FBKちゃんと一緒に、世界から隔離された宿泊施設で温泉旅行へ。
普段からたくさん頑張って、疲れすぎている彼女の心身をリフレッシュするために、癒やしと献身のフルコースをお届けします。
――茹だるほどに暑かった夏が終わり、ようやく秋めいてきた頃合いのある日のこと。俺とフブキは、都内から少し離れた避暑地にある山荘にやってきていた。
そこは、仕事で知り合った老舗AVレーベルの巨匠から教えてもらった、表社会では噂すら耳にできない幻の幽世――『何をしても許される』という超高級旅館だった。
小高い山全体で電子機器の〝持ち込み〟が禁じられているうえに、宿泊者がゴンドラで山頂に向かう山間には、部外者が忍び込むことすらできない厳重な警備体制も敷かれているらしい。
政治家や経営者層が〝逢瀬〟を愉しめる場所として、プライバシーの一切に触れずに極上のサービスを提供してくれるという噂だ……今では人の目を避けなければいけないほどの有名人となったフブキでも変装せずにくつろげるという大きな利点がある。その秘匿性の高さから、予約も取りづらく、かなり値段も張ったのだが……。
「……うひゃあ~……。あ、あのぉ~……ホントに、白上たち……こんなにやべべな場所に泊まっちゃうんですか……? ここ……なんだか、とんでもなさそうな雰囲気なのですがっ……!?」
……フブキのためならば、この程度の〝ちょっとした出費〟ぐらいなら痛くも痒くもない。今の俺は、彼女のために働いて……いや、彼女のために生きているようなものなのだから、当然のことだ。
フブキは「もしかして……〝これ〟とか、行っちゃってませんか……?」と指を一本立てて俺に見せてくる。俺は曖昧に頷くと、フブキは「えぇ~……マジかぁ……!?」と申し訳なさそうな、けれどもそれ以上に嬉しそうな顔ではにかんでいた。
しかし、さすがにフブキも勘が鋭い……一泊二日の貸し切り予約で、一人当たり一〇〇〇万弱もかかることをよく予想できたものだ。ここを教えてくれたあの人は、お気に入りの女優たちと乱交ハーレムパーティーをしたせいで〝億〟まで行ったらしいが……それに比べたら安いものなのかもしれない。三次元側の芸能界は、二次元のフィクションよりも絢爛で、同時に恐ろしい。
木の良い香りがする建物の入り口で戸惑い、きょろきょろと視線を泳がせていたフブキの手を握って、最高級の癒やしを提供してくれるらしい空間へと入り込む。VRでは感じられない、五感全てが開くような異世界の感覚に思わず鳥肌が立ってしまう。
貸し切り利用に特化しているため、建物自体がそこまで大きいわけではないが……厳かで艶のある西洋風の調度品が映えさせる木造建築の大正ロマンたっぷりな豪奢さ、そして清潔感以外を削ぎ落としたような女性従業員による乱れのないお辞儀など……見た目だけでも、五つ星ホテルに引けを取らないようなフロントが俺たちを出迎えてくれた。
近寄ってきたポーターに荷物を持ってもらいつつ、ふかふかの絨毯を二人で恐るおそる踏みながら伺ったフロントで、巨匠から受け取っていた手書きの紹介状を渡す。一見さんお断りとなっている受付で何重もの本人確認を済ませると、館内に唯一となっている客間へと案内され……同棲している家よりも広くて豪華なのに、何故か心の底から落ち着ける雰囲気の場所で靴を脱いだ。
かなり広めでベッドルームとダイニングが合わさっている洋間と、一段高い場所で藺草が香る厳かな和室空間……異国の空気が見事に調和する、絶妙なバランスの和洋折衷。現実離れしている紛れもない〝現実〟に、フブキは言葉を失って、ぽかんと口を開けていた。
「うへぇ……フロントもですけど、部屋の中もやべぇ~……! シャンデリアだ……赤いおふとぅんにきれいな刺繍がある……いや、ホントに……これ……大丈夫なんですか……!? 写真でしか見たことないぐらいに豪華ですけど……!?」
フブキが引き攣った顔でこちらを向いたので、静かに頷く。むしろ「リフレッシュ休暇なのに一泊二日で申し訳ない」と謝った。
本当なら三泊四日ほどの日程でゆっくりしてもよかったのだが、フブキのスケジュールが過密で、これ以上の空白期間は逆に心へ負担をかけてしまうと思ったのだ。
「い、いやいや……!こんなに贅沢な旅行をプレゼントされておいて文句言うなんて、さすがにバチが当たっちまいますが……!? う、うおおおおっ……べ、ベッドが……と、融ける……! 『ふわ……』って……なんだこれ……マシュマロ触感……ええッ……!?」
お尻でふわんふわんとベッドの柔らかさを確かめるフブキの顔から、少しずつ緊張感がほぐれていく。昨日の夜に見たあの顔――疲弊して、目が死んでいるのに無理をして顔だけで笑っている〝苦痛〟そのものとは大違いの笑顔を見れて、ひとまずホッとした。
ソロライブに向けた関係者間の調整に普段の配信活動、ユニットでの仕事、重なる企業案件、事務所のための細かな尽力……数えだしたらキリがない気苦労の大海で、目が回るような航海の日々を続けてこれたのは、ひとえに、彼女の心身を削った努力の賜物だった。
周囲は彼女の献身を〝いつものこと〟として認識するばかりで、いじっぱりな彼女が見せる〝表〟の顔を鵜呑みにし続けていた。俺はそれが許せなくて、彼女がソロ配信の予定を入れようとしていたスケジュールの隙間に、こうして無理矢理休暇を差し込ませたのだ。
最初は彼女も「まだ、へーきだから」と意地を張ったものだが……この『やべべな場所』の予約を既に取っていたこと、行かないとキャンセル料で全額負担になることを伝えると、観念して休みを享受してくれた。
……これぐらいの誠意と覚悟を見せないと、フブキは自分の心身を大切にしてくれなかっただろう――そのことを重々理解していたのが勝因だった。
……まあ……彼女が本当に限界を迎えたら、全てを破壊してでも休ませる覚悟も決めてはいるのだが。「アイドルを続けて、みんなに夢を与えたい」とプロポーズを保留したフブキのために……今は、この小さなリフレッシュ休暇で妥協してあげたようなものだ。
場合によっては、いつでも奥の手を切ってフブキだけを守るつもりだ。他のものなど、全て滅びてしまっても構わない……のだが、そうなるとフブキが悲しんでしまう。なかなか難しい問題だ。
そんなことを考えながら……俺は、壁掛け時計を確認してからフブキを部屋の外に誘う。廊下を戻った先にある個室の食堂で、向かい合うように着席すると……クラシカルなメイド装束の女性たちによって、昼食が時間ぴったりに運ばれてきた。
メニューは、こちらで指定していたフブキの好物――ハンバーガーだった。燭台が黄金に輝くシルクのクロス上には場違いなメニューかもしれないとは思ったが……それが杞憂だったと思い知らされる。
「うお……ぉ……! なんか……見た目はそこそこシンプルなのに……存在感が……! 気圧されるほどの、存在感が……っ!」
香ばしく焼かれたバンズの間には、エキスが弾けるほどに瑞々しい野菜と、ジューシィに焼かれたハンバーグに、プラチナのような光沢のあるソースが映えている。
見た目はものすごくシンプルなのだが、周囲の雰囲気に見劣りせず、手に持つとずっしりと重いそれには確かな価値を感じる。ごくりと喉を鳴らしたフブキと同時に、肉厚で豪勢なハンバーガーを食べると――。
「……………………はぇ……?」
――べぎん、と鈍い音を立てて、俺たちが見ていたはずの世界の壁が崩れ去った……ような気がした。
フブキも同じショックを受けたようで、とんでもなく間抜けな顔を晒してしまっている――そして、俺と同じタイミングで――この、頭をガツンと殴られたような衝撃の正体が〝美味しさ〟だったことに気づいた。
「え……うま……いや、やっばぁ……!? 噛んでないのに食べれちゃう……いや、噛んでるよな……え……あれ……? さっくり、じゅわわ……ソースと肉汁で、舌が……融けちゃいそうっ……♡」
少しお高めなハンバーガーでは、どどん!と具材が挟まったパンからソースが垂れ落ちて、クラブハウスサンドのようなピックが刺さっているなど、見た目から豪華なパターンが多い。
その一方で、このちょっと大きめのハンバーガーは、それと真逆だ――小さくしようとしているのに、圧倒的な存在感のせいで『これ以上小さくできない』のだろう。
軽い力でサクリと噛み切れるパンは、小麦の香りだけで恍惚に浸るほどに香ばしい……高級なステーキよりも濃厚な肉の旨味と脂の甘さを感じるパティは、口内〝だけ〟で肉汁がほどけて、液が絡まずに〝切れて〟いく……レタスとは思えない何かの野菜は、肉の味を引き立てながら歯触りを最高に仕立てている。
……完璧だった。仕事の付き合いでお高いお店には幾度も行ったことがあるが、ここまでのクオリティの食事は今まで味わったことがない。文字どおり『次元が違った』のだ。
「…………これって……ホントに、ハンバーガーなんですか……? じゃあ、白上が今まで食べていたのは……あれれ……?」
フブキは目をぐるぐるとさせながらハンバーガーを夢中で頬張り、付け合わせのポテト(食べると『しゃくっ』と音がして、気づけば呑み込んでいるぐらいにうまい)と何かの薄い揚げ物(無限に食べられるほどに軽い食感。当然うまい)を食べて、うっとりと目を細め……「もう普通のジャンクフード、食べられない……♡」と危ない色の吐息を漏らしていた。ちょっと、刺激が強すぎたかもしれなかった。
用意されていた食事はそこまで量が多くなかったが、感情のキャパシティーが破裂してしまうほどの満足感を有していた。俺もフブキも、くらくらとする頭とお腹を押さえながら客間に戻り、テーブルでお茶を淹れてひと息をつく。
いくつもの茶葉が用意されていたのだが……普通のお茶が、普通に美味しい。一般庶民には、こういう安らぎも必要なのだ。
「……ふいー……お腹がいっぱいで……心が、幸せに苦しんでおるぞい……。いやはや、なんとも罪深いハンバーガーでしたねっ……一生忘れられないほどにおいしかったです……♡」
フブキは湯呑を傾けて、大きな幸せのため息を漏らす――そこには心の奥底に溜まっていた感情の汚泥も混ざっていたのか、やや重苦しく感じた。
それからフブキと他愛のない話を続けて、何気ない時間を過ごしていく。しばらくすると、フブキは部屋の中を見渡して何かを探し、窓の外の明るさを確かめてから……再びベッドに座ってこちらを向き、艶めかしく身体をくねらせる。
「……え、っと……ここでは、えー……何をシてもいいんですよね……? そしたらぁ……まだ、お日様も高いんですけどね……? 白上……あなたと、一緒に寝たいな~……なんて……? えへっ……♡」
フブキはベッドに座ってぽよぽよと身体を揺らし、尻尾と耳をぴこぴことさせていた。そんな可憐な美少女きつねに純愛の接吻を捧げ、手を取って立ち上がらせる。
――「そういうのは後でいい」。こちらに気を使って、何とか宿泊費の元を取らせようとした彼女を、優しく抱き締めて温もりを与えた。
「う、うむむぅ……! えっちOKの雰囲気出したのに、そんな優しく……ぎゅーって……ハグ、するかねぇ……? どんだけ物好きなんだっ……!? これ、据え膳ってやつじゃないのっ……!?」
フブキは性行為を含む『あったかいもの』が全部好きだが、ピュアな愛情だけが欲しいときもある。落ち着き半分、興奮半分な今の心境は……きっと後者のことだろう。
抱擁して包み込んだ彼女は、うにゃうにゃともがいて何かをしようとし……諦めて、こちらの腰に手を回し、胸板に顔を埋めてきた。
「んゃふん……。なんというかぁ……あなた、最近……以前にも増して、勘が鋭くなりましたねぇ……。もう白上じゃ太刀打ちできねぇかもです……むりぽ……」
フブキはうりうりと頬ずりをして「……ずるいぜこんちくしょう……!」と呟き……ぶんぶんと尻尾を振っていた。
耳がぺたんと倒れているので、隠している顔は赤らんでいるのかもしれない……細雪のようになめらかな髪と耳を撫でると、フブキはくすぐったそうにして甘い声を漏らしていた。
「んはっ……ああんもうっ……これむりです…! 煮るなり焼くなり好きにしておくれっ……! 白上、もう……なんかね……どうしたらいいか、わからないので……このリフレッシュ休暇、あなたに全てを一任しますっ!」
無事に許可も得られたため、脱力した彼女の軽い身体を赤ちゃんのように抱き上げる。駅弁のような体位で触れ合ったまま、肌触りの良い新品の高級つっかけを履いて廊下に出た。
「ちょーっ!? いや、あの……外に出るんかーい!? いやいやいや!さすがにこれは――あ!人ッ!人居る!さすがにやば――――あぇ?」
そのベタあまでスキャンダラスな光景と遭遇しても、通りすがりの従業員は見向きもしない――記録機器が存在しない館内では、世では違法行為とされる事実すらも隠匿されるというのは本当のようだ。
フブキもその異常なまでの〝黙認〟に面食らったのか、少しだけ黙って……居心地が悪そうに腰をもじつかせていた。俺が何も気にせずにずんずんと歩いていくと、胸板にしがみつくフブキも、この閉鎖的な〝楽園〟の世界観を受け入れ始めたようだった。
「……なんだか……ホントに、別世界に迷い込んじゃったみたいですね……。じゃあ……せっかくなので……えいっ……♪」
廊下という場所にある非日常を楽しむように、フブキは人目を気にせずごろごろと甘えてきた。首筋に鼻を埋め、乳房をむにゅむにゅと押し付けるように密着し、足で背中を挟んでくる。
人目を忍んで、公共機関の利用すらも禁止されるような生活が日常になっていた彼女にとって……この異質な空間は、平凡の対極に位置するものだろう。
『変装が要らない』どころか、『一般人ですらも遠慮するほどの非常識が何でも許される』――そんな大人のテーマパークに遊びに来たような気分になれたのか、フブキは浮かれながら足をぱたつかせていた。
「えへへ……♡ だいしゅき、だいしゅき~……♡ 人前でイチャイチャしてもいいなんて……恥ずかしいですけど、嬉しいかもですねぇ……♡」
甘めの体臭がムンムンと香る、細身なのに程良くムッチリとした身体が擦り付けられる。一般的な性欲を持つ俺は平静を保つので精一杯だったが……今はその時ではない。先走った股間を諫めて、足早に廊下を渡りきった。
俺たちは男女共用の脱衣場で並んで服を脱ぎ、素肌を申し訳程度のタオルで隠して、いざ、露天風呂へと足を踏み入れた。
こんこんと湧く湯気の向こうには――山一面が紅葉に色めく最高の絶佳が広がっていた。
深みのある紅色と鮮やかな銀杏色のグラデーションが見事な景色に涼しい風が吹き抜け、大自然の香りがほのかに漂う硫黄に彩られて際立ち……水面を打つ湯の音が岩に染み入っていく。
ゆらり、ゆらりと頭上から舞い降りる紅葉の葉が、胸を詰まらせるほどの風情を生んでいる。もし写真撮影を許されるなら、大きな額縁で飾っておきたいほどに素晴らしい光景だった。
「……ほわぁ……! すっごーい……!! 秋だ……!ゲームなんて目じゃない……〝秋の温泉〟だっ……!!」
風情と切なさが薫る明媚に心を惹かれながら、ヒノキの板が敷かれた洗い場で軽く汗を流し、石造りの湯船に浸かる。少し熱めの温泉が、肌にじんわりと温もりを浸透させてくる……今まで感じていた〝最高〟を忘れるぐらいの快感と解放感は、まるで天国に来たようだ。
湯船に舞い降りた紅葉の葉をつまみ、秋らしい風流を堪能しながら……隣に浸かっていたフブキの肩を抱き寄せる。
「んー……っ……♡ ぁー……これ……マジヤバですねぇ……。生きててよかった……って……思っちゃうぐらいに……うぅ……ふぅ……♪」
髪をまとめていたフブキは、逆に『苦しいんじゃないか』と思うぐらいに気持ちよさそうな表情で、心の底から温泉を堪能しているようだった。彼女が心の奥底まで蓄積し、こびりつかせていたものを……大自然の温もりで浮かせて、力づくで癒やしていく。
しばらくのあいだ、ぼーっと紅葉を眺めていたフブキが小さく咳払いをして……俺の懐に入り込み、背を預けてきた。尻尾でぺしぺしと腕を撫でてくる甘えん坊を包み込むようにお腹を抱き、お湯に浮いていた乳房をそっと触る。
「ぁ、んっ……♡ また、おっぱい触ってくるし……どんだけ好きなんだよっ……♡」
フブキはどんどんと背中をこちらに打ち付けて抗議の意を示しながらも、俺の乳揉みを拒否することはなかった。
……俺が執拗に揉んできたせいか、以前よりもだいぶ立派に育っている。昔も『ない』というほどではなく、細身な身体にしてはボリューミーな膨らみがあったのだが……今ではしっかりと手で揉めるどころか、わずかに持て余すぐらいに育っている。正直に言って、普通にデカい……きつねカップはさすがにないだろうが、フォックスカップぐらいならありそうだ。
マシュマロのような柔らかさとプリンのようなハリ、大福のようなしっとり感も増している。まさに〝食べ頃〟といった肉感は……つい、触りたくなってしまうものだ。
「はぁ……や、んんっ……♡ ちょっとぉ……ベッドではカッコつけたクセに、温泉では我慢できないんですか……?♡ さっきから……ふふっ……♡お尻に、ムズムズしてるモノが当たっとるぞい……♡」
フブキは「お返し!」と言わんばかりに、湯船の中で揺れていた俺の陰嚢を優しく揉み始めた。お互いに、セックスで繋がり合う部分を直接弄ることはなく……ペッティングよりも甘く、イチャイチャよりも濃厚なスキンシップを続けて、抑えきれない笑声を漏らし合う。
フブキと過ごしているときは、気を使うことも、気を使われることも少なくない。こうして純粋に『相手の反応を楽しめる時間』は……得るものがなかったとしても、人生には絶対に必要なものだと思えた。
「…………あの……ありがとう、ございます……。わがままな白上のために……こんなに素敵な休み、用意してくれて……嬉しいです……すごく……」
乳繰り合いながら、背を向けた状態でお礼を言ってきたフブキ。面と向かって言うのが恥ずかしかったのだろう……そういうところも彼女らしいと思えた。
「……ぶっちゃけると、ですね……ちょっとだけ……疲れてた……ような感じで……。目が回るぐらいに忙しいし、そのクセ何も思いどおりにいかないし……外からも中からも問題が出てくるし……『私にこれ以上どうしろっていうんですか?』みたいな……」
仕事に繋がるスマホもなく、周囲には関係者もファンも居ない。この解放的な空間で安らいでいるからこそ、フブキもくすんだ本音をこぼせたようだ。
事務所のために頑張れば頑張るほど「すこん部たちが寂しがっているから」と自分の時間を減らして活動を増やし、それを事務所に『まだ余裕がある』と思われて仕事が増える……そんな悪循環を続けて、平気なわけがないだろう。
こうして、誰かが無理矢理にでも『仕事をできない状態』を作らなければ、この子は限界を迎えるまで頑張り続けてしまう――そのストッパーとして機能できたなら、素直に嬉しく思えた。
俺はフブキのうなじに顔を埋めて、乳房を包むように揉みしだく。乳首には触れず、その柔らかさを堪能しながら、心の壁をくすぐるように揉みほぐした。
「……ん……っ……♡ もうっ……えっちなんですからっ……♡ あなたのせいでおっぱいが重くなって……肩こりもするようになっちゃったんですからね……♡ 責任……は、ちゃんと取ってくれるんでしたね……えへへ……♡」
フブキは俺に全ての体重を預けて、くったりととろけるようにくつろいでいた。その間も、俺はフブキの乳房がもっと艶めかしく、もっと美しくなるように、入念に愛撫し続けた。
すると、フブキも少しスイッチが入ったのか……身体を反転させて、俺の下半身に跨り……ほんのりと紅葉のように色づいた顔で、じっくりと目を見つめてくる。
「んふふ……♡ おっぱいを触って、それで終わりですか……?♡ ここ……こんなに、ガチガチになってますけど……♡」
フブキは俺の勃起の裏側にある出っ張りを、つぅ~……♡と指先で撫で上げ、上向いた亀頭に腰を下ろそうとしてきた。
俺はその動きを止め……向き合うフブキの頬に手を添えて、ごまかすように口づけを交わした。
唇同士を触れ合わせ、食み合うだけのスキンシップにとどめ……できるだけプラトニックに愛情を伝えようとした。
「んっ……♡ んむぅ……ふゅ……♡ くぴっ……ちゅ、るっ……んんっ……♡」
しかし……彼女のぷるぷるとした触感の舌で唇を割り開かれ、濃厚な繋がりを求められると、もうどうしようもなかった。
目を閉じてフレンチキスを重ねるフブキに身体の全権を握られ……ぷにゅっ……♡ぷにゅっ……♡と、湯の中で揺れる亀頭に、フブキの秘肉が食い込まされてしまう。
このままでは、なし崩し的にセックスをしてしまって……〝計画〟がおじゃんになってしまう。そう危惧した俺は、フブキを抱きながら尻を掴んで、これ以上股間にイタズラをできないようにしながら舌を絡ませ合った。
「んくっ……りゅれ……ぷぁっ……♡ はぁ……ふぅ……♡ なんで、さっきから……えっち、したがらないんですか……? ここでシても、怒られないんですよね……?」
フブキの官能的でオスを求める吐息が、舌先で繋がっていた銀色の橋をぷつりと切り落とす。剥き出しにした亀頭を手で包み、もみもみ……♡と種付け本能をくすぐってくる発情きつねに欲望を刺激されながらも……どうにか勃起から興奮を抜かせていく。
――「エッチならいつでもできるから、ここでしかできないことをやりたい」。俺がそう告げると、フブキはキョトンとして、不思議そうに首を傾げていた。
――――――
えちちな誘惑に何とか耐えた俺は、指先がふやけるまで露天風呂を満喫してから湯舟を上がり、フブキとお互いの身体を洗いっこして遊んでいた。
「はーい、流しますよー♪ 肩ですよー。腕ですよー。はい、おーしーりー♪ おちんちんの裏側も、しゃわしゃわ~♡ うふふっ……あはははっ♡」
……混浴の時間を、彼女が俺以上に楽しめていたようで本当によかった。身体を害する限界の熱さで続けた乳繰り合いを経て、邪魔な理性が茹だり、この非日常にすっかり馴染めたようだった。
絶佳の温泉に大満足した俺たちは、脱衣所で再び着替えをすることにした。風呂でキス以上セックス未満のふれあいをしているうちに従業員が衣服を取り換えてくれたらしく、肌触りの良いバスローブと浴衣の両方が用意されていた。
「……ふー、いいお湯で――んんッ!? あの~……!? なんかさぁ、白上の着替えだけ……ちょっと様子がおかしくねえか……!?」
フブキがタオルで身体を隠しながら持っていたのは、マッサージ用の使い捨て下着だった。布面積がほとんど無く、乳首と秘部をギリギリで隠せるものとなっている――ホテルに用意させた自分が言うのもなんだが、ぶっちゃけ〝ほぼ紐〟だ。
「うっ……その『着てね♪』と言わんばかりのあっちゅあちゅな視線……やはりおまえが犯人かっ……!? ぐ、ぐぬぅ~っ……これと浴衣しかねぇ……! 白上のお洋服、かむばっく~……!」
フブキは俺の視線を恥ずかしがって「こっち見んな!えっち星人め!」とタオルを顔に投げつけ、急いで下着と浴衣を着込んでしまった。
もう少し、全裸よりも扇情的なマイクロビキニ〝以上〟の姿を眺めていたい気持ちもあったが……今は我慢でいいだろう。
「へ、へひぃ……すっごいスルスルな感じなんですけど……!? っていうか……ちょっと動くだけで……ぁっ……で、出ちゃうし……もぉ~っ……!」
浴衣の上からパンツをつまみ、腰をくねらせて具を隠し直したフブキの仕草はとても新鮮だった。うっすらと布地に透ける乳首の突起や桃尻の生々しいカタチを眼福にしながら、自分も着替えを済ませて、フブキと手を繋いだまま客間に戻る。
そのままベッドに行こうとしたフブキの手を引き、和室部分の畳の上へと誘う。そこには俺が指定していたとおり、しっとりふかふか触感のタオル布団とマッサージオイルが用意されていた。
「え……っ……? まさか……これって……マッサージ用の……? あ、ちょっ……浴衣ぁっ……!?」
俺はフブキの浴衣を脱がせて、全裸寄りの半裸姿にさせた彼女をうつ伏せで寝かせる。少し硬めのタオル枕に顔を埋めさせ、ケモ耳と人間耳の四カ所に最高級ワイヤレスイヤホンを詰めていく。外部と通信したり、記録を残せたりしないものであれば一部電子機器も用意してくれるのはとてもありがたい。
「むぎゅっ……!? これ、なんです…………んはぁんっ!?♡」
接続したMP3プレイヤーで〝音声〟を再生させると……フブキはビンッ!と耳や尻尾を逆立てて、背骨が折れそうな勢いで背筋を跳ねさせた。
イヤホンから流れているのは……彼女が大好きな男性声優がフブキのためにボイスを録り下ろし、音声の仕上げにはASMRの女王まで関わってくれた『フブキ専用の癒やしマッサージASMR作品』だ。フブキの広い人脈と人望があってこその奇跡の共演に、俺がちょっとだけお金を積んで……この日のために作っておいたのだ。
その台本は、僭越ながら俺が書いたものなのだが……これでも一本の商用脚本で〝最低でも指五本分〟は貰う程度の力はある。完璧に把握しているフブキの好みに沿わせた、声優さんの魅力を最大限に引き出すシナリオに仕立てた自信作だ。
当然その内容も熟知しており、フブキが仕事をしているあいだに何十回もシミュレーションを重ねてきた――自分の耳でモニタリングしながら、音声で誘導するマッサージ気分に合わせてオイルを垂らし、フブキの身体を優しく、それでいてしっかり揉んでいく……〝最高級の妄想〟を、この現実に再現していた。
「えっ……えっ、えっ……はぁっ……ぬふぁああっ……!?♡ なんで、私の名前っ……ひゃあっ……!?♡ っていうかっ……う、動きっ……おふっ……♡ う、うそぉっ……!?♡ こ、こんなの……疑似体験の、究極形っ……ひゃわあんっ……!♡」
ほぼ剥き出しになっているフブキの背面に、身体を痛めないほどの強さでマッサージをしていく。いつもゲームをしているために凝っている首筋をつまむように揉み、オイルを使ってほぐし下ろし……ゴリゴリに張っていた肩口を、むりゅっ♡とこそぎ上げる。
「あぉんっ……!?♡ ちょっ……ふふっ……ねぇーっ、それ、やーだーっ……♡ 声、出ちゃう……はほおっ……!?♡ 待って……これ、ダメっ……あっ♡やだっ♡そんなこと、言わないでっ……♡あぎゃはんっ……!?♡」
おかゆのようなメス声は自然に出せないらしく、なんともフブキっぽい声を漏らしながら……フブキはマッサージに身体をピクつかせ続けた。時折、尻尾をビンッ!と跳ねさせ、すぐにしおしおと下ろしていく……素直になれない美少女きつねは、相変わらず、身体だけが正直なようだった。
「ぁ……♡ はい、そこ……しゅき……あんっ……♡ ちょ、っと……いじわる、しないで……はぁんっ……♡ はぁ……♡はぁ……♡じゅる……♡」
……自分以外の男性に〝でゅふ声〟を出しているところは妬けてしまうのだが……『推しへの愛は別腹なので……』と申し訳なさそうに言われてしまったので、こればっかりは諦めるしかないだろう。
そういうところを含めて、俺はフブキを愛しているつもりだ……その気持ちを込めるように、誠心誠意にマッサージを続けていく。
「んぁ~……こ、これ、さいこ、ほぉっ……♡ ご、極楽、ごくらくぅ……っ……はぁっ……♡ あ゛-……いきるのが……あっ……♡ おふぅ……つ、つらくなる――ぅッ♡くふんッ……!?♡」
音声の誘導に合わせて、寝そべったフブキの腰に手を当て……みゅっ……♡と軽く揉むと……フブキの背筋がビクンッ♡と跳ね上がった。ほぼ丸出しのお尻の肉が、ぷるるっ……♡と瑞々しく揺れ動く。
首筋よりもカチコチに固まっていた腰の筋肉を、みゅり……♡みゅり……♡と両親指で回し揉みながら優しくほぐし、指圧を内部まで浸透させていく。背中の上部、中ほど、下部……お尻の付け根までを集中的に揉んでいき、内側に溜まっていたしつこい疲労を融かしていった。
「っ……ぁーっ……♡! そこ、やべぇっす……あっ♡あっ……♡あへぁっ……♡ はぁっ……はぁ……♡んぁあああんっ……!! ど……とけ、りゅ……わふぅうう……♡」
……それは、俺とのセックス中よりも気持ちよさそうな、でろでろに溶けた甘い声だった……思わず、自分の指にすら嫉妬しかけてしまった。
……今は、フブキのことだけを考える。自分の中に湧き出た女々しい感情を押し殺し、この休暇の目的である、フブキの癒やしに集中することにする。
お尻の内側にある大きな筋肉から、ダンスレッスンで固まった太ももにふくらはぎ……足首の付け根、指の隙間や関節の周囲まで。彼女の身体に余すところなくオイルを塗り広げ、筋線維の塊を一本一本ほぐしていき、全身に溜まっていた疲れを融かし尽くした。
「……ぁ゛ー………ぎも゛ぢぃ……………ん、ぁ………………うっ……ううっ……ぐすっ……ずび……」
爪先から首の間を、ゆったり、何度も往復するようにマッサージを続けると……うつ伏せで枕に押し付けている顔から、快感と多幸感によってぐちゃぐちゃに溶けた〝感情〟が溢れ出していた。
フブキは、心の中に溜めたストレスを吐き出すことも、幸せを素直に享受することも苦手な女性だ。それを手伝ってあげるように……どろどろと溢れる日々の苦痛を全部押し出してしまうために、入念にマッサージを続けていく。
……白上フブキという女性を一言で表すなら、『誤解をされやすい人』に尽きる。努力が空回りすることもあるし、行動の本意を理解されないことも多いが……推し始めれば、その可愛らしくてキャッチーな表面の奥にある〝良さ〟までどんどん感じられるようになる、宇宙のように深みのある魅力を持った女の子なのだ。
俺はマッサージを続けながら、彼女の細くて重荷を背負うのに向いていない背中に触れ……とても拙い言葉の数々を、声優さんの力を借りて彼女に届ける。
『お疲れ様』だとか、『たくさん頑張ったね』だとか。『君の頑張りは全部見ているよ』に加えて、『死ぬまで〝好き〟って言い続ける』だなんて。
彼女が欲しているとわかっているのに、普段ではなかなか言うタイミングがなく……言っても、恥ずかしがり屋なフブキに逃げられてしまうような歯が浮く言葉を、逃げ場がない場所で贈り続ける。
すると、次第に彼女の嗚咽が激しくなり、濁りを増したように感じる……少しぐらいは、彼女が背負っている重荷を下ろしてあげられたのかもしれなかった。
――――――
「ん……ぁ゛ああ~……♡ めっちゃ、ずっぎりじだぁ……♡」
音声作品の終了と同時に、背面へのマッサージを終えると……フブキはブルブルと身体を震わせて、アイドルとは思えない低い鼻声を漏らした。
……良い感じの兆候だ。俺はフブキの耳からイヤホンを外して、彼女のオイルまみれの身体をくるりとひっくり返す。
目をつぶって、力なく口を開いたまま呆けているフブキの目にタオルを被せてから、少女の白雪のように美しい表側の肌にオイルを滑らせていく。
「んぁっ……?♡ ん、んっ……こっちも、やるんれふか……?♡ あっ……ふぁん……んふぅ……♡」
ろれつが回らないほどに脱力して、揉みやすくなっている身体をにゅりにゅりと指圧で撫でていく。姿勢が悪くてゴリゴリと張ってしまっている首や鎖骨の周辺、重力に引かれてわずかに左右へ滴ろうとする乳房の付け根など……彼女の疲れているだろう部分は入念に揉んでいく。
今もなお成長している、無限の可能性を秘めている乳房は……仰向けに寝ているせいで左右にたわんでいるのに、形がほとんど崩れておらず、魅惑をたっぷり詰め込んだ果実のように実っている。
その柔らかさをさらに熟させるように、側面から内側まで指を食い込ませるように刺激を流し……わずかな布地に守られている乳首を、くにっ♡くにっ♡ぷりゅんっ♡と転がしていく。
「んきゃわっ……!?♡ はっ……あっ……♡ さきっぽ、やぁっ……♡ んっ……んぅううっ……!♡」
オイルで下着を濡らし、薄桃色を透けさせるほどに乳蕾を弄っていると、最初から粒だっているそこはさらに充血し……ふっくらと色づいた乳輪の上で、ぷっくり♡と自己主張を強めた。
トップスの布地と乳輪の間にできた隙間から指先を差し込み、乳首の側面をカリコリとくすぐると、フブキは切なそうに声を漏らして、勃起した乳首を疼かせる。
乳房への施術を終えてから、肋骨の隙間やみぞおち、お腹も丹念に撫でさすっていき……すっかり熱を持って発情している下腹部に手を添えた。
子種を欲して、とくん、とくんと発情する子宮の温度を感じてから、鼠径部にオイルを擦り込んでいき……脚の付け根や会陰、恥丘の膨らみ、お尻の穴付近までを集中的にマッサージしていく。
すると……まだ触れてもいないフブキの秘裂から蜜が漏れて下着を濡らし、ひくっ♡ひくっ♡と淫らに揺れ動く桃色の影を映し出してしまう。
「ん……は、ぁっ……♡ はぁっ……♡ あ、んっ……♡あ、あのっ……そんな、焦らさないでっ……♡ はぁっ……はぁーっ……♡」
フブキは腰を悩ましげにくねらせて、恥ずかしがる余裕もなくおねだりをしてきた。
そんな彼女の要望に応えるために、愛液がじっとりと染み込んだ下着をずらし……むわぁっ……♡と濃厚な発情臭を漏らす花びらが露わになる。
既に濡れそぼり、愛液を滴らせる膣口に指を滑らせて……にゅちゅるぅっ……♡と中指と薬指を膣内に進入させる。淫らなクチが俺の指を第二関節まで咥え込んだところで潜行を止め、指を鉤状に曲げて、ちゅこっ♡ちゅりっ♡じゅりりっ♡とフブキの弱点を責め立てた。
「っ……はぁっ……♡! あっ♡んんっ……!♡ あ……♡そこっ……♡だめ……あっ♡あっ……ぁあんっ……♡ やだぁっ……♡ そこ、弱いの……すきっ……あっ♡んぁっ……♡ひぁあんっ……!♡」
ちゅく♡ちゅくちゅくっ♡ ちゃくっ♡にゅちゅるっ♡ ちゃくっ♡ちゃくっ♡ちゃくっ♡
フブキが一番好きなクリ裏の性感帯をリズミカルに擦り続け、執拗に官能を煮詰めていく。激しくは弄らず、少しずつ、じっくりと……長い時間をかけても絶対に冷めないように快感を与え続け、指に吸い付いてくるフブキの秘裂から、どぷっ♡とぷぷっ♡と空気が混ざった淫汁を溢れさせていく。
タオルで目元を隠した女体は、手淫を重ねれば重ねるほどに汗ばみ、嬌声の甘さを増していく。可愛らしさを隠しきれない口から、弱火で煮込まれた興奮を湯気のように溢れさせる。
「ぁっ♡あっ♡あ、んんっ……!!♡ そこっ♡そこっ……♡そう、それっ……!♡ きもち、いいっ……♡裏から、とんとん……って……♡あっ♡ああっ……♡ ひゃひぃんっ……♡」
かくっ♡かくんっ♡かくんっ♡と物欲しそうに腰ごと跳ねている陰部からは、白い泥のように粘ついた本気汁が溢れ出した。
俺はフブキの秘部から指を引き抜き、ねっとりと絡み付く愛液を布団で拭う。彼女の色気にあてられて火照った身体から浴衣を引き剥がし、日が傾き始めた黄昏色の部屋の中で、準備万端となった彼女に覆い被さった。
その気配を察したのか……フブキは寝ぼけたようにのっそりとした動きで顔のタオルをどけて、とろんと目尻が垂れた碧い瞳をこちらに向けてくる。
「はぁ……はぁっ……。こんな、ぐでんぐでんな私を見ても…………死ぬまで好きって……言い続けてくれますか……?」
フブキは赤く腫れた目で、愛を媚びるように……そして、全てを見透かしたような顔でこちらを見つめてきた。プロポーズをしたとき、彼女に俺の仕事を伝えたのは間違いだったかもしれない。
……こんな時、まともな人間ならば、「フブキの全部が好きだよ」とか、甘い砂糖のような答えを言えたのだろうが――俺は、彼女のことを知りすぎてしまっていた。
フブキは、『フブキ自身が嫌いなところ』を好かれたくないタイプのひとだった。こうして、何もかもを面倒くさがって、頑張りたくなくなってしまう虚無の時間……ちょうど今のような……何も着飾っていない〝すっぴんの自分自身〟を好いていないのだ。
――「もちろん。そういう君も含めて愛しているから。でも、いつもの〝フブキ〟が一番好きだ」。俺が正直にそう伝えると……フブキは、アイドルらしからぬ強さで俺の胸板をどついて、憎たらしげに呟いた。
「…………なんで、あなたは……私が一番欲しい言葉……見抜けちゃうかな……。そういうとこ……ホント、やだ……きらい…………うそだけど……」
可憐な笑顔の下で疲弊し、衰弱していた彼女の心には……やっぱり、今回の休暇は刺激が強すぎたかもしれない。だが、これでようやく、彼女が自分で剥がせなくなっていたものを取っ払えた。
気持ちのお化粧をして、誰からも可愛く見てもらえるように、とにかく頑張り続ける……それが彼女の日常だ。その陰に隠れて見えない努力は、彼女が無理をして初めて生まれるものだ――その命の輝きこそが、今をときめくスーパーアイドル〝白上フブキ〟の一番大きな魅力なのだ。
「……あー、もー……終わってるわぁ……。もういろいろ無理でーす……ぎーぶ、ぎーぶ……ふへへぇ……」
……俺は、一時的にステージから下りれたアイドルの耳からピアスを外して、尻尾にタオルを結んで五芒星を隠してやった。
これで、この薄暗い部屋の中で発情している白髪のケモ耳少女は……もう誰でもない、ただの一人の女の子だ。
……アイドルには、たしかにこういう〝裏〟も存在するだろう。だが、それをステージ上では絶対に〝表〟に出さないからこそ、アイドルはアイドルたり得る――この子は、そういった古臭い〝アイドル像〟すらも背負っている。だからこそ、異なる価値観を持つ老若男女から、等しくアイドルとして認められているのだ。
「……んっ……ねぇ……〝マッサージ〟の続き……してくれますか……?」
俺の意図を察したのか……ハダカになった無名の少女は、恥ずかしがりながらも股を開き……くちゅ……ぐぱぁっ……♡と割れ目を指で開いた。咲いた花弁は淫らな蜜と恥汁で濡れており、くぱっ♡くぱっ♡と物欲しそうに口を開閉させている。
俺は既に勃起していた愚息にコンドームをくるりと嵌めて、彼女のヒクつく陰部に擦り付け……粘ついた愛液をゴム上にのばしていく。
「んっ……ナマじゃ、ないんですか……? ナマの方があったかくて、ゴシゴシするのも気持ちいいのに……あなたのおちんちんだってそうじゃないの……?」
――「中出しをしたら後で垂れてきて、君がぐっすり眠れなくなるだろう」。そう告げると、彼女は耳をしおらせて「……ばかじゃないの」とダルそうに視線を逸らしてしまった。
……まあ、尻尾がめちゃんこ嬉しそうにブンブン揺れているので、ツンデレの醍醐味的なものは一切なかったが。
これはあくまでリフレッシュ休暇であって、セックスの快感よりも優先したいことがある。俺は口元を隠して発情吐息を漏らす彼女の腰を掴み、押し付けていた亀頭をずぶずぶと沈めていく。
「んっ……くぅうっ……!♡ あぁっ……ん、んふぅっ……♡ やった……♡太いの、入って……きたぁっ……♡ このおちんちん、好きっ……♡大好きっ……♡」
普段は、夜眠れないほどに抱えたストレスを無理矢理発散させるために、激しくピストンを重ねるハードセックスが多かった。今日ぐらいは……ゆっくりと、性器同士が擦れる肉感を愉しめる、スローセックスを続けていく。
にゅちゅっ……にゅるるっ……♡ にゅぽっ♡にゅぽっ♡ちゅぽっ……♡ ちゅく♡ちゅく♡にゅりゅるっ……♡
ゆっくりと抽挿を重ねていき、亀頭でヒダを一枚一枚めくって隙間にも刺激を与える。浅い部分を、ちゅこっ♡ちゅこっ♡とエラでこそいだり、深い部分を、こちゅっ♡とちゅっ♡と揉むように小突いたり……膣内をほじくられる感覚を前面に押し出していった。
「ぁあっ……♡はぁっ……♡はぁああっ……♡ こ、れ……あっ……♡ ちょっと……やばっ……♡ おちんちん、にゅぽにゅぽっ……♡ あ♡あっ♡あっ……♡ あはぁっ……♡これぇっ……♡ハマっちゃい、そう……っ……!♡」
数十分も続いたゆるいピストンがお互いにボルテージを上げ、男根の膨張具合も最高潮に達してきた。摩擦で愛液がメレンゲ状に固まり、ペニスが出入りする接合部からは、ぐぽっ♡ぐぽぽっ♡と濃厚な蜜音も響いている。
射精欲が昂る男根を突き込み、少女の身体が、びくんっ♡びくくんっ♡とはしたなく跳ねる部分……膣肉浅部の上側にあるざらついた粘膜を上手く擦るように、亀頭の角度を調整しながら抽挿を重ねていく。
「はぁっ……は、ぁっ……♡ んうっ……もっと……♡もっとぉっ……♡ 浅いのもっ……♡深いのもっ……♡たくさん、擦ってっ……ぁっ……あっ……にゃあぁんっ……!♡」
股間を疼かせる性熱が……彼女から漏れ出る蜜声が……全身の毛穴から汗を溢れさせ、頭を朦朧とさせてくる。次第に、肉棒だけを出入りさせていた動きが、下半身同士を打ち付け合う激しいピストンに変わりつつあった。
汗だくになりながら抽挿を続けて、カリ首で愛液を掻き出させていくと……彼女が喘ぎを漏らす口から舌が出されていることに気づいた。そのおねだりに応えるように、彼女の身体を抱き起こしてキスを重ね、尻尾を触りながら対面座位でごつごつと子宮口付近を突き上げていく。
「んぐっ、あ゛ぁああっ……!♡ あっ♡はぁっ……♡深ぁっ……あうんっ……♡ お、おぐっ……ぅっ♡……うっ……♡ おちんちんっ、イイとこっ……はっ……はぁっ……♡ きゃふっ……うんっ……♡」
少女は白髪と耳を揺らしながら俺に強く抱きつき、乳房を押し付けて抱擁を求めてきた。
にゅぷにゅぷと膣奥を掻き混ぜながら、快感に震える背中を強く抱いて、愛を欲しがる恥ずかしがり屋という矛盾した性格の全てを包み込む。
「あっ……あっ……♡ あ、これっ♡もうっ♡イッ♡イきそうっ……ひゃ、あっ……!? ま、待って……これ、だめっ……!」
膣がキュンキュンと顫動し、ゴム越しに精液を欲しがりながら絶頂を迎えようとしたとき――彼女は、俺の身体を押し退けようとしながらそれを拒んだ。
……最近になってわかったことだが……この子は〝幸せ〟を心から欲しながらも、それを極端に恐れているようだった。
いろいろなことを経験して、成功よりも多く感じる失敗を重ねてきたからなのか……幸福が生む浮遊感は『いつか足を掬われ、積み上げてきたものを失ってしまうのでは』という〝ありそうな未来〟を予感してしまうのかもしれない。
成長のために、タレントが地に足を着ける前に新たな施策を試みなければいけない事務所の方針も理解できなくはない……だが、あの綱渡りのような日々には、どんなに充実した成果でも拭えない不安が生まれていたことだろう。
普通の人であれば、何かしらの方法で発散しなければやっていられない重圧だ。それを自分でケアすることが苦手な、真面目で怖がりな少女の苦痛は……こうして、無理やりにでも押し出してあげるべきなのだ。
……正直に言って、これは俺のエゴでしかない。彼女としては、余計なお世話なのかもしれない。
それでも、『〝弱くない〟だけで決して〝強くはない〟』彼女が活動を長く続けるためには……きっと必要なことだと思っている。
「はぁ……ぁ、んんっ……♡ ねぇっ……くび、貸して……っ……♡」
彼女の準備が整うのを黙って待っていた俺は、白色と黒色の両方を持つ少女に首を抱かれ、肩口に顔を寄せさせる。そして……きつねの鋭い犬歯によって肉を破られ、消えない噛み痕をまた一つ増やされた。
「がぅ……っ……♡ んっ……くぅんっ……♡ はふ……んっ……んんっ……!!♡」
美少女きつねは血が溢れている穴を舐めて、消毒をしながら、自分の口の中に現実の生臭さを広げていく。最高潮の幸せを感じて、怖くなってしまう前に……自分から愛憎の臭みを飲み干して、その幸せの真価を守ろうとしていた。
さまざまなセンスはあるのに、〝生き方〟だけは死ぬほど不器用だ。だからこそファンに全力で推され、たくさんの人に愛される存在になれたのだろう。俺はそんな彼女の選択を一緒に背負うようにキスをして、彼女が味わっていた〝人生の苦味〟を共有した。
「んっ……んんっ……ぐすっ……。ごめんね……でも、ホントに……ありがと……♡ あなたのおかげで……私は……ぁっ……く、ぅうんっ……!♡」
俺は少女の言葉を遮るように抱擁を解き、再びその背中を布団に付けさせる。そして、腰を持って上向かせた秘部の上部を、カリ首で集中的に責めていく。
ゆっくりと刀身を沈めて、じゅぷっ♡にゅるんっ!♡じゅるるんっ!♡とGスポットを擦ると……フブキの秘部は、ぶしゃっ♡ぷしゃっ♡しゃあああっ……♡と恥ずかしげもなくハメ潮を漏らした。
「あっ♡あぁあっ……♡あーっ……!!♡ これっ♡すごいっ♡やばいの、ずっと来てるっ……!♡ あっ♡あ゛ぁっ……アッ!?♡あはっ♡そこ、そこぉおっ……!!♡ そこ、しゅきっ……ひぃんっ……!♡」
彼女は海老反りに背をしならせ、股間を突き上げるようにして何度も絶頂まで昇り詰めていく。ガクガクと腰を振り乱して潮を飛ばし、髪の毛を握り締めながら、犬歯を剥き出しにして喘ぎ散らしていた。
「あっ♡これっ♡クるっ!♡ でっかいのっ……♡あっ♡あっ♡イくっ♡イくっ……イッ……――ぁああああああんっ……!!」
ケモ耳少女は耳と尻尾を限界まで引き伸ばし、膣を激しく収縮させて、ヒダを強くペニスに絡みつかせる。射精を耐えようとした俺の男根に容赦なく膣圧を加え、強制的に精液を吐かせてきた。
ビュルッ!ブビュルルッ!! ビュビュッ!ビュルルッ……ドビュウウッ……!!
「あっ……あぁあっ……♡ おちんちんも、イッてるっ……♡ どくどくしてるの、わかっちゃう……♡あっ♡あんっ♡また、キてっ……にゃああんっ……!!♡」
腰をカクつかせて絶頂の余韻に浸る少女のナカが、意識を持っていきそうなほどにペニスを吸引してくる。
ポンプのように精液を搾り、ゴムを突き破らせて受精しようとする本能的な動きに唆され……フル稼働する精巣から、どくどくと子種が溢れていった。
数分の射精を終えて、肩で息をしながら男根を引き抜く。びくくんっ♡と痙攣した膣口から大量の白濁粘液が溢れ……その上にある恥口から、じょろじょろと透明な小水が溢れ出してしまった。
「はーっ……はぁああっ……♡ んっ……ぅうっ……♡ なんか……すっごい、きもちぃ……♡ はふぅ……はぅんっ……♡」
自分で粗相をしていることに気づいていないのか、彼女は恥ずかしがる素振りも見せず、エクスタシーの残響を愉しむように腰を跳ねさせていた。
そんなだらしない姿を晒しているのに、少しも嫌いにさせてくれない絶世の美少女の唇に、触れるだけのキスをしてから抱き締め……頭を撫でて、静かに寝かしつけてやる。
「んむゃ……ふぅ……くぅ……♡ んっ……はぅ……えへ……♡ みんな……私……しあわせ、れす……♡ また……がんばりゅ、から……♡」
……寝ても醒めても、この子はアイドルで在り続けたいようだ。こんなに素晴らしい旅行や贈り物を用意しても、彼女の心をステージから引き剥がすことができない――俺の最大のライバルはイケボな声優などではなく、〝アイドル〟という彼女の夢そのものだったようだ。
こうなると、俺の我慢はもうしばらくは続くのかもしれないが……ステージ上で笑顔を見せ、世界に幸せを届ける少女の姿に夢を見れるなら、安いものかもしれない。
その分、頑張った彼女には余るくらいのご褒美を用意させてもらう。努力が正しく評価されない世界だとしても、俺がこの手で報わせてやる――そうすることでしか、俺は自分を納得させられないのだ。
再び彼女が思いつめてしまわないように、こうして裏方から常に支え続けるとしよう。まず最初にするべきことは……夕食の時間を深夜にずらし、盛大に濡らしてしまった布団の片づけを手配することからだ。
……夕食に手配している彼女の好物も、明日の朝に浸かる温泉も、きっと素晴らしいものだろうが……今、こうして胸に抱いている温もりには敵わないことだろう。
そんなことを考えながら、彼女の余計な力が抜けた頬を指でつついて……世界でたったひとつの生きがいに思いを馳せるのだった。
おわり