俺には、年の離れた義姉がいる。
まだ自分が幼いころに再婚した父の相手、その連れ子だった。
といっても物心ついたときには一緒に暮らしていたので、仲が悪いとかそういうことはなかった。
こうして比較的仲の良かった姉弟だった俺たちだったが……
そんな日々は不意に終わってしまった。
「姉ちゃん、ご飯ここに置いとくから。」
そう言って姉ちゃんの部屋の前に食事を置く。
こうやって扉の前に食事を置くのも、すっかり習慣になってしまった――
----------
姉ちゃんがこうして部屋に籠るようになったのは高校で虐めにあったかららしい。
らしい、というのも加害者側に虐めをしたつもりが無く、教師から見ても虐めではないと判断されたからだ。
事が終わってから聞いた話によると、姉ちゃんは事あるごとに軽く馬鹿にされる……いわゆる“いじられキャラ”だったらしい。
はじめはうっかりを笑われる程度だったが、それが積み重なって姉ちゃんは学校に行く意欲を無くしてしまった。
担任の教師は、姉ちゃんが学校に行かなくなるまでむしろ仲が良いとすら思っていたようだ。
……その事実も、余計に姉ちゃんの心を傷つけたのだろうけど。
こうして姉ちゃんは人と関わることにひどい恐怖心を持つようになった。
それは他人だけでなく、自分を助けてくれなかった家族にさえも。
ただ、やはり姉弟だからだろうか。
少しずつだが、俺には話をしてくれるようになった。
最初は扉越しに、元気かどうかを聞く程度だったけど。
今では少しなら部屋に入っても話をしてくれる。
――そんな姉ちゃんに、今日はどうしても伝えなきゃいけないことがあった。
「姉ちゃん、入ってもいい?」
軽く二度、ノックをして問いかける。
すると少し物音がした後、同じように扉からノックが帰ってきた。
これが姉ちゃんの部屋に入っていい合図だ。
「お邪魔するよ……」
足を踏み入れた部屋の中は、カーテンを閉め切っているせいで薄暗く、少し埃っぽい。
一応俺が毎日掃除をしているものの、やはり閉め切っていては空気が澱んでしまう。
だから、俺が部屋に入るときだけは扉を開けておくようにしている。
これは両親の帰りが遅くて家に誰もいないときであれば……と姉ちゃんも了承してくれた。
というわけでドアは閉めず、部屋の隅でうずくまる人影に声をかける。
「横、座ってもいいかな。ほら、飲み物も持ってきたけど、いる?」
姉は無言で頷くと、近くにあった座布団を引っ張った。
ここに座って、とのことらしい。
俺は持ってきたお茶のボトルを間に置くと、そこに腰を落ち着けた。
そして、少し顔をあげて姉ちゃんの横顔を覗き見る。
相変わらず、姉ちゃんの目には光が無かった。
「実は今日、姉ちゃんに言わないといけないことがあってさ。
少し時間貰ってもいいかな?」
姉ちゃんの頭が少し揺れる。
「実は俺、ちょっといい高校の推薦貰ってさ。
勉強はほら、姉ちゃん程よくはなかったけど、部活動の結果が良かったから」
「それで、その推薦貰えたのが県外の高校なんだ、全寮制の。
だから、俺は来年にはこの家からいなくなるんだよ」
そう、これが言わなければいけなかったこと。
今までは俺が姉ちゃんの身の回りの世話を出来てた。けど、これからはそうもいかなくなる。
だから、改めて姉ちゃんに両親と向き合ってもらわなくちゃいけないということを伝える必要があった。
「だから姉ちゃん、もう一回お父さんたちと――ッ!?」
目が合った姉ちゃんは泣いていた。目を見開いたまま、こちらを凝視して。
「玲君も、私のことを捨てるの……?」
漏れた言葉は、こちらに対する失望だった。
そして、無意識にか両手をこちらの手に重ねてきた。
手の甲に伝わる柔らかな温度に少しドキッとしたが、今はそれどころじゃない。
「違う、そうじゃないよ姉ちゃん、俺は別に姉ちゃんを捨てるわけじゃ……」
ちゃんと、姉ちゃんに分かってもらわないと。
そう思って姉ちゃんに向き直ると、不思議なほど落ち着いて泣き止んでいた。
ただ、その目は空を見つめて、何かをつぶやいている。
異様な光景に何も言えずにいると、姉ちゃんはこちらに視線を向けた。
ただ、先ほどまでの様子とははっきりと違い、その顔には薄い笑みが張り付いていた。
「姉ちゃん、どうし」
「やっぱり、私が”本当の家族”じゃないからだよね?」
投げかけられた言葉に胸が痛む。
それは本当のことだ。自分と姉ちゃんには血のつながりはない。
けど、だからって姉ちゃんのことを家族じゃないなんて思ったことなんてない。
「だから玲君も離れていくんだ、私を置いて。
そういえばそうだよね。昔はあんなに『葵姉ちゃん、葵姉ちゃん』ってくっついてきたのに。
今じゃ名前も呼んでくれなくなったもんね」
「それは――」
確かに、成長するにつれ俺は少し姉ちゃんのことを意図的に避けていた。
だが、それは決して嫌いだからじゃない。
むしろ……その逆だ。
俺は姉ちゃんのことを異性として見るようになってしまっていた。
整った顔立ちに、女性らしい、自分とは違った身体の曲線、昔に見せてくれた……笑顔。
その全部を想うと胸が高鳴って、どうにもまともじゃいられなかった。
そして、姉ちゃんのことを避けるようになってしまった。
「でもそんなことはもういいよ、これから玲君と私は改めて家族になるの。
そうすれば、ずっと一緒にいられるよね?」
何を――と叫ぶ前に、普段の姉ちゃんからは考えられない力で床に押し倒される。
そして、俺の両手は抑えられ、身体の上に姉ちゃんが馬乗りになった。
抵抗しようにも、驚くほど強い力で抑えられていて、抜け出せそうにない。
そんな状況に困惑していると、突然、姉ちゃんの顔が視界いっぱいにまで迫る。
そしてそのまま、口元に柔らかいものが当たったかと思うと、口腔内に何かが押し入ってきた。
「~~ッ!!」
少し頭が真っ白になって、ようやくその正体に気付く。
俺は、姉ちゃんにキスをされている。
姉の舌は混ざり合ったお互いの唾液を纏いながら、自分の口内を蹂躙する。
それはまさに、貪るような、必死さすら伝わるキスだった。
「……っ、はぁ、はぁ♡んっ……♡」
少しの呼吸しか許されず、キスは続く。
くちゅ、くちゅと淫猥な水音が部屋に響く。
酸素が少ないからか鋭敏になった感覚は、否応なしに口内の快感を伝えていた。
「んっ……はぁ。気持ちよかった?玲君……って聞かなくても分かるよ。
こんなに、私のお尻にずっと固いモノ、当たってるし」
体験したことのない快楽で頭が痺れ、力が入らない。
ただ、姉ちゃんに性的なことをされているということだけははっきりと分かった。
「じゃあ、ズボン下ろすね」
抵抗は……出来なかった。
いきなりとてつもない快楽を与えられて、頭の中はそれしか考えられない。
おまけに、このまま従っていれば、それ以上の快楽を与えられることは目に見えてわかっていた。
姉ちゃんの指がズボンを下げる。
膨らんだ下着を見つめると、姉ちゃんは少し笑ったように見え、そのまま下着を下ろした。
瞬間、ペニスが晒される。
それは既に痛いほど勃起していて、ピクピクと震えていた。
「玲君のおちんちん、可愛い。
でも、もう子供を作れる立派なおちんちんだもんね。お姉ちゃん、知ってるよ。」
その言葉に背筋が凍る。
「玲君、私の下着でオナニーしてたもんね。
気づいてないと思った?私だってこんなだけど、下着が無くなってたら流石に気づくよ」
「気持ちよかったでしょ。あれ、私のお気に入りのだもの。
肌触りの良いシルクで、おちんちんだって優しく包んでくれるものね?」
淡々と、優しく諭すように姉ちゃんは続ける。
それと同時に優しくペニスを握り、ゆっくりと上下に擦り始めた。
「自分の部屋でこんな風に、しこしこ、しこしこ~ってしてたのかな。
こんなお姉ちゃんの裸を想像して、一人で気持ちよくなってたんでしょ」
徐々にペニスを扱くスピードが早くなる。
こぼれた先走りが潤滑剤になって、手が上下するたびににちゃにちゃと卑猥な音をたてた。
「でも、もうそんなことしなくてもいいんだよ」
不意に手が止まる。
中途半端な快感が、無意識に続きを求めさせた。
「玲君と私で赤ちゃんを作って……私たちは本当の家族になるの」
そう言うと、姉ちゃんはゆっくりとパジャマと下着を脱いだ。
布の下から少し汗ばんだ肢体、乳房、そして秘部が露になる。
思わずつばを飲み込んでしまうほど、俺はその光景に目を奪われていた。
憧れの姉ちゃんの裸。
それはあまりにも煽情的で、ペニスは刺激が無いのにもかかわらず、痛いほど勃起を続けていた。
「ほら、ここ。濡れてるのが分かるでしょ。
このおまんこに玲君のおちんちんをずぷっ……ずぷぷって入れるの」
姉ちゃんがおまんこを広げて見せつける。
きれいなピンク色の肉襞、その中心から、確かに透明な液体がゆっくりと零れ落ちていた。
「大丈夫、お姉ちゃんに任せて、玲君はじっとしてて――」
ゆっくりと、姉ちゃんの腰が下りる。
肉棒に添えられた手が慎重に位置を合わせ、暖かく、柔らかな穴に亀頭の先が触れた。
突然の刺激に思わず声が漏れ、姉ちゃんへ視線を向けてしまう。
そんな俺の様子を見た姉ちゃんは、昔と変わらないあの優し気な笑顔を浮かべていた。
(あぁ……そっか)
そして気づかされた。
こうすれば姉ちゃんは笑ってくれる。
俺が姉ちゃんにできることは
「それじゃあ、挿れるね」
容赦なく腰が下ろされ、一気に奥までの快楽を叩きつけられる。
ここまでで高められていたせいもあって、俺はそれだけで射精してしまっていた。
びゅくびゅくと精子が姉ちゃんの最奥に注がれているのが分かる。
亀頭の先に、子宮がちゅうちゅうと、まるでもっとちょうだいとでも言うかのように吸い付いてくる。
「……あ、もう出ちゃったんだ、入れただけだけど」
その言葉に、少し男の尊厳が傷つけられる。
ただ、ペニスは徐々に大きさを取り戻し、膣内で次の準備を整えていた。
それを感じて、姉ちゃんはさらに蠱惑的に笑う。
「まぁ、結局一回じゃ赤ちゃんは出来ないかもしれないから……
玲君がおかしくなるまで、いっぱい気持ちよくなって、いっぱい射精しようね」
そして姉ちゃんは激しく腰を動かし始めた。
汗ばんだ身体どうしがぶつかるたび、ぱん、ぱんと淫靡なリズムが刻まれる。
目前で跳ねる姉ちゃんの身体は、妄想の中と同じように淫らで、与えられる快楽は妄想以上だった。
正直なところ、何度射精したのかも分からない。
気がついたとき、既にペニスはむなしい痙攣を続けるだけになっていた。
そして姉ちゃんは恍惚とした表情を浮かべ、こちらを見下ろしている。
それでも、俺はすっかり熱くなった頭を必死に落ち着かせ、口を開いた。
最初の話の続き、本当に伝えたかったことを。
「なぁ、姉ちゃん。一つだけ聞いてほしいんだけど……
俺は、姉ちゃんを一人にするつもりは全くないよ」
「実際異性として姉ちゃんを意識してから、避けるようにはなってたけど……
それでも、姉ちゃんのことは大切な家族だって思ってる」
「そのうえで、一つ提案があるんだ。
もう、お父さんたちにはOK貰ってるんだけど……」
-----------------
――三か月後、春。
「玲、もうそろそろ出ないと新幹線間に合わないよ!」
「分かってるよ姉ちゃん……今行くから」
あの後、俺が姉ちゃんに伝えたのは、”俺と一緒に暮らしてくれないか”ということだった。
地元を離れ、新しい環境でなら姉ちゃんも外に出ることが出来るんじゃないかと考えての提案だ。
もちろん、その場で決まることはなかったが、その後すぐに一緒に行くと言ってくれた。
そして、姉ちゃんは春から通信制の高校に、俺は推薦先の高校で学ぶことになる。
「二人とも向こうについたら連絡してね?
何かあったらすぐに連絡するのよ?」
意外にも、あれ以降すぐに姉ちゃんと両親の関係が回復した。
元々繁忙期でなかなか家に帰ってこれなかったせいでお互い話が出来なかったのが問題だったのだが、
俺を含めて家族がちゃんと姉ちゃんのことを想っていることが伝わった……のだと思いたい。
「分かってるってば……ほら、行くよ玲。
あと、ちゃんと名前も呼ぶこと!」
「ごめん、
以前のように、姉弟の仲も元に戻りつつある。
一度、崩れかけた家族関係だったが、無事修復されたといっても過言ではないはずだ。
ただ、以前と一つ違う点があるとすれば……
「ねぇ、玲」
揺れる車の中、不意に葵姉ちゃんが耳元で囁く。
思いがけない行動に、思わず胸がドキッとしてしまった。
「向こうの家に着いて、また二人だけになったら……
……いっぱい、
あれ以降、自分たち姉弟の関係は、どうしようもなく爛れたものになってしまったということだ。
帰省中毎日なんか創る!の二日目です。
見切り発車で書いていたらボリュームが前作より増えました。ヤッタネ
次はHシーンメインで書けたらいいなぁ……と思います。
さてさて帰省するときにはどれくらい書けるようになっているのか。
今回の作品も楽しんでいただければ幸いです。
pixivに転載(2023/08/23)