田舎で危険な見た目の女性に出会う話。

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灰色と藍色。

 

つい先月、母親が死んだ。事故死だった。

仕事先に向かう途中、飛び出した子供を避けようとしてハンドルを切った。

そしてそのまま電柱に衝突。葬式で死に顔を見ることは止められた。

 

唯一の肉親が死んだことで、俺は親戚に引き取られることになった。

だが、それも長く続きはしない。

 

もともと貧しい家庭で、ろくな遺産もない俺の世話をしたところで金がかかるだけ。

更には愛嬌も可愛げもないとくれば、家に置いておく意味はないだろう。

 

そうして俺はこの夏までに5つもの親戚の家を渡り歩くことになった。

そしてこれから一か月の間、もはやほとんど血も繋がってない家族のもとで過ごすことになる。

 

「それじゃあここに荷物を置いて……その部屋を使ってね。

 色々物があるから狭いかもしれないけど、我慢できるよね?」

 

「……はい」

 

今回、俺が世話になるのは父・母・娘の三人家族。

中でも娘は部外者の男である俺を先ほどから睨みつけている。

 

(まぁ……ひと夏の辛抱だから)

 

こうなる前から、我慢することには慣れていた。

自分が恵まれない環境にいることが分かっていたから。

 

それでも、その差を忘れてしまうことが出来るほどに、母親に救われていたから。

 

「何か足りないものがあれば言ってね。じゃあ私は家の仕事をするから」

 

そう言って叔母はリビングに戻った。

それからしばらくは食事の時以外、部屋に籠ってぼうっとしていた。

 

だが、ある日の夜俺は誰かが言い争う声で目が覚めた。

 

「何でお母さんもお父さんもアイツをこの家に住まわせてるの!?

 自分がお世話になってるのにあの態度!本当のクソ野郎だよ!?」

 

「……あのね〇〇、この夏の間だけだから我慢して。

 私も、お世話になった人からお願いされなきゃ本当は嫌よ」

 

「でも!何でお母さんが我慢しなくちゃいけないの……!?

 アイツがさっさと孤児院にでも行けばいいじゃん!!」

 

「二人とも、もう少し声を小さくしてくれないか。

 たった一か月なんだ。もう少しの辛抱だよ……」

 

その時気づいた。俺が必死にしがみついてた居場所は、居場所ですらなかった。

俺はただ、迷惑をかけてるだけだってことに。

 

『夕飯には戻ります』

 

翌日、俺はそう書き残して家を出た。

何も考えず、何も持たず、あてもなく歩くことにした。

 

今までの引き取り先とは違い、その町には海が近くにあった。

そのせいだろうか。歩き回っていきついた先は、朽ちた船が何艘か繋がれた浜辺だった。

近くには……物置だろうか。小さな木造の小屋が建っている。

 

「……何でだろう」

 

日陰に座って海を見ていると、不意にそんな言葉が漏れた。

 

「何でだと思う?」

 

「――ッ!?」

 

意識外からの返答に、慌てて後ろを振り向く。

そこには大学生くらいの女性が立っており、こちらを見下ろしていた。

 

「やぁ少年、真昼間から海を眺めておセンチとは。

 近頃の子供はたいそう大(・)人(・)っ(・)ぽ(・)い(・)ねぇ」

 

そう言う彼女の見た目も、かなり大人っぽいものだった。

派手な髪色に、至る所に着けられたピアス。

服には意味の分からない英語と、髑髏をモチーフにしたイラストがでかでかと描かれている。

 

「……放っとけよ」

 

「流石にそんな目してる子供を放っておけるかっての。

 隣、座らせてもらうよ」

 

自分の横に、彼女は少し距離を開けて座った。

もし、ここでいきなり彼女が隣に座るようだったら、俺はすぐにこの場を離れていただろう。

 

「知ってるんだ、それは何も無くなってるやつの目。

 ただ惰性で生きるしかない奴の目だよ」

 

「……」

 

言われて少し納得した。確かに俺には何もない。

それでも、なぜか生きてしまっている。

 

「でもだからって死にたいわけじゃないよな。

 いや、直ぐにでも死ねる機会があれば死にたいって方が正しいかも」

 

「まぁでもアタシはアンタみたいな子供が死ぬのは何となく嫌だ。

 これははっきり言って偽善だし、アタシが何かしてやれるわけでもないけど……」

 

「ここに来たら話ぐらいは出来るから、しばらくは生きてみろよ」

 

……彼女が言葉を選んで言ったそれは、よくよく聞くとただの我儘だった。

要するに調子のいいことを言って、弱者を救う自分に酔いたいだけだ。

 

「……分かった」

 

しかし、この時俺の中に奇妙な考えが浮かんだ。

これから毎日ここに来てやったらこの偽善者はいつ面倒になって来なくなるだろうか。

そんな意地の悪い興味で、俺は彼女の言うとおり生きてみることにした。

 

来ない日が一日でもあれば、その日にでも死んでやるつもりで。

 

 

 

それから俺は毎日、その浜辺に向かった。

娘と叔母は初めこそ不思議そうにしていたが、一週間もすると何も言わなくなった。

おそらく、何も言わずに家の外にいてもらう方が好都合だったからだろう。

 

「早速来たか、少年。じゃあお話しようか!

 ……とおもったけどいきなり自分のことは話したくないよな。

 最初は私が自分のことを適当に話すから、話す気になったら話しなよ」

 

それからしばらく、最初のうちは隣で話す彼女の話を聞いていた。

大学の夏休みで帰省していることや、サークルのバンド活動、

大学食堂の日替わりが揚げ物ばかりのことや、友人の愚痴まで様々な話を。

 

毎日楽しそうに横で話す彼女に、俺は少しづつ会うことが楽しみになっていた。

 

一週間ほど経ったある日のこと、いつものように俺は浜辺に向かった。

そしてまたしても先に待っていた彼女の横に座る。

 

「じゃあ今日はアタシの友達の話をしよっか。あんまり楽しい話じゃないけどね」

 

そう言って彼女は話し出す。いつもより少し大人しい様子で。

 

「そいつは高校からの友達でね。家も近かったからよく遊んでたんだ。

 一緒に同じ大学に進学して、仲もよかった」

 

「ある日そいつに彼氏が出来た。

 私と一緒に遊ぶ機会がなくなるほど仲のいいカップルだったよ」

 

いつの間にか彼女は懐から煙草を取り出して、火をつけた。

ライターを握るその手は心なしか震えていた。

 

「それでいつの間にか距離が出来てたんだけどね……

 しばらくして、突然連絡が来たのよ。家に来ないかってね」

 

「別に用事もなかったから向かったよ。そしたら、アンタと同じ目をして部屋でうずくまってた。

 理由を聞くと、彼氏が事故で死んだんだって。消え入りそうな声で言われたよ」

 

話す声が、次第に潤んでいく。

ふと目をやると、彼女の目には涙がたまっていた。

 

「あの時、もっと話を聞いてやるべきだったんだ。

 私はそういうこともある、深く思い詰めるな、なんてうわべだけの言葉を言って――!」

 

「次の日、そいつが首を吊ったことを聞いたよ。結局その時、私はアイツを見捨てちまったんだ」

 

「ここでアンタに会ったときがちょうど、葬式の翌日だったんだ。

 だからさ、最初に言った通りこれは偽善なんだ。あの時アイツに何もしてやれなかった私が、同じ目のアンタに言いたいことを言うだけの」

 

涙をぬぐって彼女は悲しげに笑う。

そして煙草の火を消すと、こちらに向き直った。

 

「私から言いたいことは一つだけ。

 一つは他人に幸せを依存するなってこと。少しは良いけど、

 多くを享受するだけになると、その人がいなくなった時に耐え切れないから」

 

「自分で幸せになってやりな。それを目指すこともきっとアンタの胸を埋めてくれるはずだよ」

 

夕焼けに彼女の顔が照らされる。

こちらを見つめる顔はとても綺麗に映って、思わず息を呑む。

 

それと同時に彼女の言葉が胸に刺さる。

彼氏を失った友人と同様に、きっと彼女も耐え難い孤独感に襲われたのだ。

それでも、彼女はそれを乗り越えて話をしてくれている。

 

「もう日が落ちそうだね……今日は帰ろうか、それじゃあまた今――」

「……幸介」

 

それに対して俺も、ちゃんとした態度で向き合うべきだと思った。

 

「俺の名前、島崎 幸介。

 今までその……名前言ってなかったから……」

 

改めて名前を教えるのは、なんだか気恥ずかしくて。

思わずだんだんと声が小さくなってしまう。

それでも、その意図を彼女は汲んでくれたようだった。

 

「アタシは三条。三条 燐。

 よろしく、幸介」

 

徐に三(・)条(・)さ(・)ん(・)は手を差し出す。

俺も、何も言わずその手を握り返した。

 

この時から俺と彼女は、友人と言える関係に成れたのだと、俺はそう思っている。

 

その翌日から、俺は三条さんに自分の話をするようになった。

ただ、それは決して同情してほしいとか、憐れんでほしいとかそういう理由からではない。

 

それはおそらく昨日の続き。

お互いが対等になるための儀式のようなものだった。

 

よくよく考えてみると、俺は今まで誰かと話をするということが無かった。

学校の連中は貧乏を理由に馬鹿にしてくるような奴が大半だったし、親戚の人らには腫物同然の扱いを受けた。

 

こうして改めて誰かの話をしてみて、俺は初めて自分が話下手ということに気付いたのだ。

 

しかし、そんな俺の話を煙草の煙をくゆらせながら、三条さんは黙って聞いてくれている。

それが今の自分にとっては恐らく本当に必要だったものだった。

 

「……それで、一か月の間ここにいることになった」

 

話し終わると、三条さんは吸殻を懐の携帯灰皿に仕舞い、立ち上がった。

そうしてひとつ伸びをすると、こちらを見下ろして口を開く。

 

「遊びに行こうか」

「え?」

 

「せっかくの夏休みなんだ、遊んだって罰は当たらないだろ?それに……」

 

ふいに彼女はこちらに顔を寄せる。

 

「そうして、自分が幸せに感じる方法を探せばいいじゃないか。

 なぁ、幸介?」

 

立ち上がることを促すように、彼女が手を伸ばす。

それを断る理由は、もはや無い。

 

 

それから、俺たちは色々なことをして遊びまわった。

山へカブトムシを採りに行ったり、川の浅瀬で水遊びをしたり。

ちょっと足を伸ばして市街地のゲーセンやカラオケにも行った。

当然、そこで遊ぶのには金が必要だったが、それは三条さんが払ってくれた。

 

最初、俺は金がないことを理由にそこで遊ぼうという三条さんの提案を断ったのだが、

 

「大学生ってのはさ、高校生が大人と子供の間なら、大人の八割みたいな存在なのよ。

 大人に付きまとう仕事だけがが無い状態。でも、不思議とお金と時間は出来るものなんだ」

 

「だから申し訳なく思う必要はないし、思いっきり楽しもう!

 それに、幸せになる方法はいくらあっても困らないぜ?」

 

と、言われてしまい結局流されてしまった。

 

そうしてあっという間に時間は過ぎてしまった。

気が付くと、俺が次の家庭の厄介者になる日は目前に迫っていた。

 

そして最後の日、俺は何を言うべきかもわからないまま浜辺に向かう。

 

そこにはやはり三条さんが待っていた。

ただ、あれほど遊びまわったからだろうか、以前より肌が少し小麦色になったように見える。

 

「こんにちは、三条さん」

「やぁ、幸介」

 

いつも通り、彼女の横に座り込むと、不意にその隣の袋に気が付く。

 

「花火だよ。そういえばやってなかったと思ってね」

 

三条さんが、袋の中から小さな花火の袋を取り出して笑う。

だが、そんな様子を見て、俺はついに我慢が出来なくなった。

 

「……ん……よ」

「ん?どうした、幸介」

 

「「ふざけんなよ!!」」

 

我ながらびっくりするほどの大声だった。

だが、それほどにあふれ出した感情を抑える術を俺は知らなかった。

 

「何が幸せを他人に依存するな、だ!!俺はアンタのせいでこんなにも毎日が楽しくて!幸せで!」

「おい、ちょっと落ち着けよ」

 

「どう考えても自分だけで幸せになれる気がしないんだよ!

 なんでそんなに楽しいことをさせてくれるんだよ……」

 

「明日、ここを離れたらそんな毎日も終わる。

 それが俺はどうしようもないほど怖いんだよ……どうしてくれんだよ……」

 

思わず、その場で泣き崩れる。

母親が死んでからこんな風に思いっきり泣くようなことはなかった。

 

「ごめんな」

「ごめんなってなんだよ……ッ!」

 

顔を上げると、彼女も静かに泣いていた。

 

「途中からはさ、アタシの我儘だったんだ。

 アンタといるのがアタシもいつの間にか楽しみになってた」

 

「……え?」

 

「あんなことを言って結局依存してたのはアタシの方だった、ってことだよ」

 

その瞬間、彼女の顔が眼前に迫る。

唇に柔らかな感触を感じ、俺は初めて自分がキスをされたのだということに気付いた。

 

「今までの楽しいコトは、君が将来友達と出来ること。

 だから、この最後は――

 

 ――私としか出来ない楽しいコトをしよう?」

 

俺は、それを拒まなかった。

 

 

 

意外にも、彼女に連れられたのは浜辺の隣にあった小屋だった。

聞くと、この辺りの船とこの小屋は両親の物らしい。

 

「それで荷物を取りに来た時、アンタに気付いたんだよ。

 普段早めに来てたのはここの掃除やってたから」

 

小屋の隅には二畳ほどの畳が敷かれている場所があり、俺たちはそこに座り込んだ。

 

「ほら、服脱いで。そこらへんに置いておいていいから」

 

促されて服を脱ぎ始める。流石に直視するわけにはいかず、三条さんには背を向けた。

後ろからは彼女が身に着けていた金属製のアクセサリーが擦れる音がする。

 

「こっちはいいよ、そっちも……大丈夫そうだね

 こっち向いてもらえる?」

 

緊張しながら、ゆっくりと後ろに振り返る。

そこには自分と同じように一糸まとわぬ姿になった彼女の姿があった。

 

「はは……もう興奮してるってことは知識はあったんだ。

 もうソコ、大きくなってるよ?」

 

そんなことを言われながらも、俺は彼女に興奮していた。

正直言って今まで彼女にそんなことを考えたことはなかった。いや、そんなことを考える余裕がなかったというべきか。

だが、今は違う。

 

すらりと伸びた肢体に引き締まった身体。

小ぶりな乳房は美しい曲線を描いて、陰部には露が光ったように見えた。

そのどれもに魅力を感じ、俺の鼓動はどうしようもないほど激しくなっていた。

 

「年にしては結構大きいね……

 ほら、私に任せて」

 

そう言うと彼女は大きくなったペニスを優しく握りこんでくる。

亀頭に白い指が触れた瞬間、軽く腰が跳ねてしまった。

 

「ふふ、ひょっとして感度良いのかな?

 じゃあ、ゆっくり焦らしてみようかな」

 

握りこんだ指が解かれ、今度は指の腹でなでるような動きに変わる。

それと同時に、もう片方の手が睾丸を優しく転がし始めた。

 

こそばゆいような感触。

だが、興奮しきった今の状況でそれは甘く蕩けるような快感になる。

その証拠にぷっくりと膨らんだ亀頭の先端からは透明な汁がとめどなく溢れていた。

 

「そうやって我慢してるとさぁ……頭の中が射精のことしか考えられなくなるの。

 その状態を限界まで高めてやった後に思いっきり吐き出すことを想像してみてよ。

 絶対気持ちいいよね。脳みそに焼き付いちゃうくらい、尋常じゃない快感」

 

ぴと、と鈴口に指が当てられる。

彼女が軽く指を離すと、亀頭の先端と指の間に糸が引いた。

 

「……それで潔くお別れしよう。

 それまでは――いっぱい愉しもうか」

 

指についた汁を舐めとって、彼女は笑う。

そして口に唾を少し溜めると、それをすっかり大きくなったペニスに垂らしていく。

 

生温い透明な液体が、彼女の口から零れていく。

それは肉棒にまとわりつくと、その淵をつたって濡らした。

 

彼女はてらてらと光るペニスを握り、手を上下に動かし始める。

細い指先がペニスをなぞる度、つつましい彼女の胸が少し揺れた。

 

「さっき垂らした唾のせいでエッチな音してるね。

 くちゅくちゅ……って音がしこしこするたびに止まらない」

 

「でもまだ射精するのはダメ」

 

ひときわ大きくペニスが震えた瞬間、先ほどまで動いていた手が止まり、竿の根元を軽く握られる。

 

「アタシのことも気持ちよくしてくれるでしょ?」

 

そう言って見せつけるように広げられた秘部からは、とめどなく愛液が零れていた。

 

そして俺は促されるまま床に仰向けになる。

彼女はそのまま俺の上に馬乗りになると、唾と我慢汁に塗れた竿に手を添え、位置を合わせた。

 

「入れただけで出しちゃだめだよ、頑張って我慢して。

 そうしたら……絶対に気持ちいい射精、させてあげるから」

 

「……我慢するのは得意だよ」

 

返事を聞いて、彼女はゆっくりとペニスの上に腰を下ろし始める。

湿った肉の襞が先端にあてがわれ、思わず息が漏れた。

 

狭い肉壺の中にペニスが沈み込む度、柔らかな肉襞が優しくペニスを包んでいく。

俺が腰を動かしてないにも関わらず、挿入しているだけで淡い快感が伝わってきた。

 

気が付くとその快感は竿の根元までを覆い、見下ろす彼女の呼吸は先ほどよりも荒くなっていた。

 

「……それじゃあ、動くよ」

 

それを合図に、ゆっくりと腰が上下に揺れる。

すっかり潤んだ秘部は、動くたびに亀頭、裏筋、竿を丁寧に舐っていく。

その度に頭がまっしろになるほどの快感が脳内で弾けていく。

 

「いいよ、そのまま我慢して。テンポ上げていくよ……っ!」

 

ぱんぱんと先ほどよりも早く腰が打ち付けられる。

リズムよく弾む彼女の身体が、苦しいほどの快感を容赦なくペニスを押しつぶす。

 

ふと彼女の表情を見ると、彼女は笑っていた。

ただ、その笑顔は今まで見たものとは違い、とても蠱惑的な笑みだった。

そしてその笑みを見て目が合った瞬間、ペニスが大きく跳ねる。

 

「私ももう少し……っ!」

 

限界の気配を察してピストンのスピードがさらに上がる。

まるでペニスが溶けているかのような快感で、頭が沸騰してしまいそうだった。

 

また、腰が落とされるたび、彼女の膣内が震えているのがはっきりと分かる。

それでも腰の勢いは全く衰えず、むしろ快楽を貪るかのような暴力的なものに変わっていった。

 

無意識のうちに少しづつ腰を落とす角度を変え、最も感じる場所へと導く腰使い。

それは彼女を絶頂へと昇らせるだけでなく、変化する刺激は俺にも激しい快感を与えていた。

 

「――イクッ!!」

 

その時、彼女の膣内が一段と強く引き締まった。

その状態で行われたピストンは膣襞の一つ一つを感じ取ることが出来るほどにペニスを扱く。

 

震えだした膣の最奥に鈴口が触れた瞬間、とうとう俺は限界を迎えた。

 

びゅくっ、びゅくっと熱いものがペニスから溢れ出す感覚。

結合部の間から納まりきらなかった精子がとろりと零れていた。

 

お互いに激しすぎる快感の余韻に浸りながら、息を整える。

その後のことは、何も言わずともわかっていた。

 

 

 

「結局、花火する時間無くなっちゃったか」

 

落ちていく日を並んでみながら、彼女は言った。

左腕の時計は既に十八時を回ろうとしている。

 

「これで、お別れですね」

「そうだねぇ……」

 

薄闇に赤い火が灯り、彼女は煙草に火をつけた。

 

「……俺、三条さんに会えてよかった」

「私もだよ、幸介」

 

夕焼けを背景に煙が揺れる。

彼女の瞳は、じっと海を見ていた。

 

「ありがとう……ございました……っ!」

 

駄目だ。

 

「今まで……本当に……っ!」

 

我慢しろ。

綺麗にお別れしなくちゃ駄目だ。

 

「あり――」

「ありがとうな、幸せに生きろよ」

 

抱き寄せられていた、彼女の両腕に。

顔は見えないが、横からは鼻をすする音が聞こえる。

 

 

 

結局、俺たちは涙でびしょびしょになって、それぞれの帰路についた。

我ながら、ひどい別れ方だった。

 

それでも、その別れ方こそがなんだか俺達にはピッタリな気がした。

 

そして夏が終わり、俺はあの街を離れた。

 

……それからの生活は決していいものではなかったが、俺は間違いなく幸せだと思う。

なぜなら俺はたくさんの幸せになる方法を知っているからだ。

 

他の人から見ればそれはいたって普通のことだろう。

だが、普通のことだっていいのだ。

 

自身で幸せだと感じられること。

それこそが自分で幸せを作ることであり、他人に幸せを依存しないことだと俺は思う。

 

だからこそ、胸を張ってこう言えるのだ。

 

 

 

「俺は今、幸せに生きているよ」

 

 

 




帰省中毎日なんか創る12,14日目の作品です。いぇい。
日付空いてるのは一気読みした漫画に影響されてイラスト描いてました。
そのせいで完成が遅れたワケです。許して。

実はあと一か月ほど帰省中なのですが、流石にネタが無くなってきました。
思いつけば多分また書くと思うけど、現状ネタが思いつくまでは上の毎日~を
これをもって〆と致します。

絵はまだいいけど文章書くのって体力がすごい持ってかれます……毎日連載やってる
方々はすげぇや。

ってことで最後になりますが読んでいただきありがとうございました!
少しでもこれまでの作品があなたに爪痕を残せたら幸いです。それでは。

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