20YY年、人類はサイバネティクスの発展により、人間という生物の限界を拡張するに至った。
しかし、急激に発展した技術は同時に様々な混沌をも生み出してしまう。
その混沌の渦中にある場所こそ、数々の企業が派閥を争う巨大都市【マーキュリーシティ】であった。
そんな街の端の端。古びたアパートの一室に彼女は住んでいた。
「ナターリアさん……またこんなにゴミを溜めて……」
そう呟く少年の足元には適当な袋に詰められたゴミが点々としている。
それらの間から覗く床を慎重に進んでいくと、そこにはこの家の家主が天井を見て寝転がっていた。
「ナターリアさん、今日もメンテナンスしに……って、うわぁ……」
近づいてよく見てみると、家主の目は空を見つめ、その身体は小刻みに痙攣していた。
口元は緩み切って、流れた唾液が頬を垂れている。
少年はその様子を確認すると、ナターリアの側頭部にあるポートからUSBを引き抜いた。
その瞬間、ナターリアの目に光が戻る。
彼女はきょろきょろと周囲を見回すと、呆れた顔をする少年に声をかけた。
「いやぁ……その……ごめんな?」
「はぁ……前回で電子ドラッグはやめるって言いましたよね」
「あはは……」
「いくら身体が丈夫な
これは後でごみと一緒に捨てておきますから!」
「そんな……老いぼれの数少ない楽しみが……」
「昼間から電子ドラッグキメる老いぼれがいてたまるか!!」
しょんぼりとした表情でナターリアは膝を抱える。
まったく、この人は。
初めに出会った時、あんなにカッコよかったのに……
「とりあえず今回もその義手と義足、メンテするんで見せてください」
「はいはい……」
――三年前、僕はギャングに襲われていたところをナターリアさんに助けられた。
実のところ、それは
それ以降、僕は恩返しとして彼女専属のメカニックのようなことをやっている。
そして今日もメンテナンスのためにこの家を訪れたのだ。
「じゃあここ座って……ケーブル繋ぎますね。
作業中何か問題があったら言ってください」
そうして、強化脊椎と両手足にケーブルをつなげる。
これは持ってきたコンピュータに繋がっており、画面上でのデータも見ながら作業を進める……というわけだ。
「先、腕の調整からやりますね」
「うむ」
普通の調整作業とは違い、ナターリアの物は非常に神経を使う。
その理由は彼女が使用しているサイバネティックギアが古い軍用の物だからである。
そのため、整備中にミスでもしようものなら怪我どころでは済まず、
整備後に誤作動でも起こそうものならナターリアは仕事中に死ぬだろう。
「おい、少年」
「あ、はい。どうしました?」
「また難しいことを考えておるな?こう……眉間にしわがよっておるぞ」
そういって空いたもう片方の手で眉間をトン、トンと叩いて見せる。
「お主の整備ミス程度で死ぬなら儂はとうにくたばっておる。
まぁそんなに気負ってやらんでも良いのじゃ。信頼もしておるしの」
……どうやら考えていたことはお見通しだったようだ。
しかし、そのおかげで程よく緊張が解け、作業はスムーズに続いた。
腕部の整備が終わったため、次は脚部のメンテナンス作業へと移る。
「……」
脚部のメンテナンスは初めに身体との接続部分をチェックする。
そして、当然それはナターリアさんの鼠径部を凝視するということで……正直、かなり恥ずかしい。
日々の残念な様子を見慣れているから忘れがちだが、ナターリアさんはかなりの美人だ……見た目は幼女だが。
きらきらと光る長い銀髪、整った顔立ちと獣の混ざり者特有の不思議な瞳。
彼女の手伝いをすると言い出したのも、少しでも近づきたかったからという理由が少しだけあった。
まぁ……本人にそれを言っても、『……ロリコンか?』と茶化されるだろうけど。
そんなことを考えながらも、手を動かす。
その時だった。
「なぁ少年よ、どうやらまた集中が乱れとるようだが……大丈夫かの?」
ナターリアさんから声がかけられる。
「いや、大丈夫ですよ……はは」
「嘘は良くないぞ」
また、気づかれている。
「先ほどはあぁ言ったが、ミスは当然無い方が良い。
じゃから……少しだけ手伝ってやろう♡」
「手伝うってな――」
「一発スッキリさせてやろうと言っておる。
ほれ、分かったらはようマラを出せ♡」
――明らかにナターリアさんの様子がおかしい。
ただ、雰囲気にのまれてはいけない。
ここはひとまず落ち着いて……そう思った瞬間、整備したばかりの腕に勢いよく抱き寄せられる。
そしてそのまま、近づいてきたナターリアさんの唇が自分の唇に重ねられる。
勢いはそこで止まらず、ナターリアさんの舌が口内に入ってくる。
「んっ……れぅ……んんっ♡」
唾液を流し込まれながら、舌を絡められる。
息が出来なくなり、思わず口を開くと、さらに激しいキスが続く。
何とか離れようともがくも、強化された彼女の腕から逃げることは出来ない。
まさに万事休すといった状況だった。
「んっ……はぁ♡そろそろ下の方も元気になってきたようじゃな♡」
酸欠で朦朧とする頭で声の内容を理解する。
気が付くと、下半身ははっきりとその存在を主張していた。
「どれどれ……動くなよ。
動いたらいつ骨をやってしまうか分からんからなぁ……」
そのまま両腕を拘束され、床へ仰向けに倒される。
見上げると、そこには息を荒くした獣が一匹。獲物へと馬乗りになっていた。
(……!)
そうして見上げた時、ふと彼女の側頭部に目が行く。
先ほど電子ドラッグ入りのUSBを引き抜いたそこには、もう一本、別のUSBが刺さっていた。
つまり、彼女がやっていたのは電子ドラッグ同時服用。いわゆるカクテルである。
(何やってんだこの人――ッ!?)
それに気付いたことで原因に予想がつく。
以前彼女がカクテルをやった時、彼女はアッパー系とダウン系を使用していた。
今回も同様なら、その直後の反応からして自分が引き抜いたのはダウン系のものだったのだろう。
そしてアッパー系でテンションが上がりまくったせいで発情期のようになっている……ということだろう。
我ながら少し無理がある推理だが、おおよそは合っているはず。
であれば解決策はあのUSBを引き抜けば良い。
「儂ももう待ちきれん……♡
ほれ、儂の
機械の腕がナターリアさんの陰部を露出させる。
見せつけるように眼前に寄せられたソレは、はっきりと見て分かるほどに濡れていた。
そして、自分の下着が強引に下ろされ、陰茎が露出する。
原因が分かったところで、この状況を覆すのは不可能だった。
「それじゃあゆくぞ……っ♡んんっ……♡」
勃起したソレに柔らかな陰部が触れる。
体格上、膣口は狭いはずだが、ペニスの上にナターリアは躊躇せず腰を落とした。
その瞬間、締りの良い膣内にペニスが容赦なくこすり上げられる。
挿入していてきついと感じるほど締まった膣内は、その内襞の快感を余すところなく伝えていた。
「どうじゃ?なかの具合は良いじゃろう。ほかに、儂ほどの体格でまぐわいに慣れておる女子などおらんだろうしなぁ♡」
こちらを見下ろしながら、彼女は悪戯っぽく笑う。
「さて、このまま腰を動かすが……簡単に果ててしまうなよ?」
そして、この言葉を皮切りに容赦のない抽挿が始まった。
きつい膣内を無理やり押し広げていくかのような感覚。
しかし、その快感は自らの意志ではなく、自分の上に乗る幼女が導いている。
一切手加減の無いそれは、苦しいほどの快感で脳を融かしていく。
「……っ♡儂もいつもより不思議と感じるなぁ……♡
ひょっとしたら少年、儂ら相性がいいのかもしれんぞ?」
それはドラッグのせいだ――と言いたかったが、そんな余裕はなかった。
実際に相性が良いかは分からないが、少年は今にも射精してしまいそうなほどの快楽を感じていたのだ。
ただ、それを我慢することが出来ていたのは彼女が恩人であることと、
こんな方法で彼女を汚したくないという意思からだった。
「……なぁ、さっきからお主、我慢をしておるな?」
機械の義肢を鳴らし、腰を振りながら彼女は言う。
既にペニスは震え、射精直前の状態ではあったが、少年は気力でそれを抑え込んでいた。
「ナターリア、さん……僕……僕は……っ!」
どうにか絞り出した声に、激しく打ち付けられていた腰が止まる。
与えられたほんの少しばかりの余裕に、少年は言葉を続けた。
「そんな、ドラッグなんかでこんなことはしたくない!
だって、僕は貴女のことが――!!」
「ん?これはドラッグではないぞ?中身はただの画像データじゃ」
「え」
「そもそも以前カクテルを試した時、あんまりアガらなかったからのう……
あ、ひょっとして……儂がこれの副作用で発情してるとでも思ったか?」
図星である。
我ながら名推理!とさえ思っていた予想は、本人による証言であっさりと打ち砕かれた。
「じゃ、じゃあ何でこんなこと……」
「……まだ気づかんのか、とんだ野暮天じゃのう」
そう言うと、彼女は耳元まで顔を寄せ、囁いた。
「儂が、お主のことを好いておるからよ♡」
その言葉に、思わず鼓動が早くなる。
頭に血が上り、きっと顔は赤くなっているだろう。
更には『好き』と言われたその瞬間、繋がったままの陰茎が自分でも分かるほどに跳ねた。
「おや、その様子だと本当に気づいてなかったのか。全く、あれほどアピールしていたのに……」
「夏だからと言い訳をしてわざと薄着をしてみたり、
脚の整備だって細かく見るためと言って脚を余分に開いたり、
さらには無防備な姿をさらしてやったりもしたのにのう!!」
……言われてみるとなんとなく心当たりはあった。
が、そのほとんどは彼女自身のだらしなさゆえだと思っていたし、
意識させるようなことに関しては、男として見られてないんじゃないかと少し自信を失っていたのだが……
「まぁでも、誤解も融けたであろう?
それならもう、我慢の必要はないな……♡」
そして、彼女は再び腰を動かし始める。
ただし……先ほどよりもかなりゆっくりな、焦らすようなペースで。
「うぁっ……」
「どうも分かっとるのか微妙じゃからのう……
このねっとりとした腰使いで、存分に愛を伝えてやる……♡」
ただ上下させるだけでなく、腰を回しながらのストローク。
ナターリアさんが動くたびに、敏感な箇所を丁寧に何度も刺激される。
しかし、その刺激は射精まで届くようなものではない。
じわじわと積もる快感と射精欲に、少年の頭はおかしくなってしまいそうだった。
「どうした?やけに辛そうじゃのう……儂がこんなにも愛しておるというのに」
こちらを見下ろしながら、彼女は悪戯な笑みを浮かべる。
「なんてな、分かっておる。
射精したくてたまらないんじゃろ。白い雄汁をぴゅーぴゅーと、儂の中に吐き出したいんじゃな?」
「でもなぁ……儂はこんなに愛しておると伝えておるのに、儂の下にいる男は喘いでばかりで何も言わんしのぉ……」
わざとらしく、彼女はこちらに視線を送る。
要するに、先ほどの続きを伝えればよいのだろう。
それを理解した瞬間、言葉はすぐに口をついて出た。
「――ッ!僕もナターリアさんが好きです!初めて会った時からずっと、大好きです!」
「……儂も、愛しておるよ♡」
そう、叫ぶように伝えた瞬間。
先ほどまでの緩慢な動きが嘘のように、ナターリアさんは腰の上で跳ねた。
亀頭の先が見えたかと思うと、狭い肉壺の奥、子宮口にキスをする感触。
それが、何度も何度も繰り返される。
「はぁ……はぁ……!好き、好きじゃ!
ただ、今この瞬間、儂は……満たされておる!さぁ、儂の奥に子種を注ぎ込んで、もっと儂を満たしてくれ……!」
限界が訪れる。ただでさえ高められていた射精欲が、強い刺激によって急激に昇り詰める。
鈴口が震え、射精が近いことを知らせる。
その感覚に、ナターリアは思わず笑みを零した。
そして、とどめとばかりにその腰を最奥まで密着させるように打ち下ろすと、膣内に力を込めた。
膣内で、びゅくびゅくと精子があふれる感覚。
子宮口に密着した亀頭から吐き出されるそれは、間違いなく子宮を満たしていた。
「あぁ、出とる……熱いのが……儂の胎を満たしておる……♡」
気が付くともはや両腕は拘束されておらず、お互いがお互いの両手を絡めあっていた。
満足そうなナターリアさんを見上げていると、少年は急激な眠気に襲われていた。
そしてそのまま、少年は微睡の中に落ちるのであった。
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目が覚めると、少年は床に寝かされていた。
周りには眠る前に使用していたメンテナンス用の機材が転がっている。
それは、先ほどまでの出来事が夢ではないことをはっきりと表していた。
「おぉ……目が覚めたかの、
冗談めかしてナターリアが声をかけるが、今、少年の頭はそれどころではなかった。
窓の外は既に日が落ちている。
眼前のモニターに表示された時間は……19時。隣には不在着信があったことを示す通知がいくつも表示されていた。
「まずいまずいまずい!ナターリアさん、話はあとで!僕、とりあえず帰ります!」
そしてそのまま大急ぎで機材をかたづけると、少年は慌てて部屋を飛び出した。
きっと彼はこの後客の大目玉を食らうことだろう。
そして、部屋に残されたのは、ナターリアただ一人。
「まぁ……しょうがないか。儂もそろそろ仕事の時間だからなぁ」
そして、彼女はゆっくりと身支度を整える。
古びたアパートに似合わない銃器を担ぎ、装備をそろえる。
そして、
「さて……行くかの」
窓を開け、彼女はマーキュリーシティの夜に躍り出る。
企業の依頼をこなし、社会に暗躍するエージェントこそが彼女だった。
通常、混ざり者は厳しい監視下に置かれ、その生活に自由はない。
ただ、彼女は自身の特性を活かし、その身体のほとんどを機械に置き換えることで自身の価値を示した。
こうして、彼女は明日の自由のために依頼を遂行する。
それが、どんな犠牲を払うものだったとしても。
帰省中毎日なんか創る!10,11日目作品。
あらすじにある通りのことをやりたかったんですが、サイバーパンクっぽさがちょっと少なかったかも。反省。
舞台の設定は、実は前々からこんなの書きたいなぁ……ってことであったんですが、短編だと流石に説明しきれない!Hシーン大事だし!
ただ、書きたかったのじゃロリが書けたので満足です。
今度は次作のアイデアも出てきてるので、直ぐ書けると……いいなぁ……
それでは。