「っ……!」
彼女が身体を捩るたびに、鉄パイプで出来たベッドがキシキシと音を立てる。とは言え流石に疲れてきたようで、はあはあと荒い息をしながら今は休憩中のようだ。目を覚ましてからもうすぐ二十分ほど、ずっと彼女を側で見ていたからわかる。
「これ、外して欲しい、かも」
彼女のこんな顔を見るのは初めてだ。いつも無表情で、何を考えているのかわからない。彼女を評する言葉にはそんなのが多く使われる。そんな彼女が、今の僕の目の前では恐怖と怒りを混ぜ合わせ、それに少しの悲しみをトッピングしたような、とても豊かな表情をしている。僕にしか見せない表情に嬉しくなって、自然と口角が上がる。それを見た彼女の表情は恐怖の割合が増え、瞳に涙が滲んでくる。
「そんなに怖がらないで、香月さん」
僕は極めて優しく彼女に声を掛ける。これから二人で楽しい事をするのだから。楽しい事は笑顔でやらなくちゃと母さんも言っていた、もういないけど。
「最低……かも」
絞り出すように言った後、彼女の瞳からは涙が溢れ出してしまった。こんなつもりでは無かったんだけど、まあ良いか、きっと香月さんもこれから僕がする事によろこんでくれるはずだから。
「最低……か、でも、最後には最高になってると思うよ。じゃ、始めようか」
「ひっ……!?」
僕は予め用意していたハサミを取り出し、スカート部分から彼女の制服をジョキジョキと切り裂いて行く。本当はこんな真似したく無かったけど、彼女の手足につけられた手錠を外さずに服を脱がす方法がついぞ思いつかなかったのだから、仕方が無い。
「あ……ぁ……」
ハサミは首元まで通った後、今度は彼女の細い腕に向かって伸びる。まずは左腕から、肌に当たらないようにゆっくりと丁寧に刃を動かす。
「肌、綺麗だね、香月さん」
右の袖を裁断しながら、思ったままの感想を彼女に伝える。学校では制服で、普段着もジャージ。露出の多い格好をしているのを見た事がない彼女の、白い肌が眩しく映る。
「嫌……いゃ……」
褒めたのに、香月さんは笑ってくれない。僕は頭をポリポリと掻く。
まあ、仕方がないので綺麗に切れた彼女の制服を纏める。これで彼女が身に纏っているのは、上下の下着と黒いニーソックス。それにヘッドフォンとメガネだ。下着は脱がすとして、ニーソはどうしようとか、メガネは彼女のチャームポイントだから外さないけど、ヘッドフォンはどうしようとか、そんな事を考えるだけで十分幸せな気持ちになるのに、それをいつでも実行できる状況。今は泣いてる香月さんだって、きっと悦んでくれるはずだから。
「香月さん」
「……」
彼女の目は涙をたっぷりと浮かべたまま、ベッドの上に膝立ちで見下ろす僕の目を避ける。僕は彼女の顔を注視したまま、
「んっ……」
頬を両手で包み、少し強引にその唇に触れた。
その感触を味わいたい所だが、歯で口内をガードされる前に自分と彼女の舌を絡ませておく。それだけで蕩けそうな感覚になり、彼女の舌の動きも、速くなった胸の鼓動も、ベッドから逃れようと手錠を無駄にガチャガチャと動かす手足の筋肉も、彼女と全身で触れ合っていることで手に取るように分かる。彼女を落ち着かせる為にしたキスのはずが、結局僕が一番落ち着きを無くしている。
「ん…………はぁ…………」
「ぅぁ……はぁ……はぁ……ぁ……」
どのくらいこうしていたのかは分からない。が、荒い息を吐き、顔を真っ赤にしている香月さんを見て、随分と長い口付けだったんだなと、どこか他人の事のように思った。
「さて……と」
わざとらしく呟き、おもむろに彼女の背中に手を回す。
「……!?やめて!」
はっきりとした拒絶。まだ心を開いてもらえないのかと悲しく思うが、時間はたっぷりある。きっと、分かってもらえるはずだ。
「外すね?」
どう答えられようが外すのだから、無意味な問いかけだと思いつつ、ホックを外す。ここで手間取るのはやっぱり恥ずかしいなと思って、事前にしっかりと学習しておいたのは墓場まで持っていく話だ。
「いや……やめ…………っ!」
彼女が最後まで抵抗したのとは裏腹に、あまりにもあっけなく"それ"は彼女の胸元から離れていった。その時の彼女の絶望感に満ちた表情を、僕は生涯忘れる事は無いのだろうなと思った。僕の興奮は自分でも驚くほどに膨れ上がり、その勢いのまま、再び彼女の唇を強引に奪う。
「んっ……!んー!んー!」
この言葉にならない可愛らしい呻き声も、涙が溢れるメガネ越しの瞳も、心地の良い柔らかな身体の感触も、舌全体に染み渡り脳を麻薬の如く悦ばせる唾液も、彼女を大切に包んでいたその素晴らしく良い香りも、今この時は全てが僕のもの。
「…………ん……はぁ……はぁ……」
「……ぷはぁ…………はぁ……」
お互いに、荒い息を遠慮なく掛ける。
「香月さん……んっ……!」
そのまま十数秒見つめあった後、僕はまるでお腹を空かせた子牛のように、彼女の乳房に顔を埋める。
「ひゃぁ!?ちょっ、や…………」
柔らかな感触を顔中に浴びて、今までにない多幸感を感じる。僕は下半身の昂りを知りながら、まだ早いと押さえつけて彼女の乳首を舐め始める。
「あぁぁ!?やめっ……やだぁ…………」
舌で乳頭を転がし、唇で優しく挟み、舌先でちょんちょんとキスして一気に吸い上げる。すると香月さんは「んっ……あっ……」なんて気持ち良さそうな声を上げてくれる、この僕の愛撫で。
「香月さん、悦んでくれて、嬉しいよ……」
「喜んでなんてない!……か……も…………」
彼女は言葉の最後に、いつも『かも』と付け足す。彼女のギガロマニアックスとしての能力を暴走させないためと、伊藤先輩に教えてもらった事がある。
「じゃあ、今度は反対側ね。悦ばせて……あげるからさ」
「いいぃっ!?」
軽く歯を立て、乳首を甘噛み。……思ったとおり、良い反応が返ってくる。
「香月さんって、もしかしてM?」
「え……むっ……!?んっ、ち、違う……かも……」
嘘だろうなと思い、再び乳首をいじめる。
「あっ……んんっ!はぁ……んっ!」
明らかに舌と唇だけで責め立てていた時とは反応が違う。僕はふふっと笑って、一度ベッドに立ち上がり彼女の身体全体を見渡す。
香月さんは顔を上気させ、こちらを睨んでいるのだが、それよりも彼女の胸元にどうしても目線が向かう。元々魅力的な彼女の胸だが、僕の唾液の付着した部分がてらてらと光り、薄暗い照明と合わさってこれ以上ない淫靡な雰囲気を演出している。
「ごめん香月さん、もっとじっくりやる予定だったんだけど……もう我慢出来そうにないんだ」
「ひっ……!?」
僕は申し訳ない気持ちでいっぱいになりながら、ピンと張ったズボンをパンツごと下ろし、反り立った陰茎が顕になる。香月さんは小さな悲鳴をあげたが、今の僕にはそれすらも興奮を煽り立てるスパイスに過ぎない。冷静さを欠いた頭のまま、彼女の大きな胸で僕のペニスを挟んでもらう。
「嫌っ!やめっ……あぅっ!」
彼女の胸を両手で挟むように持ち、人ではなくモノを扱うかのように荒々しくペニスに刺激を与える。頭の中は既に真っ白で、快楽のみが海馬への電気信号として伝えられる。
「香月さん……はぁっ……気持ちいいよ……」
香月さんの胸は僕のペニスを柔らかく包み込み、その圧力で形を変えつつも確かな張りで射精に導こうとする。それだけでなく、胸から少しはみ出した亀頭部分が彼女の顎に当たり、時折悶えてしまうほどの刺激。僕は今、自分の事を世界で一番幸せな生物だと思ったし、客観的にも幸せな生物であった。
「……うぅ…………」
「香月さん、僕もう……出そう!」
そう言った時には、もう既に香月さんの青紫の髪も、白い肌も、赤いメガネも、全てが僕の出した白濁の液体に汚されていた。
「やだ……ゃ……」
「はぁっ……はぁ……あぁっ……」
香月さんも僕も放心状態のまま、僕のペニスだけがはっきりとした意思を持っていた。僕は未だ萎える様子を見せないそれに意識を乗っ取られたかのように、膝立ちのまま少し後退し、彼女の秘部に剛直を擦り付ける。
「あっ……」
か細い声だったが、僕の耳はそれを聞き逃さなかった。
「香月さん……嬉しいよ、僕」
自分のした事で香月さんが気持ちよくなって、可愛らしく喘いでいる。体の芯から湧き上がる高揚感に全身が浸され、脳は蕩け身体は沸騰し、ペニスではそれまで以上の血液が渋滞を起こす。
「香月さん!」
「ひゃっ!?」
勢いに身を任せ、彼女に抱きついた。彼女は顔を横に背けてしまうが、それにより綺麗なうなじが姿を見せると、脳がそれを認識するよりも先に舌が触れていた。
「やだぁ……気持ち悪い……」
気持ち悪いとはっきり言われればそれなりにショックを受けたと思うのだが、僕は先程から自分に都合の良いことしか耳に入らなくなっていたようで、お構いなしに彼女の耳元で囁く。
「香月さん、入れるよ?」
「……へ…………?」
一秒ほどの沈黙を肯定と受け取り、挿入に取り掛かる。鈴口にはだらだらと流れ出た我慢汁がまとわり付いており、このまま突き入れても問題はないように思えた。
「香月さん、初めてだよね?大丈夫、僕もだから」
僕はハサミで下着を裁断しつつ、安心させるために言ったが、香月さんは我を取り戻すような表情をして、大声で対抗し始めてしまった。
「い、嫌!それだけはやめて!……あうっ!?」
言い終わらないうちに、ずぶりという感じで僕のペニスが香月さんの膣奥まで届く。
「あっ……ああ……」
憧れの香月さんとこうして一つに繋がっている。そう思うと、不思議と涙が滲んできた。多分他のどの女性でも、こうはならないだろう。本当に今日は、人生最高の日だ。
「香月さん、動くね……」
返答を待つ隙もなく、今にもうねって射精を誘発しようとする香月さんの膣内を、僕の肉棒でかき混ぜ始める。ぬちゃにちゃという音をBGMに、僕と彼女の喘ぎが主旋律を奏でる。
「香月さん……香月さん……!ああっ!」
「くぅっ……あっ……んんっ……!」
やはりと言うか、強めに突いた時の方が気持ちよさそうにしている気がする。処女喪失時は痛みの方が強いと聞いた事があるが、今現在目の前の彼女は、痛みよりも快感に身を震わせている様に見えて、安心した気持ちとそれ以上の快楽が身を包む。
「香月さん……んっ……」
抽送を継続しつつ、再びの口付け。無我夢中で彼女を得ようとした先ほどのキスとは違い、いい意味で冷めた、精神的な余裕があった。
数十秒の口付けを終えお互いの顔が離れると、それを引き留めようとするかのように透明の糸が二人を一瞬だけ繋ぎ、すぐにぷつんと切れてしまった。
「はぁっ……はぁ……」
「…………ぅ…………んんっ……」
香月さんは顔を真っ赤にさせて、口元を必死に結んでいる。少しずつではあるが、彼女の心が傾き始めていると感じた。
「香月さん、気持ちいい?」
「…………気持ちよくなんて……ない、か……んっ……気持ちよくない……」
かも、と彼女は言わなかった。香月さんがまだ抵抗している事を知った僕は、何故か嬉しさを覚えた。
「んむっ……」
「んうっ……!?」
僕は再び香月さんにキスして、少し緩んでいたピストンの速度を速める。すると手足錠のガチャガチャという激しい音が耳に届くようになり、彼女の瞳と眉間くらいしか見えない中でも変化がはっきりとわかる。
「んはぁ……あぁ……最高だよ……香月さん……」
「…………」
はっきりとした言葉を発することは無いが、僕が突き上げるたびに小さく喘いでいるのがあまりにも可愛らしくて、思わず頬が緩む。きっと、幸せというのはこういう事なのだろうと思った。
「香月さん、もう少しで出そう……」
「え?出るって……?」
ベタなやり取りだったと思うが、それもいいなとも同時に思った。香月さんの問いに答える余裕もないまま、僕は僕自身の欲望を、愛しい人の中で爆発させた。
「んんっ!?」
突然のことに香月さんはとても驚いたようで、身体がピンと張ったような動きをする。僕も一度では収まらない、第二陣、第三陣と溢れてくる精子に意識が向かい、陰茎以外は力なく勢いに身を任せるのみ。
「まだ…………出て…………」
僕は荒い息を繰り返しながら、”香月さんの膣内に射精をした”という事実を噛み締める。昨日までは彼女を斜め後ろの席から眺めているだけの、ただのクラスメイトだったのに、今はこうしてセックスをして、下手をすれば子供が出来てしまうかもしれない。あまりにも急激で、劇的な関係の変化。それはまるで、僕が今まで彼女に抱いていたあらゆる感情が、一気に歯車を動かしたことで起こっているかのように思えた。
「はぁ……はぁっ……」
「嘘…………」
興奮冷めやらぬ僕とは対照的に、青ざめた顔で自身の下腹部を見つめている香月さん。どうしたのと声を掛けるのが少し怖くて、ひとまず自分の気持ちを伝える。
「香月さん、気持ちよかったよ」
でも彼女はそんなのお構いなしという感じで、わなわなと拘束された身体を震わせている。
「…………香月さんなら、きっといいお母さんになると思うよ」
沈黙が怖くて何気なく、しかし褒めたつもりだった……僕自身は。
「もぅ……ぃゃ…………」
「え?」
細い細いか細い声だったが、僕の耳にははっきりと届いた。
「もう……嫌だよ…………なんでこんな酷い事するの……?」
ぽろぽろと彼女の顔の側面を流れていく涙。これほどまでに感情のこもった表情の香月さんを見たことは無いが、そんな彼女を楽しむ余裕は無かった。
「か、香月さん?落ち着いて……」
「落ち着くなんて……出来るわけない……ぐすっ……出来ないよ…………」
僕はここまでの事を、全て香月さんが喜んでくれると思ってやっていた。確かに彼女は終始うっすらと涙を浮かべていたが、きっと気持ちよくなってくれると思っていた。
「これ……外してよ…………ねえ……!」
でも、どうやら違ったらしい。
「じゃあ、仕方ないか」
「え…………?うぷっ!?」
僕は未だ萎えていなかったそれを乱暴に香月さんの口内に突っ込み、間髪入れずに彼女の唇で扱き始める。
「んんっ、ごっ、ごえぇぇっ!」
「香月さん、苦しい?僕もだよ」
手足錠とベッドのガチャガチャという音が激しくなると共に、僕の快感も上り詰めていく、さっきまでの行為は気持ちよかったが、やはりどこか遠慮していたのだと気づかされる。遠慮も配慮も理性も失うような激しいイラマチオは、僕と彼女の関係を破壊して、支配欲の瓶を満たしていく。
「香月さん、出すよ」
「んんんんっ!?」
彼女の喉奥まで突き刺さったペニスは、精液を胃に直接流し込まれるのではないかというほどの勢いで放出する。今日三回目の吐精だというのに、かげりなど微塵も見せていないことに僕は少し驚き、次の準備のために彼女の拘束を解き始める。
「香月さん、僕は君と恋人……いや、夫婦になりたかったんだ」
「げほっ、けほっ、うぁぇ…………」
「でも香月さん、全然その気はないみたいだからさ」
「はぁっ……んぇ…………」
「夫婦っていう対等の関係じゃなくて、主従関係になりたいなって思うんだけど、どうかな?」
「さっきからずっと、何言ってるの……?」
「……香月さんなら、きっとそのうちに分かるよ」
僕は彼女の手錠を一度外し、うつ伏せにさせてから再びベッドに手錠を繋ぐ。うなじから背中を通る尻までのラインの美しさに見惚れそうになるも、足錠を解いて準備完了。香月さんも抵抗は見せたが、そう力の強くない僕であっても男女の差は明らかだった。
「ほら、お尻突き上げてよ」
「……ふぇ……?」
「ふぇじゃないよ、ほら早く!」
パン!という乾いた音と共に、香月さんの尻に赤い紅葉が刻まれる。
「いっ……!や、やめて!」
「じゃあさっき言ったこと、やってよ」
「……は……い…………」
香月さんは恐る恐る尻を突き上げる。丁度僕が膝立ちした時の腰くらいの高さになった時、僕は何の合図も無しにペニスを突き刺す。
「ひぎっ……きっ、急に……」
「急にも何も、主従関係って言ったでしょ、あんまり口ごたえしないでね」
「ああっん……あっ、んんんっっ!」
僕はバックから激しく突きつつ、両の手で香月さんの胸を鷲掴みにする。彼女のサイズだと手から簡単に溢れかえってしまうのだが、それが逆に乱雑な扱いを想起させ、僕はもちろん彼女も興奮させていた。
「やっぱり乱暴にされるの、好きなんだね」
「だからちがっ……あんっ……やぁ……」
「うんうん、分かってるよ、香月さ……、香月」
よく考えれば従者にさん付けもおかしいなと思い、呼び捨てにしてみたのだが、"さん"を取るだけで何故か僕はゾクゾクしてしまった。
「あっ、あっ、いっ……」
香月の身体が細かく痙攣。お互いの顔は見えないが、イったのだろうなと何となく分かってしまう。
「もっ、やめて、もうわたひ……」
香月が首を頑張ってこちらに向けるが、こんなに気分のいい事を簡単にやめるはずがない。第一、僕はまだ射精していないというのに。
「やめないよ、君が僕に対して命令できる権利を持ってると思うの?」
「権利っ……て、そんな、あんっ……」
「さっきも言ったけど、主従関係、香月は僕の下僕なんだよ。分かった?」
僕はピストンのスピードをさらに速め、ラストスパートへと向かう。
「んんっっ!ひゃ、ちょっと、早すぎっ、あぁぁっ!」
「出すよっ!」
「んんいいっ!?」
今日四回目の射精は、香月の膣を突き破るのではないかというほどの勢いだった。根元まで刺さったペニスの全体が僕の精液を浴び、ぶぴぶぴという音を立てて溢れ出してくる。
「はあっ、はあっ、あぁっ……」
僕はそれを抜かずに、ベッドにへたり込んだ香月の背中の上で余韻に浸る。
「…………」
香月は最早呼吸をしているのかも怪しいほど静かで、僕も荒い息以外には何も発さないまま時間が過ぎていった。
「じゃあ、続きをしようか」
呼吸が整ったのを確認して、汗ばむ彼女の髪をかき上げで耳元に囁くと、どうやらこれで終わりと思っていたらしい。
「え…………」
絶望的な表情。今朝起きた時は彼女の笑顔が見たいと思っていたものだが、こんな顔も悪くない。
「香月、好きだよ」
僕達の幾度目かの口付けとともに、永遠が始まるような気がした。