壱与ちゃんの活発だけど根暗でもあるギャップが好きなのですが、あまり二次創作の文章見ないので自分で書いてみました。
健全版とR18版を同時投稿です(大筋は大体一緒)。ピクシブにも同時投稿。


1 / 1
描写があるのでR18ですが、そんなにはっきり描写があるわけでもない。



【R18版】壱与とマスターが夜に恋人っぽい会話する短編

 

 

「未来さんって、あったかいれすねえ」

 

 

 

 天井の照明を弱めたマスターの部屋。

 ベッドの上で髪を解いている壱与は、隅に座る立香の膝を枕に寝転がっている。

 顔が赤く、回らないで呂律むにゃむにゃとうわ言を言って気持ちよさそうなのは、先ほど飲みすぎた金色の飲料のせいかもしれない。

 2人が裸なのは事を成した後だからであり、多幸感に包まれながら、少女は頬を彼の頬にすりすりとこすり付けて甘えていた。

 

 部屋の外は、深夜で静まり返っている。

 互いに汗ばんだ肌。

 細く軽やかな足は布団の中で立香のものとじゃれつくように絡み、小さな手は立香の肩に柔らかく添えられている。

 小ぶりな胸をぎゅうっと相手の胸に密着させ、頭の周囲には花が舞っていそうなほど彼女はとろけた笑みを浮かべていた。

 しかし不意に、暗い感情が浮かび上がる。

 それは彼女が普段陽気にふるまいながらも、自身に女王として劣等感を感じていることによる、突発的な症状であった。

 

「……本当に私なんかでよかったんですか?」

 

「どういうこと?」

 

「ほら、私ってばぁ……暗いじゃないですかぁ。不運体質で、ジメジメとして、それに重い女ですよ。未来さんの周りの方々と比べても、地味で、すっごい強いわけでもないですし……」

 

 日頃の彼女を知れば、誰もが異口同音に「そんなことはない」と言うだろう。

 活発で、よく動くことが好きで、表情も豊か。

 一生懸命に働き、仕事終わりにはお気に入りの一杯を満足そうに飲んでいる。

 生前の女王としての能力が足りないことを嘆いてはいるが、カルデアにおいては与えられた仕事を十分にこなしている。

 

 けれど、立香は知っている。

 彼女が本音を晒すとき、そこには自らの出自に対する劣等感と、頑張りながらも卑弥呼のように天性の才能がなかったという負い目があることを。

 

「それも含めて壱与さんのことを好きになったんだよ。それに……」

 

「それに……?」

 

 潤んだ瞳で壱与は立香とじっと目を合わせた。

 立香は彼女の背中をぎゅっと抱きしめる。

 

「ほら、壱与さんはとっても軽いよ」

 

「……フフッ、なんですかそれ~!」

 

 壱与はくすりと笑うと同時に、強張っていた身体を一気に脱力させて立香の身体に倒れ込んだ。

 

「私ってばずるい女ですよね。未来さんなら私を絶対に否定しない、優しい言葉をかけてくれるって分かっていて、意地悪な質問をしちゃいますし」

 

「それも壱与さんの可愛いところだよ」

 

「……!」

 

 困った表情で頬を真っ赤にした後、壱与はしばらく黙ってしまった。

 言葉に困り、そして言葉だけでは足りないと、壱与は立香と唇を軽く重ねた。

 ちゅっと音を鳴らし、相手と心が通じ合っている喜びに打ち震える。

 

「未来さん、もっと恋人トークしましょう! 私、こういう恋人とまったり過ごす時間に憧れてたんです!」

 

 足をばたつかせながら、少し横に転がって立香の腕の中に倒れ込んだ。

 ああ、この甘い瞬間がずっと続けばいいのに。

 けれど、そう望みながらも、己のうちから再びムラムラと湧き上がる情欲を壱与は感じていた。

 そしてそれはどうも、立香のほうも同じらしい。

 仕方ないなぁ、と壱与は軽く割れった。

 

 

 

「それとも……2回戦、しちゃいます?」

 

 

 

 そんな壱与の提案に乗った立香は、彼女の小さくもしなやかな肉体を強く、されど壊れないよう丁寧に抱いていた。

 

 

 □□□

 

 

 

「あっ……んん」

 

 小さな吐息をあげて、壱与はされるがまま快楽を味わう。

 行為の最中は、指を絡めてその温度を味わうのが彼女の好みだ。

 

「首筋は……跡つけないでくださいね、んッ……私の服装だと、皆さんにバレちゃいますから」

 

 立香はその煽情的な声に、いっそのこと自分たちの関係を見せびらかすべくはっきりとキスマークを付けたいという想いに駆られた。

 白いうなじから滲む汗を舌で舐め取り、その甘い匂いの誘惑に負けそうになる。

 肩下にある朱色の模様をなぞり、自分と愛した証をそこに付け加えたくなる。

 それらを必死に耐えて、けれど口は物足りなさに溢れ、壱与の快楽で半開きとなった唇に吸い付いた。

 

「はぁ、はぁ……ああっ!!」

 

 小さな少女の舌が、健気に立香の唇や舌をちろちろと舐める。

 更にお互いの顔を近寄らせ、蒸れる口は隙間なく密着し、互いの息も唾液も一滴残らず味わおうと、強く押し付ける。

 

「んぅ……」

 

 2人の思考は、密室となった口の中で交わる舌の快感に溺れていく。

 荒く湿った鼻息が互いにかかり、そんな相手の獣じみた姿に興奮は更に高まっていく。

 酸素よりも蕩け合うことを望んだ二人の肌は、益々朱色にほてっていった。

 

 壱与は暗く狭い場所を好んだ。

 それは幼少期、獣の巫女として一人地下牢に入れられてた懐かしさもあるのだろう。

 だが完全な暗闇は、いつだって哀しみを伴う。

 だから暗い中、かすかな灯りが差し込んでいるとき、壱与は一番心が安らぐ。

 こんな薄暗い、駄目な自分の元にも光は差し込んでくれる。

 そして今、例えどんなに暗くとも側にいてくれるぬくもりに、彼女は心から喜びを感じていた。

 

「未来さん……好きです」

 

 そういうと、立香のほうからも愛の言葉が返ってくる。

 自分の一言より、何倍もの熱を込めて、繰り返し囁いてくれる。

 筋肉のついた肉体は汗ばんで、壱与をみて興奮してくれてるおだと分かる。

 

 心と身体は、興奮が重なり合って、頭の中でチカチカと光が輝きだした。

 もう何も考えることはできない。

 呼吸を求めるように、壱与は立香の口に自分の口を重ねた。

 暖かい舌が、彼女の舌の裏をなめとった。

 ゾクゾクとする感覚。

 その刺激で限界に達し、壱与の身体は大きく波打った。

 立香もまた絶頂の中で身体を強張らせ、彼女の身体を離れぬようぎゅっと抱きしめた。

 

 2人は、長い長い快楽の波が過ぎ去るまで、二人だけの闇の中で互いの体温を味わい続けていた。

 

 

 □□□

 

 明け方。

 朝に弱い壱与をなんとか、立香はシャワーまで運んだ。

 されるがまま現れ、タオルで汗を拭きとった後、夢うつつのまま下着を履く壱与。

 見慣れた自室で好きな女性がみせる着替えシーンに、立香は見とれかけ、慌てて目を逸らした。

 いつもの巫女姿から見える脇や美脚にすらどぎまぎとしているのに、事を終えたはずの今は彼女の顔を見るだけで倒れそうになる感覚がある。

 が、壱与は服を着ながら姿鏡を見て気付いた。

 

「未来さ~ん、これはどういうことですか~?」

 

 半裸のまま詰め寄る壱与に慌てつつ、立香はハッとする。

 肩の下には、彼のつけたキスマークがくっきと、それも複数ついていた。

 これでは、いつもの衣装を着たときに布で隠せない。

 立香は素直に謝ることしかできず、仕方なく自分の着替えの一着を差し出すことにした。

 小柄な壱与にはサイズが少し大きいものの、袖のあるシャツなどで昨晩の痕を隠せはする。

 

「えへへぇ……未来さんの匂いがします」

 

 壱与はYシャツの一つを着てみた。

 流石に袖口のサイズが合わないものの、会社帰りのOLのような雰囲気があってそれはそれで良いと立香は思った。

 スーツ姿、協会の学生服、日本の学ランなど、壱与と立香は二人だけのファッションショーを楽しむ。

 結局は無難に、職員全員に支給されているカルデアの制服となった。

 

「でも、……今度はお揃いの服、一緒に着て歩いてみましょうね、未来さん!」

 

 そう言って、くるりと回った壱与は、満面の笑みを浮かべた。

 闇の託宣。滅びの巫女。

 夜を愛し、月を恐れたその半生。

 闇に生きるのを定められたその少女は、光とは程遠い存在だろう。

 

 

 けれど、立香にとっては。

 ころころと目まぐるしく表情を変え、誰よりも明るく振舞うその少女は。

 窓辺から降り注ぐ朝日を受けて、誰よりも光の似合う笑顔を浮かべていた。

 

 

 

 

 

 




相変わらず踏破イベントでも可愛かったですね。メドゥーサさんに組み敷かれているシーンは、ライダーのときより若いメドゥーサとはいえ、吸血されないかドキドキしました。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。