※この作品はR-18です。

わかさぎ姫に襲われる話   作:奈伎良柳


原作:東方Project
タグ:R-18 オリ主 わかさぎ姫 和姦
注意点
二次設定、独自設定、独自解釈等があります。
オリキャラ(名無し男)との絡みになります。

本作は以前頒布した拙作『大好きな貴方と』に収録されている、わかさぎ姫の話の公開版です。

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わかさぎ姫に襲われる話

「私、このままじゃ駄目だと思うの!」

 霧の湖の片隅に存在する、木々や草むらに囲われつつも適度に開けた入り江。自分達だけが知る秘密のこの場所に、少し厚めの布を敷いて簡単な荷物を入れた籠を脇に置けば、お手軽プライベートルームの完成だ。

 そんな二人だけの寛ぎ空間に移動して早々、わかさぎ姫は普段の淑やかでおっとりとした雰囲気らしからぬ調子でそう意気込む。

「……えーっと、何が、というか、詳しく聞いても?」

 話が見えないが何はともあれその理由を尋ねると、わかさぎ姫はうんうんと大きく頷く。

「勿論! あのね……」

 曰く、先日ある夢を見たと。それはある異変で小槌の影響を受けていた頃の夢であり、博麗の巫女を相手に大立ち回りを演じる自分がそこに居た。

 そして、その夢から目覚めた際、『あの時の私はとても妖怪していたのに、今の私はすっかり緩んでしまっている』と強く思ったらしい。

「――って、こと! 貴方もそう思わない?」

「…………な、なるほど、ね……」

 事のあらましを聞いて、正直なところ愛想笑いしか返せなかった。そもそも、その異変においてわかさぎ姫はかなり一方的に巫女に退治された筈だし、妖怪らしい行いというのもちょっと暴れていただけであり、霧の湖で人魚が誰かを襲ったなんて話は自分含め人里には何一つ届いていない。付け足すなら、これらの話は彼女の友人達からも当時の思い出話として裏が取れている。

「……それで、どうするの?」

 もっとも、やる気に満ちているみたいなので水は差すまいと続きを促すと、彼女は尻尾でぱしゃんと水面を叩き、張り切った笑顔を見せる。

「よくぞ聞いてくれました! いい考えがあります!」

 さて、一体どんないい考えがあるのか想像は全く出来ないが、意欲たっぷりにはしゃぐわかさぎ姫はとても可愛らしい――。

「今からするえっちは、今日は私から沢山します! つまり、私が貴方を襲っちゃいますっ!」

 なんて和やかな雰囲気を吹き飛ばす、なかなか衝撃的な案が飛び出した。

「……そういう方向性の話?」

「だって、本当に人を襲って危害を加えるの、色々と怖いもの。失敗は勿論、成功してもまた退治されちゃう。でも、貴方をこういう襲い方なら平気でしょ?」

 確かに、釣りや涼を求めて霧の湖にやってきた人々にちょっかいを掛けて彼女が痛い目を見る、なんてのは可能ならば避けてもらいたい。

 その点、自分をいいようにして満足してくれるのであれば、誰も損しないどころか得しかない。

「それに、いつも貴方がリードしてくれるから、私だって出来るってとこ見せたいもの!」

 わかさぎ姫は体の前でぐっと拳を握り、見るからにやる気十分気合十分といったところ。

 こちらの気持ちとしては即了承を返したいくらいだが、まだ気になる点があり。

「でも、今日でいいの? 日を改めて、家の風呂場とかでした方が、姫も色々しやすいんじゃない?」

 人魚であるわかさぎ姫との交わりは、地上と水中どちらでも問題なく行えるが、その場所によって主導権の握りやすさはお互いに大きく変わる。今回みたく彼女がリードしたいと意欲的ならば、水中の方が当然融通が利く。

 とはいえ、今すぐ霧の湖に浸かって、となればこちらの体が冷えに冷えてしまう。真夏ならまだしも、ここ最近の程よい気候程度では、少しならともかく浸かり続けるのはなかなか堪える。それで自分が体調を崩しでもすれば、一番心を痛めるのは提案したわかさぎ姫自身だ。

 以前、「今日はちょっと暑いし……」なんて湖の水温を甘く見て実際に行った際、翌日に軽い風邪を引いてしまい、それはそれは心配を掛けたし、当日張り切っていたわかさぎ姫本人もとても申し訳なさそうにしていた。

 なので、今回は後日改めて彼女を自宅に招き、浴槽にぬるま湯を半身浴程度に張って――時折、実際に行っている性交だ――と提言してみるが、わかさぎ姫は首を横に振る。

「出来れば今がいいの。先延ばしにしたら、今のこの気持ちがどこかに消えちゃう気がするから!」

 彼女はぎゅっと握った拳をぶんぶん振って、自らのやる気をアピールする。

 ここまで強気に言うなんて珍しい、と思う傍ら、わかさぎ姫の可愛らしい姿にまたも和んでしまい、つい返事を忘れてしまう。

 すると、向こうからは提案を蹴られ無言になったように見えたのか、握っていた拳を解いて指先を顔の前で組ませた。

「……だめ?」

 強気さの欠片もない青い瞳でこちらを上目遣いに見上げ、おずおずとお願いするわかさぎ姫。

「いいよ」

 そんな目を向けられて断れるわけなど無く、了承を返すと小声で「やった」と声を漏らす。ここまでずっとあざといほどに可愛らしいが、彼女の場合は全て天然なのが恐ろしい。

「じゃあ、今日は私から、いっぱいしちゃうからね!」

 わかさぎ姫は少し不安そうにしていた顔を綻ばせ、満面の笑顔を見せる。

「では、どうぞ。お姫様のお好きなように」

 そんな喜びと張り切りに満ちた彼女に向かって両手を広げ、少々わざとらしくも縁起っぽく呼び掛けると、「え? えーっと……」と考え込んでしまう。自分から、と決めていても、具体的に何をどうするかはまでは考えていなかったらしい。

 そんな気はしていた、と的中した予感に少しばかりの達成感を覚えつつも黙って待ち、それから十秒ほど思案の間を挟み――。

「……えーい!」

 わかさぎ姫はこちらに跳び掛かって来た。

 先の話とは食い違う、あまりにも直接的な“襲う”。しかし、襲うないし主導権を完全に握って行為に及ぶことも不慣れな彼女に、あんな風にいきなり水を向ければこうなる気がなんとなくしていた。

 なので、そのままわかさぎ姫を抱き留めると、彼女はあははと笑う。

「今のを受け止められるなんて凄い!」

「そう来ると思ったからね。急に跳び掛かってくるんじゃないかなって」

 それから一頻り二人で笑い合った後、わかさぎ姫はばっと両手を広げる。

「でも、ちゃんと襲っちゃうからねっ。えーい!」

 そして、もう一度気合の掛け声を入れて、ばたんと圧し掛かって来た。

 率直に言えばこれも簡単に撥ね除けられそうだったが、それでは埒が明かないので圧し掛かりを受け入れ、抱き留めたまま後ろに倒れ込む。

 体に密着する、わかさぎ姫の柔らかい肢体と人間よりも少し低い、けれど確かに温かな体温が心地いい。

「あとは姫に任せるよ」

「うん。それじゃ――」

 そう笑い掛けると、わかさぎ姫は浮かべていた笑顔を見慣れた淑やかなものに変える。落ち着いた雰囲気の、まさしくお姫様のような気品を携えた柔和な微笑み。

「しちゃうからね?」

 それを妖しい笑みに変えて、舌をぺろりと覗かせて少しだけ唇の端を舐める。こちらを見やる青い瞳が湛える光が、一瞬だけ妖艶なものに変わる。

 それは、彼女が人間ではなく妖怪だと再確認させるには、十分なもので。

 思わず、背筋がぞくりとした。

 

 

 

 いくら目の前のお姫様が虫も殺せないような大人しい性格とはいえ、血気盛んな今のわかさぎ姫に押し倒されれば、多少なりとも緊張する。

 さて、何をされるか。彼女の性格上、一足飛びにかっ飛ばしたりはしないと思うが、こればかりはちょっと分からない。

 自然と身も心も身構えていると、わかさぎ姫はこちらの顔に向けて手を伸ばし、両の頬にそれぞれの手を添えると優しく包み込み、ぐいと顔を寄せる。

 向き合う彼女の顔が、一気に近付く。視界に飛び込む、きめ細かな白い肌。涼しい日陰にもかかわらず、薄らと紅潮した頬。くりっとした丸っこい大きな瞳は透き通る青を湛え、見惚れ溺れるほどに美しい。

 そして、ぷるりと弾ける瑞々しい桃色の唇は見るからに柔らかそうで、蠱惑的に視線を誘う。わかさぎ姫の持つ幾つもの魅力から目線を外せずにいると、頬に添えられた細くしなやかな指に少しだけ力がこもる。

「えっと……、する、よ?」

 わかさぎ姫は小さく首を傾げ、囁く。浮かべている表情こそ笑顔半分戸惑い半分だが、しっとりと濡れた瞳には有無を言わさぬ強さがあった。

 その蒼玉に押されて何も返せずにいると、彼女の唇が近付いてくる。

「んっ……」

 やがて、二人の唇は触れ合う。ふわりと触れた柔らかな感触は、視線に続き心までも一瞬で奪ってしまう。

 しかし、その感覚に浸る間もなく、口唇をわかさぎ姫の舌がつんつんと数回つつく。唇を重ねるだけでなく、更に深い繋がりを求める合図だ。普段はこちらからが多いお誘いだが、今日ばかりは『積極的』の言葉どおり、彼女から。

 催促に応えて唇を開けるとおずおずと彼女の舌が侵入してきて、先の唇に倣って舌同士も触れ合う。積極的なお姫様はぎこちなくもこちらの舌を自らの舌で絡め取り、緩やかな愛撫を始める。

「んっ、ちゅ、はぁっ……。ん、あむっ……」

 温かな唾液を纏った粘膜を絡み合わせ、小さな水音を鳴らす。唇を甘噛みしては啄み、舌にも愛撫を施しては、ちゅ、ちゅうっ、と吸い上げ、歯にも舌先を伸ばして丁寧に撫でてくれる。

 これは責められているのではなく奉仕されているのでは、と思いつつも、主導権を自ら握り、積極的に頑張るわかさぎ姫がとてもいじらしくて。

 こちらからも彼女の舌の動きにこそ合わせるが、それ以上はしない。わかさぎ姫に身を委ね、したいように任せる。

 そうして可愛らしい責めを受ける傍ら、ついいつもの癖で彼女の頭に手を回して髪を梳いてさらさらと撫でてしまい、これは趣旨に反するかも、と手を止め掛ける。

「んー……、はぁっ、ふふっ……、ちゅっ……」

 だが、そんな無意識の所作にわかさぎ姫が漏らした声は嬉しそうなもので、緊張も幾らか解れたのか、交わらせる舌の動きに少し余裕が出始める。

 ――それなら、いいか。そう判断して彼女の頭に添えた手は止めず、偉い偉いと褒める心地で緩いウェーブを描くさらさらの青い髪を手櫛で梳く。

「ちゅっ、ちゅぷっ、んっ、くちゅっ……」

 口内で睦み合う舌を通じて痺れる甘さが重く伝わり、歯列や歯茎までもが愛撫されていく。すっかりわかさぎ姫に当初の硬さは無く、こちらの頬に添えた手の力を強めて、より深くまで舌を潜り込ませてくる。

 彼女と逢瀬を楽しむ前には、体を重ねる如何に問わず身嗜みはきちんと整えている。とはいえ、磨いたはずの口内の隅々まで改めて綺麗にされてしまうのは、羞恥が強い反面蕩けるほどに気持ちよくて、昂る興奮に血流が下半身に集まっていく。

「ちゅっ……、んっ……」

 わかさぎ姫の頭を撫でる手が快楽の強さに覚束なくなり始めた頃、彼女はそっと唇を離す。

 つい今し方まで愛し合っていた二人の唇はすっかり唾液に塗れてしまい、もはやそれがどちらのものかなんて分からない。

 彼女は自らの口唇に人差し指をそっと這わせ、二人の唾液が混じり合ったものを拭うと指先をぺろりと舐め取る。

 伏した青い瞳と長い睫毛、ちらりと覗く赤い舌に見惚れていると、艶やかな人魚姫はこちらの口唇に同じ指を這わせて拭い、これまた同じく唇の前に突き出す。

 命令されてもいないのに、誘われるように先の姿に倣ってそれを舐め取る。自分のものだけではない、わかさぎ姫の味も色濃い、熱くとろみのある唾液にかあっと体の芯の熱が増す。

「どうだった?」

「……凄く、気持ちよかったし、上手だったよ」

 普段は自分がリードする場合が多いので始めはどうなるかと思ったが、そんな心配を吹き飛ばすほどに上手だった。

 素直にそう伝えると、わかさぎ姫は嬉しそうに笑う。

「ふふっ、よかった。私も最初は不安だったけど、貴方がなでなでしてくれてからは落ち着いて出来たわ。ありがとっ」

 彼女はお礼とともに唇にちゅっと軽く口付ける。

 今までのものとは種類の違うキスに官能ではなく純粋な喜びを感じていると、不意に股間を柔らかな感触が襲う。

「っ……」

 緩んでいた心地をぐいと引き戻す、下半身が浮いてしまうくすぐったい感覚。何が陰部を撫でているかなんてすぐに分かった。目の前の可憐なお姫様の手だ。

「もうおっきくしてるー。キスだけでこんなにしちゃうなんて、えっち」

 わかさぎ姫は陰茎を撫でながら、嬉しそうな語調と楽し気な表情を携えて諫める。その一方でズボン越しに屹立を撫でる手つきは止まらず、緩い円を描く手の下で見る見るうちに怒張は膨らみ、内側から布を大きく押し上げていく。

「早く出してあげないとね」

 こちらに目配せをして、ズボンの淵に手を掛けるわかさぎ姫。自分もその手つきに合わせて腰を浮かせると、慣れた調子でズボンをするりと脱がせた。

「わっ……」

 強く引っ張られたわけでもないのに、ズボンで抑えられていた分身は弾けるようにその身を晒す。

 既に硬く勃起した肉棒を見るなり、わかさぎ姫の丸っこい瞳が驚きでより丸くなるが、同時に赤い舌を唇の端に覗かせて舌なめずりする。

「いつ見ても、おっきいね……」

 わかさぎ姫はうっとりとした声音を伴って、はあ、と熱のこもった吐息を漏らすと、そっと陰茎に手を伸ばす。

「それに、熱くて、かちかち……」

 彼女の滑らかな指先が、屹立をすりすりと優しく撫でさする。布越しではない、直に触れる手の感触と温かさに、分身はびく、びくっと小さく跳ねた。

「いつも、このおちんちんに好き放題されちゃうのよね」

 指先は亀頭をつんつんつつくと、鈴口にとんと乗っかる。

「こんなにおっきいのを、ここから根本まで、ぜーんぶ入れられて」

 鈴口に宛がわれた指先は、裏筋、肉幹と下へ滑り、根本まで達するとかりかりと弱く引っ掻く。むず痒い感覚に怒張はまた震えるが、責める指は止まらない。

「このエラの部分で私の中をぐちゃぐちゃにして、先っちょで大事な場所をこんこん叩いて、ぐりぐりって苛めて」

 彼女の言葉と指は同じ道筋を辿って登り、亀頭へと戻ると次はカリ裏をくすぐり、また鈴口とつつく。

 指には早くも漏れ出した我慢汁が纏わり付くが、やはり手は止まらず、むしろ漏れ出す穴に指先を押し当てて、軽く穿る。

「そうやって体の奥をきゅうってを切なくさせて、貴方と、貴方のおちんちんのことしか考えられなくなるくらい、私もとーっても気持ちよくされて、最後にはとっても濃い精液で子宮がたぷたぷになるまでたくさん注がれて、幸せな心地にされちゃうのよねー」

 普段の性交を振り返り、如何に自分がこの肉棒に苛められているかと口々に零しては、指に付着した先走り汁を亀頭に塗り広げていくわかさぎ姫。

 細い指先が亀頭を滑る快感にぞくぞくと背筋を震わせて、怨言よりかは惚気に近い文句で責められていると、彼女は下げていた視線をこちらに向けた。

「でも、今日は私がいっぱい、苛めちゃうんだから」

 青い瞳に強い情欲の炎を滲ませて、責めっ気の強いお姫様は口角を緩める。

 同時に陰茎を弄る指先も止まるが、甘い刺激を散々叩き込まれた分身は物欲しそうに疼き、小さく震えては我慢汁をまた零す。

「そんなに可愛く震えて怖がっても、もう遅いのよ。何をされちゃうのかなー?」

 わかさぎ姫は亀頭をよしよしと撫でさすり、ふふふと口元を隠して悪戯っぽく笑うと、自らの和服の帯に手を掛けて紐、帯と慣れた手つきでしゅるりと解く。和服を留めていたものが緩み、纏う和服の上からでも内包したものの豊かさが容易に分かる胸元の隙間から、ちらりと白肌が露わになる。

 そこへ視線が奪われるのも束の間、彼女は帯と紐を軽く畳んで脇に置くと肩口に手を掛けて、一切の躊躇なく中の肌襦袢ごと和服をするりと脱ぎ去った。

 胸元に向けていた視界に飛び込んで来る、嫋やかな肩と鎖骨。そして、華奢な体躯と控えめな本人の性格とは真反対に存在を非常に強く主張する、巨大な乳房が晒される。

 男の手でも簡単に溢れてしまう一抱えはある豊かな乳肉は、支える衣服が無くなろうとも持ち前のハリで形を保ち、美しいシルエットを描く。

 その双乳の中央では、薄い桃色をした乳輪と乳首が白い乳肌を艶やかに彩る。肉房の大きさに反し少し小さめの乳輪はほんのりと隆起し、乳頭も可愛らしくぷくっと膨らむ。

 こうして直接見るのも一度や二度ではないのに、未だに視線を外せなくなるほどに目を惹かれてしまう。

「そうやってずっと見てる貴方のだーい好きなおっぱいで、お返ししちゃうからね?」

 わかさぎ姫はそんな視線を嫌がるどころか笑顔を浮かべると、自ら手の平で乳肉を掬い上げてたぷんたぷんと大きく弾ませ、そのボリュームを誇示する。

 自らの豊満な肢体をひけらかすなど、貞淑で大人しい彼女はたとえ気心の知れた仲間内でもまずしない。しかし、二人きりでからかったりアピールをしたい時や、情を交わす際には一切の手加減なく武器として揮う。人間とは違う部分もあるけど、この体を好きと言ってくれるのが嬉しい――とはわかさぎ姫本人の弁だ。

「あ、またおちんちんがびくってしたね。そんなに待ち切れない?」

 魅力をこの上なくたっぷりと詰め込んだ乳房が揺れ弾む様を見て、これからされること、延いてはしてもらえることへの期待に胸を高鳴らせ、早くも反応する分身に彼女はくすくすと笑う。

「じゃあ、まずはぎゅってしちゃうよ?」

 わかさぎ姫は体を横たえて、こちらの体の上に寝そべり構えると、陰茎のすぐ前にたぷんと乳房を乗せる。

 そして、小さな手で巨大な果実を改めてぐいと持ち上げて、圧し掛かるように分身を包み込んだ。

「っ! うぁっ……!」

 瞬間、柔らかくてすべすべな感触が屹立を覆い、極上の刺激に下半身ごと大きく怒張が跳ね上がってしまう。

 一方、わかさぎ姫はそんな自分をにこにこと笑顔で見つめ、陰茎を包む双房を左右から抱き抱えて持ち直す。

「貴方のおっきいのも、こうすると埋もれちゃうねー」

 自らの豊乳を見下ろして嬉しそうにはしゃぐ無邪気な人魚姫の言う通り、こちらの視界からは屹立が消え、規格外の大きさを誇る乳房の深い谷間しか映らない。だが、分身は当然その双乳にしっかりと包み込まれており、乳肌の体温と滑らかな感触、つい先程まで和服を纏っていたがゆえの、熱がこもった少し蒸れる感覚すら堪らない。

 乳肉の中で怒張が精一杯身を震わせてもそれが表に出ることはなく、わかさぎ姫が自信有り気に微笑むのみだ。

「そんなにびくびくしてもダメよ? 貴方がイクまで、出してあげなーい」

 彼女はあからさまに意地悪な顔を浮かべ、乳房に埋もれた分身を乳肉越しに左右から強く抑え込んで揶揄う。不慣れなせいか大袈裟な演技自体はとても可愛らしいのだが、襲い掛かってくる重い快感は見せかけなどではなく。

 堪らず、自ら腰を浮かせてほんの少しでもこの柔肉で陰茎を扱こうとする――が、それに先んじてわかさぎ姫は下腹部に体重を掛けて抑え込み、一縷の抵抗すら許さない。

「貴方が動くのもダーメ。今日はおっぱいで扱くのもしてあげない。こうやって、ぎゅってするだけね」

 相変わらず楽しそうにわかさぎ姫は言いながら、乳房を左右から軽く圧して肉棒を双乳で押し潰す。

 圧迫による強い快感に浮かせた腰を再び地につかせてしまうと、彼女はしてやったりと笑う。行為自体は豊乳だけで男を手玉に取ってと淫らなのに、仕草や表情はどうにも童の悪戯を思わせ、今ばかりは淫靡よりも可愛いが強い。

 このまま、絶頂するまで焦れったい快感に身を疼かせなければならないのか。気持ちよさと苦しさが同居した感覚に苛まれる中、お姫様に救いを求めて視線を向ける。

「そんな目で見ないの。……仕方ないなー、ちょっとだけだよ?」

 すると、わかさぎ姫は意地悪い笑みを呆れたように少し緩めて――折れるのが随分と早かったので、元々そのつもりだったのだろう――、口を閉じるともごもごと動かす。

 今まで幾度となく見た、胸で奉仕してくれる前に唾液の潤滑油を作る下準備を行う光景に、ごくりと息を呑む。

 少しの間を挟み、彼女は口を小さく空けて舌を覗かせると、赤くぬめる舌を伝わせて溜めた唾液を乳房へ垂らしていく。とろりとした粘液は乳山に落ちたそばから中心の深い谷間へと吞み込まれていき、それはやがて肉竿にも届いて、触れた場所へじんわりとした熱を与える。

 そうして潤滑油を落とす最中、わかさぎ姫は屹立を挟む乳肉の圧を少し緩めて、また強くしてと繰り返す。普段ならば軽く弾ませて乳房全体に塗していくところを、『ぎゅってするだけ』の言葉どおり、上下には一切扱かずに塗り広げていく。

 ほんの少しの刺激すら求めていた肉体にはこれですら多大であり、腰を情けなく震わせて、目の前の人魚姫に平伏するしか出来ぬほどの恩寵だった。

「こうすれば、ずりずりってしなくても気持ちいいでしょ? おちんちん、ずーっとびくびくしてるよ?」

 わかさぎ姫はにこやかな笑顔で乳房越しに陰茎を見下ろし、扱きすらせずとも快楽に跳ねる分身を可愛がる。双房で圧する力加減を気まぐれに変え、時には何もせずに焦らし、切なさに震えればまた愛でてくれる。

 乳圧が強まればほんのり浮いた汗と唾液でぬめる乳肉が、むにゅりと押し合って肉幹に隙間なく纏わり付き、緩めれば解放感を伴いながらもしっとり濡れた乳肌が、いつまでも吸い付く。

 自身の下腹部に巨大な肉丘が圧し掛かり、怒張を完全に覆い隠す光景だけでも相当なのに、ずっしりとしたボリュームを実感として伴っているのだから凄まじい。

 たぷたぷの柔乳から与えられる休みない快感の供給にやがて限界が迫り、勃起し切った肉塊が更に膨張して射精の準備をする。

「あ、もうすぐでしょ。ふふっ、分かるんだから」

 その些細な脈動すら、陰茎を四方八方から乳房で包み込むわかさぎ姫にはお見通しで。

「じゃあ、最後は強めにぎゅーってしてあげるから、このままおっぱいの中で気持ちよくなろうねー」

 彼女は可愛らしい笑顔を浮かべて肉棒を左右から強く圧迫する。乳肉に手の平が沈むほどに挟み、さながら分身を押し潰すほどに乳圧を込める。

 もっとも、そこに痛みなんてものは一切なく、みっちりと詰まった豊乳での抱擁は、温かくて、すべすべで、柔らかくて、いつまでも包まれていたいほど。その一方で理性はごりごりと削れてもう無理だと訴え、積み上げた法悦の捌け口を求める。

 そして、わかさぎ姫は一瞬だけ圧を緩め、それをまたぎゅっと強めた瞬間、堪えていた射精欲は限界を迎えた。

「も、もうっ……、姫っ、イクっ!」

「わっ! あ、ん……、はぁっ……」 

 絶頂に達した怒張が乳房の中で急に跳ね上がったせいか、わかさぎ姫は一瞬驚いた声を上げたが、それが射精によるものだと分かると、小さくこもった声を漏らして柔乳を改めてぎゅっと寄せる。

「ふふっ、出てる出てる……、あったかい……」

 全身を巡る快楽に任せて吐き出される精液の熱に、うっとりとした声を漏らすわかさぎ姫。しかし、それら白濁は視界に入ることはなく、その全てが彼女の深い谷間に呑み込まれていく。

 結局最後まで精液は欠片すらも姿を現さずに射精は落ち着き、全身を軽い虚脱感が襲う。わかさぎ姫もここで一旦打ち止めと理解したのか、にっこりと笑って双房の圧迫を少しだけ緩めると、乳肉を掬い上げるように持ち上げて肉竿を抜き取った。

 瞬間、自身を包んでくれていた極上の感触と蒸れた谷間の温かさが消え失せ、一気に喪失感が湧き上がる。双乳の愛情の一身に受け続けた屹立は真っ赤に充血して、外気温との温度差に情けなく震えていた。

 射精直後の疲労感と、あとほんの少し、一秒でも長く我慢出来ていればもっと味わえたのに、と自分が後悔の念を募らせる一方、わかさぎ姫は持ち上げた乳房の谷間をそっと開かせる。

「ほら、見て見てー。おっぱいの中、すごいよ」

 潜めた声ながら無邪気に見せつけられたそこは、大量の精液がべったりと付着し、元来の白肌をより濃い白で汚していた。

 わかさぎ姫の汗や唾液で蒸れてこもった甘ったるい香りとともに漂う、精液特有の鼻につく匂い。こちらまでそれが届いているのだから彼女は言わずもがなだが、当の本人は嫌な顔一つせずに搾り取った白濁汁を誇っていた。

 自身の欲望で可憐なお姫様の大きく実った乳丘を征服した光景に思わず見惚れていると、彼女は傍らに置かれた、雑貨を入れた籠からタオルを取り出す。

「貴方がこうしたんだから、貴方が綺麗にして?」

 わかさぎ姫は水面を尻尾でぱしゃんと叩き、タオルを持っていない方の手の平を軽く掲げる。飛び散った水滴は渦を描いて見る見るうちに手の平へ集まり、その水でタオルを十分に濡らして軽く絞ると、こちらに差し出した。

 その一連の所作が今までで一番妖怪らしい、とは思ったが胸に秘め、短い返事をして濡れタオルを受け取り乳房を拭いていく。

 少し厚めのタオル越しでも伝わる、柔乳に手が沈む感覚。押し合い擦り合いを繰り返した乳肉に垂れた白濁が拭き取られるそばから、しっとりと濡れたきめ細かな肌が覗いて視界に眩しい。

「ねぇ、一緒に汗も拭いてくれる?」

 責められている間はそちらにばかり意識が向いて気付かなかったが、この場の熱に浮かされていたのは自分だけではなかったらしく、谷間辺りだけでなく胸元や鎖骨の辺りにもうっすらと汗が浮かんでいた。

 精液でべっとりと汚れた面を中に折り畳んで面を入れ替えたら、彼女の胸元にタオルを宛がい全体を満遍なく拭いていく。ぷくっと膨れた乳首は勿論、横は脇から乳房の丸いラインに沿って、縦は鎖骨から臍の上辺りまで丁寧に拭き取る。

「んっ、ぁっ……。ふふっ、気持ちいいー。おっぱいの裏側も忘れずにちゃんと拭いてね?」

 時折色っぽい声を混じらせながらも嬉しそうに笑うわかさぎ姫に催促され、タオルを持っていない左手で片方の乳肉を掬い上げる。

 手の平から今にも溢れそうな量感と、よく実った果物程度では比べ物にならぬほどの重みに息を呑みつつも両の乳房をしっかりと綺麗にして、タオルを緩く畳んで脇に置く。

「ありがとう。よく出来ましたー」

 お姫様のお願いを叶えた従者に掛けられる、感謝の言葉と頭に手を添えてのなでなで。子ども相手の対応そのものではあったが、彼女の温かな手つきと声色でのそれは、嫌味な雰囲気は一切なく、とても安心出来る――。

「えーいっ!」

 なんて安らぎに浸る間もなく、全身で突っ込む体当たりでまたも押し倒されてしまう。

 顔には自身の手で綺麗にしたばかりの乳房が圧し掛かり、視界どころか顔一面を覆い隠す。更に、向こうからも体重を掛けて抑え込まれる。

「このおっぱいでイッちゃったのよ? 貴方は私のおっぱいに勝てないって、私が貴方の一番だって、今日で叩き込んであげるんだからっ!」

 顔に押し付けた柔乳を上から左右に揺らし、たぷんたぷんと大きく弾ませるわかさぎ姫。柔らかくもハリがある爆乳がむにゅむにゅと踊り、その中でも幾らかの硬さを備えた肉蕾がくにくにと頬をこする。

 先の台詞が雰囲気作りの一環なのは理解しているものの、――乳房に対しての勝ち負けはともかく――自分にとってわかさぎ姫が一番なのはこれまでもこれからも揺るぎない。そのことは後でちゃんと教えてあげよう、とは心に決めて、今は大人しくこの責め苦を受け入れる。

「えいっ、えいっ」

 わかさぎ姫は可愛らしい掛け声に合わせてぎゅっぎゅっと双乳を自ら押し潰し、圧迫を強めていく。顔の上で撓む柔肉の感触は至上に尽きるが、やはり重さは感じるし息は詰まってしまう。

 可能ならば永遠にこの幸せな苛みを味わい続けていたいくらいだったが、限界二歩手前辺りでもう降参だと彼女の背中を軽く叩きかけた直前、わかさぎ姫は抜群のタイミングで解放してくれた。

「っ! はっ、あっ……!」

 贅沢にも愛する人の乳房で溺れる体験から救出され、新鮮な空気を体内に取り込み呼吸を整える。

 そして、乱れた息が十分に整うと、わかさぎ姫は嫋やかに笑い。

「んむっ!」

 先程頬を撫でていた乳首を口内に押し込んだ。

「吸って?」

 身も心も、言葉や自由すら全て人魚姫に奪われた自分が出来ることは、仰せのままに従うだけであり。

「あっ、んっ……、そうそう、ちゅうちゅうって……」

 口を窄めて言われた通りに乳を吸い始めると、わかさぎ姫は穏やかに頬を緩め、頭を撫でてくれる。圧し掛かられたうえに命令されての行為とはいえ、こうして優しく迎えられてしまうと、早くも理性はふわふわと緩んでいく。

 肉体を擦り付けて得る弱い摩擦ではない、自らの性感帯への明確な刺激に彼女は小さく喘ぎ、咥えた乳首も少しだけ硬さを増す。とはいえ、まだまだ完全な勃起には至らぬそれを吸う傍ら、舌先で軽くつつくと、彼女はぴくんと体を震わせた。

「はぁ、あんっ……。それ、もっとして……?」

 続くおねだりも応える以外の選択肢はなく、乳蕾を吸い、舌先で叩いてはちろちろと舐めてやる。

 わかさぎ姫が熱のこもった吐息を漏らす度、体を揺らす度に乳頭は徐々に硬く尖り、あっという間にぷっくりと膨らんでいく。

 ここで切り上げたりは当然せずに、いやらしく成長した大粒の乳首をまた責め立てる。

「あっ、んっ、ふあぁ……」

 責める側だったはずなのに、乳を吸われて味わう法悦に甘い声を零すわかさぎ姫。

 これではいつもと変わらない気もするが、彼女が気持ちよくなってくれるのはやはり嬉しい――、となおも豊乳を責めていると、キスを交わしていた時と同じく、下半身をふわりと柔らかな感触が襲う。

「また大きくしてるね。赤ちゃんみたいにおっぱい吸って、興奮してるんだー」

 あの時とは違って既に纏う衣服の無い陰茎を右手ですりすりと撫で、にやにやと笑い揶揄うわかさぎ姫。しかし、早々に圧し掛かる体勢から身を引くと、乳房を持ち上げて咥えていた口内から抜き去ってしまう。

 気分が乗って来たところだったが一旦これはお終いか、と次の行為への期待もあるとはいえ残念に思っていると、彼女は寝転ぶこちらの横に自らも体を横たえて二人並ぶ。

「がっかりしてるみたいだけど、まだ終わりじゃないよ?」

 余程表情に出ていたのか、わかさぎ姫は小首を傾げてにっこりと口角を上げると、先程まで吸っていた方とは反対の乳房を口元にたぷんと乗せた。

「次は、こっちを――、んっ……」

 言い切る前に一も二もなく目の前の肉蕾に吸い付いて、まだ膨らみ切ってはいないこちらの肉房も早速愛していく。

「そんなに欲しかったの? さっきは取り上げちゃってごめんね?」

 わかさぎ姫はくすくすと笑い、「でも」と言葉を続ける。

「この体勢の方が、色々しやすいでしょ?」

 彼女がそう頬を緩めた瞬間、背筋に強烈なくすぐったさと快感が走り、全身がびくんと跳ね上がる。

 屹立を緩く撫でていた指が不意に触れたのは、その根本にぶら下がり精子を貯蔵する器官、陰嚢だ。細く滑らかな指が陰嚢をゆっくりと這い、下から掬って持ち上げる。

「わ、すごい……。一回出したのにまだぱんぱんで、ずっしり重い……」

 しなやかな手の平が陰嚢をそっと包み、その内部に残っている分を推し量るように優しく揉む。

「いっぱい精子溜めててくれたんだね。えらいえらい」

 両の手でそれぞれ頭と陰嚢をよしよしと可愛がられ、背筋にはもはや怖気に近いものがぞくぞくと駆け巡る。とっくに溺れ切った心は更なる深みに囚われ、体も寝ながらにして無意識に腰を浮かせてしまい、陰茎に至ってはそのものに触れていないのにどくどくと脈打つ。

「でも、今日はここを空っぽにしちゃうからね?」

 わかさぎ姫はぺろりと赤い舌の覗かせて、愛らしくも嗜虐的に笑う。普段はそうそう見れぬ責めっ気の強い表情に、今日の趣旨にはやや反するかも知れないがやはり期待が湧き上がる。

「さっきからずっとこの子もびくびくってしてるねー。こうしてるとかわいいのに」

 陰嚢を撫でていた指先が上へと滑り、肉幹をそっと這っていく。先程まで屹立を包み込んでいた乳肉のたっぷりとした柔らかさとは違う、くすぐる手つきに怒張は大きく震え、繊細な指に擦り寄り甘えてしまう。

「もっと撫でて欲しいの? 甘えんぼだねー」

 じゃれる小動物に向けるような優しい表情を浮かべ、分身を撫でるわかさぎ姫。

 絹以上に滑らかな手が肉幹や亀頭をすりすりと磨き、鈴口や裏筋も爪先で弱くかりかりと引っ掻く。その甘い刺激はカリ首にも丹念に施され、エラは勿論、カリ裏の溝まで全て綺麗にお手入れされてしまう。

「先っちょからとろとろ~って溢れてるよ。まだ少ししかしてないのに」

 まだ亀頭を弄られているだけなのに、先走り汁が溢れてしまって――いるらしい。何せ、視界の殆どがわかさぎ姫の顔と爆乳で埋まっており、推測でしか判別が出来なかった。

 とはいえ、見えずともそれこそ涎の如く垂らしていても全く不思議はない。ぬめる指先の感触と高まる期待に心臓が高鳴り、口内に突っ込まれた乳を吸うことすら忘れていた。

 そして、彼女の手が陰茎をふわりと掴む。一度目の絶頂の時からずっとお預けされていたが、ようやく扱いて貰える、と息を呑むが、それ以上に何もしてはくれず。

 未だ続くお預けに、恩寵を求めてお姫様に視線を向けると、彼女はもう片手で乳肉をたぷたぷと揺らす。

「ほらほら、おっぱい吸って欲しいな。吸ってくれないと、動かしてあげなーい」

 催促に応えてすぐさま吸い付いてやると、わかさぎ姫は満足気に笑う。

「そうそう、いい子いい子……」

 わかさぎ姫はこちらの頭に添えた手で軽くとんとんと叩いては撫でつつ、いよいよ肉棒を掴む右手を動かして、緩く扱き始める。

 決して激しくはない、緩慢な手つきでの手コキは待ち望んでいた快感とはいえ、一見物足りなく思える。事実、単純な快楽の大きさだけならば、先程みたく陰嚢を弄られていた方が上だろう。

 しかし、穏やかだからこそ長く味わえると考えれば、今はこちらに軍配が上がる。

「たくさん、好きなだけ吸っていいからね? 今は、貴方だけのおっぱいなんだから」

 わかさぎ姫の溢れんばかりの慈しみを纏った穏やかな表情や、手の中で跳ねる屹立を優しく包む手の温かさ、規格外の大きさを携えた豊乳に埋もれての授乳も、何もかもが煮詰めた砂糖の如く甘ったるい。

 息継ぎも忘れて乳を求めては、生理現象に抗えず呼吸のために合間を設けてもすぐにまた咥え込む。これでもかと言わんばかりの甘さに既に思考は蕩けており、彼女に命じられたから、なんて関係なく、すっかり授乳行為の虜だった。

「ふふ、かわいい……」

 母性に満ちた眼差しと微笑みをこちらに向けて、わかさぎ姫は呟く。返答を求めたものではない、ふと零れた一言。

 赤子みたいに乳房に甘える姿をそう評されるのは非常に恥ずかしいが、それ以上に中断したくない気持ちが強く、構わずに授乳を続ける。

 口元を埋める乳肉の柔らかさの中で強く存在感を放つ、ぷっくりと膨らんだ肉粒に少し強めに吸い付いてやると、わかさぎ姫はびくっと体を揺らす。

「あぁっ、あんっ……、んぅっ……」

 授乳の甘さとそれに感じ入るお姫様の静かな嬌声を耳でも楽しみ、更に乳を求める。

 広げた舌で乳首を丹念に舐めては舌先で先端をちろちろとくすぐり、飴のように転がす合間にも唇で甘噛みすると、彼女の漏らす吐息に艶が増していく。

「はぁっ、んっ……。貴方はおっぱい吸うの、上手だね。私も、とっても気持ちいいよ」

 わかさぎ姫が主導して始めた授乳手コキとはいえ、自分だけでなく彼女も気持ちよくなってくれているならとても嬉しい。そんなやる気が伝わってくれているのか、お姫様は嬉しそうな笑顔を見せて、頭を撫でて賛詞を授けてくれる。

 その間も陰茎の根本から先端まで、長いストロークでしなやかな指が優しく扱いて、快楽を供給し続ける。根本から上げる時だけ、ほんの少し屹立を掴む手の力が強まるのがとてもいいアクセントになっており、精液の排出を促す手つきがまた厭らしい。

「っ!」

 その最中、またも陰嚢に手が伸びてきて、すりすりと柔らかく撫でられる。

「貴方はここ、弱いよね。ふふっ、大丈夫よ。とっても大切なところだってちゃんと分かってるから」

 男にとって共通の弱点である、自らの子種を蓄えた器官の与奪を文字通りに握られる。もしも、悪戯好きな人魚姫が少し手元を狂わせるだけで、自身の雄としての役割が一つ、金輪際失われてしまうかもしれない。

 わかさぎ姫はその繊細な器官を、優しく愛でる。艶やかな手の平でふわりと包み込み、ほんの少しだけ指先に力を込めて揉み、皺に沿って指先を這わせて丹念に愛撫を施す。

 彼女に自らを支配される感覚が生む倒錯的な快感に思考は浮つき、じわじわと昇って来ていた性感は加速していく。

 怒張を扱く指先はぬるぬると滑り、精液に先んじて我慢汁が大量に溢れているのが自分でもはっきりと分かる。

「もうすぐ出そう? いつでもいいよ。貴方がイクとこ、私に見せて?」

 わかさぎ姫は肉棒に向けていた視線をこちらに向けると、柔らかく笑う。

 その言葉が最後の一押しとなり、母性に満ちた彼女の表情と子を育む神聖な行為である授乳の背徳感に包まれ、絶頂に達した。

「っ、ん~~……!」

 刹那、ゆっくりと高められた快感が一気に全身を駆け巡る。乳房で塞がった口から声にならない唸り声が漏れ、肉棒からはここまで抑えた滾りが勢いよく飛び出していく。

 射精が始まってもなお、わかさぎ姫は微笑みを崩さずにこちらを見据え、今までと変わらず頭を撫でて分身を緩く扱いてくれる。

「おちんちん、びくびくしてイクの気持ちいいねー。出なくなるまで、ぜーんぶびゅーって出しちゃおうねー」

 子どもをあやすような口振りに異を唱えることも――そも、そんな発想すらなく――、身も心も溶かす甘い淫楽に囚われたまま、射精の快感に身を任せる。

 二度目ながらわかさぎ姫の乳内で射精した際と比べ陰りがないほどの実感を伴い、未だ続く緩い手扱きで陰嚢から精液を搾られる。

 その手つきには明らかにぬめりが増し、それがまた興奮と快感を煽り立てるが、程なくして射精も治まり、屹立の脈動も落ち着く。すると、わかさぎ姫は頭を一撫でした後、ぽんぽんと額の辺りを軽く叩く。

「一旦、おっぱいはお終いね。またあとであげるから、その時まで我慢してね?」

 わかさぎ姫に促され、名残惜しく思いつつも困らせたくはないのでそっと口を離すと、彼女は小さく数回頷き、「いい子いい子」ともう一度頭を撫でてくれた。

「ほら、見て見て。貴方が沢山ちゅうちゅうしてくれたから、赤くなっちゃった」

 ついさっきまで咥えていた大粒の乳首はすっかり朱色が強くなっており、もう片方の乳房と見比べるとその執着具合は一目瞭然だ。唾液もべったりと張り付いて妖艶に輝き、外気に触れてひくひくと可愛らしく震えてた。

 そんな光景にまたすぐに咥えたくなる欲求に駆られるが、言いつけどおりに我慢していると、彼女はあっと声を上げた。

「おちんちん、ちゃんと綺麗にしてあげないと」

 わかさぎ姫は陰茎を緩く包んでいた手を離すと、籠から新しいタオルを取って体を拭いた時と同じように濡らし、こちらの下半身を拭いていく。

 先の射精で精液が掛かってしまった箇所を綺麗にしてくれているのだろう、両の足を手早く拭いた後、その面を畳んで肉棒を、最後に彼女自身の手を拭き終わると、頭に添えていた手を背中に回して上体を少し起こされる。

「ほら、これも見て。おっぱい吸いながらびゅーってして、こんなにいっぱい出したんだよ」

 タオルの生地の白をそれよりも濃い白濁で上書きする精液の量に、我ながら驚く。実感として一度目にも劣らないとは思っていたが、それ以上かもしれなかった。

 わかさぎ姫は役目を終えたタオルを片付けると、こちらに横から覆い被さるようにぎゅっと抱き着く。

「気持ちよかったね。こんなに沢山出せて、すごいねえ、えらいねえ」

 右手は左肩に回され、左手は今までと変わらずよしよしと頭を撫でられ、脚には尾が乗せられ、尾鰭が腰をぽんぽんと軽く叩く。

 今更ではあるが、『責められる』よりも『甘やかされている』が殆どを占めている気がしつつも、本人が優位という点では間違ってはいないので、これはこれでいいのかもしれない。それに、正直に告白すると悪い気は全くしないもので。

 わかさぎ姫の全身を使った抱擁と精神を柔らかく解す言葉に、甘い微熱に浮かされた心地でいると、彼女はこちらの顔を上目遣いに覗き込む。

「なんだかぼーっとしてるけど、どうしたの? ……もしかして、あんまり体調良くない?」

「えっ? いやっ、そうじゃくて……」

 小首を傾げて不安げに尋ねるわかさぎ姫に、それは全くの誤解だと慌てて返すが。

「……えーっと、その……」

 続く台詞が出てこなかった。何せ、わかさぎ姫のおっぱいを好きに吸っては弄り、手扱きまでしてもらって、あまつさえそれで迎えた射精すら褒められて、いい心地過ぎて心ここにあらずだったなんて、あまりにも恥ずかしい。

 そうして言い出せずについ黙っていると、彼女は不安そうな瞳をこちらになおも向ける。今にも切り上げと謝罪を口にしても可笑しくない。

 彼女に誤解と心配を与えないために、恥なんてくだらないものは捨てろ。そう意を決して、乾きそうになっていた口を急いで開く。

「その、気が抜けちゃってたのは、すごく、気持ちよくて、し、幸せで、癖になりそうだなーって、思ってたからで……」

 意を決して、と気持ちを固めてもしどろもどろにそう答えると、わかさぎ姫はこちらを黙ったままじーっと見て。

「…………かわいい! 貴方、かわいいー!」

 抑えきれないと言わんばかりに満開の笑顔と声を張り上げ、全身を使ってむぎゅーと抱き締められた。

「大丈夫、なんにも恥ずかしくないよー。今の貴方は、こわーい妖怪にいいようにされちゃってるだけだもん。だから、とっても気持ちよくなってふわふわしちゃっても、なんにも悪くないよ。それに、またいつでもしてあげるから、癖になっちゃってもいいんだよー」

 こちらの心情を言い当てたうえにそれを受け入れ、慈愛に満ちた手つきでよしよしと頭を撫でるわかさぎ姫。怖い妖怪、なんて肩書きには少々異を唱えたい気持ちがあるが、今はその通り、怖く愛らしいお姫様の優しさに甘えたい。

 射精後特有の気怠さ――既に殆ど取れていたが――を言い訳に暫くなすがままにされていると、彼女はこちらの耳元に口を寄せて、そっと囁く。

「むしろ、もっと気持ちよくさせちゃう。貴方が私のことしか考えられなくなっちゃうくらい、貴方を私でいっぱいにして、私だけのものにしちゃうんだから」

 そして、にっこりと自信有り気に告げる。

「つまり、私はまだ満足してないってことっ」

 飛び掛かってきたわかさぎ姫に、またも押し倒されてしまう。勢いよく抱き着かれるのと大差のない押し倒しに愛しさを感じていると、彼女の手は自身の和服の下へと伸びて、裾をひらりとめくる。

 未だに勃起を維持していた肉幹に触れる、ぬるりとして柔らかい感触と温かな体温。先の所作に加え、尾は少しひんやりとしているので違うと判断すれば、触れているのは彼女の陰裂と考えて間違いない。

 そう考える間にもわかさぎ姫は身を捩って体勢を調整し、陰茎の先端に亀裂を押し当てて――。

「姫、ちょっと待って」

 亀頭が陰唇を割り開く直前、待ったを掛ける。

 当の本人は止められると思っていなかったのか、全身をびくっと強張らせて体を止めた。

「ど、どうかした?」

 急に水を差され、当然の疑問を投げ掛ける彼女に頷きを返す。

「ごめん、驚かせて。その、入れるのはまだちょっと、早い気がしたんだけど……」

 自身の感覚と経験則だが、触れた秘部にまだ幾らかの硬さがある気がした。思えば、わかさぎ姫が責め側に立つばかりで、こちらからちゃんとした前戯を行っていない。

「自分がする時はもう少しほぐすかなって思ったけど、姫はどう? 自分の感覚として」

 とはいえ、それはあくまで自分の見解なので、本人が今のままで構わないのであれば続けても、と問うと、彼女は「えーっと」と語気を伸ばす。

「……ほんとは、ちょっと早いかもって思ったけど……。でも、貴方もそう思うならやっぱりそうなんだね」

「じゃあ、入れるのはもう少し後に回して、しっかりほぐそうか。焦る必要もないし」

「ごめんね、気を遣わせちゃって」

「謝ることじゃないよ。気にしない気にしない」

 今までのお返しも込めてわかさぎ姫をよしよしと撫でると、彼女は表情を緩めて頷く。

 こうして、お互いにもう少し前戯を続けると方向性が決まったものの。

「……んー……」

「……まだ何かあった?」

 懸念が取り切れていないのか、小首を傾げて小さく唸るわかさぎ姫に問うと、彼女はおずおずと口を開く。

「あのね、私からってどうすればいいのかなーって」

 どうやら、自分が責めつつも準備をする方法を考えていたらしい。

「難しく考えなくても、しなさいって命令してくれれば構わないけど……」

「それだと、形だけでいつもと変わらないでしょ? だから、私から何か出来ることでって思ったんだけど……」

 せっかくならここも普段とは趣を変えたい、とのこと。それならと、自分も考えを巡らせる。

「……あ、そうだ。姫、ちょっと体起こすから、俺の肩に手を回してくれる?」

「うん。これでいい?」

 今の体勢と状況に丁度いいものが浮かんだのでそう声を掛け、わかさぎ姫にはこちらの肩に手を回して抱き着いてもらい、自分も彼女の腰に左手を回して抱き抱える。

 そうしてしっかりと支えてから右手を地面について体を起こし、自分は脚を広げて緩く座り直す。今までの寝転んだ姿勢から、対面座位に近い形へ移行する。

「素股って言って、姫が俺のに押し当てて、擦り付けるように動かすんだけど……。出来そう?」

「出来ると、思うけど……。やってみるね」

 どういう風にするか頭に思い浮かべているのか、わかさぎ姫は少しの間を空けて頷き、腰を深めに下ろすと割れ目を肉棒の根本に押し付ける。

 熱く柔らかい一対の秘唇が、むにゅっと左右に広がって陰茎を挟む。改めて味わう、ほんのりとぬめる陰裂の感触と、触れ合う肌よりも熱を持った肉体そのものの温度に、ぶるりと身震いする。

「んっ、こう、かな」

 わかさぎ姫はおずおずと、腰を前後に動かし始める。

 ゆっくりとした速度で分身の根本から上へと滑り、肉幹の真ん中辺りに差し掛かったところで腰を止め、腰の位置を微調整したら、また同じくらいの速さで腰を引いて根本辺りで腰を止める。

 不慣れゆえに緩慢かつ一動作に一拍置くテンポの腰使いではあるが、その分丁寧に行おうとしているのが目に見えてとても可愛らしい。

 湿り気を帯びた割れ目は分身の上を滑るうちにぬちゅ、くちゅ、とこもった小さな水音を鳴らし始め、彼女の呼吸にも段々と吐息が混ざり始める。

「……これ、気持ちいい、ね。貴方の、硬くて、熱くて、貴方のを使って、一人でしてるみたい……」

 乱れる呼吸の合間に、わかさぎ姫はぽつぽつと言葉を零す。その中に、つい引っ掛かりを覚えてしまい。

「姫って、一人でする時あるんだね」

 ついつい聞き返すと、彼女はピタリと動くのを止めて、こちらを見て、頬をかあっと真っ赤に染めて、口をわなわなと震わせて、声を張り上げた。

「と、時々だからっ! どうしてもって時に、貴方のこと考えながら指でちょっとするだけだからっ! だから、えっちなことばかり考えたりなんて、し、してないからっ!」

「ご、ごめんごめん、変なこと聞き返して。つ、続けて続けて」

 淑やかお姫様は必死に釈明し、自分は余計なことを口走ったと――内心、あわあわするわかさぎ姫は可愛いし、自分を想って、なんて赤裸々な告白に嬉しく思い――謝罪し、彼女を宥める。

 続きを促されても、わかさぎ姫は恥ずかしそうに小さく愛らしい唸り声を上げていたが、やがて気を取り直したのかまた腰を前後に揺すり始める。

 一人でしていると彼女が評した通り、自分は殆ど何もせず、わかさぎ姫が自ら腰を揺らして摩擦させていく。

「んっ、ぁっ、はぁっ……」

 動き始めて早速、わかさぎ姫の口から熱っぽい吐息が漏れ始める。前後する腰にも徐々に慣れが見え始め、怒張に擦り付けるストロークも少しずつ長くなっていく。

 根本から中ほどまでだったのが、カリの手前まで、亀頭までと距離を伸ばしていき、搔き鳴らされる水音もこちらの耳にもはっきりと届くほど大きく淫らに響き始める。

「あぁっ、はぁんっ、貴方のおちんちん、気持ちいいっ……」

 ぬめりを増していく陰唇の感触と、自慰と殆ど変わらぬ姿、それも自分の生殖器を使ってのものとなれば、擦り合いで得る快感以上の官能が強く湧き上がる。こちらからは何もせずに見ているだけなのに鼓動は高鳴り、呼吸も荒くなっていく。

「あっ、んっ、貴方も、気持ちいいの? 息、乱れてきてるよ?」

「そりゃ、姫の熱くて柔らかい、とこで、ずっと扱かれてるみたいなものだから、ね」

「ふふ、そっか。貴方も気持ちよくなってくれるの、嬉しいな……」

 わかさぎ姫から好きに襲うという趣旨の性交なのに、相手も気にするところがとてもいじらしい。

 これくらいは許されるはず、と地面に敷いた敷物についていた右手を彼女の頭へ添えて緩い手つきで撫でると、わかさぎ姫は紅潮した頬を緩ませた。

「私もね、とっても気持ちいいよ。ここ、とかね、こうやって、こすると、すごくいいのっ……」

 わかさぎ姫は肉幹の上部へと腰を持っていくと、張り出したカリ首に陰核を擦り付ける。小さくも硬く膨張したクリトリスがカリ首を弾く感触はこちらも気持ちよく、その度に体をぎゅっと縮こまらせる彼女の姿も可愛らしい。

 秘芽をカリ首で自ら抉って法悦を堪能し、そればかりでなく肉幹にも長く擦り付けて快感を味わうわかさぎ姫。すっかり腰の動きに辿々しさはなく、息は乱れ顔は蕩けていても腰が止まりはしない。

「ね、またおっぱい吸って?」

 わかさぎ姫は陶然とした目つきでこちらを見やると、自身の乳房をたぷんと持ち上げてこちらの口元に差し出す。

 掲げられたのは授乳手コキで何もしていなかった方で、こちらは最初にほんの少し味わっただけだ。向こうにはあんなにしたのにこっちはまだ全然足りないと、勃起して鮮やかな桃色を膨らませた肉粒と、彼女の潤む青い瞳が訴え、待ち望む。

 躊躇も焦らしも一切せずにすぐに吸い付くと、わかさぎ姫は歓喜の声を上げて身を震わせた。

「あっ、はぁんっ……! 約束、だったもんね、また、あげるって」

 こちらから催促するでなく、自ら先の約束を拾い上げるくらい彼女自身も求めてくれている事実が嬉しく、是非その期待に応えたくたいと強く思う。とはいえ、自分だってわかさぎ姫の豊乳を味わい、堪能する喜びは大きいので、自然とどちらも叶えることになるが。

 授乳を受けていた際と同じく、こちらの乳にも吸い付くような口付けを乳首に浴びせ、舌でくすぐり、ざらついた面で撫で上げる。既に火照り切ったわかさぎ姫の肢体はすぐに官能を色濃く乳粒にも現し、より存在感の増した肉蕾へ吸盤みたいに吸い付くと、彼女は熱い吐息を零す。

「んっ、あっ、はぁっ……、おっぱい吸ってもらうの、やっぱり、好き……。貴方は? 貴方も吸うの、好き?」

 それに対する答えなんて一つしかなく、返事代わりに口を窄めて強く吸い付き、わざと音を鳴らして派手に求めてやる。

「はぁんっ! あっ、ふあぁぁっ……! ふふっ、そうだよね。貴方もおっぱいちゅうちゅうするの、大好きだよね」

 言外の返答はしっかりと伝わり、それはわかさぎ姫にとっても満足のいく回答だったらしく、頬を緩める。

「これ、貴方におっぱい吸ってもらいながら出来るの、すごくいいね。初めてするのに、もう好きになっちゃった」

 授乳を邪魔しない程度にわかさぎ姫は腰を前後に揺らし、乳房と性器、両方の性感帯で快感を堪能する。一方、自分は乳肉に顔を埋めて、しばしお預けされていた乳と、二枚の肉びらが肉幹をにちゃにちゃと擦り合う感触を味わう。

 淫欲と母性を伴った愛慕をこれほどに与えられてしまうと、もはやこちらに出来るのは肉欲と情愛を貪る許しに甘えるくらいであり。

 果ててしまうその時まで、ずっとこうしていたい。多大な幸福感に浸り、絶頂まで導かれたい欲求が胸中を満たす。でも、顔を出し始めた射精欲に屈するわけにはいかなかった。

「あっ、んっ、はぁっ……、あっ、んっ……!」

 それを堪えてわかさぎ姫の様子を窺えば、快楽で呼吸を乱し、屹立に秘裂を一心不乱に擦り付けている。責めに集中、というよりは蕩けて夢中になっている、が近そうだ。

 このままではいつまでも続けてしまいそうなので、こちらが先んじて――非常に名残惜しくも――豊乳から口を離すと、彼女は小さく声を漏らす。

「……あ、んっ……。もういらないの? お腹いっぱいになっちゃった?」

 急に取り止めた理由を、本当に赤子への授乳を行っていたかのように尋ねては、今はまだ出ぬ母乳を欲してもらえないのを残念そうに零す。

「いや、本音を言えばもっと欲しいくらいだけど……」

「なら、吸っていいのよ? ほらほら」

 本心では自分だってまだ甘えていたい。それを正直に伝えると、わかさぎ姫はついさっきまで咥えていた乳房を持ち上げ、ゆさゆさと弾ませてアピールする。

 目の前で踊る手の平から溢れる肉房と、すっかり膨らんで赤みの増した乳首が唾液に濡れ光る姿、加えて再度の授乳を向こうから求められてと、またあの至福に溺れたくなる欲望をこれでもかと駆り立ててくる。

「そ、そうしたいのはやまやまだけど……」

 だが、ここはぐっと堪え。

「姫もそろそろいい頃合いみたいだし、吸いながらだと入れにくいかなって」

 それを聞いて、わかさぎ姫は僅かに遅れて短く「あっ」と声を小さく上げると、こくこくと頷く。

「そ、そうだね。気持ちよくて、準備なの忘れちゃってたわ」

 素股に夢中で本来の目的を忘れていたのは、こちらの見立てどおりだったらしい。

「それに、正直俺も結構危なくて」

「危ない?」

「あのまま続けられてたら、近い内に出しちゃってただろうから」

 それを聞いたわかさぎ姫は可愛らしくにやりと笑う。

「なら、やっぱりこのまま貴方がイクまで続けちゃおっかなー」

「姫みたいな怖い妖怪には逆らえないから、お好きなように」

 したり顔で企むわかさぎ姫の、緩く波打つ髪をさらさらと撫でつつ、生殺与奪の権を委ねる。目の前の妖艶で可憐な人魚姫に無力な人間が逆らえるわけなどない。

 すると、彼女は一笑して首をふるふると横に振った。

「ううん。今日のところは見逃してあげるわ」

 わかさぎ姫は口元に指を当てていかにも余裕たっぷり、自信有り気な口振りで言うと、ふふんと鼻息を鳴らす。

 慣れない強気な演技に相当大袈裟になってしまっているのがまた愛らしい、なんて思っていると、彼女はすぐにその嘯いた表情を収めて、「それに」と呟き――。

「その、私もね、もう、奥が切ないの……」

 甘えた視線を向けて、囁く。

 今日の趣旨が趣旨である以上、こんな口説き文句を前にしても自分がわかさぎ姫を押し倒すなんて蛮行は出来ない。その代わり、頷くことは出来る。もう準備は大丈夫だと、こちらはいつでもいいと。

 彼女もこくりと頷き、乳房を持ち上げていた手を下へと移して身を捩ると、指で広げた割れ目を亀頭に擦り付ける。

 既にしとどに濡れた二人の性器はぬるぬると滑り、張り付く二枚の肉びらの奥でとろとろにほぐれた膣穴が涎を零していた。

「姫、ちゃんと支えるから、ゆっくりでいいよ」

「うん。ありがとう」

 わかさぎ姫の柔らかなウェーブを描く髪と側頭部に生えた鰭を撫でて、改めて腰のやや下に手を回す。これで、彼女が腰を下ろすタイミングに合わせて自分も手を下げれば、姿勢は安定するし急に奥までなんてことにもならないだろう。

「……じゃあ、いくね?」

 わかさぎ姫は一つ深呼吸を挟んでからそう宣言すると、体を少し動かして亀頭の先端を膣穴に宛がい、腰を沈ませていく。

「あっ、ん、はっ、あぁぁっ……」

 上から降りてくる小さな膣口を亀頭が割り開き、少しずつその内部へと呑み込まれていく。先の見立てどおり、柔らかく蕩けた膣内は亀頭をスムーズに迎え入れ、張り出したカリ首が膣肉をこする。

 事前の濡れ具合を見るに大丈夫だとは分かっていても、わかさぎ姫が漏らす声に苦悶の色は無さそうでほっと胸を撫で下ろす。

「これ、好きなのっ……、貴方のおちんちんが、私の中にみちみちって入ってくる感覚、だいすきっ……!」

 そんな安心を得る一方、わかさぎ姫は挿入の感覚にうっとりとした声を上げる。向こうからは初めての挿入ながら、陰茎を歓迎する腰つきに一切の滞りはなく、分泌されたばかりの愛液を浴びて肉棒は深く深くへと案内されていく。

 それはやがて一番奥に辿り着き、膣奥と亀頭が触れ合うと同時に結合部では自分とわかさぎ姫、二人の体がぴったりと密着する。

「っ、くぅっ……!」

「あっ、はぁんっ……! 奥まで、きたね……」

 瞬間、膣内はぎゅうっと強く収縮し、大量の肉襞が分身に纏わり付く。内外ともに深く密着し、下半身が痺れる快感に肉棒は大きく震え、陰嚢から精液が一気に込み上げる。ついさっきまで素股で焦らされていたのも手伝い、その感覚はいつもよりも格段に重い。

 しかし、まだだ。まだ、この溶け合うほどの熱を碌に味わっていない、熟れて蕩けた柔肉を何も堪能出来ていないと堪え、主導権を握る彼女から与えられるであろう快楽を待つ。

「えっと、腰を、上下に……」

 待つ、が、それは一向に訪れない。

 こちらの首に手を回して、体に圧し掛かるわかさぎ姫は口でこそ動こうとしているが、体の方は全くついて来ていなかった。

「ん~……、む~……」

 身動ぎ程度に腰が浮きこそすれど膣内の様子は殆ど変わらず、わかさぎ姫が悶々とした声を上げるだけに終始する時が過ぎていく。

 恐らく、普段の正常位で自分が彼女にしているような、腰を一定のリズムで打ち付けるピストン運動を、今の体勢で近いものを挙げるなら騎乗位で主導したいらしい。

 とはいえ、両脚で支えを作って――が厳しい以上、尾がその役目を担うわけだが、尾だけで全体重を支えるのも難しいらしい。

 二人ともが横に寝転べば打ち付ける動きもそこまで難しくはないと思うが、それでは責めている感は薄そうだ。まあ、今の身動ぎでも気持ちいいといえば気持ちいいが、思うように上手く出来ず不完全燃焼で終わってしまうのは可哀想なので、助け船を出す。

「姫、体を支えるのは俺が全部引き受けるから、もう少し深めに倒れてきてもいいよ。その方が動くのに集中出来るだろうし」

「……重くない?」

「大丈夫!」

 可愛らしい不安に張り切って答えると、わかさぎ姫は小さく笑い、こちらにおずおずと倒れ込んで来る。

 自分は腰に回していた手を少し下げてお尻辺りに移し、もう片手はわかさぎ姫の背中に手を回して抱き留め、体をそっと後方に倒して全てを委ねる。ほぼ、自分の体の上に彼女が寝ている体勢だ。

「それで、上下じゃなくてもいいから、さっきみたいに前後に動かすといいかも」

「いいの? それで貴方は気持ちいい?」

 こちらからの提案に、わかさぎ姫は小首を傾げて尋ねる。真っ先に気にする問いが気持ちよくなってくれるかどうかなところが、やはりいつもと変わらなくていじらしい。

「それも大丈夫。だから、試しにやってみてくれる?」

 何も気兼ねせずともいいと再度促すと彼女は頷きを返し、動かそうと中途半端になってしまっていた腰を少し深めに落とす。

「……じゃあ、するね?」

 わかさぎ姫は一度大きく息を吐くと、先程の素股のように腰を前後に揺すり始める。今までの不慣れな上下運動とは違い、既に予習済みの動きに淀みは少ない。

 彼女自ら膣内を怒張で捏ねる腰使いは激しいものでこそないが、その分膣が緩やかに収縮して陰茎を優しく締め付け、たっぷり蓄えられた肉襞も摩擦を求めて率先して纏わり付いてくる。しかも、時折わかさぎ姫自身の快感に呼応され、蜜壺が強くも可愛らしくきゅっと締まるのが心地良い。

「はぁっ、んっ、あぁんっ……」

「姫、俺からは上手く出来てるように見えるけど、自分からはどう?」

 そう尋ねると彼女は腰を止めないまま、言葉を返す。

「んっ、私は、動きやすいし、気持ちいいけど、あぁっ、んっ、貴方は、ちゃんと、気持ちいい?」

「勿論。特に、姫が気持ちよくなってくれると中が締まってもっといい感じだから、気にし過ぎなくていいよ」

 喘ぎ混じりに尋ねるわかさぎ姫に大きく頷くと、彼女は快感に緩んだ頬を赤らめる。

「そう言われると、あぁんっ、恥ずかしいけど……、んっ、でも、嬉しい……」

 会話を交わす間にも、腰を絶えず揺すって快楽を得て、その分を返そうと頑張る姿がとても愛おしい。こちらから突き上げるを返すくらいなら出来るが、今ばかりは動くのはわかさぎ姫に任せ、彼女の健気な姿と柔肉壺で擦り合う屹立に意識を集中させる。

 ふわふわの膣肉で陰茎全てを温かく包み込み、ぴたりと吸い付く襞が肉幹から亀頭まで、丹念に舐めしゃぶる。止めどなく湧き出る愛蜜が柔肉を更に蕩けさせてぐじゅぐじゅに熟れさせ、締め付けているのに膣内での摩擦を滑らかする。

 わかさぎ姫の膣内から肉棒を殆ど溢れさせない、ゆったりとした動きだからこそ味わえる極上の快楽が、あっと言う間に全身を駆け巡っていく。

「あっ、ふあぁっ、ああぁっ、あんっ……!」

 そして彼女も、汗の浮いた顔を赤く染めて一動作ごとに熱のこもった吐息を漏らし、法悦を求める動きを一切止めようとしない。

 そんな光景に胸が高鳴る傍ら、方や寝そべり方や覆い被さっての体勢では必然的に押し付けられるものに、またも心が奪われる。わかさぎ姫が身を捩ったり、体勢を微調整する度に豊満な乳房がむにゅむにゅと形を変えて圧し掛かり、とてつもないボリュームと存在感を強烈に伝えてくる。

「あぁっ……、んっ、はぁんっ……! 貴方のおちんちんのね、エラになってる、とこでこするの、好き、好きぃ……」

 わかさぎ姫はすっかり感覚を掴んだ淫靡な腰つきでより小刻みに動かし、膣肉をカリ首に擦り付けて自らの言葉を実践する。

「あぁっ! これ、こうするとね、私の中を、貴方のがぷちゅぷちゅってして、それがとっても気持ちいいのっ……!」

 自身の弱いところを自ら責め立て、快感に蕩けた表情で訴えるわかさぎ姫。

 その赤裸々な告白どおり、カリ首が膣内の襞や肉粒を弾く度に膣内がびくびくと脈動する。その蜜壺の蠢きは陰茎を下から絞り上げるかのようで、肉棒を柔らかくも強烈に扱いてくる。

「姫、俺も、凄く気持ちいいよ」

 背中に回した手を彼女の頭に添えて、体の動きに合わせてふわふわと揺れる緩い巻き髪をさらさらと梳く。わかさぎ姫は口角を綻ばせ、リラックスした表情こそ見せるが腰を揺らすのは依然止めない。

 激しく互いの体を打ち付けるピストン運動ではない、蜜壺と怒張を擦り合わせる二人の間ではぬちゃ、ぷちゅっ、ぐちゅ、と淫らな水音が響く。粘膜が睦み合い奏でる音と、二人の男女が荒い息を零す音、この空間にある音はそれらたった二つだけだった。

 肉竿は絶えず脈動する膣内の中でしきりに跳ね上がり、柔肉壺のそこかしこに携えた柔らかな肉粒を弾いては強まる抱擁にまた身を震わせてしまう。

 緩やかながら休みなく供給される断続的な官能と快感がじわじわと心と体の深くまで侵食し、下準備として行った素股で高めていた性感を確実に押し上げ、やがて限界まで届かせる。

「姫、そろそろ、出そう……!」

「うんっ、いつでも、あぁっ、いいからね? 私も、あぁんっ、もうすぐ、だからっ……!」

 わかさぎ姫は艶やかに彩られた許しを出すと、こちらの瞳をじっと見据える。

 貴方がイクところを見ててあげる、とも、私にイカされるところを見逃してあげない、とも言外に語る、潤んだ青い瞳。絶頂を間近に控えて全身が無意識に強張ると、僅かにぴくんと目蓋が動くが、こちらを見やる視線は変わらず。

 全てを包み込む優しい表情と、妖怪らしい輝きを秘めた大きな蒼玉に射竦められて、絶頂に達した。

「っ! くぅっ……!」

 下半身が強く収縮し、それを解放する感覚が全身を駆け、陰嚢にまだ残っていた精液をわかさぎ姫の子宮へと脇道振らずに注ぐ。彼女に導かれての射精は三度目にしてようやく、牡の本懐を果たせる可能性のある場所へと向かって行く。

「あっ! はぁっ! 貴方の、びくびくってぇっ……! あっ、あぁっ……!」

 膣内で分身が大きく暴れる感覚と、自ら腰を揺らして搾り取った精液に子宮を叩かれる感覚、その両方に押し上げられ、わかさぎ姫も絶頂を迎える。全身に電流が走ったかの如くびくん、びくっと肢体を跳ねさせて、可愛らしい喘ぎを漏らす。

 精液を搾ろうと痙攣する膣内に倣って陰茎も脈打ち、求められるまま子種を子宮内へと継ぎ足し続ける。その度に彼女は半端に開いた口から乱れた吐息を零し、絶頂の余韻と胎内に追加される精子の感覚に恍惚としていた。

 全てを出し切るほどに長く続いた射精と肉棒の脈動はやがて落ち着きを見せ始め、それに少し遅れてわかさぎ姫の肉体の震えも治まっていく。彼女も体力を消耗したのだろう、こちらの胸に頭を預けて顔を伏せてしまう。

「はぁっ、はあっ……、んっ……」

 わかさぎ姫の髪に手を添えて軽く梳き、間近で乱れる吐息を耳にしながら自分も呼吸を整える。

 慣れない行為をとても頑張ってくれた彼女を労う傍ら、今日のところはこれでお終いかな、と思案していると、息を整えた彼女が顔を上げてこちら見上げ、柔らかく微笑み――。

 腰を左右に揺すり、射精を終えたばかりの怒張をまた扱き始める。

「っ! く、うあっ……!」

 再度下半身を掛ける急な快感に思わず唸るが、わかさぎ姫は腰を止めはしない。

「ひ、姫っ、まだっ……!?」

「だって、まだ、出るよね? 私、あれだけじゃ足りないの」

 彼女は当然だと言わんばかりに言い切ると、自身の下腹部をぐいぐい押し付ける。

「私の子宮が、貴方の精子がいっぱい欲しいって、疼いてるの」

 わかさぎ姫が体を押し付けるのに合わせ、膣奥と亀頭も強く触れ合う。今し方精液を浴びたばかりなのに、いや、むしろそれが呼び水となったかのように膣壁は肉竿をぎゅうぎゅうと引き絞り、新たな子種を求めてくる。

「だから、もっと、頂戴?」

 甘えた声色と加減の一切ない腰つきで責め立ててくるわかさぎ姫。

「っ、うぁっ……! んむっ……」

 あまりの快楽の奔流にまたも唸り声が漏れるが、それはあるもので途絶えさせられてしまう。

 唇だ。流れるような手つきでこちらの頬に手を添えたわかさぎ姫の唇が、半端に開いた唇を完全に塞いでしまった。

「んっ、ちゅぷっ、はぁっ、じゅ、んっ……!」

 その感触に加え息が一瞬詰まる感覚に意識が浮つく間にも、彼女の舌が口内に侵入し、一方的に舌から口内、歯列まで好き勝手に愛撫される。生温かく弾力を持った粘膜に口腔を撫でられる度に全身が溶けそうなほどに熱くなり、思考もふわふわと霞んでいく。

 最初に行った際の、おずおずとした遠慮は一切ない。ただただ、したいことをする強引なお姫様に犯されていた。

 そんな一方的な凌辱は、口呼吸以外で酸素を得る術を忘れてしまうほどの快楽を叩き込み、脳を塗り潰す。息が詰まり苦しいのに、抵抗どころかまだまだ続けて欲しいとさえ思うほどに。

 このままでは不味い、そう微かに思った矢先、それを読み取ったのか彼女の唇が離れた。

「っ! はぁっ、はあっ……!」

 荒く呼吸を繰り返して新鮮な空気を必死に取り込む自分に対し、わかさぎ姫は自らの口元に付着した唾液を舌なめずりして舐め取ると、嫣然と笑う。

「姫、少し、待っ……」

 一瞬だけ出来た僅かな隙間に、息が整いきるのも待たずに口を挟む――が、それもまた、塞がれてしまう。

 彼女のたっぷりと巨大に実った乳房が顔に圧し掛かって包み込み、口には乳首が突っ込まれて強引に授乳の体勢を作られる。

「ふふっ、口答え禁止ー。喋る余裕があるなら、私のおっぱい、ちゅうちゅうしてて?」

 台詞はおねだり、口調は軽口めいたものではあるが、顔だけでなく同時に尾で足元も抑え付けられて、逃げないように捕らえられたうえでのそれは、有無を言わせないもので。

 どうやら、抵抗はもとより口を挟みすら出来ないらしい。それなら、もう水は差すまい、彼女が満足するまで付き合うと心を入れ直し、お姫様の仰せどおりに乳首を吸ってやる。すると、わかさぎ姫は可愛らしく笑い、また腰を動かし始める。

「私ね、どうすれば上手に出来るのか、少しずつ分かってきた気がするの」

 彼女はそう言うなり、腰を深めに押し付けて、左右に軽く捻り揺すってくる。

「こう、すると、はぁんっ、おちんちんがいっぱい、こすれて、んっ、中が、ぐちゃぐちゃになって……」

 淫らに揺れ踊る腰の動きに合わせて、ぬるつく肉襞と柔らかな肉粒がカリ首を弾き磨く。敏感な亀頭を激しく摩擦される快感につい肉蕾を強く吸ってしまうが、わかさぎ姫は小さく微笑むだけで動じずに腰をまた揺らす。

「こう、だと、あぁっ、んっ、貴方がしてくれるみたいに、ずぼずぼって、出来るのよね」

 こちらの体の上で自身の体を滑らせて前後に動かし、腰を持ち上げずとも押し引きの動きだけで屹立を上手に扱く。勢いやストロークの長さこそ自分が主導してのピストン運動に劣るものの、その分ねちっこく丹念に快楽を叩き込んでくる。

「あ、おちんちん、またびくってしたね? そんなに気持ちいい? 気持ちいいよね?」

 膣肉を分身に擦り付けては左右に捻って捏ね、倒れ込みながらも扱いてと、どんどん上達する腰使いで法悦を叩き込み、彼女は耳元で囁く。

 もはや断定された問い掛けに否定なんて出来やしなかった。口が塞がれている以前に、答えなんてお互いに分かり切ってたし、今や乳房に甘えることすら疎かになってしまっているのだから。

「ほらほら、お口が止まってるよ。貴方だけのおっぱいって言ったよね? なら、貴方が赤ちゃんみたいにちゅうちゅうしてくれなきゃダメでしょ?」

 それを本人にも咎められ、快感で蕩ける意識に弱々しくも喝を入れて乳を吸う。授乳の際に褒めてくれたように、大きく膨らんでアピールする肉粒を舌で転がし、音を立てるほどに吸ってやる。

「あぁっ、んっ、そうそう、舌も使って、上手上手ー」

 わかさぎ姫はよくできましたとご褒美代わりに腰をより深く落として、今まで以上に陰茎を呑み込む。膣肉もきゅううと強く締め付け、奥に掛けて窄まる肉壁が、亀頭から裏筋、肉幹の血管までも舐めしゃぶる。

「はあぁ……、これ、すっごく気持ちいいんだよ。私の大事なところを、貴方の硬くておっきなおちんちんにぐりぐりってして、おちんちんと子宮でキスするの好きなの。お口同士でするのも大好きだけど、こっちでするのもだーい好き」

 うっとりとした声音と表情を恥ずかしげもなく晒し、その口調に合わぬ淫靡な腰つきで左右前後とめちゃくちゃに肉棒を捏ねては子宮に押し付けて、自ら示した法悦を貪るわかさぎ姫。

 接合部からはぶじゅ、ぼちゅっ、と重い水音が響き、こちらの体に垂れ落ちる愛蜜の粘っこさと熱さにすら、興奮を覚えてしまう。

「でも、今はお口はおっぱいとしなきゃだから、その代わりにこっちでいっぱいちゅーしようね」

 小刻みに腰を動かして、わかさぎ姫は繰り返し怒張に子宮口を押し当てる。亀頭の先端にこつこつと当たる子宮の入り口の感触と、多少の動きでは離れないほどぴったりと吸い付く膣肉のぐじゅぐじゅに熟れた感触が、陰茎の感覚を更に狂わせる。

 ふわふわで柔らかくも締め付ける膣内も屹立を絞り上げて、子宮への口付けを手伝う。子宮口からも強く吸われる感覚はディープキスそのものであり、彼女のお望みどおり、性器同士でのキスを深く熱く交わす。

「いい? 貴方は全部、私のものなんだからね? 貴方の愛も、大好きって気持ちも、おちんちんも、精子も、私だけのもの。他の誰にもあげない、私だけ。ぜーんぶ私がもらっちゃうから」

 普段は全く見せぬ濃密な独占欲と情欲を青く透き通った美しい瞳に覗かせて、人魚姫は妖艶に笑い、艶やかな声で囁く。

 背筋に走るぞくぞくとした快感と、魅入られるような怖気。溺れた者を無理矢理水底まで引きずり込まれてしまう、水面を覗く者が自ら飛び込んでしまう、そんな妖しくも抗えぬ力が、わかさぎ姫から目も耳も、心も離すことを許してくれない。彼女の艶乳を味わい、膣内でも分身を愛され、法悦を貪っているのは自分も同じなはずなのに、まるで捕食されていく心地だった。

 尽きぬ快楽は既に出し切ったと思っていた精液を陰嚢から引きずり出す。陰茎はびくびくと一際大きく脈打ち、主であるわかさぎ姫の子宮へ子種を捧げる準備をする。

「あっ、貴方、イキそう? じゃあ……」

 彼女もそれを察すると、愛らしい笑顔を浮かべて。

「ふふっ、出しちゃえ、出しちゃえっ」

 楽しそうに腰を好き勝手に振りたくり、亀頭を膣奥でめちゃくちゃに捏ね回す。肉幹に柔肉壺の襞が不規則に絡み付いて肉粒を弾き、鈴口と子宮口はぴったりと口付けて、向こうも受け入れる準備を万全に整える。

 人魚姫の甘ったるい命令に逆らいなど出来ず。それでも何かに縋りつこうと、口内に咥えたわかさぎ姫の乳房に吸い付いて甘えながら、絶頂に達した。

「あっ、とろとろって出てっ……。やっぱり、まだ残ってたー……」

 射精の瞬間に感じる全身を巡る快楽こそ遜色など一切ないが、もはや射精自体の勢いは殆どなく、精液も今までに比べかなり控えめな量しか出ない。

 しかし、わかさぎ姫はその一匙すら満面の笑みと蕩けた声で迎え入れ、子宮でごくごくと飲み干していく。

「もっと、いっぱい、出してっ……」

 更には、こちらの頭をぎゅうと抱き締めて、膣内でも抱擁し肉棒をまだまだ絞る。

 快楽とわかさぎ姫の体温と埋もれる乳房の柔らかさで混濁する思考の中、彼女のために少しでも精液を出そうと意志だけは力を込める。

「あっ、中で、おちんちん、びくって、あっ、はぁあぁっ……!」

 それで追加された精子は、たった一つかも知れない。それでも、抱き着くわかさぎ姫は全身をびくびくと跳ねさせる。

「はぁんっ……、ふふ、貴方のせーしに犯されるのが気持ちよくて、またイッちゃった……」

 頭をよしよしと撫で、蕩けた声で呟くわかさぎ姫。膣内射精の実感と、子種が子宮を満たす感覚で達したと吐露するその姿は、男の精液を搾り取る淫魔のようで。

 彼女は抱き着く頭を解放して少しだけ顔を離すと、じっとこちらを見やる。まだ情欲に彩られながらも大きな母性も携えた、潤んだ青い瞳から目を逸らせずにいると、柔らかく表情を緩めた。

「種付け、とっても頑張ったねー。貴方が落ち着くまで、おっぱい吸ってていいからねー」

 未だに乳房に吸い付いたままのこちらの頭を優しく抱擁し、よしよしと撫でさすってくれるわかさぎ姫。

 やっぱり、責められるというよりは甘やかされているなあと思いつつも、最後の最後にこわい妖怪に凌辱同然に搾られて、全身を襲う虚脱感はまだまだ抜けず。

 人間を襲う怖くも優しい人魚姫のご厚意に、もう少しだけ甘えていた。

 

 

 

 霧の湖を包む程よく涼しい風が、火照りに火照った体を冷やしてくれて心地良い。

 わかさぎ姫発案の、彼女が終始主導権を握る性交――少々、こちらからも口出ししたが――を終え、消費した体力やわかさぎ姫の色香に沈溺した精神も平静を取り戻したところで、一つ尋ねてみる。

「姫、終わってみて、どうだった?」

「とっても楽しかった!」

 彼女は大輪の向日葵を思わせる満面の笑顔を見せ、快活に答える。心なしか交わる前よりもツヤツヤとした顔も合わせて、いかに満たされたかを物語っていた。

「それならよかった」

 始めた当初こそ上手くいくかと不安な面もあったが、本人がそう思ってくれたなら何よりと胸を撫で下ろす。

「それと、一緒に分かったこともあるの。やっぱり、貴方は私を大切にしてくれてるんだなーって」

 だが、続くわかさぎ姫の台詞に、「え?」とつい水を差してしまう。

「自分で言うのもなんだけど、そんなところあったっけ?」

「どうすれば私がしたいことを叶えられるか、貴方もずっと考えて、手助けしてくれたでしょ?」

 確かに、彼女がリードするとはいえ全てを任せずに手を貸した部分もあった。あったが。

「それくらい、当たり前じゃ……」

「当たり前って思ってくれてるのが嬉しいの」

 わかさぎ姫は嫋やかな笑みをふわりと綻ばせると、あの時よろしく跳び掛かってきた。

「貴方のそういう優しいところ、大好きっ!」

 こちらの胸元に身を預けて見上げ、可憐に笑うわかさぎ姫。

 満足はしてもまだまだ積極的なお姫様の可愛らしすぎる愛情表現に、それを向けられる自分の方が照れてしまう。

「そ、そうそう。もし、また今日みたいな風にしたくなったら、いつでも言ってくれれば……」

 せっかく落ち着いたと思ったのに、早くも熱さを取り戻してしまった頬を掻きつつ言うと、わかさぎ姫はこちらを見上げたまま、小首を傾げる。

「いいの?」

「いいよ。なんなら次も、でも構わないけどどうする?」

 そう尋ねてみると、彼女は一切の思案を挟まずに首を横に振った。

 逡巡すらしないのは少し意外だったが、今のところはお腹いっぱいかな、なんて思っていると――。

「次は、ね。また違うことがしたいなって」

「違うこと? それは、今聞いても?」

 なんと、彼女には別の案が早くもあるらしいので更に尋ねると、わかさぎ姫はこちらの頬に手を添えて、そっと呟く。

「次は、貴方もどうかな、って」

「……え?」

 胸元に体を寄り掛からせ、こちらを上目遣いに見やる青く丸っこい瞳と見合い聞き返すと、彼女は一度だけ瞬きをして、自分の耳元に口を寄せた。

「襲われてみたいなあって。貴方に。私を、好きにして欲しいの。貴方のしたいこと、していいから」

 耳元で紡がれたそれは、牡を色香で惑わす囁きというよりも、自分以外の誰にも聞かれたくない、羞恥を乗せた密やかな声を纏ったもので。

 言い切ってから一拍置いて、淑やかに体を離したわかさぎ姫の頬は赤く染まり、透き通った瞳には交わりを終えたばかりにもかかわらず、情欲の欠片が浮かんでいた。

「今日のお礼も兼ねて、ね?」 

 彼女の心のこもった“お礼”の提案を、今日の始まりと同じく断れるわけなど無く。

 思わず声を詰まらせつつも大きく頷くと、わかさぎ姫は再びもたれかかってくる。こちらを見上げる視線には、はっきりとした期待の色が見て取れた。

「ふふ、人間の頼もしいところ、見せてね?」

 今までの蠱惑さを取り払った、さながら食事に誘うくらいの気さくな口振りでお願いするわかさぎ姫。

 それならと、手始めに彼女の背中と尾のやや手前に手を回して、お姫様抱っこで抱き抱えてやると、彼女は楽しそうに笑って向こうからも抱き着いてくる。

 近い内に訪れるであろう時に備え、今から考えておこうか。妖怪の怖さを教えてくれたこの愛らしいお姫様に、どうやって人間の意地を見せてやろうか、と。


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