「ああっ……! 友希那っ! 友希那あっ!」
全裸の男は眼前の湊友希那の、表情の無い顔を見つめながら、腰で激しく屹立する竿を必死にしごいていた。肥えている竿の先端からは透明なカウパー汁が垂れており、糸を引いて地面に落下していた。それはまさに、友希那という唯一無二の極上の獲物を前に、陰茎という男の中の獣が、我慢できずに唾液を垂らしているような具合だった。
目の前でベンチに座り、持参した弁当を食べている友希那は極めて平然な顔だった。恐れも無ければ喜びも無く、手に持っている弁当という食事を摂取しているだけのただの乙女だった。つまり今の友希那は目の前の男のことを少しも認知しておらず、彼女からすれば、今は平凡で平和な昼食のひと時のはずだった。
男はその一切の淀みの無い友希那を見つめて、激烈の竿をしごいていた。睾丸の内部で躍動する無数の精子を、快感と共に友希那にぶちまけたいという欲求に素直に従って自慰を続けていた。ここが屋外であるということと、さらに最愛の友希那の目の前であるということの二つの事実がそのまま背徳的な快感を生んでいた。すでに腰が震えるほどの衝動が身体を支配しており、さらに脳裡で想起する感情は、この友希那の身体に己の粘液を発揮することだけだった。
「友希那っ! ゆきなぁっ……」男は愛おしそうに友希那の名を叫んでからしごきを速めた。脳裡で激しく燃え盛る喜悦がそのまま燃料となって腕の動きを加速させていた。「ご飯の途中の顔でシコってごめんねぇ……。でもっ、友希那の顔、えっちすぎて見てるとすぐ勃起しちゃうんだっ……。ほら……、こんなに大きくなったの……。見て、見てぇっ……」男はせつなそうに細い声を出したが、友希那がそちらを見ることはなかった。友希那の認識の中では男などという異物は少しも存在しておらず、登場しないものに意識を向けることも当然できなかった。
「友希那の顔でこんなにおっきくなったんだっ。つまり全部、全部友希那のせいなんだっ。だからぶっかけるねぇっ……。ご飯中の友希那の冷静なお顔にっ、僕の汚い精液ぶちまけるからねぇっ!」
男はしごきながら友希那に接近した。陰茎の先が頬に触れてしまうほどの距離だったが、やはり友希那は男の存在など少しも感知しておらず、弁当の中のおかずのウインナーを口に運んで咀嚼していた。その顔には何も浮かんでいなかった。極めて平坦な無表情だった。
「くぅっ……。精子上がってキたっ……! もう出ちまうっ! 友希那にぶっかけるっ!」
男は小声でまくし立てるとさらに陰茎を友希那に近づけた。本来ならその悪臭がすかさず鼻孔に突き刺さるはずだったが、今の友希那はその気配の欠片すら感じることができていなかった。完全に男の手の平の上であり、男はこの無自覚な友希那を好き勝手に『オカズ』にしていた。
「友希那っ……、友希那、ゆきなゆきなっ……。ああっ!」
男は叫びながら腰を引きつらせた。全ての神経が陰茎に集中し、脳裡が友希那一色に支配された。この美しい顔面を汚すことだけを思考し、最後のひと押しと言わんばかりに竿をしごいた。
「イ、イくっ!」
股間から上がってくる痺れのような快感を、その突起の先端から一気に放出した。途端に白濁の精液が飛び出し、愛しの友希那に勢い良く散った。
濁った白い粘液が彼女の顔一面と、彼女が持っている弁当に我が物顔で絡みつき、しつこく、しっとりと汚していた。
温かいはずの精液が顔面や弁当に触れた友希那だったが、当然その全てを認知せずに、彼女は平然とした雰囲気で白米を食べていた。本来なら男の汚らしい要素の結晶である精液がぶちまけられれば、その途端嫌悪感をむき出しにして男と、精液の発射元である竿を睨んで罵倒するはずだったが、何もかもを認知していない友希那はあたかも何も無いような――彼女の中では本当に何も無いが――雰囲気のまま、食事を続けていた。
「あ、それ食べちゃうんだ……」
友希那が箸で持ち上げたその白米には、男が今しがた吐き出したホカホカの精液がねっとりと付着していたが、友希那はその精液付きの白米を何も知らない顔で、当然のように口に運んだ。そしてそのまま精液と共に白米を咀嚼し、ゴクンと飲み込んだ。今の友希那は男のことも、男が吐き出した精液のことも認識していないため、彼女からすればただいつもの白米を咀嚼し、飲み込んだだけだった。
「友希那ぁっ……、僕の精液、美味しい?」
それを目撃した男は萎れた陰茎が再び立ち上がっていくのを感じながら、友希那に控え目な声で訪ねた。
しかし友希那は、何も答えずに次の白米を口に運んだ。