※この作品はR-18です。

シーサイド   作:ずゆ


原作:ブルーアーカイブ
タグ:R-18 砂狼シロコ
少ししおらしいシロコが先生に何度もイかされるお話
本作品はpixivにも投稿しています。

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シーサイド

 先生がシロコの様子にどこか落ち着きが無いことに気が付いたのは、海を後にしてから二十分くらい後のことだった。しきりに四方をきょろきょろと見回していて、歩き方も不自然だった。上下に揺れるように歩いているせいでスカートが忙しなく揺れていた。それでも最初の内は触れないでいたのだが、さらに十分くらいして、彼女が息切れしているような呼吸をし始めたものだから彼は心配になって声を掛けた。

「シロコ、体調悪い?」

「……ん、違う」

 彼女は狼の耳をぴくりと動かして言った。それが夏の蒸し暑さのせいなのか、彼女の体調不良によるものなのかは分からなかったが、彼女はそれなりに汗を流し、頬を赤くしていた。

「疲れた?」と彼が聞いた。

 ついさっきまで彼女が海で泳いでいた間、彼は遠泳する彼女を監視しながら砂の城を作っていた。もしかすると泳ぎ疲れてしまったのではと思ったが、キヴォトス横断をやってのける彼女が体力切れするのも考えにくいことだった。

「違うの……トイレ行きたい」と彼女は言った。

 抑揚の無い彼女の喋り方から感情を推察することについて、彼女と出会ってから随分と上手くなった。今の彼女の言葉は分かりやすく乙女としての恥じらいを有していて、それは目を逸らして言う仕草からも明らかだった。

「ごめんね、気づいてあげられなくて」

 彼はスマホを開いて近くの地図を見た。しかし近くにトイレのありそうな場所はない。それどころか、アビドス外環沿いのこの辺りでは建物らしい建物を見つけることすらもできなかった。人と野生動物なら、間違いなく野生動物の方が多いような場所だったのだ。

「近くにトイレ無いかも」と彼は言った。

 かもしれない、と彼女の希望を断ち切る言い方はしなかったが、公衆トイレのようなものがこの辺りに存在しないことは明らかだった。

「ん、大丈夫。我慢できるから」

 ここからさらに三十分くらい歩くと、アビドスの都市部まで戻れる。行きはバスが出ていたお陰で気づかなかったが、歩くとなると少し遠い距離だ。

「分かった」と彼は少し不安そうに言った。

 

   〇

 

 それから二人の間に特に会話も無かったが、彼女が自然と速足になるのに合わせて彼も急いだ。彼女に余裕がないのは一目瞭然で、気を緩めればそのまま漏らしてしまいそうな様子だった。十分くらい歩いた後で、彼女はスカートの上から股を抑えて急に立ち止まってしまった。

「シロコ?」

「ん、ちょっと待って」

 彼女の声音は艶めいていて、自身の股を抑えて悶える様はひどく官能的だった。彼はそこから目を意識的に逸らしたが、辺りには人工的な音が一つも無かったせいで、彼女の吐息の音が風に混じって聞こえるのが良くなかった。

「先生」彼女はしばらく悶えた後で唐突に言った。「あっち向いてて」

「分かった」と彼は言った。

 彼女はそう聞くと、覚束ない足取りで草むらの方へ歩いていった。

 そのわずか十メートルほどの距離を歩くのにも、彼女は細心の注意を払った。躓いてでもしまえば命とりになるのは分かっていたし、そうでなくとも股を開くだけで漏れてしまいそうだった。やっとの思いで道路の脇まで歩くと、彼女は勢いよくスパッツとショーツを一遍に降ろした。クロッチだけが黄色く濡れた真っ白な生地のショーツは、シロコが部分的に失敗したことをありありと示していた。彼女はそんなことに気を留める余裕もなく、膝の辺りまでショーツを降ろすとほとんど反射的にしゃがみ込み、そして地面に向かって排尿を始めた。それは意識的な開放と言うより、限界が来たことによる決壊といった方がいいほどだった。

 彼女は恍惚とした表情で自分が濡らす地面を見ていた。場所がトイレではないことと、部分的な失敗に目を瞑れば彼女は漏らすことなく用を足すことができた。先生がすぐ傍にいるのは恥ずかしかったが、彼になら見られても嫌ではなかった。

片や、彼女が何をするのか察しがついていた彼は耳を塞いで彼女がそれを終えるのを待っていた。しかし手のカバーは不完全なもので、隙間から彼女が排尿する音が多少くぐもって聞こえてきた。

 彼女は全て出し終えると、小さく身震いをしてポケットから取り出したティッシュで股を拭いた。改めてショーツを履きなおすと、湿った部分が陰部に貼りついて気持ち悪かったが、替えの下着を持っていなかったから仕方なくそれを履いた。

「ん、もういいよ。先生」

 彼女は恥ずかしがりながら彼の肩を叩いた。彼には彼女が近づいてくる足音も聞こえてしまっていたが、全く何も聞こえなかったかのように振舞った。

「大丈夫?」と彼が聞いた。

「ん、大丈夫」彼女は頬を染めながら言った。

 

   〇

 

 それからはゆっくりとしたペースで海沿いの道路を歩いていった。二人の間には気まずい沈黙が流れていて、聴こえるのは蝉の鳴き声や波が打つ音だけだった。

 日が沈んでからも八月の夜は暑かったが、海沿いで湿度が高かったせいでシロコの濡れたショーツが乾くまでにはしばらくの時間を要した。都市部まで戻ってきた辺りではすっかり乾いていたが、股には違和感が残っていた。

「えっと」と彼は駅を眺めながら言った。

 予定ではここで別れて帰ることになっていたが、彼は彼女が心に傷を負ってしまったのではないか、と心配してここで帰すべきか悩んでいた。

「あんまり気にしないでね、その、そういうこともあるし」

「ん」と彼女は言った。

 彼女にしてみれば、それについて深く悩んだりしている訳ではなかった。当然恥ずかしさと情けなさはあったが、それだけだった。むしろ、彼に変に気を遣われているのが子供扱いされているようで嬉しくなかった。

「ね、先生」と彼女は言った。「この後まだ時間ある?」

 ある、と彼は言った。

 彼女はそう聞くと彼の袖をそれなりに強い力で掴んで言った。

「じゃあ、もう少し話そう」

「まだやってるお店あるかな」

 彼がスマホを取り出そうとした所で、彼女は掴んでいた袖を引っ張った。

「ん、あそこ」

 彼女が指さす先には、大きなホテルがあった。窓が西洋風の建築を模していて、派手なネオンライトの看板が取り付けられたそれは、ラブホテルであるのが分かりやすい建物だった。

「えっと、シロコ?」

「嫌?」と彼女は首を傾げて聞いた。

「いや、そういう訳ではないんだけどね」

「じゃあ、行こう」

 今度は彼の腕を掴んで、彼女は強引にそのホテルのフロントまで歩いていった。彼は抵抗するほどの力を持ち合わせていなかったし、逃げ出せるほど知恵が働く状態でもなかった。ほとんど泳いでいないとはいえ、半日海にいたせいで身体はけっこう疲れていた。

 そこからフロントと曖昧な会話を交わして、気が付いた時にはホテルの三階の一室に彼女と一緒に入っていた。暖色の間接照明が白い壁の部屋を照らし出していて、かなり綺麗な所だった。少し幻想的でもあった。

「先生、先シャワー浴びる?」

 彼女は束ねていた髪を解いて言った。彼女が髪を靡かせると、潮の匂いが彼まで届いた。

 彼の背中には扉があって、そこから出れば──追いかけっこをして彼女に勝てるとはとても思えないが──ここから出ることはできる。それ以前に、したくないと意思を伝えれば、それでも無理矢理襲うほど理性の無い彼女ではない。しかし彼の目線は彼女のうなじに吸い寄せられるように惹かれていた。目の前の彼女は自分に好意を抱いていて、そしてお膳立てまでされていた。

「先、シロコが入っていいよ」と彼は言った。

 

   〇

 

 彼女は脱衣所に入って服を脱いだ。こんなことになるならもっと飾った下着を持ってくれば良かった、と後悔したが、今更どうしようもないことだった。白いプレーンなショーツはすっかり乾ききったが、言われれば染みが認められるくらいの色の変化があって、この後彼に見られると思うと顔が燃えるような恥ずかしさだった。

 彼女は丁寧に全身を洗った。身体は汗と海水が混じってべとべととしていて、髪は軋んでしまっていた。それらを一本一本解くように丁寧に洗い、胸の下に溜まった汗を流し、身体の隅々まで丁寧に泡を付けていった。

 彼女がシャワーを浴びている間、彼は椅子に座って天井を眺めていた。白い天井に花の模様が描かれていて、それを眺めながら何かを考えていた。何を考えているのか、彼自身もあまり掴めていなかった。彼女とこれから起こるであろう情事について思考を巡らせていると、頭がいっぱいいっぱいになってしまう。考えは頭の中で、まるで長いトンネルの中で叫んだ声のように反響し続け、どこへも行かないまま渦を巻き続けた。彼はあらゆることを考えていたし、一方で何も考えられなかった。

 

   〇

 

 彼女がシャワーを浴びた後で、彼もまた彼女と同じように丁寧に身体を洗った。汗臭さが残らないようにしっかりと洗っていたせいで、二人ともシャワーを浴び終えて準備を終える頃には夜の十時を過ぎていた。

 部屋に戻ると、彼女は下着の上にバスローブだけを羽織った頼りない恰好でベッドの脇に座っていた。初めての行為への不安と興奮で顔は真っ赤になっていて、まだ触れられていないにも拘わらず身体は火照っていた。

「ん、しよっか。先生」

 彼は彼女の隣に座った。体重を預けたことで少しだけベッドが沈み、隣で彼女の体温を感じた。手を握り、少しずつ指を絡めていった。恋人同士が優しく確か合うような触り方から、徐々に蛇の捕食のように絡まっていく。触れている指が自分のものなのか相手のものなのか分からないくらい近づいて、二人はキスをした。唇を触れ合わせる、その温度が伝わる。彼女は夢中になって彼の口の中に舌を伸ばした。彼の唾液を飲み込んで、息が詰まるまで長いことそのままでいた。最後に、彼は彼女をベッドに押し倒した。

「いいんだね、シロコ」と彼は最後の理性で聞いた。

 そこで嫌だと尻込みされても引き返せる自信は無かったが、形式的に聞いておく必要があった。

「ん、大丈夫」

 彼女はそう言うと、胸の上に置いていた両手を横にどけた。彼はゆっくりと彼女のバスローブを脱がせていった。

 

   〇

 

 彼女は小さな白いリボンが一つだけついた簡素なブラシャーをつけていた。彼はそのまま背中に手を回し、器用にホックを外そうと試みた。

 彼は上手く集中することができなかった。脱がそうとする途中で彼女が何度も小さく喘ぐせいで、手元が狂うのだ。できることなら今すぐ乱暴にブラジャーもショーツも脱がしてしまいたかったが、彼女を傷つけないような紳士的な振舞いを心掛けた。そうしてブラジャーを脱がせ終えると、綺麗な乳房が露わになった。支えが無くてもお椀型を保っていて、その先端で薄桃色の乳首が勃っていた。彼は人差し指の先でそれを刺激してみた。彼女は目を瞑り、横を向いて声を押し殺していた。長いまつ毛が揺れるのが愛おしくて、彼はしばらくそうして彼女の乳首を責め立て続ける。

「ん、乳首弄りすぎ……」

「ごめん、反応が可愛くってつい」

「他の所も触って」

 彼女は彼の右の手首を掴むと、自身の下腹部まで誘導した。彼女のショーツに目を向けると、既にクロッチの部分が濡れていた。

 ショーツを脱がせる前に顔を近づけると、彼女の甘ったるい愛液の匂いと混じって、ここに来る前に少し漏らしてしまったのであろうおしっこの匂いが微かにした。彼女が我慢できずに漏らしてしまったという事実は情欲を駆り立てたが、彼がしばらく嗅いでいると彼女がそれに気付いて言った。

「嗅がないで、先生」

「……ごめん」

「その……恥ずかしいから」

 よく見ると濡れたショーツは部分的に黄色く染みていて、彼女の敗北の証がしっかりと残されていた。しかしあまりまじまじと見ていると彼女に怒られてしまうから、彼はそこそこにしてショーツに手を掛けた。ショーツは素直にするりと彼女の股を抜け、太ももを通り、つま先から完全に脱がされた。

 

   〇

 

 改めて自分が裸にさせた彼女がベッドに横になっているのを見ると、衝動的な性欲を抑えるのは中々難しいことだった。彼女の乳首はさっきよりもしっかり勃っていて、髪と同じ色の陰毛は濡れているせいで妖しく光っている。シャンプーの花の香りが薄く漂っているのにも意識が向くほど五感は研ぎ澄まされていて、あらゆることに脳が反応していた。

 彼にいきなり人差し指で陰部をなぞられ、彼女はびくりと身体を震わせた。急な刺激に反射的に驚いた後、彼に触られたという意識がやってくると、また愛液が分泌されて濡れていく感覚が下腹部に広がった。

 彼女はもう限界だった。裸の姿を愛しい人に見られるだけでも茹で上がりそうな恥ずかしさだったのに、その彼に乳首も陰部も触られていると考えるとおかしくなりそうだった。早く絶頂できるだけの刺激が欲しくて、彼が手を出すのを今か今かと待っていた。それは彼女の卑猥に開閉する陰部を目の前にした彼にも一目瞭然だった。

目の前の彼女は激しい行為を求めていて、自分は今からそれをしようとしている。おどろおどろしい性欲が身体の中を蛆のように這いまわっていた。

 

   〇

 

 彼の脚の開いた間に座る姿勢で、彼女は後ろから乳首を捏ねくりまわされていた。彼の荒い鼻息がうなじにずっと当たっていて、胸の先端から感電したような快感が絶え間なく与えられていた。

「……んっ」

 彼女は声を抑え、そして下腹部に溜まっていく絶頂感を遠ざけるようにしていた。自分は彼を襲う側だと思っていたのに、いざ行為が始まってみれば恥ずかしくてされるがままになっているのを認めたくなかった。彼を貪る予定が崩され、今は彼に飲み込まれている。

 乳首を捏ねられ続けているだけで、彼女は何度も絶頂してしまいそうになった。ベッドの彼女の股が当たっている部分はべとべとの愛液でしとどに濡れてしまっていて、抑えきれない喘ぎ声が漏れるのが、かえって淫猥な音色となって彼の耳に届いている。

 しかし彼女はプライドだけを頼りに絶頂は何とか食い止めていた。彼より先に絶頂する訳にはいかなかった。それは彼に負けを認めて、どちらが捕食者かを決定してしまうことに等しかったからだ。自分は狼であり、彼はその縄張りに迷い込んでしまった愚かな草食動物のはずだったのだ。

「んっ、あっ……んんっ」

 彼女は必死になって身体を捩っていた。彼から理不尽に流し込まされる快楽を少しでも逃がそうと、顔を振って胸を動かし、腰も小さく震わせた。しかしそんなことで彼は逃がしてくれなかった。彼女のぴくぴくと跳ねる獣耳に更に情欲を煽られた彼は、容赦なく彼女の乳首を強く刺激した。

「せんせっ、ダメっ……ん、だめ……だからっ」

 彼女は大きく目を見開いた。瞳孔が天井のライトを反射し、全身が大きく波打ち、彼の手によって初めての絶頂が与えられた。乳首の刺激だけで彼女は絶頂したのだ。走り込んだ後のように浅い息をする彼女を眺めて、彼は言い表しようのない、征服感を伴った満足感を覚えた。

 数秒経っても、彼女はまだ絶頂の余韻から完全に意識を戻すことはできなかった。捕食者だと思っていた自分が食べられてしまった恥ずかしさ、情けなさがひっくるめて圧し掛かってきて、彼の強さを鮮烈に意識した。自分は彼には勝てなくて、彼がそうしようと思えば、自分は簡単に絶頂させられてしまう。

「……先生、乳首ばっかり」

「ごめんね」と彼はしたり顔で言った。「そろそろ下も触るね。もう、準備は万端みたいだし」

 彼に陰部を触られて、再び彼女は現実へと意識を引き戻された。あっという間に余韻が解け、次の刺激を脳が強く意識した。ぬちゃり、と音を立てて彼の指が彼女の愛液と絡まる。ゆっくりと彼の人差し指が彼女の膣内へと侵入していく。

「ん……優しくしてね」

 彼女は彼の腕を掴んで言った。優しくしてもらわなければ、またすぐに絶頂してしまう予感があった。

「なるべくそうするね」と彼は言った。

 

   〇

 

 結論から言えば、彼はすぐに二度目の絶頂をさせるような手荒な真似はしなかった。彼に陰部を手で触られ始めてから二十分は経ったが、彼女はまだ絶頂せず、微妙な絶頂感を抱えたままの状態を維持させられていた。

「あ、んっ……そこっ」

 彼女が絶頂しなかったのは、彼から与えられる快楽を耐えられていたからではなかった。彼はずっと、彼女を絶頂させようとはしていなかった。

 二十分もの間、彼は彼女の膣内をまさぐって彼女の弱点を見つけ出すのに集中していた。特定の場所でのみ得られる彼女の大袈裟にも思える反応は、見ていて愛おしく可愛らしいものだった。それに必死に耐えている、というのも彼の興奮を増幅させたスパイスだった。

 結果彼女は絶頂させて貰えず、ただ弱点だけが暴かれていっただけになってしまった。

 

   〇

 

「シロコ」と彼が言った。「挿れていいかな」

「……ん……いいよ」

 もう彼女も我慢の限界だった。寸止めをされ続けた彼女の陰部はもはや閉じることができず、数日間ご飯にありつけていない肉食動物が涎を垂らすように愛液を垂れ流していた。

 しかしこんな状態で彼の陰茎が挿れられてしまえば、無様に絶頂して汚い喘ぎ声を漏らしてしまうことは想像に難くなかった。

「ん、早く」

彼女は催促した。例えどれだけ後から恥ずかしくなろうと、今この瞬間の快楽に抗えるほど理性は残っていなかった。

 

   〇

 

 彼は直前まで迷ってから、避妊具はつけずに彼女の陰部に自身の陰茎をあてがった。元々責任を取るつもりだったし、避妊具をつける時間も惜しいくらい早く彼女の味を確かめたかった。

 彼は逸る鼓動と衝動を抑えながらゆっくりと彼女の中に入っていった。ローションを使わなくても十分なくらい彼女は濡れていて、狭い膣の中はすんなりと彼の陰茎を受け入れていった。

「んっ……くっ、ん……」

 異物感はすぐに快感に置き換わり、少しずつ侵入してくる彼のその大きな陰茎を、腹部から伝わってくる快楽で彼女は感じていた。自分の膣をこじ開けて入るほど深く、彼女は快感を覚えた。それは脳が危険信号であると警戒を流すほど依存性が高く、臨界点を超えた凶暴な快感だった。絶頂しかけで寸止めされていた彼女は挿入されてすぐに二度目の絶頂を迎え、その余韻でもう一度イった。

「せんせ……もうっ、少し……ん、ゆっくり」

 彼女は震える声で彼にそう頼み込んだ。嬌声の上げ過ぎで喉が潰れかけていて、上手くまとまった音を取ることができなかった。彼の耳に彼女の懇願は届いていたが、それで止まれるほど理性的ではなかった。躾けられていない犬が待てをできないように、理性のタガが外れ、彼は激しく腰を振った。彼女はそのせいでもう一度深く絶頂した。

 

   〇

 

 どれほど絶頂しまいと意識しても、彼女は簡単にイってしまった。今からでも形勢逆転して彼を襲おうとしても、何度も絶頂の気持ちよさに思考を飛ばされて引き戻される。身体を捩り、特に弱いポイントに当たるのを何とか避けようとしたが、結局徒労に終わり、そして体力が尽きてきた辺りからは本当に彼の玩具にされてしまった。

 彼はなるべくたくさん彼女を絶頂させるために意識して膣を突いた。手淫の時に覚えた彼女の弱点を的確に、素早く何度も責め立てた。そのせいで彼女は二度潮を吹いた。一度目は大人しく弱弱しい潮吹きだったお陰で彼には気づかれなかったが、散々溜め込んだ二度目の潮吹きは誤魔化しの効かない程大袈裟に情けなく吹いたせいで、彼女は愛する彼の目の前で下品な噴水を披露してしまった。

「ああっ、んっっ、くぅっ……」

 二度目の潮吹きのときは、彼女は潮を吹いてしてしまいそうなのを直前に直感的に理解していた。腹の奥で快楽を放出する準備が整っていて、彼に陰茎を引き抜かれた瞬間溢れ出てしまう、と彼女ははっきりと理解して、そんな恥ずかしいことはできないと必死に抵抗した。彼が陰茎を抜いてしまいそうになった所で、どうにか引き留めて栓をしようとした。それが無駄な抵抗だと分かると、今度は被害を最小限にしようと膣を引き締めて潮をなるべく吹かないように努めた。しかしそのせいで彼女の二度目の潮吹きはより水圧を増して、より恥ずかしいものになってしまった。

「可愛いね。シロコは」と彼は言った。

 彼女はもう顔が焼けてしまいそうなくらいの恥ずかしさで、彼が何を言っているのかまともに考えることすらできなかった。ベッドは満潮になった砂浜のようにびっしょりと濡れていて、部屋中に彼女のあらゆる体液の匂いが混じった淫猥な空気が充満していて、そこに彼の汗の匂いがした。

 彼女はもう一度絶頂させられた。

 

   〇

 

 さらに行為がヒートアップした所で、彼女は自身がいつの間にか追いやられていたピンチに気が付いた。快楽を貪るのに必死でそれどころではなかったせいで意識が向かなかったが、彼女の身体は強烈な尿意を催していた。普段なら既にトイレに立っているほどの尿意がいきなり訪れたような感覚だ。そして彼に挿れられたままの膣では上手く締めることができないせいで、尿意は普段よりも早いスピードで増していった。

 おしっこがしたいからトイレに行かせて欲しい、と言えば彼はすぐに行為を中断してトイレに行かせてくれるだろう、と彼女は思った。どれだけ本能的になっている状況であっても、彼はそういう人だと知っていた。しかし同時にそんな彼に尿意のことを悟られたくはなかった。中断してしまうことでこのアンバランスな心地いい空気感が崩れてしまう気がしたし、そうでなくても今さっき尿意が我慢できなくて草むらに向かって排尿したのだ。さっきの今でまた尿意が我慢できないと告白するのは恥ずかしすぎた。何度も無様にイき散らかして、下品に潮を吹いたのを見せつけた彼女にも残っている羞恥心がトイレに立つことを許さなかった。

 つまりは尿意を我慢しつつ形勢逆転して彼を絶頂させればいいだけのことだ、と彼女は思った。それほど難しいことでもない。いけるはずだ。頭は理性的にそう考えているものの、下半身は絶えず彼の陰茎のためにさらに粘ついた愛液を漏らし続け、尿意も増し続け、もう何度目かも分からない絶頂を迎えようとしていた。

 

   〇

 

 今絶頂してしまえば、漏らしてしまうのは想像に容易かった。彼女は下腹部を力んで彼の陰茎を強く咥えこみ、彼を絶頂させるためにベッドの上に寝転んだまま腰を動かした。

 不規則な振動で彼も絶頂を迎えそうになっていた。まだ一度も絶頂していないせいでとびきり濃い精液が身体の中に溜まっていて、彼女の膣内に射精しようとしていた。しかしまだ絶頂したくはない、と彼は思った。絶頂によって満足してしまえばもうこの快楽が失われてしまうと思うと、絶頂するのは惜しく思えた。彼はなるべく自身に刺激が向かない体位を維持し続けて、そして彼女を何度も絶頂させてきた。

「あんっ、せんせいっ……」

 彼女はもう我慢しきれず、少しずつおしっこを漏らしていた。挿入された膣の隙間から漏れるその液体は、彼には小さな潮吹きに見えていたが、彼女はもう羞恥心で死んでしまいそうになった。もうこれ以上我慢できない、と彼女は悟った。あと何度か突かれれば耐え切れず絶頂して、同時に漏らしてしまう未来が見えた。

「あっ、せん、んっ……せぇ」

 それから丁度三回、彼の陰茎がゆっくりと彼女の膣の奥を抉るように刺激した所で、彼女は絶頂を迎えた。脚が伸び、指の先端まで電流が駆け抜けるような、鮮烈で暴力的な快楽が彼女の膣から全身を支配した。そして彼女は深く絶頂した。膣が彼の陰茎を迎える形でうねり、溜め込んでいたおしっこがとめどなく漏れ始めた。

「えっ、あ、シロコ?!」

 彼は彼女の股から漏れてきた液体に気が付いて頓狂な声を上げた。彼女は両手で顔を覆い隠し、自分の意思とは反対に漏らしてしまった膣を締めようと力をかけた。しかし身体の中にあったおしっこを漏らしきるまで彼女のお漏らしは止まることなく、ベッドだけでなく床の一部まで水たまりが広がってしまった。

「……ん……ごめん、我慢できなくて……」

 彼女は今にも消え入りそうな声色で言った。自分の漏らしたおしっこの匂いが鼻まで届いてきた。部屋には気まずい沈黙と、シーツから床におしっこが滴る音がいやに大きく響いていた。

「その、ごめんね。私ももう少し優しくすれば良かった」

 彼は申し訳なさそうに言った。

 射精間際で彼女が漏らしてしまって、そして目の前でいつものクールさからは想像できないほどに乱れた彼女がいるせいで痛いほど勃起し続けていたが、彼女が落ち着くまで理性的であろうと努めた。

 

   〇

 

 しばらくしてから、部屋のタオルで彼女の漏らしたものを片付けた。その間も彼女の白い柔肌が目に入って苦しかったが、なるべく意識しないようにした。

「中断しちゃってごめん、先生」

 彼女は少し落ち着いて、水も飲んだからかまともな声でそう言った。

「ううん、大丈夫」

 彼にしてみれば全く大丈夫ではなかったが、そう言った。

「先生、まだ射精してないよね?」

 彼女はベッドの上に座りながら言った。

「もう一回、シよ?」

 彼女は目の奥をぎらりと光らせた。今度こそ彼を襲い、自分のなすがままにしてやる、と思った。

「分かった」

 彼は彼女を抱きしめて、優しくベッドに寝かせた。


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