アイの腹部が赤く染まっていく。
明らかに重傷であった。
(私は、多分このまま死ぬ)
その前に、とアイは思った。
愛する者達へ、子供たちへ、伝えなければ。
「いや、助かるで。ただし、アナルセックスさせてくれたらな。その傷治したる。お姉さん、この先も子供と暮らせるけどどうする? まあでもいきなり言っても信じてもらえんよな。だから少しだけ治したる」
何もない空間から急に現れた男は、アイの腹部に手を当てる。
すると激痛が和らぎ、『このまま死ぬ』という確信が薄まったように感じた。
「どや。なんとか耐えられるくらいの痛みになったやろ? でもこのままじゃあ死ぬなぁー。助かりたかったらケツ貸せ。ええやろ? お姉さんもこのまま死にたくないはずや、子供達を残して逝くんか? どれだけの傷が残ると思う? もしかしたら復讐の鬼になってまうかもしれんなぁー」
「わ、分かった、いいよ、して……だから……たす、けて……」
「お、ええやん。ま、一発でええよ。一発やったらもう姿現さんから」
男の手から光が放たれると、アイは自分の体が癒されていくのを感じた。そして同時に自分の体に異変が起きつつあることも理解できた。
体の奥底に熱を感じるのだ。
それはどんどん高まっていき、やがて限界まで達すると──―
──なおっ……た?
アイは腹部に手を当てる。痛みはない。血も出ていない。
だがここはどこだろうか?
アイは周囲を見渡した。
一面真っ白の空間だ。
「もしかして私、死ぬ前に夢を見ちゃったのかな」
アイが独りごちる。
「いや、生きてるで」
びくりとアイの肩が跳ね上がった。
背後から声が聞こえてきたからだ。
「ちょっと時間をとめてな。ここまで連れてきたんや。ここはヤリ部屋っていってな。ま、特殊な空間なんよ。で、そこのベッド」
男が一点を指さすと、先程まで無かった筈のベッドが鎮座しているではないか。
「そこでお姉さんとヤるわ。アナルをな。アナルセックスをな、やったるんや。ボクはお姉さんを助けた。契約はすでに為されたで。もしお姉さんがこの契約を反故にしようとすれば、お姉さんのお腹はまた破けて、今度こそ死ぬで」
男はパチンと指を鳴らした。
「きゃっ……!」
アイは思わず声をあげる。
先程まで着ていた筈の服が突然消えてなくなったからだ。
それどころか、ベッドの上に移動さえしていた。
「さ、お姉さん、両手でな。尻たぶひろげてな。ケツ穴が丸見えになるようにな」
男が言う。アイはごくりと息をのみ、恐る恐る言う。
「あの、そ、その前にさ……」
アイの言葉に、男の眉が顰められる。明らかに気分を害した様子であった。だが最後まで話を聞こうとはしているのか、顎をしゃくり先をうながす。
アイとしてはこのような真似が出来る男相手に約束を反故にするつもりはなかった。アナルセックスなんてしたくはない。したくはないが、愛する子供たちを残して死ぬよりは余程マシであることは言うまでもなかった。
「お、お尻……その、そのまましたら、ほら、やっぱり汚れちゃうかもだから……その、お掃除をしたいな~……なんて」
アイは泣き笑いのようなものを浮かべて言った。
そんなアイに男は無表情で首を左右へ振る。
「NOや。そのままやる。なに、ローションはあるで。それでな。はよ、してくれへん? それともあれか? やっぱり死にたかったとか?」
男の言葉にアイは蒼褪め、あわてて四つん這いとなり、歯を食いしばって手を尻肉へ添えた。なぜだか分からないが涙がぼろぼろと零れ落ちる。生きて子供たちへ逢える喜びゆえか、それとも心がバラバラに引き裂かれそうになるほどの屈辱ゆえか。あるいは両方か。
アイは必死になって尻たぶを広げた。
男からは秘部が丸見えになっていることだろう。
恥ずかしくて死にそうだった。
それでも生きるためだと自分に言い聞かせた。
あの、優しくとアイが言おうとした瞬間に、ソレは侵入してきた。
「ひぐぅうううううう!?」
突如として肛門へと挿入された異物感に、アイは目を見開いて悲鳴をあげる。
「おぉー入った入った」
「あぎぃいいいい!! 痛いっ……抜いてぇええええ!!」
ずぶりと侵入してきた何かが腸内を満たしていく感覚。
あまりの痛みにアイは絶叫する。
「大丈夫やって。そのうち慣れてくるから」
男の声など耳に入らない。
ただただ激烈な苦痛だけが全身を支配していた。
(こんなの無理……絶対壊れる……)
「あー……やっぱきついなぁ……でもま、ええわ。動くで」
「え、ちょ、待って、まだ動かな……あああっ!!!」
──パンッ……! 乾いた音が響く。
それが自分の臀部と相手の腰がぶつかる音なのだと気づくのに数秒かかった。
「いやっ……動かないでぇ……!」
「なんで? 動いて欲しいからケツ穴ヒクつかせてんちゃうん? それにな……もう手遅れや」
──ズブッ……グチュゥウウッ!!!
「いやああああ!!!」
アイの悲鳴が室内に木霊した。
「ええなあ! ええなあ! 極上アイドルのケツ穴はええなあ! なんや! なんで泣いとるんや! 痛いか!? でもワイは気持ちええわ! おら! ケツで妊娠しろや! チンポのよう! 先に硬いもんが当たってるで! なんやぁこれは! アァ──ン!?」
「アイドルは!」
「糞垂れないんじゃ!」
「無かったんか! おう!」
男は何度も何度もアイの肛門にペニスを打ち付ける。
アイの両目からは涙がとめどなく溢れ、しかし尻の肉を広げる手は離さない。
「おら出すぞ! 糞の穴で孕めやこのクソビッチが!」
「…………っ!」
アイは唇を噛み締める。
口の端から血が一筋流れていた。
そして、生温かいでは済まない、熱い何かが尻の穴に注ぎ込まれていくのを感じた。精液だ。パワーに溢れた精液がアイの尻穴へ次々注がれていく。
男の射精は長く続いた。
ようやく終わった時には、アイの腹は妊婦のように膨らんでさえいるように見えた。
「ふぅ~出したったで~。お姉さん良かったで~」
男は満足気に呟くと、ずるりとアイのアナルから肉棒を引き抜く。アイの尻穴はぽっかりと開き、そこからごぼっと白濁した液体が流れ出た。
白い中に赤が混じっている。
アイの肛門の外か中が切れたのだ。
「お姉さんも楽しかったやろ?」
男が言う。アイは答えなかった。
答える気力すら残っていなかった。
「さて、と。これで契約は完了や。元の世界に帰るで」
男がパチンと指を鳴らすと、アイは一瞬で腹部が赤く染まった服に着替えていた。
「あ、ケツ穴にはボクの精子がたっぷりはいったままやからすぐトイレ行ったほうがええよ。じゃあな~お子さんと幸せに暮らせよ~」
男の声が遠ざかっていき……目の前が白く染まっていく。
◎
ハッとアイは意識を取り戻した。
アクアが抱き着いて必死で「アイ!」と呼びかけている。
そんなアクアの頭を抱きしめて、腹部に痛みがない事に気付いた。
──夢じゃなかったんだ
どんどん、とドアが叩かれる音。
ルビーだった。
愛する娘が目に一杯の涙を湛えているのを見ると、アイはもうどうにも堪らない気持ちになってしまった。
──ドアを開けないと。そして抱きしめる。そして、そして、二人に愛してるってもう一度伝えよう
アイは立ち上がろうとして、尻の違和感に気付いた。
痛むのだ。命に関わるような痛みではない。
だが……
アイは構わず立ち上がり、そしてドアへと歩いて行った。
どろり、と何かが太ももを伝う感覚を無視して。
ケツマンコ!!!ケツマンコ!!!ケツマンコ!!!ケツマンコ!!!ケツマンコ!!!ケツマンコ!!!ケツマンコ!!!ケツマンコ!!!ケツマンコ!!!ケツマンコ!!!