一卵性双生児という概念を知っているだろうか?受精した卵子が何らかの理由で分裂し、そのまま成長して双子になって生まれた存在である。
さらにあまり見ない事例であるが、片方の性別がもう片方と違った形で産まれてくるという場合もあるという。
不思議なことに、そのように生まれてきた双子は二卵性双生児……別々の卵子が受精して生まれる双子とは違って、特別な繋がりを持って生まれることがあるのだという。
例えば、片方が怪我をした場合、もう片方も同じ部位に傷、ないし痣のようなものができる。
例えば、お互いの考えていることが口に出さなくても理解出来るため、文字通りの阿吽の呼吸で行動することができる。
例えば───お互いがお互いのことを自分であると認識しているため、離れ離れになることを非常に苦痛に感じる。
そのような存在がいる。
で、あるならば彼らあるいは彼女らは。
どのように生きていくのだろうか。ずっと、半身にも等しい双子と共に、永遠に共にあるのだろうか。
◆◆◆
「すぅ……すぅ………」
「くぅ……くぅ………」
寝息。
穏やかな眠りを、2人の姉弟が食んでいる。すやすやと。くぅくぅと。
まるで一人の人間であるかのような、全く同一のリズムで響く小さな音色は、聞くものが聞けば感動に打ち震えるほどに完璧な調和を醸し出していた。
しかも、この2人はただの姉弟ではない。一卵性双生児である。同じ卵子からわかたれ、同じ遺伝子でもって生まれた───正確には、性別分だけ差異が生じているのだが───双子。
姉は絶世の美少女と言って差し支えない。まつげは長く、目も美しい切れ長な形。髪は夜を溶かし込んだような漆黒。鼻は高く、唇はぷるんと艶やかに光っている。この美少女とキスをするためならば、おそらく世の中の男どもはこぞって自らの持ちうるものを投げ捨てるであろう。そのような艶やかな美貌を誇っていた。
また、着用しているパジャマの上からでは一見分からないが、その下には豊満かつバランスのとれた美しい肢体が潜んでいる。
方やその姉と寄り添って寝ている弟も、男らしからぬ美貌を誇っている。まるで、姉の生き写しのような顔。多少違うところと言えば、男らしさが反映された顔の輪郭だろうか。しかしながら、女装をしてしまえば姉と瓜二つどころか見分けることがほぼ不可能になることが容易く想像できるほど、似通っていた。
彼らは、まるで2人で1人であるかのように手を繋いで眠っていた。
いや、手だけでは無い。体を寄せ合い、息が互いの顔にかかる様な距離で、一緒に寝ているのだ。あまりにも近すぎる距離感であるが、彼らにとって、これは日常。
ピピピピ、と枕元に置いてある時計からアラームが鳴る。6時30分ちょうどを指しているその長針と短針の動きに急かされるように、2人はこれまた全く同時に起床する。
寝ぼけまなこを擦りながら、同じ姿勢、同じタイミングで欠伸をして、眠気をかみ殺す。
ここまで来ればもはや一心同体を体現していると言っても過言では無い。
「ん……おはよう」
「ふぁ……おはよう」
「よく寝れた?」
「そっちこそ。私はぐっすり寝れたわよ、一緒に寝るとよーく寝れるわね」
「僕もぐっすり寝れたよ。僕たちはやっぱり一緒じゃないとね」
「ふふ、そうね。……ん、あら。寝汗かいちゃってる。ちょっと汗臭いかしら?嗅いでみて?」
「ん?……すん……すん……いや?特にそんな匂いはしないよ。いつも通りのいい匂い。僕が大好きな匂いだよ」
「んふふ、嬉しい。私もあなたの匂い大好きよ。……やん、そんなところまで嗅がないの」
姉弟にあるまじき距離の近さ。おはようの挨拶を交わしたかと思えば、互いに見つめあい、笑顔になる。
そうして繋いだままの手をにぎにぎと動かしたあと、姉は弟に体の匂いを嗅がせる。弟はそれを受けて、自分が大好きな香りだと伝える。
インモラルにも程がある雰囲気がそこには漂っていた。互いに指を絡め合い、体を寄せ合って、あまつさえ朝っぱらから姉の首元に顔を埋めて深呼吸する弟。
普通の姉弟なら、ここまではしないだろう。
「……あら?……うふ、大きくなってるわね。なぁに?私の匂いを嗅いで興奮しちゃった?」
「興奮しないわけがないでしょ。大好きな匂いを嗅いでるんだから。僕はそんな我慢強くないんだよね」
「そうねぇ。あなた私の匂い大好きだものね?」
「そっちこそ、僕の匂い大好きなくせに」
「ええ、だーい好きよ?ずぅっと嗅いでいたいくらいに」
「ん、じゃあほら。嗅いでいいよ」
その言葉と共に、弟は絡めていた手をほどき、膝立ちになってパジャマの下に手をかけてずり下ろす。
その瞬間、その下に収まっていたものが、ぶるんと震えて飛び出す。
固くそそり立つペニスが、そこにはあった。女と見紛う顔からは想像の出来ないほどに固く、大きくそそり立つもの。
サイズで言えば20cmはくだらないだろうか。血管が浮き出ており、それを挿入しようとするならば、並大抵の秘所では壊されてしまうことだろう。
彼はあろうことか、素肌の匂いではなく……その凶悪な性器を晒し、匂いを姉に嗅がせようというのだ。
しかしながら、姉も姉でそれを拒絶する様子は無い。むしろそれを待ち望んでいたかのように、嬉しそうな顔でそれを受け入れる。
ひくひく、と震えながら勃起しているペニスに顔を近づけて、くんくん……と恐る恐る嗅いでいく。弟の性欲の煮こごり、先からこんこんと泉のように湧く先走り汁の香り。加えて、寝ている間に蒸れた股間部分の匂いが少女の鼻を打つ。
「んっ……はぁ……これぇ……これ大好きなの……私、あなたのおちんちんの匂い……とても大好きよ……」
「朝からいやらしい顔してるね。女の子がしちゃいけない顔だよそれ。お母さんとお父さんに恥ずかしいとか思わないの?」
煽るような言葉が姉に投げかけられる。
こんな有り様の姿を見られたならば、親は嘆くに違いない。いやらしい、淫売だとなじられてもおかしくは無い。
けれど、けれども。彼女にとってそんなことは些事に過ぎない。
「……?思わないわよ?大事で、大好きで、愛しているあなたの匂いを嗅いでこうならない方が恥ずかしいでしょう?だって、私はあなたの全てを愛しているんだもの。その証が、この私の……牝の顔なのよ?それを見られても欠片も恥ずかしいとは思わないわ」
真顔で、真剣な目付きで。先程まで淫蕩な顔でペニスを嗅いでいた女の姿はどこにも無い。どこまでも、どこまでも薄暗く、黒く、闇のような瞳でその煽りに丁寧に答える。
心底理解できない、と言わんばかりの表情だ。
なんなら、親という存在すらどうでも良いと思っているかもしれない。
それほどまでに、堆積した重みのある情念を彼女は自らの弟に注いでいた。
その言葉を聞いた弟はその有様に引いて──いない。
そうだ、その通りだという態度でその言葉を受け止める。
いや、むしろそれが当たり前であり、共通認識であるかのように。それはあくまで前提のことに過ぎないのだ。
彼はそのドロドロとした情念を受け止め、姉に反応を返す。
「うん、分かるよ。僕も……姉さんの匂いを嗅いだらそうなるし、それを見られても恥ずかしいと思わない。だから同じだよ。そして……そんな姉さんの顔を見て、興奮してる。愛してる」
「ええ、私もよ。私もあなたの全部が大好き。私とあなたは2人で1人。ずっとずっと一緒なの」
愚問よね?と続けて、姉は弟のペニスの匂いを嗅ぐ行為に没頭する。
顔をだらしなく緩ませながら、脳がぱちぱちと弾けるような刺激を甘受するのを彼女は感じていた。
ああ、幸せだ──これ以上の幸せなんてこの世の中には存在しない。
真面目に彼女はそう考えている。
その一方で弟は、その姉の痴態をまじまじと見つめながら、その震えるペニスの先からだらだらと汁を垂れ流す。
自分の半身に等しい美しい女が、必死に自分の汚いペニスの匂いを嗅いでは恍惚の表情を浮かべるのだ。これに勝る快楽は無いに違いない。
そうして、無意識によりもっと即物的な快楽を求める彼の腰が、カクカクと動き出す。
当然、その動きはペニスを前に突き出すことになる。ペニスの先には姉の顔がある。
よって、必然的に姉の顔──頬のあたりにべっとりと汁まみれの亀頭を押し付けることになってしまう。
ずりずりと、雑巾で床を吹くような感覚で、あろうことか姉の顔を精液を拭う布切れに見立てて使う。
ずり、ずり。
べちゃ、ねと。
ずち、ぬち。
擬音にするならそのような感じになるだろうか。
しかし、そのような屈辱的な扱いを受けても彼女の顔色は変わらない。
むしろ喜びに満ちたような顔でそれを受け止める。弟の先走りを拭う布切れ扱いでいいのだと。むしろそれは嬉しいことなのだ、と言わんばかりの笑顔で。
「あっ……ん、なぁに?私の顔、そんなに汚したいの?」
「姉さんの顔を僕のもので穢してマーキングしないと、姉さんが僕のものだってわからない人が出てきちゃうかもしれないよね」
「あら、私は身持ちが硬いのよ?あなた以外の男に迫られたって、体を許すことなんて有り得ないのだから」
「といってもさ、男の力で押し倒されたらどうしようもないじゃん。ほら、こんなふうに」
ドサッ、と音がすると同時に、彼女がベッドに押し倒される。
ああ、柔い。許し難い。
弟は、自分の愛する姉が、半身がもし他の誰かに犯され、汚されるかもしれないと考えるだけで身の毛もよだつような感覚を憶える。
独占欲、と言えば良いのだろうか。しかし、世間一般に言うそれとは毛色が違っている。
「ふぅん……そうよね。自分が自分の知らないところで変わってしまうのは怖いわよね」
「分かっててそういうこと言うんだからさ」
「あなたは私だし、私はあなただもの。全部わかっちゃう」
「じゃあ、僕が何をしたいかわかってるよね?」
「もちろんよ。はい、あーん」
彼と彼女においては、普通の一般的な姉弟の型に嵌めることは不可能だ。
源流からして同一人物と言える存在同士が互いに向け合う感情。正しくそれを言い表すのならば、きっとそれは親愛でもなく、恋愛でもなく、独占欲ですらない。
「姉さん、今日も使うから」
「悪い子ね。私でオナニーしたいってあけすけに言っちゃうんだから」
「そういう風にされたいのはそっちの方だろ」
「そうよ。あなたにめちゃくちゃに使われたいの」
「ほんと、ズルい女だよッ……!」
ずるん、と飲み込まれる。
世の中の男たちが目の当たりにしたのならば、悔しがるに違いない。
なにせ、絶世の美少女の口をまるでオナホかなにかのように無遠慮に使っているのだから。
一切の配慮のない、オスが自らの性欲を解消するためだけの腰振り。ましてや、20cmもの大きさのペニスを喉の奥まで挿入していれば、女側からしたらたまったものではないだろう。
しかし、彼女は難なくそれを喉奥まで迎え入れる。
彼女いわく、私の体は半身のものならなんでも受け入れられるに決まっているでしょう、という理屈らしい。
えづくこともなく───いや、少々息苦しいかもしれないが、それが返って彼女のマゾヒズムを刺激する。
人ではなく、モノとして使われるという感覚は何度経験しても慣れないが、何度経験しても癖になる。
喉奥をゴツゴツと何度も何度も責め立てられ、顔面に金玉がぺちぺちと当たる。その度に匂いが鼻をつきぬけていくのだから、たまらない。
「ぶっ……んぶ、ぐぇっ、げぇっ、お”っ」
「ああ、気持ちいい……!やっぱこの喉、僕専用なんだなあ……ッ、いいよ、最高……!」
時間にして5分ほど虐められただろうか。そのまま奥に押し付けられ、ぶりゅりゅりゅ…………ッと豪快に射精される。
漫画のように大量の濁流が押し寄せる訳では無い。例えるなら、ゼリーを流し込まれている感覚だろうか。
生臭く、オス臭く、そしてドロドロとしたゼリーのようなオス汁を、グリグリと排泄するための口便器。
それが今の姉の姿であった。
みっともなく、その美貌を見る影もなく崩し、白目を剥いてびくびくと体を震わせながら、弟の射精を受け止めるだけの肉人形。
ただ受け止めるだけでは無い。その体全体で、その加虐に対して歓喜の念を表現している。射精をされた瞬間に、秘所からまるで噴水のように雌汁を吹き出したのがその証拠だ。
ぶしゅっ、ぶしっ、びちゃびちゃ……と音を立てて噴き出す牝の香りの塊に、満足げな表情を浮かべる弟。
姉がイキ散らかして足をバタバタと動かすのを遠い世界の出来事のように感じながら、ずるり、と口からペニスが抜き取られる。
まるで鞘から刀が引き抜かれるような様相を呈しているが、それは比喩では無い。
彼女の口と喉は、既に弟のペニスを収める鞘として機能している。
そして、それを彼女は甘んじて受け入れていた。洗いもしないペニスを、しかも双子の弟のものを口に突っ込まれるという暴挙。
もはや楽しんでさえいる。自らの体が跳ね上がり、痙攣して喉に特濃の精液を排泄される瞬間を待ち望んでいると言っても過言では無い。
「あっ……いっ……はっ、はっ……おっ……いぅっ……え……遠慮の、欠けらも無いわね……?でも、私これ大好きよ……あなたの、朝イチ……飲めるのは私だけだもの……」
「それだけじゃないだろ。姉さん、喉奥にチンポ突っ込まれてアクメキメてるくせに。マゾなんだよ、姉さんは」
マゾだ、と指摘されてゾクゾクと背中に電流のような快感が走り抜ける。
自らの性根を暴かれるのは本当に興奮する。彼女はそれを常々自覚していた。
無論のこと、それを誰にされても悦ぶわけではない。むしろ、その自らのマゾヒスト性を暴く権利を有しているのは、眼前にいる弟(じぶん)以外には有り得ないと信奉すらしているのだから。
「……鍵穴にぴったりとハマる鍵を差し込んで、ひねれば鍵は開くものでしょう?」
「自己弁護だけは得意なんだから」
だから自分は悪くない。というより、自分の牝を開花させられる鍵を差し込まれてしまったのなら、快楽に溺れてそれを好むようになってしまうという結果に至るのは当然のことであり、仕方の無いことなのだ、ということを彼女は口にしているのだ。
それが詭弁であることは、彼にも分かっていた。姉はそれを詭弁であると理解しながら、これにも理はあるのだと貫いていた。
なぜなら、双子であるのだから自分をもっとも満足させられるのは同じ卵子から分化した弟だけ。
そして、逆に弟を満足させるに足るのは自分だけ。その自負がゆえに、この詭弁は詭弁でありながら彼女と、そして彼の中では強固な弁護として成立していた。
なにせ、姉の口も、手も、胸も、膣も、尻穴も、全てが自分専用であるかの如く、極上の快感を与えてくるのだから。
その事実を盾にされてしまえば、もう彼にとって彼女の理論を破棄して、お前がただ淫乱なだけなのではないか?と糾弾することは出来ないのだ。
「……汗、かいちゃったわね」
「……そうだね」
「一緒にシャワー、浴びましょ?」
「うん、浴びる」
さもあらん。
先程までの交合の余韻に浸る間もなく、寝ている間にかいた汗とつい先程の行為で流れ出た汗を流すべく、2人は手を繋いで寝室を出ようとする。
その前に、ついでに噴き出した潮で濡れた布団のシーツを交換するというのも忘れない。
汚れてしまった方を取り外し、押し入れの中から交換用の新品を取り出して付ける。
洗濯物に出すために、古いシーツを回収し、今度こそ2人でシャワールームへ。
風呂場にはドラム式洗濯乾燥機があるので、それにぽいっとシーツを放り込む。
手早くパジャマを脱ぎ捨てる。あっという間に全裸になった2人は、互いの裸をマジマジと眺めた後に、脱ぎ捨てたそれらを洗濯機に投げ入れた。
それを横目にシャワー室に2人で入り込む。シャワーの栓を捻る。
少し経たないと暖かい湯にならないのがシャワーの悩みどころだが、それを補うかのように2人は体をくっつけている。
熱い湯がシャワーから流れ出るようになれば、もうこちらのものだと言わんばかりに汗を流していく。
「ああ……暖かい。気持ちいいわね」
「本当にね。一発出したあとのシャワーは最高」
「あんなにたっぷり飲ませるなんて、えっちなんだから」
「姉さんがエロいが悪いんだろ」
軽口を叩き合いながら互いの体を手で洗っていく。ボディーソープを手につけて、ヌルヌルと塗っていくようにして体を洗う。
2人にとっては当然のことである。一心同体である以上、ボディータオルなどに任せる訳にはいかない。
自らの手で清めなければ気が済まない、ということだ。
「……あら?大きくなってる」
「姉さんが触るからだろ」
「私はただ体を洗ってるだけなのよ?私は悪くないもん」
「もん、じゃないんだよ……そんな事するなら僕も触るからな」
「……ええ、いいわよ?どうぞ?私のまぁるい、綺麗なおっぱいからどうぞ触ってちょうだいな」
姉の計画通りである。というより、いつもこのような流れになっているというのが正しい。
姉は弟の体に触れるのが大好きだし、弟が自らの与えた刺激に反応するのも好ましく思っている。そして、弟は自分の目論見の通りに、対抗して触ると言ってきた。
もう万々歳である。触れられるのも触れるのも愛おしいのだから。どちらに転んでも彼女にとって損は無い、というやつだ。
ゆえに、彼女は躊躇うことなく形の良い美乳を弟に向けて胸を反らすように突き出す。
さあ、早く触りなさい。あわよくば激しく、強く揉み込む形で!
そのような欲望がなかったと言えば嘘になる。しかし、弟も弟である。そんなことはとっくの昔に分かっているし、互いのことは互い以上によく理解できる繋がりがあるのだ。
姉が一人勝ちしようとしているのが癪なので、そんな強く揉んではやらないのだ。
「あふ…………ん、そんな優しい手つきで……いいの?もっと男の子なんだから強くしてもいいのに」
「姉さんがしてほしいことをしたら姉さんが喜ぶだけだろ。嫌だよ、何されても喜ぶなら僕の勝手にさせてくれ」
「もうっ……わがままなんだから……!」
そんな子に育てた覚えはありませんっ。
育てられた覚えもないよ。
そんなやり取りを交わしながら、弟は姉の胸を穏やかな手つきで揉んでいく。
ふに、ふに、もみ、もみ、と。
強く激しく、という形容詞とは真逆のやり方。
正直に言えば、彼は姉の柔肌が少しでもダメージを負うようなことになるのが嫌だった。
綺麗で、艶やかで、なめらかな、芸術品にも勝るとも劣らない美しい象牙色の肌が大好きなのだから。
姉がいくら強く揉んでと頼んでも、常にはそれをやってやるものかよ……と決心している。もし強く揉みしだいて赤くなってしまったらどうするのか。姉の肌は国宝級の代物なのだ、と信じて真面目な顔で言い放つ程度には彼もまた、半身を愛しているのだ。
だから、姉の予想外の方向で彼は彼女を刺激していく。
「きゃっ……もうっ、乳首吸って良いとは言ってないわよ?」
「ねえひゃんのちひゅび、おいひいひゃら」
「……複雑な気分。嬉しいけれど、恥ずかしいわ」
「ちゅ……ぱ、いつもはこんな事しないもんね。でもたまには姉の乳首吸っても許されるでしょ」
「ん〜〜〜〜………」
「ダメ?」
「許す!良いわよ!仕方ない!私の乳首沢山……あんっ……話してる途中でしょっ」
姉の乳首は綺麗な桜色をしている。
弟は姉から許可が出た瞬間に、その巨峰の頂点に咲く蕾にむしゃぶりついた。
ちゅぱ、ちゅぱ、れろ、れろ。ころ、ころ。
しゃぶり、ねぶり、吸い、味わう。
母乳こそ出ないものの、その感覚は甘露にも勝る。
滅多にしない体験だからこそ、欲望が膨れ上がるのを感じる。
「うま………おいひ……」
「そんなに吸っても母乳は出ないのに。私のおっぱい必死に吸っちゃって……」
対する姉も、内なる母性を膨らませていた。
必死に……というにはすこし大人しいかもしれないけれど。しかし、姉フィルターをかければその様は可愛い弟が自分の乳首を必死に吸っているという様に早変わりする。
(可愛い……可愛いわ、なんでこんなに可愛いのかしら……たまらない……ん、孕んでないのに母乳とか出ちゃうかもしれない……それも良い、のかしら……?)
物質的な快感だけではない。愛おしさというべきか、精神的なファクターによって、本来感じるべき快感を増幅している。
元より女性の体が受け取る快楽というのは、肉体的なそれよりも精神的な要素の方が大きなウェイトを占めるという。
つまり、その理論に則って彼女の今の精神状態を簡単に説明するならば、弟がとても可愛くて素敵……こんな可愛い子におっぱい吸われてるなんて気持ちよすぎて頭が飛びそう……という状態であると言える。
色ボケが過ぎると、見る者が見れば言うに違いないが生憎シャワールーム内には2人しかいない。指摘するものは誰もいなかった。
つまり──やりたい放題であった。
しかし、その時間が長くいつまでも続くかと言われれば当然そんなことはなく……
「ん、疲れた」
「もう、後ちょっとでイけたのに」
「さっき部屋でたくさんイってたでしょ。続きは後で」
「そのおちんちんはどうするの?ガチガチに硬くなってるわよ?」
「お昼休み、どうせ繋がるんだからそこまで我慢しとく」
「……そ、ならそうしましょ」
「それに、体冷えるからそろそろ上がってご飯食べて出ないと遅れるよ」
「じゃあ出ましょうか」
弟の一声で切り上げ、シャワールームを出る2人。バスタオルで体を拭きあげ、制服を着用する。
弟のものは、ブレザータイプの制服で、黒地に青のラインが特徴的なもの。
姉はセーラータイプの制服で、まるで墨でベタ塗りしたような色をしている以外は一般にイメージされているものと変わらない。
しかし、美男子と美少女である2人が着用することで、服そのものも特別であるかのような雰囲気が漂う。
鏡を見ながら髪型を整え、乾かし、セットしている2人の表情には先程まで宿っていた情欲の欠片も見当たらない。
シャワーだけにスッキリと洗い流したのかもしれない。
ともかく、身を清め、情欲を削ぎ落とした2人の次なる目標は食事。母親の待つ食卓へ向かうのみ。
「ん、今日も素敵よ」
「姉さんこそ、絶世の美少女だ」
「ふふ、有難う。じゃ、行きましょうか」
「うん」
互いに褒め合い、手を繋いで部屋を出ていく。2人の表情は、年相応の穏やかな笑顔に彩られていた。
◆◆◆
時間が経って、お昼時。
2人はいつもの様に教室から抜け出し、屋上に来ていた。
教室は騒がしい。しかも、2人とも顔が良いので周りから変に絡まれることが多い。
それは望んだことではなく、また姉弟でいる時間の方が何よりも大事だという価値観に基づき、昼休みは屋上で食事をとるというのが、彼らのルーチンだった。
「やっぱり屋上の方がゆっくり過ごせるわね」
「あっちは騒がしいからね。姉さんと一緒にご飯食べてるだけで絡まれる」
「あなたも私も、美しいから仕方ないわよ。宿命みたいなものね」
「……僕は姉さんと一緒に居られればそれでいいんだけどな」
「私もよ。あなたと一緒ならそれでいい。けれど、周りに気を遣った方が結局過ごしやすいのよ」
「そんな、ものかな」
「だんだん分かってくるわ」
弁当を取り出し、蓋を開ける。
色とりどりのおかずが敷き詰められ、白米と調和しているその弁当は、彼女が作ったもの。
たまにはお母さんの代わりに作ってみようかしら、と一念発起してて作ってみたところ、意外と上手くできたので、彼女は機嫌が良い。
実はこのお弁当、私が作ったのよ───とネタばらしをしようとする。
「お、いつもと違う。姉さんが作ったやつだろう、これ」
「あら、バレちゃった?」
「いつもと全然違うでしょ、なんて言うのかな……雰囲気。こもってるものが違う、姉さんの作ったものを僕が見間違えるはずがない」
弟は即それを看破した。
彼の言うとおり、姉の作ったものが例え初見のものであったとしても彼はそれを見抜いていたに違いない。そう思わせるに足る説得力に満ち溢れている。
そして、そう言われている姉は嬉しそうにはにかむ。
私のことならなんでも分かってくれている……女の子が嬉しくなることをしっかりと実践してくれる弟に感激している。
……実際のところは、双子ゆえの共感覚でなんとなく分かってしまっているだけなのだが、言わぬが花というものだろう。
それでも、たしかにそのやり取りは2人の絆の深さを感じ取らせるのには十分だった。
「嬉しいわ、はい。あーん」
「……自分一人でも食えるよ」
「私がしてあげたいの。だめ?」
「……あーん」
「うふふ、はい。美味しい?」
「……美味しい。毎日食べたい」
「毎日はちょっと難しいけれど、たまに作ってあげるわね」
「毎日は無理?」
「だって、毎晩たくさん繋がってるじゃない。疲れちゃうわよ。少なくしていいなら……」
「嫌だ」
「そうよね……」
卵焼きを食べさせながらの会話。
姉お手製の卵焼きはどうやら弟に大好評だったようだ。しかし、残念なことに毎日食べられるわけではないと知り、少しばかり意気消沈する。
その様子を見て、たまになら作ってあげるから元気だしなさいね?と頭を撫でる姉という構図がそこに発生していた。
「ん……とりあえず全部食べる」
「食べさせて欲しい?」
「……うん」
「正直でいい子ね」
ラブラブカップルでもやらないような甘々な雰囲気を出しながら、姉に食べさせてもらう弟。そのお返しに弟も姉に食べさせる。
料理に舌鼓を打ち、時折イチャイチャしていると、いつの間にか弁当が空になっている。
それを見た2人は、顔を見合せて。
「……じゃ、繋がろっか」
「うん、姉さんと繋がりたい」
「じゃあ、ズボン脱いでね……そう、上は大丈夫、私もスカートと下着脱ぐから……」
「朝から我慢してたから、もう我慢できないや」
「たくさん気持ちよくしてあげるわね」
互いにズボンとスカート、そして下着を脱ぎ捨てる。
弟のペニスは既にはち切れんばかりに硬く、熱くそそり立っている。
反対に、姉の秘所も粘性の液体がこぼれ落ちはじめており、発情しているのが容易く見て取れる。
「今日は、どうする……?」
「……抱き合いながら繋がりたい」
「ん……いいわよ」
俗に言う対面座位の格好で、そっと2人は抱き合う。姉は自らの秘所を弟のペニスに触れさせ、そのまま腰を落とす。
ぐちゅり、という音と共に、慣れ親しんだ感覚が彼女の肚を刺激する。
「はぁ……ん、大きい……」
「姉さんの中、あっつい……」
「気持ちいい……?」
「とても、いい……姉さん……キスしたい……」
「うん……ん……ちゅ……ん……はぁ……」
深く突き刺さる、大きなペニスの感触に声を漏らしながら弟とキスを交わす。
キスする度に興奮によって膨らむペニスの拍動に合わせて、快感が襲い来る。
それに耐えながら、彼女は腰をくねらせて刺激を与えていく。
「あっ……はっ……いっ……ふぅっ……」
「にゃっ……ぅうん……はっ、はっ……大きくて……すごぉい……私のナカ……削られちゃう……っ」
「姉さん、とろとろで……あつくてっ……いっ……あっ……」
ばちゅん、ばちゅん、ぐちゅっ、ずちゅっ。
卑猥な水音が鳴り響く。何度やっても慣れないし、何度やっても飽きない双子の繋がり。
セックスというには深い交わりで、交尾と呼ぶには繁殖に興味を向けていない。
まさしく、2人だけの世界であり、2人だけの繋がり。
それに溺れていく。耽溺していく。
しかも、大元が同じほとんど同一人物と言っていいもの同士。インモラルを通り越して、普通なら有り得ないほど密接な間柄だからこその気持ちよさがそこにはある。
突き詰めればオナニーと変わらない。
だからこそ、2つに分かたれた体同士は引かれあい、互いの不完全性を埋め合う。
陰と陽に分かれたものを元に戻す儀式。そのような意識は欠けらも無いだろうが、それは自然とそう言う形になっていっていた。
「あっ……姉さ……出そう……いく……っ」
「ん……いいよ……たくさん出して……」
「あっ………!っ、ぐ………!っ………!」
「んっ………あっ……出てる……あつぅい……」
激しい射精ではない。
むしろその逆、穏やかに……漏れ出すような射精。だからこそ、じわじわと発情しきった体に染み渡る重みを持っていた。
弟はどぷどぷ……と漏れ出るそれを一滴も漏らさずに注ぎ込もうと腰をぐりぐりと押し付ける。
姉はそれを迎え腰で受け入れる。
ぎゅっ、と互いに力強く抱き合い、満たし合う交わり。しかも、神聖なる学び舎でそれを行うという背徳。
あらゆるファクターが2人の性感を高めていく。
「はっ、はっ……あっ……気持ちよかった……」
「ん……でも、まだ硬いわよ……?」
「……まだ、する」
「えっち……授業始まるまで、しよっか……」
「うん……」
出し切っても萎えないペニスの感覚。むしろ一度出したからこそ、本格的に種付けをするのだと体がしっかりと準備を始めていた。
わがままなペニスに奉仕するべく、再度彼女の腰が動き出す。
結果から言えば、都合3度の射精が姉の膣内に放たれ……授業に遅刻することは無かった。
2人とも、授業の最中は妙にスッキリした顔をしていたという。
◆◆◆
「お待たせ、待った?」
「ううん、待ってないよ」
授業も終わり、帰る時間となった。
行く時も帰る時も一緒に行動するのが習慣となっている2人は、当然待ち合わせをして帰る。
「姉さん……」
「なぁに?」
「今夜も、しようね」
「うん、昼はゆっくりしたから……夜は、激しくして欲しいな」
「わかった、激しくね」
手を繋いで帰る帰り道。
一卵性双生児の1日は、爛れている。
試験的に文体などを変えてみました。ハート無しって意外と辛いですね。