「…」
自分の部屋にて、カリカリとペンを走らせる白髪の少女。
その横には参考に使ったであろう本や、描き終えたページの束が積まれている。
「…ふぅ」
描き終えて、ペンをスミ瓶に突っ込んだ所で声を掛けた。
「ようやく描き終えたみたいだなジャネット」
「うわっ!?
ちょっマスター、急に声を掛けてくるのやめなさいよ…」
俺に声を掛けられて少女は思わずびっくりしてしまう。
目の下に隈ができており髪もボサボサ、それがどれだけ部屋に籠もっていたのかを物語っている。
「それで、どうなんだ?
締め切りまで間に合いそうか?」
「何とか、ね…。
ねぇ、私眠いしお風呂入りたいから、それ片付けておいてくれる?」
「仕方ねぇな」
あくびしながら髪をボリボリと掻く彼女を見て俺は苦笑するしかなかった。
にしても大分絵とか色々上達してるよな。
そんなことを思いながら、描かれてるページの順番通りに片付ける。
彼女の名はジャネット、俺の眷属だ。
普段は同人作家として、お店に売る漫画を描いているのだが今はイベント前なので原稿に集中していたようだ。
彼女は普通の人間ではない、元々ある組織があの聖女ジャンヌ・ダルクのDNAを元にして造られ、そこからさらにジャンヌ・ダルクに対するイメージや力などを無理やり押し込められた存在だ。
だがアイデンティティも中途半端過ぎるし、押し込められたイメージも、ジャンヌ・ダルクの悲惨な末路にまつわることばかりだ。
それによる致命的なズレと絶望により、発狂して自力で組織を壊滅させた。
でもだからって自分の中のズレと絶望が失くなるわけでもなく、宛もなく彷徨い続けていた。
そんな時に、当時駒に適応する眷属を探していた俺と会ったんだ。
その時の彼女は、自暴自棄になってほとんど眠れてないから目の下に隈ができて、髪はボサボサだった。
俺を見るなり怯えていたが、彼女の目があまりにも悲しくて放っとけなかったんだよな。
それに、俺もあのクソどもに実験で好き勝手体を弄られたから、彼女に対しては他人のような気がしなかった。
話を聞いてやってる内に、少しずつ心を開いてくれたんだ。
それで、自分で良ければ眷属にしてくれるかって聞いてきたから、俺の駒は他の悪魔の駒と違って、適応できなかったら死ぬって忠告したがそれでも良いと言ってきた。
なので、彼女に駒を埋め込むと彼女の在り方が変質した。
転生悪魔となり、聖女ジャンヌ・ダルクとしての力を失った代わりに転生悪魔として怨嗟の炎と剣術を手に入れ、同時にアイデンティティも確立して精神的にも安定した。
そして自分は聖女ジャンヌ・ダルクにならないという意味から、自らジャネットを名乗るようになった。
それから紆余曲折あって、今では同人作家として立派に成長している。
というのも元々文字の読み書きもできなかったが、その勉強に使ったのが漫画だったからだ。
漫画にドはまりしたジャネットはいつしか文字の読み書きを完璧にマスターして、今となっては同人作家になった。
気の合う同人サークルの友人もできたらしく、ペンネームでしか名乗っていないが、黒髭とかメカクレとかそう言う人たちから色々とアドバイスもらってるし、自身もゲシュペンスト・ケッツァーというペンネームを名乗り、同人誌を書く傍らでカッコイイポーズを考えたり、カッコイイ響きの文字を探すのにドイツ語の辞書(しかも付箋とマークだらけ)を持ち歩く厨二病でもある。
ちなみに転生悪魔になって手に入れた怨嗟の炎は、恨みが強ければ強いほど無限に湧き上がる処刑の業火だが、彼女は普段それを恨みではなく漫画が上手く掛けなかったり締切が迫ってるというストレスで使う。
かなりの火力と無限に湧き上がることから、単体で敵陣を全て焼き尽くすことも可能だし、身体能力を上昇させたりすることもできる。
まぁそんなこんなで彼女は同人作家として立派に成長したのだ。
ジャネットもお風呂に入りに行ったし、俺もページを揃えて片付けたので、散歩に向かった。
それからしばらくして、散歩から帰って自室に行くと、そこにはYシャツと下着姿のジャネットが俺のベッドの上で寝ていた。
しかもサイズからして、俺のYシャツを着てやがる。
「すー…、すー…」
「ったく、人の服着て勝手に寝やがって」
そう言いつつも、俺は彼女の頭を撫でてやる。
すると気持ちよさそうにして、俺の手を取る。
ブカブカのYシャツの裾からちょこんと顔を出す細い指先をそっと握ると、彼女は俺の手を離して両手で包み込んだ。
「んっ……」
そのまま、俺の手を自分の胸に押し付ける。
柔らかい感触と共に彼女の鼓動が伝わってくる。
彼女の体からは石鹸の良い匂いがして、シャンプーの甘い香りもする。
もぞもぞと動く白い太腿は健康的なエロさが漂っている。
そんな彼女の仕草に、俺は思わずドキッとした。
「うふふ……」
すると彼女は嬉しそうに微笑みながら寝返りを打ち、仰向けになる。
その際に彼女の胸元がチラッと見えてしまい、慌てて目を逸らす。
こいつ、無防備すぎるだろ……。
とにかく目のやり場も困るし、寝るなら自分の部屋で寝て欲しかったから彼女を起こそうとした時だった。
「ねぇ」
急に彼女が声を掛けてきた。
彼女は俺を見つめている。
その瞳には確かな情欲の炎が宿っていた。
「あんた、私のこと好き?」
突然の質問に戸惑ったが、素直に答える。
「あぁ、好きだよ」
「どのくらい?」
「そうだな……、お前が思ってくれてる以上にだよ」
「そっか、じゃあさ……」
そこで彼女は俺の腕を掴んで引き寄せた。
「私のこと、抱きなさいよ」
耳元で囁かれた言葉に、心臓が高鳴る。
誘うように、彼女は足を少し上げて、可愛らしい下着をチラッと見せる。
その行動に、俺は生唾を飲み込んでしまう。
「おい、ジャネット……」
「良いじゃない、私だって我慢できないのよ……」
そう言って、ジャネットは俺の首の後ろに手を回して、ゆっくりと唇を重ねた。
そして、舌を入れてきて絡め合う。
「んっ、ちゅぱっ、れろっ♡ はむっ、じゅぷ、んぅっ……♡」
最初は抵抗しようとしたが、結局は俺の方から求めてしまう。
キスしてるからとはいえ、俺は今膝立ちしてる膝がちょうどジャネットの下着に当たる所にあって、それが擦れて変な気分になってくる。
それに気づいたのか、彼女は体を密着させて、さらに強く押し付けてくる。
お互いの体が触れ合って、柔らかい感触と温もりを感じる。
そしてようやく口を離すと、糸を引いていた。
「もう、硬くなってるわね。キスだけで興奮したの? いけない子ね……」
「誰のせいでこうなったと思ってんだ。つーか、誘ってきたのはお前だろうが」
「えぇそうよ、でも悪いのはあなたもでしょ?
私、ずっと我慢してたのに、こんなにドキドキさせるなんて酷い男よ」
「悪かったよ、だから、責任取ってやる」
そう言うと、俺は彼女をベッドに押し倒した。
ジャネットを押し倒すと、彼女は顔を赤く染めて恥ずかしそうにしていた。
「その、優しくしてよね……」
「分かってるよ。痛いのは嫌なんだろ?」
「うん……」
彼女は小さく呟くと、両腕を広げて受け入れる姿勢を取った。
なので遠慮なく、Yシャツを脱がせて上半身裸にさせると、綺麗な形をした大きな乳房が現れた。
「あっ……」
彼女は頬をさらに紅潮させ、視線を逸らしてしまう。
そんな彼女に構わず、俺は彼女の胸に手を伸ばす。
「あ…♡」
胸に触れると、柔らかくて弾力のある感触が伝わってくる。
そのまま揉みしだいていくと、彼女は吐息交じりの声を漏らす。
「やぁっ、もっと…、激しくしても良いのよ……」
「言われなくてもそうしてやるよ」
言われた通り、乱暴に揉みしだくと彼女は甘い声を上げる。
「ひゃぁん! そ、それ凄いわ……」
「どうだ?」
「すごく気持ちいい……」
彼女は蕩けた表情を浮かべると、俺の顔に手を伸ばして引き寄せると再び口付けを交わす。
「んっ、ちゅぱっ、れろぉ、んっ……♡」
舌を入れて絡ませると、今度は彼女も積極的に動いてきた。
唾液を流し込まれ、それを飲み込む。
しばらくすると、彼女は満足そうな笑みを見せる。
「ねぇ、下の方も触って……」
彼女の要求に応え、ショーツの中へと侵入すると、そこはすでに湿っていて熱を帯びていた。指先で触れると、そこはぐちょりと濡れていて、中から愛液が溢れ出してくる。
「ここ、すごいことになっちまってるぞ……」
「言わないでよ、バカ……」
「ごめん、つい……」
「別に謝ることじゃないけど……。それより早く入れなさいよ」
彼女はショーツを脱いで両足を開いて腰を浮かせると、自ら秘部を晒してきた。
俺はそこにゆっくりと挿入していく。
「あぁっ……!」
彼女は苦しそうにしているが、俺は気にせず奥まで入れた。
そしてそのままゆっくりと動き始める。
「やっ、あんっ、ああぁっ、すごっ、あんたのおちんちん、大きいぃっ」
「ジャネット、俺もそろそろイキそうだ」
「来て、中に出して……♡」
「分かった」
ラストスパートをかけるように、一気に速度を上げていく。
そしてついに限界を迎えた。
「出すよ」
「あぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
どぴゅっと勢いよく精液が出て、同時に絶頂を迎える。
それからしばらくして、彼女は余韻に浸るように俺に抱き着いてきた。
「ねぇ、もう一回しない?」
「良いぜ……」
こうして俺たちは再び体を重ねたのだった。
あれから何度も交わり続け、気が付けば夜になっていた。
さすがに疲れたので俺とジャネットはそのまま眠りに就いた。
そして夜が明けて。
「えぇっ!?
もうこんな時間!?
今日は出来上がった同人誌の原稿皆に見せに行って確認してもらわなくちゃいけないってのに…!」
朝起きるなり、ジャネットは慌てて支度を始めた。
「悪いわね、私ちょっと行ってくるから留守番よろしくね」
そう言って、彼女は部屋を出て行った。
俺はというと、特にすることもないのでベッドの上で横になって寝転がっていた。
ジャネットは大の駒を持つ最高戦力の眷属だが、同時に同人作家でもあるため色々と忙しいのだ。