僕と晶は遠藤家所有のクルーザーで沖に出た。晶に言われて背中にオイルを塗っていると、突然の大波でクルーザーが揺れ……。

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ゲーム「センチメンタルグラフティ」の二次創作です。pixivにも同じものを掲載しています。



遠藤晶~クルーザー

 夏休みに入った僕は長崎に来ていた。夜行列車で長崎入りし、着く早々晶とデートしている。

 狭い寝台は体を十分に休められたとはお世辞にもいえなかった。

 それでも晶の笑顔を見た瞬間、僕の疲れは吹っ飛んでいた。

 僕は晶が好きだ。でもちゃんとした気持ちはまだ伝えていない。

 正式に付き合ってるわけではないが、こうしてデートしてくれるってことは嫌われてはいないと思う。

 ゴールデンウィークにはキスしそうにもなった。

 ……あれはデートで行った教会で甘い雰囲気になったときのことだったっけ。

 

「ね、キス…しよっか……」

 晶が僕のそばに顔を寄せ、色っぽい目つきでささやく。やわらかい吐息が頬に当たる。

 それだけじゃなく、晶は目を閉じると心持ち顔を上向け唇まで突き出した。

「!!」

 固まっている僕を晶が促す。

「ほら……は・や・く」

 僕も目を閉じると晶に顔を近づけた。

 ……ところが唇の感触がない。

 不思議に思ったけど、僕はそのまま動かずにいた。すると

「な〜んてね! ほらっ、いつまでも一人で何やってるの?」

 離れたところで晶の声がする。

「え?」

 あわてて目を開けると

「うふふっ、単純ね〜。そんなに簡単にキスできると思ったの?」

 いたずらっぽい笑みを浮かべた晶がいた。

「晶ぁ……キスしようよぉ〜」

「だ〜め。……そう…ね。……そのうち、ね」

 ……そんなことがあった。

 結局、晶にからかわれただけなんだけど、晶は本気だったのかなぁ?

 

 でも、そんなことがあっても僕たちの関係はぎこちなくなったりしなかった。

 手紙をやり取りし、電話をかけ合い、東京と長崎でそれぞれの時間を過ごしている。

 晶は僕のこと、どう思ってるんだろう……。

 

 今日も朝から暑い。涼しげな恰好をした晶の首筋も汗ばんでいる。

「う〜ん、今日も暑くなりそうね……」

 うっすらと汗のにじんだ白い額にハンカチを当てながら晶が続けた。

「そうだ! クルージングにでも行かない?」

「え?」

「ウチのクルーザー、たしか今日は誰も使ってないはずだし……。ねぇ、行きましょうよ!」

 とんでもないことを、まるでなんでもないかのように言う晶。

 晶の家が金持ちなのは知っていたが、まさかクルーザーまで持ってるとは……。

 それに晶はクルーザーを操縦できる小型船舶の免許も持っているらしい。

 夏になると毎年クルージングを楽しんでいるとのことだが、今年はまだなんだそうだ。

「一人より二人の方がきっと楽しいわよ」

 そう言うと先に立って歩き出した。

 

 遠藤家所有のクルーザーに乗り込む。威容に圧倒される。

 晶は手慣れた調子でクルーザーを操船している。僕はそれを見ているだけだ。

「晶……泳ぐったって僕、水着なんか持ってないよ」

 こんな展開になるなんて想像もしていなかった僕だ。

 それを告げると晶は何着か出してくれ、ここから選べと言う。

 ……全部ブランドものだよ。すごいんだなぁ遠藤家は。

 

 沖に出ると僕たちは交代で着替え、子供のようにはしゃいで泳ぎを楽しんだ。

 興奮が収まってくると、僕は晶と二人っきりなのを強く意識した。

 晶の水着は目のやり場に困るような真っ赤なビキニだった。

 水はきれいに透き通っている。普通に泳いでいても晶の身体が目に付く。

 そんなに大きいわけじゃないけど、決して小さくはない晶の胸。

 形よくつんと上を向いた二つのふくらみはブラからこぼれそうに自己主張する。

 自然と目が行ってしまうのを僕は意識してなんとか見ないようにしていた。

 

 しばらく泳いだ僕たちはクルーザーに上がる。

 晶は寝そべると、

「せっかくだから背中にオイルでも塗ってもらおうかな?」

 そう言って僕をいたずらっぽい笑顔で見上げた。

「え? いいの?」

「うふふ……。いいわよ、塗らせてあげる」

 言いながら晶は水着のブラのヒモを外した。

「ヒモの跡が着くと……ねぇ」

 そう言って晶はほんのりと頬を染めた。

 僕に無防備な背中を見せている晶。

 オイルを手のひらにたらすと、僕はゆっくりと晶の背中で伸ばしていく。

 緊張して手の動きがぎこちなくなる。

「こ、こらぁ、くすぐったいわよ」

 晶が笑う。

「ご、ごめん」

「もうっ、なんか手の動きがいやらしいわよ……ヘンなことしてるんじゃないんだからちゃんと塗りなさいよね」

「う、うん」

 たしかに晶の言うようにいかがわしい行為をしているわけではない。

 だけど童貞の僕が大好きな女の子の肌に直接触れているんだ。ドキドキしないはずがない。

 背中をすべらせている手を体の横にずらしただけでふくよかな双球に触れることが出来るだろう。

 それでも何とか平静を保って背中全体にオイルを伸ばしていく。

 僕の心臓は割れんばかりに脈打っていた。

 手が腰のくびれのあたりに近付く。自然と目はビキニに行ってしまう。

 お尻のふくらみも僕を興奮させる要因だった。

 のどがカラカラだ。

 僕は何度もつばを飲み込んで晶の背中をまさぐりつづけた。

 

グラリ

 大きな波が来たのか、その時クルーザーが揺れた。

 何事かと晶が半身を起こす。僕も少しよろける。

 それらの動きが重なった。偶然、僕の手が晶の胸に触れた。

ふにゃ……

 なんともいえないやわらかな感触が指に伝わる。

「あ……」

「……え?」

 そのまま固まる僕たち。

「ご、ごめんっ!」

 あわてて手を引っ込めた僕を、泣きそうな顔で晶が見上げた。

「ごめん……」

 もう一度謝る。晶は

「……いいわ、事故だもの。……許してあげる」

 そう言ってうつむいた。

 

 まだ指に晶のふくよかな胸の感触が残っている。

 僕は思わず、見るともなしに自分の手を見つめてしまった。

「晶……」

 名前を呼ぶ。

 晶が顔を上げる。

「好きだよ、晶」

「! ………」

 びっくりした顔をしてまたうつむく晶。

「……私も」

 小さな声で返事が返ってきた。

 そうして晶が身を起こす。それからゆっくりと目を閉じた。

 ……前にもこんなことがあった。でも今日の晶は真剣だ。

 僕はそっと晶の肩を抱くと、静かに唇を重ねた。

 

「ん……」

 優しく触れるだけの口づけ。

 目を閉じているせいか、感覚が研ぎ澄まされるのを感じる。

 晶の匂い。息づかい。肌が触れ合うところから伝わるぬくもり。濡れた髪の感触……。

 肩を抱いていた手をゆっくり動かし、優しく肩を撫でる。そのまま手を首筋に持っていく。

 荒々しく扱うと壊れてしまいそうなほど細い肩。やわらかい首筋。湿った髪が手をくすぐる。

 そんな僕の動きに対し、晶は震えず、怖がらず、あたたかな吐息を奏でる。

 

「ねぇ……」

 唇が離れると晶が言う。

「……え?」

「……そんなにびくびくしながら触らなくてもいいわよ……」

 そして僕の手を取ると、晶は自らの胸に押し付けた。

「あ……」

 びっくりした僕は思わず晶の顔を見つめてしまった。

「鼓動、わかる?」

 頬を染めて晶が言う。

「……う、うん」

 頭の中がズキズキと脈打つ。

 これが晶の鼓動なのか、それとも自分の心臓の高鳴りなのかが僕には判断できなかった。

「これはね……うれしいドキドキなんだからね」

 晶が続ける。

「……ちゃんとさわってもいいのよ」

 

 心が燃える。頭の芯がいとしさに焼け付く。

 僕はまだどこかでためらっていた自分を恥じた。

 ……心を決めてじかに触れる。

 あたたかくて、やわらかくて、それでいて強い弾力のある乳房をゆっくりと下から揉みあげる。

ピクンッ

 晶の体が電気でも走ったみたいに震えた。

「ごめんっ! ……痛かった?」

 初めての経験で加減がわからない僕は晶に聞いた。

ふるふる……

 無言で晶が首を振る。そして

「私のこと、好き?」

 僕の目を見て聞いた。

「うん」

 うなずく。

「もっと、ちゃんと言って……」

「好きだよ。……晶の優しいところも、強いところも、何もかも」

 答えながらも手が止まらない。

「んっ! 私…強くなんか……あ、んっ…はふっ……あ、んんっ!」

 晶の声が上ずる。そうして

「もう……話してるときは…い、いじらないで……んくっ! よね!」

 言葉を続けた。

 

 手のひら全体で包み込み、少しだけ強く揉む。手の中でころころと転がる乳首が心地いい。

「んくっ、くすぐった……ンっ、あっ……あん、あっんん、は…ひゃッ……ン!」

 ビクッと跳ねる体を押さえつけ、また少し力をこめる。

 ……晶は感度がいいらしい。

 完全に勃起した乳首が僕の中でかわいい悲鳴をあげていた。

「……怖い?」

ふるふる

 きゅっと眉間にしわを寄せ、小刻みに頭を振る晶。

 その仕草がかわいらしく、僕は晶の唇に自分の唇を押し当てた。

「ン……ぅ、んむ……んっ!?」

 叩くように舌先を唇に何度も押し当てる。

 その間も乳房への愛撫は忘れない。

 むき出しになった左右の乳房をなでさすり、乳首を転がす。そして弱くつまむ。

「ひゃうっ!」

 声を出すために開いた晶の唇に舌を割り込ませ、歯を舐める。

 

「も、もぉお! そういうことするときは先に言ってよね!」

 唇を離し、軽くにらむ感じで晶が僕を見る。

 ……でも目は笑っている。よかった、晶は怒ってない。

「ごめん……じゃあ、口開けてくれる?」

「遅いわよ、もう……」

 おっかなびっくりといった感じで吐息とともに口を開く晶。

 怖がらせないようにゆっくりと舌を伸ばし、唇をなで、また歯を舐める。

「ん……ふぁ、は……っふ、ぁんん……はむ、んぅう……ン」

 口の中にまでもぐりこんだ舌に驚いたのか、晶は舌を引っ込めた。

 舌先でしか触れられない晶の舌に、僕はもどかしさよりも安堵を覚えた。

 ……それは晶の純潔の印だから。

「晶、大好きだよ……」

「……うん」

 見つめあう。もう一度唇が重なる。

 今度は晶からおずおずと吸い付いてきた。そのぎこちなさがまた愛らしい。

 僕は落ち着いて受け入れ、晶の舌が伸びてくるのを待った。

 

 僕の唇を舐めるだけだった舌を捕まえる。甘噛みし、吸い、口の中に引き入れる。

「ン……む、んんぅ……」

 激しくはしない。

 吸い込んでそのままじっと落ち着くのを待つ。

 じわりとしみ出す唾液の味が僕の口腔にしみわたる。

「んむ、ん……ん……ン、んん…ぅん……むふぅ、うちゅぅ、ちゅ……くちゅ」

 まるで小さな魚が跳ね回るような感覚。

 口の中でうごめく晶の舌のなんともいえない気持ちよさ。このまま飲み込んでしまいたくなる衝動。

 それらにあおられ、昂ぶる性の興奮!

 激しく膨脹した股間のモノから先走りの粘液があふれ出すのを、僕は感じていた。

 

 間に銀の糸を引き、唇が離れる。

「はっ、はぁっはぁ……あぁ…っふは…う、んあ……っ!」

 ぞくぞくっと身を震わせ、晶が甘い吐息を吹きかける。

「うふふ、なんだか……すごくエッチな気持ち……」

 上気した晶。すごく色っぽかった。

「うん」

「私がこんなキス……できるなんて思ってなかったわ」

「晶が上手で僕はうれしいよ」

「わ、私、初めてなのよ。……恥ずかしいこと言わないで……」

 晶が頬を染めた。

 

 キスに夢中になって忘れていた愛撫を再開する。

 乳房を揉みこみ、その先端をつまみ、指を立てて全体をくすぐる。

「む、胸ばっかりいじられたら……くすぐったくて……も、もう……」

「もう、何?」

 僕の意地悪な質問に、晶はちょっとにらむようにして僕を見た。……でも目は笑っている。

 乳房を通して伝わってくる小刻みな震え。

 キュッと引き締まった乳首をつまむと、その震えはさらに強まる。

「そ、そこ…つまんじゃダメっ!」

「ここ?」

 意地悪くさらに乳首を攻める。

「ひゃ、ふっ! やん、あ……ダ、ダメだって言ってるのに!」

ビクッ、ビクンッ!

 突如断続的な痙攣が晶を襲い、

「あ……ふぁ、ふはっ、はっ、はぁぁぁーーー!」

 ぐったりと体を預けてくる。

「な…に? 私、どう…しちゃったの?」

「怖がらなくてもいいよ、何も変じゃないから」

「違うわ、おかしい……こんなの私の体じゃないみたい……」

ぶるっ

 寒気を感じたかのように一瞬大きく体を震わせる。

 快楽の余韻が押し寄せたらしい。

 晶は軽い絶頂を迎えたようだ。

 恍惚感に満ちたその顔は、僕の愛欲を駆り立てるのには充分だった。

 

 僕は晶の唇にもう一度自分の唇を重ねた。触れあった部分から、晶の体温が流れ込む。

 間近で感じる晶の息づかい。

 やがて、どちらからともなく唇が離れた……。

「晶……」

 名前を呼ぶ。

「……うん」

 僕に身を預ける晶。

 背中に回した手をゆっくりと下げる。

 腰のあたりで手を止める。……そこには晶のビキニがあった。

「脱がすね」

 晶のビキニはヒモで止められただけのものだった。

 僕はそこに指をかけると思い切って引っぱった。

するり

 かすかな抵抗とともに紐がほどかれ、晶の秘められた部分が白日にさらされた。

 

 栗色の恥毛が太陽を反射してキラキラ光る。

 ……初めて見る女性のアソコ。晶のそこは神々しいまでに美しいと僕は思った。

「私だけ脱がせて……ズルイ……」

 晶が僕の胸に額を付け、顔を見せないようにして小さく言った。

「うん……僕も脱ぐよ」

 そう言って水着に手をかける。

 僕が水着を下ろす邪魔にならないように晶が離れる。

 その目の前で僕は押さえつけられていた剛直を解放した。

「っ!」

 晶が息を飲むのが聞こえた。……怖いのか?

「晶…僕……」

 話しかけようとした僕を晶がさえぎる。

「わ、私初めてなんだからね! その……や、優しくしなさいよね!」

 頬を染め、それでも僕の目をまっすぐに見つめて晶が言った。

「初めて……なの?」

「違うと……思ってた?」

「だって晶キレイだしボーイフレンドたくさんいるって言ってたし、僕なんかよりカッコいい人んむっ……」

 言葉の続きは晶の唇にふさがれた。

 

 晶が僕の勃起に手を伸ばす。

 そうして茎の部分に指を巻きつけると

「こんなに……固いの?」

 かすれた声で言った。

「固くないと晶の中に入れないからね」

 その僕の言葉に

こっくり

 頬を染めてうなずいた。

 そのまま指が先端に向かう。大きく張った部分を越え、亀頭に到達する。

 先端の割れ目から漏れでた透明の先走りでヌラヌラする亀頭。

 そこに触れた晶は小首をかしげ、

「……やわらかいわ」

 意外そうな声。

「え?」

「全体が固いんじゃないのね」

 ……考えたこともなかった。たしかに亀頭は茎部に比べれば弾力がある。

「……先まで固かったら晶の大事な粘膜が傷むからじゃないかな?」

 一瞬の間のあと、

「ば、ばかっ!」

 真っ赤になって晶は下を向いた。

 

 出したくてたまらない。精液が出口を求め、すぐそこまで来ているかのようだ。

「晶、いい?」

「……う、うん」

 晶が横になる。

 僕は体を起こすと晶の足の間にひざをついた。

 そうして膣口を探す。

 ……ヒクヒクとうごめき、あとからあとから粘液の湧きだす亀裂が見つかった。

 あとはここにあてがって、腰を突き出すだけだ。

「いくね」

 腰を進める。晶のぬめった陰唇に亀頭が触れた。ヌチャッとした濡れた感触がする。

 ……その瞬間、留め金が外れた。

「っっっ!」

「きゃっ!」

 晶が驚いた声を上げたのが聞こえる。

 めくるめく快感が背筋を走り、熱いものが尿道を通っていく。

びゅくっ! びゅるっ! ずびゅっ!………

 しゃくりあげるように脈動する勃起は、先端から白い軌跡を描いて欲望を吐き出しつづけた。

「うっ! ぐうっ……むむっ……」

 ……僕は体を震わせ、射精を終えた。

 

 白濁の液が晶を汚す。

 あわてて晶の下腹部に目をやると、そこには白い粘液が付着している。

 飛び散った精液は下腹部だけではなく、晶のお腹から胸のあたりまでまき散らされていた。

 ……挿入してもいないのに射精してしまった。

「……ご、ごめん」

 恥ずかしさと情けなさの混じった複雑な思いで、やっとそれだけを口にする。

「ううん、平気。……いきなりだったからびっくりしただけ」

 晶は上半身を起こし、そう言ってぎこちなく微笑んだ。

「これ、精子?」

 ねばつく液体が晶の体を滑り落ちる。

「……うん」

「精子……かけられちゃった……」

「ほんとにごめん。僕……」

 屈辱感からつぶやくような小さな声になる。

「気にしないで。だって、私の裸に感じてくれたってことでしょ?」

 晶が僕の胸に手を置いて言う。

「晶……」

「うれしかったわ」

 そう言ってニッコリ笑う晶。

「晶、ありがとう」

「ふふふ。あら? それ……」

 今は力を失った陰茎を晶が指差す。

「え? あぁ、射精したから……」

「射精……すると小さくなるの?」

 射精という言葉を、晶は頬を赤らめながら発音した。

「うん。知らなかった?」

「知るわけないでしょ!」

「そうだよね」

 ようやく僕にも笑いあえる余裕が戻ってきた。

 

 晶が自分の体を彩った白濁を指にからめる。

「こんなにドロッとしてるのね……。精液っていうからもっと水っぽいものかと思ってたわ」

「溜まってると濃くなるんだよ」

「じゃあ溜まってたの?」

「あ、いや……」

 図星を指されてちょっとだけうろたえる。

「溜まってたんだぁ」

 そう笑って言いながら、晶は指を開いたり閉じたりしている。

「もういいだろ、拭きなよ」

「ネバネバする。……変なにおいもするわ」

 晶が生まれて初めてかぐにおい。それは僕の体内から射出されたものだ。

 ……晶を征服した。なんとなくそんな気になった。

「くさいだろ?」

「う〜ん……変なにおいだけど、嫌なにおいじゃないわ。あなたのだからかな?」

 晶はまぶしい笑顔でそう答えた。僕の方が恥ずかしいよ……。

「バ、バカなこと言ってないで! ほら、手ぇ拭いて」

「ふふ。ねぇ、気持ちよかった?」

 僕が渡したティッシュで指と体を拭きながら晶が聞く。

「う、うん。……よかった」

「ふふふふ」

 晶がうれしそうに笑った。

 

「今度は晶を気持ちよくしてあげるね」

「わ、私はいいわよ」

 あわてたように晶が顔の前で手を振る。

「僕がしたいの!」

 強く言った僕に、晶は

「……強引よ」

 そう答えたが、その顔はそんなに嫌がっているようには見えなかった。

 

 夏の陽射しに照らされ、体は熱いほど火照っている。

 そして頭の中は落ち着いているのに、心は晶を求めていた。

 晶のぬくもりが欲しかった。晶を早く感じたくて仕方がなかった。

「晶……」

 名前を呼んで抱き寄せる。

 さっきは出したいという気持ちだけで行動してしまった。

 でも今は一度射精したことによって冷静になれていた。

 僕を誘惑するふたつのふくらみにそっと手をあてがう。そのまま軽く力を入れて揉む。

 さっきの愛撫で晶は胸が感じやすいことが分かっている。僕はまた胸を攻めた。

「あん……はぁ…あああぁ……んん」

 晶は甘い吐息を洩らす。その声とやわらかな胸の感触が僕を興奮させる。

 胸の手触りを楽しむように、僕は何度も何度もこねまわした。

「はぁ……んん……そ、そんなにさわられたら、私……」

「私、何?」

「ば、ばかぁ……」

 目元を染め、晶が顔を伏せる。

「晶の胸、すべすべしてて、とっても柔らかい……さわっててすごく気持ちいい……」

 何かに憑かれたように僕は晶の胸をまさぐりつづけた。

「んんっ! はぁっ…くっ……いやらしいこと……っ…言わないで……」

「乳首が固くなってきたよ。晶の体、すごくエッチだ……」

 両手で包みこむようにして乳房を揉む。同時に指先で乳首をはさんで愛撫する。

「だ、だって……好きな人に触られたら…っっ! あぁっ!」

 乳首をつまみ、こすり合わせるようする。指先で転がし、軽く爪で弾く。

 ……それらの刺激に晶が身をよじらせるようにして嬌声をあげる。

「かわいいよ、晶……」

「あっ……! ああぁぁ…はぁ……っく…んん……」

 初めて見る晶の乱れた様子に心が昂ぶる。あの晶が、僕の愛撫でこんなに……。

 固く尖った突起を指ではさみ、これまでよりも少し強めに晶の感じるところを突いてみる。

 コリコリとした乳首の感触が心地いい。僕はそこを重点的に攻めていった。

「はぁ、ああ…っく……いや、ダメ、なの……んんんぅ…はぁ……っく…んんぅぅ、はぁ……はぁ」

 晶が淫らな声で鳴く。

「んく……はぁ、それ、以上……されたら……んんっ!」

「されたら?」

「ば、ばかぁっ! いじわる…しないでよ……」

 恥ずかしそうに目を逸らし、指を口元に持っていって声を押さえようとする晶。

 その手を押さえつけ、晶の目を見ながらささやく。

「かわいいよ。……好きだよ晶。晶の感じてる声……聞かせて」

 瞬間、首筋まで真っ赤に染めて

「っく……あん、はぁ…おかしく、なっちゃう……んんっ、はぁ……っく、んんぅぅぅ!」

 左右に大きく首を振りながら晶が悶えた。

「おかしくなってもいいよ。僕がずっとそばについてるから」

「いやっ……こんなの、こんなの私の体じゃない……んんっ!」

 なおもあらがう様子を見せながら晶があえぐ。

 上体を反らせ、小刻みに震える晶は感じすぎる自分を持て余しているかのようだった。

 そんな晶の態度に僕は燃えた。

「晶が僕を信頼してくれてるからだよ。僕にだけは本当の姿を見せてくれてるんだ……」

「……んんっ、でも……」

「うれしいよ、晶……」

 僕はさらに胸に攻めを集中した。

 

 僕の手の中でさまざまに形を変える晶の胸。

 何よりも、そしてどこまでも魅力的な胸の弾力、重量感、そして手触り……。

 それに夢中になった僕は、ただひたすら乳房を揉み、乳首をなぶりつづけた。

「はぁ…んん……っく……ああぁぁ、やん……」

 晶はそのたびに甘い声で僕の愛撫に応えた。

 まるであつらえたかのように僕の手のひらに収まる晶の胸。

 大きすぎず、小さすぎず。そしてさわり心地のいい胸。ちょうどよい弾力の胸。

「晶の胸、いくつなの?」

 素直な興味で聞いてみた。

「バ、バカぁ! 女の子になに聞いてるのよ……っく!」

「ごめん、気になったから……」

「……んっ…はぁ、は、83の……C……」

 真っ赤になって、小さな声で晶が教えてくれた。

 でもせっかく教えてもらったのに、それがどれぐらいの大きさなのか僕にはよくわからなかった。

「……ありがとう晶……顔、赤いよ?」

「……バカぁっ!」

「ごめんね……お詫びに、いっぱいさわってあげるね」

 より一層の気持ちをこめ、僕は晶の胸に攻めを集中させた。

「あっ…っく……あん、きゃっ……はぁ、はぁ……」

 感じすぎているのか、焦点の合わないどこかうつろな瞳で晶が僕を見る。

 半開きになってかわいいあえぎをくり返す晶の唇に僕は吸い付いた。

 そして舌を差し入れると晶と舌を絡ませる。

 そうしたまま僕は胸の愛撫を続けた。

「はぁ……んんぅ、はぁ……んっく…ああぁ……ん……」

「晶……」

「はぁむ……んんん、っく…ああぁ……んはぁ…っく、はぁ…ひんっ! んんっ……」

 名前を呼ばれたことも気付かない様子で晶が悶える。

 目を閉じ、小さく吐息を洩らしてよがる晶の上気した顔がとても淫らに見えた。

「も、もうダメ……か、感じすぎ…ちゃう……」

 苦しそうな息で晶が告げた。

「いいよ、イカせてあげる……」

「ばかぁ……いや……んんっ、くっ! んぁああっ!」

 晶のイクところが見たい。そう思った僕はますます胸を執拗に攻める。

 両足をもじもじとこすりあわせるようにして晶が身をよじる。

 ……イクのが近い?

「ダメ、ダメ……あっあっ、もうっ…もうっ……イッ!」

 晶の声に差し迫った感じが強まる。両のこぶしを固く握り、引きつるように体を小さく震えさせる。

 その表情は苦痛に耐えるかのように眉根を寄せているが、声には甘い響きが含まれている。

 腰を心持ち持ち上げ、僕と密着させるように強く押し当てる。

「……っく……あっ、あああぁぁっ! イクっ、イクぅぅぅ!」

 突然、ひときわ大きな声を上げて晶が動きを止めた。

 体を弓なりに反らせ、ブルブルと小さく痙攣する。

 イッたのか?

 ……そのまま静かに力が抜けた。

 

 初めて女性の体に触れる僕には、すべてが珍しくて仕方がなかった。

 まして、僕の手の動きに晶が翻弄される。

 ……これほど興奮することはこれまでの人生で初めての経験だった。

 暴発とはいえ、一度射精していることも幸いした。冷静に、そしてじっくりと晶の体を観察できた。

 反応を味わい、それによって次の行動を考え、楽しむこともできた。

 もっと刺激を欲した僕は、晶の下半身に興味を移した。

「はぁはぁはぁ、はぁ、はぁ……」

 まだ興奮が覚めないのか、晶は荒い息をついて身を横たえていた。

 それでも処女の本能から来る無意識なのか、晶の手は下半身に添えられていた。

 下腹部から股間を隠すように置かれている晶の手にそっと僕の手を重ね合わせる。

「……ん」

 僕を見、晶の腕からふっと力が抜け落ちた。その手を取り、太ももに移動させる。

 そうして僕は晶の股間に指を進めていった。

「…く……あっ」

 僕の指が秘裂にかかると晶が小さくうめく。そしてとっさに僕の腕をつかんだ。

「晶……濡れてる」

 驚きに思わず声が出る。

「ばかぁ……」

 薄い毛と、しっとり濡れた性器の感触が手のひらを通して伝わってくる。

 そのまま秘所を覆う肉ひだに沿って指を這わせる。

 そのたびに僕の腕をつかむ晶の手に力が入る。

「ひゃ…んん……指が…ああ……や…」

 恥ずかしい部分を触られていることを、晶が確認するかのように声に出す。

「どんどんあふれてくる……晶ってこんなにエッチだったんだ……」

 それにかまわず、僕はさらに大胆に指を使った。

「はぁ、んんっ…はぁ…っく……ぁあ…はぁっ、やん……んんんぅぅ……あん……」

 言葉にならないぐらい感じているのか、晶は小さくあえぎつづけた。

 そんな晶の姿に、もっとエッチな声を出させたくなった僕は指の動きを早めた。

「ああっ……くっ…そんなにっ……! ああっ……ダメ……」

 僕の愛撫に応え、悩ましげに身をくねらせる晶。

 そのたびに愛液があふれ出し、僕の指も濡れていく。

(女の子ってこんなに濡れるんだ……)

 初めての経験に心がざわめく。

 いつもはちょっと生意気そうな晶が僕の愛撫に感じている!

 そう思ったとたん、僕は晶をもっと乱れさせたくなった。

「はぁ……くっ…や……んんん、はぁっ……ああぁ!」

 くちゅくちゅと淫らな水音を立てて股間で動かしていた指で今度はクリをつまむ。

「やっ……! あああぁぁぁぁっっ!」

 悲鳴を上げ、細い体をビクンッとしならせて晶が震える。

 ……その動きが止まった。

 

 強烈な刺激だったのか、晶は焦点の定まらない視線を僕に向けた。

 そのまま荒い息でぐったりと僕に身を預ける。

「はぁはぁはぁはぁ……はぁ…はぁ…はぁ…はぁ、はぁ、はぁ」

 せわしない息が少しずつ落ち着いていくまで、僕は晶を抱きしめていた。

 瞳を潤ませながら抗議の目を向ける晶に顔を寄せる。

「少し刺激が強すぎた?」

 そして目のはじに溜まった涙に唇をつけると拭うように吸い取る。

「バカッ! ……急にさわったら苦しいじゃない……大切なところなんだからね……」

 唇を噛むようにして僕を見上げる晶。

「ごめん……ちょっと強引すぎたよね」

「あわてなくても私はどこにも行かないんだからね……優しくしなさいよね……」

 くすん、と鼻を鳴らし、晶が言った。

「……ごめん」

「もういいわ。……許してあげる」

 そう言うと晶は笑顔を向けてくれた。

「じゃあ続き行ってもいい?」

 調子に乗って提案した僕を見上げたまま、晶の動きが一瞬止まる。そして

「……ばか」

 小さく応じた。

 

 今度は体を移動させ、晶の足の間に入る。そうしてもう一度晶の足の合わせ目に目を向ける。

 そこはたっぷりと愛液をたたえてはいるが、入口はぴったりと閉ざされていた。

 うっすらと生えそろう恥毛。固く突起したピンク色のクリトリス。複雑な構造の肉ひだ。

 それらが僕の目の前に広がる。

「そ、そんなに見ないでよね……」

「……え?」

 晶の声に我に返る。

 どうやら長い間そこを見つづけていたらしい。

「こ、こんなに恥ずかしいの……初めて……」

 そう言って耳まで赤くなった晶がうつむく。

「晶のすべてが知りたい……晶のどんなことでも知っておきたい」

 恥ずかしげに下を向く晶に努めて優しく声をかける。

「……でも」

 言葉を濁す晶。

「晶のこと、一生大切にする。どんなことがあっても晶を裏切らないし、僕が守る!」

「………」

 強く言い切った僕に、晶は何も答えなかった。

 それでも目を上げると僕の顔を見て静かに言う。

「ありがとう……でも…恥ずかしいのは変わらないわ……」

「晶……僕を信じて。僕にまかせて……だから…ちょっとだけ我慢して」

「……うん」

 少し涙目になった晶の頬に手を添えてささやく。

 ……晶が微笑んでくれた。

 

 指でひだを割り開き、晶の恥ずかしい部分にそっと触れる。

 むき出しになった亀裂に指をあてがい、あふれ出す愛液を指先にまとわらせる。

 そうしておいて、ゆっくりと膣の中に沈めていく。

「くっ! ……痛っ……」

 晶の顔が苦悶にゆがむ。

 きつい。指が締め付けられる。痛いぐらいだ。

 だけどセックスの経験がない僕にはその締め付けが平均的なものなのかどうかが分からない。

 僕の指はまだ第一関節の少し下あたりまでしか入っていなかった。

 軽く力を入れた程度ではそこから先に指が入っていかない。

 もう少し力をいれて侵入を試みる。

「痛ッ! ……んんっ!」

 晶が苦しそうに首を振る。晶の入口は僕が想像した以上に狭いようだ。

 ……中はもっと狭いのだろうか?

「晶のここ……すごくきつい」

「っく……痛い、ああぁ……んん!」

 さらに激しい苦悶の表情を浮かべる晶。僕はあわてて指を引き抜いた。

「こんなに濡れてるのに指一本入らないなんて……晶はオナニーどうしてるの?」

 聞いてからしまったと思った。あの晶がこんな不躾な質問に答えてくれるはずがない。

「ゆ、指なんか入れたことないわ……いつも…さわるだけだし……」

 だけど、痛みのせいで冷静な判断を欠いたのか晶は素直に教えてくれた。

 せっかくの晶のオナニーの告白なのに、僕も頭に血がのぼっていたようで思わず聞き流す。

「どうする? 指でこんなに痛がるんじゃ、僕のなんか入らないよ?」

 言いながら両手の指で大きく入口を広げる。そしてまわりをなぞるようになでまわす。

「ひゃっ……くっ、あああぁ! ひ、広げちゃダメぇ!」

 艶を帯びた声で晶が鳴く。……まわりをさわられるのは気持ちいいらしい。

「晶の恥ずかしいところ……奥までよく見えるよ」

 ピンクに充血した粘膜が奥まで続いていた。そんな僕の言葉に、晶は

「バ、バカッ! んっ、くっ……はぁ、はぁ……」

 とがめるような声をあげたが、それはすぐに嬌声に変わった。

 

 晶のそこは晶自身からあふれた粘り気のある液体で驚くほどびしょ濡れになっている。

 今までは水から上がったために濡れているのだと思っていた。

 でもそれは、明らかに海水とは違う粘度を持っていた。

 そして、その濡れ方はとても行為を始めたばかりとは思えない湿り方だった。

「すごいよ晶……こんなに濡れてる……」

「言わ……っ…言わなくていいわよ」

「晶ってオナニーしてるの?」

 さっきも聞いた気がする。でも晶は返事してくれなかった気がする。

「そ、そんなこと! ……教えられるわけないでしょ……」

 僕から目を逸らし、小さな声で晶が言う。……そうか、晶は経験あるんだ。

 自慰をすることよりも、こんな風になってしまった自分の体が恥ずかしいとでも言うように晶が顔を赤らめる。

 しきりに股間を隠そうとしていたのはこれが理由かもしれない。僕はそう思った。

「こ、こんなに……濡れることなんて……これまでなかったのよ」

 無意識なのだろうが、オナニーの経験があることを裏付ける発言を晶がまた洩らす。

「うれしいよ晶……晶が僕に感じてくれてるんだよね?」

「……うん」

「ここもこんなに腫れてる……」

 愛液に濡れ、なまめかしく光るクリを指で軽く弾いてみる。

「んぁぁあああぁぁ!」

 大きく声を上げ、背中を反らしてのけぞった晶の体が小刻みに震える。

 それに呼応したのか、股間からさらに大量の愛液がにじみ出てきた。

「すごい……」

 初めて見る女性の体の神秘的な働きに息を飲む。

「はぁはぁはぁはぁ……」

 晶はもう何も言えず、ただ荒い息をついているだけだった。

 

 晶の股間でさらに手を動かす。

 あたたかく湿った晶のそこ。晶は恥ずかしがっているが、感じてもいる。

 僕はそのままゆっくりと指を動かした。

 くちゅくちゅと音を立て、晶の恥ずかしい部分が応じる。

「ん、んっ! ダ、ダメよ、ダメっ!」

 身をよじる晶だけど、反応はどこか鈍い。敏捷に動けないほど感じている?

 それを感じ取ったとき、僕の中の理性がわずかに麻痺した。

(晶をメチャクチャにしたい!)

 少し乱暴に肉のひだをかきまわす。

 透明のしずくをこぼす秘所はぐちゅぐちゅと湿った音を立てた。

「こんなになってるってこと……晶知ってた?」

「バ、バカ! 知らないわよっ!」

 絶対に認めたくないとでも言うように激しく首を振る。

 だけど、蜜をあふれさせた晶の淫溝は僕を待ち受けるようにさらに粘液をしたたらせた。

 そっと指先を挿し入れる。

くちゃっ

 濡れた音をさせて指が沈む。

「んあぁぁっ!」

 晶が乱れる。

「痛かったら言ってね」

 そう言いながら、少しだけ深く指を潜りこませた。

 中ほどまで進ませ、そこで軽く上下する。

「い、痛ッ!」

 激痛が走ったのか、晶の顔が不自然にゆがむ。

 そんな晶を乱暴に扱いたい衝動が湧く。

 ……その思いを何とか押しとどめる。

「晶……大好き。愛してる」

 代わりに自分の気持ちを正直に伝えた。

「……え? ……ぁ」

 うつろな目で僕を見上げ、晶が何かを言いかける。

 返事を待たず、僕は股間の中央に伸びる細い切れ目に沿って指先を上下させはじめた。

「……ゃ……ひんっ…くひっ……んああぁぁ!」

 言葉を発するために開けた晶の口から、快感を訴えるよがり声がした。

 

 まわりに誰もいない海の上。開放的な雰囲気。お互いの恥ずかしい姿を知った安心感。

「ひゃぅっ! ひんっ、あぁっ! んぁ…あんっ、ああぁぁぁっっ!」

 それらが重なり、晶は今まででもっとも大きな声をあげた。

 絶叫に近い激しいあえぎ声を出し終えると、晶は

くてん

 と力が抜けきった様子で頭を垂れた。

「晶って敏感なんだね」

 目を覗きこむようにして言う。

「あなたが……そう…させたのよ」

 絶え絶えの息で小さく晶が言った。

 

 これだけ濡れているなら……。そう思ったぼくはもう一度指を入れてみることにした。

 膣の入口に指先を当てる。そのまま少しずつ押し入れる。

 かすかな抵抗はあるものの、先ほどとは違い少しずつ指が飲み込まれていく。

「ひゃっ! くっ……入って……くる……んんっ! はぁっ……」

 濡れた音とともに指が少しずつ、少しずつ晶の膣に埋まっていく。

「聞こえる? 晶のここ、いやらしい音がするよ?」

「バカぁ! し、知らないわよ……」

 クリをさわった際に軽く達したのか、晶の体からは力が抜けていた。

 それが奏効したのか今度は晶も痛みを訴えない。

「はぁ…くっ! あん、いや……んくっ、んぅぅ……っ!」

 それどころか媚声を洩らしてもいる。

「はぁ、んん……はぁっ…ッ! ねぇ……」

 晶が何か言いたげに僕を見る。

「晶……」

 僕は膣の中で指を軽く前後させながら晶と胸を合わせ、そっとキスをした。

 そのまま舌を差し入れ、絡ませる。

「んっ! んんぅぅぅ……はぁ…んくっ! んん、はぁ…はぁ」

 突然の行為にびっくりしたのか、驚いたような声を上げた晶。

 だけど、すぐに僕の舌に自分の舌を絡ませ、強く吸い、甘噛みしてくる。

 唇で晶の下唇をはさむ。そのままこするように動かす。

 舌の先で歯列をなめ、唇の裏や頬の内側で這いまわらせる。

 歯の裏に舌が当たったとき、晶はビクンッと身を震わせた。

 

 お互いの唾液を交換するような激しい口づけが終わる。

 晶から身を離し体を晶の股間に移動させる。そのまま愛液に潤む性器にそっと唇を寄せた。

「ダ、ダメっ! 汚い……」

 僕の体を押しとどめるように晶が手を伸ばす。

「晶の体で汚いところなんてないよ」

 そのまま僕は性器に顔を近づけた。

「は、恥ずかしいこと言わないでよ……あんっ!」

 僕は晶の言葉を聞き流し、舌を肉芽に立てるようにして弾いてみた。

 続けて淫裂に沿って舐めまわす。ひだの内側も丁寧に舌でなぞっていく。

ぴちゃ、ちゅっ…じゅるっ、ちゅぱっ……ずずっ、じゅるっ………

 聞こえるように音を立て、晶の体からしみ出すエッチな液体をすするように舐めた。

「おいしいよ、晶……」

「やぁっ! ……は、恥ずかし…いッ……」

 晶の股間に口を付けたまま、上目づかいに顔を盗み見る。

 目を閉じて快楽にあえぐ晶のふたつの胸が僕の舌の動きに合わせるように揺れていた。

「ひんっ! ふわぅっ、……んくっ!」

 くすぐったそうに体を小刻みに震わせる晶の口から淫声が洩れる。

 限りなくあふれ出す愛液が僕の舌を濡らす。そのまま口のまわりもあごも濡れていく。

「ひゃ……んんっ、く…くすぐったい……」

「すごいよ晶のここ……どんどんあふれてくる……」

 唇と舌とを使うたび、奥から途切れることなく淫液が分泌される。

「バ、バカぁ! 恥ずかしいこと言わないでよねッ!」

 これほど嬌態を見せながら、それでも晶が毅然と言う。

「こういう晶も大好きだよ……」

 僕だけが知る晶の乱れた姿。僕だけが聞ける晶のエッチな声。僕だけの大切な晶……。

「はぁ、んんんぅ……あっ…っく……変な気持ち……」

「変な気持ちじゃなくてそれは気持ちいいって言うんだよ」

「……うん」

 晶が素直にうなずいた。

 膣のまわりをただ舐めていた舌を立てる。そしてそのまま、閉ざされた入口に突き入れていく。

「ひゃっ! な、なに?」

 股間に与えられた違和感からか、晶の体がビクンッと震えた。

 それには答えず、僕はさらに膣の入口から舌を中に押し入れてかきまわす。

「んんっ! あぁっ、ヒクヒク動いてる……あぁっ、んんっ!」

 晶の腰が跳ね上がる。

 僕は太ももを抱えるように押さえつけ、顔が離れないようにしてさらに舐めまわす。

「いやっ、いやっ! ……んんっ、あふっ! くぅぅっ……」

「もっと声出していいよ、もっと晶のえっちな声聞かせて……」

 そんな僕の言葉に後押しされたのか、晶の淫声が激しさを増した。

「あっ……ああぁ…っく……はぁ…んんんんぅ……!」

 足の付け根にある小さな突起を唇でついばむ。

 そうしながら、唇にはさみこまれたふくらみを舌でつつくように何度も攻める。

「ああっ、あふっ……あっ……」

「すごいよ晶……初めてなのにこんなに感じてるんだ……」

 そう言いながら濡れた粘膜を指ですくうと、ねっとりした晶の液が糸を引いて僕の指にまとわりついた。

 それを晶の顔の前に持っていき、指を開いたり閉じたりして見せつける。

「言わな……んっ、いで……」

 晶の声が羞恥に染まった。

 

 そろそろ入れたい。

 晶の悶えるさまを見ていた僕は興奮しきっていた。極限まで勃起している。

「入れてもいい?」

「そ、そんなこと…聞かないの……」

「晶……晶が欲しい……」

 身を起こす。

「……うん、来て」

「行くね」

 そう声をかける。

 そして軽く唇を合わせたあとで晶の足を割り、間にひざをついた。

「……あ」

 何か言いたげに僕を見た晶は、口を閉ざすとわずかにうなずいた。

 晶の体が小刻みに震えている。緊張がこっちまで伝わってくるようだった。

「身体、震えてるよ……大丈夫?」

「だ、大丈夫よ。私が自分で決めたことなんだからね!」

 ……声も震えている。強がってるようにしか聞こえない。

「わかったよ。……晶、行くね」

 もう一度声をかけ、僕は限界まで張りつめた肉棒を晶の膣口に押し当てた。

 

 淫裂は僕の唾液と晶自身の吐液とですっかりぬるぬるになっている。

 今度は失敗したくない。手を添えて晶の亀裂にあてがった勃起を何度か上下させる。

「あっ……」

 その感触に晶が声を上げる。

「晶……ちょっとだけ我慢してね」

「ん…うん……」

 真剣な眼差しで僕を見上げてうなずく晶。

 たっぷりと潤った晶の膣は僕を迎え入れる準備が整っているように見えた。

 晶の粘液を先端になすりつけると、狙いをつけて腰を押し出した。

ぐぐっ……

 少しずつ晶の中に入っていく。

 ……僕が思っていた以上の強い抵抗が先端にかかる。

「あっ! 痛っ……」

 唇を噛み、眉間にしわを寄せた晶の顔には苦痛の色がありありと浮かんでいた。

 あまりのきつさと圧力に、意識していないとペニスが押し戻されそうになる。

 それに負けまいと強く腰を押し出す。

 だけど処女の膣の抵抗は弱まるどころか強くなる一方だった。

「あっ、ダメ……い、痛い、痛すぎるっ!」

 晶の声が聞こえた。でも性の衝動が止まらない。僕は構わず剛棒を押し込んでいった。

「晶……力…抜いて……」

「いやっ! 痛いっ、お願い、……だめぇ」

 僕から逃れようともがく晶。あきらめて僕は身体を離すしかなかった。

 

 晶のそこを見る。真っ赤に充血している。かすかに血もにじんでいるようだ。

 亀頭の張っている部分が中に入っていけない。これでは晶と一つになるのは無理か……。

「ごめん……私の身体、ヘンなのかしら」

 晶の瞳が潤んでいる。……今にも涙がこぼれそうだった。

「そんなことない。僕が強引すぎたんだ。……僕のほうこそごめん」

「ち、違うわ! ……私が悪いのよきっと……どうして、どうしてなのよ……」

 晶が大きく頭を振った。

 その拍子に涙がこぼれる。……初めて見る晶の涙。

「緊張して体に力が入ってるんだよ」

 静かに言う。

「う……ん」

 納得してない様子の晶。

「無理しなくていいよ。僕たち、これからだろ?」

「……やめ…ちゃうの?」

「僕は一回イケたから……。それに痛がる晶を見るの、イヤだから」

 本心だった。

 晶をメチャクチャにしてやりたいと思ったことは事実だ。

 でも、今は無理をしなくてもいい。無理はしたくない。

 いつかは自然に結ばれる日が来る。そう思った。

「で、でも……」

「気を遣うなんて晶らしくないよ」

「ちょっとぉ、それどういう意味ぃ?」

 晶の顔に笑顔が戻った。でもすぐに沈んだ顔になり、

「私だって……その……したいって思ったのよ。ホントよ!」

 そう続けた。

「ありがとう。その気持ちだけで僕は充分だよ」

「……ホントに……やめちゃうの?」

 上目づかいに僕を見上げて晶が言葉を継ぐ。

「またいつか、自然にそうなればいい。そう思うよ」

「……いや」

「晶?」

 晶が僕の胸に飛び込んできた。

「ごめんなさい。私は大丈夫だから……もう一回して」

 そして唇にあたたかいものが触れた。

 

 唇が離れる。

「ほんとに……いいの?」

 晶の目を見ながら聞く。

こくん

 静かにうなずく晶。

「……我慢できないぐらい痛かったらちゃんと言ってね」

「……うん」

 僕は晶の肩に手を回すと、そっと唇を重ねた。

 僕の唇が晶の唇に触れた瞬間、晶の体がビクッと波打った。

 それがわかった僕は唇を離し、優しく晶の髪をなでながら微笑む。

「……僕を…信じて」

 その言葉に晶がかすかにうなずく。

 続けて僕は

「これからは僕が守る……晶の…すべてを」

「ずっと…守ってくれる?」

「誓う、誓うよ……大好きだ、晶……」

「わ、私……うん!」

 晶は目にいっぱいの涙をためて僕を見上げた。

「……あの、ね」

 何か言いかけた晶の頬がかあっと染まった。

「ど、どうしたの?」

 うろたえる僕。

「な、なんでもない……なんでもないの」

「晶……」

 僕たちは熱い肌を重ねた。僕の手が、唇が……優しく晶に触れる。

 そのあたたかさが晶の心を満たすのか、少しずつ晶の肌が熱く火照っていく。

 その熱が晶の頬を朱に染めたころ、僕は晶の瞳をじっと見つめた。

「晶……」

 もう一度名前を呼ぶ。

「……うん」

 その意味を理解したのか、晶は目を閉じると静かにうなずいた。

「来て……」

 

 僕は体を起こし、晶の足を抱え上げた。そのままゆっくりと腰を近づけていく。

 限界まで張りつめた僕のモノが晶の大事な場所に触れる。

 ……無意識なのか、晶の体がこわばる。

「晶……」

 僕は晶の頬に手を当て、穏やかに、そして優しく名前を呼ぶ。

「……ご、ごめんなさい」

「僕を信じて……そして僕のことを、僕のことだけを考えて……」

「……うん」

 こっくりとうなずいた晶の全身から、ふっ、と力が抜ける。

「……晶」

 僕はゆっくりと腰を差し出した。

「……んっ! い、痛……」

「ご、ごめん」

 あわてて腰を引こうとする僕の背中に晶の腕が回される。そして

「ん……いいの…続けて……」

 そう言って強く抱きとめられる。

 ……ここでやめちゃいけない。晶は結ばれることを望んでいる。

 そう思った僕はうなずいた。そうして晶に告げた。

「うん。晶、力を抜いて……」

「ん……はぁ…はぁ……」

 僕のモノが晶の中へ、ゆっくり、ゆっくり埋没していく。

 それとともに押し広げられる下半身から伝わる痛みなのだろう、晶が唇を噛んで耐える。

「晶……もう少し……」

「……っっ! はぁ、あッ!」

 苦悶の表情で晶が僕を見る。そして

「……は、入っ…た?」

 苦しげな息で聞いた。

「もう…ちょっと……」

「はぁ…はぁ……うぅぅ」

「ごめん、痛い?」

「……うん…ちょっと痛い……もう…少し……動かないで……」

 目を閉じてじっと痛みに耐える晶。

 僕はその痛みから少しでも気が逸れるよう、晶の肌を優しく、静かになでる。

 僕の手のひらからぬくもりが伝わるのか、晶の表情が和らいでいく。

 まるで心が満たされるかのように、穏やかな笑みを浮かべる晶。

「……も、もう大丈夫よ。……大丈夫だから……動いてもいいわよ」

「……晶」

 晶の意志を確認した僕は、腰を前後にゆっくりと動かした。

「あっ! ……くっ…はぁっ! っっ! はぁ、はぁ……」

 できるだけゆっくりと体を前後させる。

 そのたびに晶は苦しそうに眉を寄せて小さく息をついた。

「……晶、今日はここまでにしよ? 無理しなくても、僕たちはこれからなんだから……」

 そう言いながら僕がゆっくりと腰を引き離しかけたとき、僕の背中に晶が手を回した。

「晶?」

「う…うぅ……お…願い」

 力の入らない震える手で、精一杯僕を引きとめようとする。

「晶……」

 晶の気持ちが伝わる。

 僕は晶の目を見てうなずきかけると、腰を押し戻した。

 再び僕自身がゆっくりと中に沈みこんでいく。

 

 奥まで収まる。

「入ったよ晶……いちばん奥まで入ったよ」

「うっ……」

 低いうめきを上げた晶の性器から、処女の証が太ももを伝って流れ落ちる。

 今にも気を失ってしまいそうな痛みが襲うのだろう、晶が苦しげにうめく。

 初めて経験する痛みが晶の体を貫く。僕のために、僕に捧げるために……。

「痛い…けど……っ! 幸せ…よ」

 晶がうれしそうに言葉を継ぐ。痛みが幸福な気持ちとなって晶の心と体に染み渡っていくようだ。

 暴発とはいえ、一度射精している僕は絶頂まで間があった。

 少しでも早く射精してあげることが晶の苦痛を和らげることになる。

 そう考え、僕はなるべく早く達するように意識を集中した。

「っ…はぁっ! うぅっ!」

 きつく僕を締め上げる晶の膣。ペニスから湧き上がる快感に僕の口から快楽のうめきが洩れる。

「ああっ! はぁ、はっ! ……んっ!」

 それとは反対に、僕に貫かれている晶は苦悶の声を上げる。

 男性器を摩擦される快感と、愛する晶と一つになった精神的な満足が僕に官能の悦びをもたらす。

 その甘美な感覚が晶を気遣うことも忘れさせる。

 思わず僕の動きが少しずつ速く、大きくなりはじめる。

「はぁ、はぁ……んっ! 気持ち…いいの?」

 苦しげな息で晶が聞く。

「晶ぁ……気持ち…いいよ……」

 快感を得ていることを伝える。

「んッ! あぁっ……う、うれしい……くっ…あうッ!」

 晶が本当にうれしそうな笑顔を見せた。

 誰もいない海で、クルーザーの上に僕たちの声だけが響く。

 火照った肌に浮かんだ汗に小さな光をまとわせ、僕たちはただ一つの行為の没頭していく。

 すべてを忘れ、お互いの体を、存在を、そして心を確かめあう。

「あなたを……中に感じる」

「うん、僕も晶に包まれてるのを感じる……」

 晶の中の温かさが僕に伝わる。奥のほうで何かがうごめく感覚。

 じわじわと勃起にまとわりつき、根元から先端に向かってしごかれるような気持ちよさ。

「あぁっ……んっ、ねぇ……」

「えっ?」

「気持ち……いい?」

「すごくいいよ……晶の中、とっても気持ちいい……」

「……よかった」

 僕が少し前後させただけで晶の眉間にしわが寄る。……痛いんだ。

「はぁう……あっ」

 初めてで痛くないはずがない。僕を収めただけで耐えられない苦痛のはずだ。

 それでも晶は僕に笑顔を向ける。……激痛をこらえた痛々しい笑顔。

 と、晶のまぶたから涙があふれ、次々とこぼれ落ちる。

「晶?」

 急に不安になった僕が聞く。

「私、本当にあなたのものになったのね……うれしい……」

 流れる涙を拭おうともせずに晶が答える。

 そのたびに、僕の今までの届かなかった想いが伝わる気がした。心に幸せが満ちてくる気がした。

 

 晶の中を貫くたびに僕のモノに快楽が押し寄せる。

 肉体的な快感はもちろん、晶を自分のものにした精神的な満足感。

 ……晶とつながっていることが、こんなにも気持ちがいいなんて。

 僕のために額に脂汗を浮かべ、苦悶の表情を浮かべる晶が愛しい。

 美しいものを汚しているという背徳感。しかしその美を自分だけが汚せる優越感。

 そして、初めて見る晶の「オンナ」の顔。夏の日を浴び、肌から立ちのぼる晶の「メス」の香り。

 射精感がどんどん高まる。このままでは……イク。

「晶……出るっ!」

 あわてて身体を離そうとした僕の背中に晶の腕が回された。そのまま強く抱きとめられる。

(だめだ……中で……イク……)

 そう思った次の瞬間、興奮が限界を超えた。

「あぁっ! 晶っ! あき……っっっ!」

 

びゅるっ! ずぴゅっ! どくっ! ぶしゅっ!……

 亀頭を子宮に押しつける。晶の一番奥で熱い思いを解き放つ。尿道を欲望が通過していく。

「ひゃうっ! ふぅっ! んんっ……」

 そのほとばしりを膣奥で受け、晶が僕にしがみついた。

 精を射ち出すたび、頭の奥がしびれるような甘美な感覚が後頭部から背すじに走る。

 僕はビクビクと震えながら温かいものを晶の中にあふれさせる。

どくんっ! びゅくっ! びゅびゅっ!………

 晶に腰を打ち付けるようにして、僕は何度も精液を送り込んだ。

 ありったけの精を晶の中に注ぎ込む。

「んぁっ! んんっ……む……」

 晶は唇をわななかせ、僕の射精を体の奥深くで受け止める。

 ……若い子宮を精液で満たし、僕は長い射精を終えた。

 

「あ…はぁ……はぁ……」

 整わない息で晶が大きくあえぐ。

 射精したことで冷静になった僕は大事なことに思い当たった。

「晶……はぁ、はぁ……あ、ごめん……」

「……え?」

「その……中で……」

「あ……」

 言われて初めて気付いたという感じで、晶が恥ずかしそうにその頬を朱に染める。

「えっと……晶、その、あー」

 とっさに言葉が出てこない。

 黙ってしまった僕に

「赤ちゃん出来たら責任とらせるわよ」

 晶がそんなことを言った。

「……え?」

「なによそのイヤそうな顔!」

 晶が不満げに言う。

「ち、違うよ……ものすごく光栄なんだけど、晶は本当に僕なんかでいいの?」

 そう言った僕に

「好きでもない相手と私はこんなことしないわ」

 晶は大げさにため息をついて答えた。続けて

「わ、私にこんなことできるの……あなただけなんだからねっ!」

 そう言って頬を染めた。

「あと赤ちゃんなんだけどね……た、たぶん……大丈夫。……ねぇ」

「なに?」

「……好き」

「! ……僕もだよ、晶」

 このまま時が止まればいい……。そう思いながら僕は晶を抱きしめた。

 触れ合った肌から互いのぬくもりが伝わる。

 僕たちはいつまでもそうしていた。

 

「ねぇ……気持ち…良かった?」

 僕に抱かれたまま晶が聞く。

「うん。……すごくよかった。こんなに気持ちよかったの、初めて……」

「私は痛かったわ……。あなただけ気持ちいいなんてズルイわ! 不公平よ!」

 僕の腕の中で身をよじらせるようにして晶が口をとがらせる。

「ごめんね、晶」

「今度は私も気持ちよくさせてよね」

 そう言って真っ赤になって下を向く。

「え?」

「い、今すぐってことじゃないからねっ!」

 怒ったような口調で晶が言う。そして

「私のこと好きなんでしょ? 大切にするんでしょ? だったらこれからは毎週、必ず長崎に来なさいよね」

 僕をまっすぐに見て続けた。

「あ、晶……それは……」

 ちょっとだけ言いよどむ。

「何? 私が大事じゃないの?」

 キッとした目で僕を見据える。

「好きだよ、大好きだよ。晶が誰よりも好き。……でも長崎に毎週は……」

「……そう…よね」

 今度は晶が口ごもった。

「晶だって僕のこと好きって言ったろ? 晶も東京に来てよ……」

「……うん。なるべく時間作って…東京に行くわ」

「晶……」

 晶が僕を見つめていた。触れ合うほど近くに僕と晶の鼻があった。

 鼻の頭をこすり合わせる。と、晶はゆっくりと目を閉じる。

 そのまま晶に顔を寄せる。唇と唇がかすかに触れ、晶の息が僕の頬をなでた。

 唇を深く合わせる。晶の息に小さくすすり上げるような声が混ざった。

 晶を抱く腕に力をこめ、僕もゆっくりと目を閉じた。


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