こちらは妹編の方です。

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続きました。感想評価よろしくお願いいたします。


幼い頃過ごしていた田舎の祖父母の家に帰ったら、結婚の約束をしていた双子姉妹をお嫁さんにすることになった話〜妹編〜

風がそよぐ。

柔らかく頬を撫でるそれは、夏という季節にも関わらず涼し気な心地を与えてくれて。

全てエアコンという文明の利器のおかげですが。

そんな中で、私はお兄様とお姉ちゃんと2人でアイスを食べていました。

お姉ちゃんはチョコアイス。お兄様はバニラアイス。私はチョコミントアイス。

誰ですか、今歯磨き粉って言った人。歯磨き粉は美味しくないでしょ。ぷんぷん。

 

どうも。神楽坂学園高等学校3年、元生徒会長酒入日和です。この間引退しました。

お兄様との初めてをお姉ちゃんに横取りされたのは業腹ですし、許し難いですがそれはそれ。

10年近く同じ男の人を思い続けて来た女2人です。片方に先を越されたくらいで勝手に泣きわめいて諦めるなんて言う立派な感性はそりゃーしとらんのです。

 

私は諦めの悪い女なので。お姉ちゃんみたいに純粋な幼女メンタルしてないので。

 

「……針のむしろみたいな気持ちなんだけど、俺はどうすればいいんだ。祈ちゃん」

「僕とのセックス跡見られちゃってるもんね、これ跡残るよ……」

「そこ2人イチャイチャしないの。お姉ちゃん、私と一緒にお兄様に処女捧げようねって約束したの忘れちゃったの?」

「あ、えーと……日和ちゃん……ごめんね?」

「許す、いいよ」

「待ってくれ?俺のいない所で何の話が進んでたんだ」

 

私とお姉ちゃんに挟まれて、あたふたと焦ったような顔で呟くお兄様。片手で顔を覆いながら、もう片方の手のひらをこちらに向けるような姿勢をとっています。

どうもこうもないでしょう。

お姉ちゃんと私は、ずっとお兄様を好きだったし愛していたので、この機を逃さずにお嫁さんにしてもらおうと共謀していたんですよ、という話でしかありません。

 

「えへへ……そういうことだったんだ。お兄さん。僕と日和ちゃん、ずっとお兄さんが好きだったから……」

「でも私はお姉ちゃんが、お姉ちゃんは私が好きなものでしてー。片方しか」

「だったら2人とも貰われちゃおうよ、って話を、ね?」

「そういうことです。嫌なら嫌、って言って頂ければ大号泣した後に諦めますから」

「号泣するのか……」

 

嘘です。諦める気はありません。

なんなら厳次おじさまに土下座する勢いです。

お兄様に色仕掛けだって厭いません。あんなことやこんなことだってしちゃいます。

まあ、それをする必要はないと思いますけれど。

お姉ちゃんが抜け駆けして成功した、ということは少なからずお兄様も私たちに好意は抱いていると思いますからね。

 

「お姉ちゃんは少なくとも受け入れて貰えたんですよね?」

「ああ……約束を思い出したからな。お嫁さんにするって」

 

ふうん。

お姉ちゃんの約束は思い出せてもらえたんですか。いいなあ。

多分、不満が私の顔に出ていたのでしょうか。それを見てお兄様はバツの悪そうな表情を見せます。

そんなに気にしなくてもいいのに。

その顔を見てちょっとだけ意地悪がしたくなってしまいます。私はそういう女なので。

 

「じゃあ、私との約束は思い出せませんか?」

「え?花かんむり渡してお嫁さんにする宣言じゃなくて?」

「あ、そっちを思い出したんですね。でも違います、もう1個の方です」

「……思い出せてないな。悪い……でも、したんだよな」

「しましたよ、もうねっとりたっぷり。どんな約束かは言いませんけれどね」

「ああ、それでいい。俺が思い出さないと……意味が無いもんな」

 

うふふ。こういう真面目なところ、変わってないですね。『あの日』からずっと。

ネタばらしというか?こういう約束をしましたよ、って教えてあげてもいいんですけど、お兄様は嫌がるでしょうね。ねぇ〜ん、いいでしょ〜?ネタばらしさせてぇ〜ん……とかやったらダメですかね。やってみたいですが我慢。

 

お兄様は自分が何かをしたなら、その責任は自分で取ろうとする男の子ですから。だからこう……約束もあったのはそうですが、処女という女の子にとって大事なものをプレゼントされてしまったお兄様はお姉ちゃんのことも責任を取ろうとしているわけですね。

もう1人分の責任を加えて差し上げますからね〜、うふふ。

 

「ん、じゃあ思い出すまで待ちますね。取り急ぎお暇な日あります?」

「暇な日……?まあ、こっちにいる間は暇だけど。どうして?」

「決まっているでしょ。女の子が男の子に、暇な日を聞いたのならひとつしかありませんよ」

 

───私とデート、しましょ。

あ、お姉ちゃん抜きで。

 

◆◆

 

「わぁ、懐かしいですね。覚えてます?村のお祭り、ここで私踊ったんですよ」

「ああ、覚えてるよ。奉納演舞だっけか、あの時の日和ちゃんは綺麗だったな。小さい頃の記憶だけど、見惚れた覚えがある」

 

あくる日、私とお兄様は村デートと洒落込むことにしました。田舎ですからね、ろくなデートスポットなんてほとんどありはしませんので。

そんな訳で、村の中の各所を巡るという感じになってしまうのも宜なるかな。

それでも、お兄様と一緒に思い出の場所を巡るというのはなかなかドキドキするものだったりします。

 

恋って凄いですね。1人で訪れてもつまらない場所が、好きな人と訪れるとロマンチックな場所に早変わりです。

一人で来てみてくださいよ。こんな寂れた神社の境内でなにするんですか。お参り?

絶対つまらないと言える自信があります。あ、ここオフレコでお願いしますね?

 

「それにしても、何年もここを離れていたのにちっとも変わらないな。朧気な記憶の中にある様子と、全然変わってない」

「そうでしょう?ここはそういう場所ですから。ずっと変わらない。ちょっとだけ、それぞれのおうちは近代的になっていっているんでしょうけど」

 

それでも、やっぱりこの村はずっと変わらないんですよね。

お兄様と離れた時から、ずっと変わらない。田舎で、暮らしにくくて、人が居なくて、静かで。

───それでも、お兄様と過ごした思い出の村。昨日の事のように思い出せる。

 

「ああ、それでも。昨日まで同じようにここに来ていたような……そんな雰囲気がする」

「ですね──私もそう思いますよ。……あ、そういえばお兄様にシロツメクサで冠作ってもらったこと、まだ覚えているんですからね」

「ん?ああ、そういえばあったなあ。そんなことも。日和ちゃんが祈ちゃんと喧嘩して、確か……」

「ふふ、ええ。私がお姉ちゃんと大喧嘩して、泣きべそかきながらうずくまってたところにお兄様が来てくれたんですよ」

 

────ひよりちゃん、はい。

────はなの、かんむり?

────うん、プレゼント。ひよりちゃん、かなしそうだったから。よろこんでほしくて。

────あ、ありがとう……にあってる?

────うん、かわいいよ。

────うれしい……

────やっぱ、ひよりちゃんはさ。

────え?

────えがおがいちばんにあってるよ。

 

回想シーン終了。

女たらしですね。お兄様ってば。

えー、泣いてる女の子のところに来てプレゼントしてかわいいって褒めて、素敵な言葉を言ってくれる男の子ですよ。

そんなの好きになっちゃうしかないじゃないですか。ねえ?私何か間違ったこと言ってます?言ってないですね、QEDです。

ちなみにちゃんと仲直りはしましたよ。お姉ちゃんは私のこと大好きなので、泣きながらごめんねって言ってくれました。そのあとかんむりもらった件で揉めました。

 

「あの時のお兄様、女の敵でしたよ?」

「女の敵!?ちょっと待ってくれ、俺そんなヤバいことしたのか……?」

「教えてあげませーん。自分の胸に手を当てて考えてみてください」

 

しかも分かってないんですよこの人。

自分がどれだけ女の子キラーな言動しているかとか、寂しくて悲しかった時に都合よく来てくれる間の良さとか。

 

なんで私があそこにいるの分かったんですかね?察し力が高すぎて何も言えません。

こんな男の子、放っておいたら女の子がたくさん寄ってきちゃいます。

……いや、多分都会の方でも女の子引っ掛けてるんでしょうね。鈍感なので気づかなかっただけで……。

 

「全く、そんなんだから私との約束忘れちゃうんですよ?にぶちんさん」

「それについてはほんとにゴメン。クソ……俺はどんな約束をしたんだ……?多分祈ちゃんと似たようなことしたんだろうけど……!」

 

頭を抱えて考え込んでしまうお兄様。

はー、私のために初恋の相手が頭悩ませてるの……嬉しすぎますね。

神社の境内の縁に腰掛けてニコニコ笑いながらその様をじっくりと眺める私。

ククク、早すぎず遅すぎずの塩梅で思い出すが良い……と念も送っておきましょうか。

 

だって今思い出されてもデート中断になっちゃうじゃないですか。そんなの嫌ですよ。

私のプランではデートして楽しんだ後にお兄様が都合よく思い出の場所で約束を思い出してくれて         __という感じになると睨んでいるので。

お兄様は都合よくそういうことしてくれちゃう男の子ですので。昔っから。

 

「ま、思い出せないなら思い出せないで仕方ないですよ。それなら改めて思い出作ってお兄様をこう……メロメロにしちゃえばいいわけですしね」

「割り切りが凄いな。……その、日和ちゃんはいいのか?」

「……?何がですか?」

「いや……自惚れじゃなかったら、日和ちゃんも俺のことが好きでいてくれてるんだろ?それが、こんな2人とも選ぶような真似を……」

 

あら、それ聞いちゃいます?

にぶちんさんの癖に私とお姉ちゃんの好意を自覚してるんですね。お姉ちゃんからストレートにぶつけられたから理解できたんでしょうか?

ま、それはそれとして。

そこはもう解決されてしまってるんですよ。

 

「んー、違いますよ。逆です」

「逆?」

「はい、片方しか選ばれない方が揉め事になるんですよ。そりゃ、社会的にどうとか倫理的にどうとか……あると思いますけれど」

「そう、だな。それが懸念なんだ……2人はそれでいいのかって。嫌な気持ちにならないのか、ってさ」

 

真面目ですね。ほんとに。

あくまでお兄様の都合ではなく、私たちのことを考えて真面目に悩んでくれている。

ま、そんな倫理とかどうでも良いんですけど。

 

「なりませんよ?だってお姉ちゃんも私も、喧嘩したくなくて2人でお兄様の物になろうって話をしたわけですし。なんならお兄様に拒絶される可能性も考えてたんですよ?」

「いや、その……現金な話だけど……かわいくて綺麗な女の子の幼なじみ2人に迫られて悪い気はしないというか。むしろ嬉しいというか」

「今かわいくて綺麗って言いました?」

「言いました」

「ああ、良かった。お兄様のために美容とかスタイル維持とか頑張ってたんですよ。そう見えるんですね、やった」

 

小さく拳を握って喜ぶ。

やっぱり努力は報われるんですね。

いやーありがとうございます、ありがとうございます。おっぱいが大きくなるように色々頑張った甲斐がありました。

今日ずっとチラチラ見てるのも分かってましたしね。白ワンピース着て、ちょっとおっぱい強調されるのも織り込み済みで。

そんなことを考えながらもちもちと自分の胸を揉んでみるとやめなさいと止められました。ちぇー。

 

「まあ、そんなわけですよ。納得ずくでやってるわけです。なのでお兄様には安心して2人とも娶ってほしいなー……って」

「……まあ、まずは恋人からで」

「言いましたね?逃がしませんよ。あ、私はお兄様になら何要求されてもバッチコイですからね。何でもして差し上げますとも!」

 

バーリトゥード!

なんでもありですよ、と明言しておく方が私とっては都合が良いわけです。

あ、お兄様の目に獣のような光が。男の子からしたらこんなぷりぷりのメスがいて、その上何でもしますと言われたらそりゃあそう思っちゃいますよね。

それが狙いなんですが。私の処女はお兄様のモノなので。

 

「……いや、まだデート中だから。そんなこと言われても何もしないよ」

「……ふぅん」

「何その目は。怖いよ」

「いえいえー?恋人からって言ってくれたのが嬉しいだけですよ?」

 

なんだかんだ言質を取れましたし、ここら辺て一度引かなきゃウザい女になっちゃいますからね。誤魔化しつつ身を引きますよ。

 

お兄様の負担になる女にはなりたくないですし。お姉ちゃんはそこら辺天性のバランスで上手くやるタイプですけど、私にはそんな才能はありませんからね。

そんな感じにほくそ笑んでいると、お兄様が意趣返しとばかりに提案をしてきました。

 

「じゃあ、あの時の……奉納の踊りをもう一度見せて欲しいな。出来る?」

「え、あ……ええと……まあ、出来ますけれど……」

 

はあ。そういう提案してきます……?

素直に困惑です。踊れますよぉ……?踊れますけどぉ……なんでえ……?

ハッキリとその困惑した私の様子がわかったのか、お兄様は慌てたように付け加えます。

 

「いや、ほら。俺が日和ちゃんの姿で1番大好きだったのがあの日の巫女装束で踊る日和ちゃんだからさ。もう一度見てみたく、なっちゃって……さ。ダメかな?」

「はい、踊ります」

 

もうっ!なんでこの人はっ!

こういうことをしれっとした顔で言ってくるんですかっ!あ、でもちょっと顔が赤い!恥ずかしいんですね!私もですよ♡♡

こんなこと言われてしまったら抗えません。私はお兄様の女なので。お願いされてしまったら言うことを聞くしかありません。自明の理です。

あー……もうちょっとスポーティな格好で来ればよかったな……と後悔しました。

だってスカート部分、ひらひらしているので踊ったら……見えちゃうじゃないですか。

いえ、見て欲しいですよ。見て欲しいですけれど、それとこれと乙女の恥じらいは別物なのです。

 

「はぁ……では、踊りますからね」

「しっかり見てるよ」

 

想像する。想起する。

あの日の神楽舞を。正確にそれをなぞる為に。

ただ、あの日と違うのは神様に捧げるために踊るわけではない、ということ。

私は神様にはこの踊りを捧げない。ただこの胸にある恋慕と、好きな人に見られるためだけに踊るのです。

羽毛がふんわりと舞い上がるように踊る私、それをじっと見つめるお兄様。

 

……は、恥ずかしい。

小さな頃と違って胸が揺れるし、スカートは舞い上がるしでもうめちゃくちゃです。

じっと見られてる目線がどこを見てるのか、何となく分かっちゃいます。

ああ、私見られてるぅ……。

 

それでも、心と体は歓喜を叫んで高揚してきているのが始末に負えませんね。

火照る体に、煌めく汗。しゃんしゃん、と脳内で鳴り響く鈴の音に合わせて兎のように跳ね、舞い、踊り狂う。

そのまま最後の振り付けを終わらせ、お兄様に向き直ります。

 

あー、息が上がってます……暑ぅ……今夏なんですよぉ……?なんで踊って欲しいとかお願いしたんですか?汗だくです……私絶対汗臭いじゃないですか、やだー……。

ぱたぱたと手で顔を仰ぎながら感想を聞きます。

 

「はぁ……っ、はあ……お兄様、如何…でした?私の踊り……ふふん、お兄様のための、踊りですよ……」

 

息絶え絶えじゃないですか、もう。

かっこ悪いなあ……私、舞い上がっちゃってバカみたい。神楽舞だけに。……ウフフ。

自己嫌悪と達成感と、不安感の板挟みになっている私に向けてお兄様はただ一言。

 

「綺麗だ。あの時よりも、もっと綺麗だ」

 

……えへへ。舞って良かった。

や、チョロすぎませんか?私。少女漫画のヒロインでももう少し身持ち固いですよ。

ありがとうございます、と返しニヤニヤが止まらない自分の顔を引きしめる。

 

「全くもう……夏なのに踊らせるなんて酷い人ですね。私汗だくですよ?ほらほら」

「お、おぅ……俺が悪かったから、その……」

「ガッツリ見てたくせに今更何なんですか。バレバレですよ」

「バレてたんだ……」

「バレますよ。例えば、街中でおっぱいチラッと見るやつ、バレてますからね。女の子は視線に敏感なので」

「……み、見とらんわ」

「私のおっぱいならいくらでも見ていいんですよ、ほらほら」

「……あとで見せてもらっていいか?」

「はぁい、もちろんですよ」

 

素直ですね。汗だくの女の子って意外と男性需要あったりするんでしょうか。なんか妙に恥ずかしそうに目を逸らして……。

……ああ、ちょっと汗で透けてるんですね……ふぅん……こういうのが効くんだ……。

 

「……暑いし、疲れただろ。たしかこの近くにお店あったよな」

「ありましたねえ。駄菓子屋みたいな感じのお店」

「……ラムネとか売ってるかな」

「この時期ならアイスも売ってますよ。一条のお膝元ですからね、意外とその手の充実具合はしっかりしてます」

「なるほど」

「行きます?」

「行こうか、涼みに」

「はーい」

 

閑話休題と言わんばかりにお兄様が話題を変えてきます。やっぱりドキドキしたんですね?したんでしょ。

ウフフ、なんだかんだデートですし。私もお兄様に女を多分意識させられましたし、初手で結構良いとこいったのでは?

ウキウキ気分で神社から出ようとすると、後ろから呼び止められます。

ん、なんでしょう。なにか忘れ物でもありましたかね?

 

「日和ちゃん」

「はいはい、なんでしょう。忘れ物とかありまし───」

「手」

「──え?」

「手、繋いで行きたいんだ。デートなんだろ?」

「……ふふん、エスコートしていただけます?」

「仰せのままに、お姫様」

 

……ズルいですねえ、ほんとに。

こんなんだからめんどくさくて重たい女の子を2人もひっかけるハメになるんですよ?

分かってます?分かってないですね。

 

そんな内心とは裏腹に、駄菓子屋に向かう足取りは軽やかに。

鼻歌を歌いたいくらいに上機嫌になっていくのが我ながら丸わかり。

……デートですもんね。これくらいの役得はあっても許されるってもんですよ。ええ。お姉ちゃんはくんずほぐれつイチャイチャちゅっちゅしたんですから手を繋ぐくらい許されます。

 

なんて、誰に向けているとも分からない言い訳を重ねる私なのでした。

 

◆◆◆

 

「ぷはーっ!美味しいですねえ、ラムネ!英語で言うとdelicious!」

「英語で言う必要はあったか?」

「気分ですよ気分。こういうものは気分が大事だと古事記にもそう書かれていますからね」

「古文書に落書きするな」

 

ちりん、と軒先に吊るされた風鈴の音が鳴り響く。

その風流な音色を聴きながら、お兄様と私はラムネを堪能しているのでした。

夏といえばラムネ。ラムネといえば夏。そんな単純な方程式が成立しえるほどに純化された、その爽やかな後味は暑さに辟易としていた私たちの体に染み渡っていきます。

 

夏に飲むラムネってどうしてこうも美味しいんでしょうね。私、炭酸ジュースはあまり好みでは無いのですが、それでも夏のラムネだけは好きだったり。

 

ごく、ごく、と喉を鳴らして飲みます。通り過ぎる余韻が暑気を吹き飛ばすかのように胸の奥で弾けて、一瞬だけ夏であることを忘れさせてくれるのです。

その一瞬を連続して摂取できるから、ラムネは真夏の覇者なのかも知れません。

 

お兄様も目を細めながら美味しそうに飲んでいます。喉仏が揺れて、食道が拍動するその動きになんだか釘付けになってしまいました。

そっと自分の首に手を当ててみます。……全然首の太さが違いますね。

 

なんというか、筋張ったお兄様の……首筋を見ていると変な気分になるといいますか。

私と全然違うんだなあ、と思うとドキドキするといいますか。これは好きな人の体と自分の体の違いに気づいてしまった人なら感じるドキドキだと思います。

私が隙あらば男の人の体に欲情する淫乱女だという訳ではありません。ありませんったらありません。

 

「……ん、何見ているんだい?」

「いえ、ラムネ美味しそうに飲むなあって思いまして」

「日和ちゃんこそ。美味しそうにさっきまで飲んでたじゃないか」

「えっ、私そんなに顔に出てました?」

「日和ちゃんは結構顔に出るタイプだと思うけど。ニコニコしたかと思えば複雑な顔になったりするし」

「あわ……そうだったんですか。んに……自分の事は自分ではよく分からないものですからね……」

 

ありゃ……私そんなに分かりやすかったんですね。顔から火が出そうです。

ほっぺをむにむにと指で摘んでみながら、誤魔化すように喋ります。

 

「お兄様も、よく私の事見てますね」

「自然と目に入ってくるからな。しかもコロコロ表情が変わるとなったら、余計に目が行く」

「そんなものですかねえ」

「そんなものさ。日和ちゃんも俺のことを熱心に見ていたようだし」

「バレてましたか」

「そりゃバレるさ。俺も日和ちゃんのことを見てたんだから。見てたら、見られていることに気づく」

「じゃあ見ないようにしますね?」

「出来るのか?」

「出来ますよ〜、ナメないでくださいねっ」

 

……打てば響く、とはこういうことを指すんでしょうかね。

軽口を叩いて、それを返す。言葉のキャッチボールが成立していること、それそのものに妙な安堵を覚えてしまいますね。

お姉ちゃんと私のような、阿吽の呼吸の関係ともまた違います。

例えるなら……例えるなら……。

割れ鍋に綴じ蓋、と言いますか……。いやいや、今のはナシです。

もうちょっと妥当な言い回しがあるに違いありません。サラダ記念日とか。

ポエムとかには全然詳しくないのですけど。

 

「フフ、またなんか考えてるな。百面相してるぞ」

「んっ、そんな事ないですよ?私、ポーカーフェイスの美少女なので。完璧にだまくらかせますので。ちょちょいのちょいです」

「そうか?」

「そうなんです。このポーカーフェイスを崩したくば、余程のことが無ければ……」

「お、チョコミントアイスあるじゃないか。食べるか?」

「わぁい、チョコミントアイス大好きです。いただきます!」

「ポーカーフェイスが一瞬で崩れたな」

「チョコミントアイスの前には無力、ということですね……やりますね。赤城⚫業」

 

はむ、はむ。

お兄様に奢ってもらっちゃいました。

チョコミントアイスを食べてご満悦の私です。

爽やかな香り。突き抜けるミント。それが私の味覚と嗅覚を満たしていきます。

この感覚が好きになってしまったらもう逃れられませんよ。

ハッカ油を肌に塗ったらスースーする感覚、これが好きな人には分かってもらえるかもしれません。

それが口の中で適度に起こるので、快感しか残らないのがまたGood。

 

お兄様はバニラアイスを食べているみたいですね。大きなカップのアレです。皆さんご存知の。

私はアレ食べるとお腹いっぱいになってしまいますので滅多に食べません。

……あ、そうだ。

 

「お兄様、お兄様」

「ん?どうした?」

「はい、あーん」

 

カップルっぽいこと、その1。

あーん、です。実は夢だったんですよね、こうやって食べさせあいするの。

まあ、お兄様に翻弄するエ⚫フの剣士ばりに翻弄されていますのでからかってみたくなったというのもありますが。

からかい上手の日和ちゃん、とでもいいましょうか。色々と各方面から怒られそうですね。

ふっふっふ、慌てふためくがよい。お兄様と言えど簡単にあーんを受け入れるわけが───

 

「あー……ん。ん、ふまいな……チョコミントアイス滅多に食わないけどたまに食うと美味い。ありがとうな」

「な、な、なんでそんなに平然としてるんですか。もっとこう……あるじゃないですか!反応が。あーんですよ、美少女のあーん」

「嬉しいに決まってるだろ。ポーカーフェイスだよ、ポーカーフェイス。日和ちゃんもあーん」

「……あ、あーん……ん……バニラの味、こんな味でしたっけ……わかんないッピ……」

「急にどうした……?」

 

やり返されました……見事なカウンターだと感心しますけれどどこもおかしくはないですね……

あ、間接キスじゃないですか……もう……やだぁ……負けてばっかり……。

え、今日もしかして全敗ですか?私、お兄様に勝ててない?……透けチラくらいしか勝ててないですね。はい。

 

「お兄様、これ間接キスですよ間接キス。恥ずかしくないんですか?」

「……これからしっかりキスするのに恥ずかしがってもなあ」

「風情ってものがないんですかあーたは」

「むしろ風情を重要視してるからこんな反応なんだろうが。改めて指摘されなくても内心照れてるよ、全く」

「くっ、そうは見えない……私以上のポーカーフェイスとはやりますね」

「雑魚と比較されるのは大変遺憾である」

「あーっ、雑魚って言いましたね雑魚って!出るとこ出ましょうか!簡易裁判所行きますよ!」

「地裁じゃないんだな」

「遠いじゃないですか」

「確かに。絶妙に遠い」

 

もむもむ、とアイスを食べながらする会話としては適切なのでしょうか。なんか違う気もしますけど、良しとしましょう。

楽しいですからね。……間接キスで動揺しなかったのは真に遺憾の意を表明します。やっぱりおっぱい押し付けて力押ししかないんでしょうか。うぬぬ。

 

「んー……美味しかった、ご馳走様」

「私も食べ終わりました。ご馳走様です」

 

下らない悩みに頭を悩ませているうちに、いつの間にか食べ終わってしまっていました。時間の流れってはやーい。

ゴミを店舗横に設置されたゴミ箱に捨てて背伸びします。

んーっ、はあ。忌々しいくらいに輝いてますね、太陽が。

 

「さて、次はどこに向かうか。川とか……か?」

「あ、私行きたいところあるんですけど。良いですか?」

「行きたいところ?」

「ええ、思い出の場所ですよ」

 

◆◆◆◆

 

「はい、ここです」

「ここは……」

「約束の地ですよ」

「言い方がかっこいいな。……まあ、要はここで約束した、ってことなんだよな」

 

村から少し歩いた小高い山の上にある、公園。

ここが私とお兄様の思い出の場所、にございます。

日和は……嘘は、申しません。

と言っても、お兄様は覚えてらっしゃらないと思います。約束に関わる場所なので。

ネタばらししますと、ここで指輪を貰いました。おもちゃの指輪ですけどね。

これはもう結婚だと思うのですが如何ですか?私は結婚でいいと思うんですよね。

 

「思い出せました?約束」

「いや……悪い。まだ少し……」

「ネタばらししていいですか?」

「やめてくれ」

 

ぶー。やっぱり思い出せないならネタばらしするしかないと思うんですけど。

頑なにお兄様は自力で思い出そうとしています。

お兄様のいけず〜、と言いながら公園内のブランコに駆け寄って乗ります。……あら、意外と楽しい。久しぶりに乗ってみると楽しいものですね。童心に返れます。

 

「危ないぞ」

「平気ですよ、錆が酷い訳でもないですし」

「いや、そうじゃなくてだな……」

「はい、何でしょう?」

「下着見えるから」

「はい辞めます」

「分かってくれてよかった」

「デリカシーって言葉、知ってます?」

 

見せるのはいいですけど不慮の事故で見られるのは嫌なんですよ!

女心分かっているのかいないのかわからないムーヴやめてくださいません?

 

「……あ、思い出した」

「色々と台無しな思い出し方なんですけど」

「指輪あげたんだよな。おもちゃの指輪だったけど」

「……そうですよ」

「それで俺はこう言ったんだよな」

「……なんて言ったんですか?」

 

お兄様はそういうと、片膝をついて演技めいた素振りをします。

あー、おほんとか言っちゃって。

あの時と同じことするんですから。

 

────やくそくのあかし、あげるね

────ゆびわだ!

────もし、はなればなれになってもぼくのことをわすれないでね。

────うん!やくそく!ずーっと、おにいのことわすれないから!

 

ずーっと、ずーっと。忘れないでいたんですよ。約束したんですからね。最悪の思い出し方されましたけど。拗ねますよ。

 

「俺がお願いして、俺が忘れてちゃ世話ないよな」

「伏線回収したくて、あの時もらった指輪持ってきてるレベルで大事にしてるんですよね」

「俺が悪かったのはその通りだけど、伏線回収って言い方はやめてくれ」

「てへ。……あ、ありましたよ。はい、これ」

「ああ、これだ。花のかざりのついた指輪……傷一つないな……」

「……ね、お兄様。お願いがあるのですよ」

「……ああ、なんだ?」

「はめてもらっていいですか?その指輪を、お兄様の手で」

「もちろん」

 

左手の薬指が良いんですけどまだ結婚してませんからね。右手の薬指で我慢してあげましょう。

………改めてはめてもらうとニヤけちゃいます。えへへ、これで私お兄様のお嫁さんなんですね。

 

「マーキングされちゃいましたよマーキング。これで私はお兄様のものですね」

「指輪をマーキング呼ばわりする人は初めてなんだが」

「紛うことなきマーキングですよ。お前の家系図汚してやるからなっていう」

「……あー、ちょっと言いたいことが分かってしまうのが嫌だな……」

「ド変態ですね」

「日和ちゃんがその概念提唱してきたんだろうが」

 

これで心置き無く私もお兄様のお嫁さんになれるというものです。

お兄様に家系図汚してもらいますよ〜?

 

「そういえばお兄様。私、今日の夜は帰らないって言ってあるんですよね」

「唐突に言うんだな。……まあ、そういう事でいいんだな?」

「もちろんです。バス乗り場行きましょ、ちょっと行った隣の街にホテルあるので。お泊まりデートですよ」

「俺が帰る気だったらどうしたんだ……」

「お兄様のおうちにお邪魔するつもりでした」

「力技だなあ……」

 

何はともあれ。

行こう、行こう。そういうことになりました。

今夜は楽しくなりそうですね。

 

◆◆◆◆◆

 

「お兄様、お兄様。見てください、お風呂広いですよ。風呂の狭いホテルじゃなくて良かったですね」

 

風呂が狭いホテルは最悪、とはよく聞きますが何でなんだろうなーと呑気に思ってました。いざ使う側になると実感します。狭い風呂より大きいお風呂の方が好きな人と入れるし、イチャイチャできていい、ってことに。

 

「サウナもあるな……ラブホにサウナがあるのか……」

「んー……?本当ですねえ……なんであるんですかねえ……?」

「そういうニーズがあるのかもしれない」

 

サウナ……なるほど、そういうのもあるんですね。汗だくになった体を重ね合わせて……混じり合うくらいに……えっちです。

 

ごそごそと部屋の中を探索してみると普通?のホテルには無い設備が目に着きます。

わ……ゴムとか売ってるんだ……えっ、精力剤……コスプレ……?わ、わぁ……あ、水無料なんですね……へぇ……。

色々と私がわたわたしていると、お兄様が話しかけてきます。

 

「先に風呂入るからちょっと待っててくれ」

「分かりました。ごゆっくりどうぞ〜」

 

お兄様が浴室に消えます。

うーん、手持ち無沙汰ですねぇ……あ、そういえばコスプレが無料で貸し出して貰えるって……ふ、ふーん……じゃあちょっとお兄様をその気にさせるために着てみましょうか。

……あ、フロントさんですか?はい、コスをお借りしたいんですけど……あ、2と4を……はい。お願いいたします。

 

閑話休題。

 

届いたのでコスチュームに着替えてみました。

……ちょっと恥ずかしいですね、これ……スカート短いし……えっちするための服だからこれでいいのでしょうか……。

あ、お兄様が上がってきましたね。誘惑しちゃいますよ!

 

「お待たせ、上がったぞ……って……それ」

「お兄様、似合ってますか?チアリーダーのコスプレですよ!ふふ、これでお兄様のおちんちんをたくさん応援してさしあげますね♥」

 

私が選んだのはこれ!

ヒラヒラのチアリーダーコスです!

男の人はおちんちんを頑張れ♥頑張れ♥と応援されると元気になると聞きました。なのでこれで誘惑したらお兄様もケダモノになりますよね!

 

「………」

「あ、あれ?ダメでした?……そのぉ……お兄様が喜ぶかなって……えへへ」

 

黙っちゃいました……もしかして、お兄さんこういうの苦手だったりするんでしょうか?

や、やっちゃいましたかね……?うぅ……。

不安感に私がしょんぼりとしていると、お兄様は私に近づいてきて、抱き寄せてきました。

 

「ごめんな、我慢出来そうにないから早めに風呂入ってきてもらっていいか?」

「ひゃ、ひゃい……♥あっ、分かりました……か、固くなってる……♥」

「なるべく早めに頼む」

 

えっ、待ってください……お、大きくないですか……?♥ちょっと、調べた男性の平均的なサイズを逸脱しているというか……♥

わ、私……どうなっちゃうんでしょ……♥

 

「じゃ、じゃあ……入ってきます……♥」

 

コスプレと下着類を脱いで、一糸まとわぬ姿になります。そのまま浴室に入り、シャワーの栓をひねってお湯を出して。

暖かく優しい感覚が肌を打つごとに、これからお兄様に体を許すことになる実感が湧き上がってきます。

お腹がずく、ずく、と拍動してはわがままに強請る気さえしてくるのは気の所為ではないのでは無いでしょうか。

 

清めるという行為は、古来より神に何かを捧げるために行われてきました。それこそ、神職は身綺麗にすることを怠らないといいますよね。

急にそんなことが脳裏を過ぎって、体を抱きしめてしまいます。

この、艶めいた髪も、整ったボディも、大きく育った胸も、孕みごろの尻も、そして……

 

「私の、ここ……お兄様のものに……なるんですね……♥」

 

お腹。女の子の大事なモノ。

子どもを産み、育てるためのもの。

孕む、ための……モノ……♥

 

否が応でも意識してしまいます。

私はそれを今から自発的に差し出すのです。

いえ、ゴムはあるので避妊はできますし。私も安全日ですが……万が一……って、あるじゃないですか……?

 

そんなこんな考えているうちに、滞りなく身を清め終わってしまいました。

身体を洗い終わって、バスタオル1枚だけを体に巻き付ける瞬間の頼りなさ。

もう引き返せないことを理解して、心臓が騒がしく鳴り響きます。

 

「お、お兄様〜……出ました……よ〜……?」

「ああ、待ってた」

 

すっくと立ち上がったお兄様の体が一回り大きく見えてしまいます。

いえ、恐らくそんなことは無いのです。ただ、私がお兄様の煮えたぎったオスの気迫に飲み込まれているだけ、なのです。

広い肩幅、柔らかさと硬さが同居した……トレーニングをある程度しているであろう胴体に、引き締まった腕……そして何よりも……

 

「わ、わぁ……♥その、大きく、なってますよ……?」

「日和ちゃんに誘惑されたからな。魅力的な女の子がいやらしいコスプレをして誘ってきたんだ、こうなるのも当たり前だと思わないか?」

 

あえていうなら、鉄杭……でしょうか……♥正確な大きさは分かりませんが……15センチ定規より大きいのは確かです……♥

ふらふらとお兄様の体に近寄り、ぴっとりと体を寄せます。私はこの人のメスなんだ、と主張するように、体をすりすりと寄せて……香りを染み込ませるようにぺたぺたと触り……。

 

「ん……♥たくましくて……つよくて……♥かっこいいですね……♥お兄様、昔はかわいくて素敵な男の子だったのに……今はもう……♥オス、って感じで……この、大きなおちんちんで……♥お姉ちゃんも虐めちゃったんですよね……?」

 

そっと、白魚のような細い指でお兄様のおちんちんに触れて……その熱さにうっとりと感じ入る私。ビクビクと脈打ち、目の前の女を孕ませてやると強く主張するその肉の塊に……胎がどうしようもなく疼いてたまらなくなってしまいます……♥

 

「お兄様……お口でのご奉仕……させていただいても良いでしょうか……?♥」

「良いぞ」

 

そっと跪いて、ビクンビクンと跳ねるおちんちんの先っぽに標的を定めて。えっと……確か歯を立てないように……するんですよね……?

強烈なオスの香りに脳みそをくらくらとさせながら、愛しいオスに接吻をするように……ちゅっ♥とキスを落として挨拶をさせていただきます。

これから愛して頂く、おちんちん……いえ、お姉ちゃんも言っていたように……おちんぽ様♥とお呼びする方が妥当でしょうか……♥

そのまま1度、2度、3度、と愛情を込めてキスをしていきます。こんなたくましくて素敵なオスに奉仕できるなんて……メスとして至高の悦びでございます……♥

 

「ん……♥ちゅ……ちゅ……♥にゅ……♥おいひ……♥」

 

ちゅぱ、ちゅぱ……♥れろ、れろ……♥

とわざと音を立ててご奉仕をします。

この方が男性の方は喜ぶらしい、です。耳年増の処女なので、技巧の方は慣れている方には及ぶべくもありませんが……その代わり、大好き♥お兄様好き♥お兄様気持ち良くなって♥と誠心誠意、丁寧にご奉仕いたします……♥

 

「ちゅっ……♥ん……あ、あれ……♥なんでもっと大きくなっていらっしゃるのですか……?♥」

 

ただでさえ大きなおちんぽ様が、私の奉仕でますます大きくなって……イライラしていらっしゃいます……♥なまっちょろい奉仕ばかりしているな、と怒られている気分です……♥

大きなたまたまも、ずっしりと重くなってきているに違いありません。誠心誠意媚びて宥め申し上げたのに、まさかそれがさらにおちんぽ様の怒りを強くしてしまうなんて、予想していませんでした……♥

 

「あっ、あのっ……♥ちゃんと媚びますから♥ごめんなさい♥ゆるしてくださいませ♥ね?私、下手くそですけれど……♥」

 

お兄様は無言でこちらを見下ろしてきます。

まるで、早くしろと急かされているようで。

口だけの女には用はない……と捨てられてしまうかも知れません。そんなことになってしまったら、私は死んでしまいます。

なので……お姉ちゃんに聞いて、学んだお口の使い方を試してみることにしました。

 

「んっ♥ぶっ♥ちゅっ♥はぁ……ん♥ちゅぷ♥おいひ……♥れろぉ……♥ちゅーっ……♥ぶぼっ♥ぢゅっ♥んっ♥ちゅる♥れろぉ……♥」

 

激しく舐めしゃぶり、音をさらに激しく立てて、吸い付き、媚びへつらうメスの口奉仕。

ごめんなさい♥ごめんなさい♥ゆるしてください♥気持ちよくしますからっ♥いじめないでくださいっ♥捨てないでくださいっ♥

 

そんな心持ちが私を満たしていきます。

その恐怖はそのまま、おちんぽ様への奉仕の激しさを加速させる結果となっていきます。

 

その技量が既に歴戦の娼婦にも迫るモノになっているとは気づかずに。メスの本能が覚醒させた、無意識のオスへの媚び方に身を任せて。

 

「日和ちゃん、気持ちいいぞ。上手い……さすが俺の女だな」

「………っ♥………♥」

 

褒められてしまいました。

こんな淫らな女の口奉仕が気持ちいいと、お褒めいただいちゃいました……♥

その言葉ひとつで安心して、気持ちよくなって、嬉しくなってしまうなんて我ながら浅ましくてチョロいと感じます。

けれど……大好きなお兄様に褒められちゃったんですよ……♥もう、そんなの……♥ダメじゃないですか……♥私の牝が悦びに打ち震えてしまいます。

 

「んぶっ♥ぶぼっ♥じゅるっ♥はぁ……ちゅ、ぷ♥んっ♥がぼっ♥ちゅっ♥」

 

ご奉仕にますます力が入ります。

もっともっと、気持ちよくなって欲しいなー……♥って。

さっきおしゃぶりを初めてやったはずなのに、喉奥までもう咥えこんでしまっています。

後で調べたら、イラマチオというものらしいですね。

酸欠になりそう……♥息苦しく、辛いはずのディープスロート。それがパチパチと花火のように弾ける快感を私の脳みそに打ち込んできます。

 

お兄様も気持ちよくなっていただけたのか、おちんぽ様のビクビクが激しくなってきます。

こうなった時、たまたまを触って持ち上がっていたら射精寸前なんだよ……とお姉ちゃんに教えてもらったことを思い出して触ってみます……♥さわさわ……♥あ……♥種付け、寸前ですね……♥

たくさん、出してください……♥そんな気持ちを込めて上目遣いでお兄様の目を見ながらお口の奉仕を激しくします。

その瞬間。

 

口の中にねっとりと濃厚な液体が流し込まれます。

びゅるーっ♥びゅく♥びゅく♥どびゅるるる♥といったような、激しく、濁流のように私の口の中にコキ捨てて排泄していただけたのです……♥

 

濃厚なオスの味に脳みそをクラクラとさせながら、ただそれをこく……♥こく……♥と飲み干していきます。それをちゃんと飲み干すのがマナーだと学びましたから。

丁寧に最後の一滴まで舐めしゃぶって胃の中に落とす。淑女の嗜み、とのこと。

 

「ん……っ♥ちゅるる……♥ぷはぁ……♥お、兄様ぁ……♥ぜんぶ、のめまひたぁ……♥褒めていただけましゅか……?♥……ん、ちょっと、お耳失礼いたしまひゅね……♥」

 

口の中にほんの少しだけ精液を残し、お兄様の体にねっとりと手を這わせるようにして立ち上がり、耳元でわざとらしくぐちゅぐちゅ♥と音を立ててからごくんと飲み込みます……♥

 

「ごちそうさまでした……♥ん……ごめんなさい……♥げっ……ぷ♥んふ……おなか、重いです……♥」

 

はしたないことだとわかっていますが、ついげっぷが漏れてしまいました……♥

お兄様に怒られてしまわないか、心配でしたけど……♥

 

「日和ちゃん」

「は、はぁい……♥なんでしょう……♥」

「ハメ頃に仕上げるから少しだけ我慢してくれ」

 

……もう、とろとろになってるのに……もっと、壊されちゃうんです、か……?♥

そんなの……そんなの……♥

 

「はい……♥お兄様……♥お願いします……♥」

 

断る理由、ありませんね……♥

 

◆◆◆◆◆◆

 

「お”っ♥い”っ……ぐ♥やら”ぁっ♥だめだめだめっ♥そここわれちゃぁっ♥い”ぐい”ぐっ♥」

「かわいいよ、もっと気持ちよくなろうな」

「おにっ♥しゃまぁ♥わらひこわれちゃ♥お”っ”♥ちゅ♥ちゅー♥しひぇ♥い”っ♥」

「ちゅーしようか、ほら。ベロ出して」

「ちゅっ♥ちゅ♥ちゅっ♥」

 

それから……30分?1時間……?くらい経ちましたでしょうか……♥

私はゴツゴツとふしくれだったお兄様の指でおまんこ……女の子の穴を丁寧に、丁寧に虐められておりました……♥

ちゅーをたくさんしていただきながら……♥おまんこをたくさん可愛がられるのはとても気持ちよくて、壊れてしまいそうです……♥

 

なるほど、こんなに気持ちいいなら世の中のカップルがセックスばっかりしているのは納得してしまいますね。

快感で壊されている私と、そんなことを考えて納得している私の両方がいて。

ばかっ、私のくせに気持ちいいことから逃げるなんて許せないっ。

支離滅裂な思考が泡のように生まれては弾けて。

 

ぱちん♥ぱちん♥と気持ち良いことが連続で襲ってくる上に、お兄様にべろちゅーしていただけてしまっている幸福感で壊れかけているのに、まともな思考が出来るわけがありませんでした。と反省です。

 

そのお兄様もこの間まで童貞だったというのに、的確にメスの体を捻り潰して気持ちよくするテクニックを急速に身につけているのです。

私の体を実験台にしながらチューニングしている、というべきでしょうか。

 

そのあいだあいだにお兄さまに大きく育ったおっぱいを揉んでもらえるのもとても嬉しいです。お兄さまに喜んでもらうために育てたので……♥

 

ほかほかに出来上がったおまんこは、ひくひくとうねっていて、お兄様の指をおちんぽ様だと勘違いしてちゅーっ♥と吸い付いて精液をおねだりしている有様。

私の体ながら卑しすぎて呆れ果ててしまいます。スケベに実って、無駄に感度が高くて、それでいて都合よく気持ちよくなってしまう。

でも、そんな体でもお兄様が気持ちよくなっていただけるなら……♥

 

「ん……これくらいほぐせば、処女喪失の時に少しくらいは痛みが紛れるかな」

「あえ……?♥しょじょぉ……?♥」

「初めては痛いっていうからな。少しでもほぐして気持ちよく喪失できた方がいいだろう。女の子の体は丁寧に扱わないとな」

「にゅ……♥ふぇ……♥おに、さま……♥すき……♥」

「俺も好きだぞ、日和ちゃん。かわいいな」

 

気持ちよくしてもらえちゃった上に、それも気遣いの上でしていただけてたなんて……♥

嬉しいな……♥優しいな……♥そうやって私をドキドキさせてくれるの……好きだな……♥

頭を撫でながら優しい声で好きと言ってくれるの、とても効きます。

 

そんなことを考えていると、お兄様がのそりと私の体の上に覆いかぶさってきます。

あ……♥いよいよ、しちゃうんですね……♥

 

「いいか?」

「はい……♥私の、はじめて……もらってください……♥すき……♥」

「いくぞ……俺も好きだ。一緒に気持ちよくなろうな」

 

ずぷ……と挿入されていく感覚に体が狂奔します。

1mm掘削されるごとに暴力的なまでの快感が脊髄を通過していくのです。

散々にほぐされた私のおまんこは愛液を多量に分泌していたこともあり、スムーズに大きなおちんぽ様を飲み込んでいきます。これが処女の膣穴か?と言われたら私なら信用できないでしょう。

 

亀頭が処女膜に当たります。

さしたる抵抗もなく、押し付けられたおちんぽ様にあっさりと処女は破られてしまいました。

意外にも痛みはほとんど無く。

 

「大丈夫か?痛くないか?」

「ん……♥だいじょうぶ……ですよ♥むしろ気持ちよくて……♥あたまがばかになっちゃいそう……♥」

「そうか、良かった」

 

こつん、と奥までおちんぽ様が埋まります。そのまま激しくピストンされてしまうんだろうなぁ、と思っていたらそうではなく。

どうやら馴染むまで動かさずに挿入したままにするようですね……♥

 

「ね、おにいさま……♥」

「ん?どうした?」

「ちゅー……♥もっと、して欲しいの……♥」

「わかった、たくさんしような」

 

そういうと、熱烈なキスを私たちは交わします。体より心。メンタルでの繋がりが交尾には大事だそうです。

なんとなくでしか分かっていなかったものが、分かります。気持ちよい以上に、満たされる。

きゅっ♥きゅっ♥とおまんこがおちんぽ様に吸い付き、口と口でもいやらしくキスをする。

まさに2人がひとつになっているような感覚。

ドロドロに溶け合ってしまいそうで。それでも互いの輪郭だけが拠り所となる、甘い幸せ。

 

「おにいさま……♥すき……♥すき……♥もっときもちよくなって……♥」

「日和ちゃんもな。もっと気持ちよくなろうな」

「うん……♥なる……♥もっと気持ちよく……♥」

 

ねっとりと溢れる愛液が答え。貴方のおちんぽを受け入れて喜んでいるメスの体を味わって欲しい。

そんな思いで私はお兄様に伝えるも、お兄様は私にも気持ちよくなって欲しいというのです。

そのキリッとした眼差しに、汗ばむ額、優しい声。全てが愛おしく感じてしまいます。

 

しばらく経ったのち、ゆっくりとピストンを開始するお兄様。

激しくは無いです。むしろ、穏やかに、ゆっくりと。私のおまんこを味わうように。

抜いて、挿して。抜いて、挿して。

小刻みに動かしてみたり、ギリギリまで引き抜いて、ゆっくり挿入してみたり。

 

私の体が味わわれている実感。

お兄様の大きな体躯におっぱいが潰され、乳首か軽く擦れる。甘い痺れが走る。

単純な快楽だけではない。気遣うようなピストンと、大きなおちんぽ様。お兄様への恋心に、こなれたおまんこ。なんの要素が欠けてもここまで幸せな気分にはならなかったでしょう。

 

「ん……そろそろ出そうだ。ギリギリになったら抜くからな」

「……っ♥ダメです……♥」

「っ……!腰に足を回されたら……!」

「良いんです……♥私、お兄様のお嫁さんなので……♥」

 

お兄様の囁くような射精宣言と、膣外射精するという言葉に、反射的にかにばさみのように足でお兄様の腰を固定しておちんぽ様を膣内に残留させます。

私はね……♥お兄様のお嫁さんなんですよ……♥彼女じゃなくて……お嫁さん……♥

それに安全日ですし……♥どうせならびゅ〜って気持ちよく……な、か、だ、し……したいですよね……♥男の子ですものね……♥

 

「安全日なので……私……♥知ってますか……?旦那様はお嫁さんのおまんこの中に精液ぜんぶ出さないとダメなんですよ……♥勿体ないじゃないですか……♥」

「でも……!」

「やんやんっ♥お兄様っ♥そんないじわるしないでっ♥種付けしてほしいの♥お兄様のあつぅ〜いおせーし……♥どっぴゅり♥だしてほしいの♥だぁめ……?♥」

 

なりふり構って居られません。

私の体はもう膣内射精待ちなのですから。

だいたいお姉ちゃんのナカにたくさんどっぴゅん♥したくせに、私にしないなんて許せませんよね……♥

媚びるような声でお兄様の体に体をより密着させていきます。

出ーせ……♥出ーせ……♥

マーキングしちゃってください……♥お嫁さんおまんこに、マーキングして気持ちよぉく種付けして……♥生意気なメスをわからせないと……♥オスの義務ですよ……♥

 

その行為にブチギレたのか、お兄様が私の体を固定して低い声で語りかけてきます。

ひぇ……♥お兄様のブチギレ顔かっこよ……♥

 

「いいんだな?もうやめてと言われても絶対辞めないからな。反省しろ……!」

「ひゃい……♥たくさん種付けしてくだしゃい……♥」

 

トドメはあっけないものでした。

最後にひとピストン。ギリギリまで引き抜いてばちゅん♥と強く串刺しにされて。

その瞬間に濃厚で……♥たくさんの精液が私の胎の中に解き放たれました……♥

熱ぅい……♥おなか……♥やけどしちゃいそう……♥

 

びゅるびゅると音が聞こえてきそうな程に強く、熱く、激しい種付けに。

私はお兄様の体に必死で抱きついて、快感に喘ぐより他にありませんでした。

あぁ………さいっこぉ……♥

 

ぬる……と抜き取られたおちんぽ様が顔にべとりと押し付けられます……♥

掃除しろ、ってことですね……?♥

ぺろぺろ、と力無くおちんぽ様に舌を這わせて媚びていると私のおっぱいを力強く掴みながらお兄様が言いました。

 

「今日は寝れられると思うな。一晩中交尾キメてお仕置きしてやるからな。分かったな」

「ふぁい……♥おまんこ、たくさん……いじめてください……♥」

 

その言葉に、おまんこを手でくぱぁと開きながら……媚びてしまう私。

私……生きて帰れるかな……♥おなか……重くなっちゃうんだろう、なあ……♥




読了ありがとうございます。Twitterやってるんでそちらの方もよろしくお願いいたします。

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