ショタ君を苦しめるおねショタからショタ君を救いだす話 作:サーマート・ジュウバンガイムエタイジム
オリジナル:現代/冒険・バトル
タグ:R-18 残酷な描写 特定のジャンルに対するアンチ・ヘイト メタ リョナ ショタ 鬱フラグクラッシャー
ある時彼らは「ショタ拷問会」なる団体を設立。人権を無視したショタへの弾圧、拉致、虐殺により人類は子孫を残すことが出来ず衰退の一途を辿り始めた。
時を同じくして2人の青年が生まれた。彼らは地球が呼び出した、上位存在へのムキム切り札。ショタの怨念と残留思念によって生を受けた彼らは生物の範疇を超えた力を駆使し、上位存在をボコボコに滅ぼさんとする。
これはショタを救い出すために誕生した2人の戦士の愛と破壊の物語。
「いらっしゃいませ!拷問施設ショタフルボッコ園へ!何かお困りですか」
「「す、す、す、すいません、道に迷ってしまって…ショタ収容檻に行きたいのですが…」」
壁から床まで一面大理石の豪華なエントランスで愛想良くハキハキ話すねーちゃんが客に応対している。相手は体格のいい男とスタイルのいい乙女のカップル。どうやら道に迷っているようだ。2人とも困りすぎてメチャクチャ吃っている。相当焦っているのか男の方はクソでかい図体を挙動不審気味に震わせていた。
「見学の方ですね。ふふふっ、慌てなくてもショタたちは逃げませんから安心してください。」
「そ、そうですよねっ。天下の拷問施設ショタフルボッコですものっ」
「そうです!地下深くにショタ達を拘束、徹底的に劣等遺伝子であることを教え込み、逃げ出す気さえ起こせないようにしてますから!」
男の眉間に皺が出来た。一瞬だった。
ここは拷問施設ショタフルボッコ。全国から集めた罪を犯した少年に対し肉体的なものから性的なものまで、ありとあらゆる拷問を行い、鑑賞する娯楽施設だ。決して更生施設ではない。
今日はショタ調教パーティーがあり、参加者が実際にショタをなぶって拷問することが可能なのだ。
「収容檻はお客様から見て左手にありますエレベーターに乗って地下8階まで降りてもらっ…」
「死ねクソボケがッ!!」
「「「!!???!!?」」」
突如男が腕を横に振り払うと説明中の女の首が切断された。周りにいた客や従業員は突然の出来事に驚愕し言葉を失った。
「貴様らも殺してやるよッ!!」
「「「ひいいいいいいいいっ!!」」」
そう言いながら男は正拳突きを連打すると、不思議なことに射線上にいた人間は打撃を浴びたわけでもないのに体に強い衝撃を受け吹き飛ばされていった。その現象はフロアの隅々まで及び、最終的に大男は同伴の女以外を皆殺しにした。フロアは死者の血で赤黒く色づいてしまい、ついさっきまでリゾートホテル顔負けだったエントランスが見る影も無くなっていた。しかし、大理石の中のアンモナイトだけは血潮を浴び続けても貝殻の形が消えることはなかった。
「“豚箱”は頼んだぞ、プロポーションレディ。」
「マッスル、無理しないでね。あなたでも力は無尽蔵じゃないんだから…」
「それでもショタを苦しめる奴らを許せねぇんだ!そのためなら俺は何だって出来るッ!」
「そう言うと思った…ピンチだったら遠慮せず呼んでね。」
その男はムキムキだった。2mを超える背丈に鎧のような胸筋、背筋、腹筋、肩に加えて地面に転がってる死体のウェストより太い腕。ダチョウのように力強くしなやかな足。その肉体の上には脂肪の装甲を覆い、血管が浮き出ていた!
先程の虐殺の主催者は誰だッ!誰が大理石を血の色に染めたッ!そうだコイツだッ!!
戦闘生命、マッスル田中ッッ!!!
マッスル田中、そして相棒のプロポーションレディは悲惨な死に方をしたショタたちの憎しみや無念から生を受けた。彼らはショタを救うことが本能でありそのためにはどんな手段も選ばない。特にこのマッスル田中という男はショタを苦しめるもの達を排除するためには残酷な事も平気で行う。彼は文明を滅ぼすことすら辞さないと豪語し、ついさっきもショタ拷問施設をたらふく破壊したばかりであった。
エントランスを屍のマットレスに変えた男、マッスルとプロポーションレディは宣誓すると、互いに体を光に変え、地下に向かって消えていった。
あれからどれ程の月日が流れただろう。
タカシ少年は特に傷ついた背中が地面に触れぬようにうつ伏せになって、窓も電気の明かりもない収容檻“豚箱”で思いに沈んだ。
「上位存在」が現れてから国中から少年たちが居なくなった。奴らはショタ達に難癖を付けて犯罪者に仕立てあげ拉致していくのだ。ショタやその家族たちが抵抗しよう物なら武力を持って鎮圧する。斯く言うタカシ少年も家の庭でダンスの練習をしていたのを見つかり、「面白そうだから」という理由で捕まってしまった。
ショタ拷問会に捕まってからタカシ少年の日常は一変した。彼の一日は自分と同じ収容されたショタたちの悲鳴から始まる。
「うわああああああん!!」
「オラッ、もっと泣くですよ!!」
朝の拷問はセキュリティチームの軍曹、彗星関が行う。彼は200kgもある大男で体重を活かしムチを超パワーで振り抜く。多くのショタはその一振で気絶してしまうが他のショタ達の泣き叫ぶ声ですぐに意識が戻ってしまう。
昼は施設に来た拷問愛好家達の接待だ。彼らは思い思いにショタ達を痛ぶり美術品のように仕立て上げる。
「大丈夫だよ。怖がらないでね。」
「助けておじさん痛ぶらないで。」
優しいそうな紳士風の老人が1人のショタに優しく声をかける。その風貌に助けを求めるが…
「クソチビが生意気言いおって!!」
「ああおあああ!!!」
紳士の態度は豹変しショタを引き裂き始めた。ボロボロになったショタの体は砕け散った。
「ほほほ、肉の盆栽じゃ。こりゃ傑作じゃな。」
「そんな、死んでる…人が死んでしまった…」
タカシ少年は恐怖で痛みを忘れてしまった。
「てめえら、ふざけんじゃねぇぞ!死人が出てるじゃねえか!!」
この事態に怒れるショタが声を荒らげた。マサシ少年は反骨精神故か全身をボコボコに殴られながらも仲間の死に抗議した。無論それは奴らの琴線に触れた。
「あんた立場が分かってないようね…お前たち“教育”の準備をなさい。」
「「「了解ッ!!」」」
この施設のボス、拷問所長は部下の拷問看護師長達を使いマサシ少年を拘束具が大量についた手術台に縛り付けると拷問警備員や拷問看護師たちが取り囲んだ。
「やめろ、離せ!離せ!」
「はわわ、今から甘々に“しつけ”ちゃいますねぇ!」
“愛情注入棒”で殴る蹴るの暴行による制裁が始まった。皮が剥がれ肉が見えても暴行は止まない。
「や、やめて…」
「僕はゴミでカスの劣等遺伝子ですと言いなさい。」
「僕は…ゴミでカ…スの劣等遺伝…」
「さっさと言えごらあああああ!!」
「あああ、うわああああああーん!」
彼らの拷問は数十分にもわたりマサシ少年は息も絶え絶えで泣くことすらままならなくなった。
「コイツは特別房にぶち込んでおけ。明日は究極のご褒美“去勢コンテスト”を行って貰う。明日出張なのが勿体ないわ。」
「ショタとしての尊厳を奪う究極の甘々だ!今回はこの私が音頭を取る。貴様らもこうなりたくなければ我々には逆らわん事だな。」
そう言って所長たちはマサシ少年とともに“豚箱”を後にした。
朝から晩まで拷問の日々。タカシ少年は床に頭を垂れながら早く死にたいと望み始めた。肉体を破壊された子や反抗して制裁を受けたマサシの様に苦しんで死ぬくらいならここで眠るように死にたいと思っていた。
ふと顔に火照るような感覚を感じた。タカシ少年は頭を上げると月の光が入って来たのか、床や天井がぼんやり反射していた。密閉空間で闇に閉ざされたはずの部屋で。不思議に思い更に体を起こすと光源の正体を見た。
人間だ。怪我で視界がぼやけていても分かる程の素晴らしいプロポーションの女性。部屋を照らした月はこの女なのだ。
「…誰?」
「もう大丈夫だよ。」
突如耳に通った優しい声。それと同時にタカシ少年を縛り付けていた拘束具は灰になり、全身の傷も消えていった。腫れた顔ではよく見えなかった声の主はそれまでの暗闇の中と相反するように瞳と温和な表情で少年に微笑む。
「待たせてごめんね。辛かったでしょ?」
「…お姉さんは痛いことしない?」
「しないさ。お姉さんは君達を助けに来たの。痛いのからも怖いのからも守るよ。」プロポーションレディは腕をタカシ少年に向けて大きく広げ「おいで!」と問いかける。その姿に少年は吸い寄せられ、涙を浮かべながらレディの胸に飛び込んだ。
「今まで苦しんだ分、これから苦しむはずだった分、沢山癒してあげる…よしよし」
「怖かった…よぉ…痛かっ…たよ……あ、あああ!!!ごめんなさい、情けなくてごめんなさい!!!抱きついてごめんなさい!!!だからぶだないでぇぇ!!」
「殴ったりしないよ。それに情けなくてもいいよ。もっと、もーっとお姉さんに甘えてよ。」
「う、う、う………うわああああああん!!!」
号泣するタカシ少年がレディの抱擁を抱き返すと彼の体にあった残りの傷が少しずつ消えていく。傷が完治した時レディの体を中心に光輪が出て少年を包み込み、施設をすり抜けて上空へ浮かんでいく。
「今から安全なところに避難するよ。君はそのままくっついていいからね。」
「…待って!僕以外にも捕まってる人がいるの!それに拷問されている人も!その人たちのことも助けてあげて!」
「君は優しいのね。周りを見てごらん。」
タカシ少年が周りを見渡すと自分と同じように光の輪に包まれて施設を脱出した少年達が何処かへ向かって飛んでいく。なんと彼らを先導しているのは皆プロポーションレディだった。
「お姉ちゃん分身出来んの!!」
「そうさ!お姉さんは増えるし空も飛べる!」
「なんだかワカメみたいだね。」
「バカにしないでよー!?それとワカメは飛べないから私の勝ちだよ!」
「海藻と張り合わないでよっ!ギャハハ!!」
ふふっと微笑み、軽口を交わせるようになった少年を見てレディは安堵した。もう怖い思いさせないからね。レディは少年を抱きしめ直すと、ぐんっとスピードを上げ施設から見えない彼方へと飛び去った。
「早く出ろよゴミ。」
いよいよ去勢コンテストの時がやってきた。マサシ少年は文字通り“愛情注入棒”で叩き起され、乱暴に檻から引きずり出されると首輪をつけられる。引率の警備員達に四つん這いで歩かされるとたどり着いた場所は手術室だった。
「早くその椅子の上に座れよ、カス。」
少年は椅子に手をかけようとするが拷問警備員達が体を殴るためなかなか座れない。手こずっていると「おせーよ、ノロマ」とさらに叩く。その様子に看護師たちはクスクス笑い始めた。四苦八苦しながらやっとの思いで椅子に座ると警備員達に押さえつけられ、手足に拘束具はめられた。抵抗したが大人の男たち数人の力の前に為す術なく手足の自由を奪われた。完全に拘束を終えた後、看護師たちの中でも地位の高そうな女が警備員を引き下がらせ、看護師に薬品や注射を用意させた。その様子を見て気絶しそうになるも叩き起された。
「看護師長様、劣等遺伝子破壊の準備が完了致しました。」
「ご苦労様。もしもーしショタ君起きてますか?今からショタくんのおチンチンナイナイしちゃいまーす。」
「いやだ、嫌だよー!助けてよおおおおおお!!」
マサシ少年も去勢を知らされた時から死んでもいいと思っていたが、いざその時が来ると恐怖でたまらなくなり大声で暴れた。しかし拘束されているため抵抗は無駄だった。
「そんなに可愛い声ださないでよ〜。これから言うこと聞いたらもっと喜んじゃうと思うわよ。なんと、なんとね!ショタくんのおチンチンはこの硫酸で溶かしてないないさせちゃいマース。」
「うわああああああああああ!!!」
台上に置かれたビーカー内の液体から発せられる独特の匂いは硫酸のそれそのものだった。それを見たマサシは失禁してしまった。
「汚ねぇな。やっぱ去勢した方がいいわ。ちなみにショタくんには止血バンドをつけて、輸血もするのでショック死なんか出来ません〜♪仮に失神してもお注射で嫌でも起きてもらいます〜♪」
「そりゃ傑作ですうぅぅぅぅ!!」
「きゃはははははははは!!」
マサシはその運命を呪った。どう足掻いても地獄のような苦痛を感じ続けるしかないのだ。彼の脳裏には早く死にたい、どうか殺して欲しいという希死念慮で満たされた。その様子を見て看護師や警備員達もゲラゲラと笑い出す。
「じゃあ早速拷問執行官ちゃん、去勢お願いね。あ、汚ったないからトングで使ってよね。」
「御意。」
去勢執行官がマサシ少年の生殖器にトングをかけたその時だった!突如少年の頭上に熱を帯びた真っ赤な光が現れた!その光は人体のシルエットに変化するとついには人間の姿が生成されたでは無いか!
「まぶしっ、な、なんだおぉ!」
(なんでもいいから早く殺して…)
顕現したマッスルはマサシに薬物を注入しようとしていた看護師を地響きを上げながら踏み潰した!ぺったんこになった薬物担当看護師は腕と脚だけを残して即死した。
「そ、そんな!轢かれたカエルのポーズにされてしまったっ!」
「何者だっ、てめえっ!」
「目を伏せてろ、少年ッ!」
マッスルはマサシ少年の拘束具を手刀で破壊するとデカいタキシードを少年に被せ、取り囲んでいた看護師たちの腹部をボディフックの要領で引きちぎった。その有様に震え上がった去勢執行官は持っていた硫酸を投げつけるも、それをキャッチしたマッスルに硫酸を投げ返された挙句、看護師の屍から取り出された腸で首を締め付けられ、引きずり回されながら膝蹴りを打たれ絶命した。
「貴様らの方が劣等遺伝じゃねえか!?美味しく頂かれた魚みてぇにくたばりやがって!!」
「ぐぬぬぬぬっ!!」
(このムキムキ超強ええ…)
途切れかけたいた意識はたちまち戻り、マサシ少年は黒いタキシードに包まりながらハッキリと現状を視覚していた。ついさっきまで自分を迫害した絶望の象徴達の命がマッスルの掌に転ばされていく。その様は足元に散乱した薬物以上の効力を発揮し、彼を覚醒させた。それほどまでにマッスルの戦いは少年の悲観的な感情を消し飛ばし、あるべき生への執着を奮い立たせた。絶望の漆黒で見えた光は余りに眩しく鮮明で暖かかった。
「お前は生きたいか?」
「…う、う…ん」
「だったら生きろ!地獄から這い上がって生き延びるんだ!」
「はいッ!!」
マッスルの手を取ったマサシ少年は眩い閃光を纏い壁をすり抜けながら施設から消え去った。その光が残した軌跡は太くパワフルだった。
「おい!肉団子野郎!ショタを何処に誘拐しやがった!」
「はわわわっ、なんて残酷な奴だ!我が同胞を殺した対価は大きいぞ!」
「ぶち殺すですぅぅううう!!」
拷問看護師達が言いたい放題してるうちにマッスルは辺りを見渡した。非戦闘員の看護師たちを守るように拷問警備員達が包囲しマッスルに機関銃を向けている。
「蜂の巣にしてやる。」
マッスルはおもむろに空に向かって貫手を連打した。
シャドーボクシング?否、マッスルの動作の完了と同時に彼を取り囲んでいた拷問セキュリティたちが倒れだした。皆そろって顔を真っ赤になって痙攣し「おえー」と小さく唸って動かなくなった。
「なに…なにが起こっているの?」
拷問看護師長が恐る恐る倒れているセキュリティの身体を見た。首の辺りが真っ赤に染っている。皮膚が爛れているのか?
違う、床の色だ!血に染った床が喉があるはずの場所から見えている。セキュリティの首には咽頭部を中心に大きな孔がぽっかりと空いているのだ!!
「拷問看護師長様ァァァ!!私見たですゥゥゥゥゥゥ!!奴が手刀を打つたびに闘気が警備員たちの首めがけて吸い込まれていったですぅぅぅぅ!!!」
生き残った拷問警備員の1人が自分の目の前で起こった惨劇を叫ぶように報告した。
「ムキムキ流
マッスルは淡々と説明しながら半身からへそを斜めに向け足を肩幅くらいに広げて構え直す。その瞬間、拷問看護師長たちは本能的にかつ懐古的に“ヤバい”と体感した。
自分たちを恐怖に貶める本質はなんだ…?マッスルのスタンスは肩幅より少し広めで姿勢は高め…ガードは下げ気味で顎の辺りを拳が隠している!?
バンチだ!!!パンチの連打が飛当身と共にやってくるのだ!!あの構えはハードパンチャーのムエタイ選手の構えだ!!マッスルの拳が先程の手刀みたいな速さで自分たちに降り注ぐのだ!!ラッシュのバルカン砲だ!!
「や、野郎ども粉微塵になりたくなかったらさっさと奴を撃ち殺せ!!」
拷問看護師長に命令された警備員たちはマッスルに対しマシンガンを撃ちまくる。
「てめぇのパンチと私たちの“ハジキ”どっちが早いか勝負ですぅぅぅぅ!!」
しかしマッスルは目にも止まらぬ速さのステップとスウェーで全弾を回避すると空かさず拳を突き出した。
「避けるなですぅぅッッッッ!!…ぐわっ!!」
「「「ぎぃやあああああああっ!!」」」
カウンターで繰り出された飛当身は警備員の顔面を貫くとマッスルは更に連打を繰り返す。フックやアッパーのコンビネーションで絶え間なく打撃を続け、ばったばったと警備員たちは倒れていく。
「実体を持った攻撃ならガードしてやる!!」
銃を盾にして防御を試みる者もいたが…
「ならば銃ごと貴様を破壊してくれるわッッ!!」
「ぎぃやあああああ!!」
飛当身の連打が銃に直撃し弾倉の銃弾が誘爆。爆風で吹き飛ばされてしまった。
こうしてマッスルがちぎっては投げるならぬ殴っては殴るを繰り返し拷問警備員たちは全滅した。
「「「は、はわわっ」」」
自分たちを守る警備員たちが居なくなり拷問看護師たちは震えていた。次に殺されるのは間違いない。何とかして生き残らなくては…
「お前らっ日和ってんじゃねえぞ!!それでも拷問看護師かっ!!」
「「「ピギィ」」」
拷問看護師長が看護婦たちを物理的にも比喩的にも尻を叩く。しかし、それは拷問看護師たちの逆鱗に触れた。
「てめえらやめろ!おいやめろ!や、やめて…許して、お願いします…」
「「「うるせえ、ぶちのめすぞ!いや、ぶちのめすッ!!」」」
拷問看護師たちは拷問看護師長を縛り上げると黙々と袋叩きにしはじめた。すると拷問看護師たちは一通りボコボコになった拷問看護師長を担ぎ、マッスルの前に突き出した。
「お前たち…なんのつもりだ…」
「「「どうかこれで許して下さい!」」」
拷問看護師たちは看護師長に責任を全て負わせ生き残る作戦に出た!
「わ、私たちはずっとこいつにめ、命令されてショタ君たちを甘々にお仕置きしてただけなの!」
「そもそも私たちのするお仕置きはか、快楽漬けにする甘々な感じだから殺される程の事じゃなくない!?」
「そ、そうそう!ショタくんを気持ち良すぎちゃう〜てふうにして甘々〜にするヤツだから根本的に悪いことじゃなくない!?」
「や、やべて…」
看護婦たちは床に倒れた看護師長を蹴飛ばしながら命乞いを始める。他人に罪を擦り付けるだけでなく、自分の行いを正当化し始めた。
しかしそれがマッスルを余計に激昂させた。
「ショタに精神的苦痛や肉体的苦痛与えてる時点で許されるわけねえだろ!!!」
「「「ボッッッ」」」
マッスルは横に薙ぐように肘打ちをするとマッスルに縋り付くように囲んでいた看護師たちの頭は刃物で切られた水風船の如くスライスされ脳みそをぶち撒け、崩れるように倒れていった。
「そもそも甘々ってなんだよッ!!!」
「「「ひいいいいい」」」
仲間の脳みそを浴びながら生き残ったものたちは出口に向かって駆け出した。
「甘々に対してどんな解釈してやがるんだッッ!!」
「「ぴゃああああ」」
マッスルが天に向かって垂直に肘打つと地面から衝撃波が発生し、直線上にいた看護師をまとめて切り裂いた。切り身のように真二つになった胴体は地面に転がり、それに逃げ遅れた看護師がつまずいた。すかさずマッスルはソニックブームを纏う程すさまじい速さで突撃し、その勢いのままにサッカーボールキックを看護師にくらわせ消し飛ばした。
「てめぇらが人を苦しめて、勝手に気持ちよがってる事を言ってるだけじゃねぇかっ!!!」
「「「ぐわああああああああああ!!!」」」
マッスルは飛当身の連撃を繰り出す。竜巻のような回転でアッパー、フック、掌底、頭突き、肘打ちを繰り出す。がむしゃらに殴っているように見えるが飛当身は正確に敵の急所にヒットし一撃で看護師を絶命させている。嵐のような暴力の応酬から次第に看護師たちは数を減らしていった。
「もっと具体的に何をしたか言えッ!!!」
「「ダメだああああああああ!!」」
落ちている銃で警備員のように射撃を試みた者、壊れた機材や建材を盾にし防御しようとした者もいたが警備員のように訓練されている訳でも無く、抵抗出来ずに敗北した。
「「「すぅぅ……」」」
「あいつらは死んだみてえだな…奴らに殴られて辛かろう、貴様も今楽にしてやる。」
「ぐわぁ!!!」
膝蹴りが突っ伏した看護師長の後頭部に伸し掛る。
胴体から解き放たれ、血反吐の中を転がっていく拷問看護師長の首は、三途の川を漕いでいく渡し船の有様である。
看護師長も絶命しついに拷問部は全滅した。マッスルは敵の遺体に手を合わせて冥福を祈る。どんなクソ野郎でも大変な苦痛を感じながら死ぬのは気の毒だ。死後は安らかに眠って欲しいとの想いからマッスルは黙祷する。
その時だった!マッスルは無防備な背後へと何者かが攻撃を仕掛けることを感じ取った。
「フンッ」
敵の凶弾を超反応のスウェーで躱すとすかさずカウンター飛当身を放った。
「痛いじゃないの…やっぱり躱されちゃったか。」
「誰だお前はっ!!」
屍の中から現れるのもの2人。彼女らは瓦礫や死体に隠れてマッスルの戦いを監視していたのだ!
「おにーさん、ずいぶん派手にやってくれたじゃないの。」
「でも私たちに勝てるかしら。」
190cm近い背にトゲトゲしいボンテージをまとった女二人組がマッスルを行く手を阻む。腹部には手足と口を拘束された少年が涙を浮かべながらこちらを見ている。
「さっき見てたんでけど~おにーさんの攻撃って見えないし遠くにいても当たっちゃうんだね〜、困ったな〜」
「だからこの子達に盾になってもらうの~いい考えだと思わない?」
女達の愚案に少年たちは震えあがり塞がれた口から泣き声を漏らし始めた。
「カマドウマがっ駆除してくれる。」
長い手足に真っ黒な服の2人組を指さしながら踏み潰すジェスチャー。煽るマッスルに怒る女達は1人は彼の正面で、もう1人は彼の背後で構えた。
「
「
なんとリリとルナはマッスルに攻撃を仕掛けるのでなく腹部の人質のショタに殴りかかった!
「なにをッ!」
マッスルは亀の体勢になるとショタたちの周りに赤い闘気の膜が張られた。
「これじゃショタくん殴れないわね、ルナ」
「恐らく亀の構えをとる事で赤いバリアを出してショタくんを守ってるのね、リリ姉さん」
「「それならば!!」」
リリルナ姉妹は姿勢を変えられないマッスルを蹴り始めた。しかしショタくんへの攻撃も緩めない。リリとルナが交互にショタとマッスルを攻撃しているためショタへの攻撃が緩むことがないのだ。リリとルナは「拈華」の2つ名の通り心が通いあっていてタイミングがズレることはない。故にマッスルは亀を取り続けるしかなかった。
「ほらほら〜、いつまでそうしていられるかしら」
「早く反撃しないと貴方が先に死ぬわよ、それそれ」
ルナのけりがマッスルの頭部に集中し始めた。
流石のマッスルもこれには参ったのか亀の姿勢が崩れ始めた。
「あは〜、そろそろ限界ね よっわ、ざっこ」
「でも、あんたみたいな弱弱肉ダルマ簡単に死なせてあげないから感謝しなさいよね」
猛撃のすえマッスルは完全に亀の体勢が崩れてしまった。リリルナ姉妹はすかさず縄で動けないマッスルを縛り上げた。
「気持ちよすぎて泣いちゃうかもだけど〜喚いたら殺すから」
「じゃあ早速、あなたの尊厳潰しちゃうね〜」
リリとルナはマッスルを金的、マッスルの何かが破裂した
「「ぎゃああああああああああああああ」」
痛々しい悲鳴がこだまする。しかしその悲鳴はリリルナから発せられたものだった。
リリとルナが金的しようとマッスルに足を振りかぶる直前、マッスルの体が突如大爆発を起こしたのだ。爆発によってリリとルナは全身に強いダメージを負い、衝撃で吹き飛ばされ胴体が天井にめり込み宙ぶらりんになっていた。リリルナの腰から上が天井裏にすっぽりとハマっていると傷一つ付けていないマッスル田中が頭の真上から語りかけてきた。
「ムキムキ流
「このカス野郎っ!!こんなことをしてショタたちがどうなっていると……いない!ショタ達がいない!??」
「骸さえ腹にぶら下がっていない!?何をしたマッスル田中!!??」
目視出来ないため、手探りで腹部のショタを探すもショタの感触が気配がまるで感じられない。衝撃で吹きどばされたのだろうか?
しかしその考えはマッスルの曇りなき精強な表情で否定された!
「ムキムキ流最終奥義“人体創造”俺はショタ達を一度消滅させ、作り直したッッ!!!」
「「そ、そんな…そんな馬鹿な話があるかっ!!?」」
ムキムキ流、それは肉体と闘気を操る技。故に人を創り出し消滅させることすら可能なのだ。マッスルはショタを一度闘気に変え外部の安全な場所まで誘導し、再び闘気から人体を作り直したのだ。
リリとルナは能力故に同時に察した。我々姉妹では、この拷問施設の者では、今の生物ではマッスルには勝てないと…この世界からショタは確実に救われると…
「貴様らはお互いの心がなまじ解るせいで、敵の考えまで全て読めると思ってしまったんだ!!そう…ショタの心もッ!貴様らが苦しめてきたショタたちの苦しみ……とくと味わえッッ!!」
「「ぐぎぎぎっっ!!」」
マッスルは天井にぶら下がったリリとルナを引きずり下ろすと凄まじい速さで回転し、その遠心力で加速しながら思い切り床に向かって投げ飛ばした!吹き飛んでいったリリルナ姉妹は床を破壊し、部屋をぶち壊しながら地下へと消えていく!そこへマッスルは追い打ちで爆弾身を投げ込むと微かな爆音と悲鳴が耳に走ったのだ。
「なんだこれはどうなっているのだ?」
シャルターに避難した人々はパニックを起こしていた。拷問パーティ当日に“メインディッシュ”のショタたちが全員行方不明になり電波障害で施設の電気系統が使えなくなって状況を把握出来なくなってしまったのだ。
オマケにこれはなんだ?施設最強の用心棒のリリルナ姉妹が天井を突き破って落ちてきたではないか!
彼女達が落ちた場所にはクレーターが出来て、何人もの人が巻き込まれてバラバラになっていた。
「早くここから出してくれ!ショタなんてどうでもいい!俺は死にたくないっ!」
「落ち着いてください。ここは天下の拷問施設ですよ。万一でもショタによる暴動で我々が命を落とすはずございません。だってショタですから。」
こんなことを言いながらも職員たちは内心不安であった。ショタが反乱を起こしたのだろうか?仮に起こしたとしてもか我々を倒せるはずがない。なぜならショタは常に攻めであってはいけないし、そうであるようショタに“教育”してきた。では誰がリリルナ姉妹を殺したのだ?外部からか?ありえない、ショタを苦しめることを拒絶する者なんて。なぜならショタが苦しむことこそ我々にとってもショタにとっても幸せなことなのだから。
「ここか、害虫共の隠れ家は…」
リリルナが開けたシェルターの破損部から誰かがゆっくりと降りてきた 。その目は獲物を吟味する猛禽類のような鋭さを湛えていた。
湧き続ける思考がラストスパートに突入する。彼は誰だろう?リリルナを倒した敵?だとしたら彼は我々はどうするのだろう?
まさか…
「「ひいいいい助けてくれえええええっっ!ワシには家族がいるんじゃああああ!」」
「お客様落ち着いてください!……てめぇらどきなさいよおおおおっ!逃げられないじゃないいいぃ!」
恐怖に駆られた客人達は逃げるべく非常口に駆け込む。しかしシェルター内には1000人以上もの人がいたため2箇所しかない非常口からすぐに出られる人はわずかだ。それゆえ人々は他の人を蹴散らしてでも脱出しようと、押し潰し合いながら非常口に殺到する。職員たちも避難誘導を放棄し逃げようと客を掻き分けていた。
「そうやって苦痛から、死から逃れようとしたショタ達に貴様らは何をしてきたッ!苦しいのは嫌だ、死ぬのは嫌だと泣き叫ぶショタ達に何をしたッ!」
マッスル田中は突如全身が真紅に輝き出す。湧き上がる怒りと悲しみがマッスルの体を闘気そのものに変えたのだ!!
その闘気は輝きを増し巨大化。シェルターを包み込んでいく。
「お前たちを滅ぼす!!!!」
闘気の光は膨大なエネルギーを解き放ち爆発した。その光は空を真っ赤に染め直し、衝撃波は研究所を構造物が何も無い更地に変え、爆炎は巨大な柱になって天高く昇っていった。
出張を終え装甲車で拷問施設に帰還中の拷問所長はその惨状に五感を疑った。
「ぎぃやあああああああああああああああああっ」
拷問研究所が爆発し、緊急無線から聞きなれぬ悲鳴が響き渡った。施設の外からでも聞こえるのだから、相当な人数が出した声だろう。それはショタたちが“ご褒美”で上げる声ではない。何千人もの成人の悲鳴が一纏めに集まって出来たような壮絶なものだ。普段から拷問を楽しんでいるからこそ解る。仲間が壮絶な最期を迎えたことを。不穏な事態に所長は状況把握と施設の防衛のため戦闘部隊に救援を要請しようとした。しかし…
「だ、ダメだっ!どの部隊とも無線が繋がらん!!!ええい、どうなっているのだ!!!」
連絡が取れないことに焦りと苛立ちを隠せない所長にその場にいた秘書拷問官たちも動揺を隠せなかった。
その時だった!装甲車内の景色が赤く染った。一瞬意識が途切れたと思うと目の前には雲ひとつないまっさらな青空があり、所長と拷問官達を陽の光ががさんさんと照らしていた。車ごと体を真っ二つにされ満身創痍の所長と内臓までぶちまけて体の原型を留めていない拷問官達の亡骸を。
装甲車が攻撃を受け大破したのだ。
「なんなの…これは…」
「死ねないよな、このくらいじゃ」
奇跡的に一命を取り留めた所長は声のする方へ身をよじって顔を向ける。そこには全身血まみれで光を放つ大男マッスル田中が、汝の命を奪わんと迫っていた。マッスルの風体ははいかにも自分が皆殺しにしたと見せつけるかのようだった。
「まって…フーフーお願…い…最後に1つ…だけ教えて…あなたは…なんなの。な…んでこんなこと…するの」
己が行いに罪の意識のない所長の言葉に呆れながらマッスルは問う。
「お前は神を信じるか?」
「あな…たがか…みだとでもいう…の」
所長の途切れ途切れの問いに冷然たる態度で、内に秘めた怒りを込めながらマッスルは答えた。
「少年を苦しめ、傷つけ、そのことを甘やかしだとか宣って己の快楽として楽しむ奴が神なら…俺は神だって殺してやる」
絶念が脳裏に渦巻く所長が最後に見たのは己の命を滅ぼさんとする凶拳とそれを握る憎しみと怒りに燃えた戦士だった。まるで今まで苦しめられ殺されてきたショタ達の魂を纏うかのような一撃に、所長の全身は砕け散り血の海を広げながら絶命した。
死者への祈りを終えたマッスル田中とプロポーションレディーは拷問所長らに拉致されたショタや殺されたショタたちを復活させ、それぞれの家族の元へ送り届けたのだ。
「やったね、マッスル…」
「ふふっ、そうだな…」
少年たちやその家族たちは抱きしめあったり泣き出したりして安堵の表情を浮かべている。彼らの姿を見てマッスルとレディーも顔を綻ばせる。その顔は少しずつ消えかかっていた。もう彼らと喜びを分かち合う時間は残されていないのだ。
ショタ達の残留思念によって生み出されたマッスルたちは怨念によって肉体が生成されている。今回のマッスルたちの活躍でショタ達を全員生き残らせたために怨念が無くなり、マッスルたちは存在することが出来なくなってしまったのだ。そんなマッスルにタカシ少年が声をかける。
「お兄ちゃん達消えてしまうの…まだお礼だって出来てないのに…」
「俺はショタの悲しみそのもの…本当はいない方がいいのだ。でも、君たちに耐えられないことがあったなら俺達が必ず助けに来る。だからお前の存在を否定しないでくれ。お前の事を大切にしてくれ。」
マッスルとレディーはそう答えると大地を強く踏み込むと空に浮かんでいく。
「僕達はお兄ちゃん達がいてくれて感謝してる。だからお兄ちゃん達も自分の存在を否定しないで…!」
体がほとんど煙のように希薄にながらも、その言葉にマッスルとレディは振り返る。
「ありがとう、お兄ちゃん……いやマッスルッッ!!!」
ショタ達の声に答えるかの如く笑顔でフロントダブルバイセップスのポーズをキメると、マッスルとレディーは青空の中に溶けていった。
この国にはまだまだ上位存在達が闊歩し、ショタへの迫害を続けるだろう。しかしショタが苦しんでいる限りマッスルは何度でも現れ絶望を滅ぼす!!マッスル田中とプロポーションレディはショタを救うため永遠に戦い続ける!!
私の小説を読んでいただき誠にありがとうございました。小説を書くのは始めてでしたので少々拙かったり、やかましい文章だったかも知れません。
これからも精進するつもりです。なにとぞご容赦ください。
最後にこの小説を書くきっかけなのですが創作物(特に成人向けの作品)でショタキャラの子が酷い目に合うシーンがすごく可哀想に思えたので、「彼らを助けてあげたいな」「守ってあげたいな」という気持ちで描きました。
私以外にも「ショタ君を助けたい」「ショタ君に幸せになって欲しい」「戦いてえ」と考えてる方々がこの小説を見てスッキリしたり、ほっこりして頂けたら嬉しいです。