※この作品はR-18です。

ヘルマフロディーテの夜明け   作:黒須 一騎

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部飲尿の描写があります。耐性の無い方はご注意ください。

スタンバトン、スタンガンは、たとえ自宅内であっても使用した場合、過剰防衛となる危険性を持っています。

また、飛び道具を持った相手には無力なうえ、相手が武器を持っている場合、自分が被害を負う可能性も有ります。


美味しいおしっこ、不味いおしっこ

 

 

 

 

中等部1年次の新学期が始まって早々、偶然にもビッフェでフタナリが集合していた。

 

ここは軽食・喫茶部「ビッフェ・スカイコート」が正式名称。

その名の通り、軽食などはビッフェ形式で摂ることができる。

 

集ったのは、みるく、アーニャ、愛、美奈、ジェニファー、瑠奈の6人だ。

入口で偶然みるく、アーニャ、愛、美奈のグループと、ジェニファー、瑠奈のグループがばったり会ったためだ。

 

そして、空いていた6人掛けの丸テーブルで昼食を摂る。

スパゲティ、ミックスフライ、サンドイッチ、オムライス、カレーライス、サービスランチ。

全員見事にバラバラである。

みるくは食べれるだろうと取ったスパゲティの1/3を残し、フォークを置きジンジャーエールを飲んだ。

 

「どうしたのみるく、食が進まないみたいだけど」

「んー最近何故か味が美味しいって、感じないのよねぇ」

「そういや、そうだね。私も」とアーニャ。

「私は感じないな、お腹も空くし美味しいよ」と美奈。

 

「そうかなぁ、普通に美味しいけど。

 美食のし過ぎで、口が肥えたんじゃない?」と愛。

 

「でも、確かに言われてみればそんな気もするわ、最近味がぼやけてる」と瑠奈。

「そうかな、何食べたって美味しいよ? 日本は」とジェニファー。

 

”そりゃ、アメリカから来たらね”

とジェニファー以外の全員が心の中で突っ込む。

 

「なーんか原因がある様な気がするんだなぁ・・・女性とも男性とも違う理由って?」

ポツンとアーニャが言った。

 

「それよ!! 私たち亜鉛不足なのよ!」みるくは立ち上がった。

「なんかその話聞いた事が有るわ。たしか高齢者の病気よね」と美奈。

「ね、亜鉛ってどのくらい摂取する必要があるの?」と愛。

「必要量は一日に9mgね成人男性で」とみるく。

 

「ね、この中で亜鉛のサプリ摂ってる娘いる?」とみるくは聞いた。

「精液に良いって言うから飲んでるわ」と美奈は言う。

「うんうん。飲んでから増えたよわね。んぷぷぷっ」と愛。

「他は?」皆首を振る。

 

「判った、私達亜鉛不足だわ。射精による亜鉛不足よ」とみるくは言う。

「精液全部飲めば回収出来るって事?」とアーニャ。

 

”いや、そうじゃないアーニャ”

 

「えっ? そんなことあるの?」と瑠奈。

「ええ、通常一回の射精で1mgの亜鉛が失われるの。

でもこれはあくまで普通の男性のデータよ。

これは平均射精量の2ccとしての計算よ。

それ以前に、みんな自分の射精量って知ってる?」

「多いのは知ってる。

 ほら、研修で先生言ってたじゃない、平均30ccって確か」と愛。

「まあ、思春期だからそれより少ないとしても、私達毎日10mg以上の亜鉛失ってる計算になるわ。

 だから、亜鉛不足の症状出たのよ」

 

 

それからみるくは帰って早々に、母のソフィアに症状の可能性とその理由を相談した。

 

「亜鉛不足による味覚異常の可能性が有るわね。

 みるくの血液、迅速検査に廻しましょ。

 確かに両性に亜鉛欠乏は良く起こるの。

 まさか、それが精液だったなんて」

 

「臨床やってる医師でも、気が付かなっかったのかな」

「そうね、両性にとって射精は日常の行為だし、かかるのは内科医だしそこまで考えないかも。

 だとすると、警鐘が医学界に必要ね」

 

「ママ、慢性的な亜鉛欠乏症はどんな問題があるの?」

「味覚異常、それに伴う食欲不振、貧血、脱毛、口内炎、皮膚炎、免疫機能の低下、それに身長が伸びない」

「ちょ、碌な事無いんだけど。

 え、身長もなの? 不味いわ。それは不味いわ。せめて160は欲しいもの。

 医学者は何をしていたのかしら」

 

「両性の低身長って結構多いのよ。

 だから過去には成長ホルモンの投与療法も行われたけど、結果は捗々しくなくってね。

 だから亜鉛投与も一緒に行われるようになったのよ。

 でも、家庭の食嗜好や貧富に関係なく両性は亜鉛欠乏を起こしやすいの。

 その原因は今でも解っていなかったのよ。

 両性の子は、男性、女性に比べて平均身長が低いのも理由がわかったわ。

 今まで、性差特性と思われてたのが、射精由来による亜鉛不足だったなんて・・。

 成長ホルモンを見ても異常が無いし、真の原因が判らなかったのよ。

 対症療法的に亜鉛製剤投与していただけ。

 論文もそんな感じで、性差ととらえて居たり、両性の特異性質としている物ばかりだったわ」

 

「みるくお願いがあるの」

「うん、私で出来ることなら」

「出来るだけ多くの両性を集めて、出来るだけ興奮して射精して欲しいのよ。

 そして精液量のデータが欲しいの。もちろん血清亜鉛量の測定も行うわ。

 報酬は出せないけど、そうね、全員に亜鉛の錠剤二か月分でどうかしら」

 

「ええ・・集めるのは難しく無いけど、出来るだけ興奮するって言うのが・・・」

「じゃあ、1日禁欲して精液提出でも良いわ。

 あ、最大量の多い娘だけは実データ撮りたいから何人か多い娘集めて。

 最低半日は前戯して興奮して、コンドームに採取。提出して。

 それと他の娘はコンドームで提出。

 本当は血清亜鉛量との同時測定をしたいのだけどね」

 

「わかったわ、水木会で請け負うわ」

「ああ、みるくコンビニでも亜鉛のサプリ売ってるから、それでも買って飲んどきなさいね」

「はーい」

 

サプリを亜鉛30mg換算で飲んで、二日後には味覚が戻った。

もう亜鉛不足はほぼ確定だ。

 

 

私たちはまたあのメンバーで集まった。

「と言う事で、水木会が主導で調査することになったの。

 ま、タダって言えないから5000円のフェミーユの商品券付き。

 まあ、普通の下着なら2枚は買えるでしょ。

 でも、同時に採血したデータも必要なの、乱交開催するから協力してくれない?」

 

「ね、女の子は呼ぶの?」と愛。

「もちろんよ。でないと後でなんといわれるか・・」とみるく。

 

「ね、私と睦月も参加させてもらって良いんなら。

 睦月もあの研修が興奮したって言ってたから」とジェニファー。

「ええ、構わないわよ。いっぱい興奮して沢山出してくれるなら」とみるく。

 

結局両性の協力者は、両性が15人、女性の方が18人と、”女の方が多いのはなぜだっ!”と叫びたくなるみるくだった。

総勢33人、流石に今回は撮影できないので、カメラはオフリミットである。

 

中等部の研修室は大きいのが一つ、なんとか人数的にギリギリだ。

両性は入室時に番号が与えられ、飲んでいるサプリなど問診票が書かされ、採血された。

 

半日ほどAVを観たり、ペッティング、シックスナインなどで愛撫し合い、最後にもう我慢できなくなったところで性交、支給されたゼリーも潤滑剤も付いていないコンドームの中に射精し、しっかり口を閉じて番号が書かれた袋に入れ提出する。

 

みるくも、今年小等部2年になる茉凛ちゃんが協力してくれ、彼女のオマンコを舐めながら、綾香の膣に入れ、みるくの膣にアーニャが挿入し射精するという行為に及んだため、それを見ていたカップルやペアは一斉に性交を開始、部屋の中は嬌声の嵐だった。

みるくは激しいセックスと興奮でだるい体だが、しっかりとコンドームを扱き、精液を集め、口を縛った。

 

「ね、30ccくらい出てるんじゃない?」

「そかな・・そんなにあるかな・・」

皆参加した人も、女子も全員5000円の商品券を貰い、帰途に就く。

今回は瑠衣さんも協力してくれた。

 

そしてデータが集まった。

サプリやなどで亜鉛を摂取していた者は正常値だったが、中にはみるくの様に40µg/dL以下の者もいて、軒なべて亜鉛欠乏症の状態だ。

学生会はこの結果を重視し、学院内で学割特価でサプリが販売され、缶コーヒーより安い価格で120日分が在学生には購買、コンビニで買える様になった。

 

また、保護者に通知がはいり、精通前の10歳程度から亜鉛のサプリを使用、とくに性欲が激しく発現する15歳から18歳には男性の20倍以上の亜鉛が必要となる事が知らされた。

 

学院は学生会の勧告を受けて、サプリメーカーに1錠200mgの亜鉛を摂取できるサプリの開発依頼を行い。

精通が始まったら、毎日1~2錠を摂取するよう推奨した。

 

母のソフィアは小児科学会で発表した。

政府は僅か半年で、政府はこの問題を審議、亜鉛欠乏症の場合は、医療費がゼロ割負担で、投薬を貰えることになる。

 

みるくがソフィアからデータを見せて貰った所、射精量に驚いた。

第一位の瑠衣が62.5cc以上・・以上というのはコンドームから溢れ、結構ロスが有ったためだ。

つまり回収できたのが、62.5ccと言うことだ。

さすが、1日にサプリを10錠も飲まないと健康を維持できない訳だ。

 

いやいやいや、馬並みとは言わないけど、この量、ポニーぐらいあるよね。

 

みるくは第6位。

うん標準的だ。

あの目いっぱい興奮して36ccなんだから可愛い物よね。

まあ、あくまでこれは一回限りの量だから。

 

大抵のフタナリは、少し禁欲すると抜かずの2発とか3発はごく普通に行う。

だから、1回の射精量からだけでは、一連のセックスでどれだけ射精されたかなんてわからない。

量は少なめでも回復のインターバルが短かったり長かったり個人差が大きいのだ。

 

みるく達フタナリは、セックスやオナニーの度、多量の亜鉛を消費している事になる。

 

 

投薬が始まって半月後。

再びビッフェの昼食。

「んーっ! スパゲティがおいひい!」みるくは大口でほおばった。

「うん! 美味しい!!」

 

皆、美味しく昼食だ。

愛なんかオムライスの大盛りを頼んでいる。

おい、あんたは欠乏症じゃ無かったよね。

血清亜鉛量120超えてたよね。

 

皆の皿は綺麗に空だ。

飲み物をもう一度頼み、ゆったりとしていた。

ジェニファーを除いて。

 

ジェニファーはカキフライカレーダブル特盛。

二人分の大盛りカレーライスに、カキフライが8個のるという”何処のフードファイターだ”という量だ。

 

流石のジェニファーにも荷が重い。

普段はレズカップルや両性と女性のカップルが仲睦まじく一皿を食べるという皿の為、優に二人分ある。

彼女曰く、日本のカレーは至高だらしい。

 

仕方が無いので、隣の愛と美奈が手伝っている。

いくら両性がカキ好きが多いからと言って、カロリー摂取は無関係だからね。

 

「ところでさ、みるく」アーニャが抹茶ミルクを飲みながらみるくに尋ねた。

「なあに? ・・ずずっ」

 

「美少女のおしっこって、美味しいってほんと?」

「ぐっ・・ぐふっ・・ゲホッ! ちょ!

 何てこと言うのよ、ジンジャーエール飲んでるときに!」

 

「それにうんこも臭くないって」

「やめてよ! カレー食べてる時にその話は!! 」ジェニファーが怒った。

カレーの時にうんこの話は禁忌だ。

 

「なに、いきなりどうしたのよアーニャ」

「ほら昔、飲尿健康法って言うのがあったじゃない」

「ええ、でもあれは否定されてるわよ。医学的に根拠自体が」

「でね、どんな味なのかなって・・」

 

「まさか・・飲んだの?」

「いや、飲まないけどさ・・ちょっと口にしてみたんだよ」

「ま、まあ・・自分のなら、いいんじゃない?」

「それがね、味がなんというか・・エグイって言うか・・なんとも言えない味なんだよ」

 

「まあ、普通そうでしょうね。

 排泄物なんだし。普通は口にする物じゃないし」

「で、調べたみたんだ。

 男性にも女性にも一定数に、セックスした相手のおしっこが飲みたいって願望があることを。

 だからみるくに聞いてみたんだよ」

 

「なんで私なのかは、突っ込むと碌な答えじゃない気しかしないから聞かないわ。

 自分のを口にしてみたんでしょ? そんなもん似たり寄ったりの味だと思うけど」

 

「うーん、他の人の飲んだこと無いから、一度飲ませてくれないかな。

 みるくの、おしっこ」

「えー、まあいいけど・・きっと、美味しくないよ?」

 

”飲ませるのはいいんだ!!”

 

聞いていた全員が思ったが突っ込む者はいなかった。

 

「私も準備が有るから・・今度の土曜日の午後・・なら・・」

 

 

 

 

ーーーーーみるく 視点ーーーーー

 

そして、土曜日になった。

私はアンニュイな朝を迎えた。

とりあえず、始めるか。

飲ませるのなら、ダメージが少ない方が良い。

できるだけ飲める様な尿を作らなければならない。

と言う事で、起きてすぐトイレで排尿する。

で、事前にフルーツをどっさり買って来てある。

 

大量のバナナ、酸味が強過ぎる果物は避け、いちじく、パパイヤ、マンゴー。

甘い物だけでは飽きるのでアボガドも買う。

 

先ずは、血液中の老廃物や過多物質を低くする。

尿は血液のろ過物だ、血液中に老廃物や過多物質が多ければ、それが尿にでてくる。

 

ガンガン水を飲む。

昨日の夕べの食事の食材の老廃物や過多物質、生体利用ができない物質の一部は尿となって排泄される。

利尿しようとして、コーヒーや利尿剤は飲んではいけない。

尿が苦くなる原因となる。

ヒトの薬物代謝経路を知ってれば当たり前の話だ。

 

特に、酸性果物に含まれるクエン酸はすぐに飽和し尿に出てきて酸っぱくする。

だから酸っぱい物もダメ。イチゴなんかは甘くてもアスコルビン酸の量が多く不向きだ。

とくに、前日からキャベツ、カブ、カリフラワー、ブロッコリー、ニンニク、コーヒー、アスパラガス、魚は避けるべきで尿が臭くなる。

特にアスパラガスの尿の匂いは強烈だ。

みるくは前日からこれらを避け、炭水化物主体の食事に切り替えた。

要は、おにぎりだけである、それも塩、鮭も梅干しも、海苔さえない。

 

朝食はとにかく果物一辺倒。

バナナを頬張り、いちじくを食べ、パパイヤこれはちょっと酸味が有ったから敬遠。

マンゴーを食べ、またバナナ。

 

よし、カロリーだけはオッケー。

その他の栄養素はダメダメだけど。

午後まで持つだろう、お腹すいたらバナナ食べよう。

そして、水を大目に飲む。

とにかく飲む。

 

アーニャから電話があって、午後1時にペントハウスへ来るという。

午前10時、今日二回目の排尿。

 

何時もの新鮮なおしっこの匂いはしない。

色もごく薄い淡黄色。

 

よしっ! これならイケる。

 

バニラエッセンスを赤ちゃんの投薬カップにダバダバ、およそ10cc。

死なないよね。念のため手じかに院内ホンとAEDを置いておく。

部屋中にバニラの香り、いいかもしれない。

そう言えば人間はバニラの香りに引き付けられるのは、麻薬と似た成分だからと聞いたことがある。

 

それを300ccの大きなマグカップに入れ、ブドウ糖の糖液を75gトポトポと入れる。

濃くて飲みにくそうなので、水を加えフィルアップ。

 

腰に手を当て、さあ行け! みるく!!

 

一気に飲む。

飲み終わった途端、何故か体が勝手にブルブル震えた。

 

口直しにお水。

いい加減水は飽きてきた、炭酸が飲みたい。

ただひたすら口にするのは水。

 

近所を散歩し、ジェニファーのマンションを過ぎ、コンビニでスイーツを買い、戻る。

汗をかかない様、ゆっくり歩いたので1時間以上歩いた。

 

昔の日本映画を見る。

高校生が仲間とヤンチャしているコメディで、駐在さんと高校生のドタバタだ。

これがなかなか面白い。良くできた作品だ。

腹を抱えて笑う。

 

気が付いたら12時45分。

そろそろ、買って来たお菓子屋スイーツをテーブルに並べ、お茶の用意をする。

小腹が空いたので、バナナ、水、バナナ、水、バナナ、水。

 

突発的にバナナを床に、叩きつけたくなる衝動に駆られる。

 

 

もう暫くバナナは見たくない。

夢に出そうだ。

トイレに行ってビデとシャワーでおしりとオマンコを洗う。

臭っては失礼だ。

 

つい、おしっこをしてしまいそうになって慌てる。

膀胱は80%ほどだ、出せと言われればいつでもイケる。

 

ガチャリとドアが開き「おっは~」と言って、アーニャが来た。

 

「なんか微妙な顔つきだね」と私の顔を見て宣う。

「まあね、もう暫くバナナはいいわ、で、何処でする?」

 

「バスルームかな。万一吹き出したりしても被害少ないでしょ。全裸でバスルーム」

「じゃ、いきますか」

 

服を脱ぎかけたら「ちょっとまってて、もうすぐ来るから」

ビッフェでのメンバーの一部が来るという。

 

ちょっと待て、そんな話聞いてない。

 

「はい。そっち持って。紙貼るから」

字が大きくて判らなかったけど、貼ったらこう書いてあった。

 

【みるくちゃん聖水 飲尿大会(第一回)】

 

「いやいやいや、なによ聖水って!

 しかも第一回って! 続けないからね!」

 

「なに、ピリピリしてんのさ、洒落だよ。

 しかも美味しかったら続くかもしれないしね」

「いや、続かないから」

 

「入るわよー」と綾香の声がする。

その後をぞろぞろと付いてきたものが居る。

 

いや、何人いるのよ。

飲むの私のおしっこだよ、幻の紅茶とかじゃないからね。

 

「やっぱり気になるじゃない」と愛。

「そうよね、二人で楽しそうな事してるなんて、ずるい」美奈。

「お姉さまの聖水が頂けると聞いて!」真理。

「へっ? 真理ちゃん、何処で知ったの?」

「たまたま、遊びに来たら、綾香お姉さまが居てお話聞きました。

 真理なら、何時でも何処でも、どれだけでも飲んで差しあげますのに」

 

”いや、真理ちゃん。それ以上性癖拗らせないで、戻れなくなるから”

 

当たりまえの様に全員脱ぎだす。

まあ、このメンバーなら仕方ない。

 

何時もは広いバスルームもいっぱいだ。

仕方なく、私はお湯が抜いてある浴槽の中に立つ。

 

全員可愛い無毛のオマンコだが、今はそれどころではない。

 

「じゃ、言い出しっぺの私からいくね」

とアーニャが言って、浴槽に足を踏み入れ、片膝をついた。

 

「じゃ、インストラクションするね。

 もし、ダメだと思ったら、オチンチンのここら辺、下の尿道を押さえれば止まるから。

 もし合わなくて、口に入れた尿を吐き出す時は、この洗面器ね」

 

「じゃ、いいよ。だして、あーん」

アーニャが口を大きく開けて待っている。

 

チョロッ・・チョロロロッ

括約筋を締めて尿を止める。

 

口を締め、アーニャがムグムグ口を動かす。

パクッとペニスを咥えられ、ジェスチャーでもっともっとと手を動かす。

 

「ちょっ、アーニャ私に変わりなさいよ!」

私の尿で口を膨らませたアーニャが退けられ、代わりに綾香が咥えた。

 

「ん? ん、ん、んー」

ゴクッゴクッと飲む綾香。

「はあー、ごちそうさまでした」

 

「次は私ね」そう言って美奈が浴槽に入り咥えた。

皆セックスや性器を舐めあう間柄だから迷いがない。

 

美奈の頬がリスの様に膨らむ。

尿道をぐっと抑えられ、急に止められたため膀胱がキュンキュンする。

ちょっと気持ち良いかも。

そして、うっとりと味わう様に、コクン、コクン、コクンと飲んでいく。

 

絶対こいつら頭オカシイ。

確かに努力はしたけど、おしっこだよ?

排泄物だよ?

 

「次は私ね。おしっこ飲んだことあるから気兼ねなく出して良いよ」と愛。

 

”あるんかい!!”

 

口にも溜めずそのまま、ゴクッ・・ゴクッ、と飲みだす。

 

「あーっ! 私にも残して置いてくださぁぃっ!」真理ちゃんがキレる。

愛を引っ張り出す様にして引きずり出した後、真理が座る。

 

「お姉さま、残り全部出してください。私が受け止めます」

といってパクリと咥えた。

 

11歳の美少女にペニスを咥えさせ放尿・・字面が酷い。

 

背徳感で一杯だ、そのせいか少しペニスが膨らむ。

うん、私も十分変態だ。

 

「ちょ、口・・動かさないで」

 

しょーーー。

 

真理ちゃんは両手で離すまいと、私のお尻に手を回す。

うっとりと私の尿を飲む11歳・・今度は絵面がエロい。

 

「ね、真理。

 私にもう一回・・んー! 会津屋のたい焼き5枚あげるから、もう一回少しだけ飲ませて!!」

アーニャが大声を上げた。

 

驚いた私は思わずアーニャを見る。

 

「仕方ないですね。少しだけですよ」といって真理はアーニャに代わった。

アーニャはいつの間にかタンブラーグラスを持ち出していた。

 

「これに出して」と嬉々として言う。

仕方が無いので、グラスにショーーッと半分程までしたところで、真理ちゃんが私のペニスの尿道をぐっと抑えて言った。

 

「5個分なら、そこまでです。あとは全部真理のです!

 真理、まだ殆ど飲んでないのです! お姉さまのオシッコ!!」

 

私は膀胱括約筋の力を抜き、排尿を再開する。

コクンコクンと美味しそうにま飲んでいる真理ちゃん。

だが尿だ。

 

アーニャを見た。

コップの尿をスンスン嗅いでる。

 

「やっぱり、甘い・・匂い・・バニラだ! これバニラだ! 」

「ちっょと、私にも!」

「あん、わたしもぉ」

「少しだけでいいから、もう一回飲ませて!」

 

姦しい・・・・。

 

そしておしっこが終わった。

真理ちゃんは鈴口をレロッと舐め上げると

 

「お姉さま、フェラで抜きます? 

 真理のお口にドロドロの精液をお恵み下さい」

 

「いや、真理ちゃん。ちょっと落ち着こう。ね?」

 

 

「いやー、美少女のおしっこって本当に美味しかったんだ」

「ほんと予想外、あれなら確かに飲めるわ」

「バニラの匂いだし、ふわっとフルーツの香りもしていいわね」

「これ膀胱に糖を入れたり、バニラエッセンス入れたりして無いよね」

とアーニャが聞く。

 

「昨日から食べ物調整して今日はフルーツだけ、3時間前に糖とバニラエッセンスを飲んだわ。

 でも100%私の尿だからね!

 それ!

 皆が飲んだの私のおしっこだからね!!」

 

「信じられないなら、まだ少しだけ残っているから飲んでみなよ」

アーニャはそう言って、非常に薄い淡黄色の液体が1センチほど残っているグラスを差し出す。

 

匂いを嗅いでみる、うん、ちゃんとふんわりバニラの匂い。

意を決して、グラスを傾け少しだけ舌を延ばす。

 

「まどろっこしいなぁ」

と言ってアーニャは私のグラスを掴み、グイッと傾けた。

力が私の下あごに加わり、口が開いたところへ全量ナイスシュート。

口の中が私の尿で一杯になる。

 

味はほんのり塩味。

それにバニラの香りと、鼻を抜けるふわっとフルーツの匂い。

確かに、若干の独特な味がするが、薄目でそう気にならない。

強いて言えば甘みの無い、うっすい醤油バニラアイスの風味。

 

みんなが、見ているので仕方なく、コクンと飲み込む。

ああ、私ってば変態・・自分のおしっこ飲んじゃった。

 

ぞろぞろと、皆が居間に戻るので、私は洗面台で口を濯ぎ、嗽をして服を着に戻った。

すでに、皆服を着てお菓子を食べだしている。

 

「みんな、口ゆすいだら? おしっこだよ!?」

「いや、みるくのなら私は良いわ」と綾香。

「そうね、あの味なら飲めるわ。

 冷やして飲んでみたいわ」と美奈。

「うんうん。この次は冷やそう。

 もっと美味しいかも。

 あっためたコーラよりは絶対に美味しいよ」と愛。

「お姉さまのおしっこは正に”聖水”なんです。

 口を濯ぐなんて冒涜です。

 売り出したら凄いプレミアムが付きそうです」と真理ちゃん。

 

「いやいやいや、私のおしっこだからね。

 あれ。

 なんでおいしそうに飲むのよぉ」

 

「「美味しいから」」

「絶品ね」

「聖水ですから」

「でも、ホントに意外とイケたおしっこね」

「うん、今度お茶代わりに飲んでみようよ」

「あ、夏なんか氷浮かべたら良いかも、お洒落にレモン添えて」

「いや、ペニスから直接飲む直飲みが王道ですわ。お姉さま方、聖水なんですから」

 

「じゃ、これね」とアーニャがドンとテーブルに置いたのは2Lの水。

「お代わり、お願いします」とゴトゴトと置かれるバナナ。

 

私はオオコウモリか!!

 

「もう・・バナナと水は嫌ぁぁぁっ!」

 

ーーーーーみるく視点 終了ーーーーー

 

 

 

それから一週間後、私は落ち着いた生活をしていた。

時折「来ちっゃた」的にやって来る真理ちゃんはどうしようもないが、最近は母が時間をみて料理を教えているらしい。

 

どうやら、肉じゃがで私をゲットするつもりだと言いう。

いやいや、母の絶品肉じゃが食べ続けて来た私にとって、逆にそれはハードル高いからね。

 

中間試験の採点がおわり、データが水木会に送られてAIフィルターを通して今期の生徒の成績を見ていた。

「なんか変ね、急に成績が落ちた子がこんなに出るなんて」

「ね、そのデータ教師でソートしなおしてみようかぁ」

 

「んー、どうだろ・・関連は見られないかも」

「出身は端正か編入かで見てみたら?」

既に、データと睨めっこして2時間経っていた。

 

「仕方ない・・アーニャ呼ぶか」

 

「あ、アーニャ。悪いんだけど水木会の会室に来れる? ええ。 うん。 良いわ、宜しくね」

「20分くらいで来れるそうよ」

 

 

「なにかあったの?」

みるくは事情をアーニャに説明した。

 

「ちょっとデータ見せて貰って良い?」

「ええ、構わないわ」

「んー、関連性か・・・ん?・・・・これって現住所じゃなく、実際の今住んでる住所?」

「それって?」

 

「これって、実家の住所だよね。こんなとこから通える? 物理的に無理だよ」とアーニャ。

「このデータには現住所しかないわ。すると近くに現実の住んでるとこ・・・ああっ!!」

 

「ねプージャ、高校の寮の名簿と突合してみて」みるくは言った。

プージャの指がキーボードの上をすべる。

 

「ビンゴ! 物の見事に合致するわね」

「成績低下の該当者9割が寮生だね」とアーニャ。

端正の高等部には敷地内に学生寮がある。両性は入れない完全女子寮だ。

 

寮は在籍している寮生により統治される自治寮で、学院側で完全管理される管理寮とは異なり学校側のスタッフつまり担当教員や職員は別として寮母については人事権があった。

 

 

早々に、水木会が招集された。

「では先生、学生寮の説明をお願いします」とみるく。

 

三田はタブレットを操作し学生寮の説明を始めた。

「端正の学生寮は、学院創立から数年後に設立され、小規模な時代、大規模な時代をえて現在の規模てここ数十年経過しています。

 寮の名称は清端寮、中等部、高等部の女子学生が対象で、定員24名、現在22名の生徒が在籍。

 形態は自治寮で、寮務関係教員1名、寮務担当職員3名、寮母1名で運用されています。

 自治寮で有る為、寮務関係教員は常駐せず、生活指導と寮務担当に分かれているわ。

 まあ、問題でも起こらない限り特に無いわね。

 寮務担当職員は、端的に言えば朝夕の食事の準備、清掃の一部、寮の維持管理が主体ね。

 寮母は夜間、休日のいわば緊急連絡員として機能しているわ。

 自治寮の教員と職員は学校側のスタッフであるものの、寮母に関して寮の自治会が採用人事権を持っているわ」

 

「先生、教務関係は?」

「学業関係の担当は無いわね、自治だから。

 学習や勉強についてはあくまで学院側の担当よ」

 

「先生はこの寮生の急激な学力低下について、どう思われます?」とプージャは聞いた。

 

「学力低下はあくまで寮生個人と担任の案件ね。

 寮自体に問題があるとすれば、当然関係教員の関与することとなるけど、自治を認めている以上あまり突っ込んだ介入が難しいのが現状よ」

 

「んー、現状は内部は守られた花園ときたか・・」とアーニャ。

 

「高等部も絡む自治寮だけに調査は・・ん?

 ね、プージャ、高等部と中等部の保健室の記録あるかな。

 利用者の名前なんかがあるデータ」とアーニャが言う。

 

「ん、・・・・有ったわ、画面に出すわね」

「利用している者に寮生のリスト合わせてみて」とアーニャ。

 

「結構高率ね、特に1年と2年が多いわ、ここ数か月で急増しているわね。主訴は体調不良」

「プージャ、ここ3年の入退寮のデータを出して」アーニャの指示を受けてプージャが1画面に出した。

「2年前から退寮者が出て、入寮しても数か月も経たずに退寮している者もいるね。

 こりゃ、間違いなく寮内でなにかあるなぁ・・」

 

「寮の検査とか寮生の監査とかは有るの? 学院側の」と綾香。

「年2回、インスペクションが有るわね。

 まあ、事前にバレているみたいで、なんにも出て来ないけど」と三田。

 

「インスペクションは建物の瑕疵、不許可設備の有無、違法設備の有無病害虫の有無などが主体よ。

 寮生の生活や私物には関与しないわね」と三田は続ける。

 

「可憐さん、寮への潜入調査は可能かな。

 もちろん安全第一で。期間は1週間から長くて1カ月。

 それ以上やっても、たぶん簡単に尻尾は出さないだろうから」とみるく。

 

「ええ、私も今年から親類の家住まいを出て、マンションの一人暮らしになったから可能よ。

 経費は水木会で負担してくれるのよね」

と華憐。

 

「もちろんよ」

 

「プージャ、幾つか必要な物を手配してくれる?

 無線で使える目立たないヘアピン型カメラ、これは何種類か用意して。

 それと、カメラをネットとリンクできる親機も。

 もちろん、一般のWiFiではない物を。

 寮の全域をカバーできる位置に偽装設置して、学院の営繕部通して。

 可能で有ればWiFiと5G、6Gの通信を一時遮断できるジャミングも出来ればいいわね。

 IDスマホや通信機が領内で制限されている可能性も考えて、小型の端末を用意するわ。

 薬物の可能性も有るから、すり替えようの錠剤とかもね。

 これは綾香、お願い

 一応防刃ベストと、グローブ、ブーツに・・スタンガン。

 これは私が用意するわ。

 三田先生、可憐さんの寮への途中入寮手続きをお願いします。

 出来れば個室で」

 

みるくは矢継ぎ早に指示を出していく。

 

「ね、これなんかどうかしら、一見電卓にしか見えないし。

 メールしかできないけど、これならスマホや携帯と見られて取り上げられる事もないわ。

 万一IDスマホが取り上げられた場合にね」

プージャはメール機能の有る電卓に似た端末を表示した。

 

「綾香、悪いけどこれ手配よろしく。契約は水木会で、私達だけの番号とアドレスも入れておいて。

 費用は全額水木会で建て替え、後日学院に請求するわ」

「わかったわ」

 

 

 

 

清端寮では歓迎会が行われていた。

 

「では、新しい花山華憐さんの入寮を記念して、かんぱーい!」

一見、盛り上がっている様に見えるが、1年生、2年生の中には暗い感じの娘や、無理している様子も伺えた。

 

「じゃ、自己紹介しましょうか。最初は花蓮ちゃんから」

1時間ほど、経過して自己紹介が終わると、寮母は自分の部屋に帰っていった。

とたんに、雰囲気が変わる。

 

多くはお風呂未だ入って無いからとか、体調が悪いなどと言って早々に逃げ出した。

残っているのは、3年の4人と、2年の3人、そして華燐の8人だけである。

 

「ま一応、寮母だからね。目の前で、こんなの出せないし」

そう言って、冷蔵庫の奥からゴトゴトと有る物を取り出した。

それは、缶チューハイでストロング系と呼ばれるアルコール度数9%の物だ。

このチューハイはその飲みやすさ、酔いの早さ、値段の安さで全国に多数のアル中患者を量産し、現在ではアルコール度数5%を超えるチューハイにだけ高い税率が課されるようになったほどだ。

 

酒が持ち出された時点で、2年の2人と3年の1人が退出。

寮の自治会のトップである3年含め3人、2年生が1人に減った。

 

「さ、気にしないで飲もうよ?」

「ごめんなさい。

 私一度お正月に実家で、お屠蘇飲んで倒れて救急搬送されたんです。

 お医者様に調べて貰ったら、どうやらアルコールを代謝する酵素が欠損しているらしくて・・」

 

そう、華燐は言った。

「でも、じゃ! 一口だけ! ね、一口なら大丈夫よ!」

「でも・・まだ未成年ですし・・」

 

「なんなの? 私の酒が飲めないって事?

 せっかく奢ってやってんのにその態度はなによ?」

 

「沙月。今日はペース早すぎ。新しい娘虐めたらまた嫌われて逃げられるから」

同じ3年の寮生が窘めた。

 

「うっさい! 解ってるわよ」

 

9%アルコール、それに炭酸が入ると酔いは早い、その速度はビールの速度を凌駕する。

ちなみに、このチューハイに焼酎やウオッカを足すと、一杯程度で、意識が落ちる程酔いが回る為、非常に危険である。

華憐を除くう4人は、5分もしないうちに酔いが回り出す。

 

「わかったわ、ごめん。じゃ一口だけだから。

 私のパパ、ここの理事なのよ。この意味わかる?

 飲むまで、今日は寝せないから」

 

 

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その状況を水木会の部屋でみるく、アーニャ、綾香、プージャの四人は見ていた。

もちろん、録画録音されている。

「この時点で、強要罪は成立ね」と綾香が言う。

「それ以前に未成年の飲酒はダメよぉ」とプージャ。

「ていうか、この沙月ってバカだよね」とアーニャは突き放す様に言った。

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「判りました。では・・ひとくちだけ・・」

華憐は、コップに半分ほど継がれたチューハイに口を付けた。

 

”コップ半分なんてケチ臭い女”

 

 

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「ね、みるく。

 踏み込む必要があるかもしれないから、防刃ベストとスタンバトン準備しとくね」

 

アーニャはそう言って、部屋に置いてある鍵のかかったロッカーを開け、4人分の防刃ベストとスタンバトン、そしてタクティカルブーツの準備を始めた。

防刃ベストには左胸に、スタンバトンのホルダーが付けられていて、30センチのスタンバトンを収納できる。

腰の所には幾つかのポケット、そして肩の後ろに拘束用の米軍でも使用してるタイラップ型の手錠が4つ程付いている。

スタンバトンはボタン一つで伸長時は64センチに伸び、同時に放電が起動、20万ボルトという衣服も関係なく放電する凶悪さを持つ。

もちろん事前に警備部の人から、一連の講習とトレーニングを受けていた。

 

「ね、華憐ちゃん、お酒弱いって事ないよね」とみるく。

「アル中の親の娘が飲めないわけないし」とアーニャ。

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「どう? おいしいでしょ?」と沙月は言う。

「は、はい・・・でも苦いです」

 

”結構おいしいわね、これ。もっとぐっと行きたいところだけど・・”

 

「さ、もう一口いきなさい」

「も、もうこれ以上は・・」

 

「沙月、ぶっ倒れられたら面倒だよ・・」

「うっさい!!」

「もう沙月には付き合いきれないわ、私部屋に帰るからね!」

 

そう言って、1人の3年生が出ていく。

残ったのは3年の2人と、2年の一人、そして華憐の4人だけである。

 

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「総員装備を装着。踏み込み準備開始」とみるくが言う。

 

全員が、透明なタクティカルグラス、防刃アームカバー、タクティカルグローブ、膝当てと肘当て、スタンバトンが装備された防刃ベストを纏い、靴を軽いタクティカルブーツに変えた。

 

近接戦闘をする可能性の高い、みるく、プージャ、アーニャの三名は防刃のケブラー繊維のタイツだ。

刺されたらかなり痛いが、掠った程度なら防げる。

 

「使う羽目になんなきゃいいけど・・」とアーニャはスタンバトンの通電を確認しながら言う。

「そうね・・」

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華憐は、わざと酔いが回ったように芝居した。

「花蓮ちゃん? 酔った?」

 

「恵美子、道具準備しといて。あとペケもね。

 今日はこの娘で楽しもうじゃないの。

 ねっとりとね。んふっふっ」

沙月は笑った。

 

 

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「ペケ・・・ MDMAの事ね」とプージャ。

「事実なら麻薬取締法違反ね」とみるく。

「よし! 状況開始!」

「「了解!」」

「イエッサー!」

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アーニャだけ返事がおかしいが、今はそれを突っ込んでいる暇はない。

みるく達は寮に向けて走った。

距離は600m程、歩けば8分ほどかかる距離だ。

全力疾走ではない。

 

相手に対峙する体力を、残して置かなければならない。

みるくは、静かに寮の裏のドアのセキュリティを解除した。

ドアは物理鍵も付いているので、3種類あるマスターキーのうち二番目のキーを差し込んで静かに解錠した。

 

綾香は小型のモニターの輝度を押さえ、華憐の状況をモニターしている。

 

「私がポイントマン、プージャがセカンド、アーニャがサード、綾香は状況と後方の確認。

 部屋から出て来た者には、戻る様にジェスチャーで指示、理解しない場合は小声で指示。

 向かってくるものは出来るだけ静かに排除。

 ただし、失神程度で留め置く様に。

 ターゲットの居室は階段を上がって、右側に折れ、通路左側の最奥204号室。

 解錠は私、ドア解放のタイミングでセカンドとサードがクロスエントリーで突入。

 アーニャ、突入時にドアの取っ手に引っ掛けない様に注意。

 突入後、私が入るわ。

 綾香は、ドアの取っ手に刺さっている鍵を回収。

 逃げない様、施錠して

 ターゲットは三名、真ん中は私が、左はサード、右はセカンドが注目監視。

 動いた場合は即無力化。

 綾香は、無力化後に華憐の状態確認と救出。

 あとは状況に合わせて」

 

「「コピー」」

「ウラー」

 

勝手口のドアをそっと開け、様子をうかがう。

誰も居ない事を確認すると、中央付近の階段まで一列で移動。

階段を確認して、上へ登り、二階の廊下に上がる手前で、一旦止まれのハンドサインを出す。

全員がぴたりと動きも含め停止した。

 

みるくは手鏡を出すと廊下を確認する。

廊下を足音を立てない様にして、奥の部屋へと進む。

 

ハンドサインでドアの両側にアーニャとプージャを立たせた。

綾香を呼び、モニターの状況を確認すると、華燐が薬を飲まされそうになっていた。

 

みるくは、一刻も猶予が無いと判断、ドアのカギを解錠しドアを開放した。

アーニャとプージャが突入する。

直ぐにみるくも部屋にはいり、大声を上げた。

 

「全員動くなぁっ!」

 

部屋にいた全員が唖然として、動きが止まる。

 

 

「あによぉ、あなんたたちわぁ」かなり酔っている。

「水木会よ。

 全員一時拘束する。

 華燐を離し、全員床に伏せなさい! 」

みるくの有無を言わさない指示が飛ぶ。

 

「うっさいわよ! 出ていけ!」

そう言って、沙月は机の引き出しから果物ナイフを取り出し、もう一つカッターナイフを三年の一人に渡した。

 

「総員バトン装備!」みるくは号令をかけた。

綾香を除く、全員がスタンバトンを取り出しボタンを押した。

 

瞬時に60センチ以上にジャキッと伸び、バトンに20万ボルトの電圧が発生しパリパリと青白い放電が巻き着く様に光る。

 

1人の三年生が、カッターナイフの刃をキャリッと出しながらプージャに襲い掛かった。

しかし、プージャは冷静に動きを見て、すっと腰を屈め後ろ廻し蹴りでカッターの腕を叩き払った。

そして、至近距離からスタンバトンを腰に当てた。

 

「ぎゃあぁぁ!」と汚い声を上げる。

「こんっのやろうっ!」

 

今度は中央に居た一人が突っ込んでくる。

みるくは落ち着き、ナイフを掴んだ腕をスタンバトンで払う。

 

「ぎゃっ!」

 

汚い声と共にナイフは部屋の隅に飛んでいく。

そして、トドメにと腰にバトンを当てる。

2年生は完全に戦意を喪失し、ベットの隅で震えていた。

 

「綾香! 華憐を!」

綾香が華憐に駆け寄った。

 

「全員拘束!」

 

2人が駆け寄り、後ろ手に拘束する。

みるくも沙月の首を膝で抑え、背中から軍用のタイラップ拘束具を取り、後ろ手に拘束して転がした。

 

「華憐! 今すぐ吐きなさい! 吐けないなら・・なに?」

「落ち着いて、綾香。飲み込んでない」

華憐は手のひらにペッっとガムの塊を吐き出した。

 

「事前に噛んだガムを奥歯と頬の間に入れておいたの。

 錠剤が口に入れられたら、これで錠剤を包んだのよ。

 よく見ないと、飲み込んだように見える訳」

 

「綾香、それ証拠物件だからプラカップに取っておいて」

「了解」

 

「プージャ状況写真と凶器の写真宜しく。

 撮影したら、プラバッグに入れて回収」

「わかったわ。任せて」

 

「アーニャ、三人をベットに移動するわ手伝って」

「アイアイ」

 

「さて、これが見えると思うけど、カメラね。

 これからあなたが話すことは証拠にもなるわ。

 あなた達には、麻薬取締法違反、強要罪、傷害未遂、未成年者飲酒禁止法の容疑がかかっているわ。

 ああ、ついでに華憐に薬を飲ませた段階で、傷害罪が成立するから」

 

「何の話よっ! 知らないわ!」

沙月が大声で言う。

 

「あんたバカ?

 華憐の髪飾り、リアルタイムで全部録画してんのよ。

 あと、私達の肩に付いたカメラにも、ばっちりナイフ出して襲い掛かる姿が録画されてんのよ。

 いまここで、すぐ警察呼んでも良いんだけどね」綾香が言う。

 

「パパに電話させて」後藤沙月は完全に青ざめている。

「だぁーめ。私たちは警察でもないし、あんたの話を聞く義理も無いわ」

 

「綾香、三田先生に連絡、ここに呼んで」

「了解」

 

「さて、家探しさせてもらうわね。

 部屋をめちゃくちゃにされたく無いなら、クスリの場所を言いなさい」

 

「・・・・」

「綾香、プージャ。二人は室内のタンス、箱類を探索。

 私たちは、部屋の壁、屋根、床を捜索。

 見つけた場合は、状況写真も全部取って。

 小箱の中、厚い本の間、ポーチや小袋、生理用品の袋も見逃さないで」

 

「さて、沙月。あんたもう18よね。

 まさか18だと少年法が適用されると思ってるんじゃないでしょうね」

 

「し、しってるわよ!!

 ね、お願い。お金ならあげるから!

 10万? 20万ならいい?」

「はあ~。贈賄罪も追加ねぇ」

 

「なによっ! あんた後輩でしょ?!

 上級生にこんなことしてタダで済むと思ってんの?

 私のパパはここの理事よ!!」

 

「ね、みるく。この娘真正のバカだね」

「うっさい! クソガキ!」

アーニャがニヤリと笑い、スタンバトンを延ばし、起動すると途端におとなしくなった。

 

「ねえ、面白ものがあったわぁ~」とプージャ。

「なに?」

 

「日記よぉ。みんな手が忙しいから、読み上げるわねぇ。

 わぁ、ポエムもあるぅ。

 これは死ぬほど、恥ずかしいわねぇ。

 しかもへたくそな上、誤字だらけ。

 私の小鳥、いつもやって・・」

 

「わかったわ!! 言うわ!! 言うわよ!

 机の三番目の引き出し、左奥のコンドームの箱の中よ」

 

「綾香。プージャ、確認 写真も」

 

「あった・・・ひい・・ふう・・・みい・・袋が3、錠剤数は全部で12ね。

 5錠入りが2、2錠入りが1よ。回収する?」

 

「もちろん。

 指紋が消えない様、ユニパックに箱ごと入れて。

 あと、日記も回収を」

 

「後は、三人で家探し再開宜しく」

 

「さて、後藤沙月、それに・・」

部屋のドアがドンドンと叩かれる。

 

 

『後藤さん?! 開けて! 何が有ったの!?』

「んもう・・しょうがないな・・ちっょとまってなさい」

みるくは念のためスタンバトンを出し、後ろ手に隠してドアのロックを解除し開けた。

 

 

「あら、寮母さん。

 ご苦労様。

 なにか御用です?」

 

「貴方たちこの寮生じゃ無いわね。

 その制服だと中等部ね。

 なぜここにいるの?」

 

「寮母さん・・落ち着きなさい。

 ひとまず部屋へ」

ドアの外には、少し遠巻きにしてみている寮生が、数名立って見ていた。

 

みるくは廊下で声を張り上げた。

 

「水木会会長、高園みるくだ。

 今すぐ部屋に戻りなさいっ!

 そして1時間は出て来るな!

 これは命令だ!」

そう言ったが動かない。

 

「動けっ! 抵抗する場合は実力持って排除するっ!」

バトンが青白い放電でパリパリと音を立てる。

寮生たちは、慌ててクモの子を散らす様に部屋へと走り戻っていった。

 

部屋に戻り、ドアを閉めロックする。

「さて、寮母さん。ご用件は?」

「いえ、寮生からドタドタ音がするって・・それにその格好は・・

 こんな時間に・・本来ここは寮生しか・・「はい、ストップ」」

 

「私たちは、水木会のメンバーです。

 我々については御存じない?」

 

「はい」

「そっか。直接雇用でしたっけ?」

 

「私たちは水木会という学院内の正式な部門です。

 学生の保護、指導、福利厚生の為設置されました。

 学院のあらゆる所への立ち入り、調査、生徒の規則からは束縛されない活動が許されています。

 だから、こうしてここに居ても、軽武装していても一向に問題ありません。

 ご理解頂けましたか?」

 

「ええ、それより何ですか。先生をよば「もう、呼んでます」」

 

「三田教務主任が間もなく来ますから。

 それより、食堂に有った缶チューハイのお酒は貴方のですか?

 貴方が自分で飲むために食堂の冷蔵庫に?

 自分用なら、自分の部屋に普通置きますよね。

 言っておきますが、後藤沙月ほか二名は、現在、麻薬取締法違反、強要罪、傷害未遂、未成年者飲酒禁止法の容疑が掛かっています。

 そして貴方にも未成年者飲酒禁止法第2条3項の容疑が掛かっています。

 ですから、正直に話した方が身のためですよ?

 でないと、罪重くなるばかりですから。

 そのお年で、寒空の下で寝る生活はつらいですよ?」

 

「話しなさい。お酒は貴方の飲むために手に入れたのですか」

 

「い、いえ・・私が後藤さんの依頼で・・・大学のコンビニで買ってきてました」

「いつ頃から?」

 

「後藤さんが寮のトップになってからです。

 わたし・・・でないと・・クビだって・・」

 

「いつもは、どのようにお酒を提供していました?」

「お酒が少なくなると、私が買いに行きました」

 

「お金は?」

「それも給与のうちだって・・私が払ってました・・」

 

「あー、大体わかりました。部屋へお戻りください。

 あとは、指示があるまでは通常の寮母業務を。

 今日明日は呼び出しは、無いでしょう。

 後で学院又は警察から、事情聴取が有るでしょうから、それまでは寮母業務をつづけてください」

 

 

「あの・・寮生には・・・」

「そうですね。水木会のガサ入れが有ったとでも。

 詳細は判らないと言ってください。

 あ、ついでに後藤沙月のグループは本人入れて何人ですか?」

 

「そこの三人です」

「間違いありませんね?」

 

「はい」

「では、部屋へお戻りを。

 あとは三田先生と水木会が取り計らいます」

綾香がカギを開け、ドアを開けた。

 

そして数分しないうちにドアがノックされる。

 

「三田よ」

「お疲れ様です。三田先生」

「ホントよ、で、この子たちなのね」

「ええ、証拠もばっちり」と綾香はコンドームの箱が入ったビニール袋をプラプラさせた。

「容疑と証拠は?」

「未成年者飲酒禁止法違反、傷害罪、強要罪これは証拠ありで確定。

 麻薬取締法違反、強要罪容疑ね。

 所有していた錠剤の形状、色、そしてこの子たちが呼んでた名称から、合成麻薬のMDMAの可能性が大。

 多分出ますよ、MDMA。

 あと、寮母は未成年者飲酒禁止法違反、まあこっちは雇用をネタに脅かされていたみたい。

 お酒の代金さえ、もらえて居なかった見たいよ」

 

「で、証拠はどうするの?」

「警察に引き渡すまで、水木会で持ち帰り保管します。

 理事の娘ですから、学院内も教職員含め動かないとは限りませんから。

 その方がいいでしょ?

 理事の娘がこんな事件起こしてたんだから、理事から圧力が掛かんないとも言えないし。。

 これは、学校側理事への”貸し”にしてあげます」

 

「・・ちょっと電話するから、彼女達頼むわね」

 

 

「ねー、トイレ行かせてよぉ」

ベットで震えていた2年生が眉を八の字にして訴える。

 

「はい、これにしなさい」

アーニャが取り出したのは、証拠品を入れるビニールパックだ。

「いや、それは・・それに手縛られてできないし・・おトイレいきたい・・」

 

「あ、いっけない、忘れる所だったわ。

 アーニャ、大きめのプラの気密容器とゴム手持ってきてる?」

「ええ、有るわよ。

 体液とかの採取のために。

 蓋付きのプラ試験管も持ってきてるよ」

 

「残りの二人の女たちの尿も採取しといて」

「ああ、なるほどね。解った、全員採取しとくね、出してる所の写真付きで」

 

「プージャ、サポート宜しく」

 

「なんで、私達のおしっこ摂るのよ。

 それに写真って何よ!」

2年の尿意を訴えた娘が聞いた。

 

「飲むんだよ、知らない? 美少女のおしっこは美味しんだ。

 でもブスのは、くそ不味いらしいよ。

 そん時ゃ、あんた等に無理やり飲ませてやるよ」

アーニャはニヤリと笑った。

 

「アーニャふざけるのは後よ。

 貴方たちの尿は証拠物件よ。

 薬飲むとおしっこに出てくるのよ。

 そんなことも知らないの?

 あと、プラカップと試験管には通し番号が明記されているの。

 間違いなくあなた達の尿だって事を証拠にする為よ」とみるく。

 

「じゃ、連れてくね。

 で、あんた、素直に行くのと、スタンバトンでケツ穴突かれながら行くの、どっちが好き?」

 

「素直に行く方・・です・・」

「なんだ、残念。

 突っ込んだら面白そうなのに、新しい世界が開けるかもよ?」

 

三人目の尿の採取が終わったところで、三田が戻ってきた。

 

「三人の親の緊急呼び出し掛けたわ。

 ところでもう21時よ。大丈夫なの?」

 

「ええ、みんな根回し済みよぉ。

 でもそろそろお風呂入りたいわぁ。

 大立ち回りもしたし」とプージャ。

 

「後は、斉木とこの子たちの各担任、それに教務主任も呼び出したわ。

 もう良いわよ。あとは任せて」

 

「それは、助かるわ、お腹空いたもの。

 もう、ペコペコよぉ。

 ご飯は必要経費で請求するから」と綾香。

 

「それより、早く証拠、冷蔵庫と冷凍庫に入れなきゃだよ、みるく」とアーニャ。

「よし! フタヒトマルゴ状況終了。撤収」

 

 

 

 

 

 

翌日、私達は理事会や理事長室が在る建物に呼び出された。

 

「で? 後藤理事が私たちに会いたいと」と綾香。

 

「そうなのよ。

 まだ理事長には言って無いけどね。

 後藤理事に泣きつかれたの。

 何とか穏便にできないかって」

 

「あれま。長い者には巻かれろぉ~ですかぁ?」とプージャ。

 

「いやね、此処の所ずっと不祥事続きでしょ?

 このままじゃ法人の許可さえ危ないのよ」

 

「三田先生。

 流石に私も学院が無くなってはと思いますけど、あれだけのことを隠蔽したら、私たちも危ないの理解してますよね」

 

「そうなのよねぇ・・・」

「事と次第によっては、理事長に出張ってもらいましょう」とみるく。

 

「ま、それが無難だね。

 釈然とはしないけど」とアーニャ。

 

 

三田が重厚なドアを叩く。

 

「三田です。

 水木会のメンバーを連れてきました」

 

『どうぞ』

 

部屋に入ると楕円の大きなテーブルに45歳ほどの目つきの嫌な男が偉そうに座ってた。

 

「いや、良く来てくれました。さ、すわって。

 こんなかわいらしい娘だったら、もっと洒落た格好のほうが良かったかな。

 さ、座って、すわって」

 

「後藤嗣敏といいます。

 学院の理事のひとりですよ。

 いや、みなさんお可愛いですね。

 お名前を教えていただけますか?」

 

「水木会、会長の高園みるくです。

 お見知りおきを。

 この二人は、副会長です。

 あと、1人はメンバーですね。

 三人の名前は、お教えできません。

 保護者にも私たちの名は、秘匿事項ですので、ご容赦を。

 で、お話はどのような御用件でしょうか」みるくは言った。

 

 

男は突然床に正座し、土下座を始めた。

 

「たのむっ! この通りだ! 金ならいくらでも出す!

 沙月はこのままでは刑務所行きだ。

 あんなでも娘なんだ、助けてくれないか」

 

「後藤嗣敏理事、席へお戻りください」

みるくは冷たい口調で、ゆっくり静かに言った。

 

 

後藤は、よろよろと立ち上がり、席に座った。

「ご息女、または三田先生から、話はお聞きになっていますか」

「ああ、聞いた。あのバカ娘・・」

「で、私達が秘匿した場合、私達が罪に問われる事実は、ご存じでしょうか」

 

「ま、まあそうなるのか・・」

「幇助行為を行った者は、刑法第62条1項で従犯とするとなっています。

 理事は私に罪を被れとおっしゃるのですね。

 いえ、犯罪者になれと」

 

 

「いや、そうではなくてだな・・・黙っていてくれたら、判らないじゃないか。

 ほら、好きな金額を言うと言い」

「やはり、親子でいらっしゃる、そっくりですね」

 

みるくはテーブルの上に置いた手で指を一本出した。

 

「100万か良いだろう。どうだ大金だろう?」

「あら、ご息女からたった一桁増えましたわね~」とプージャ

 

「むむっ・・・わかった1000万だ。これでどうだ!」

 そう言って、小切手を取り出し、書き始めた。

 わざわざ、高園みるくの名前の書き方を確認した上でだ。

 

みるくは頭を近づけ、それをじっと見る。

胸に着けたカメラが一部始終それを捉えた。

 

「さ、受け取りなさい。

 これを銀行に持って行けば現金になる。

 その代わり、絶対に黙っていてくれ」

 

「これは受け取れませんわ。

 たかが1000万ごときで私たち4人の人生、随分とお安く見積もられるのですこと。

 呆れて開いた口が塞がりませんわ」

 

「ぐっ・・・ならいくらなら黙っていてくれる!」

「さあ?」

 

「お前たちなぞ、私がちょっと力を使えば退学にできるのだぞ!

 だまって、これを受け取れ! いいなっ! これは命令だっ! 」

 

そう言って、男は出て行った。

小切手を置いて。

 

 

「ね、みるく」

「なあに」

「バカって遺伝するのかな」

真顔でアーニャが聞いた。

 

「一概には言えないけど、その可能性はあるわね。

 実例がこうして目の前にある以上は」

「ほんとにやっすく見積もられたもんよね。

 私なら10億くらい書くけど」と綾香。

 

”そんなのあんただけよ”と他の皆は思った。

 

 

「でも、これで良かったの? 綾香」

「ええ、上出来よ」

そう言いながら、ペンを使って小切手をビニール袋に入れ、三田に渡した。

 

「はい、あげる」

「え?! いや・・わたし貰っても・・」

 

「バカね、証拠物件よ。

 これは【学院内の拾得物】なの。

 偶然落ちていたのを、偶然拾って、学院内だから届け出た。

 学院の金庫にでも放り込んで置いて」

 

 

「え、ええ」

「でもこれからどうするの?」と三田。

「そろそろ、来る頃ね」と綾香。

 

ドアがノックされた。

「ど、とうぞ」三田は答えた。

 

「り、理事長っ!!」

三田は慌てて立ち上がる。

 

 

「いや、そのまま、そのまま。

 淑女の方々、座らせて頂いても、宜しいですかな?」

 

「とうぞ」

 

「いや、今回は皆に迷惑をかけてしまった。

 この禿げ頭で済まないが下げさせて頂く。

 済まなかった」

 

理事長は深々と頭を下げた。

 

「頭をお上げください。理事長。

 私たちもこうなることは、ある程度予測済でしたから」

 

「うむ、そうだったか」

「で、ご覧になったんですよね、ここの”光景”」と綾香。

 

「うむ、実に嘆かわしく由々しき事態だ。

 実は理事会に何派か派閥が有っての。

 その一派のトップがあの後藤理事だ。

 なかなか、しっぽを出さん男でな。

 喰えん男だ。

 綾香ちゃんから、話が有ったときは信じられなかったよ」

 

「で、どうなさるおつもりかしら、おおおじさま?」

 

全員が綾香を見て固まった。

 

「ね、おおおおじさまって?」とアーニャ。

「アーニャ"お"一つ多いわ」と綾香。

 

「私の祖母の弟が理事長なの。

 ま、祖母って言っても母の方の祖母なんだけどね」

 

 

「「「ええええっ?!」」」

 

 

「わしにの直系には孫がおらんでの。

 この娘が唯一孫みたいなものじゃよ。

 せっかく、学院におるのにもっと遊びにきてくれればのぅ」

 

「で? どうなさるの?」

「そんなもの決まっておる。

 起訴じゃよ。

 皆、この学院の校訓を覚えて居るかね?」

 

「「未来への人材育成と人類への貢献」」

 

「ん、よくできました。

 嬉しいのう・・・うんうん・・良い子たちじゃ」

 

「伯祖父様、泣いている場合ではありませんでしてよ」と綾香は冷たく言い放つ。

 

「ホンに綾香は母親にそっくりじゃのう・・」

「藤原の血ですから」

 

「証拠物件は後日警察が来てから預かろう。

 あとその小切手もな。

 あとはわしの方で全てやっておこう。

 せっかくの学院生活を楽しむと良い。

 そうじゃ、高園さんもガリツカヤさんも、そしてメノンさんも、今後とも、どうぞ宜しく綾香の仲の良い友達でお願いするよ」

 

 

コンコン、再びドアがノックされた。

「理事長、お約束の時間でございます」

「むっ・・しかたない。

 後で詳細を打ち合わせるとするかの。

 高槻くん、準備は?」

 

「はい、ここに」

と白い封筒を四つ手渡す。

 

「これは頑張ったご褒美じゃ。

 ただ一つ、約束してくれんかの。

 もう危ないことはせんと。

 理事長としての立場ではなく、綾香の伯祖父としてのお願いじゃ」

 

「「はい!」」

 

応接会議室から出ると、アーニャが話し出した。

 

「ね、綾香。

 こんなの、もらっちゃって良いの?」

「大丈夫よ、どうせ中身は学食のチケッ・・・」

 

手には真っ黒な光沢ベースに、鮮やかな金色の校章がついたカードだった。

 

「これなに? 綾香。プリペイドカードかなんか? 

 ビッフェのパフェ食べられるかな」とアーニャ。

 

「カードキー・・・ここの・・。

 正確に言うと、この建屋の理事長室と秘書室のあるフロアにいつでも入れる鍵」

 

「は? なんで?」とみるく。

「さ、さあ・・」綾香は嫌な予感しかしなかった。

 

「そっか・・・理事長のおじいちゃん。

 私たちを直属にするつもりかも」とアーニャ。

 

 

「「「イヤイヤイヤイヤ」」」

 

 

この理事長室の有る建物は、学院全体を管理する管理棟だが、6階のフロアは会議室と秘書課があるだけで、それ以外の職員も教員も勝手には入れない。

エレベーターロビーで秘書課を通すか、事前にアポをとり秘書課に取り次いでもらうしか無い。

 

「これ、学院のビッフェで見せたら、パフェぐらいタダにならないかなぁ」とアーニャ。

 

「「「 やめなさいよ!! ぜったい!! 」」」

 

それから半月後、私服の女性警察官が訪れ、簡単な事情聴取と証拠物件の引き渡し、現場での説明を行った。

私たちの大量の画像データも添えて。

 

スタンバトンを見て難色を示したが、画像を見てお咎めなし。

ただし、学院内での使用に限る事を約束。

 

「あのガタイの良いおばちゃんの人、絶対刑事だと思ったのに鑑識だったなんて。

 解んないもんだねー」とアーニャ。

「アーニャ・・・それ私も思ったわぁ」とプージャ。

「でしょでしょ?」

「それもし、また会っても関係者に言わないでよ?」と綾香。

「そうね、お上に喧嘩売っても良い事一つも無いから」とみるく。

 

後藤理事は、辞表を理事会で出すも理事会はこれを拒否、解任された。

結果は同じだが、辞表でやめるのと解任では全然意味は違う。

 

犯罪を犯した後藤沙月は逮捕され実名報道。

未成年である残りの2人も逮捕される。

薬物関係の罰は非常に重い、未成年であっても逮捕となる。

悪質な場合は実刑判決もある、しかも執行猶予なしの。

 

事態を重く見た理事会は、理事全員で謝罪記者会見を行い、理事も含め学院全体を監視、指導、調査する部門を立ちあげ、既に稼働し、この事件の調査・摘発もこの部門の手柄であることを明言した。

今後も強化を行い、この様な事件の根絶を約束した。

 

学院は後藤沙月と、つるんでいた3年生の2人を除籍処分とした。

残りのもう一人の2年生は、薬物に直接絡んで居なかった為、退学処分となった。

 

暖かい日差しの午後、体育の授業をサボった四人は、学生の気配が無いビッフェのパラソルの有るテラスで、お茶を楽しんでいた。

 

「んむっ・・・んふっ・・んふふっ・・」

 

特盛パフェを美味しそうに頬張るアーニャ。

その表情は、最高の笑顔で頬を膨らませ、食べる小さなげっ歯目の姿に似ている。

それをニコニコと、眺めるみるくと綾香。

そして、話を聞いて頭にハテナマークを幾つも付けている、プージャの四人だ。

 

「でも、なんで水木会が、理事長直轄になったのかしらぁ。

 まだよく理解できないわぁ」とプージャ。

「そうね、うがった見方をすれば、試しているのかもしれないし、単純に動きやすくしてくれたのかもしれないし。

 ま、そっちは大した事じゃないんだけどね」とみるく。

 

「でも、逆に動きにくくなるかもね。厄介だわ」と綾香。

「どうして?」とプージャ。

「いままで、教職員の調査は、あくまで”協力”の範囲だったじゃない。

 それが今度は対象が学院の上層部までも含まれるって事。

 権力は理事長を除けばトップよ。

 それに最大の問題があるのよ」と綾香。

 

「大学・大学院も含まれるって事ね。綾香。

「・・うー、 今更ながら気が重いわぁ」とみるく。

 

「大丈夫だよ、美登里さんもいるし、瑠衣さんも大学行くでしょ。

 まあ、少しはメンバー増やさなダメかもしれないけどね。

 大学側からもメンバー出せばいいんだよ、美登里さんなんか適任じゃない」とアーニャは言った。

 

”うそ、もうアレ食べたの?!!”

 

アーニャの前の大きなパフェグラスは空だった。

 

「まあ、そろそろ忙しいのは終わると視て良いと思うよ。

 大学の連中は、そんなおバカは少ないし、ましてここの大学・短大は偏差値高いじゃん。

 後はウフフ、キャハハたのしい学院生活・・・だと良いなぁ」とアーニャ。

 

「あ、そう言えば、みるく」

「なあに、アーニャ」

「私もみるくの手法真似てさ」

「?」みるくと綾香は飲み物を飲みながら聞いた。

 

「聖水試してみたんだ」

 

「ブフォッ・・」

「ゲホッ、ゲホッ・・ゲッホゥゥ・・オエッ・・」

 

「きゃははははははっ!」プージャは吹き出した二人を大笑いしている。

因みに、みるくと綾香はジンジャーエールで、プージャはクリームソーダだった。

 

「ね、アーニャ・・けほっ・・狙ったでしょ絶対。

 狙ってるよね。

 怒んないからいいなさい!」

と流石のみるくも少し怒っている。

 

「結構応えるわね・・実際やられると・・はぁ・・」と綾香。

「私ならのんで・・ぶふっ・・あげ・・あはははっ・・」

プージャは笑い転げる。

 

「んで? 美味しくなかったの?」と、みるく。

 

「うん、アスパラガスが良くないっての、コロッと忘れて、大量に朝にサラダで食べちゃってね。

 いや、ニンニクドレッシングかけたアスパラガスが、凄く美味しかったんだよ。

 トドメに、おしっこ、冷蔵庫で冷やしちゃったんだ。たっぷり24時間」

 

「ひいっ・・はっはっ・・で、犠牲者は? プフッ」とプージャ。

「愛と美奈。

 すっごい漏れそうに為るまで溜めても、せいぜい三人分なんだね。

 おしっこって」

 

「で、勢いよくゴクゴク行こうと飲んで、一瞬間を置いて、全員吹き出したよ。

 まるでマーライオンみたいに、私も含めてね。

 三人とも、吐き気と匂いで、えづいて暫く動けなかったよ。

 おかげて、全員とんでもない臭さでさ。

 しかも愛の所のダイニングが、大惨事でしょ、もう愛の所に遊びに行けないよね。

 ホント掃除が大変だったよ。

 いやぁ、うちでなくてよかったよ。

 もしウチだったら畳が全滅した所だよ。

 やっぱりアスパラガスが、いけなかったのかなァ」とアーニャ。

 

プージャの体が椅子から崩れる様に転げ落ちて行く。

 

「あのね、アーニャ。

 尿って時間経つと、成分が分解してアンモニアが発生するの。

 トドメに、ニンニクも禁忌よ。

 だからとても飲むどころか毒よ、それ毒。

 よく口に入れたわね」とみるく。

 

プージャは既に椅子から転げ落ち、笑いすぎて、過呼吸に陥っていた

半分シースルーのスキャンティが、丸見えなのも気にせずに。

 

 

ちなみに、学院は寮の自治権を取り上げ、完全な管理寮としてリスタートした。

寮の体制変更に伴い、彼女の雇用母体が消滅したため、退職となったが、学院の正職員として再雇用され、結果として年収は、ボーナスも無い以前に比べれば倍以上という事になった。

寮母も教育を施し二名体制とし、問題を起こした寮母も、水木会からの強い申し入れによって、1か月の10%の減俸で済んだ。

最初はこのまま寮母を退職させる意向だった理事会も、水木会の寛大な処置を、との意向書を重く見て、正規に端正の正職員として再雇用とした訳だ。

 

それを聞いた彼女は泣き崩れ、何度もお礼を言ったという。

 

なお、後藤沙月の父親、後藤嗣敏は贈賄の容疑で逮捕され、学院の多くの教材や制服、機材などを納入していた彼の会社は端正と永久取引停止となった。

 

そしてその会社の取締役会で、代表取締役を解任され、代表権のない1顧問として閑職に追いやられた。

最大のドル箱を失った彼の会社は、2年後、業績不振により会社更生法の適用を受けることなく、解散した。

 

引き受けるファンドも銀行も会社も居なかったのだ。

結局、役員、重役、管理職は全員解雇され、残った社員の多くは藤原コンツェルンの関連会社が雇用し、不動産物件は二束三文で買いたたかれた。

 

その後を埋めたのは、多くが藤原コンツェルンの関連会社で、同じ納入金額なのに、服の生地は向上し、耐久性が増え、生徒や保護者には好評となった。

 

特に、レオタード、水着、ブルマはちゃんとした生地になり、学院内の両性たちをがっかりさせた。

後藤のグループを形成していた理事会の数名は、バックマージンが消え、しかもそれが何故か理事会にバレ2名の理事が解任に至った。

 

学院のホームぺージに公開された情報には、学内のある部門の調査・査察による、とだけ記されていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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