裕太はいい彼氏だ。優しいし、格好いいところもあるし、可愛いとも思える。
裕太に対して不満はない。
だからこそ、六花は罪悪感で胸がいっぱいだった。
「はぁ……」
息を吐きながら、暗くなり始めた住宅街を歩く。
向かう先に裕太はいない。
目的地は、裕太と面識のない男が住む家だ。一歩、また一歩と距離が近づくごとに罪悪感が募っていく。いずれ心が壊れてしまうのでは。そんな風に感じるが、男の家が見えてくると別の感情が顔を覗かせた。
服を押し上げる胸の内がドクンと高鳴る。
何気ない呼吸が荒く乱れ、息に熱が帯びる。
火照った体の内で、特に煮えたぎるような熱が臍の下で暴れている。
膣内が湿り始め、反射的に膣口をきゅっと締めた。けれども、逆に中に溜まっていた愛液を搾り出す結果となって、白い下着に染みを作る。
「んっ……」
男が住む高層マンションの前に到着した時点で、六花の顔は真っ赤に色づいていた。艶やかな黒い前髪の下で青い瞳を潤ませ、ただの女子高校生にはない色気を漂わせる。それは、マンションのエントランスですれ違った住居者である男の目線と身動きを奪い、息を呑ませるほどだった。
男は六花の後ろ姿を凝視し、短いスカートから覗く素肌剥き出しの太ももに魅了されていた。普通の少女よりもやけに肉感的なそれに対して強い劣情を催したのか、男はごくっと生唾を呑み下しながらこっそりと取り出した携帯で六花を撮影した。
「今日のオカズにしよ……」
そんな風に呟いていたが、六花の意識は男の存在を認識していなかった。
逸る足をできるだけ宥め、けれども傍から見れば足早にエレベーターに乗り込むと、上階へと移動した。顔を上げて階数を示す表示が移り変わるのを注視し、湧き上がる期待感に伴って濡れていく股を引き締めながら。
目的の階に着き、奥へ進むと、扉の前に立った。
インターフォンの呼び出しボタンに人差し指を伸ばす。一瞬だけ躊躇うように止まったが、指は震えながらもゆっくりと近づき、ボタンに触れた。
呼び出し音が響く中、ますます大きくなった後悔の念に苛まれていた。胸を押さえて暗い表情で俯く。
やっぱり帰ろう。ここに来るたびに何度そう思ったことだろう。
けれど、行動に移せたことは一度もない。
「待ってたぜ、六花」
扉が開き、家主である男、工藤が顔を覗かせる。
金色に染め上げられた短髪。耳にピアスをし、簡素な部屋着から覗く肌はこんがり焼いた小麦色。
個性を出そうとする若者らしい出で立ちと、それなりに爽やかそうに見える顔の造形。
のこのことやってきた六花の全身に視線を這わせた工藤は、顔をにやつかせた。
「っ……」
その顔を見ると、六花は何度でもあの日のことを思い出してしまう。
裕太と一緒に下校した帰り道。気付かぬうちに背後に忍び寄っていた男に抱き締められ、口を塞がれた。突然のことに抵抗が遅れた六花は体を拘束されたまま、タイミングを合わせて近づいてきたバンの中に乗せられた。
中にいたのは、工藤と彼を中心とした仲間たち。
リスクを承知の上で女を犯すことに味を占めた不良大学生たち。
車という密室で何が始まるかなんて、想像するのは容易だった。
六花は助けを求めて叫んだ。ここにいない裕太に向かって。届いてほしいと願って。
そんなものは無理だと理解しながらも。
伸びてきた工藤たちの手。多勢に無勢で襲い掛かるそれは六花の身を掴み、容易に抵抗を奪った。
囲まれた六花はそのまま制服を乱され、乳房と秘所を暴かれた。裕太にしか見せたことのない場所を、裕太とは比べ物にならないほど低俗な男たちに見られ、欲望をぶつけられる。鳥肌が立つほどの寒気を感じていても逃げることができず、六花は男たちの餌食となったのだ。
男の一人が持ったカメラで一部始終を撮影されながら、六花は工藤たちに喰い尽くされた。髪の毛から爪先まで。余すことなく男たちに触られ、体液で汚された。
勿論、身体の内側も。涙を流して懇願したというのに、裕太にすら許したことのない場所に精をたっぷり注がれた。一度出してしまえば二度目も同じという理論で、その場にいた全員に中出しされ、子宮には複数人の男たちの遺伝子が詰め込まれることになった。
忘れてしまいたいほど最悪な日。
だけど、六花は委細を覚えている。
『俺、この子気に入っちゃったわ』
自分を真っ先に犯し、子宮に容赦なくびゅるびゅると子種を撒き散らした工藤の満悦な表情を。
「今日も楽しもうぜ?」
「ぁ……」
大きな手で肩を抱かれ、六花は意識を現実へと引き戻される。
工藤の手を振り払うことはできなかった。
六花は脅されている。輪姦されたときの映像は全て、工藤の手の中にある。
それを弱みに六花は今までに何度も呼び出され、工藤たちによって手籠めにされた同じ境遇の女たちと一緒に工藤たちに体を売ってきた。妊娠しないようにピルを飲むように言われ、生中出しを楽しめる女子高校生として可愛がられてきた。
当然だが、自分から望んで彼らと肉体関係を結んだことは一度もなかった。
しかし、工藤の調教を経るごとに体は段々とおかしくなっていった。
「ぁ、ぅ……」
肩から移動した工藤の手が、スカートの上から尻肉を揉んでくる。たったそれだけのことで六花は大人しくなった。形のいい尻が一時的に歪むほどの力強い握り方と、手の平から伝わる強い体温。逃げられると思うなよ? と言われているような気分になって、気圧された六花は大人しく家の中に入っていった。
そのとき、六花の下着から愛液がツーと垂れ、スカートから伸びる魅惑的な太ももに一筋の痕を残した。
「うっわ、もう濡れ濡れじゃん」
工藤が嬉しそうに言う。その眼差しは、ベッドに座った六花の股間へ注がれている。両足を開いてスカートが捲れているため、穿いている白い下着が丸見えだ。
愛液でぐっしょりと濡れたそこからは、今も蜜が垂れている。シーツに染み入り、男臭いベッドに雌の匂いを交わらせる。
匂いに中てられたのか、工藤は興奮した様子だった。既にズボンを大きく膨らませていて、表情から軽薄な笑みが消えない。
「さすが俺の六花」
工藤が身を寄せて六花の頬を舐め上げた。
「ひ……」
舌のざらついた感触。生温かい唾液を拭いつけられ、六花は震えた。
確かな嫌悪感。しかし、それを上回る興奮。
内面を表情から悟られぬように、六花は唇を軽く噛み、視線を下げた。
「いい加減素直になれよ、六花」
「あ、あ……!」
工藤の低い囁きが耳を襲い、六花は声を上げてしまった。
抵抗を示しても、すぐに工藤によって心も体も解されてしまう。
「だ、め……」
どうにか言葉を紡いでも、そんな蕩けた声音では止めることなどできない。
工藤の指が六花の下着を撫でる。陰裂の膨らみを優しくなぞり、徐々に割れ目をこじ開けて中に指を沈ませる。内に溜まっていた愛液が漏れて下着がさらに酷い状態になったところで、工藤は下着を脱がせ始めた。
「穿いてても気持ち悪いだろ? 脱いじゃおうぜ」
六花の返事を待たずに、工藤の指が下着を下ろしていく。下半身を覆うものが取り払われ、太ももに向かう。陰裂と下着の間に愛液の糸が伸びたのを見て、六花は羞恥を感じてそっぽを向いた。
「エッロ……。お前を俺の女にできてマジで良かったわ」
工藤の素直な感想が嫌で、でも嬉しくも感じた。
この男は平気で女を強姦する最低なクズだが、六花に対しては優しかった。遊びに誘われたときも六花は表向きは渋々だったが、内心では楽しめていた。
料理の美味しいお店。会計は割り勘ではなく、工藤の全額支払い。
高価な品が並ぶアクセサリーショップ。イヤリングをプレゼントしてもらった。
綺麗な夜景。星の海のように広がる街の光が綺麗だった。
工藤は六花を自分の女だと思っている。彼氏がいることを知っているくせに、堂々と恋人の距離感まで迫って愛情を注ぐ。
「むぅ……!?」
工藤の唇が六花の口を塞ぎ、舌をねじ込んできた。六花は抗うこともなく、それを迎え入れる。さっきまでの抵抗が嘘のように体が反応し、自ら舌を伸ばして工藤と絡め合う。ぐぢゅ、ぬちゃと音を鳴らして、たっぷり数分間。
「っ、はぁっ……」
工藤の口が離れ、後を追うように六花の舌が伸びてしまった。自身の行為の愚かさに六花は気づいていたが、体が言うことを聞かなかった。
「もう、少しだけ……」
六花が呟くと、工藤はニヤニヤしながら口に溜めた唾液を六花の舌に垂らす。それを六花が受け取ったのを確認し、再び二人の唇は密着した。
「ん、ふ……、ぁ、む……」
六花の脳内で裕太の顔が浮かぶ。
頭の中の裕太は何かを叫んでいたが、何を言っているのかはわからなかった。
「ぁ、は、ぐぷっ、ん、ちゅっ……」
工藤と舌を擦りつけ合うと、裕太の姿が希薄になって、声も聞こえなくなっていく。
小さくなっていく。大切な彼氏の存在が。
でも、こうなっては何もできない。
また今日も裏切ってしまう。彼氏とするより気持ちのいいセックスに溺れてしまう。
ごめん、響くん。
心の中で謝罪の言葉を放った六花は、貪るようにキスを求める工藤の背に手を回した。
抱き合う二人。目元を緩める六花と、笑う工藤。
「くちゅ……ぐちゅ……ぬ、ぷぅ、っ、ぁ、んんっ、んふっ……」
舌を離しても、すぐに繋がりを求めて動かし、握り合う。先ほどまでとは水音の粘り気が違う。それが興奮を呼び、六花の中で唾液が次々と滲み出て、二人の絡みを潤滑にさせていった。
「は、ぁっ……」
呼吸するのも忘れ、足りなくなった酸素を求めて口づけを終えた。
二人の唇の間に唾液の糸が伸びる。それが途切れて落ちる中、六花の頬に手を当てた工藤によって口を開かされた。
ぁー、と開いた六花の口には、二人分の唾液が溜まって、どろどろと混ざり合っている。
「飲めよ……」
工藤の囁きに合わせ、六花は口を閉じ、こくっと喉を鳴らした。
命じられずとも改めて開き直した口内には、唾液はなくなっていた。
「よしよし」
興奮の熱を湛えた工藤に頭を撫でられ、六花は目を細めた。乱暴さを感じさせず、少しのこそばゆさと安心感を覚える。
家に入る前に躊躇していた少女と同一人物とは思えないほどに、六花は気を緩ませていた。だから、工藤の手が胸に伸びても身を引くことなく、正面から受け入れた。
「最近大きくなってきた?」
「それは……」
「俺のおかげ? それとも彼氏くん?」
「響くんは、あなたみたいに揉まないから……」
「マジかよ。そいつ本当に男?」
「遠慮してるだけ、だと、思う……」
言ってみたが、断言はできなかった。もしかすると裕太は、自分の胸に魅力を感じていないのではないか。隙あらば胸や尻に手を這わせてくる工藤との対比が、六花にそんな疑念を抱かせていた。
「ん……」
「どんどん俺好みにしてやるからな?」
工藤が勝手に六花の服を捲り始めたが、六花は抗わない。促されるままに両手を上に伸ばし、服を脱がせてもらう。
白いブラジャーに覆われたそれは、やはり何度見直しても以前よりボリュームを増し、谷間は深くなっていた。綺麗な形はそのままだ。
このままいけば、あんな感じになれるのかな。
思い出すのは親友である少女のこと。今はもういなくなってしまった彼女の豊満な胸。同性の自分から見ても魅力的なそれに自分を重ね、まだまだ先のことだと思いつつも、可能性がないわけではないと感じる。
「ほら、パイズリしやすくなるように大きくなーれ」
「ぁ、んっ……へ、変なこと、言わ、ないで……んぁっ……!」
六花の背後に回って工藤が両手でブラジャーを覆い、指を埋める。ふざけてまじないを掛ける工藤に六花は不満を吐露しながら、乳房を満遍なくマッサージする手の動きに合わせて敏感に身じろぎした。
「可愛すぎだろ……」
「ゃ、あぁっ……」
工藤が六花の耳を咥えて唇で甘噛みし、ブラジャーをずらして六花の胸を直にこねくり回す。今日まで散々揉みしだいてきたはずだが、工藤は飽きもせずに乳肉の感触を楽しみ、指先で乳首をぎゅっと押す。
「はぁっ……ぁんっ……!」
声を漏らし、六花はビクンッと震え上がった。
胸を弄られただけで軽く達してしまった。下着という防波堤を失っているため、陰裂から愛液がとろとろと垂れていく。シーツに染みを広げていくそれが工藤の目につかないはずはなく、すぐにバレて耳元に声を吹きかけられた。
「旨そうな汁漏らしやがって、俺が舐め取ってやるからな」
工藤は立ち上がると、ズボンと下着を手早く脱いだ。
そうして表に出たのは、カリ高の分厚い剛直だ。多くの女を食らい尽くし、肉奴隷に変えてきた業物は何度見ようと目を奪われてしまう。これが六花の膣を幾度も掘り進み、裕太の平均的な肉棒では物足りない穴へと変えてしまった。
「来いよ」
六花の傍で横になった工藤がそれだけ言う。
具体的な指示をされなくても、六花は動き出した。
工藤の体を跨いで膝を突き、股間で屹立する肉棒へと顔を寄せる。そうして、自身の尻は工藤の顔へと向けた。いわゆるシックスナインという、男と女が互いの性器を慰め合える体位だ。
「もう少しマンコ近づけてみ。そうそう、そんな感じ」
微調整をし、工藤の口元に膣穴が寄せられる。今も垂れ流し状態のマン汁を顔に受けていた工藤だったが、絶好の位置を見つけると、舌で汁を受け止めた。口内に滑らせていった愛液を美味しそうに飲み下すと、六花の尻を両手で抱いてクンニを開始した。
「ぢゅ、ぶっ、ぐちゅっ、ずるるっ、ぬちゃっ、ぐちゅっ、ぐちゅちゅっ……!」
「ひ、あっ……!? んんっ……!? は、ぁ……! んぁあっ……!?」
工藤は陰裂が描く縦筋へ舌を埋没させ、中に隠れるサーモンピンクの陰部を舐め回していく。周りから攻め、やがてその舌は物欲しそうに収縮する膣穴に向かい、先端をねじ込ませて蜜を掻き出す。
「はぁっ……!? はっ……! はっ……!」
ただ受けて呼吸を乱すばかりだった六花だが、眼前で力強さを見せる肉棒を見て、自分がすべきことを思い出す。
前に垂れた黒髪を耳に引っ掛け、六花は手始めとばかりに亀頭へ唇を突き出した。またしても脳内に裕太の姿が過ぎったが、それを無視し、裕太とは比べ物にならないほど分厚くて雄らしいチンポにキスを放った。
「ちゅっ……んちゅっ……ぁ、む、ぢゅぷぷぷぅっ!」
尿道キスの後、そのまま亀頭を咥えていく。窄めた口の肉で抱き締め、奥へ奥へと誘う。唾液を絡めて滑りを良くし、煮えたぎる雄の象徴をぐっぽりと根元まで収めた。
「ぅあっ……ぶぢゅっ、ぐぢゅぢゅっ、ぢゅるるるっ!」
工藤が気持ちよさそうな声を一瞬上げて、六花の膣を舌で解す。
「ぶぷっ、ぢゅるっ、ぐぽぉっ、ぬぷっ、ぢゅぶっ、ぐぷぅ、ぐぷぅっ!」
六花がお返しにと肉棒にしゃぶりつく。上手くなりたいと思ったこともないのに、回数を経るうちに上手くなったフェラチオ。工藤がどこを責めれば気持ち良いのかは把握している。経験を活かして工藤を攻め返した。
双方同意の上で、仲良く性器を舐め合う二人。
元は強姦犯と被害者という関係だったことが嘘のような連携プレーで、そのまま二人は昇りつめた先で濃密な快楽を得る。
「ん、ぐっ……! ぶぢゅぢゅっ、ぢゅぞぞぞおぉっ!」
工藤が呻き、尿道から精液を放出する。並行して六花の膣から溢れる雌汁を啜る。
「っ……!? ぅ……! ぢゅるっ、ぢゅるぢゅるっ! ごくっ、んぐっ、んぐっ!」
激しい舌攻めを受けて六花は痙攣し、汁を噴き出しながら、口内に広がる精液を嚥下する。
体液を交換し合った二人は、続く余韻に浸ってしばらく性器に口をつけたままだった。やがて、工藤が舌を引き戻し、六花も竿に吸いついて精液を拭いながら肉棒を取り出す。後には唾液に包まれた肉棒が現われた。
亀頭が解放されても、肉棒は萎えた様子はない。
この男が一発程度で満足できるはずがないことを知っている六花にとっては驚くことでもなんでもない。所詮フェラチオは前戯であり、この後に本番が控えていることなど言うまでもない。
だから、六花は工藤の上を離れ、それを待っていた工藤によってベッドに押し倒された。
「さてと、そろそろヤルかー」
部屋着を脱ぎ、完全に裸になった工藤がやる気を見せていた。六花は工藤の枕に頭を乗せ、ドキドキと鼓動を速めながら彼に身を任せる。ここまで来て抵抗する意思など皆無だ。
「早く俺だけのものにしてぇよな、この太もも」
六花の太ももを掴んで気持ちよさそうに撫で回す工藤。同世代よりも少しだけ太いと感じていた太ももだが、男たちの性的な視線に晒され、工藤に愛されているうちに六花の中で確かな自信が芽生えるようになっていた。
全部、工藤のおかげだった。そこに裕太の存在は含まれない。
むにゅりと柔らかい太ももに指を沈ませて堪能した工藤が、竿を握った肉棒を六花の股に突きつけた。
あとは前に進むだけ。六花はピルを飲んでいるため、コンドームは必要ない。
裕太にもさせたことのない生ハメを、今日も当たり前のように工藤には許可する。
「ん……」
亀頭が陰裂の間に埋まり、穴を探り当て、ゆっくり沈んでいく。肉棒に対して狭い穴だが、膣は奥まで愛液に満ちていた。幾つもの愛液の糸が引くそこへと亀頭がズリズリと侵攻し、程なく熱を伴う異物感が六花を襲った。
「ぁ、ぁっ……!」
シーツを握って身構えて、六花は工藤を受け入れた。ズプッ、ズププッと膣肉を押しのけて進む肉棒は、挿入しただけで六花を至福へと連れていく。自分の体はもうおかしくなっているのだろう。彼氏では感じず、性犯罪者の肉棒でよがってしまうなんて。
それも全部、工藤のせいだ。裕太は何も悪くない。
強姦した癖に、たまに長時間に亘る地獄のような調教で六花を苦しめる癖に。終わった後は優しい。
拒否権のないデートのときも、強制したにしては六花をたびたび気遣い、デートが終わって家に帰るまでエスコートしてくれる。帰り際に抱き寄せられて、六花のことを心の底から想っているような言葉を囁いてくれる。
大事にされているのだと、六花が感じるには十分だった。
どうして、こんな人に目をつけられてしまったのだろう。
こんなの逃げられない。
このままでは本当に堕とされてしまう。
このままでは工藤の恋人にさせられてしまう。
このままでは、裕太を本当に裏切って――。
瞬間、六花の意識が吹き飛んだ。
「……ぇ?」
六花は何が起きたのかわかっていなかった。
「よし、クリーンヒット」
目の前には工藤の顔があって、どこか満足げだった。
何かをされたらしい。原因が工藤にあることを察して、六花はそれを探った。
そして、すぐに理解する。
「今まで手抜いてたけど、今日は六花に、俺の本気を見せてやるよ」
「嘘……」
その言葉に唖然とする。
今まで交わってきたのは本気ではなかったというのか。あり得ない。工藤の攻めは的確で、六花は何度も鳴かされてきた。これまででも十分気持ちの良すぎるセックスで、堕ちるものかと抗ってきた。
「嘘でしょ……」
思わず確認を取ってしまうが、工藤は答えない。ギラついた目で、六花を見下ろしている。
「本当だって。これまでのは全部手抜き。俺がいきなり本気出すと女の子はすぐ堕ちちゃうからさ。特別いい女は長く楽しめるようになるべく手加減してあげてんの。でもさ、いい加減俺も我慢できなくなってさ」
「っ、ぉ、おく、こんなに……」
工藤が腰を押し込むと、膣の奥まで挿入された亀頭が子宮を小突く。それは初めての感覚だった。今まで子宮まで触れられたことはなかったから、工藤の大きさでもさすがに届かないものとばかり思っていた。
「俺、六花のこと本気で好きになっちゃったんだよな。だから、もう堕とすわ。堕として、彼氏と別れさせて、恋人にすっから。ああ、いずれ結婚もするし、ガキも産ませるからな。とりあえず最低五人は欲しいな。……逃げられるなんて、思うなよ?」
手前勝手すぎる計画を立てている。六花の意思がまるで尊重されていない。
そうだ……。この男は、やっぱり……。
六花は正気を取り戻しつつあった。
やっぱり、この男は最低だ。
女は自分の人生を彩る花とでも思っているのだろう。だから愛でることはあっても、お気に入りである六花を手放すことはない。脅迫用の動画もいつまでも消してくれない。先延ばしにして六花が堕ちるのを待っていたようだが、その効力はもう失われた。
動画を流出させたければ、すればいい。
六花は理性を取り戻し、罪悪感を再燃させ、工藤から離れようとする。
本当にごめん、響くん。謝って済む問題じゃないけど。もう、間違わないから。
「離れ、て……!」
六花の手が工藤を突き飛ばし、そのままベッドを降りて、この部屋から出る。
そして、その足で裕太の下に。
などというのは、あくまで六花の脳内で描いた理想の光景だった。
現実はそれほど甘くない。
「大人しくしてろって」
「あ、ぁあッ……!?」
伸ばした両手が工藤の体を押してもビクともせず、暴れた六花を鎮圧しようと工藤が腰を動かす。ズプンッと小気味いい音を立てて膣内に肉棒が埋まり、子宮を突いた。たったそれだけでのことで六花は仰け反り、目を白黒させた。
ただ子宮を一回突かれただけで易々と無力化されることが信じられなかった。力が抜けて、強制的に幸福に包まれる。反抗的な気持ちすら吹き飛ばされるようで、目の前にいる男に何か薬でも盛られたのかと思いたくなった。
けど、そんなことはないのは六花がよく知っていた。
「無理だって。これまでじっくり調整してきたんだから。もう手遅れだ」
この男は自身の一物と技術と、日頃の調教の積み重ねによって六花の体を弄ってきた。工藤に抱かれるだけで悦ぶように。六花自身にすら気づかないほどのわずかな焦らしを日々蓄積させることで、本気を出したときに今までにない快楽を得られるように。
時間を掛けて丁寧に育てられた六花が、大輪を咲かせる日が来たのだ。
「それじゃあ、未来の可愛いお嫁さんをゲットしますか」
工藤が自身の首の骨を鳴らし、舌なめずりをする。
そのとき彼が浮かべた笑みを見て、強姦されたあの日のことを思い出す。
「ぃや……」
六花はポツリと呟き、恐怖に顔を染める。
それは工藤の嗜虐心を煽り、膣内の肉棒の膨張を招く。まだ大きくなる。底の知れない男に対する嫌悪感が募って耐えられなくなった六花は、先ほどよりも口を大きく開き、拒絶の声を張り上げた。
「いやぁぁあ――ああぁッ!? んおぉッ!? おッ!? おぉおッ!?」
同時に始まった工藤の本気レイプ。はぁ、はぁ、と発情しきった様子で膣に肉棒を擦りつけるケダモノの蹂躙は、六花に痛みを一切与えない。こみあげてくるのは100%の快感。
これまでのセックスが本気でなかったことの証明となった。
信じられない。
信じたくない。
怖い。
繋がりたくない。
否定的な感情が胸中に渦巻くが、工藤の肉棒が膣奥に突きを放つたびに、六花の中で悪感情が霧散する。自分でも知らなかった弱点をゴリッと亀頭で攻められたことで、六花の表情に悦びが広がる。
駄目だ。こんな顔をしては。
レイプ、されているのに。
でも、だけど、勝手に顔が緩んで。
「ぉ、おぉっ……! ぁっ……! あぁっ! あ……! あっ……! あっ……!」
頭の中ではセックスのことしか考えられなくなっていく。余計なことを考えていると気持ち良くなれない。それよりも、もっとこの快感を得ようとして、頭を空っぽにして感覚に身を委ねたくなる。
「やだっ……! こんなのぉっ……!? ぉっ……!? た、たすけ、助けて……! 響くんっ……! こ、このままだと、本当にぃっ……! んぁあああっ!? お願いっ! やめてっ……! ねぇッ……!」
懇願しても工藤は止めない。
ただの正常位セックスのはずだが、一撃一撃が確実に六花の理性を削っていく。快楽を増幅させていく。それはこれまでとは段違いの、依存性の高い快楽。願うことならば、この快楽をできるだけ長く感じていたい。レイプされてもそう思ってしまうほどの幸福が脳を洗い、六花の本心を狂わせる。
二度と這い上がれない悦楽の深海へ引きずり込まれる。
六花は手を伸ばした。その手は工藤を突き飛ばすためではなく、工藤の首に回った。抱き着いて、もっと密着させて、より深い突きを放ってもらうように。意識とは対照的に体は工藤のためを思って行動してしまう。
駄目! 早く離れないと!
思っても、絶え間なく続く快感は六花の行動を制限する。工藤の首に両手で抱きつき、腰に両足を巻きつける。しっかりと拘束し、強姦を勝手に和姦へと成立させてしまう。そんな六花を見て下品な笑みを浮かべた工藤が、望まれるままに六花を押し潰す。
工藤による全力の種付けプレス。
それを迎え入れる六花。
その光景は、仲睦まじい恋人の過激な愛情のぶつけ合い。一方が性犯罪者で、もう一方が被害者などと言っても誰にも信じてもらえない。裕太だってこの光景を見れば、六花が望んで他所の男を受け入れたと思い、絶望に打ちひしがれるだろう。
もう、駄目。これ、気持ちよすぎる。響くんよりも、ずっと。比べられないくらい。
諦念の感情が湧き、怒涛の如く押し寄せてくる快楽の洪水。
襲いくる絶頂の予兆。それを予期して六花は思った。
今日は。今日だけは、この感情に素直になりたい。
「ぁぁああぁあッ!?」
意識が弾け、明滅する。腰が浮こうとするが、工藤が上から押し潰す。
ベッドと工藤に挟まれたまま嬌声を張り上げる六花の膣内で、肉棒が膨れた。それは膣道を内側から押し広げ、エラの傘を肉壁に食い込ませ、身動きを固定する。その場に留まって至近距離から精液を放出するために。
「受け取れ……!」
穢れた肉欲に染まる低い声が六花の鼓膜を揺さぶった瞬間、びちゃびちゃと熱い何かが子宮に叩きつけられた。それが精液であるとわかると、六花の子宮が勝手に下りて亀頭に吸いついた。
「んあぁぁあっ……!」
自分から精液を啜っている。この男の種を求めている。
ピルを飲んでいるから妊娠できないのに。意味がないのに。
わかっていても、種が欲しい。
そして、この交尾が無駄に終わってしまうことを、深く残念に思う自分がいた。
もしも、避妊せずにこれだけの子種を受け止めたら、どれだけ気持ち良いのか。どれだけの罪悪感を抱き、それを上回る背徳感で全身を嬲られるのか。考えただけで頬が緩む。膣が締まって、肉棒から精を搾取してしまう。
避妊なしの生ハメセックス。その相手が、自分が好きになった相手になることを願って。
六花は蕩けた表情を見せ、胎内に次々と溜まっていく精液の熱に全身を震え上がらせた。
「んぁっ……! あぁんっ……! んんっ……! はぁっ……! あぁっ……!」
夜が更けても、六花は工藤と繋がっていた。
現在、主導権を握っているのは工藤ではなく六花のほうだった。ベッドで寛ぐ工藤の下半身に馬乗りになって腰を振る。スカートの裾をひらひらと揺らし、殆ど露出した尻を股間に叩きつけ、勃起したチンポを膣内に迎え入れる。
「ぁああっ……!?」
自分から亀頭に子宮口を宛がい、喘ぐ六花は誰が見ても交尾を楽しんでいた。
「また、硬くなって……! ぁんっ……! ぉっ……! んっ……! すごぃっ、これ……! 腰、止まらないっ……! ん、ぉおっ……! こんなこと、してちゃ、駄目なのにィっ……! ぅ、あっ……ぁっ……あぁっ……!」
そんな六花の姿を、工藤が携帯のカメラで撮影していた。新たな脅迫材料。六花にとっては阻止しなくてはならないことだというのに、それを止めることができない。にやついた表情で六花を撮影する工藤がとても楽しそうで、肉棒の熱が強くなっているのがわかる。
私で興奮してくれている。
六花はそれが嬉しくて、体を跳ねさせ、膣肉でチンポにしゃぶりつく。
その行為で感じる快楽は、裕太との交わりが遊びと思えてしまうくらいに濃厚だった。一度でもそう思ってしまうと、もうあれに戻るのは躊躇われた。本当のセックスを知ってしまった今となっては、感じている振りも難しい。
「ぁあっ……!? ぁ、あぁんっ……!」
六花の心は堕ちていた。膣内をほじくり返す肉棒がとても愛おしく感じるほどに。
その状態に至っても、完全には堕ちていないと六花は自分では思っていた。どれだけのことがあっても、この行為を終えてしまえば、また元の自分に戻れる。きっと明日の朝には、裕太のことを思い、罪悪感に心を痛める日々が戻ってくるのだろう。
それまでは、この最低で最愛の人の温もりを感じていたい。
「あんっ! あんっ! ぁ、あ、あ、あああっ!?」
六花は何度でも尻を振り、蕩けた表情をカメラに向け、絶頂した。
六花が達するタイミングに合わせたかのように膣奥に叩きつけられる精液。その熱を感じ、気持ち良さそうに息を吐く工藤に微笑み掛ける。工藤と自分が気持ち良くなれるように、自ら種を求め、膣内をギチギチと締め上げた。
朝になっても、自分の心が工藤に依存したままになるとは思わずに。