で、「元の名前が男っぽいから変えよう」と発案したマリルにより「可憐で愛おしい泣き顔」からレン{本国中国版だと惹人怜愛(いじらしい)という言葉から引用して怜(レン)}と名付けられた。この時彼女によって戸籍を改竄され名実共に女の子となる。
魔女と関わりのある物、異質物に触れる事で力を解放、行使したり生前の魔女を召喚出来たりする。性質上は魔女を現界させる超パワーの電池。あと原理は割愛するが女体化の副次効果で常人より他者に共感し易く人の意図が結構読める。
素の身体能力は本当にただの女子中高生。頭脳は比較的おバカというか多分普通の男子中高校生。環境上美女に囲まれがちなのもあってそこそこの頻度で下心を出してしまったりするし、魔力反応の可能性もあるけど美人の魔女を見て下腹部を熱くして発情サインを示してしまったりもする。だから当然よく変態呼ばわりされる。心と身体を振り回されてるだけなんです許して差し上げて。
過去戦災で孤児となり貧しい思いをした立場から突然のお嬢様待遇(兼実験動物兼愛玩動物)という経緯なので色々大変。通わされる学校もお嬢様学校なので浮きまくりで日々苦労している。男の頃の自分の姿をした謎の人物が暗躍していて指名手配されてたり結構恒常的に不憫。かわいい。
・イルカ
軽めのウェーブの掛かった青髪長髪、うさ耳パーカー(原作ではローブと表記されている)で片目眼帯の13歳151cm。ストーリー上で順番的にはアニーの次に仲間になり妹枠に収まった……のだが原作では絡みが少ない。どうして。
さておきその無念を晴らすべく本作で絡ませるロリっ子。最初の邂逅でレンちゃんからチョコを貰ってからはチョコが好物でレンちゃんをお姉ちゃんと呼び慕う。元いたブラックな機関で改造され一部身体機能を機械化されているせいか、はたまた過酷な教育のせいか。歳のわりに幼くマシンチックな口調で喋る事が多く、脱げば身体も傷跡だらけと痛々しい背景を持つ人工魔女。魔法は電気を操る。
・アニー
最初の事件で偶々展示されていた異質物である金属バットから召喚された魔女。スポーティーで快活な青髪ツインテ娘で年齢身長はレンちゃんと同じだが、七年前の自身が魔女となるきっかけの事件で消息を絶っており、そこから肉体的成長を伴わないまま現れた経緯がある為記録上の年齢は22歳であり、肉体は今後も成長しないと見られる。魔法は野球由来のもの。よく見かけるレンちゃんの代表的服装であるヘソだしセーラー戦闘服は初回戦闘時の彼女からのプレゼント。
マリルからの計らいで最初期からレンちゃんと同棲していたり、任務の際や普段学園で過ごす間なんかも常に共にいる関係上ダントツでレンちゃんと過ごした時間が長く絡みも最多。どいつもこいつも賢めの話ばかりするキャラが多い中で彼女は比較的頭脳レベルも近い(とはいえマリル曰くレンちゃんよりずっと良い)ので親しみ深め。相棒、ないし正妻ポジ。
・ラファエル
上記二人と同様比較的初期のエピソードから登場し仲間になる。レンちゃんを初見で男だと見抜き、身体的に女性と判明後も女装癖のある変態呼ばわりするレンちゃん好みの美少女(変態呼ばわり弄りは割と皆してるので特段特徴的では無い)。魔法は回復魔法が主体。高慢な態度の才女系お嬢様キャラ。四コマ漫画ではちょっと太り易いらしく体重気にしがち。
・マリル
赤髪長身、グラマラスで威厳のある女性。SIDという秘密組織の長官でありレンちゃんの名付け親で保護者。めっちゃ優秀でめっちゃ偉いけどサディスト気質。レンちゃんを息を吐くが如く揶揄い泣かせて愛でる我らが大将。本作の舞台である豪邸は彼女の住所の一つでありビル自体がSIDの資産。
・アイ
見た目は白髪で華奢な女性博士。変態的好奇心の塊の様な人間でレンちゃん弄りのプロその二。レンちゃんの身体データは彼女が記録している。召喚された魔女の身体を保有する菌群まで検査して大興奮するど変態。毎度奇跡を起こすレンちゃんを宗教家が宣伝している神の子の様とマリルが話した折も、「聖女と呼んだ方が好き、汚してやりたいという禁欲感が生まれるから」と大変素晴らしい趣向を持つ。
こんなところでしょうか。読み返すと凄く面白いのだけれど原作未完の為か、明かされていない点、不十分な点が多くて寂しくなる。もっとキャラを掘り下げる日常回があれば……こんなにロスを引き摺る怪作は他にありません、たすけてえらい人。
さておき以下本文に入ります。時系列はチャプター3完結後からチャプター4の頭にかけて、レンちゃん達に暫しの休息が与えられたと見られる期間です。一つ目の✳︎以降がえっちパート。ストーリー思い出しながら読んだりして、どうぞ。
ある初夏の天気の良い昼下がり。第五学園都市、新豊洲市オフィスビル最上階の豪邸、リビングのベージュ色ソファーの上に一人。大股をかっ開き、乱れた赤メッシュ入りの黒髪長髪を整えず、淡い水色ワンピースの片方の肩紐をずり下げている、その与えられた豪華な環境にそぐわぬ上品とは程遠いだらけた格好をした少女の姿があった。
「〜〜♪」
彼女の名前はレン。訳あってこのような姿をしている、元男子の女子だ。化粧は一切していないにも関わらず皺もシミも、毛穴すらも見当たらない陶器の如き肌。猫や兎等、小さな愛玩動物を彷彿とさせる、庇護欲をくすぐられる容姿。それでいて未成熟ながらも耽美で、既に大人の色気を放つ豊かな肢体。外見は万人が見惚れるであろう程の紛れも無い美少女である。なれどその仕草からは稚拙な男子性が滲み出しており、表情、動作は腕白。はしたない事に下着未着の胸元は年相応以上に豊満でハリのある美麗な乳房の形がくっきり浮き出ている。それを気にする素振りは未だ無く、ぱっちりと開いた紅の双眸は前方全面ガラス張りの圧倒的景観には目もくれず、手元の端末から達成感のあるファンファーレが鳴らされた。
「ヨシ!」
また一発ゲット! やはりクイボ、クイボを信じる者は救われる……!
そしてふんすと鼻息を荒くし、細くしなやかな両脚をバタバタして喜びながら、満たされた今を噛み締める。
「んふふ〜ん♪」
今日は訓練も無く、予定も無い。ここの所忙しかったけれど、つい先日マリルから休暇を言い渡されたばかりだ。最近は暫く任務も無いから緊急の電話に怯える心配もほぼ無し。更にはこの間買い物に誘って来たラファエルは今日は別の用事があると事前に話を通して知っているし、同居人のアニーとイルカも何やら買い物だとか言って出掛けていて居ない。これ以上無い、久しぶりの完全フリーだ。だから俺は本来の俺が求るまま、クーラーの効いた部屋でだらだらとソファーに寝転がって、誰に憚られる事も無く図鑑埋めに勤しみながら自堕落な時間を過ごしている訳なのだけれど。
「ふんふ〜ふふふ〜ん♪」
有名な回復SEに合わせて呑気な鼻歌が飛び出し部屋に木霊する。高音部までひっくり返らず無駄に綺麗に響くので何となく気分が良い。ん〜っと伸びをして、
何せ人目を気にする必要が無いのだ。ドレスだのメイド服だの、ニッチな服ばっかり着せられて慣れない事をする必要も無い。面倒な化粧やブラジャーから解き放たれ、現存する衣服のレパートリーの中では可愛らしいものの比較的緩くて楽な部屋着の淡い水色ワンピに身を包んだまま、ゲームと食事以外の事は一切しなくて良い。なんて快適なんだろう。
机の上のスナック菓子を摘み上げては口に運び、ペットボトルの炭酸飲料で流し込む。宴、至福のひと時。このまま一日中のんべんだらりと過ごしていけたら、と、そう思っていたのだが、残念ながらそうはいかない。一つ忘れていた。
「うっ、やばっ、またきたっ……!」
尿意だ。これもある種身体が変わった弊害と言えるだろう。トイレが凄く近くて、おまけにちょっと冷えやすい。布地の薄い服ばっかりなせいもあるかも知れないけれど、それを差し引いてもだ。男子の頃の気分で過ごしている今、改めて実感してしまった。
空になったペットボトルに目をやりふとボトラーになる考えも頭を過ったけれど、流石にそれは衛生観念的に厳しいと瞬時に断念する。そもそも注ぎ口が失われているせいで難易度が上がっているので、やったら盛大に失敗しそうだ。
「くぅ〜〜っ!」
散々な事態を想像して尚更ブルっと来た。致し方無し。ゲームを一旦ポーズしてそっとソファーの上のクッションに置いた後、勢い良く起き上がった。そしてその動作で乱れて視界を少し遮った赤混じりの黒い長髪を首を振って退けながら急ぎ足でトイレに向かう。フローリングの上を裸足でペタペタ踏むと冷たくて、エアコン少し弱くしようと寄り道しかけるも、緊急の用事が先。少し戻りかけてまた進み、目的のドアへ辿り着けば、慌てて開いて中へ入り便座を上げた後、所定の位置でパンツを足元にまで脱ぎ下げる。
「…………あっ!」
ワンピの裾を捲り立ちションしかけたところでハッとして、咄嗟に便座に腰を下ろした。その瞬間、思ったより低い、便座無しの尻の置き場の少ない淵に尻が落ち、抑えていた力が一気に緩んで、ちょろっ、ちょろろろろ……。つんつるてんの股の間から小水が勢い良く便器の中の水溜まりを打った。
「あ、あぁ……」
やってしまった。とはいえ漏らすよりはマシだし、比較的何とかなる失敗だ。少し出した後に止めて、トイレットペーパーを手に取り股を押さえ腰を浮かす。そして便座を下ろした後は落ち着いてそこに座って、ホッと肩を撫で下ろし、特有の解放感に小さくぶるりと震えながら生還を噛み締める。
「あ、危ない危ない……」
気もそぞろになっていた。気を抜くと未だにこうなるのだから本当に恐ろしい。
任務中に失態を演じてしまった時の記憶が蘇る。アレらは外的要因があったからまだ割り切れたけれど、今回の様なケースでは自業自得。みんなにバレれば謗られる。既存の変態呼ばわりされる称号にお漏らしが追加されれば自尊心に一生残りそうな深刻なダメージを負う事間違いなしだ。
ほんと、全然慣れないなぁ……いや、慣れるのもどうかと思うけど、うーん……。
もやもやしている内に音はゆっくりと収まって、やがて静かになる。残ったのはトイレの消音器の単調な音だけ。そこで誰も居ない静けさを改めて実感すると、ふと寂しさの影が差す。いやいや、これが、この落ち着ける時間が欲しかったんじゃないかと否定するも、魔女達と過ごす慌ただしい日常を楽しんでる自分が居る事は否めなかった。
「ん……」
トイレットペーパーを手に取って局部を丁寧に拭き取る。こそばゆさに耐えて事を済ませれば便器の中に捨て、立ち上がればセンサーが反応して勝手に水が流れ出した。手を洗ってその場を後にし、元のソファーの上へ戻ったらゲーム端末を手に取って再開する。
かちかち、かちゃかちゃ……。
暫く先程までと同じ時間を過ごすも、物足りなさに取り憑かれたその指が止まるまでにそう長くはかからなかった。
✳︎
はぁ、と一つ物憂げに溜め息を吐く。ソロプレイが決してつまらない訳では無い筈なのだ。現にさっきまでは楽しかった。けれど、興が覚めてしまったのか、今は心が毛羽立って無性に虚しくて手に付かない感じだ。
その症状にはちゃんと名前がある。自覚して、遠い目をして、クエスチョンマークを浮かべた。
…………あれ? 俺、こんな寂しがり屋だっけ?
これでも戦災で家族を失い孤児として過ごしてきた身だ。孤独には慣れていたつもりだったのだけれど、おかしいな。
一人になった時は辛かったし、寂しかったのは確かだ。けれどそれ以上に生きる事に必死だったから、今の今まで気にする余裕がなかったというのが正しいか。いや、今が本当に余裕があるかと聞かれたらちょっとそうは思えないけれど。
自己分析も程々に目の前の液晶を暗転させて手放した。ごろんとその場で身を転がすと、目の前の机の上に座ったクマのぬいぐるみと目が合い、それと関連のある親しい同居人の姿に想いを馳せる。
アニー、いつ帰って来るのかな……。
脳裏で青いツインテが揺れ、快活で人懐っこい笑顔と共に親しみ易い口調と声が浮かんだ。ぬいぐるみと野球が大好きで、SIDに入って以来
周りが女子ばかりで落ち着かない中、あの子のお陰でいつも助かっていた。居てくれなければ自分はきっと多くの場面で居た堪れなさに押し潰されていただろう。感謝しても仕切れない。
可愛いし優しいし、彼女だったら最高だと思う。きっと男の頃今の距離感だったら迷わず告白してた筈だ。こうならなきゃそもそも出会えてもいないだろうし、いつもみたいに気軽にスキンシップなんて取ってくれないだろうけど。
細くしなやかで柔らかい中にちょっと硬いマメのある掌の感触、触れ合う肩と、女の子らしい甘い香りが蘇り、記憶上の喜怒哀楽様々なアニーが「レンちゃん」と自分を呼ぶ。もうだいぶ染み付いてきてしまった、マリルに名付けられた可愛らしい名前でだ。俺には一応元の名前があったけれど、今じゃもうその名前は記録上では上書きされてしまっていて知ってる人も限られているから。最初に出会った時を最後にずっとそう呼ばれている気がする。
途端にキュッと胸が締め付けられ、苦しくなった。封じて久しい願望が湧き上がって、どうにかなりそうな程の切なさを産んで鼓動を早めていく。
彼女は自分の男の頃の名前を知っている数少ない存在。だからまた性懲りも無く思ってしまった。二人きりの時だけで良いから、元の名前で呼んでくれたりしないかな、と。
アニー……。
ぬいぐるみからは彼女の匂いがする。抱いて嗅ぐとそわそわした気分が落ち着いて────────
「って、はっ! やばっ!」
なにやってんだ俺! こんなのガチの変態じゃないか!
いつの間にか腕の中に抱っこして匂いまで嗅いでしまっていた。人恋しいにしてもやって良い事と悪い事がある。罪悪感と羞恥で目が回った。慌てて離そうとしたが、乱暴には扱えない。そっとソファーの上に置いて、跳ね上がった心拍を深呼吸で整える。けれど中々冷静には戻れない。親愛と表現して良いのか怪しい、強い依存性を含んだアニーへの名状し難い感情が巡り続ける。
落ち着け……落ち着いて、何か別の事を考えろ……。
「すぅ……はぁ……っ、はぁ……」
意図とは裏腹に呼吸は乱れ、身体と心がそわつき、どんどん気分が変になっていく。下腹部が、臍の下辺りが熱を持って、そわそわ、そわそわそわそわ。覚えのある、この身体の発情サインだ。
経験は幾度かあった。けれど、今回のは少し
ちょっと待った……これ、ホントにまずい……。
内股になって太腿を擦り合わせてしまった。ぞくり、面妖な痺れが背筋を駆け上がる。下穿きの中が張った感じがして、思わずワンピの裾を引っ張りながら股間を押さえようとしたものの、そこに手の掛かる程の物は無い。掌底はなだらかなシルエットを摩って、その先の小さな豆粒サイズの引っ掛かりに触れた。瞬間、じくんっ!
「んんっ⁉︎」
腰骨から脳天にかけて、身体の芯を強烈な電流が突き抜けビクッと背筋が跳ねた。電気に例えたが感じたのは痛みや、長時間正座した後なんかに残る不快感のある痺れなんかでは無い。癖になる様な快感。脳髄に刻み込まれて人を狂わせるタイプの、知っちゃいけない快楽だ。慌てて両手を上げた後、力無くソファーの上に置いた。
「っ、はぁっ……はぁっ……!」
暑い。さっきまで寒いくらいだったのに。大袈裟な鼓動は耳から飛び出そうな程暴れている。胸が苦しい。切ない。頭の中がピンク色に染まって、息遣いすら如何わしく感じる。何故か涙が溢れてきた。
呼吸に合わせて露出している華奢な肩が動く。シルクの如く滑らかで綺麗な肌がほんのり明らんでいて艶かしい艶を放っている。身悶えするとワンピの下、柔らかな胸も揺れる。当初からまた大きくなったかもしれない。谷間が蒸れている。視線は吸い込まれ、より奥を覗き込んだ。淡い桜色のぷっくりした先端部分が見えた。首をもたげて近付くと自分の熱い息がかかって、むあっと桃とミルクの中間みたいな優しくて甘い香りが立ち上がり鼻をくすぐる。
「ふー……ふぅっ」
ごくり。生唾を飲んだ。記憶に残るアニーの匂いと重なって、彼女の身体もこんな感じなのかな、なんて変態的な妄想が膨らむ。通常なら精々匂いと映像が限界だが、今はあまりに身近に女体という材料が存在するせいで解像度に際限がない。より濃厚で鮮明な興奮のエッセンスとなっていく。
「だ、だめだ……」
これまで必死に気を逸らして来た女の子らしい自身の身体の特徴から目が離せない。自分の物とは思えない程綺麗で、柔らかくて、でも紛れも無く自身の神経の通った肢体で。意識すると感覚がより強調される。ワンピースの下のボディーラインが、座っていても丸くて幅を感じるお尻が、膝を揃えた白くて傷一つない脚が、細い腕が、美麗な手が爪が。先程まで何とも思わなかった所まで扇状的に見えて来る。
呼吸に合わせて服と
「んぅっ……はぁっ」
もじもじくねくね。えっちな動きが止まらない。掌はいつの間にか脇から抜けて、横乳を揉み
「ぁ、はっ、ふっ……んんっ!」
誘惑に負けてそこを指の腹でくるくると擦ってしまった。大当たりみたいだ。弄った途端背中が勝手に反って「はぉっ!」と肺の中の空気を全部吐き出してしまった。しかもそれには飽き足らず、摘んで転がすと触り心地が良いだけじゃなく「んっ! くぅっ!」と身体から大きな反応が引き出されて、生じた快感が腹部で弾け腹筋が勝手に何度も強く凹む。触っているのは胸なのに、生じた衝撃が腹の奥底に重く深く響いてくる。それが少し不思議でクセになる。
「んっ、はっ……これ、やばいぃ……っ!」
袖の無いワンピースなので手軽に横から服の中に手を突っ込んで直に揉み擦りし始めると、手にしっとりもっちりした生の肌感触が加わりつつ、更に乳房側にも新鮮な快感が染み渡った。日頃シャワーを浴びる時なんかに何度も味わってすっかり慣れていたと思ったが大間違い。一揉みするだけで「ああ……」と温泉に浸かった瞬間の様な恍惚の吐息が漏れ、一つ先端を指の側面で弾けば「んぉっ!」と一々不意を突かれたみたいに声が跳ねる。
きもち、よすぎぃっ……!
これが女の子の快感なんだろうか。殆ど経験がないから何とも言えないけれど、男体での快感とは比べ物にならない気がする。何かの本で読んだけど本当にこれは、この感覚は、味わい続けていたら戻れなくなってしまうかもしれない。
「はっ、はひっ……んっ、んはぁっ」
脳髄は度重なるパルスに灼かれて蕩けていく。瞼が重くなり目はとろんと座って、だらしなく舌が放り出され、口元からは犬みたいな吐息が吐かれだした。誰がどう見てもはしたない、発情したメスという感じの振る舞いだ。それが殊更劣情を誘って自身を更なる深みへと誘う。
「はぁっ、はぁっ、はぅっ、あぁっ!」
そのうち股下の疼きが限界に達して、興味が其方に移る。ショーツのクロッチだったか。ソファーの高級そうな布地に当たって擦れるその箇所の感触には、何か滑りの様な物が含まれている。くにくに押し付けると、腰から下が一気に甘い痺れに侵された。
右手の指先は女体の
い、いやダメだって……それだけはやっちゃダメ……!
禁忌的欲求のサインの数々に、漸く自制心が警鐘を鳴らす。ここでやってしまったらきっと皆に、アニーに顔向けが出来ない。
いつもの様な人の目や忙しさが無い以上、踏み留まらせるのはその精神的モラルしか無かった。しかしそこへ己が内で抑えていた獣の魔が差す。
────仕方ないじゃないか。俺は悪くない。こんな環境を作った周りが悪いんだ。だから、ちょっとくらい良いだろ。
きっと今は誰も見ていない。バレなければ……。流されそうになった所でハッとした。
いや、ダメだバレる! そうだ、そういえば、この部屋はマリルに監視されてるんだったっ……!
大慌てで部屋の隅のスピーカーに目をやった。幸いにも想像した様な彼女の意地悪な音声は無い。
掌で顔を覆って、再びソファーの背もたれに沈み込む。
「はぁっ……っ……はは……」
乾いた笑いが出た。そうだった。今の自分にプライベートは無いんだった。
気が抜けてた。偶々今日は休暇で、部屋に一人残されているだけ。自由に好き勝手出来る訳では無いのだ。
でももうさっきまでの見られてたよね、これ……。
手遅れ感で一気に頭が重くなり、潤んでいた目元から頬へ涙がつーっと伝った。俺この先どうやって生きていけば良いんだろう。そう嘆きを溢し、ゆっくりと天井を向いた顔を戻した。すると、幻だろうか。正面に小さな人影を見た。
「お姉ちゃん、泣いてるの?」
見知った黒のうさぎパーカー。幼げで可愛らしい少女の声。血色のいい頬に僅かに掛かった若干ウェーブがかった柔らかそうな青髪長髪と、自分より一回り小さくて可愛らしい幼女的魅力のある容姿に、左目部分に当てられた青い目の描かれた眼帯を認識した辺りで
「ねこさん?」
「あああちがうっ! はぁっ、ち、ちがうんだイルカこれはそのっ!」
イルカ。アニーと出会ってから最初の方の任務だったか。所属機関の酷い扱いを受けていた彼女とそこで出会って保護して以来、成り行きで同じ屋根の下で過ごす様になった、十三歳で年下の魔女の女の子。過酷な環境下に身を置いていたせいか口調や見た目は歳以上に幼くてどこか危なっかしいのだけれど、自分よりはずっと賢い。先程までの行為を何処まで知識として持っているのかは少々未知数だ。
「? なにしてたの?」
取り乱す此方をくりりと無邪気な
堪らず「っ、あっ、アニーは……?」と話を逸らそうとした。しかし「お夕飯の支度、そう言ってた」と簡単に返されて、再び「ねえ、なにしてたの?」と問われてしまう。
「あ、へ、へへ……」
もう下手くそな愛想笑いをせずにはいられなかった。他の全員にバレたとしてもこの子にだけはバレてはいけないし、バレたくなかった。俺の知り合った子の中では一番純真無垢な存在だ。
荒い息は色っぽさを含んだまま全然整わないし、熱を孕んだ肢体は未だに服との擦れ一つで疼くけれど、上気していたであろう顔の血の気が一気に引いていくのを感じる。己の尊厳は風前の灯。この後の言葉次第で簡単に消されてしまいそうだ。
それでもまだ察しはついていない様子。自分は愚かしく「っ……いつからいたの……⁉︎」と言葉を絞り出しワンチャンを期待した。が、
「クマさん、だっこしたところから?」
轟沈。死刑確定。さよなら人生。今すぐ窓から飛び降りよう。
尚、詰め寄ってきたイルカがどすっと自分の頭の左右に両手をつき、ふかふかのクッション材が二人分の重さで沈み込めば、立ち上がる事もままならず此方の逃げ道は塞がれる。
「質問、答えてない。さっきまでの、なにしてたの?」
あっ、やば……。
不意に下手に動いて股下から変な水音が立ったりしないか心配になる。沈んだ分腰がずりっと滑って変な声が出そうになった。
「んっ、えっ、えっと……何してたと思う?」
「お姉ちゃん、質問に質問返すの、禁止!」
目を逸らし煮え切らない態度を取り続けると、最初の内は興味だけを示していた無邪気な声音に俄に怒気が篭った。焦らされた俺は「う、わかったわかった!」と両手を上げて降参しながらえーっとと逡巡した後、往生際悪く嘘を吐く。
「マッサー……ジ?」
「まっさーじ?」
キョトンとしたまま小首を傾げられた。罪を重ねる事の愚かしさで胸が締め付けられるが、そこである種手応えを得たと錯覚した此方の舌は苦し紛れに回り出す。
「そう! マッサージ、マッサージだよ! っ、いやぁゲームやってたら肩凝っちゃってさぁーあははー」
我ながら上手い嘘を吐けたと思った。けれども、どうも悪手だったらしい。徐々に彼女のお顔は訝しげに変わっていく。
「はぁっ、昨日の訓練もちょっとキツくて、筋肉痛なんかもホラ……だから……」
「表情、識別……うそつき」
「えっ、うっ、ウソじゃない! ウソじゃないよホントだって!」
筋肉痛が残ってるのはホントだから! 今だって腹筋がちょっと痛いし……って?
ぽむん。彼女の小さな両掌が此方の柔和な胸を包む様に置かれた。突然のクリティカルな刺激に図らずも小さく「あんっ」とこってこてな女の子の反応を返してしまい、直後心無しか悪戯っぽい囁きが頬を撫でる。
「なら、イルカがマッサージしてあげる」
「へっ……?」
「スキャン開始……身体データ、把握」
「ちょっ……イルカ、ちゃん……?」
薄紅色の唇の端が上がったかと思えば、ぎらりと隻眼が妖しく光った気がした。
何てこったっ、イルカがマリルやアイみたいな意地悪な顔になってるっ! そんなサディスティックスマイル教えてないのに、いつの間に悪い影響をっ⁉︎
「マッサージ、開始!」
瞬間、敏感な箇所にびびびびびびと丁度良い強さの電流が放出。俺が理解の追い付かぬまま背筋を仰け反らせ、「んぎっ、いいいいっ⁉︎」と腰骨を突き抜ける強烈な快感に喘いだのも束の間、電流は途切れず持続し、主に胸回りを皮膚の内外問わず網目を張って弄る様に走り続ける。
「探索、効果的なツボ……」
「いっんぅっ、ううううぅっ、ったんまたんまっ、はぁっ!」
「実行中、たんま、無し……!」
「んひっ、まってまってっこれしぬっ! しんじゃっ……ふあ゛ああっ!」
「調整完璧、死なない、だいじょうぶ!」
そう、どれ程幼く好意的に見えても、彼女は電気を操る魔女。気を抜いてはいけない相手なのだ。俺は自身の認識が甘かったと悟り、身体を捩り、くねり、暴れ回ろうとした。けれど捕らえられた胸が吸い付く様に殆どイルカの手元を離れず、さして動けない。電流によって全身が操作されているみたいだ。神経の一本一本に微細な信号を送られて筋肉が操られ、動きの範囲を制御されている。腕も磔にされたみたいに全く言う事を聞かないし、仰け反ったり腰を前後に動かす以外びくびくがくがく小刻みに震える事しか出来ない。
「やっ、ぁ、ぁ、ああっ、んにゃっ、めぇえっ……!」
やめてと言おうとしただけなのに、自分が出したと思えない様な甘く媚びた感じの声が出た。自分より小さな女の子相手に、なんて恥ずかしい。
「ターゲット検出、ここも、ここもここも……!」
的確に脇から胸部分にかけての弱点が炙り出されていく。擽ったいツボみたいな場所があって、そこに次々と痛みの無い僅かに熱い針を刺される感覚だ。それをやられると一気に背筋に快感が迸って腰が抜ける。一度開拓されると微細な刺激が脳天まで甘く優しく響く様になってしまう。鍼治療に似てるけどそうじゃない。アレは鈍感な所に刺すやつだ。これはきっと違う。
「んふぅっ、うっ、んおっ、おおおっ、っ〜〜〜〜!」
「効果確認、続行……!」
横乳から摩る様にして侵略されていく。根本から先の方へ。ゾワゾワゾワっと熱い肌が泡立つ。イルカは知ってか知らずかすこぶる楽しそうだ。大方くすぐりとかそういう類の悪戯をしているつもりなのかもしれないが、加減が無い。これならふん縛られて痛め付けられた方が幾分かマシだ。情けない声も抑えられないし、緩んだ表情も取り繕えない。あまりの辱めに涙が溢れる。
「ぐっ、ん゛うううううっ!」
俺は精一杯の抵抗を試みた。が、その前にずしっとお腹の上に乗られて、「ふぐぅっ⁉︎」という情けない声を上げ、逃亡は失敗に終わる。更に胸をむぎゅっと鷲掴まれ一言「だめ! 怪我する!」と告げられ、マッサージという名の責めは苛烈化。地道に耕された横乳全体をそっと揉み寄せながら乳首を優しく摘み上げ転がされる。実際の手の動きも加わり、逃げ場の無い刺激で頭が真っ白に塗り潰されていく。
「くふぅっ、うっ、くあっ、あああ!」
「動作、再現……お姉ちゃん、こうしてた。どう? 気持ち良い?」
彼女は見た目よりずっと重い。もう幾ら力を入れても、非力な今の自分ではテコでも動かせそうに無い。
「おもいっ、かはっ、よくないっ! よくないからやめてぇっ……!」
必死に懇願するも、震える言葉の語尾は分かり易く上ずっているし、身体は自ら乳房を彼女の手へ向かわせている様にしか見えない。結果「識別、またうそ!」と判定されて、ワンピースの袖から手を突っ込まれた後、罰だと言わんばかりに一層硬く痼り浮き出た両胸の突起を直にギュッと摘まれ、強めの電撃を流された。びりりっ!
「い゛っ……! ぐううううっ!」
「うそつきだし、デリカシー無い! 痛くする……あれ?」
更にもう一度、試す様にしてびりっ! びりりりっ! 鋭敏な神経が灼かれる。瞬間、何か張り詰めていたものが軽く弾けた。
「んに゛っ! ふっ、ふぎゅっ⁉︎ んゔううっ⁉︎」
「なんで? お姉ちゃん、気持ち良さそう?」
困惑の声。彼女は痛くするつもりだったらしい。けれどもどうにも、こちらが受け取るのは鋭い快感ばかり。
「なんで? データ混乱」
こっちが聞きたかった。ただ問う間も無く再度電撃は繰り返され、より激しく、ダイレクトに官能を刺激する。その度「やあっ! あああああっ! んあああっ!」と俺は艶っぽい喘ぎ声を上げてしまい、結果ジャッジが下される。
「判定、快感指数激高、変態!」
「そんら、りふじん゛っ……な゛ああああっ⁉︎」
「変態、ヘンタイ、へんたい!」
挑発的かつ享楽的に、続け様に連呼される。言葉通りなら逃げるか意識を刈り取るかの二択を取ってそうな所だが、彼女はそうする素振りを見せない。寧ろ前のめりになって電撃と揉み擦りに身が入る。
「ひあっ、ああっ! やめっ、とめへええっ!」
びりびりちくちくで快感を掘り起こされ、すりすりもみもみで馴染まされる。乳房が熱く蕩けていく。蕩けて、その熱と痺れがお腹の奥底まで伝わって、きゅーっと締まる。その先、その更に下のあそこが疼いて、へこへこへこへこ、手っ取り早い刺激を求めてしまう。口では形だけやめてと言っているけれど、身体はもう嘘をつけない。というか口でも大して形に出来てない。「やめて」という言葉の後ろにハートマークが付いているみたいな声色で、自分でもフリにしか聴こえない。
「ぁっ、ゃ、ぁ、ああっ、んっ、んんんっ、ふぅっ……!」
服の中、イルカの小さな手が蠢く様が艶かしい。柔らかな双丘が揉みくちゃにされているという実感が酷く興奮を誘う。浅ましく腰が動いて、その度じわっ、じわっと股から滑りが滲み出すのを感じる。直接刺激の無い箇所の異変が一人の時より
「いるかっ、ほんとっ、だめええぇっ! んんんっ、やばいっ、やばいってっ……んっ、んんんんっ!」
「指数、上昇……まだ上がる……?」
「もうむりっ、むりだってばっ……ああぁっ!」
今度は軽くでは済まない。臍の下で溜まりに溜まった熱が弾け飛びそうな、遠くへ行って戻って来れなくなりそうな予兆。それが刻々と迫り来る。怖い。恐怖で身体が強張る。一切の余裕を失った俺は、ただみっともなく哀願した。
「おねがいいるかぁっ! なんかくるっ! とめてぇっ!」
「人はまだ来ない、続行!」
「そういう意味じゃっ、ぁっ、ぁ、あ゛ああぁっ!」
興が乗った様子のイルカは止まらなかった。膨れた乳輪と尖った乳首に集中的に狙いを定め、つまむ様に指先で転がしながら電撃を流し続ける。尋常じゃない快感に襲われ「んあ゛ああぁっまってまってまってっ……!」という声と共に背筋と首が反り上がり、俺はぎゅっと目を瞑った。すると次の瞬間、びきんっ!
「んきゅっ⁉︎」
一閃、臍下から脳天を貫く様な電撃が走り強烈な引き攣りが起こった。それは一度では終わらない。引いては寄せる波の如く繰り返し押し寄せ「ぅっ、ぁ゛っ、ああぁっ⁉︎」と海老反った身体を陸に打ち上げられた魚の如く跳ねさせる。
「あっ……指数、オーバーフロー……お姉ちゃん!」
息も吐けない。苦しい。けれど、全身がふわふわする。
ゆっくりと遠ざかるイルカの心配そうな声を聞きながら、俺は意識を失った。
✳︎
────ンちゃん、レンちゃん。
「……んあ?」
「あ、やっと起きた」
揺すられ、呼ばれた気がしてふと目を覚ますと、夕陽を背にしたアニーの顔が視界に映った。事が事だ。「うわぁっ!」と俺は飛び起きて身構える。
「うわっ、どうしたの⁉︎」
そして彼女が驚くのを尻目に辺りを見回し、食卓の方で見知った白衣を着た赤い長髪の女性を見つけて更にギョッとした。
「ふん、どうした? そんな化け物を見た様な顔をして」
「っ、マリルっ……!」
何でここに、と言いかけて口籠る。そんな事聞くまでも無いじゃないか。
「休暇中だ。偶には一緒に夕飯でもと思って来てみれば何だ、傷付くじゃないか」
「ひっ、ごめんっ、ごめんなさいっ……!」
と、謝りつつおや? と違和感を抱く。しでかした事案的にファーストコンタクトの時点でもっと緊迫感があって然るべきだと思うのだけれどそうじゃない。テーブルには買って来たと見られる寿司が置かれていて、普通の晩餐ムードに見える。
「起きたなら早く一緒にお寿司食べよ! 今日ホントはカレーだったんだけど、マリルさんが買ってきてくれてねー!」
「う、うん……」
寝惚けて鈍麻した感覚のまま、アニーに連れられて食卓に向かう。途中先に席についていたイルカと一瞬目が合った気がしてドキッとしたが、彼女は「お姉ちゃん、早く!」と急かすばかり。振る舞いは自然体であり、何事も無かったかの様だった。
「まったく、朝からゲーム三昧した後にこの時間までお昼寝とはな。いい休暇を過ごせた様で何よりだ」
「う、あ、はは……」
あれ? 見られて、なかった……? というか、何もなかった……?
徐に席に座って、全員一緒にいただきますと手を合わせ食事を始める。それから暫く様子を伺うも、マリルが居る以外特段変わった様子は無し。次第に昼間の出来事は全て夢だったのではと、そう思い始めた時だった。
「そういえば昼間辺り、この部屋の監視システムに不具合が起きてな」
マリルが唐突に発したその一言で緊張が走った。
「一時的なもので小一時間で復旧したらしいんだが……何か思い当たる原因とかあるか?」
「えっ、いや……」
どう考えるべきか迷う俺はゆっくりと視線を向かいの席のイルカへ向けた。どんな反応を見せているのか確かめる為に。すると、
「ごめんなさい、たぶん、イルカのせい」
彼女は表情をしゅんとさせ早々に自供した。ただ、理由は以下の様に続く。
「お姉ちゃんとゲーム遊んでる時、魔法、暴発。周辺機器、一時故障」
「成る程、随分と盛り上がったんだな」
「えっ、大丈夫だったのそれ⁉︎」
「損害、軽微。違ったら警報、鳴ってる」
自分の記憶とは大幅に食い違う話だった。しかし話し手がイルカ故か、マリルとアニーは疑う素振りは見せず揶揄う様に此方を責める。
「ダメじゃないか、責任問題だぞ」
「そうだよレンちゃん、ダメだよ」
「えぇ……? 俺が悪いの……?」
「当たり前だろう? 年少者を正しく導く事はお姉ちゃんの務めだ」
「それはそうだけど……」
色んな意味で納得いかず俯く俺は、湿り気味の股の感触が気になり始めてそわそわし始める。思い返すと一気に下っ腹がきゅうっと熱く切なく締め付けられて、くちゅり。腰をずらした瞬間滑った感触が返った。
とそこへ、正面から「ごめんなさい」としおらしいイルカの声がした。上目遣いで瞳を潤ませており反省を伺わせている。全てを許してしまいたくなる様な可愛らしさだ。
「う……」
そもそも、彼女を責める程の材料は存在しない。その場で厳しい事を言うなんて不可能だった。
「い、いいんだよ。俺も悪かったから……」
「怒ってない? また遊んでくれる?」
「うん、怒ってないし、大丈夫だよ」
甘々の対応に対し「望み薄だな」「甘やかし過ぎは良くないっていつも言ってるんだけどねー……」と両名の非難が飛ぶ中、「ほんと?」と曇っていた少女の表情はけろりとして、席を立ち、テーブルを回り込むと、ひょいと膝の上に乗る形で此方に抱きついて来る。もみっ。
「んっ……⁉︎」
不意打ちだった。軽く胸に触れられて、あの悪戯な表情と共に、甘く耳元で囁かれる。
「じゃあ、また遊ぼうね。レンお姉ちゃん」
ぞくり。身体の芯が痺れ、心がざわついた。