キィイィンッッ!
剣と剣がぶつかり合う音が夜中の邸宅の中庭に響き渡る
俺達はまさしく衛兵達と大立ち回りを繰り広げていた。
ガイィンッッ!
俺は右から迫ってきた相手の攻撃をジャストで弾き返し、ガラ空きの胴体を袈裟斬りにする
ドンッ!
そのまま左から迫ってきた相手に前蹴りを喰らわせ
グシャッ!
剣をコンパクトに振って後ろから切り掛かってきた相手の脳天に打ち付ける。
それと同時に、縦に割れた男の頭部を白髪の男の斬撃によって首が飛んだのだ
そのまま白髪の男は俺に目もくれずに次の衛兵の攻撃をすんでのところでかわし、ジャンプするとそのまま剣を衛兵の首に当てたままぐるりと周り
着地とともに剣を振り抜いた。
スパァァンッッ!、、、ゴトッ、、、
衛兵の首はまるで射出されたように文字通り飛んだ。
身軽な動きだ、、、
一定の剣の型があるとは思えない、まさしく自由な動きだ、、、
「うぉぉぉっ!!」
「チッ、、、!」
ガァンッ!!
「ハァッ!!」
ズバァッッ!
少しよそ見していた俺は右斜め横から切りかかられるが、すんでのところで弾き返し、またも相手を袈裟斬りにする。
(クソッ!何人いるんだよ!!!)
「おい、グリフィンッ!!あれやるぞ!!クエンをかけてろ!!!」
白髪の男が俺に叫ぶ、あぁ、、、あれか、、、
俺は急いでクエンのシールドを張る
その瞬間
ドガァァァァンッッ!!
白髪の男を中心に衝撃波が広がり、様々な鎧を着た男達が吹っ飛んだ。
耐えられる者はおらず、ほとんどがドラウナーのように粉々になった。
俺達はすかさず、倒れた奴らの中で生きてる者とそうでない者を見極め、トドメを刺していった
最後の1人に剣を突き立て、引き抜く
先ほどまで騒々しかった邸宅は一気に静まり返っていた。
「はぁ、、、!はぁ、、、!これで全部か、、、!?」
俺は周りを見渡して白髪の男を探す。
「、、、そのようだ、、、!」
白髪の男は剣をその場に置き、膝に手をつきながら返事をした。
俺達は肩で息をしながらほぼ同時にその場に尻餅をついた。
、、、やってしまった、、、こんなの大虐殺だ、、、!
「ふざけるな、、、!」
「あん?」
「俺はドラウナーを狩って報酬をもらうだけが、どうしてこんな虐殺劇になる!?」
「落ち着けよ、、、!どのみちこうするしかなかった、、、!」
「こうするしか、、、?罪のない者を沢山殺す事か!?」
「相手も剣を抜いていた、死ぬ覚悟はあっただろう、じゃあお前ならどうしてた?」
「話し合いでなんとかなった筈だ、、、!」
「話し合いなら斬り合う前に散々しただろ?」
「、、、!、、、、ックソ!!」
「それより、、、門を閉めろ、、、中に入るぞ」
「行かないのか?、、、軍の連中が来るかも知らないぞ?今度こそ殺される」
「ここは自由都市ノヴィグラドだ、中立地帯故にニルフガード軍は職務ではほとんど来ない、、、それに加えてこの邸宅は門が一つしかないんだ、、、壁も高いし、ほとんど要塞みたいだな」
「仮に街に駐留している軍隊に報告しようとする奴がいたら間違いなくこの門を通る、、、だが、この門を通り過ぎようとしたやつは逃げ出そうとした衛兵以外いなかった、、、まぁそいつも生きてはいないがな」
「それがなんだってんだ、、、!」
「報酬を貰いに行くんだよ!わかんねぇ奴だな!」
「盗人と何が違う!」
「生きてる人間から盗むのが盗人、死んだ人間から取るならセーフだ」
「それで、来るのか、、、?いや、来い、仕事をしたんだ、対価を受けとれ」
男が剣を杖代わりに立ち上がり歩き出す。
しかしすぐに歩みを止め、こちらに振り返らずに喋りかける。
「その前に、さっき戦闘が始まった時に邸宅に逃げ込んだ従者と、使用人が何人か中にいるはずだ、、、奴らは俺の、、、俺達の顔を見ている」
「!?」
「これがどういう事かわかるな?」
わかりたくもない、、、!、、、この男は、、、!!
口封じに彼らを皆殺しにするつもりか、、、!!
「お前は、、、!俺に奴らを殺せと言うのか!?罪もない武器を持たない人達を!!」
気づいたら、俺は白髪の男の胸ぐらを掴み問い詰めていた。
「そうならないように協力しろ、生き残っている者を1人残らず一箇所に集めろ、大丈夫だ、うまくいけば誰1人殺す事も傷つける事もない、約束する、ウィッチャーの誇りにかけて」
男の目はまっすぐ俺を捉えていた。
、、、わかってる、この男は悪くない、彼は終始話し合いの姿勢を保ち
その為に証拠となるドラウナーの首まで持ってきた。
話し合いが揉めるとわかったうえで、なんとか剣を抜かないように細心の注意を払っていたのだ。
それでもこの戦いは起こった。
どうしようもなかったのはわかる
、、、それでも、、、
「、、、クソッ!、、、!
俺は白髪の男を離し、邸宅に向かった。