青春とは、自己が確立される時期である。
自分がどういう人間なのか、他の人間とはどう異なるのかを考え、その先で今後ありたい自分に近づく方法を模索する...このように説明される論理は一見それっぽく見えるが、しかし次のような視点を与えられるとまだまだ考える余地があると思わされる。
猫は、犬と共に育てられると犬らしくなることがある。それがその猫本来の気質なのか、環境によって犬らしくなったのかというのは、誰にもわからない。
つまり、それが本来のものか環境故のものであるかは区別がつかないのだ。
そこでどちらを選ぶのか、というのはもはや信じるか信じないかの問題で、小難しい人間には選べないものだ。
故に俺という人間には、自分が本来どんな人間であったか、他人と自分はどのように異なるのかということに関して考えはすれども、興味が湧き上がってこないのだろう。
結論を言おう。
俺がこんな風になったのは、俺のせいではない。異論は認める。
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「いったい何回書き直せば気が済むんだ、比企谷」
平塚先生は後ろから俺に体を近づけると、そう囁いた。
こそばゆさに体を後ろにズラすと、両肩に風呂上りでさらさらとした彼女の髪の毛が肩に当たり、背中には豊満で柔らかな胸のに、ポツリとした乳頭が触れる。
先生はそんなことは何でもないかのように作文の内容をチェックし、大きくため息をついた。
「よくもまぁ論理もクソもない作文を二つも書き上げれるものだ。
今こうしていることに罪悪感でも感じてるのか?」
先生は俺の正面に回り込み俺の右手を取ると、それを先生の陰部になすりつけた。
行為をし終えて間も無くなせいか淫らな粘液はまだ乾ききらずに滑りを良くし、性感帯でもない手の感触に触発されるように俺の下半身には熱が籠もっていった。
壊れかけてきた理性の隙間から溢れ出てきた感情が望むままに先生に口づけをし、背中を抱いてゆっくり押し倒す。
肉棒を膣口に充てがって擦り付けると、先に上半身を先生の体に密着させてから舌を絡ませた。
自分から誘ったくせに、押し倒すことは拒否しなかったくせに、先生は目を潤める。
俺の肉棒はさらに硬さを増し、亀頭の先端がわずかに膣に入り込んだ。
こんな手順をわざわざ踏むのは、始めて彼女を犯した日のことを思い出させるためだった。
ようやく相手ができたと、俺を居酒屋に呼び出した先生。生徒と教師の間柄としては相応しくないが、俺がこんな性癖でなくともきっとその呼び出しには応じてただろう。
それほどに、俺はこの先生の格好良さが好きであった。
それは今も変わらない。
違いがあるとすれば、その日は珍しく彼女が酔い潰れたこと。
普段は別々に乗るところを、心配だからと押し切って同じタクシーに乗り込み肩を貸して彼女の部屋の中まで入ったこと。
少し落ち着いてきた先生にわざと酒を飲ませたこと。
それから...ほとんど意識がなかった彼女の服を脱がせ、全身を愛撫し回し、同じように押し倒して口の中もめちゃくちゃにしてから、一頻り犯し続けたことか。
「挿れるぞ、静」
そうと言うと、先生は顔を歪めてから俺に抱きつき、先生の方から俺を犯すようにキスをし、俺の口内を貪った。
わざとあの日と同じ言葉遣いをする。
その時は、今では婚約者となった俺の知らない男の名前を呼びながら抱きついて求めてきたのだったか。
行為をしてるのが婚約者ではないと気づいた時の先生のことも、ゴムをつけてないことに気づいた先生のことも、酩酊状態のせいで抗えず犯され続けた先生のことも、中に白濁を注ぎ込まれて泣いていた先生のことも俺は忘れていなかった。そして忘れさせなかった。
狂ってる、何もかも。
そう考えながらも、もはや呑まれるのに慣れた欲に従うがまま、先生のお尻を何度か揉んでから掴み、俺は腰を振り下ろした。
ゆっくりながらも奥へ奥へと、突いては抜いて、捻じ込ませる。
先生はその度に体を震わせ、そして求めるかのように足で俺の腰に抱きついた。
何度もしてきたせいか濡れ易くはなったが、キツさはむしろ増してきている。
突く向きをどうずらせばどう反応するかと言うのも、俺はもはやわかり切っていた。
「ん・・・んぅ・・・あぇ」
接吻したままのため唸るような声を彼女は漏らし、それが興奮を加速させる。
もはや、先生は涙を流していただなんて嘘かのように絡み合いを求めていた。
「どうした・・・比企谷」
しばらくして俺が腰の動きを止めて口を離すと、先生はそう尋ねてきた。
止めることを求めるのではなく、続けない訳を問う。
脳が焼けそうなほどの興奮に、俺は先生の太ももに手を掛け、勢いよくペニス を打ち付けた。
「あああああ!はぁ!んあ!・・・・えへ!んあああああ!・・・・比企谷!だめ!」
その嬌声は俺の脳を麻痺させ、俺は唾が垂れるのも無視して歯を噛みしめると、息を止めながらもより強く、激しく突き上げた。
先生も口を噛み締め、頭を手で抱え、力を発散する場所を探すかのように荒い呼吸をする。
理性を失った先にある、抗えない快楽。
発散しようとする行為は、さらに快楽を加速させていく。
2匹の理性を失った獣は、抜け出せないところへまで突き進んでいった。
「先生・・・もう・・・出ます」
「うえ!んぐ!・・・出せ!出してくれ!!・・・早く出して忘れさせてくれ!!!」
先生が両腕をこちらに伸ばしてくる。それに抱きつくと、先生は俺の肩に噛み付いた。
その痛みさえも原動力にし、俺はさらに腰を打ち付けて行った。
「出す!・・・出る !」
「イく・・・イく!!・・・あああああああああ!!!!!!!!」
そうして超えた限界と共に、俺は腰を思いっきり叩きつける。
その瞬間、尿道を通り精液が吐き出ていくのを感じた。
本能に従い、確実に子宮に精液を送り込むように俺は抱きしめる力を強め、先生も俺の腰に巻きつける足の力を強めていた。
吐精は途切れ途切れに何度も行われ、その度に腰が砕けるほどの快感に襲われた。
最後に精液が出てからも念入りに腰を押し付け、ペニスが硬さを失ったところでようやくそれを引き抜き、全身から力を抜いた。
先生もそれを見届けたかのように足を巻きつけるのを止めると、快感以外の何もかもが抜け落ちたかのような表情でこちらを眺めた。
「はぁ・・・はぁ・・・噛み付いて・・・しまって、すまないな」
「大丈夫です・・・気持ちよかったですから」
「ふふ・・・何を言ってるんだ君は」
先生が噛みついた場所を舐めると、先ほどよりも快感より痛みが勝っていた。
気持ちいいものは気持ちいいがそれでも我慢ができなかった俺は、先生が舐めるのを止めると、赤子が母性を求めるかのように彼女の胸の間に顔を埋めた。
先生は血が止まったのを見計らうと、両目を腕で覆うように隠しながら荒くなった息を整え始めた。
一度壊れてしまったものは治らない。
やり直したところで、根っこが同じであるから結果は変わらない。
だったらそれは、壊れたままが自然な状態なのではないのだろうか。
そんな言葉を思い浮かべている間に、徐々に肉棒が硬さを取り戻していった。
それと共に、全身から抜けていた力がどこからともなく戻ってきて体に力が籠る。
ああ、狂ってる。
そうして俺は、欲に抗うこともなく、再び彼女を壊し始めたのだった。