修道院から公爵家に迎え入れられた敬虔な信仰者の少女リリアナ。新たな家族に温かく迎え入れらえる彼女だがその家、レイランド家にはある恐るべき秘密があった。
恥ずべき罪を犯したある少女の、長い告白。
※この物語はフィクションです。実在の人物・宗教・団体などには関係ありません。
天にまします父なる神よ。貴方の御前に罪を告白することを御許しください。
本来であるならば教会へと赴き司祭様に懺悔させていただくのが正しいことであるとは存じあげております。しかし、あぁ、しかし、ただ例え懺悔室の壁越しであったとしても、私は私の罪を人に向かって語るのが憚られるのです。貴方様の地上における権威を代行する聖職にあられる方々を軽んじているわけでも、愚弄するつもりもないことは、はい、貴方様に誓って申し上げます。ただ、私は私自身の罪が恐ろしいのです。人に向かって、語り掛けるようにして私の罪を自らの口で言葉にした時、罪そのものがこれ以上ない明瞭な形をもって私の前に立ち上ってくるのではないかと。暗がりに屯している黒々とした
故に、私は今こうして筆を取っています。私の部屋、私の机の上。ここにあるものは筆とインクと紙と、貴方様に向き合うための十字架が一つ。これだけです。私は今これからここに懺悔を書き記そうと思います。余人に語るのも、口にするのも憚られる……私の浅ましく、救いようのない、身も心も腐り落ちるような、罪を、書き記したく存じます。このことを知るのは私自身と他ならぬ貴方様以外にはおりません。主よ、どうか私をお許しください。主よ、どうか私をお救いください。お導き下さい。
まず私の罪について告白するためには私自身の生い立ちから語り始める必要があるでしょう。私の名はリリアナ・レイランド。親しい方はリリィ、とも呼ばれます。レイランド公爵家の娘です。しかしながらレイランドの名を名乗ることを許されたのはつい最近で……ここ一年ほど前の事になります。私は庶子でした。オクタビアヌス・レイランド……つまり、私のお父様とその愛人であったお母様との間の子です。幼い頃は母と二人暮らしで、父の名も知りませんでした。父の名を初めて知ったのは母が亡くなったときの事です。まだ物心つくかつかないかという時分のころに母が亡くなり、葬儀の席で初めてお父様にお会いしたのだったと記憶しています。お父様は今と変わらず厳格で厳粛な面持ちで、幼心にどこか怖い所の有る方だったと、そんな印象を持ちました。
母の死後、私は修道院に預けられました。私を本家で引き取っていただけるというお話もあったとは後になって聞きましたが、何かと事情があってそのような沙汰になったそうです。修道院への紹介や持参金なども本家の方で工面してくださったとのことで、今にして思えばあの頃から私はレイランドの家には大変にお世話になっていたと言わざるを得ないでしょう。今、こうして一緒に暮らすようになってからも、皆とてもよい方々ばかりで私は何につけても恵まれているとまことに感謝に絶えません。
私が預けられた聖アグネス修道院はレイランド公爵家が後援に当たっており、古く、伝統と格式ある女子修道院でした。立地自体も街から離れた農村部の片隅にあり、俗世から離れて信仰と祈りに向き合うにはこれ以上適した場所も無いでしょう。女子修道院ですから当然在籍されている修道士の方々もみな女性でした。特に夫を亡くされたり、子供たちが独り立ちなされたとのことで余生を信仰の道に捧げようという壮年のご婦人方が多く、私は彼女らから娘か、孫娘に対してそうするように接されました。当時の私は母を亡くしたばかりな上に、いきなり生活の環境も変わってしまい、酷く心細く、夜ごとに泣いて過ごしていた覚えがあります。その私を温かく受け入れ、育ててくださった修道院の皆様には心から感謝の念が堪えません。女子修道士のことをシスターと呼びますが、私にとっては皆さまはシスター、姉妹というよりはマザー、母と呼ぶべき方々でした。主よ、人の出会いもまた貴方様の思し召しだというのであれば、私はどれほど貴方様に目をかけていただいているのでしょうか。そのことを自覚した日から、私は心の底からの祈りを欠かした日はございません。ご存知の通り修道院での生活は厳粛と静謐の内に営まれます。夜明け前に目を覚まして祈りを捧げ、午前の労働に身を捧げて昼に祈り、夕方まで働き夜には祈りと共に眠りにつきます。多くの戒律と規律を守らねばならない生活ですがそれを苦に思ったことはありません。労働は貴方様への奉仕であり、祈りは貴方様に向き合う時間なのですから、それは喜びでこそあれ、苦労などではないのです。
ただ、修道女としては恥ずべきことではあるのですが、そんな日々にもわずかながら胸躍らせる娯楽と言えるものがございました。度々レイランドのご本家から来られる、グレゴリオお兄様の存在です。グレゴリオお兄様はレイランド家の次男であられる方で、騎士として領内の警邏の責任者という立場にあられました。お仕事の一環としてレイランド家の領地を巡回し、領民の方々をお守りするために日々額に汗して働いておられます。その際の順路には私が暮らす修道院も含まれているとのことで、およそ一月に一度くらいの頻度でお会いすることになります。煌びやかな鎧姿で立派な馬にまたがる騎士様たちの勇壮な姿。道の向こうに旗が翻るのが見えますと修道院の皆様も俄かに色めき立ちます。やはり修道女としては恥ずべき振る舞いで、後で実際に修道院長様にお叱りを受けるのですが、それでも毎日同じ生活を繰り返す日々の中ではちょっとした変化が大きな催事になってしまって盛り上がるのは避けられないのだと思います。…………特に騎士様方は私達の生活の中ではほとんど会う機会のない、殿方であるということもあったでしょう。やはり、修道女としては恥ずべきことなのですが。
今も、レイランドのお屋敷で暮らすようになってからもそうなのですが、当時からグレゴリオお兄様には大変よくして頂いておりました。お仕事であちこちを巡回なさっているお兄様はお土産とばかりに色んなお話をされていくのです。街で流行りの戯曲のあらすじであったり、市場で見かけた珍しい交易の品、或いはレイランド本家のご兄弟のお話なども。今にして思えばお兄様は私を不憫に思っておられたのではないでしょうか。まだ十にも満たない幼子が親を亡くしてこんな楽しみの一つもない田舎に押し込められている、とそのようにお思いになっておられたのでは、と。勿論私にとって修道院での満ち足りたものでありそこに不満はありませんでした。しかしながらそのようにグレゴリオお兄様が私に目をかけてくださっている、という事実自体が何とも面映ゆく、胸の内が暖かくて頬が綻ぶような思いなのでした。
…………あぁ、ですが、主よ。改めてですが私のこの文書は懺悔、なのです。ですので、恥を忍んで、私は此処に一つの罪を告白しなければなりません。……今にして思えば、あの頃の私はお兄様に、想いを寄せていたのやも知れません。あるまじきことです。恥ずべきことです。あってはならない事です。修道女としても、人としても。腹違いとはいえ、血の繋がっている実の兄に、そのような、不埒な想いを。私は。ええ、ですが。それは所謂年上の殿方に対する潜在的な憧れ、父親と合うことなく過ごした幼少の頃の生活の反動とも言えるものなのだろうと頭の中の冷静な部分がそのように判断してもいるのです。ですが、きっとどのように取り繕ったところで私がお兄様に対して淡い想いを抱いていたという事実は消えないでしょう。そうでなければ、乗っておられた馬から降りて兜を外されたときの精悍な横顔と眼差し、お出しした薬酒の杯を傾けながら私にお土産話をなさるときの優しい声の響き、洗濯させていただくためにお預かりしたお召し物の汗の香り、微笑みながら私を抱き上げるその腕の逞しさ……そんなものを一つ一つ覚えていないはずがないと思います。そしてそのときに感じていた、心の臓を優しく引っ掻かれるような、甘い疼きも。何という恥でしょう。何という罪でしょう。血の繋がった者同士で、ましてや主よ、貴方様に生涯を捧げると誓った身で、そのような想いを抱いてしまうなどと。主よ、浅ましい私をどうかお許しください。ですが、これもまだ序の口に過ぎないのです。身が焼かれるほどに恥ずべきことに。私の本当の罪を語るにはもう少しお話を先に進めなければなりません。
あれは丁度今から一年ほど前のことでした。ちょうど私に月のものが出始めたころのことでした、私のことをレイランド本家の方で引き取りたいというお話があったのは。グレゴリオお兄様がお持ちになられたお手紙はお父様直筆のもので、封筒の蜜蠟に押された紋章もレイランド公爵家のものに相違ありませんでした。手紙自体は修道院長に当てられたもので形式こそ要望という形でしたが、実質的には命令と同義でした。レイランド家は聖アグネス修道院の金銭面での最大の後援者でしたし、教会と聖職の権威が世俗のそれとは離されているという建前こそあれども、私達修道院側には公爵家に頼まれれば嫌とは言えない立場にありました。院長様は粛々と要請に従いましたが、遣る瀬無い表情をしてらっしゃいました。私もこのことには大いに困惑することしきりでした。物心つくかつかないかという年に此処に入ったこともあり、私の世界とは修道院だけで完結しているものでしたし、これからもそうだと思っていました。主への祈りと奉仕のために一生を終えるものだとすっかりそう思っていて、そういう人生を疑いもしていなかったのでした。何はともあれこうしてお父様の一存に基づいて私は還俗することが決まりました。修道院を出る前の夜には晩餐会を開き、ささやかながら皆様にこれからの生活の無事を祈っていただきました。身分こそ修道女ではなくなりますが、いついつまでも主への祈りと信仰を忘れず、清貧と貞潔と服従の誓願を胸に生きるようにと、院長様にそう訓示を受けました。そのことは今でもはっきりと覚えています。修道女としての誓いも、誇りも、祈りも、私は何一つ忘れずにいます。主よ、貴方様が私達を愛してくださるが如くに、私もまた貴方様を愛しています。なのに、どうして、私は。私は。
初めてレイランドのお屋敷に赴いた時のお話です。その日は初めて修道服以外の服を着た日でもあり、ヴェールを脱いだ髪が風にそよぐのが酷く心細かったのを覚えています。グレゴリオお兄様が馬車でお迎えに来られたのは、気心の知れている相手の方が私にも良いだろうというご本家の判断だったと聞いています。実際私は不安にさいなまれながらもお兄様と馬車の中でお話しする機会を設けられたことで多少なりとも気を紛らわせることができました。この時にレイランド家の人々についても色々とお話を伺いました。長男のパウロお兄様はお父様の名代として首都の方で多々お仕事を成されていることとか、三男のヨハネスお兄様は勉学に秀でておられて家庭教師として色んな貴族様のお家にお邪魔されていることとか、長女のグロリアお姉さまは楽器の演奏を大層得意にしておられることだとか、他にも叔父様や従兄妹の方々もおられてお屋敷で一緒に暮らされていることだとか。初めて乗る馬車はガタガタと揺れてとても疲れてしまいましたが、家族のことを楽し気に話されるグレゴリオお兄様のお陰でそれほど苦にはなりませんでした。
到着したレイランドの家は見上げるほどの大きさに端が見えないほどの広さで、敷地は最寄りの村に農地を合わせたものよりも尚広いと言われて面食らってしまったのを覚えています。今でも私が暮らしているこのお屋敷ですが広さのあまりに時折迷子になりそうになります。修道院は清貧を旨とする都合もあり何もかも質素な造りをしていましたが、貴族のお屋敷はやはり、その華美さもあって目も眩みそうになるものでした。到着したその足で私はお父様にお目通りすることになりました。先ほどにも書きました通りお父様にお会いするのは私が修道院に入る前の事でしたので、ほとんど初対面と言っても過言ではありませんでした。お兄様に連れられて再会したお父様の印象を一言で申し上げるならば、彫像の様な方でした。銀色の髪、浅黒い肌に彫りの深い顔立ち。眉間の皺の深い厳粛な面持ちは見つめられると思わず身が竦む思いでしたが、すっと背筋の通った立ち姿は確かに、グレゴリオお兄様との血の縁を感じさせるものでした。同時に本当にこの方が私のお父様なのだろうかとも、ちらりと疑念が過ぎりました。私などは背も大きくなく、手足もやせっぽちで、修道院の畑仕事で鍬を振るうのも作物を籠に積んで倉庫に仕舞ったりだとかも力足らずで、周りのシスターのお手を良く借りている始末でした。ですがお兄様もお父様も、それこそ彫像のようにがっしりとした体に見惚れるくらいにぶれのない立ち姿で、私のように弱々しい娘とはまるで真反対なのでした。…………あぁ、いえ。今となってはその、違います。違うのです。私はお父様の娘です。お兄様の妹です。あの方々の家族です。はっきりとした血のつながりがあります。それをはっきりと理解しています。わかっています。わかっています。みな口々に仰るのです。大丈夫、私達はレイランドの血を引いているのです。それはリリィ、貴方だってそうなのです、と。繰り返し繰り返し。そのことを私はもうよく理解しているのです。ええ、そうです。私はレイランドの娘なのです。うふ、あはは。
―――――お許しください、主よ。筆が逸れました。お父様にお会いした時の話です。修道院から私を連れ戻したことについてお父様は、嫁ぎ先を見繕う、と一言そうおっしゃりました。世俗の事に疎い修道院育ちの私ですが、貴族にとって人脈を広げること、他の貴族との紐帯を結ぶこと、そのために婚姻関係を使うというのは知っていました。ただ、なるほど。こうして当事者になると得も言われぬ物寂しい気持ちになるのでした。つまり、レイランド家の政略結婚の一環ということです。そのために庶子ではあっても自分の子である私を使おうというお話でした。世間一般の女性であれば良い家、良い殿方の元に嫁入りして子を為すというのが幸福の形だとは思います。しかしながら今の今まで信仰の道に生き、主のために身を捧げることを当然としていた私には……どうにも馴染みの薄いものでした。
お父様とのお目通りが終わった後はグレゴリオお兄様が何かと気を遣ってくださいました。曰く、あれで娘の将来の幸せのことを父なりに真剣に考えておられるのだと、長らく顔も合わせていなかったので接し方が解らなかったのだろうと、それはそれとして岩みたいな仏頂面はいつもの事なので慣れてやってほしいとも。お兄様が冗談めかしてそうおっしゃるので、私もそこで漸く肩の力が抜けて小さく微笑むことができたものでした。その日の晩は私の為の歓迎会ということで立派な晩餐会を設けていただきました。正直なところ気後れすることしきりで、辞退させていただきたいとも申し上げたのですが、家族や家人に対する紹介を兼ねているので、と言われると断ることもできませんでした。思うに私は押しに弱い性質なのでしょう、きっと。始めて着たドレスは驚くほど綺麗で滑らかな手触りで、今まで来ていた修道服がどれほど質素な素材で作られていたのかとわからせられる代物でした。繕い跡の無い衣服を着ること自体が初めてで、しかもそれをメイドの方々に着せていただくなどとあまりの畏れ多さに思わず私は叫び出しそうになってしまいました。今にして思えば笑い話なのですが、やはり今でも慣れないものは慣れません。清貧の志を毎日のように胸の内で唱えていなければ、私は坂から転がり落ちるように堕落してしまうかもしれないと、そんな恐怖があるのです。主よ、地上に富を積んではならない、天に富を積みなさい、と貴方様のお教えを守ることができるようこれらも私を見守りください。そうとなると晩餐会自体も私にはいたく驚くことばかりでした。参加なさるご家族の皆様方、どなたもしっかりとめかしこんでおられて、まさしく王侯貴族の世界に迷い込んでしまったかのようでした。いえ、公爵家は実際に王族とも縁戚にあたるためその言葉は真実以外ではないのですが、些か以上に私が場違いではないかと、そう思ってしまったことの、つまりは比喩でございます。そんな中で主賓としてもてなされるというのも心の底から恐縮するばかりでして、正直なところご紹介に与りましてどのように言葉を出したのかも覚えてはいません。ただ、皆さま私のような作法も知らぬ田舎者を下に見ることなく、温かく迎えてくださったことだけは確かです。緊張のあまり記憶に残っていることも少ない歓迎の晩餐でしたが、他に辛うじて覚えていることと言えばグロリアお姉さまの演奏なされたバイオリンでしょうか。修道院暮らしの私に合わせてくださったのでしょう、讃美歌の一曲を奏でてくださってそれはもう見事な音色であったことははっきりと覚えております。天なる神には御栄えあれ、地に住む人には安きあれ……と聞きなれた音楽を耳にして、私もつい口ずさんでしまいました。そして明くる日、私はグロリアお姉さまにレイプされました。
何を言っているのかと、お思いでしょう。はい、私もあの時は何が何だか全くの理解ができませんでした。世の中には私の矮小な哲学を超えたものが幾らでもあると、そう思わされました。私がレイランドのお屋敷であてがわれた部屋は、当然ながら修道院で使っていた自室のそれとは全く違うものでして、豪華さのあまりに居心地の悪さを感じていたものでした。生活それ自体も、メイドを始めとした使用人の方々が率先してこまごまとした業務を代行なさるので手持ち無沙汰故のいたたまれなさを覚えることも多々ございました。そんなある日の夜の事、グロリアお姉さまが私の部屋を訪ねてまいりました。慣れない新生活で戸惑っている私を気遣ってくださっての事でした。お姉さまは私から見れば絵画から抜け出してきたようなお美しい方で、私などはお隣に侍るだけでも少し気後れしてしまうほどです。金色の髪は稲穂のように豊かでいつも香油を塗ることを欠かさずに艶めいていて、肌は大理石のように白く、それでいてお身体は健康的にふっくらとしていて、絵に描かれた聖母様を彷彿とさせるのでした。お姉さまが持ち込まれたハーブティーに口を付けながら、私は新しい生活の不安を訥々と語りました。それは告解に似ていたでしょう。例え具体的な解決手段が与えられずとも、不安や怖れ、或いは罪を口に出して誰かに聞いていただくだけで心が救われるということもあるのです。暖炉の煌々と光る橙の火に照らされる中、お姉さまは私のたどたどしい話を最後まで微笑みながら根気強く聞いてくださり、真に私としても感謝の念に堪えませんでした。そしてお姉さまは色々とお話してくださいましたが、最後にはこう締めくくられました。「貴女もお父様の血を引いている、レイランドの子なのだから」と。
そう口になされた直後、お姉さまは私をベッドの上に押し倒してきました。そしてその場で唇を奪われました。何が起こったのか理解できないでいる私に対して、お姉さまはなおも執拗に口づけをされました。唇を啄まれ、やがてはそれを開かされ、食いつくように深く深く、口を合わされて舌を絡め取られ唾液を啜られました。その時の私はキスの最中の呼吸の仕方も知らず、息を吸えずに朦朧としてしまいました。そしてその間に口を離したお姉さまに衣服を奪い去られ、食べられました。ええ、はい、初めての経験はそのような物でした。まさにそれは捕食行為でした。狼の牙が羊の首に噛みついて地面に引き倒し、血飛沫を上げるその喉笛を裂いて肉を食むように、私はお姉さまに食べられてしまったのです。同意に基づかない、一方的な性行為とは凡そそのようなものなのでしょう。女の中の女を、貪られる。食いつかれ、噛み千切られ、奪われていく、その喪失感。私は何度も何度もお姉さまに許しを請いました。なんで、どうして、おやめください、おゆるしください、ごめんなさい。そのように何度も申し上げた覚えがあるのですが、お姉さまは幼子をあやすように「大丈夫、大丈夫」と言いながら私の全身を舌と唇で舐めしゃぶり愛撫していきました。主よ、私は貴方様の忠実なしもべとして生きて参りました。勿論、色欲は恥ずべきことと肝に銘じております。姦淫の罪を犯すのならばこの眼も抉り取って火にくべましょう、全身を地獄の火に焼かれるよりはましであるはずですから。故に、嗚呼、それ故に私はこの日に初めて自分の身体が『女』であることを初めて思い知らされたのです。女の体が、いえ、私の体がこんなにも淫らで、いやらしく、卑しい、快楽に弱い、淫猥な、スケベな、処女の癖にレズレイプでイく生粋のビッチマンコであることを思い知らされたのです。はい、私は達しました。イきました。お姉さまの丹念極まる愛撫で、オナニーのオの字も知らない処女の生娘の癖に嬉ションを吹きながらアクメを極めたのでございます。
息も絶え絶えになってベッドの上に仰向けで横たわる私に、お姉さまは優しく語り掛けて下さいました。曰く、これはレイランドの家系がずっとやってきたことなのだと。レイランド家は夜の、閨での技とその体でもって権勢を築いてきました。王家の縁戚として公爵の地位を賜ったのもそのお陰。男も女も、寝室で異性を悦ばせ、或いは屈服させ、或いは溺れさせ、依存させ……そういった技術と体質を研鑽し、継承し続けてきたのです。そうして最も好色にして、最も異性を虜にする技に優れたものが頭首としてレイランド公の名を継ぐことになると。そう仰られました。お姉さまも、お兄様も――――そして、勿論、この私も、そんなお父様の血を、レイランドの血を引いているのだと、そう仰られました。その時の私の絶望は、そう、まるで地の底に穴が空いたかのような心地でした。お前の体には淫らな血が流れているのだと、お前は生粋の淫売なのだと、そう言われたも同然だったからです。はらはらと涙を流して嗚咽を堪える私に、平素と変わらぬ優しい笑みで、見惚れるような美しい笑みでお姉さまは改めて仰いました。「貴女もお父様の血を引いている、レイランドの子なのだから」と。
はい、もうお分かりいただいたでしょう。私がレイランドの家に呼び戻され、迎え入れられたということはどういうことなのか。私はレイランドの家の娘として、この家の教育を受けることを余儀なくされました。それはつまるところ、調教でした。私の体を淫らな、いやらしいものに作り替えるための、体の開発。殿方を、殿方のおチンポを悦ばせ、射精欲を煽ってザーメンを気持ち良くぴゅっぴゅしていただくための技と、そう、それに相応しい下品な言葉遣いと、語彙。お父様は私の嫁ぎ先を見繕う、とそう仰っていました。であれば私はいずれ嫁入りする先の旦那様のチンポにご奉仕し、旦那様が私無しでは生きられないくらいにドロドロに依存しきり、姦淫に耽って逃れられないまでに魅了することが義務付けられているのでしょう。そう、これまでレイランドの人間が結婚相手にそうしてきたように。夜になるとこの屋敷はソドム、或いはゴモラとなります。ああ、主よ。何故かの街にそうしたように私達をその火と硫黄で以て一思いに焼き払ってしまわれないのでしょうか。それともそれは私達、この醜き罪人たる私達にもまだ一欠片の善心があるとの思し召しだからでしょうか。
最初の頃はグロリアお姉さまが主に私の教育を担当なさいました。目的は私の体を「開く」ことでした。人間には性感というものがございます。女の体は何処を触れば気持ち良くなるのか、どう触れば快楽に溺れるのか。そういったことを体で直接教えていただくのです。私はレイランドの血を引く娘ではあっても、体も知識も未熟で、自分の体がどう感じるものなのかをまるで知らなかったものでしたから。お姉さまの愛撫は想像を絶する心地よさです。甘く、良い香りのする香油をその御手で掬われ、私の体にたっぷりと擦りつけながら全身を余すところなく撫で擦られるのです。しゅるしゅるとお姉さまの白枝のような細く繊細な指先が緊張に強張った私の五体を滑らかに這うと、私は身も心も容易く解きほぐされてしまいます。まるで温かいお湯の中に深く深く体を潜らせているように。そしてやがてその指は最もわかりやすく感じやすい性感帯、つまりは乳首や陰核を捕らえ始めるのです。体が溶けるような心地よさの中に、突如としてバチバチと暖炉に弾ける火花のような、強い快楽が混じって私は思わず鳴いてしまいます。私は、今でもそうですが、快楽が怖いのです。恐ろしいのです。今でもこれを書き記しながら身震いしているのです。気持ち良いということには依存性があるということを私は思い知らされました。心では嫌、と言っても私の肉がそれに悦び、次にそれを味わえることを渇望して涎を垂らすのです。求めても求めても、得られても得られても、次をまた次を、と求めるその浅ましさ。際限のない飢え、乾き。渇望。恐ろしいものです。主よ、貴方様が節制と禁欲を幾度も語られているその意味を私は心で理解しました。お姉さまはおねだりしてみなさい、とおっしゃいます。何度も弾かれてビンビンにしこり立った恥知らずな勃起乳首を私の目に見えるように下から救い上げながら、おねだりしてごらんなさい、と。今までずっと質素と清貧を心掛けてきたからでしょう私の体はお姉さまに比べると細くて痩せぎすです。胸の膨らみは肋骨の上にあるかないかのささやかな代物ですが、それでも「ある」のだと、「ある」からには感じるのだと、そう私に知らしめるようにお姉さまの手が香油と共に私の胸を丁寧に優しく掬い上げるのです。しかし、乳首には触れません。もうしっかりと恥知らずにも立ち上っている私の乳首は触れられる喜びを期待してビンビンと震えているのにお姉さまは意地悪くもそこには触れてくださらないのです。渇望です。そこを触られる快感を、そっと摘まみあげられて、捻りあげられて、押し込まれて、挫られて、弾かれて、扱かれて、舐められて、しゃぶられて、噛まれて、吸われて、そんな快感を知りながらも周りを撫で擦られるだけで焦らされると人は渇望に負けてしまうのです。私は負けました。恥知らずにも私は私の淫らな欲求に敗北し、お姉さまに乳首責めを請いました。主よ、貴方様への申し訳なさに咽び泣きながら、私は胸を焼き焦がす乳首アクメに溺れ、マン汁を噴き散かしてイったのです。
同じようなことをクリトリスでもされました。このメスチンポがどれほど女を泣き狂わせるのか、どれほど私は快楽に弱いのか、そういうことを股座を弄り回されながら教育されました。そして、それが一晩中続きます。次の日の夜にも続きます。次の次の日の夜にも続きます。次の次の次の日の夜にも、毎晩毎夜、続くのです。私はそうして全身が淫らなものにされました。そのような資質を持って生まれた生粋のビッチ、娼婦顔負けの色狂い、クソザコメスマンコであることを刷り込まれたのです。主よ、何故貴方様は私をこのようなものとして造り給うたのでしょうか。明日には炉にも投げ込まれる野の花でさえあの様に美しく着飾ってくださる慈悲深き貴方様は、どうして私をこのようなものとして。女の胎は子宝を授かって育むために、乳房とは生まれた愛し子に乳を与えるためにあったのではないでしょうか。それともポルチオアクメと乳首アクメでマンコから愛液を垂れ流し、下品なイき様で殿方の目を悦ばせるのが本来の使い道だったのでありましょうか。
私の体の開発がそこそこ進んだと判断なされたお姉さまは私を地下室に招待なさりました。そこは地獄でした。地獄とは死者が生前の罪に対する贖いの為に責め苛まれる世界であります。私は思わずお許しください、と呟きました。お姉さまはそれを聞いて花のような笑顔で、リリィは何も悪いことをしていないのだから謝る必要なんてないのよ、とおっしゃいました。でも、「謝ることが気持ち良いのなら、いくらでもそうやって許しを請うといいわ。泣きながら謝る貴女の顔はとっても可愛いんだもの」とも仰いました。謝ることが気持ち良いなどと……その言葉の意味を私は理解できませんでしたが、今ならわかります。マゾ、というのだそうです。マゾ、マゾヒスト、被虐趣味者。人に嬲られ、詰られ、責め苛まれ、虐められて、甚振られて、そんな自分自身の事を憐れむことで発情する、人間として救いようのないブタ以下の雌畜。それがマゾです。それが私です。お姉さまは私の事をマゾだとおっしゃました。最初に抱いた日の夜から私にはマゾの素質があるとそう看破なさったそうです。その上で家族みんなで私を立派なマゾメスに、相手に屈服して泣きながら許しを請うて額を地面に擦りつけながら尻を振って股から汁を零すような生え抜きの被虐性奴隷に育ててあげようと、そういう風に決定なさったそうです。
はい、そうです。地下室とは調教部屋です。レイランドの家に伝わる、夜の遺産が脈々と受け継がれている、余所の家の方には決してお見せできないようなものを幾多収蔵してある、ある意味この家の中枢とも言える場所です。煉瓦造りの壁に燭台の明かりだけが照らす薄暗いカタコンベのようなそこで私をお待ちしていたのは三男のヨハネスお兄様でした。正確にはお兄様は婚約者であらせられるビクトリカ様を伴っておられました。ビクトリカ様はハルモンド伯爵家のご息女で、柔らかく巻き上げられた黒髪もお美しい淑女らしい淑女といったお方です。お昼の時間には私の礼儀作法の勉強なども見ていただいております。厳しさを感じることもございますがそれは生来の気高さゆえの事で、また大変面倒見も良く私に至らないことがあったときも「将来の義妹なのだから」とお世話を焼いてくださいます。とても凛とした、有体に言えば格好の良い御方なのです。そしてそのビクトリカ様が犬になっておりました。ええ、はい。裸に首輪で、首輪の先から伸びる鎖はヨハネスお兄様が持っておられます。ビクトリカ様はお兄様の足元に跪いて犬のように侍っておられたのです。お兄様はビクトリカ様もマゾの資質があったので躾けたらこうなったと仰いました。いつも背筋を伸ばして颯爽と歩いている美人の婚約者が、夜になると僕に土下座してチンコに奉仕する雌犬になる、こういうのが調教の醍醐味だね、とも。私が愕然として何も言えないでお兄様のお話を聞いている間も、ビクトリカ様は犬の鳴き真似をされておられました。くぅん、くぅん、と鼻を鳴らし、はっ、はっ、と舌を垂らしてお兄様を見上げて媚びておられました。頬はだらしなく緩んで目元は泣きそうなほどに緩んで、見たことのないだらしない笑みを浮かべておられました。そうと言い含められていなければ私はこの浅ましい雌犬がビクトリカ様だとは信じられなかったでしょう。お兄様はそのままビクトリカ様にチンコを舐めろと命じられました。お恥ずかしながらこの時の私は知識に関しては全くの初心で、男性器を見るのも、それを口で咥えて奉仕する行為があるというのを知るのも此処が初めてでした。あらゆることに理解が追い付かずに何も言えないでいる私は目の前で広がる異常な光景をただ黙って見つめていることしかできませんでした。お兄様がズボンを下ろして勃起したペニスを晒して、それをビクトリカ様の前に突き付けると彼女は喜色満面の笑みを浮かべて顔を寄せました。ふん、ふんっ、と浅ましくも息を荒くしているのは興奮の為でだけではないでしょう、間違いなくペニスの匂いを嗅いでおられたのです。ええ、はい。今の私でしたら理解できることもあります。ズボンの下から出てきたばかりのペニスの匂い、下着の中で蒸された雄臭いチンポ臭はマゾメスにとっては何よりのアロマなのです。鼻の奥につんと刺さる、臭いのに嗅ぐのを止められない、悪臭だと理性ではわかっているのに何度も息を吸い込んでしまうあの独特の臭気。これから私を犯すものの、私を見て勃起してくださっているものの逞しさを脳に直接刻み込まれるあの香りは一度味わうと無意識のうちに口の中に唾液が湧いてきてしまうほどに蠱惑的なものなのです。その時のビクトリカ様も同じお気持ちだったのでしょう、ごくりと喉を鳴らしながらお兄様のご許可をお待ちになられていました。待て待て……よし、とそう声が聞こえたときには迅速でした。餌皿に顔を突っ込む犬のようにビクトリカ様はお兄様の逞しい勃起おチンポ様をしゃぶられ、れろれろれろれろといやらしく亀頭と雁首を舐めまわし、長い竿の全体を深々と銜えこんでじゅぷじゅぷと喉まで使って扱かれました。ややあってからお兄様が射精なさると、彼女は確りと精液を口の中に溜め込んで見せました。そこから狩りの成果を見せる犬のように一度口を開いて中をご主人様にご覧いただいてから、許可を貰ってきれいさっぱり飲み干されたのでした。勿論、その後のお掃除フェラも欠かすことはございませんでした。べったりと精液で濡れたおチンポ様を労うようにたっぷりと、愛情に満ちた丹念な舌奉仕で全体を拭われてから綺麗な土下座でザーメンミルクのお恵みを戴いたことを感謝なさったのでした。飼い犬が見事なフェラチオ奉仕を完遂したことを認められたお兄様は怜悧な顔立ちに柔和な笑みを浮かべてビクトリカ様を撫でられ、惜しみのないお褒めの言葉をかけられました。ビクトリカ様はくんくん、と切なげに鳴きながら歓喜に身を震わせておられました。ご主人様と雌犬の感動的な絆の一部始終でした。こういった関係をどの夫婦でも築くのでしたら、なるほど、レイランド家はこと対人関係という点ではどの家よりも強いのだろうと私はこのとき確かに悟ったのです。そしてお兄様は一しきり犬を褒め終わったとあとに私に向き直って仰られました、私もこれくらいまでは仕込まれるそうです。その時の私はカタカタと膝を震わせるばかりでしたが、今ではビクトリカ様とご一緒して口奉仕の勉強をさせていただいております。お昼は貴族令嬢としての作法を、夜は雌畜奴隷としての作法を、共に教えてくださるビクトリカ様にはますます頭が上がりません。雌犬にも頭が上がらない私はなんなのでしょうか、雌豚でしょうか。ぶひひ、ぶひーっ。なんて、あはは。あぁ、ですが。ですが主よ、お許しください。例えなんであろうと私は貴方様の忠実なしもべでございます。聖なるものを、珠なるものを踏みにじって噛みつくようなことはいたしません。いえ、あぁ、でも。神聖なもの、それに私は値するのでしょうか。本当に。私は。私は、恥ずかしい。
あぁ、そうです。そうなのです。お聞きください。主よ、お兄様もお姉さまも酷い方々なのです。私をこのようなものにしたのは全てあの方々のせいなのです。悪い方です、酷い方です。私を虐めて、嬲りものにして、惨めなものにして、そうして笑っているような方々なのです。地下室は拷問部屋と言っても差し支えないでしょう。人を男も女も問わず呵責して、性奴隷に躾けるための悍ましい器具が無数に並び、どうすればそれらが効果的に使えるかという資料もたくさん残されているのです。そしてそれらが容赦なく私に向かって振るわれるのです。みんな、みんな、私をそれで虐めるのです。地下室で調教を受ける者は衣服を着ることは許されません、自分で自分の服を一枚一枚人の見ている前で脱いで丁寧に畳んだ後、これから自分を躾けてくださることの感謝を述べて床に跪かなければならないのです。これはある種、人間を止めるための儀式であると言えましょう。ここでは私は性奴隷、肉便器、愛玩動物、そのようなものとなるのです。その証拠として私は首輪を巻かれます。頑丈な南京錠が付いた、年季を感じさせる深い赤色の革帯です。其れに結わえられる鎖のちゃりんちゃりん、という音を聞くと私は自分が自分のものではなくなったような心地になって、くらくらと頭が湯立つような気分になってしまいます。修道院で薬酒を飲んだ時のような心地です。私はもう平時でも詰襟のような衣服を着ることができません。首元が締め付けられる感覚があると首輪の着け心地を思い出して、自然とマン汁が股に滲むのです。私はすっかりマゾの悦びを植え付けられてしまいました。そのようなものに躾けられてしまったのです。
罪人のように木の台に縛り付けられて責められることもあります。はさみのようなものや、やっとこのようなもので私の乳首や陰核を抓り上げられたり、かと思えば羽箒で脇腹や内腿など擽ったいところを擦られ続けることもあります。縄を全身に巻き付けられることもあります。きりきりと縄目が肌に赤い痣を作り、特に敏感なところが絞り上げられたり擦られたりするのがとても辛く感じます。クリトリスとマンコに縄が食い込むのが辛くてへっぴり腰になっていると鞭打たれるのです。ぱぁん、と大きな音が響いて肌にピリピリとした痛みが走り、私は泣きながら許しを請うのです。一番辛いのは肛門の調教です。はい、肛門です。不浄の穴です。ケツ穴です。ここを立派なケツマンコに改造するのも地下室の重要な役割でした。嫁入り前の娘が処女であるかどうかは極めて、はい、極めて重要な問題だからです。貴族と婚姻を結ぶのであれば孕む子供がちゃんとその家の子であるという保証がないといけません。故に私も処女膜は大切に取っておき、人生初の記念すべき中出し生精液で種付けしていただく栄誉は将来の旦那様の為にのみあるということを肝に銘じておかねばなりません。とはいってもやはりレイランドの子であるからには床の上で男性を受け入れ、かつ虜にするための技法を身につけておかねばなりません。そこでセックスの勉強には肛門性交が使われるのです。本来はチンコをハメるための穴ではないので相応の時間をかけて開発が行われるのですがこれがやはり辛いのです。開発の前に毎回、お腹の中を綺麗にするためのお浣腸をしないといけません。家畜に使うような太い注射器で、レイランド秘伝の薬剤をお腹の中にたっぷりと注ぎ込まれるのです。便を綺麗に流し去る効能があると言われるそれですが、それはまるで直腸にじくじくと染み込むような刺激を与えてくるのです。お腹が痛くて、苦しくて、じわじわと額に汗が浮かんできても許可が出るまで我慢しないといけません。この時には尻の穴に紡錘形の栓をされ、しかもそれを自分では取れないように両腕を手枷で縛られるのです。なので私はお兄様か、お姉さまか、その日の調教を担当なさる方の御許しを戴くまで耐え忍ぶしかないのです。涙が浮かぶほどに我慢に我慢を重ねた後の排泄は、あぁ、大変恥ずべきことに、なんとも心地よく解放感に溢れています。肛門性感ではその感覚が大切なのよ、とお姉さまが仰っていました。直腸の中一杯に埋め尽くされていたものが、肛門を内側からくつろげながら吹き出ていくその時の背筋がゾクゾク震えるような快楽。それを確りと感じ取れるようになりなさい、と言いながら綺麗になった私の尻の穴を弄り倒すのです。細い棒や、太い棒、葡萄の実を並べたようなでこぼこした棒、舌や指先も使って私に不浄の穴での気持ち良さを刷り込むのです。肛門を開発されている間、大抵は他の所にも責め具が忍ばされていることが多いです。首輪を嵌められて、首輪から伸びた楽器の弦のようなもので乳首が結わえられていると、反射的に仰け反ったときに乳首が引っ張られて気持ち良くなってしまいます。クリトリスには勃起を強制するようなバネ仕掛けで開閉する小さな金属製の輪のような物と鈴を取りつけられることもあります。メスチンポをおっきくしていることを罰するようにキリキリと金具が食い込むと股間が灼けるような快楽に襲われ、それに耐えかねて腰を揺するとちりんちりんと私の無様を笑うように鈴が鳴るのです。先ほども申し上げました通り尻穴は出すときに排泄の快楽を齎します。それと性感を紐づけやすいように、こうして普通の性感帯の刺激と肛門への刺激を並行して行うのだと、そのように教わりました。次第に、お尻を弄られている間の乳首とクリへの刺激が減っていきます。やがて、尻穴だけで気持ち良さを感じられるようになります。私が肛門だけで達したのは調教を初めてから一月も経たないときでした。私は自分が惨めで泣きました。肛門性愛など、本当に許されざる行いです。性感とはセックスを気持ち良く感じることで、積極的に人と人が交わりやすくなるために、神がそのようなものとして我らを造り給うたものだとヨハネスお兄様が仰っていました。ですが主よ、貴方様は人を男と女にお造りになったではありませんか。性の悦びが両者を結びつけるためにあるというのであればそれを認められなくもありません。しかし、アナルセックスは男同士でもできます。これは主が我らをお造りになられた在り方、天然自然の理に反しているのではないでしょうか。はい。私は確かに見ました。ヨハネスお兄様はアナル開発の結果の一つの例示だよ、と仰ってご自身が男性と交わるところを私に見せてくださったのです。相手は屋敷に勤める庭師見習いの少年でした。畑仕事をしていないと落ち着かない、と庭をうろうろしていた垢ぬけない私を笑うことなく、庭園を案内して花の世話を一緒になさいませんかと誘ってくださったのを覚えています。私の一つ年下で、土汚れも愛嬌に見える可愛らしい顔立ちの少年でした。彼が地下室のベッドの上でヨハネスお兄様に組み敷かれて喘いでおりました。犬のように高々と掲げたケツにチンコをハメられて、やはり犬のように舌を突き出して涎を垂らしながらアナルセックスに溺れておりました。パンパン、パンパンとお兄様の腰が逞しく動いて彼の尻を打擲するたびに、ベッドの上にぼたぼたと垂れ落ちるのは精液でした。まだ毛も生えていないぷりぷりした可愛いキンタマがきゅ、きゅ、と持ち上がっては雑巾から絞り出される水のように、ザーメンをぶちゅぶちゅと垂れ流しているのでした。メスイキ、ところてん射精、とそのように言うのだと一緒に見学していたグロリアお姉さまが解説してくださいました。男の尻の穴の中には体が女の子になってしまう弱点があり、ここを開発しておチンポで刺し貫いてやると「ああなる」のだそうです。男の体のはずなのに、おチンポ様に屈して女の子になる気持ち良さを知ってしまった彼は、もう一生女性の方に勃起できないかもしれないとも言われました。それはなんという悲しいことでしょう。主よ、貴方様が作り給うた人の本性への冒涜と思われました。私はそんな彼が不憫ではらはらと涙を流しながら、股を濡らしました。私も彼と同じ穴の狢だと思ったからです。私も、本来女として子を育むための場所でないところで性を感じて喘いでいるのです。彼と同じように。無様にケツ穴セックスで喘いで、虚空に子種汁を吐き出す無様射精を繰り返す彼に自分を重ねて私は自分で自分が惨めでなりませんでした。私、わたし、なんにも悪いことしてないのに、なんでこんな目にあうのでしょう。きっとわたしがいやらしい子だからこんな地獄にいるんです。そうじゃないとおかしいじゃないですか。主よお教え下さい、お答え下さい。
あぁ、違います。違います、違います。嘘です。いえ、違います。私の間違いです。私のせいです。私が悪いのです。私が悪い子なのです。皆、皆良い人なのです。お兄様もお姉さまも良い方たちばかりなのです。あの方々の事を私だって悪く言いたくなどないのです。何も知らない私に良くしてくださる方たちばかりなのです。本来この家の子ではない私など、勝手に後から入ってきた余所者として邪険に扱われても仕方がないのに、誰一人としてそのような素振りを見せないのです。私には勿体ない程に素晴らしい方々です。修道院で私を育ててくださった方々にも劣らぬ、私の愛しい家族なのです。グロリアお姉さまは楽器がお得意であられます。私は彼女に誘われてよく讃美歌を歌うのですが、お姉さまの伴奏があればどの歌でもまるで自分の喉ではないのではないのかと思うほどに滑らかに音が出るのを感じます。主よ、その度に私の口は貴方様に奉仕するためにあることを思い出して敬虔なる歓びに満ち溢れるのです。ヨハネスお兄様は大変な博識家であられ、私が基礎教養の勉強をしているときに相談させていただくと何でも淀みなく答えられます。家庭教師を生業とされるだけあって大変な教え上手で算術も歴史も修辞学も、お兄様から教えられるとするすると理解できるのです。私が内容をきちんと理解したことを確かめられると「僕は種を蒔いただけで、それが芽吹くのは君の心に良い土壌があるからだ」とほめてくださいます。私にもわかりやすいように例え話を良く用いて話される様はまるで、貴方様の――――いえ、不遜に過ぎましたお忘れください。このように皆々、良い方なのです。夜の調教も終わりに私が朦朧としていると、私の裸の体をしっかりと抱擁して頭を撫で、よくがんばったと褒めて下さり、足どころか全身を洗ってくださるのです。その心遣いはまるで貴方様が荒れ野に降らせ給うマナのように慈悲深く私の心を甘く癒し、その度に私は安らいで赤子のように泣くのです。皆、良い方であるだけでなく敬虔な方でもあります。家族の者は皆、食事の前に貴方様の与えてくださる日々の糧への感謝を口にすることを忘れたことはございません。毎週には神父様をお招きしてミサを開き、領内にある教会には多額の喜捨を納めています。レイランド家は聖職者を輩出することもあり、大叔父様は大司教様であらせられたと伝え聞いております。主よ、貴方様が地上の権威を授けられた教会の中でも偉大な地位にあられる方が親族にいるのであればレイランドの家のもののその信仰も疑いようがないのではありませんか。現に私は調教の時もロザリオを手放したことはございませんし、それを咎められたことはございません。私が信徒であり続けることを皆が認めてくださっています。私が雌犬以下の雌豚で肛門から浣腸液を噴き出して股を濡らす変態マゾ女だとしても神の愛し子の一人なのだと家族の誰に聞いてもそう答えるでしょう。あぁ、主よ。そして私は家でも修道院で着ていたような衣服を今でも好んで着ています。なるべく質素な生地で作られたワンピースに布のヴェールです。良い生地のドレス、華やかな装飾、そういったものに取り囲まれながら暮らしていると清貧の志を忘れそうになって、恐ろしいのです。ビクトリカ様などは貴族には相応の格調と格式のある身なりをしなければならないとお小言を言われますが、私が元修道女であることを鑑みてご寛恕頂いております。ご家族皆様、そのように私の信仰の在り方には肯定的に見ていただいております。…………あぁ、ですが主よ。ここで、ここだけでは、貴方様にだけは正直に告白いたします。私はただ恐ろしいのです。自分が変わってしまうことが恐ろしいのです。清貧の志を忘れることだけではございません、私自身が、もっと恐ろしいものに作り替わっていくのではないかと、それが怖くてせめて昔の、修道院で暮らしていたころの感覚を少しでも忘れたくなくて、ささやかな抵抗をしているのです。これは、修道服紛いのワンピースとヴェールは、私の小さな鎧と兜なのです。私は、恐ろしくて、こわい。おたすけください。
私の尻の穴の開発がある程度進んだと判断され、いよいよ私が初めてのアナルセックスをする日がやってきました。はい、アナルセックス、ケツ穴交尾とも申します。不浄の穴で男性の逸物を受け入れる、その時が来たのでございます。お相手はグレゴリオお兄様が務められると聞いた時、私は恐怖しました。肛門に殿方を受け入れる悍ましい行為にだけではありません。勿論それも比重が大きいのですが、私が何より恐れたのは前にも述べました私の秘めたる思いがそれによって暴かれてしまうのではないかということでした。これはいずれ営まれるであろう将来の旦那様との子作りの予行演習にございます。それを、私が許されざる想いを抱いているお兄様と行うというのは正しく禁忌であるように思われました。はい、一言で申し上げて、あぁ、恥を忍んで告白いたします。私はグレゴリオお兄様を本当に好きになってしまうことが怖かったのです。ですが私のそのような葛藤は露知らず、全ての準備はあれよあれよと済まされてしまいます。お腹の中を確りと洗い清められた私はグレゴリオお兄様の寝室に赴くことになりました。服を脱いで肌を晒し、顔を俯かせて震える私にお兄様は大変優しく接してくださいました。私がこれまでの調教をどれだけ頑張ったかはよく聞いているし、自分は兄弟の中でも特に単純なセックスに関しては一番得意なのだから、初めてのアナルセックスでもちゃんと気持ち良くなれるよ、と仰ってくださいました。頭を撫でられながらそう優しい笑みを浮かべられると、修道院によく来られていた頃の事を思い出します。あの頃のように私の胸は不安ではない心持で。とくとくと鼓動を打っておりました。喉の奥、胸の奥が、果実を食べすぎたときの後味のように甘酸っぱくなるのを感じました。お兄様と結ばれる、とそのような文言が脳裏を過ぎったとき、それは一際大きい心臓の音と主に全身を駆け抜けて桃色の火花を散らしました。お兄様の唇が私の唇に触れます、お兄様の指が私の体に触れます。触れられたあらゆる場所から歓喜が湧きあがり、肌はもっとお兄様の体温を求めて疼くのでした。私はそれに逆らう術を知らず、自らはしたなくもお兄様を求めたのでした。はい、告白します。告白いたします。私はこの日、この時、初めて自らの意志で性の悦びを求めたのです。いつものように嫌々と泣きながら性感に押し流されるのではなく、自らそれを受け入れ、身を委ねたのです。グレゴリオお兄様のお身体、そしておチンポ様は大変逞しゅうございました。もとより騎士として鍛えられているのですから当然ですが、そのごつごつとした筋肉に覆われた太い腕、厚い胸板、重たい腰つき、そして何よりグッと岩のように堅く立ち上るその勃起ペニスの雄々しさたるや。お兄様の腕の中に抱かれるとその力強さに私はうっとりとしてしまうのです。幼少のみぎりにそうしていただいたように、しかし、今はもっと淫らな期待に震えながら。挿入の時に尻の穴が裂けてしまわないように、たっぷりと竿に油を塗り込めるのですが、暖炉の火の光に照らされててらてらと光り輝くお兄様のおチンポは荘厳ささえ感じました。私は予め教えていただいた作法に則り、頭を下げてお礼を申し上げてから、自らベッドの上に寝そべって股を開きました。顔から火が出るほどの恥ずかしさでしたが、同時に私は愛液が腰の奥からじゅくじゅくと溢れ出ているのを感じていました。恥ずかしさを糧にして官能が盛り上がり、そして何よりこんなみっともない姿をお兄様の前で晒しているという事実自体に興奮していたのであります。私は、もうそこまでマゾとしての調教が進んでいたのであります。少しいきむんだよ、とお兄様に言われた直後、私の尻の穴に熱いものが押し当てられました。お兄様のチンポでございます。肛門を割開かれ、中にモノを押し込まれるのはまるで自分の体に穴を開けられていくような心地です。生きたまま、串刺し刑に処されるようなものです。お兄様の熱くて、硬くて、太くて、逞しいものはずぶずぶと音を立てながら私の中心を刺し貫いていったのです。やがてぴったりとお兄様の腰が私の腰に当たり、私の体もその腕に抱きすくめられました。よく頑張ったね、とお兄様のお褒めの言葉が囁くように耳朶を打ったとき、私ははらはらと泣き出してしまいました。内も外も、お兄様に埋め尽くされて、私達は今一つに分かち難く結ばれてしまったのです。その事に対する随喜の涙でした。きゅ、と尻穴に力を入れると肛門を割開いて突き刺さるお兄様のペニスの太さと硬さが伝わってじぃん、と痺れるような心地よさが立ち上り、腰砕けになりそうでした。それはお腹の中まで私をたっぷりと埋め尽くしており、まるで私という人間の魂の芯の部分をがっちりと掴まれてしまったようでした。これは逆らえない、と私は思いました。人は、ペニスを挿入されたら逆らえないのです。体だけではなく、心と魂の、私を私たらしめるものの芯を刺し貫かれて、上下関係をきっちりと躾けられてしまうのです。セックスとはそういうものなのだと私は思いました。雌とは雄様に屈服するものなのです。ただ挿入だけで身震いするほどの屈服感に酩酊していた私ですが、当然セックスはここからが本番なのでした。お兄様の逞しい腰が動き始めます。私のお腹の中をパンパンに詰めていた、雄々しいものがずるずると抜け出ていく感触は壮絶でした。私は魂が引きずり出されてしまうのではないかという錯覚に襲われて豚のような喘ぎ声を上げました。あぁ、ですが、考えてもみてください。腸の内側の粘膜がぴったりと張り付くほどに中を満たしていたものが、ごっそりと、不意に、抗えない力強さで引き抜かれていくのです。一際辛いお浣腸を耐えた後の排泄許可を戴いた後の解放感、それを何倍にも激しくしたものでした。しかもそれは一度では終わりません、一旦全てが引き抜かれる寸前まで行ったかと思うと、また尻肉を掻き分けながら内部に入り込んできてまた出ていくというのを繰り返すのです。それを何度も何度も。私は、すっかり気が触れてしまったかのように大声を出して啼きました。喜びで。あぁ、だって、貫かれるときの刺戟だってすごいのです。本当は出すための穴なのです。物を入れてはいけません、逆流させてはいけません、とそう訴える肛門と直腸の粘膜のささやかな抵抗を押し潰されながら力強いおチンポ様に刺し貫かれるあの感覚は、抗えるものではないのです。いえ、違います。抗って、それに耐えきれずに屈服するのが良いのです、屈服させられるのが良いのです。屈服、屈従、服従。そういうものにこそ興奮するのがマゾの本分だと皆さま仰います。他でもない私が、そうなのだと。そしてグレゴリオお兄様が兄弟一の床上手というお話でしたように、腰遣いだけでなく、他の愛撫も私を狂わせました。羽箒のように繊細かと思いきや、不意にやっとこのように私の肌を虐める指先。そして息を吐かせないほどに激しいのに、顎が蕩け落ちそうなほどに熱く、甘い口付け……。私はお兄様の腕の中でイき散かしました。マン汁を小便のように吹き散かしてアクメし、ケツ穴を幾度も執拗に掘り返されながら肛門絶頂を迎えました。朦朧とした意識の中で様々な体位で貫かれました。正常位で後背位で、側位で座位で。覚えてはいませんが、恥ずかしいことをたくさん口走ったように思います。好き、大好き、お兄様大好き、リリィのケツマンコお兄様のおチンポでハメハメしてザーメンミルクいっぱいごっくんさせて、などと。お兄様が私の中で射精なさったとき、私はお腹の奥がじゅわりと溶けるような心地よさを感じるとともに一際強い絶頂に呑まれました。雄様のチンポに心地よく射精していただき、お腹の奥に子種汁を戴くこと。それが雌としてのこの上ない幸福なのだと私はこのとき確りと思い知らされたのでした。
…………あぁ、書き出してみて、改めてわかります。なんて悍ましくて、醜い。私は獣も同然です。獣と寝るものは死罪であると貴方様は仰いました。であれば獣そのものである私はどうなるのでしょう。いえ、獣以下の雌畜、雌豚。そんな私はどうすればよいのでしょう。お導き下さい。主よ、主よ、お答えください。私はグレゴリオお兄様と褥を共にした翌日、己の痴態に恥じ入って死にたくなりました。事実その日から自分の死に様を夢に見ます。真っ赤な火が私に差し迫ってきて、私はそれから逃げるために体の一部を千切り捨てて身軽になろうとします。乳房を千切り、性器を千切り、胎を千切り、耳や目も舌も千切ります。しかし足元から生えてきた大きな杭が私を串刺しにして宙吊りにし、追いついてきた火に全身を焼かれるのです。姦淫の罪を犯したものを焼く地獄の炎とはあのようなものなのでしょうか。私は毎朝うなされながら起きて、自分の体がまだ此処に在ることを確認して安堵するのです。調教は今も続いております。グロリアお姉さまに体を開かれ、ヨハネスお兄様に地下室で躾けられ、グレゴリオお兄様に抱かれます。日に日に、性の悦びに私の体は目覚めていきます。特にグレゴリオお兄様とセックスをするときは、切ない程の胸の高鳴りと相まって、私という人間の全てが喜びに咽び泣くようです。そして、それが終わると罪の意識と自己嫌悪で、暗澹たる気持ちと共に悪夢を見るのです。私はおかしくなりそうでした。いえ、おかしくなっているのかもしれません。きっとそうに違いありません。そうでないと、私、あんなこと、しません。あんないやらしいこと、私の本心ではないのです。私は敬虔な信徒です。貴方様のしもべでございます。主よ、私の全ては貴方様への奉献のためにあるのです。そのはずです。そう誓ったのに、十字架と、院長様に。あぁ、恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい。
ある日、私はそう叫んでしまいました。レイランドの家もその本分たる淫らな行いは昼日中では慎み、夜に性に耽るのです。故に日中はその事を敢えて口にはしないという不文律がございました。しかし、私は思わず叫んでしまいました。その日は外商の方が新しい衣類をお持ちになられて、幾つかを購入したあとでした。私の為に買っていただいたブラウスとタイを付けたときに体が首輪の事を思い出してしまったのです。はい、先程も申し上げました通り、首元を締め付けるようなものを着ると、地下室で調教を受ける際に巻いていただく首輪の事を咄嗟に思い出してしまうのです。その頃の私は悪夢で憔悴していることが多かったのです、せめてもの気分転換にとグロリアお姉さまがご厚意で差し入れてくださった服でした。それを着た瞬間、被虐趣味者として地下室で喘ぐ私と、それを厭う私とが頭の中でぶつかり合っておかしくなりそうでした。いえ、事実、おかしくなりました。私にいやらしいことしないで!!と自分でも驚くほど大きな声が出て、ブラウスのボタンとタイを引きちぎってわんわんと泣き出しました。その後の事はよく覚えていません。あぁ、ですが、主よ。私はその時、本当に酷く憔悴していたのです。疲れ切っていたのです正気とはいえなかったのであります。故に本心とは全く違うことが口からついて出てしまったのです。魔が差す、と言いましょうか。はい、あれは悪魔が私の口を借りていたのです。そうとしか考えらえないでしょう。私は家族の皆様を手酷く罵ったのであります。背徳者、背信者、下劣な淫売共、神の裁きで地獄の火に焼かれてしまえ、とそのようなことを。当たり散らした私をグロリアお姉さまは大変痛ましいものを見る目でご覧になられたあと、背中を丸めて突っ伏して嗚咽に泣く私をそっと抱きしめてくださいました。酷いことを言った私を、です。本当に、本当にお優しい方です。涙が出るほどにお優しい方なのです。お姉さまは。その日の晩は、何もありませんでした。はい、何もです。お姉さまが夜這いに来られることも、お兄様方に地下か寝室に呼び出されることも、何も。久しぶりに悪い夢は見ませんでした。今の私から見れば最後の安息だったのかもしれません。正しい私としての、ですが。
翌朝、お父様からのお呼び出しを受けました。普段の生活でも厳めしい表情を崩さないお父様でしたが、その日の私を見据える眼光は一段と鋭く見えました。それは一切の虚偽を許さず私の心根を底まで見通しているかのようで、私は身震いしました。昨日、私が喚きたてたことについて質問されました。正直に私は、レイランドの家の行いは間違っている、とそう申し上げました。私の声は震えておりました。お父様と目を合わせることもできませんでした。私はレイランドの家の人々を愛おしく思っています。皆、心優しい方ばかりで、私の家族なのでございます。そのような方々を悪い人であるかのように言いたくは無かったのです。しかし、それと同時に私は私自身の信仰にも嘘を吐けませんでした。人の淫らなる行いを、主よ、貴方様は決して御許しにはならないはずです。これ以上の堕落は許しがたい、となけなしの使命感で以て私はお父様に申し上げたのです。お父様は。そうか、とただ一言仰られました。その時の声音はまるで良く冷えた刃物の様でした。私は背筋にざくり、と包丁を突き立てられたような気持ちになりました。皮と肉が裂かれて血がしぶいて、息が詰るのを錯覚しました。私は思わずお許しください、と呟きました。声は震えていて、目の端から涙が零れていました。ただただ身を切られるような罪悪感が私を苛んでいました。何に対する罪でしょうか、家族に対してでしょうか、信仰に対してでしょうか。その二つの間で板挟みにあっている私にお父様は無慈悲に言い放ちました。駄目だ、お前は許されないことを言った、レイランドの家の在り方を軽んじるものは例え娘であっても許されない、お前には今から私が直接罰を与える、と仰ったのです。
私はその場で縛り上げられました。手錠と、首輪とを使って拘束されました。服を着たままでした。本来、レイランドの家の生活は昼と夜とできちんと分かれているのです。昼は公爵家の名に恥じない立派な貴族として暮らし、夜は淫蕩の限りを尽くすという風に。私も今まではそうでした、昼の自分と夜の自分、この間に線を引くことで少なくとも昼の間は普通の生活をしていられるという心の中の防壁を持っていたのです。それはお父様の鶴の一声で破られました。まだ日も高いうちから、こんな明るい内から、服も着ているのにいやらしいことをされるなんて、私、そんな覚悟は全然していなかったのです。お許しください、と譫言の様に何度も言う私をお父様は完全に黙殺しました。服の裾をたくし上げられて、地下室でよく使われる浣腸器を使って薬液をお腹いっぱいに詰め込まれて栓をされました。はい、服を……修道服に似せて誂えた、私の普段着のままでした。信仰の為の、せめてもの儚い鎧として纏っていたそれはあまりにも脆く、主よ、貴方にお仕えするための衣装で私は辱めを受けることになったのです。いつもよりもずっと多い量の薬を詰め込まれたお腹は早々に屈してはらわたが引き攣れるような痛みを与えてきます。お父様は中身を出したければいつものように奉仕しろ、と仰いました。はい、いつものようにです。その時に私は初めてお父様のペニスを目撃しました。淫水焼け、というのでしょう。黒々と光り輝くその陰茎は、幾度も水に晒しては金槌で叩いて鍛えられた立派な名剣のようでした。いえ、事実そうなのでしょう。このガチガチにそそり立った雄々しい勃ち姿、鉤爪染みて張り出した太い雁首に古い香木のような雄の香りは正しく百戦錬磨のマラであることに疑いはありませんでした。これを眼前に突き付けられた時、私は浣腸液の痛みも忘れてお腹が疼くのを感じました。グレゴリオお兄様に抱かれるときに胸の奥で感じる、きゅん、とした甘酸っぱい疼きを下腹の方で感じたのでした。まさに、これこそがおチンポ様にございました。女ならば……いえ、雌ならば敬称を付けざるを得ない、屈服してお慈悲を請わざるを得ない、それほどの威容を誇る偉大なるおチンポ様なのでした。ただこの日の私はまだ錯乱状態に近い精神状態にあったので、そこまでの事を考えられたわけではありませんでした。ただその瞬間の私に過ぎったのは「無理」という一言でした。これには勝てない、そんな屈服の確信が端的にそのような言葉で脳裏に浮かんだのでありました。そしてそれを口で奉仕したのですが、私には何一つ及びませんでした。縛られているとはいえ、前手での拘束でしたので手も使うことはできたのですが私のつたない技ではどれだけやってもお父様に満足していただくことは叶わなかったのでございます。後から聞いた話ではお父様は射精自体を完全に制御することができるということで、出すも出さないも自由自在なのだそうです。そんなことを露とも知らない私は、浣腸の痛みに耐えながら可能な限りのフェラチオ奉仕を試みましたが、それでも一向に射精の兆しが見えないことに絶望的な気持ちになって涙を流しました。このままでは埒が明かないな、とお父様が仰って、私の首輪から垂れる鎖を掴んでおチンポ様を私の喉に突き込んできました。お父様の極太雁高チンポによるイラマチオは容赦なく私の喉を潰しにかかりました。ぐぼっ、ぐぼっ、と泥濘に杭を打つような、人間の体から出るようなものではない音が喉から出て、私の息を塞ぎます。自身の口から喉までをおチンポ扱きのための道具として扱われ、息もできない朦朧とした意識の中で私はこれが折檻であることを思い出しました。私が悪いことをしたからこんな辛い目にあっているのです。そうでなければ道理が合わないのです。辻褄が合わないのです。そんなことを思って耐えていると喉の奥の奥までマラを挿入されました。視界一杯にお父様の陰毛が広がって、吸う息は余すところなく蒸れた雄の臭いがしました。喉がおちんぽ様に征服されつくして意識が朦朧としている中で、唐突にお父様が手を伸ばされて私の尻に嵌めてある栓を抜かれました。腹の中にあるものを余さずケツからひり出す排泄快楽をしっかりと刻まれている私の体はここで一度達しました。息が吸えなくて気を失ってしまいそうな中での排泄アクメは尋常ならざる快楽でした。死んでしまう、と咄嗟に思いました。しかし、あぁ、主よ。その、死んでしまいそうな心地が……罪深いことにも心地よかったのでございます。意識が真っ白に塗りつぶされて心が軽くなるような、全てのしがらみから解放されていくような臨死の恍惚はまるで天使の御手に導かれるようで……………いえ、ちがいます。いけません。あまりに不遜でした。違うのです。これは私が淫らな、いやらしい子だから、そのせいなのです。私が、串刺しイラマで窒息しながら排便絶頂してしまうような、そんないやらしい体をしているからそうなったのです。そしてお父様は一滴たりとも射精なさいませんでした。私の喉から湯気を立てながら引きずり出されたおチンポ様の雄々しさ、逞しさに畏怖の念を覚えながら、私は気を失いました。
しかしながら気を失っていられたのはほんの数秒だったかと思います。私は体が深く刺し貫かれる感覚で目を覚ましました。あまりに突然のことで屠殺される豚のような悲鳴を上げたと思います。目を開くとお父様の、先ほどまで私の命を握っていたあのおチンポ様が私の肛門に挿入されておりました。毎日の開発でたっぷりこなれている私の尻穴でさえ、お父様のペニスは大きく、力強く感じました。浣腸排泄を終えたばかりでまだ熱く爛れている菊門を幾度かそれが前後に揺すると、それだけで私は容易く悶えたのでした。偉大なるおチンポ様の圧倒的な力で組み伏せられた私の直腸は、本来モノをひり出すためにあるはずなのに容易く頭を垂れて外側からの征服者を諸手を挙げて歓迎するのでした。ずりゅずりゅ、と濡れそぼった腸粘膜が硬くて逞しい竿と凶悪な雁首に擦られるたびに私は下腹が雌の悦びに咽び泣くのを感じたのです。しかしこれはまだ、私のケツマンコのハメ心地を確かめるための前戯のようなものでした。私の尻穴にその性器を入れたままお父様は立ちなさい、と仰られました。このまま少し歩くぞ、とも言われました。何を言われているのかわからないまま、私はぽかんとしていましたが、お父様がそのまま歩き出そうとするので慌ててそれに追随するしかありませんでした。ええ、その体勢の惨めな様といったらどう例えたものでしょうか。私は後ろからお父様にケツハメされておりますので密着したまま前に立って歩かなければいけないのですが、体格差の都合上、同じ歩幅では歩けず前につんのめってしまいます。それでも歩かされますのでどうにか手を前について……はい、四つん這いにならざるを得ないのです。このことを見越して手枷は外されていましたが、首輪はそのままで、鎖はお父様の手に握られておりました。えぇ、まさしく犬のようでございました。私はお父様に腰を掴まれて肛門交尾をされながら、犬のように四つ足で這って、そのまま昼の屋敷内を練り歩かされたのです。これはまさしく恥辱の極みであったと言えるでしょう。昼間のお屋敷でございますから使用人の方々も普通に働いておられます。ごく普通の日常の風景です。メイドの方々がお掃除をなさり、料理人の方々が食事の下拵えをなさり、庭師の方々は庭木の手入れをされています。そんな中、私はお父様とアナルセックスしながら床を歩かされているのです。まるで自分だけが異常な夜の世界に放り込まれたようないたたまれなさでした。目が合った使用人の方は初めはぎょっとするような表情をされ、それから痛ましいものを見る目をされてからそそくさと視線を逸らされます。どうなさったのですか旦那様、と聞かれる方もおられましたが、お父様が娘の折檻をしていると答えるとそれだけで納得なされて元のお仕事に戻られるのです。私は酷く惨めで、ぐすぐすとべそをかきながら項垂れました。私達が歩いたところには点々と液体の染みが落ちてカーペットを汚しているのが申し訳ありませんでした。はい、この染みは私の愛液でございました。私はこんなにも恥ずかしい想いをしながらマン汁をだらだらと垂れ流して、躾のなっていない犬畜生のようにぼたぼたと汚らしい液を股座から垂れ流してそこらに撒き散らしているのでした。粗相が過ぎるな、とお父様が仰りながら時折意識的に私の穴を突いてきます。ただでさえ歩きながらの振動で撹拌されている私の腸内はこちらを屈服させるつもりのその腰遣いに全く抗う術がないのです。パンパンパンパン、とまるで鞭打ちのように激しく腰を振るう音が屋敷の中に木霊するのが酷く私の羞恥を煽りました。なのに、ぐずぐずに蕩けた私のお腹は逞しいおチンポ様に蹂躙していただくことそれ自体を喜んでいるようでした。直腸から肉壁一枚越しにその雄々しさを感じている子宮が切ない程に昂っていました。父の子種を欲しがるなどロトとその娘たちにしか許されないでしょうが、罪深くも私の胎はお父様の白濁種付けザーメンを飲み干したくて、愛液を涎のように垂らしているのでした。なんと浅ましい、下品な、卑猥な、罪深い女なのでしょうか私は。お屋敷の広間の真ん中で私はそのようにして犯されました。みっともなく泣きよがる私の声を聞いて家の者たちが集まり、その視線が私の痴態に突き刺さるのを感じました。見ないで、見ないでください、と言いながらアナルセックスの快感に震える私の前にグロリアお姉さまが出て来られました。膝を突いて私の顔を覗き込まれるその御顔には優しい笑みが浮かんでおられて、私はてっきりお助けくださるのかと、ちらりとそのような期待を抱きました。しかし、お姉さまはお父様に一度目配せなさってから「お父様は貴女が立派なレイランドの子になれるように骨を折ってくださっているのよ。だから貴女も頑張って反省なさい。大丈夫、貴女もお父様の血を引いている、レイランドの子なのだから」と仰いました。その時、私は確信いたしました。ここは地獄です。地獄とは悪いことをした人間が落ちる場所です。だからこうやって責め苦を受けている私は悪い子なのです。レイランドの家の人間に相応しくないことを言ったのが悪かったのです。家族のみんなを悪く言って、罵ったのが悪かったのです。はんせいします、わたしのせいです、もうわるいことはいいません、ごめんなさい、ごめんなさい、もうゆるしてください。そう言いながら私は皆の見ている前で絶頂いたしました。それと同時にお父様のお子種が私のお腹の中で弾け、奔流のように流し込まれました。私の体はまるでそれをずっとずっと待ち望んでいたかのようにケツ穴を締め付けて腸粘膜を蠕動させてごくごくと飲み干しました。まるで恵みの葡萄酒のように。私の尻穴は完全に排泄用の穴ではなく、おチンポ様にお射精いただくための性器になったようでした。内側から火あぶりにされているような熱さを腰の奥深くから感じながら、私はそれが妙に誇らしく思えたのでした。
私はそのあと裸にされました。修道服を模したワンピースもヴェールも剥がされ、生まれたままの何も隠すことのできない私でした。何度も何度も掘り返されたガバガバケツマンコからはぼたぼたとザーメンが漏れてマン汁と一緒に内腿を滴っております。曝け出された体は紅潮し、乳首と陰核はぴんと生意気にも勃起しており、私はあのような惨め極まるお仕置きセックスで感じていた恥知らずの雌畜生であることをまざまざと知らしめていました。そのまま私は疲労困憊でフラフラした足取りのまま、お父様に首輪の鎖を引かれて連れ歩かれました。手の空いている家の者はその後についてきて、なんだか儀式めいた様相となっておりました。私達は庭に出てきました。そこにあったのはいつの間に用意されていたのでしょう、地面に横倒しにされた十字架でした。祈りの為に祭壇の上に掲げられるものでも、ましてや信徒が首から下げるためにあるものでもありません、まさしく聖典の一説からそのまま出てきたような罪人を磔にするための刑具でした。ぼんやりとした心地のままそれを見降ろしている私にお父様が、お前を磔にする、と宣言なされました。私は思わず、駄目です、どうかそれだけはお許しください、何でも致します、どんな罰でも受けますからそれだけはおやめください、と震える声で申し上げました。私にも何故こんなにも声が震えるのかわかりませんでした、なにかとても、根源的な恐怖に突き動かされるままお父様に慈悲を請いました。
主よ。あぁ、主よ。いと偉大なる御方、我らの父よ。ここに私は最低最悪の私の罪を告白いたします。私は、貴方様をオカズにオナニーをしています。あの日以来、私は壊れました。いえ、目覚めたのでしょうか。背徳、冒涜は快楽なのです。それはまるで腐った肉を掻き毟るかのように破滅的な快楽なのです。蛆の湧いた赤黒い肉に思いっきり爪を立てて掻き毟って、黄色い膿がぐじゅぐじゅと湧き出して痛くて痛くて痒くてでもそれが気持ち良くて止められなくてやってはいけないと分かっていても止められないそんな気持ち良さなのです。天の御方が貴方たちの行いを全て見ておられる、と説法で聞くたびに貴方様に見つめられていることを感じて体が熱くなるのです。私の罪を、私の痴態を見られている見ていただいている、とそう思うと思わず股が濡れるのです。こんな悪い子の私を、この私のいやらしいところを見ておられる、そう思うとそうならざるを得ないのです。今もです。主よ、私はこの懺悔文を書きながら自慰をしているのです。ワンピースの裾を加えてたくし上げ下着の上からクリトリスを片手でぐりぐりとマスかきしながら貴方様への告白を記しているのです。大きな声を出してしまわないようにロザリオを口に咥えてもいます。あぁ、でも、あぁ。今、とてもいけないことを思いついました。机の上の祈祷用の十字架、これを。これを穴に入れたらきもちいいかもしれません。私の、わたしのケツ穴にございます。前の穴はいけません。処女は保っていないといけません。私は、還俗したとはいえ、心はいつでも修道女なのですからいやらしいことはだめなんです。だけど十字架、十字架はかたくてごつごつしていて棒みたいで、入れたらどうなるんだろうってそう思ってしまって。おしりなら大丈夫?いやだめです。そんなばちあたりなことをしたらだめです。神様にしかられます。主よ、私を御許しください。いいえ、違います許さないでください。わたしをゆるさないでください。罰してください。罰をお与え下さい。貴方様の事を思いながらこんな淫らなことを考える恥知らずの雌豚に罰をお与え下さい。悪い子と言ってください、お前は悪い子なんだぞ、と太陽のように熱い目で私を見てお仕置きしてください。許しを請います。這いつくばって貴女様にお許しを請います。舌で足を洗わせてください。私の口は貴方様にご奉仕するためにあります。私を、私を、どうかどうか■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■(塗りつぶされた跡)
私は磔刑の後からしばらく立ち上ることができませんでした。股の骨が折れてしまったのではないかと思うように痛みましたが、そこまでではなかったようで三日目には起き上がって歩けるようになりました。三日目、三日目です。面白いですね、偶然なのに。うふふ、あはは。立てるようになった日に私は改めてお父様にお会いしました。そのとき自らの意志でレイランドの家名への無礼をお詫びいたしました。お父様は私が磔刑で絶頂したこと、それも神の子に自分をなぞらえてイったことを見抜いておられました。私が磔にされる直前の御言葉を鑑みるに、全てはお父様の掌の上だったのだと思い知らされました。その上で私は罪の許しを請いました。家への侮辱の罪、そして聖なる受難をオカズにしてアクメしたことの罪です。反省の意を込めて、私はお父様の前に跪いてフェラチオを行いました。冷静な目で見るおチンポ様はこの上なく雄々しく、ご立派で、偉大な物でした。私は服従の意を表すべく丹念にキンタマから竿、雁首に亀頭まで口づけをし、舌で舐りあげて口腔でしゃぶりました。あまりにも大きいそれに苦慮しながらも家族の皆様にお教えいただいたチンポ奉仕技術を使ってお父様に気持ち良くなって頂こうと誠意を込めました。丁寧に、丹念に、喉まで使って扱きあげていると不意に温かいものが頭に触れました。お父様の大きな手が私の頭を優しく撫でて下さっておりました。見上げれば、厳めしい顔立ちにほんの僅かな、塩の一粒ほどの笑みを浮かべておられるのが解りました。その笑みがやはりお兄様やお姉さまにどこか似ておられて、やはり家族なのだととても嬉しくなったのを覚えております。よく頑張ったな、褒美にかけてやろう、とお父様が仰いました。お父様にお褒め頂いた安堵と誇らしさで胸がいっぱいになり私ははい、と元気よく返事をいたしました。跪いたまま目を瞑り、手を組んで私はお父様のお子種が私の上に降りかかるのを感じました。十数年も前に私を造り給うた、お父様の偉大なるおチンポ汁でございます。生臭くて、潮っぽくて、それでも雌の頭にはこの上ない恵みと感じられる芳しい香りが辺りに立ち込めます。顔の上に滴るそれはどろりと粘っこく、黄ばんで白く濁る、濃厚な精力に満ち溢れておりました。それを顔と体で受け止めたとき、私は福音を感じました。新しく生まれ変わるような心地でした。それは油ではなくザーメンによってなされた、私の二度目の洗礼でした。私は主の御前に罪人であり、主の一人御子は私の罪のために十字架にかかって死んでくださったこと、そして私を義とせんがために復活してくださったことを信じ、彼の御方を私の個人的な救い主として受け入れることを、今此処に告白いたします。
私がレイランドのお屋敷に住むようになってからおよそ一年が過ぎました。この一年の間に私も随分と変わってきたように思います。手と足が伸び、背も伸びてきました。昨年仕立てていただいた衣服の丈が短くなってきているように思います。体も小さくてやせっぽちだったという自覚があったのですが、色々なところがふっくらとしてきたように見えます。胸は寄せれば掌に乗るくらいにはなりましたし、お尻はむっちりと肉づいてきました。跪いて尻を挙げると映えるようになってきたとお褒め頂きました。髪も伸びています。お姉さまに手入れの仕方を教えていただき、お風呂場で石鹸を使って洗って乾かしたり、髪油を塗り込んだりしています。ヴェールから覗く髪は私が首を傾げるとそれにつられて靡いて、風に揺れる稲穂のようです。この前、唇に紅を差してみました。少し背伸びをしすぎたかもしれないと思いましたが、これからの貴女には必要になることよ、とグロリアお姉さまに言われました。なので、これからお化粧の勉強も始まることになりました。今度、長らく首都の方で暮らされていた長兄のパウロお兄様がご帰宅なさるというお話を聞きました。妻子の方もご一緒だそうで、新しい家族の方にお会いできる時を私は胸を躍らせてお待ちしています。パウロお兄様との出会いもきっと、素敵なものに成るのだろうという予感がございます。私は、少しずつ成長していっています。子供から女へ、です。私はどのように花開くのでしょうか、どのような色の花弁を広げることになるのでしょうか。それは貞淑の志とは真反対に位置するところにあるかもしれません。はい、私は悪い人間になっているのだと思います。ですが、そんな私の上にも貴方様は太陽を昇らせ、雨を降らしてくださるのでしょう。ですが。私がもっと酷い背信を行うときには、罰してください、鞭打ってください、あの日のように、雷の槍で私の胸を刺し貫いてください。
…………ところで、なのですが。ここまで書いていてふと気になったことが一つございます。お父様は大変なご慧眼であられます。私の事は最初から最後までずっとあの方の掌の上にあるように感じております。では、お父様は何故、私のお母さまが亡くなった直後に私をレイランドの家に引き取らずに修道院に預け、その上でまた呼び戻したのでしょうか。もしかして、と思うのです。お父様とは一度お母様の葬儀でお会いしているはずです。……その時から既に私の資質を見抜いておられたとしたら?私が、こんな人間だということを最初からずっと確信されていたとしたら?私を修道院で生活させ、修道女としての誓願を成して信仰深き生き方を志すまで敢えて置いておいて、その上で、その上で―――――…………。
………………………(何かを思案するようにペン先で羊皮紙を叩いた跡)。いえ、なんでも。
天にまします父なる神よ
願わくば御名を崇めさせたまえ
御国を来たらせ給え
御心が天にあるが如く、地にも成させ給え
我らに日用の糧を今日も与え給え
我らに罪を犯すものを我らが赦すが如く
我らの罪をも赦し給え
我らを試みに遭わせず、悪より救い出だし給え
国と力と栄とは限りなく汝のものなればなり
アーメン