(これは…勇者契約の力?)
地球で出会ったオーナーと結んだ契約、勇者の力とオーナーとの日々が、アサアケの痺れた身体と絶望した心に流れ込む。
(お願いです…私に力を…兄上……オーナー…!)
「グフハハハ我の精を受け入れよ…な、なにィ!?」
痺れ薬と媚薬で動かないはずの細腕から、地に着いたまま握り締めていた退魔刀が抜き放たれる。
異界の科学による超電磁力が蓄えられた鞘が地を蹴り上げ、その反動で逆袈裟に斬り上げられる斬撃。
「…はあああッ!刀術斬ッ!!!」
渾身の一撃。アサアケを縛めていたローパーは巨大な一つ目ごと両断され、力を失った触手がどろりと溶けるようにアサアケの巫女装束から滑り落ちた。
「はぁっ…はぁっ…はぁ…はっ……」
退魔刀を斬り上げたまま、不撓不屈の意志で妖魔の王に刀身を突き付ける。
ふらぁ…がくんっ。
「…くっ…身体が…痺れる…けれど負けるわけにはいきません!」
触手からは脱したものの、犯され限界を遥か超えた疲労と痺れ薬が未だ効いている華奢な身体が崩れ落ちそうになる。
「グヌゥ、まだ抵抗出来たとは、恐るべき鬼族の姫巫女よ…だが!最早流石に動けまい?そこの異界の妖魔は斬れても、我の鋼鉄の肉体には通用せん諦めよ!」
「今の私に斬れぬものはありません!!!」
勝ち誇る妖魔の王に、アサアケは痺れる身体で渾身の剣技を繰り出す。
ザンッ!!!鋼鉄よりも固い妖魔の王の片腕が落ちる。
「グワーッ!我の王の力が!?バカなーっ!」
だが。
「はぁ…はぁ……だめ…もう…からだ、うごかない…意識が…」
ぐにゃぁ……憎き仇の姿が何重にもブレていく。
あと一歩で兄の仇を討てる寸前で、仇の眼前で眠りに堕ちていくアサアケ。
「グッ…グハハハ焦らせおって!惜しかったなぁ…我は腕一本斬られただけ、そなたは最早痺れ指一本動かせぬ我の勝ち……な、なにィ!?」
斬られた片腕からバチバチと雷と神気が迸り…
「グワーッ!我の肉体も麻痺して動けんだとぉーっ!?」
「はぁ…はぁっ……麻痺の太刀…私が地球で得た、新たな絆の力です!」
地球の科学力による超電磁加速鞘と、アサアケの限界を超えて振り絞った妖力を込めた斬撃。
極超音速による摩擦熱と静電気を妖力で増幅、敵の神経中枢を寸断する秘剣だった。
「お、おのれぇ!だが動けんのはそなたも同じ」
「はぁ…はぁ…兄上の仇だけは…刺し違えてでも取ります…妖魔の王、覚悟!!!」
亡き最愛の兄への想いと、地球で培った絆が、アサアケの痺れた身体に最後の力を与える。
可憐な美貌に鬼神の気迫を乗せて退魔巫女剣士の刃が妖魔の王の首を刎ねんと迫る。
「グワーッいやだ死にたくないぃぃぃ、そ、そうだ!異界の者よ、早く我を助けろ~っ!!」
見苦しく喚き、異界召喚士に救いを求める妖魔の王。
「キヒヒヒ…」
ニヤニヤ笑い静観する異界召喚士。
現地の悪勢力のボスに表向き従っていたのも、己が研究の捨て駒にする腹づもりであり、別に助ける義理も義務も無い。
(これが鬼の底力と勇者契約の力か、恐るべき潜在能力よの。ここでワシが出ても危険やも知れん…なれば)
「見事だアサアケ…よくぞここまで精進を積んだな」
妖魔の王に最後の力を振り絞ろうとするアサアケの前に、美丈夫が登場。
「っ…!?その声は…!」
「媚薬と痺れ薬に侵された身で勇敢に戦い抜いた…俺の自慢の妹よ」
アサアケよりも立派な二本角の鬼の美青年が優しく微笑んだ。
「あ…兄上…?兄上っ!?生きて…おられたのですね……」
妖魔の王に討たれたはずの兄との再会に、張りつめていたアサアケの可憐な美貌が緩み涙が零れた。
「ゲェーッ!そなたは!?なっ何故生きておるーッ!?」
麻痺したまま驚愕する妖魔の王。異界召喚士はニヤニヤしている。
「兄上…私…私は……っ!」
死んだと思っていた最愛の兄との再会で緊張の糸がふっ…と切れ、退魔刀がからん、と地に落ちた。
ふらぁ……極度の緊張と疲労と痺れ薬が効いた華奢な身体が糸が切れたように崩れ落ちる。
…とさっ。兄の逞しい両腕が妹の身体を優しく抱き留める。
「よく頑張ったなアサアケ。俺が来たからにはもう大丈夫だ」
「はぁっ…ふああっ…兄上……」
兄に抱かれたアサアケの可憐な表情は緩み頬は紅潮し、切なく甘い吐息を零す。
「んっ…はぁ…あぁぁ…ふぁぁ……はぁん…」
(キヒヒ、死んだと思っていた最愛の兄と出会えた安堵で、これまで不屈の意志で耐えてきた痺れ薬と媚薬の効果がぶり返してきたようじゃのぅ)
異界召喚士の観察した通り、兄に抱かれる媚薬と凌辱で火照った殆ど裸同然の身体は切なく痙攣し、ローパー触手と妖魔の王に散々嬲られた花弁は再びひくつきながら蜜を溢れさせ、股間を切なげに捩っている。
そんな妹を優しく抱きながら、兄の腕が後ろからアサアケの胸を掌で包み…
「だからお前は何も考えず、俺に身を委ねるのだ…」
「あ、兄上…?ふぁぁっ…!?」
ぴくんっ!無防備に敏感な胸を触られ、怪訝な表情で兄を見たアサアケ。
「ククク、我が妹ながら実に美しく成長したものよ」
兄の腕が妹の華奢な腰を持ち上げ、お姫様だっこの体勢に抱き上げ…
「兄上?なにを…ああっ!?」
兄の指先が、触手と妖魔の王に嬲られ解れた巫女装束の胸元の隙間から差し込まれ、美乳を揉み砕く。
粗暴な妖魔の王とは違う、力強いが繊細さと狡猾さを持った指使い。
「あっ、んっ…兄上…そんな、不埒な…はっ、あっ、乳首だめぇ…あんっ!あぁぁっ…!」
兄に弄ばれ、アサアケの身体が快感で跳ねる。
媚薬が残っている身体は敏感に反応してしまい、嬌声を抑えられない。
気持ちよさで力が抜けた肢体は兄に抱かれたまま両手足がだらりと垂れ下がり、首がかくんと後ろに反り、菫色の綺麗な長髪が流れる。
天を見上げる格好となったアサアケの鬼灯の瞳に、敬愛していた兄の邪な眼が映る。
優しく高潔だった兄の淫行と膨れ上がる邪気に、アサアケの媚薬で痺れる思考に疑念が宿る。
「はぁっ…んぁ…この邪悪な妖気…兄上…いったい……?」
「ククク…」
「…んっっ、ふあっ……はむぅっ…!?」
戸惑いと快楽に蕩けた妹の唇が唐突に塞がれる。
くちゅ…ちゅく…
アサアケの舌が兄の舌に絡まれる。
「んっっ、兄上…いけませんっ、私たちは兄妹…ふむぅ…んっ、んん~っ、ふぁ…はぁぁ……んんんんッ!!」
羞恥と背徳感で必死に拒絶するが、鬼族最強である兄の剛腕に敵うはずもなく。
更に疲労困憊な上に、強力な媚薬と痺れ薬が効いている今のアサアケにはどうする事もできない。
長い接吻が続く。
されるかままに兄の接吻と愛撫を受け入れ、禁忌な姦通の冒涜的な快楽に身も心もグズグズに蕩けていく。
「…んっ…ぷはっ…はぁ…ふはぁ……兄上あなたは…こんな事をする方では…まさか…!」
妖魔を滅する退魔士一族の巫女としての心当たりにアサアケがハッとした瞬間。
「…んっ…ごくん」
兄の唾液が妹の喉に落ちていく。
「えっ?この味…お酒……」
強烈な酒精の苦み。鬼は酒に強く、アサアケも並みの酒で酔うことはあり得ないが。
……どくん。
「ふあぁぁぁぁ……!?」
凄まじい痺れと沸き上がる快感。
既に火照りきったアサアケの身体の芯からカッと燃えるような熱が全身を侵し、頭がぼおっと痺れていく。
兄の剛腕に抱きかかえられたまま、いつの間にか脱がされていた美しい裸体が反り返る。
「ククク、魔の痺れ薬と媚薬を漬け込んだ鬼殺しの酒の味はどうだ妹よ?お前には酒の味はまだ分からぬか?」
「はぁっ…ふああぁっ……身体が熱い…だめ…痺れて…蕩けちゃ……」
兄の凌辱と内服させられた毒酒にアサアケの意識が遠のく。
「…あなたは…兄上じゃ…な……くっ…眠…だめ……」
がくん。アサアケの意識が暗転する。
「キヒヒ!お主の妹は完全に手中に堕ちたようじゃのぉ…でかしたぞ、ダークアサアケの兄よ!」
「…はっ!仰せのままに、俺を蘇らせてくださった新たなる主君…異界召喚士様」
「ウム、お主は失敗作のダーク王子と違い、忠実な手駒じゃな。ダーク王子めはオリジナルの高潔な精神まで再現してしまいワシに反逆しおった…故に今回は完全に邪悪な心を植え付けたのよ…前回の課題を全てクリアーして初めて改良という!」
得意げな異界召喚士。
王子に敗れ、自身が創造したダーク王子にも討たれた後、とある邪悪な男の思惑で復活した異界召喚士には目的があった。
「さぁて、これでこの鬼娘は完全に我が手中に堕ちたわい。さあダークアサアケの兄よ、お主の可愛い妹を存分に犯すのじゃあ!この娘がイカされ、絶望と快楽に沈む程に、ワシの異界門を開くエーギルが溜まるでの」
異界召喚士の異界転移門は未だ不完全であり、狙った世界にピンポイントで転移する精度が無い故、主目的である怨敵の王子がいる世界への帰還の為には、異界門技術を完成させる必要があり、その為にランダム転移で訪れた世界の美少女を毒牙に掛けて門を開くエーギルを収集していた。
「仰せのままに主よ…ククク……」