異界門を抜けた先。
「ここは…この濃密な邪気…奥に妖魔の王が、いるッ!」
あの面妖な老人は確かにイザヨイの、それも怨敵の本拠地に飛ばしてくれたと察する。
それは老人の善意…ではない事が即判明する。
「ギャギャギャ!鬼族の姫巫女キタ!アノ余所者の言った通り罠張っててヨカッタ!」
「グヘヘヘ!なんと可憐ナ鬼娘…美味そうダ!」
妖魔の大軍勢に包囲されていた。極上の美少女鬼巫女に襲い掛かる妖魔ども。
「…やはり罠でしたか。しかし、今の私の実力であればこの程度!」
妖魔の牙や爪を神楽舞いの如き脚捌きでかわし、退魔刀の柄に手を添え、気合一閃。
「…刀術斬ッ!やあッ!」
キィィィン!
神速の抜刀術で放たれた無数の斬撃が一閃、一瞬で妖魔の大群を斬り捨てる。
刹那を見切る女剣士。
鬼の中では非力なアサアケだが、地球の高度な科学技術で造られた電磁鞘により抜き打ち速度が超加速、神速の斬撃を可能とした。
「ギャギャ!?ツ、強スギル!コンナ可憐ナ巫女ナノニ…」
「私を巫女と侮った報いその身に刻んであげましょう!いざ、まいります!」
丈の短いスカートが剣風で舞うのを少し恥じらいながら、凛と勇ましく宣言するアサアケ。
「生意気ナ鬼姫メ…一斉ニ掛カレーッ!」
「む……敵わぬとみて数で押しますか。しかし、その程度で……!」
居合い斬撃後の刀身を舞うが如き体捌きで翻し、刺突を繰り出す。
妖魔を刺し貫いた退魔刀をヒュンと振り穢れた血糊を払うや、納刀。
腰を静かに落とし再び居合の構えを取り、神通力を刀身に込める。
「焔宿刃」
鬼の妖力と巫女の神聖な神気で華奢な身体が焔の如く輝き、菫色の長髪がさらさらと浮き上がる。
刀身が灼熱に輝き神通力が宿る。
「刀術斬ッ!せいッ!」
付与呪術により威力を増した退魔刀から再び繰り出される神速抜刀術に妖魔どもがなぎ倒されていく。
「はぁ、はぁっ…くっ、次は誰ですか?かかってきなさい!」
凛と刀を振るアサアケだが雲霞の如く襲い来る妖魔の波状攻撃に、次第に疲労の色が濃くなっていく。
「はぁ…はぁ…い、一体何匹出てくるの?さすがにここまで多いと…くっ、きりがない…」
電磁加速鞘による極超音速の抜刀術は、鬼としては非力なアサアケの細腕に限界を超えた負荷を掛けており、疲労で腕が上がらず刀身が下がってしまう。
「はぁ……はぁっ……」
「ゲヘヘ、随分お疲れのようだなぁ鬼の姫巫女よフラついておるぞ」
「くっ…呪撃ッ!」
刀を振る力が残っていないアサアケは上級妖魔に呪術で反撃、最後の妖魔が消滅する。
「はぁ、はぁ……これで…おわりですね……」
限界を超えて技と術を出し切り、敵を全て駆逐した安堵から、ふっ…とアサアケの気が抜ける。
くらっ…。肉体だけでなく精神力も憔悴し切り、鬼灯色の瞳が疲労で霞む。
ズズズ…その隙を突き、潜んでいた一つ目の筒状胴体に無数の触手蠢く奇怪な妖魔の触手攻撃が迫る。
「……もう一匹!?しまっ…!」
ビュン…ビシィッ!棘疣だらけの触手が鞭の如く、疲労困憊なアサアケの華奢な身体を強かに打ち据えた。
「あぐぅッ!かはぁッ!けほッ……!」
強烈な衝撃に肺の空気が全部吐き出され呼吸が出来ない。
ビシィッ!バシィッ!容赦なく追撃してくる無数の触手鞭によりミニスカ巫女装束が破れ、触手が胸元を掠り、白く清らかな柔肌から鮮血が滲む。
それでも退魔刀だけは固く握りしめるアサアケ。
触手が掠り満身創痍になりながらも、神楽舞いの脚捌きで致命打を回避、電磁鞘から居合の構えを取る。
「…今だ!刀術斬ッ……あ…あれ……からだ、うごかない…?」
細腕が痙攣し力が入らず抜刀できない。小振りな刀が酷く重い。
「はぁ…はぁっ……くっ……か、からだが…しびれ…る……な、なぜ……?」
ぐにゃあ…。アサアケの視界がぼやけ、触手妖魔の巨大な一つ目が幾重にも分裂して見える。
限界を超えた疲労に加え、触手の棘疣から分泌する超強力な痺れ薬が全身を廻り意識が遠のく。
「…くっ…痺れ…だめ…意識…が……」
くらぁ…がくっ。痺れて急激に脱力し、崩れ落ちそうになる身体を、退魔刀の鞘尻を杖にしてかろうじて支える。
アサアケの痺れた身体に無数の触手が絡み付く。
巫女装束の露出部から痺れ触手が這い回り、四肢を伝い、豊満で形の良い美乳を舐るように巻き付いていく。
ミミズのようにニュルニュルとした気色の悪さ。ミミズが苦手なアサアケは悍ましさで悪寒に震える。
「ああっ…!?くっ…いやっ!はなして!……んんっ、くっ…だめ…体痺れ……胸が、乳首が衣に擦れてっ…じんじん熱い…ふあああっ!?」
ぞくぞくぞくっ。
触手からはヌラヌラとした濃緑の粘液が滴り、神聖な巫女装束が穢され、染み込んだ粘液が玉の柔肌を擦っていく。
悍ましさに必死に身を捩る度、巫女装束に乳首が擦れた際に甘美な痺れが全身を伝い力が抜けていく。
「んっ、くぅぅっ!しまっ…これは…妖魔の媚毒っ!?ふぁぁ…乳首もあそこもゾクゾク痺れて、こんな…きもちよすぎて…だ、だめぇぇ…!」
ジン…ジン…ぷくっ…。四肢の力が抜けるのと入れ替わりに乳首に血が流れ込み、ぷくりと勃起していく。
ぴくん!ぴくん!ぞくぅぅぅっ!
「んんっ!くぅっ……あぁぁっ…」
触手に嬲られる度に痺れて力が抜けていく全身を妖しい快楽が侵食する。
「キヒヒ!どうじゃ?ワシが異界から喚んだ変異ローパーの痺れ媚薬触手の味は?甘い痺れで動けまい?」
「あなたは…!やはり敵でしたか」
姿を現した異界召喚士をキッと睨むアサアケ。
「ヒヒ、左様。明らかに罠じゃというのに愚かな小娘よのぉ……ですな?妖魔の王様?」
「グッグッグッ…でかしたぞ、異界の邪なる者よ。これがあやつの妹…鬼族の姫巫女か、なんと美しい」
巨躯で禍々しい妖気を放つ妖魔の王が、触手に囚われたアサアケの前に現れた。