サバゲメインのお話です。
なので、少し短めです
みるく達は無事、中学3年生になった。
この一年で身長もぐんと伸び、153cmとなり、体重も48kgになった。
平均より少し少ないが、両性の場合、女子より少し長い間身長が増える事も多いので、期待しよう。
問題は胸とオチンチンだ。
胸は去年買ったブラのCカップが既にきつい。
まだ、そんなに着てないし、傷んでも居ないから、捨てるのも勿体ないけど、使い道も無い。
気を抜くと、カップから零れ、乳首が服の中でコンニチワする。
緩ければ、乳首コンニチワは、知ってたが、大きくてもするのを初めて知った。
緩い場合はブラの下からコンニチワするが、きつい場合はブラの上からコンニチワするのだ。
ちゃんと運動もしているからウェストも絞られている。
周りの女子にもズルイと言われる。
ね、もっとすごい人忘れてない?
アーニャなんか、身長は私より1センチ少ないけど、もうDカップなんだよ?
ウェストだって、私より5センチも少ない。
で、ヒップも胸も大きい。
顔もあどけなさを残しつつも、大人と子供の中間をすっ飛ばし、とんでもない美人さんになりつつある。
なによ、まつ毛バッサバサって。
天使ちゃんから女神さまにクラスチェンジでもするつもりか。
オチンチンは不安になる程、大きくなった。
既に、18cmを超えた。
太さは言うまでも無く、40ミリと大きい。
アフリカ系ともタメ張れる。
ドャッ。
だが、アーニャはもっとすごい。
長さは19cmだ。
まあ、太さは40ミリと同じだが、私より1センチ弱長い。
いや、大きけりゃ良いってもんじゃない。
ずっとセックスしてきた娘達は、なんとか受け入れられるけど、成人女性でも初めてならきついよね、コレ。
縮んで居る時は、普通の男性程度だけど、クラスメイトのブルマ姿にムラッとすると、エロ漫画の様にデカくなる。
それを面白がって、ワザと陰唇に食い込ませて見せつける女子迄いる。
ヘタすりゃブルマの上からこんにちわだ。
そこの女子!
拝むな!
女子校というのはちょっと特殊な環境だ。
外部からは端正と言うだけで「お淑やかでしょ」とか「清楚なお嬢様」などと思われている。
世の男どもは幻影を捨てるべきだ。
もちろん、校風や教育からしてお淑やかなものだが、それは「外ヅラ」だけだ。
教師や職員がいない場所では、座っていてもつい足が開き下着が見えてしまっても平気だし、時間ギリギリに走って来た子なんか、スカートをパタパタさせている。
酷いのになると股を開き下敷きやノートでスカートの中を扇ぐ。
もちろん、見つかれば「お淑やかにしなさい」と注意されるが、学生だけだとフリーダムだ。
デカい乳は揉まれる、体育の後は制汗剤の匂いが充満するし、平気で下ネタは平気で飛び交う上、しかも下品。
基本スキンシップ過多で、人の膝に座りたがる、特に両性の膝の上は人気席だ。
生理用品の領授は「ある?」で通じるし、ブツが教室の中を飛び交う。
時折廊下に未使用の生理用品が落ちているし、持ってくるおやつがお洒落なお菓子でなく、おっさん好みのおつまみ。
バレンタインは単なるチョコ交換会となるが、両性の子には山の様に届く。
大雨の日は、そこかしこにソックスが干されるし、ストッキングまで干している。
要するに「女子の姿をした中身おっさん」である。
ちょっとあんたら両性が居る事を忘れちゃいないかい?
こちとら、でっかいオチンチン付いてるんだけど。
女子校ゆえに、周りに男が居ないもんだから、皆撫でたがる。
いや、だから御利益なんか無いからね、私のオチンチンは田舎によくある道祖神じゃ無いんだから。
女子に大きさを答えていたアーニャは、トイレットペーパーの芯を持ってきて、二つ繋げて「このくらい」なんて言ってる。
「きゃー! すごぉいっ!」なんてメッチャ盛り上がっているけど、現物目にしたらドン引きするの知ってるからね。
「アーニャちゃんもみるくちゃんも、おっぱい大きくスタイル良くて羨ましいなぁ」
よくそう言われるけど、普段生活するには邪魔なだけだからね。
立って、つま先見えないし、初めて降りる階段なんて結構怖いからね。
肩が凝るのは当たり前。
ブラが合ってないと乳首がコンニチワするし。
しかも、大きくなると、ブラって高いんだよ。
仰向けに寝ると重いし乳が体の横に広がるのが痛いし。
だから、ナイトブラ付けて寝ると、夏は暑苦しいし、やはり窮屈だし。
男性は知らないだろうが、体重の増減とは関係なしに、おっぱいの大きさが月経周期に合わせ変化する。
高温期に入ると大きくなるのだ。
いや、何って、おっぱいが。
しかも、乳輪の大きさと色まで連動して変化する。
乳は別の生き物のように感じる。
後、何故か胸の大きさ勝負に、いつの間にか勝手に参加させられている。
あと、市販の服も問題だ。
なにが問題って、市販の服は一般的な胸の大きさに合わせて作られている。
量販品だから仕方がないのは理解できるが、胸が大きい人にはなかなかお洒落な服が無い。
Cカップぐらいまでは何とかなる。
しかし、それ以上はデザインも種類もかなり既製服では制限される。
やっと見つけた「大きいサイズコーナー」は、単にデブ専用。
下着だってそうだ、「大きいサイズコーナー」に行くと、「胸囲がデカい」サイズは有っても「カップがデカい」サイズはほとんど無い。
これ以上大きくなると、既製服難民になりかねない。
胸に合せて買うと、長そでの場合は、袖が余る。
あと、乳に引っ張られて、裾の前の方が短くなる。
わきの下に盛大に皺が寄る。
綺麗にバストが膨らんで見えるシャツなんて、二次元の漫画の世界だけだ。
そんなものは売ってない。
ワンピースなどはウェストを絞らないと太って見える。
こっちはそのつもりがなくても、勝手に嫉妬されるのも勘弁してほしい。
ブランド物のワンピースも持ってるけど、ウェストを絞らない物は、傍から見ても妊婦にしか見えない。
今は悲しい事に、部屋着になっている始末だ。
ちくせう、高かったのに。
ノースリーブのセーターとか、冬物のセーター一つで街を歩くと、80%以上の男の視線が突き刺さる、主に胸に。
いや、胸だけと言っていい。
その次に視線が刺さるのはスカートと太腿。
特に端正のスカートは全国一じゃ無いが、短い部類に入る。
膝上15~20cm程だがフリルのペチコートが有るので、それを含めると12~17センチという所だ。
だけど圧倒的に風に弱い。
最近では多少捲れても気にならない。
世の男どもよ、その中には偶にでっかいオチンチンが有るんだぞ。
気持は解る、私だって半分男だから。
わたしだって、真っ先に視るのは顔より胸。
今では、胸だけで顔が見えなくても高確率でクラスメートを当てられる。
胸が大きいというのは、別にいい。
ただ、大きすぎると生活に支障が出るのが問題。
だって、走るとブラによってはメッチャ揺れる。
うん、痛いんだよ、しっかりしたブラじゃないと。
クーパー靭帯伸びたら垂れる未来しかない。
判らない人は、500mlのペットボトル2本を紐で繋ぎ、首から胸の辺りになるように、かけて見れば分かる。
それ着けたまま、四六時中生活してるんだよ。
それがCカップだ。
夏なんか大変だ。
男は知らないだろうが、乳の下も凄く汗かくんだよ。
それも、結構な量。
体育の後なんかブラがびっしょりで絞れるほど。
腕を前に伸ばせば勝手にお尻の様な谷間が出来る。
大きくなったら判るよ。
これで、子供でも生まれたら、どうなるんだろう。
ヘタすりゃ着れる服が殆ど無いんじゃないだろうかと、不安になる。
というか、何処まで育つんだろう。
ママみたいに大きくなりたいって言ってた昔の自分を呪いたい。
という事で、やってきました。
フェミール本社。
そう、本社だ。
一応開発要員として籍は残ってるけど、今は殆ど仕事は無い。
まあ、アーニャはデザイン関係で協力してるけど、何となくお給金を貰っているのは心苦しい。
社長の三枝さんに相談したら「そう言う事は、大人になってから言ってね」と一蹴された。
まあ、現時点でも、特に高いお給金じゃないから良いか。
そう、思う事にした。
本社のビルは立派な6階建て。
隣の児会社の後継者不足で畳んだ工場の跡地を借り受け建てられたものだ。
1階が受付と、ショーフロア。
2階が商品企画と試作部
3階が商品開発部と大会議室
4階が人事・総務
5階が社長室、小会議室、役員会議室
こんな構成だ。
東京と大阪にもオフィスがあり、海外事業部は東京に、大阪には法務部や情報システム部門がある。
元のビルはどうしたかって言うと、改装され直営店になっている。
社員数500人を超える企業に育った。
勿論、メインは幼児から若年層の女児用、女性用そして両性用下着がメイン。
日本だけでなく、海外の販売も大きい。
海外にはよくある女児ショーツやボクサータイプの物が多いらしい。
後は、ダボッとしたオーバーパンツ程度だ。
其処へ、女児の低年齢用のお洒落下着や、機能は女児ショーツと同じだが、ちょっと大人っぽい雰囲気やデザインを持った物を出した物だから大当たりした。
両性用はほぼ席巻している。
世界的な下着メーカーの両性用は、実はフェミーユのOEMだったりする。
インドや東南アジアのラインで製造は行っているが、製造が追いつかない。
特に、日本製の高級なシリーズは、国内の縫製会社がフル回転しても製造する傍から売れていくという状況だ。
日本に法人がある女性用下着メーカーのW社やT社とも熾烈な戦いだ。
だが、両性用に至っては、ほぼ独占状態にあり、長年のノウハウあるフェミーユにはまだ太刀打ちが出来ない。
世界に事業所や法人を持つT社も両性の下着については追従も遅れており、実際にはフェミーユが代理製造している状態だ。勿論、幾つかの実用新案、特許も押さえて居るから、真似したくてもどうにもならない。
大陸製の粗悪コピー品が出て来ても、法務部ががっちりと叩き潰しに行くし、下手すりゃロイヤリティや特許使用料を請求され、低品質高価格となり、あっという間に市場から消えていく。
まあ、それでも雨後の竹の子の様に、次々出て来る大陸人は侮れない。
コピー品や模造品が判った時点で、即刻訴状が届くのだ。
過去の大きな赤い国家も、5つの国に分割され、西側諸国に治められている。
台湾はめでたく、独立を果たし、現在は第二の日本なんて言われているが、過去の海外政策の苦い経験から、台湾のラブコールには一定の距離を置いている。
台湾を除いて、こうした第三国には厳しい渡航制限や帰化制限が掛かっている。
韓国なんか、戦後はビザを取るには、複雑な手順を踏まないと下りないし、中国人、韓国人、ロシア人の三国はイミグレーションも別で、時間を掛け審査される。
日本はそれでなくとも元々、帰化や亡命には厳しい国だったのにだ。
桜さんも、今では開発部部長だ。
偉くなったものである。
「久しぶりね。
こうして合うのも」
「ええ、此処のビルになってからは初めてかも」
「ね、丁度いいわ。
採寸お願いできないかしら」
「え、またレロレロやるの?」
「まさかよ。
でもさせて貰えるのなら、何時でも良いわ。
丁度海外向けの両性用下着の開発中なの。
外国人の両性って、まだ国内では少ないのよ。
日本人じゃどうしても体型が異なるんで、そのまま海外展開も出来ないしね」
「私、今日単にブラ買いに来ただけなんだけど」
「そう言わないで、お給料貰ってるんでしょ?」
「それを言われるとねぇ」
流石に子供の頃の様なレロレロは無かったが、パンティ一つになり、全身をスキャンされた。
「みるくちゃん、育ったわねぇ。
バストEカップだよ。
あと、ボトムもサイズがギリギリね」
「はあぁ・・・また買い直しか・・・」
「やっぱり、みるくちゃんは体型はイタリア系なのよね。
その括れたウェストに大きな胸は反則よぉ。
日本人て、やっぱり寸胴なのを思い知らされるわ」
「ヨーロッパ系ならアーニャやジェニファーの方が良いんじゃないの?」
「勿論、協力して貰っているわ。
あと、後進国家は意外にモデルは集まるのよ。
ちょっとギャラ弾めば両性でもすぐに集まったわ。
問題は米国、イギリス、フランスなどの先進諸国ね。
法整備が無い物だから、何度か募集したけど、なかなか集まらないの。
本人が隠して生きて居るから、出て来ないのよね。
日本みたいに公にできないから」
「元ロシア圏なんかはどうなの?」
「あ、そっちはアーニャちゃんの家族も手伝ってくれて、結構集まってるの。
助かってるわぁ」
「アフリカ系なんかは?」
「ソコソコ集まってるけど、系統によって物凄く体形が違うのよね。
まるでヨーロッパ人の体型から、ホッテントット族の様に特徴的な体形まで様々ね。
恐るべし人類の発祥地という感じね」
「じゃ、そろそろ私ショップの方に戻るわ。
ブラ買いに行かないと」
「じゃ、今日のモデルデータのお礼に好きなだけ選んでいいわよ。
体形はE-4C6.244。
このカード持って行けば合うサイズすぐ出してくれるから。
あ、ちょっとまって、部下一緒に行かせるから」
結局、私は桜さんの部下の人とショップに戻り、両性用のセットを12セットとパンティだけを5枚求めた。
清算しようとしたら、部下の人が「経費として計上しろと部長から言い遣っていますので頂けません」と頑なだ。
逆に「少なすぎます、あと、サニタリー用も選びましょう」と言われる。
結構な荷物になったので、宅配で送ってもらう事にした。
聞くと、アーニャは既に先月同じようにデータを取り、下着を30セット以上持って帰ったとの事。
どの道、また体が育てば買い直しが必要となる、着ない物はもったいないだけだ。
水木会の方はひと段落ついた形だが、何気に生徒会の方が忙しい。
中等部の年代ではまだヤンチャな年ごろで、ある程度分別が付いた高等部とも違う。
それでいて、大人と大差ない娘から小等部ではと思う娘まで様々だ。
学院祭が終われば、3年生は下級生に引継ぎを行い。
大体、夏休み前にはお役御免となる。
引継ぎについてはアントネラちゃんや真理ちゃんがしっかりしているので、何の問題も無い。
水木会も身体能力の高い娘を集めた機動班と、頭脳系を得意とする解析班の人数も何とか確保している。
アーニャや私の様に、どちらも対応できる人は少ないけど、ローテを行い、余程苦手でない限りどちらの業務も有る程度こなせるようにしている。
突出した力量の少ないメンバーより、平均レベルを上げた方が、組織全体としての力量は向上するのだ。
大学にはいれば、私は顧問か相談役に引っ込み、後進に譲るつもりだ。
これについては、真理が育ってきていて、ある程度の判断も問題無くこなす様になってきた。
まあ、今でも偶に「来ちゃた」をやられるのは考え物だが、何年も掛かって踏み外しそうになった道を少しづつ矯正し、大分普通の思考ロジックに落ち着いてきた。
でもイメクラ遊びは楽しくてやめられないらしい。
後の事は、彼女たちの後進が考えることだ。
落ち着いてきたら、縮小しても良いし、活動範囲を狭めてもいい。
私はずっと、必要が無くなれば解散しても良いと常々言っているし、そう伝えてきた。
後は後進の仕事だ。
現在は月に2回ほどのコアメンバーミーテングと2カ月に一度の全体ミーティングだけで落ち着いている。
小さなインシデントは有ったが、アクシデントや事件にまで至る事象は見られていない。
幾つかの業務も生徒会で出来る事は、高等部を除いて、生徒会に移管した。
流石に、高等部はあれだけの事件を起こした傷跡が癒えず、未だに水木会への「お伺い」が来る。
出来るだけ自主性をもって行って欲しいと言ってもだ。
それだけ、あの事件の傷跡は深かった。
「では、今回の訓練はUAB5は、機動班で。
全体ゲームは、15対15となる予定です。
あと、向こうから申し入れが有ったのですが、アサルト1丁、ハンドガン一丁のバーサスで、私達もこれに則って装備します。
今までの様に相手は銃、私達はナイフとショックバトンというゲームでは無くなりますので、有利に運ぶと思います。
あと、これに伴い、水木会の装備の内幾つかを変更します。
ヘルメットも痛んできているので、これを機に更新し、オプスコアの陸自仕様になります。
服装もこれに伴い、陸自迷彩柄のバトルスーツとなります」
「ちょっと質問」
アーニャが手を挙げた。
「はいどうぞ」
「それは現在の第一種防装のスーツも変わるって事?」
「いいえ、迷彩の陸自装備で学院内を走り回る訳にはいきませんので、従来通りです。
ただ、ヘルメットは迷彩となりますので、別途訓練用の迷彩陸自仕様と学院内で使用する黒色の仕様の2つとなります。
現在ある、ヘルメットは予備装備となる予定です」
プージャは答えた。
第一種防装というのは、相手が刃物や打撃武器などの武装が想定される場合の防御装備の事だ。
学院の高等部の制服を基準としていて、似通っているが素材は防刃素材に変更されている。
まあ、細かく見れば細部が色々と異なっているのだが、ぱっと見には普通の制服に見える。
この第一種防装のベーススーツは、それよりも危険性の無い場合にも使用され、この服に防刃性の有るカームカバーや薄手のセーフティベスト、7分丈のスパッツを装備するのが第二種防装となる。
いわば、大立ち回りを想定していない、あくまでも不意の攻撃を受けた場合の防御を想定している。
一方、第一種防装は、銃火器の対峙には対応していない。
銃火器が相手だとなると、学院の対応範疇ではなく、警察や自衛隊の範疇だからだ。
ただ、万一の場合を考え、頭は自衛隊の特殊作戦群でも採用されているオプスコアヘルメット、顔はANSI Z87.1規格をクリアするミリタリーアイウェアを装備する。
つまり防弾性が高いくIED(即席爆弾)や跳弾、爆発破片にも対応できるワイリーエックス社製のブラックオプスとフェイスプロテクター、ケブラー製ネックガードと3ミリのドライカーボンが入ったタクティカルベスト、肘と腕の外側にカーボンプロテクターが入ったアームカバー、ドライカーボンのニーガードが付く防刃タイツ、手はタクティカルグローブに足はタクティカルブーツだ。
第一種防装を装備すると相当にごつい。
実際に自作銃やIED、威力の低い自作銃程度では何の問題も無く、拳銃弾でも当たり所によるが、防弾性を持っている。
まあ、散弾銃のスラッグ弾やライフルだと対応はできないが、そうそう、高威力の銃を扱う相手は警察以上の対応となる。
どうしてこんなことになったかというと、最近立て続けに国内で銃を使った事件が相次いだからだ。
自作銃や猟銃ならまだしも、チャイニーズトカレフ、骨董物のAK47コピー銃、韓国製のK5拳銃、そして安くトカレフの古い物やマカロフが確認されている。
これに対し、日本の警官は未だに38口径の弱装弾という、俗に「ションベン弾」なんて渾名で呼ばれるレボルバーだ。
当然アサルトライフルの相手になる訳も無く、28名もの死者を出してから自衛隊が出動すると言った事態に陥った事件もある。
端正の中にも絶対に銃は来ない等と言えるわけがない。
銃に対する心構えと、最低限の訓練は必要と言える。
そして、実戦ほど訓練に勝る物は無い。
「ね、エアガンは何使うの?」
アーニャが再び聞く。
すっかりサバケー気分だ。
「今回使用できるエアガンは、実銃が存在する仕様で、なおかつ実銃と同じ装弾数という縛りがあります。
今回使用するのは、アサルトが東京マルイのP-90プラスですね。
私たちの体格、身体能力から言って丁度良く、なおかつ屋内戦闘も考慮すると、これが最適解となります。
今回は使用するエアガンは実銃と同じマガジン形状での装弾数で65発入りますが、今回は50発しか装填できません。
なおかつ装填しているマガジン含め、2本までしか持ち込めません。
よって、装備弾数は100発となります。
ハンドガンは同じくP-2022で、標準マガジンで実銃と同じ装弾数、マガジン数は3本しか持ち込めません。
よって、装備弾数45発。
ゲーム開始前に、運営側から0.25グラムの生分解性マッチグレード6ミリBB弾が支給されます。
もちろん、弾の予備は一切持ち込めません。
てすから、当方は1人当たり最大145発が持ち込める最大弾数量になります」
プージャは説明する。
「なんか見え見えに勝ちに行ってる仕様の弾数ね。
勝敗の決定方法は?」
今度はみるくがプージャに聞いた。
「UAB5は殲滅戦、15対15はフラッグ戦ですが、今回はフラッグ戦に似ていますが、ボタンが市街ビルに1か所だけ用意され、先にこれを押した方が勝ちになります。
UAB5は市街のみの戦闘で、町の両端から中央のビル目指して戦う事になります。
フラッグ戦ですが、これは敵の殲滅は必須要件では無く、どちらかが先にボタンを押した方が勝者となります。
ボタンの有るビルは、マップに明示されますが、ボタンの場所は探してもらう事になります。
ヒットした場合は、通常はヒット宣言と共に手を挙げて会場から離脱です。
もちろん、ゾンビ行為はその時点で判定負けとなりますので、注意してください」
「会場はいつもの場所ですか?」
真理が手を挙げた。
「はい、いつもの藤原環境開発のサバケーフィールド ブラックオプスですね。
今回はその中の森林エリアからスタート、市街戦となり、市街にあるボタンの有るビルを目指しますが、森林エリアは町の東西方向の両側にあります。
森林エリアのそれぞれのゲートを抜ければゲーム開始となります」
「うへえ、結構走り回る事になりそう。
そこそこ広いよ、あそこ」
アーニャがゲンナリとした。
「開催はまだ先ですが、私達もエアガンの習熟が必要です。
皆さん張り切っていきましょう」
私たちが銃を取り扱う事は、先ずないだろうが、経験しておく事は無駄ではない様な気がする。
まあ、ゲームを楽しめればいいなと、みるくは思った。
警備部とは、ずっと訓練を依頼してきているので、今回も装備が揃い次第、訓練と称したサバゲー遊びだ。
「暫くぶりですね、黒崎さん」
「とは言っても、2か月ぶりだよね、高園さん。
先々月訓練したばかりだし、まあ、元気そうで何より」
「みるくちゃん、またおっぱい育ってる?
良いなぁ・・」
元警察官は宣う。
「いえいえ、重いばっかりで大変なだけですよ。
街を歩けば、エッチな視線が突き刺さりますし、ナンパは多いし」
「スタイル良いものね。
でもあまり否定すると、胸が無い人には嫌味にしか聞こえないから」
新婚の元自衛官が言う。
「そう言えば、ご結婚されたんですよね。
おめでとうございます」
「ありがとうございます。
これを機に即応予備自衛官も退官したけど予備自衛官は辞めさせてくれなかったのよ。
手当だって、微々たるものだしね、子供出来たら退官してやるの」
管理棟の会議室で打ち合わせを始めた。
訓練に良く付き合ってくれる、元自衛官と元警察官の2人も一緒だ。
この春、黒崎さんは警備司令補に昇進した。
元自衛官と元警察官の2人も勉強をして資格を取り、それぞれ警備長補と上級警備士に昇進している。
そして、黒崎さんは新しく作られた即応警備隊の隊長さんでもある。
即応警備隊は重大事案に対応する特務警備隊に似てはいるが、構成隊員が女性だけで作られていることだ。
また、特務警備隊のメンバーが実家の稼業を継いだり、定年退職した前警備司令長の後として昇進したりして、実働部隊のメンバーが減り、特務警備隊としての稼働が難しくなったためだ。
「なるほど、今回はエアガン使うって事ね。
遊び・・と言っちゃ悪いか・・・」
「ぶっちゃけ、お遊び。
真剣なお遊びだけどね。
考えたくは無いけど、端正内で銃が無いとは言い切れないのよ。
サバゲ好きの人居ない?」
「何人か居るわね、私の班にも4人いるし、1人は後輩で予備自衛官だから訓練かねて喜んで参加するわね」
そう、元自衛官はいう。
「私の班には、1人だけね。
でも、他の警備隊でも結構いるから、呼べば嬉々として参加しそう」
そう元警察官も言う。
「こちらは、参加者が8名ですので、そちらからあと7名お願いしたいのです。
こちらでも1名予備を持っていますが、予備の人を1名お願いしたいので、集めて戴きたいのは8名となります。
一応、藤原整備開発と水木会の共催訓練という事になってます。
なので出勤扱いとなりますので、休日出勤手当と、危険手当が出ます。
装備は、こちらで全て準備しますので、この為に、自費や経費でエアガンを購入したり装備を購入する必要は有りません。
ま、自分のエアガンを持ち込む場合は、実銃が存在するモデルであること、標準弾倉であることが条件です。
弾が当日ゲーム前に支給されますので」
「15対15なら、スナイパー置くのも・・ああ、実銃と違って射程がしょぼいか」
元自衛官ががっくりとした。
「そうですね。
エアガンのライフルでも射程は精々50m弱。
有効なのは開始初期の森林エリアから狙うか、隣のビルや建物から狙う程度ですね。
あとは戦術で代わって来ますが、私達はそのノウハウは殆どありません」
「ね、あんたと、班の予備自衛官、ちょっとだけ狙撃やってたって言ってたわよね」
「ええ、使っているエアガンもМ24をモデルとしたマルイのSVR-10ね。
やばいわよ、音がほとんどしないうえ、あの娘45メートル離れたターゲットでもほぼ当てるから」
「昔出してた古いタイプ?」
「ううん、新しい方、M24A2のモデルね、たしか10発の箱型弾倉が付くタイプ。
ま、エアガンは30発入るけど」
「予備弾倉は1本持てますからゲームでは、20発ですね。
マガジンに20発入れても良いし、10発づつ分けても大丈夫です」
「ちょっと詳細電話で聞いてくる」
そういって、元自衛官は離席した。
暫くすると、戻ってきた。
「やはりSVR-10の方はM24A2のモデルで標準弾倉が5発なんだって。
事情説明したら、凄く乗り気で絶対参加するって言ってたわ。
丁度、新しくМ40A6手に入れたから、それで参加するって」
そして、テスト運用の日がやってきた。
サバケーフィールドのホールに集まった者たちは管理センターの一室に居た。
「えーっと、その段ボールのこっちからここまで、装備を受け取り更衣室で着替えてください。
着け方が判らない場合は、何人かの自衛隊経験者と水木会のメンバーに聞いてください。
着替えたら、こっちで、エアガンを受け取ってください」
「ちょ、こんなの着るの初めて」
「うわ、自衛隊の装備より良いかも。
ちょ、これ特殊作戦群の装備じゃない。
このメット本物?」
「いいなあ、このグローブ・・高いんだよね」
元自衛官の2人は手慣れたもので、既に着替え、顔にドーランを塗り始めている。
ゲームでもスナイパー役で参加するメンバーだ。
「ねえ、P90ってマニアックすぎない?」
「このP-2022かっこいいなぁ、グロックじゃ無くてこっち買えば良かった」
姦しいに、年齢は関係ないらしい。
「えー、相手チームは結構有名なサバケーマーの混成チームです。
こちらの様に装備は統一じゃ無く、たぶんバラバラの筈です。
今日の訓練は、エアガンの習熟とインカムの習熟に慣れてください。
午前は、UAB5の訓練で、3チームに分けて行います。
相手チームも何回か此処で訓練するらしいですから、フィールドのメリットはありません。
装備は、ゲーム本番まで個人で管理してください。
終了後は、インカムを除いて皆さんにプレゼントしますので大切に扱ってくださいね」
「あの、私自分の銃持って来たんだけど、P90とP-2022は貰えるの?」
「皆さん同じに差し上げますよ、ご安心を」
「やったぁっ! ありがとっ!」
「ねえ、これってどのくらいするの、私まだサバゲ初心者だから判らないわ」
「全部で軽ーく、30万以上掛かってるわよ。
慌てて新しいエアガン買わなくてよかったぁ」
「・・・・」
それから、何回かの訓練を行い、結構ないい線になってきた。
チームを主導していくのはやはり元自衛官の2人だ。
予備のメンバーも交代でゲームに参加し楽しんでいる。
「私、新しいガン買っちゃったんだよぉ」
「何買ったの?」
「ガスブロでハイキャパ5.1のゴールドマッチ。
ニヤニヤしながら撫でてたら、弟にドン引きされた」
「そりゃ、引くわよ。私でも」
「でもガスブロ最高だよぉ。
なんてったって、ブローバックする時がたまんないのぉ」
着実にサバゲ娘が増えていた、それもマニアックな。
実は今回使用するエアガンは初速がメーカーに依頼し、0.25GのBB弾で86m/Sに上げてある。
これ以上初速を上げると、実銃扱いとなり違法だ。
今回は8ミリエアガンは禁止で、Co2エアガンも禁止だ。
使えるのはCo2以外のガスガン、コッギングガン、電動ガンの三種だけだ。
相手はコアな連中の集まりなので、持ってくるガンの多くは間違いなく違法ギリギリの初速まで改造してあるはず。
今回は、事前に使用する銃の初速検査がある事は事前に告知済みなので、問題は無いだろうが、何丁かは抜き打ちでテストされる。
「やはり、森林エリアでのスナイプは距離が有りすぎて無理だわね。
スナイプするとすれば、ボタンの有るビルの隣の少し小さいビルか、近隣の建物からのスナイプかな。
ギリースーツも使える条件じゃないし、結構不利かも。
ラダーやロープは使えるの?」
「規定では、ラダーはダメです。
ロープは10メートル以内なら装備可能です」
「ふむ、ならイケるか」
-----------そのころの相手チーム-----------
「なあ、今回の相手チームって、全員女性なんだよなぁ」
「そう、聞いているけど」
「ヒット後は普通通り、手上げて退場?」
「届いたルールブックではそうだな」
「それって、その場で赤布被るとかで、その場所でキル状態維持に成んないかな」
「なんでさ、今回は室内の狭い所も有るし、邪魔だし踏まれるよ?」
「いや、踏んでもらうのも嬉しいかなって・・・」
「・・・その腐った性癖、直せやぁぁぁっ!」
しかし、一応メンバーに聞いてみたところ、頭以外は踏まれても問題ないと、殆どの回答。
いや、1/3は嬉々として「構わず踏んで欲しい」と言っている。
チームリーダーは一応、運営に聞いてみる事にした。
結果はNG、何でも相手メンバーの中には、中学生の女の子も居るらしく、踏まれたら可哀そうでしょとの事。
結局、こちら側は絶対に踏まず、踏んだ場合はその時点で失格負け、最後のゲームだけで試験的に行う事になった。
ヒットした場合は、薄いが良く伸びる布で上半身をすっぽりかぶり、ゲーム終了まで倒れている事になる。
こちらの方は、頭以外は構わず踏んでいいと伝えた。
ちょっと、いや、メッチャ、ドン引きされた。
もう、30もとっくに過ぎて、妻子もいるのに恥ずかしい。
いったい、俺は何の交渉をやらされてるのか。
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ゲームの当日となった。
フィールドの管理棟には宿泊設備が無いので、早朝に集まる事になる。
向こうは、ゲーム参加者が15名、UAB5の参加者が5名の合計20名、サポートスタッフも入れれば25人と言う大所帯だ。
こちらは、参加者19名という、ローカルのにわか仕立てのチームだ。
デカい装甲車の様な車がゴヒユュュュと音を立てて入ってきた。
向こう側のメンバーが全員立ち上がり、注目しだす。
装甲車なんてこの日本では滅多に見る物ではない。
「うふふ、やっぱり目立ってるわね」
綾香がドヤ顔で助手席でふんぞり返った。
「そりゃ、こうなるわなぁ。
私だって、たっぷり1分ほど茫然としたもの。
これって、そのまま装甲兵員輸送車だものね。
綾香ちゃんこれってなんていう車?」
元自衛官が尋ねた。
「カナダで売られている、ヒューロンAPCって言う車両よ。
見ての通り完全なる装甲車だけど名目上は、走行レスキュー車っていう位置づけね。
普通に買えるし、輸入して車検通したら、あっさりナンバー取れたけど。
乗員数が16人だから中型以上の免許が必要ね。
標準状態の物だけど、アサルトライフルでは装甲抜けないわ。
50キャリバーなんかはオプションの装甲が有るけど、自衛隊以外持ってないでしょ、日本じゃ」
「なんでこんなの持ってるの?」
呆れと脱力から抜けたみるくが尋ねた。
「緊急用の脱出車両、災害用のね。
普段は座席外して、ミニキッチンやテーブルベットにもなる長椅子仕様なの。
今回は、こういう用途だからオリジナルに戻したわけ」
管理棟前の駐車場は黒山の人だかりだ。
「うわ、マジモンの装甲車だ」
「ちげーよ、装甲兵員輸送車だよ」
「てか、ナンバー取れるんだ」
「機銃は? わっ、横にインブレイジャー(銃眼)まで付いてる!」
「中見せて、お願い!」
「皆さま、後でお見せします。
まずは、ゲームミーティングいたしましょう。
イベントなんかでは展示をしますから」
運転していた大槻警備司令が降りて説明した。
もちろん、1人だけスーツでは格好がつかないので、皆と同じ緑色の斑人になっている。
まあ、被っているのは戦闘帽だが帽章は予備自衛官なので本物だ。
胸にはS徽章を始め、いつくかの徽章が付いている。
襟には、三つの桜に一本棒、つまり一等陸尉の階級章だ。
つまり、銃を除いてはほぼ自前だ。
私たちは、ゾロゾロと私たちは降りる。
「総員整列っ!」
私たちは装備のまま綺麗に整列する。
「相手チームの皆様に敬礼っ!」
ザッと音がして、綺麗な姿勢の敬礼が決まる。
この為に、何度か練習したのだ。
「総員、二列っ!
駆け足っ!」
ザッザッザッ
P90を両手で抱え、走っていく。
もちろん、大人と子供では歩幅が合わないので、そこは私たちに合せてくれている。
小柄だが、陸自の特殊作戦群みたいな格好の者が管理棟に向かっていく。
アーマーベストまで着ているから結構ごつい。
こんなのが近づいてきたら、マジでビビる。
だって、スナイパー役の2人は既に長物を背負っている。
殆どの者が、ポケッと見とれていた。
あと、何人かはスマホで動画を撮っている。
私たちはフェイスガードもしているから誰だか判らない。
「やべー、まさかと思ったけど、マジモンかも。
うわー、俺達タコ殴り確定かよぉぉぉ」
1人、ORZ状態で泣きが入ってる者が居た。
「さ、行こうぜ。
なに黄昏てんだよ」
「あれ、本職。
多分、スナイパーも本職。
知ってんだよ、あの人」
「号令欠けてた人?」
「とっくに退官したけど、自衛隊に3人しかいない女性S徽章持ちって言えば解る?
普通の人間や自衛官相手だと思ったら、大間違いだからね。
瞬時に骨折られるとか、首折られてあの行きとか、息するようにできるからぁ!」
「ま、マジか・・・なんて言う人?」
「ゴースト真白ちゃん」
「知らない間に近づかれて、アッいう間にやられるから付いたネーム。
たしか、隊でのコールサインもゴーストで通っていたはず」
「うそん・・・そう言って」
「嘘じゃねーよ。
階級章着けてたの後二人いたでしょ。
多分、即応予備自衛官か予備自衛官。
つまり、今でも訓練受けてる本職。
おれもまだ一応予備自衛官だけど、無理。
今日のはムリゲー確定」
「お、俺・・・帰って良い?」
「帰さないからねぇ。
一緒に殉職しよぉ」
ミーティングが始まり簡単な自己紹介が始まった。
「えー、と言う事で、申し訳ありませんが、一部のメンバーは、うら若き少女ですので、スマホ等での撮影したものは、個人で見て頂くのは構いませんが、撮る場合は必ず相手の了承を得てからお願いします。
また、SNSやネットにアップする事は絶対におやめください。
なかにはまだ中学1年生の女の子も含まれています。
お守りいただけない場合、特殊作戦群がこの世から「排除」に向かうかもしれません。
くれぐれもよろしくお願いします。
集合写真等は運営側で撮影し、希望者に配布しますのでよろしくお願いします。
ご質問は?」
「外の装甲車って見せていただけるんでしょうか」
「はい、キーは抜いておきますが、見て頂いて結構です。
あと、すみませんが安全の為、運転操作系やボタン、スイッチ類は触らない様にお願いします。
スーパーカー買える値段ですから」
ミーティングが終わると向こうの人が大槻警備司令に近づいてきた。
「あのー・・・真白教官ですよねぇ・・・ゴースト真白・・・」
「その名を知っているって事は・・・んっ? お前、確か山本・・山本隆2等陸曹か?」
「はっ、ご無沙汰しておりますっ!」
「今日はよろしく頼む、って、どうしてここにいる?」
「はっ、自分3年前に退官いたしまして、現在は家業の酒屋をやっております!」
「そうか、私も退官した身だ、敬礼はもういい」
「では定刻にゲームを開始します。
UAB5の第一ゲームの参加者は、準備の上、所定の位置についてください」
UAB5は3セット行われ、先に2セット取った方が勝ちとなる。
UAB5の第一ゲームは、市街を区切った50m四方のフィールド。
第二ゲームは、3階建てのマンションを使ったCQC。
第三ゲームは、300m四方の区域を区切った平屋やビルの複合となっている。
いずれも30分で決着がつかない場合は、その時点でゲーム終了、残存数の多い方が勝ちとなり、同数の場合は残弾数の多い方が勝ちとなる。
UAB5の第一ゲームに出るのは、みるくをはじめとした、水木会のコアメンバーだ。
ただし、綾香は参加していない。
ゲームが開始された。
「ヒットぉ」
まさかのアーニャが最初にキルされる。
手に赤いハンカチを持ち、片手をあげ場外へと去った。
「ふう、メットって結構暑いわ」
そう言って、ヘルメットを脱ぎ、フェイスガードを取った途端、彼方此方から声が上がる。
「わっ、すげー綺麗な娘」
「モデルさんみたい」
「でっか・・・」
それを気にせず、アーニャはスポドリをバキリと開け、豪快に飲みだした。
何人かは、ゲームそっち退けでアーニャを見ている。
「ヒットですわぁ~」
プージャが脱落した。
同じく、アーニャの横に立ち、フェイスガードを取ると、スポドリをコクコクと飲んだ後、頭部の装備を外す。
また、ため息と歓声が上がる。
「この娘、すげー美人さん。
インド人?」
相手チームも二人キルされ、ゲームは進む。
「ヒットしました。
離脱します」
真理ちゃんが、離脱する。
というか、装備を取って素顔を晒す度に、ため息とか歓声が上がっている。
あなたたち、どれだけ飢えてるの。
なんか気の毒になって来たわ。
相手が二人脱落した。
残り一人。
「ヒットぉ!」
アントネラちゃんが脱落した。
「おお、この娘もヒスパニック系の美人さん美人さん!」
どうでも良いけどサバゲーに来てるんだよねあなたたち。
美少女鑑賞に来てるんじゃないから。
残りは、1対1。
「貰った!」
そう言ったと同時に撃つ前に、ヘルメットにカンっと乾いた音がした。
「ひっ・・ヒットぉ。
何よぉ、弾避けるなんて聞いてないよぉ」
『ゲーム終了です。
勝者、ワイルドリコンチーム』
「あー、負けちゃった」
メットを脱ぎ、フェイスガードを取る。
「すげぇ、何で美少女ばっかり?」
流石に、サバケー慣れして、ガンの命中精度が勝敗を分けた。
しかし、いい線は行っていると大槻警備司令は褒めてくれた。
「明らかに経験の差だな」
「そうは言いますけど、大槻警備司令、弾避けるってアレ何ですか。
実銃でもそうなんですか?」
「まあ、BB弾は弾速も遅いし、見えるからなぁ。
白いから眼のいい奴は避けれるだろうな。
彼は結構動体視力いいから。
実銃は弾なんか見えんから、銃口の向きを咄嗟に判断して、避けるんだ。
レンジャーの連中なんか、ホント当らんからな」
「そんな人が銃持った場合、速攻で逃げます。
無理!」
「まあ、それが正解だ。
だが、それが出来ないのが兵士なんだが」
第二ゲームは、大槻警備司令を筆頭に、二人の元自衛官、元警察官、そして警備部の一人で構成された、端正警備部チームだ。
「インカム、確認」
大槻警備司令が小声で話す。
「アルファワン、コピー」
「ツー、コピー」
「スリー、コピー」
「フォー、コピー」
「フォーメーション1、セット。
一人づつ潰していくぞ」
「こちらフォー、セット完了。
いつでもどうぞ」
結局ゲームは僅か5分で、ワンサイドゲームだった。
大槻警備司令が選んだのは、CQCのフォーメーション。
管理棟には大型モニターが有り、CQCの様子はビルの屋内にあるカメラから確認できた。
動きもカバーも段違いに早く、素人の相手になどならなかった。
司令塔役をやっていた者が真っ先に倒され、後はグダグダになった相手チームは、モグラたたきの様に潰された。
『試合終了です。
勝者、端正警備部チーム』
「やっぱ、ムリゲー。
俺を真っ先に潰しに来るとは思ったけど、窓の外からって、ここ二階だよ・・・」
第三ゲームも、端正警備チームの楽勝だった。
「なにあれ、姿が殆ど見えないんだけど、あ、また一人やられた」
「実力の差、有りすぎ」
「自衛隊って・・こえーな」
「俺なんか、ヒット言う前に胸に三発貰ったもん」
広いフィールドにも関わらず、端正側は一人キルされたものの、18分で勝負を決めた。
『試合終了
勝者、端正警備チーム』
「いやー、まいりました。
真白教官」
「まあ、一応準現役だしな、仕事も警備だから鍛えてるよ。
お前も鍛えろ。
お前の仕事も体が資本だ」
昼食が始まる。
キッチンカーを手配してあることを事前に告知しているので、お昼を持ってこない人も居る。
「綾香、ここって食堂や宿泊施設作るの?」
「ええ、その予定よ。
始めは土日、祝日になるだろうけど、当たれば売店なんかもね。
自販機はもう置いてあるでしょ?
あと、休憩用のデッキもっと広くしなきゃだめね」
「あのぉ、一緒に写真良いでしょうか」
相手チームの男性がカメラ片手にやってきた。
「はい、良いですよ、せっかくだから両手に花なんてどうです?
アーニャぁ! ちょっとおねがーい!」
トコトコとアーニャがやって来る。
私と遜色ない大きな胸が揺れる。
暑いし窮屈だからアーマーベストは外していた。
「写真撮りたいんだって。両手に花で」
「いいよぉ。
じゃ、チーズ!」
ちょっとサービスして、両側から腕を抱く。
当然男性の腕には二人のふくよかな胸が当たる計算だ。
顔が赤くなると同時に股間が膨らむ。
お前は思春期の中学生か。
「あ、あのっ!
僕もおねっ!お願いしますっ!」
彼方此方で写真大会だ。
向こうのUAB5のリーダーは、大槻警備司令に引きずられ、ベンチの真ん中に座らせられて撮られていた。
両脇を決められた姿は、どう見ても、捕虜の確保写真にしか見えない。
と言うか、なんで手錠掛けられてんの?
プージャや真理、アントネラも同じような状況だ。
綾香は食後に装甲兵員輸送車の確認ついでに説明をしていた。
「これ、ちなみに日本で買うといくらぐらいですか」
「右ハンドル標準仕様で、1億5200万程度ですね。
外車販売とか海外クルーザーを手掛けている株式会社フジワラで取り扱い予定です」
「標準仕様での防弾性は?」
「アサルトライフルでは問題ありません。
もちろん実銃です。
338ラプア以上のライフルは抜けてきます。
大口径ライフル対応はオプションとなります。
IEDは問題になりません、タイヤもソリッドですから」
流石に価格を聞いた後では質問は少なかった。
まあ、クルーザーを買える人は居るのだから、何台かは物好きが買うかもしれない。
午後のゲームの時間となった。
装備を整え、15対15のゲームに臨む。
試合は白熱した。
「あ、ヒットぉ」
プージャが三人に囲まれ、ハチの巣になる。
ポケットから赤い袋を被り、上半身を覆ってコテンと横になる。
しかし、陰に隠れていた真理が二人を倒した後、もう一人に倒され、赤い袋を被った。
ボタンが設置されているビルの中には点々と赤いタラコのような不気味なオブジェクトが増えていく。
ボタンの部屋を見つけたのは相手チームの方が早かった。
が、結局は端正チームが勝った。
いつの間にか屋上からロープで窓を割り、2階のボタンの有る部屋にエントリー。
唖然とする相手チームの2人を、フルオートでなぎ倒し、ボタンを笑いながら押したのは、大槻警備司令だった。
「お疲れさまでしたぁ!」
ゲームが終わった後は、和気藹々と片付けながら歓談する。
「あ、みるく。
わたしちょっと、あの人に謝って来るよ。
階段でタラコになってたのうっかりふんじゃったんだ」
「大丈夫よ、アーニャ。
踏んでも良いってルールだったんだから」
「でも、踏んじゃったの股間だよ?
グエッって聞こえたもん」
「からかっちゃだめだよ」
「はいは~い」
アーニャは、ヘッドギアも全て外し、戦闘服だけだ。
タユンタユン、胸を揺らして小走りだ。
あんにゃろう、スポブラ忘れてるな。
もしくは、アーマー着けるから判らないだろうと思ってるんだろう。
彼女も結構走ってたので、足に来ていたと思いたい。
躓く様にその男性に抱き着き、慌てて恥ずかしがり顔を赤くして話している。
なんだそのアニメ声は、聞いたこと無いぞ。
それになんだ、その仕草は、何時からカマトトになった。
みるくは、そこで確信した。
”揶揄いに行ってる”事を。
みるくは、そっと心の中で男性に頭を下げた。
”いろいろと、本当にごめんなさい”
男性の方も身振り手振りで必死に何ともないことを説明している。
顔も真っ赤だ。
あのね、お兄さん。
その娘、とっても綺麗でおっぱいも大きいし、天使と女神の中間みたい娘だけどね。
腹黒天使とか堕天使とか言われてるよ。
何より、貴方よりでっかいチンポ付いているからね、その娘。
それも見たらドン引きする位の大きさの。
これ以上マズイと踏んだ私は、腰を上げアーニャの回収に向かった。