米米米終局特異点及び亜種特異点新宿のネタバレ及び真名バレありです!※※※
マイルームに燕青を招き入れて、背中越しに俺は言った。
「頼みたいことがあるんだ」
「マスターの頼みなら簡単には断れねえなぁ。で、内容は?」
いつもヘラヘラしているけれど刺青の印象的な優男だが、燕青はきちんとやることはやる義侠の男。
それ以上に俺の頼みは彼が類まれな変装の達人、幻霊ドッペルゲンガーの能力を使いこなせているからこそ頼むのだ。
「マシュになってくれ」
「おう。んでどうすんの?」
「パンツが見たい」
「…………」
「その幻滅した、って感じの表情やめてくれないか」
「あ、ああ、ちょっと驚いちゃったよ。いや、目的がどうも下品なものにしか思えなくってね。それでマスター、どういう意図があって……」
「いやそれは。燕青、お前も男なんだから分かるだろ」
幻滅を通り越して燕青は悲しそうな表情を浮かべていた。
「……なぁマスター、アンタ今までいくつの特異点を修復したんだっけ?」
「京都とかは特異点になる前だった、みたいなのもあるから厳密には分からないが、十は超えているな」
「それがよりによってアンタの相棒である盾のお嬢ちゃんになれってか」
燕青の幻滅と悲嘆の混ざった表情には、きっちりと俺の常識を疑うような目がある。
そりゃもちろん、そうなるとは思っていた。だからまだ俺は引かないぞ。
「分かってくれ。俺にだって……俺にだってオナニーの自由くらいあるはずだ!」
「なんだよ突然」
「牛若とかドレイクの姐御とか! なんかめっちゃセクシーな格好してる人いるじゃん! そもそもお前もだよ、お前そんな半裸で……いけませんよ!? 半裸なんて!」
そりゃ未成年ったって分別はつく年だ。自分なりにそういう、性欲の処理みたいなこともきちんと考えてた。
このカルデアが外部との繋がりが無い時も、特異点でマシュと離れずずっと一緒にいる時とかの禁欲とかもあったけれど、我慢した分発散したりということもある。
一番ヤバいのはスカサハさんと水着の時だな……無人島が妙なことになったりしたけど水着のサーヴァントたちと一緒にサバイバルした時は素直にYARIOに混じりたくなるほどだった。
と、思い出しても仕方がない。大切なのは今の話だ。
「燕青、俺はそれなりに禁欲が多い身分というか、特異点次第によっては何日も何か月も命がけの活動をしなければならなくなる。その間、マシュには決して手を出していない、これは誇ることでもなく当然のことだ。マシュは穢さない」
「お、おう……」
「でもな、特異点に行ってない、今みたいな自由な時期。そういう万が一の間違いがないように快適な生活を約束しなければならない。ドクターがいない今、そういう物の手配をしてくれる人もいなくなった」
あの人は医療班のトップだけあってそういうケアもばっちりだった。いやエロ本は単に彼の趣味かも知れなかった。我々は惜しい人を失った……ホームズはなんか面倒臭いし……。
「要するにだよ、良いオカズが欲しい! だから燕青にマシュになってほしいんだ!」
「結局言ってることは変わってないねぇ」
そりゃ最初に本題を切り出したから、そうなる。
「ダメか……」
「いや、いいよ?」
燕青がダメとなるとダヴィンチちゃんくらいしか頼める相手がいないんだよな。でもあの人、中身がおっさんって言ったって見た目は美人の女の人だし声もそうだし、そういう頼みするのめっちゃきつい……って、え?
「いいの?」
「嬢ちゃんにも頼めないことをこの俺に頼んだんだ。そりゃ無碍にはできないねぇ」
流石は義の男! 既に燕青は悲しみも幻滅もない、頼もしい笑顔を浮かべてくれている!
「そ、それじゃ早速そこに座って……」
燕青をベッドに座らせて、早速その変装の腕を見せてもらう。
女性のように滑らかな美しい髪は、ショートの薄紫に。
半裸でむき出しにされていた引き締まった筋肉も、たわわな胸のふくらみが明らかにわかるシャツとパーカー、短い黒のスカート。
身長すら低くなっている、そこには等身大のマシュがいた。
「お、おおお……」
「どうですか、先輩?」
声まですっかりマシュだ!
「す、すげー……」
「あの、本当に、するんですか?」
「パンツお願いします」
変装というか変身というか、変わる姿を目の前で見ていたはずなのに。
今、ここにいるのは本物のマシュなのではないかと不安になるほど……いや、これはもう本物のマシュだ。
「あの、ちょっと待って……俺に勇気を……」
「やらなくていいんですか……?」
恥ずかしそうな上目遣いが、興奮に昂ぶっていた心臓を急激にちくりちくりと突き刺す。
「燕青なんだよな!? 燕青なんだよな!?」
「はい、私は燕青さんですが」
「マシュ風に言うのやめて! その姿だけど普通に燕青でいて!」
「注文が多いなぁマスター」
呆れて溜息まで吐く、少し粗暴な姿は、声がマシュのものであっても確かに燕青だった。少し落ち着く。
「いや、完璧。激似。引くほど似てる」
「へっ、そりゃどーも。それで、やるかい?」
「はい、お願いします」
少し落ち着いたとはいえ昂ぶる胸の鼓動は、白くて細いマシュの指が黒いスカートに手をかけられて、扇情を煽るようにゆっくりと持ち上げられる様子を見ているとますます早くなる。
白いレースの下着は清純な中どこか色情を感じさせる。マシュの白くて健康的な肉感のある太腿も相まって触らずに股間に血液が集中していく。
「……あっ、ヤバこれ……」
「……そんなにみられると、恥ずかしいです、先輩」
「あっ!! お前っ!」
勃起した。不意打ちマシュの恥ずかしそうに照れた上目遣いで、あっさりとズボンでテントを作った。
「罪悪感出るからマシュ真似はやめて……あと恥ずかしいからちょっと下を脱ぐの時間かけるけどしばらくそのままで……」
「本当に注文多いねぇ……」
今、目の前にいるのはあくまで燕青なのだ。そう脳に刻み付けておかないとマシュに対して色情をぶつけてしまう。
いや、そりゃ俺もいずれはマシュと結婚とか、っていうか告白もまだなんだけど、きちんと通じ合いたいと思う。公私ともに支え合いたいし、親バカみたいな感じかもしれないけど彼女のことを本当に大切に想っている。いずれはそういう色情もぶつけ合うみたいな関係にもなれるなら素敵だ。
でも今はまだマシュの大切な時期だ。彼女の負担は減らしたいし、俺が彼女に負担をかけるわけにもいかない。
今前にいるのは男だし、性処理のために強靭なサーヴァントの姿だけを借りるのだ。
マシュの前で性器を晒すと考えるのは無理があるが、燕青なら、まあ、みたいなところはある。
少し深呼吸して、マシュの顔をちらっと見て、よしと心中で呟いてズボンとパンツを一気に下げた。
割と溜まってたらしく、既に先走りが出ていて痛々しいほどに陰茎は膨らんで屹立している。うぅ情けない……早くシコろう……。
とは思うが、一つ問題が生じた。
燕青に迷惑かけてる分できれば早く済ませたいが、早く終わったら終わったでこいつ「あららぁマスター、そんな早漏で大丈夫ぅ?」みたいなこと言ってくるかもしれん。
いやパンツ見てガチガチに勃起してる時点でアウトな気もするが、燕青は恥ずかしそうに俺のチンコを見つめるという処女みたいなマシュのあれをしてくれているから今は気にしないで済む。だが完全に女性として徹しているから、やっぱりすぐに出してしまいそうだ。
「燕青、そのマシュっぽいリアクションもできればやめて」
「は? いや……どうしたらいいんだよ」
「えー、なんか、いつもみたいにヘラヘラしてて」
「俺のイメージそんな感じなの?」
ちょっと燕青に表情作ってもらったけど、なんか今度はちんちん小さーい、みたいなこと言いそうなマシュになってる。そんなマシュはいません。
「この際、目閉じて無表情で」
「……早く済ませろよな」
吐き捨てられたけどそうしてくれる優しい燕青。
そして俺はやっと気づいた。オナニーの手伝いしてもらってる時点で相当恥だし、今更早漏だの短小だので恥なんて思わない方がいい。
思い切りシコろう。何も気にしない、俺とお前、二人だけの空間だから。
慣れ親しんだ右手の動きも、目前にマシュとパンツがあるから一つ一つの動きが今まで以上に熱く激しく興奮する。
「マシュっ! マシュ、マシュ、マシュぅ!」
「………………」
燕青は強くぎゅっと目をつぶっていた。ちゃんと手はスカートに添えられて持ち上げっぱなしだ。申し訳ない、もうすぐ出すからな……!
雪のように白いマシュの太腿も、きちんと血が通っていて、生きた肉の感触がある。
きっとそれをひとたび触れて味わってしまうと後戻りはできない。見るだけで、済ませよう。
それが俺なりの、マシュへの愛だ。
「マシュっ! 出る!」
本当にいつもより断然早く、ことは済んだ。
一度目どくどくと白濁をマシュの腿に出して、後から二度、三度と力ない精液が地面にぼたぼた垂れていく。
大したことはしていないのに疲労感も満足感もひとしおだった。今すぐ眠ってしまいたいほどに妙に疲れた。
「……ん、どうでしたか?」
「マシュらないで」
「……ああ、ごめんごめん」
軽く笑いながら、立ち上がったマシュは既に元の燕青の姿になっていた。
「んじゃ、これでお開きだよな?」
「……うぅ……はい……ありがとうございました……」
申し訳ないやら情けないやら、合わせる顔もない具合だけど、燕青はそれでも笑ってくれている。最初の幻滅とかじゃない分、嫌われたりとかは……いや普通するよな。
「ま、次があったらまた呼んでくれよ。じゃあな」
「あ、いんですか? ああ、はい……」
とりあえず、床の掃除をしてから寝た。
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無様で情けない姿だとは思った。そりゃあそうだよなぁ。
だがマスターは忘れていたのか、俺は変装した相手の記憶を得る。
マシュの記憶にあるマスターは……あまりにも素晴らしい。
俺の主に相応しい男だった。人類と人理を守るべき男だった。
そしてそれを、現にアンタはこなした。俺の主よ。
俺も少しはこの姿で戦わないと、塗りつぶされちまう、マシュの記憶に。
そうなったらたまらねえよな、アンタも、俺も。
太腿にかかった精液を指先で掬い、口に含む。
――あぁ、俺は何をしているんだろうなぁ……。