施設内の異常、破壊の痕跡、与えられた指令――ただの研究員でしか無い女性、ドロシーは施設外の部隊へ対応を求めるべく連絡設備のある場所へと向かおうとしていたが、その元凶だと思われる怪物と遭遇し、犯され……そんな久しぶりに書いたR18にGが付きました。

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施設からの脱出 ~ドロシー・コリンズの場合~

 白い通路の中で激しく明滅する照明。垂れ下がった配線の千切れた先端から飛び散る火花。想定されていない圧力を受けて歪にへしゃげた隔壁。床へ点々と痕を残す血液に持ち主を失った銃火器。

 

 異常だ。質の悪いジョークでない限りは。

 

 非常灯の赤い光源によって一定の視界を確保された施設の中、曲がり角の先にそのような惨状を目の当たりにした一人の女性が反射的に顔を戻し、身を屈め、息を潜ませながら緊急時用のボックスから持ち出してきたハンドガンを強く握り締め、呟く。

 

「これは、ちょっとぉ……」

 

 どこかおっとりとした雰囲気を感じさせる間延びした口調と垂れ目がちで眠たそうな眼は彼女自身が置かれている状況を正しく認識出来ているのか不安を覚えるが、少なからず防衛本能に根付いた行動は取れているようだった。

 彼女の胸元では職員用のIDカードが揺れていて、彼女と同じ顔がプリントされた横には名前と役職が記載されていた。

 ドロシー・コリンズ。25歳。研究員。

 ブラウスとタイトスカートしか身に着けていない一般職員が銃を手に取る必要性に駆られている時点で事態は最悪の数歩手前まで迫ってきているようだった。

 

「どこもかしこもこんな状態ばっかり……連絡手段のある場所へ行くだなんて、私には無理ですよぉ……」

 

 しゃがみ込んだ膝の上へ乗るほどに豊かな乳房を潰し、ボタンの合わせ目を広げて下着を覗かせながら、泣き言まで出る始末。日常的に歩いていた筈の通路が人食い鮫の口にしか見えないのだから無理もなかった。

 立ち上がる気力を砕く光景に失禁しないだけ彼女は気丈ではあったが、追い詰められた精神状況のせいで気付かなければならない要素を見落としていた。通路の先で閉じていたであろう隔壁の残骸は手前側へ捻じ曲がっており、それを可能とした暴力の主はドロシーの居る此方側へと進んでいる筈なのだ。

 だがそれはあくまでも可能性の一つ。されども可能性がゼロで無ければ立ち止まること自体が悪手だった――そう彼女を責めるのは少々酷かもしれない。が、これから受けるであろう仕打ちを考えればあまりにも致命的な時間の浪費だった。

 

「え――」

 

 明滅。ドロシーが改めて曲がり角の先へと顔を向けた瞬間に合わせて息の切れかかった照明が最後の力を振り絞って瞬き、彼女の身へ降りかかる危険を伝えるかのように背後へ立つ存在を照らした。赤い明かりの中、彼女の影を不自然に塗り潰した異形の形によって。

 その違和感に対して思考が停止する。そして……彼女は愚かにも違和感の正体を確かめるべく自身の背後へと振り返った。

 そこには、体表をぬらぬらと照り輝かせた人の形をしたナニカが立っていた。

 身長は2メートルを優に上回るだろうか。身を屈めて尚頭部が通路の天井を擦るほどの巨躯に見合った胴体と四肢の太さ。皮膚を剥ががれて筋繊維を剥き出しにしたかのようなおぞましい姿は滲み出す体液によって濡れており、失った皮を補おうとしたのか、又は別の理由か、胸部や脇腹から飛び出した肉の管をドロシーと異なる警備職の制服を纏った女性へ潜り込ませ、意識のない彼女の股間へ一際太く脈動する管を埋没した状態で固定していた。

 

「ひ……っ!?」

 

 吐息すら聞こえてきそうな距離まで全く気付くことが出来ず、接近を許してしまったドロシーは咄嗟に両腕を突き出してハンドガンを向けた。恐怖による震えが指先まで伝播していたが狙いが定まらずともこれだけ近ければ日常的に銃器を扱うことのない研究員であろうと外すことはない。

 ただ、怪物の前面へ磔にされた女性職員の存在が彼女から引き金を引き絞るだけの気勢を削いでいた。

 その迷いを、怪物が見逃すはずもなかった。素早く伸びた右腕がドロシーの構えたハンドガンを握り締めた両手ごと掴み、筋肉を隆起させて悠々と人一人分の重量を持ち上げていく。

 

 銃声。

 

 手指が軋み、肩が外れそうな程の痛みが恐怖を上回った瞬間、真上を向かされた銃口から二度三度と銃弾が放たれていくが怪物には掠りもせず、無事だった照明を砕くにしか至らなかった。パラパラと破片が降り注ぐ中、弾倉の中身を撃ち尽くまで発砲が起きたにも関わらず捕らわれている女性職員は頭を垂らしたまま反応すらしない。

 そして、持ち上げられたドロシーは彼女の顔を見てしまう。

 見開いた両目は左右で違う方向を向き、叫ぶように開かれた口からはゴポゴポと音を立てながら肉の管が飛び出していた。今にも顔へ触れそうな生暖かい熱気に、ドロシーの表情が思わず引き攣る。

 

「痛っ、ぃ、いやぁ……は、放し、て……っ!」

 

 あまりにも現実離れした死のイメージ。自分もこうなるのではないかという、考えたくもない想像に精神を蝕まれ、半ば狂乱的に体を捩り、指が砕けるのも構わず勢いをつけた足で怪物を何度も蹴りつけていくドロシーは、それがモノになった女性職員へ当たろうとも止めはしない。ただひたすらに、自分が助かるためだけに抵抗を続けていく。その一撃が、奇しくも女性職員を貫いていた股間の肉管を打ち据えた。

 

 咆哮。

 

 怪物は一度大きく吠え、ドロシーは息を呑んで萎縮する。そして、死んだと思われる女性職員の喉が溺れたような音を立てて三者三様の反応を見せる中、肉管に貫かれた女性職員の腹部が膨らんだ。遅れてきた断末魔のように激しく胴体を痙攣させ――次の瞬間、ドロシーの顔へと赤と白の入り混じった液体が降り注いだ。

 

「んぶっ、んんっ!?」

 

 血の匂いを塗り潰すような噎せ返る青臭さが鼻腔を刺激し、反射的に顔を背けたドロシーの頬へと打ち付けられるソレは、精液だ。

 怪物から生えた肉管の一本……股間に存在していたそれは男性器としての機能を保持していたのか、放たれた異常なまでの量が食い破った女性職員の体内を経由し、口から噴き出している。まるで彼女自身が男性器の一部だと言わんばかりの醜悪さに、ドロシーは気を失いそうになってしまう。

 こうはなりたくない。既に弾切れとなったハンドガンの引き金へ力を入れたまま、その一心でドロシーは再び足を振り上げたが、届くことはなかった。ふわりと体が浮かび上がるような感覚に見舞われ、見えてきたのは床が自分から離れていく光景。

 

 一転し、視界に映る物の輪郭が溶けた。

 

「――がっ!?」

 

 怪物の腕の一振りで、掴まれた腕ごと振り回されたドロシーは背中を強かに打ち据えられ、呼吸が詰まる。だがそれだけでは終わらず、次に感じるのは、急速な落下。

 待って、と言うだけの猶予も与えられない。一瞬、頭から血の気が引いていく感覚を覚え、身構える間もなく次の衝撃が全てを塗り潰した。

 

「っ! ぶへ……っ!?」

 

 ドロシーの意識が途切れかける。

 天井から床までの空間を十全に使って加速された人体が、硬い材質の通路の上へ叩きつけられた。今度は、声すら出なかった。代わりに噴き出すのは潰れた胃袋から噴き上がった胃液。乳房の緩衝材と掴まれた腕のお陰で頭部への衝撃こそ少なかったが、それ以上に全身が訴えかけてくる激痛。未だに四肢が繋がっているのかすら、最早ドロシーにとって確信が持てない。

 同時に、どさりと隣へ女性職員が降ってくる。膝で一瞬止まった体を怪物が蹴り飛ばし、壁へぶつかったまま動かない彼女と入れ替わるようにドロシーは床から引き上げられていく。

 怪物の体と擦れていく最中、眼前を通過していく顕になった男性器は人間の標準的な物と全く異なっていた。体表と同じく赤黒い部位が大部分を占め、外側から肉膜を出鱈目に盛って作り上げた長大な様相。加えて、先端の縦に割れた部分にはギザギザとした白い牙まで見て取れた。一周回って怪物に相応しいと言えなくもないが、ここまでくれば下手なB級映画のようですらあった。

 制服越しとは言え、精液で濡れたソレが体を擦りながら通過していくのは本来ならばドロシーが不快感を覚えてもおかしくはないのだが、彼女はそう感じなかった。正しくは不快感を抱く暇もない、といった方が正しいだろうか。

 

「ま、って……これ、死んじゃ、う……」

 

 何度か噎せた後、ドロシーは呆然と呟く。怪物と向き合ったが故の醜悪さについてでは無い。自身の乳房の下で感じている感触――股下よりも下にある男性期の付け根を起点として、密着している肉管はドロシーの臍よりも上に先端が来ていた。これを全て埋没させられていた女性職員が生きている可能性などある筈も無い。

 ましてや次は自分が同じ目に会うのだと直感的に理解してしまっただけに震えが止まらず、股間の周辺が暖かく湿っていく。小水が、タイトスカートの裾から破れたストッキングを暗く染め直していく。

 ドロシーの視界が視界が反転する。両手を解放した怪物が肉管でドロシーの四肢の付け根を絡め取り、宙へと持ち上げたのだ。

 

「ね、ねぇ……ホントに、やめ……っ」

 

 自由になったドロシーの両腕は先程振り回されたせいか肩が外れてだらりと垂れ下がるのみで、折れた指にスライドの下がったハンドガンが絡み付く。

 無力化された憐れな獲物に成り下がったドロシーは、通じないと分かっていても悲痛な表情を浮かべて怪物相手に命乞いをするしか選択肢はなく、力のない声で頼み込む。でなければ、通路の端に転がった女性職員が未来の自分になるのだから。

 だが、怪物の取った行動は、ドロシーの予想を裏切るものだった。

 背後から伸びてきた赤い腕が、襟元へと指をかけて一息で真下へと引き下ろされていく。元より薄手のブラウスがボタンを弾き飛ばされながら、肌が露出させられ、目を背けた。先程の女性職員は脱がされていなかったというのにどのような心境の変化なのか、戸惑いを隠せずにいればブラジャーも容易く引き千切られてしまう。締め付けられていた乳房が一段沈み、自重に引っ張られて離れていく。赤い照明であろうと、慎ましい乳輪との対比は色素の違いが物語っていた。

 

「な、なん……ひっ!?」

 

 死の寸前で悪戯に引き伸ばされているような、嬲られる様を味わわされるがまま、足を広げられて腰まで捲れ上がったタイトスカートの先……ショーツまでもが破かれ、ストッキングの間から取り除かれる。

 守る物を失ったドロシーの秘部を、男性器の先端が撫でた。小水と、精液と、血液と……様々な体液を混ぜ合わせるように揺すられる様は、怪物による前戯のようでドロシーの背筋を冷たくする。

 もし、元々が人間でこういった嗜好があったのであれば……等と、現実逃避に思考を逃し始めた所で、先端が膣口を探り当てて浅くめり込んだ。

 

 

「やめ、や、ぐっ……い、いた、い……っ!」

 

 先程あれだけの暴力を振るわれたにも関わらず、鋭い痛みが股間から突き上げてきただけでドロシーは現実へと引き戻された。いつの間にか怪物は太腿を逆手に握っていて、背中には盛り上がった胸筋が触れる。加減をする気など微塵も感じられない予備動作に対して、必死に頭を振った。が――

 

 メシャ……ッ!

 

「ぎ――っ!!?」

 

 ドロシーの見る景色が頭一つ下がるのと同時に聞いた音は、粘膜が裂ける音でも関節が軋むものでもなかった。

 湿った何かが、潰れる濁った音。圧迫されて絞り出された自分の声。そして遅れてやってくる鈍痛。次に真っ白に染まった視界と、痛み。痛み。痛み。

 

「ひぎゃぁぁぁあああぁぁぁああぁぁああああ゛あ゛あ゛あ゛っ!!」

 

 内臓を支えている靭帯によって行き場のない子宮をいとも容易く男性器で殴り潰される、そんな存在してはならない暴力が女性としての大切な機能を粉砕する痛みとなって響き、ドロシーは叫んだ。ただひたすらに、飽和した痛覚の逃げ場を求めて特徴的だった垂れ目を見開き、乳房を弾ませながら叫ぶ。

 

「がっ!? ぉご、ぉおお゛お゛っ!?」

 

 ドロシーの絶叫は、口内へ飛び込んだ肉管によって押し戻された。一本ではない。怪物が持て余していた数本がまとめて潜り込み、喉を膨らませながら奥へと互いに身を寄せ合いながら進んでいく。引き抜こうにも両腕は上がらず、口を閉じようとしても肉管の弾力は噛み切ることさえ許さない。

 内側から膨れ上がった喉に血管が圧迫され、脳へ血液が回らなくなった頃……不意に、肉管が開いた先端からガスを放出し始める。酸素を奪われたドロシーは、それを吸い込む他に選択肢は与えられていなかった。

 

「んぶふっ、ごぽっ! ぉ、お゛っ!」

 

 飢えた肺は一方的に流れ込むガスを取り込み、早鐘を打つ心臓は血液へ溶け出した成分を送り出す。皮肉なことに、ドロシーの生命への貪欲さは怪物の思うがままに利用されていくだけ。だがそんな蹂躙も、ドロシーにとって悪いことだけではなかった。

 苦しみを和らげるという点に限れば、だが。

 

「ぁ、お……ぉっ、んぐ……っ!」

 

 ドロシーは、内臓を傷付けられたことによって受けている痛みが心臓の跳ねる度に段々と薄れていくような感覚を覚える。代わりに、熱が体を支配し、痛みだったものは次第に疼きへと姿を変えた。潰れた子宮と裂けた膣襞すら、まるで滾る夜の情事を思わせる程に、男性器を受け入れている事が苦痛から塗り替わっていくのにおぞましいとすら思考の中には浮かんで来ない。

 

 快楽。

 

 ドロシーが受けている刺激は紛れもなく快感だ。それも今まで感じたことの無い程強烈で凶悪な、脳への危険信号を奪う麻薬。

 喉で暴れる肉管すら性器へ受け入れているのに等しく、異物を排除するべき嘔吐の蠢動も媚びる為の締め付けへと変わる。

 

「んごぉっ! おあ、ぁぁああ゛っ!?」

 

 ドロシーの変化を感じ取ったのか、ようやく怪物による抽挿が始まった。当然ながら男性器を収めただけで性行為が終わるはずもなく、寧ろ前準備の間だけ良く耐えたとすらいえる分その動きには先程放ったばかりだと思えないほど激しい。引き下ろした彼女の体を迎え撃つように突き出した腰の分だけ、薄い腹筋を押し上げて今にも突き破らんばかりに引き伸ばしては消えていく。

 潤滑油と呼べるものもなく、粘膜への負荷を度外視した力任せの強行にドロシーの陰唇は直ぐ様彼女自身の血によって赤く染まっていき、突かれた衝撃で声とも呼べぬ音を肉管の隙間から漏らすだけの性処理道具と化した。その事実を悲観する余裕も、必要性も既に無い。

 

「んいぃ゛っ! い、い゛っ!! ごぽ、がっ……!」

 

 何故ならば、既にドロシーの焦点は合っておらず、破壊されていく対価に与えられた快楽の中へと思考を投棄してしまったからだ。

 常に身の危険と隣り合わせの状況を単身で進み続け、死ぬ程の痛みを叩き込まれ、異形の怪物によって犯され、腕や内臓の一部は治るかもわからない。そんな現実を受け止め続けることから逃げるには、うってつけのものを怪物は絶え間なく与えてくれる上、生きるのに必要なものは全て奪ってくれるのだ。言い換えれば、極上の幸せの中で死を迎えられる権利を得たのだ。

 だからこそ、ドロシーはブラウスや自身の乳房へ黒い点が増えていくことも気にしない。それが血であると知る必要性も感じない。

 

 ただ犯されるだけ。

 怪物の腰の動きが強くなり、耐えかねた股関節が外れて目の奥が眩む程の快感が脳髄へと駆け上ってくる。ハンドルとしての役割を果たさなくなったドロシーの足を手放した両腕が次に掴んだのは、ドロシーの肋骨だった。

 

「ぉぐ……っ!?」

 

 ミシリ、と脊髄が軋む音が響く。先程まで腰へ届く位置をゼロだとすれば、腕が高い位置を掴んだ分だけ腰との距離は遠ざかる。だというのに、怪物はドロシーの脇を同じように限りなくゼロへと近付けるべく引き降ろすのだ。

 怪物は吠えた。望む結果を得られなくて駄々をこねる子供のように、感情のままドロシーを使って男性器を扱き続ける。

 ドロシーの体はそれなりの柔軟性を誇っていたが、背骨を背面側へ直角に倒せるほどではない。その分の負荷を快感へ変えられて絶頂を迎えても、人体の限界には逆らえなかった。

 

 だが、運命はまだ、ドロシーの一生を悪戯に引き伸ばすつもりのようだった。

 

「おい、カイブツ! その子を放せ!」

 

 怒声に等しい男の警告。ドロシーがそれに気付くことはなかったが、怪物はお楽しみを邪魔された怒りを唸りに変えながら抽挿をやめてしまう。

 

「ん、ぉ゛……」

 

 ドロシーは急激に去っていく快感の波を強請るように唯一自由な腰をくねらせるが、先程までの強烈なものがやってこず、酸欠と絶頂で吹き飛びかけた意識の中で前を見た。

 眩いライト。通路にはなかったはずの黒い棒が二つ。おそらくは兵隊だろうか。

 

「やめろ、どうせ死んでる」

「でも万が一……」

「あれで生きてる方が地獄だろ」

 

 彼らが何を話しているかなど、ドロシーには理解できなかったが――

 

 銃声。途切れることのない銃声。

 

 ライトよりも眩しい瞬きと同時に襲う熱い快楽が体の至る所へ挿入されていく凌辱で、ドロシーの命は絶頂とともに消えた。

 

◆◆◆◆◆

 

『おっと、ドロシーさんはここでリタイア。彼女はミッション不達成となります』

 

 先程までの施設内を映したモニターとは別枠の中で、四角い立方体が表面を明滅させながら男の声で語る。

 これは、今流行している一般人参加型のチャレンジ企画だ。

 専用の筐体の中で脳と直結した空間の中、複数人が異なるミッションを与えられ、達成か時間切れまでの生存によって叶えられるただの“遊び”。

 とはいえ、受けていた刺激は殆どリアルと変わらないため、挑戦者は参加時の短期記憶消去かメンタルセラピーのアフターケアが用意されている。ドロシーを例に上げるならば、筐体の中でこの挑戦自体の記憶を無かった事にするだろう。

 ゲームと分かっていても、偽物の感覚だとしても、そうと割り切れない人間の生々しい反応を求めた“娯楽”

 

 今の人類には、それが必要不可欠なのだ。

 


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