「いっだっ!!」
頬に鈍い痛みが走ったのは、スマートフォンが手をすり抜け、無慈悲にも落ちてきたからであった。
しばらく天井を眺め、むくりと起き上がる。背中や首筋がすっと冷え、所々跳ねた髪の毛をかきむしった後、彼女は閉め切ったカーテンを開けた。
「……んぅ」
瞬間、目に飛び込んでくるのは健康な陽光。燦々と降り注ぎ、彼女の後方にのっぺりと影を伸ばす。耳を澄ますと、子供の笑い声と扇風機の回る音が聞こえてくる。ベッドの傍の棚に置かれた目覚まし時計は、12時をさして秒針と長針が重なっていた。
振り向くと、彼女の影の中に小さな机が収まっていた。食べかけのお菓子の袋にドライヤー、何本かお酒の缶が転がって、可愛いからと買った机の上を埋め尽くしていた。
扇風機が回る安いマンションの一室。そこは、どうしようもなく蒸していた。蒸していることを理由に、彼女は目が覚めてから今まで、スマートフォンという小さな窓から電子の海を覗いていたのであった。
「……んー」
ぐいと背伸びをし、ぽきぽき背骨から空気が抜ける音がする。背中が反り、サイズの合っていないダボダボのTシャツに正面の身体のラインが浮き彫りとなる。
そこへ、ふと彼女は目を落とした。
小ぶりな二つの胸が張られ、身の震えに小刻みに揺れた。暑苦しくてブラジャーを脱ぎ捨てていたことを、彼女は思い出した。
「……」
アルコールの匂いが部屋に漂っているからか、彼女は自分の胸が酷く魅力的に感じられた。じっとりと全身が湿っているような感覚も、退廃的な部屋の雰囲気も、それを増長させているのかもしれない。
ふと、尾骶骨の少し上の腰が疼いた。
自然と片手が白いパンツだけの下半身に伸びていき、
「んっ」
カチリとスイッチが入った瞬間であった。
「ふぅ……」
ぷっくりの膨れ、小さな豆のような
すりすり、すりすり、撫でているうちに、お腹の奥が切なくなって、ぬりゅ、とパンツが湿った。いつしか、ぬちゅぬちゅと、布の擦れる音に水音が混じり出した。
「はぁ……」
そして、優しく、回すように揉み始めた。気持ちいいわけではない。しかし、興奮はより高まっていく。
「ふっ、……う」
産毛の生えた足が伸びていく。唇が小刻みに動き、背筋がくねる。
「んんっ」
身を捩り、勢い余って顔が布団に突っ込む。その瞬間、鼻腔を突いたのは、ツンとした汗と自分の臭い。潤んだ瞳が揺れた。
お尻を突き出して、なおも大腿の合間の割れ目を撫でていた彼女は、いよいよパンツを下ろし、
____くちゅ。
「あふっ……」
キュッと目が摘まれ、足の指がピンと伸びて開いた。指に伝わってくるぐちゃぐちゃの柔らかいヒダヒダに指をなぞらせ、目当ての場所を探す。
____ぷちゅ、にちゅ……
そして、少し窪んだようになったところへ人差し指が当たった。
「ふっ、ふっ……」
呼吸が浅くなる。人差し指に当たる感覚は流動的で、軽く乗せているだけでも
そこへ、一思いに指を突っ込んだらどうなるのか。
もう何度でもやっていることなのに、毎回初めましてのような感覚を覚えるのは何故なんだろう。
____ずっ。
「……んっく」
____ずにゅにゅ。
「ひゃっ!?」
瞬間、彼女の脳漿に電流が弾けた。まだ人差し指の第二関節までしか挿れてないのに、軽く達してしまったのか。
しかし、ビクビクと震えている中の滑った壁が、人差し指をキツく抱きしめて離さない。それどころか、中に物が入り込む異物感を求めて、さらに引き込むように収縮と緩慢を繰り返す。はぁはぁと息を乱す彼女も、理性を焦がす炎の勢いがより猛りを増したと感じていた。
____ぐぷぷ。
「……」
人差し指と中指、親指の合間の水かきに、じょりじょりとした感覚がぶつかった。すかさず、彼女は中指を割れ目に沿わせ、人差し指が侵入した穴に当てがった。
そして、ぴっちりと締まったそこを掻き分けるように力を込めた。
「うあっ……!」
一際淫魔な水音が、彼女の贅肉の無いお尻から奏でられ、アルコール臭い部屋に鳴り響いた。
人差し指を大事そうに握りしめていた肉壁は、第二の異物の侵入に驚き、直ちに歓迎しようと蠢き始めた。
「ふぅー! うんっ……!」
こじ開け、押し広げ、粘膜に擦れる感覚が汗ばんだ背筋を這って、彼女の頭の表面をゾクゾクさせる。お腹の奥からつゆが溢れ、割れ目を隠すように生えていた剛毛に珠のように浸った。風呂に入らないまま飛び込んでしまうこともままある布団に押し付けていた口が開き、熱い吐息が絶え間なく溢れ続ける。
____みじゅっ、ぶちっ、にゅっ……
そして、案外すんなりと中指も穴の中に挿しこまれ、少し指先が震えると、つゆで濡れ濡れの肉壁が押され、甘美な快感が彼女に走った。
剥き出しの尿道がキュッと縮こまり、そこを薬指で指圧し、親指は陰核をコリコリとねちっこく押さえつける。それだけでも意識がふやけるほど気持ちが良く、手のひらにつゆが伝う冷たい感覚すら覚えるほどである。
しかし、すっかり爛熟した彼女はそれだけでは物足りなかった。最後のピースが欠けているように思っていたのである。
その答えを示すかのように、肉壁が収縮して、挿れっぱなしの人差し指と中指を押し潰そうとした。
その力に抵抗するように、彼女はそのふた指を曲げた。
____ぷじゅっ!
「ぁっ!!!」
瞬間、布団に臥していた上半身が跳ね起き、再び墜落した。
恐る恐る、彼女は曲げた指を伸ばし、再び曲げ、ぬるついてざらざらとした肉壁をほじくった。
「くあっ!あ、あっあっあっ!!!」
____ぐじゅ、ぶじゅ、ぢゅる……
アソコの上部にある菊門がヒクヒクとし出し、足が暴力的な快感の波から逃げ出そうと踠く。しかし、彼女の手は止まらない。
だんだんとストロークがまし、壁のざらざらを削り取るがごとく、人差し指と中指は狭い穴の中を躍動する。その時、指の収まった穴が擦れ、こんこんと溢れるつゆが泡立ち、赤く充血したヒダを白く染め上げた。
「あ゛〜!あっ……んぁっあ! ぁあ!!」
視界が白み始めた。首が持ち上がり、恍惚に沈んだ淫乱な表情が、だんだん苦しそうに目を見開き始めた。
暴れていた脚はピンと伸ばされ、小さな机の上に残置された空き缶にぶつかり、カランと軽い音を立て、フローリングへ落とした。
額に汗が湧き上がる。浮いた鎖骨を汗が降っていき、鳩尾付近で滴り、膨らんだTシャツにシミをつける。
「あっあっあっあっ……!!!!」
あと少し、あと少しで来る。
____ぐりっ
「あひっ!?」
トドメに、彼女は親指で陰核を強く擦った。
その時、人差し指と中指の整列が崩れるほどの強い圧力が穴の中に生じた。
そして、激しい快楽が脳漿に打撃を与えた。
「うあ゛っ……!!」
掌に熱い何かがかかる音がして、すぐにビチャビチャと勢いよく床を打つ水音が鼓膜を揺らした。しかし、それを気にすることを許さない身を貫く気持ちよさが濁流のように、熱に浮かされた意識を巻き込んでいった。
「ぁっ」
全身が緊張し、細かく痙攣していた彼女は、突如、苦しそうで幸せそうな表情を布団に沈めた。
◇◇◇
ブーンと音が鳴り響く。下半身を冷風が撫で、潮が蒸発して熱を奪う。その薄寒さが、彼女の覚醒を促した。
「……ねてたのか」
乾いた目を開き、何度か瞬きをしたあと、彼女は上半身を起こし、膝立ちとなった。
そして、少しだけ膝が動いたからだろう。ひんやりとした水の感覚を、彼女は鮮明な意識で捉えた。
「……うわぁ」
股下の
そして、さっきまで
「……」
自分でも何故そうしたのかよくわからない。しかし、彼女は、潮をその一身で受け止めた手へ、鼻を近づけた。
すん、と音が聞こえ、すんすん、と彼女の鼻の穴が動いた。
「……くっさ」
同時に、彼女はお腹の奥がキュッとしたのを感じた。
エロ書いてると不思議な気分になりますねえ