このごろ、白蓮は寺を空けがちだ。辻説法だと皆には説明しているが、嘘っぱちだ。
大通りを抜け、脇道に入っていた。寂れて人気のない、陰気臭い路地である。明らかに、布教には向いていない。
本人の様子も、平時とは異なる。あからさまに人目を忍んでいた。
目的地は、築何十年といった風情のボロ長屋だ。見るからにガタついており、地震でもくれば土台から崩れるだろう。
「ごめんください」
日焼けて建付けの悪い玄関戸をがたがたと引き、中へ入る。とたん、煙草と酒と男性の体臭がむわぁと押し寄せた。
貧相な五畳間だ。畳のイグサは擦り切れて、芥子色を晒している。
「おッ、来たなぁ」
部屋の主人は、中央に敷かれた万年床で寝そべっていた。ガマガエルじみた外見の、小太りの男だった。痘痕面と、団子鼻の根元にできた疣が特徴的だった。
「遅かったじゃねぇか。どこで油売ってやがったんだ? おい」
「ごめんなさい、寺を出るときに少しバタついてしまって……」
「言い訳はいいんだよ。ンなことより、『日課』について教えてくれや」
客を迎えるどころか、布団から起き上がろうともせぬまま、男は弛んだ顎をしゃくる。白蓮は頷くと、艶めく唇を開いた。
「ご主人様に仰せつかったとおりに、一日三回、いただいた張型でおマンズリしてきました。私室でといわず、寺内のいたるところで――たとえば講堂や塔や、本堂で、みっともないガニ股や、犬の姿勢で、おマンコから淫乱汁をまき散らして、おんおんとお下品によがりながら自らを慰めました」
「ほぉ。で? お前はそれでどう感じたんだ?」
「ご主人様のおチンポを模した張型は、とっても気持ちのよいものでした。誰かに見られるかもしれないという状況も、怖い一方で興奮しました。おかげで、何度もアクメしてしまって危うく素っ裸のままで気を失う寸前までいったこともあります」
「ははは! そうかよ。嘘ってわけじゃなさそうだな。そのエロ面見りゃ分かるよ」
突然の赤裸々な告白を、男は当然とばかりの顔で受け止めていた。対する白蓮は、恍惚の色を浮かべている。エロ面とはいささか品のない表現だが、そう呼ばれても仕方ない表情だった。
「にしてもまぁ、こんな完璧に催眠がキマるなんてなぁ。他の女どもは、もうちょっと慣らすのに時間がかかるもんだけどな。チョロすぎだろ、アホマンコ。なあ?」
「はい。私はご主人様のマンコ奴隷で、催眠にかかっていることにも気付かず調教されて後戻りできないカラダにされているアホアホ女です」
侮蔑の籠もった視線を浴びせられながら、白蓮は自らを貶める。ゾクゾクッとこみ上げる屈辱、そして官能を堪えながら。
この男が寺を訪ねてきたのは、三ヶ月ほど前だ。当初は商人を名乗っており、内密に取引したいというので、応接間に通した。
二人きりの空間で、白蓮は男の術に嵌まった。妖術により自意識と常識を歪められ、いつの間にやら服を脱ぎ、美体を晒していた。媚びた言葉を吐きながら股を開き、犯してほしいとねだった。お望みとあらばと肉棒で貫かれ、無責任に種を植え付けられた。
以来、定期的に呼び出されては、催眠奴隷として調教を施されている。心底まで絡め取られ、もはや彼女に抗うすべなどない。オナホール代わりの肉人形として、一物に奉仕するばかりだ。
――と、ここまでが彼の認識だった。事実は多少異なる。
実際のところ、彼の術は稚拙だった。町娘くらいならまだしも、法術を修めた魔住職に通じるレベルではない。それでも効いたフリをして、肉体を好きにさせているのは、ある種の利害の一致があったからだ。
若返りの代償として、白蓮の性欲は非常に強い。気を抜けば淫らな考えが思考を埋め、悶々として勤行が手につかなくなるほどに。本人のたぐいまれな精神力ゆえ、どうにか日常生活を送れてこそいるが、辛いものは辛い。
かといって、僧職であり責任ある立場に就いている以上、おおっぴらに男漁りなどできるわけもない。板挟みに苦しみながら、満たされぬ日々を過ごし続けてきた。
抑圧された肉欲を解消するための免罪符として、彼の存在はたいへん都合がよかったのだ。なので、術にかかったフリをし続けている。己が何をされているのかも気づけぬ哀れな奴隷として振る舞いながら、今日は何をしてもらえるのかと薄暗い期待を抱いていた。
「どれ、『仕上がり具合』もチェックしてやらねぇとな……脱げよ」
「かしこまりました」
顎をしゃくられる。相手を人とも思っていないのがよく分かる口調だ。だからこそ良いのだと、内心に満足を得ながら、自らの衣服に手をかける。
ローブにブラウス、スカートと、一枚一枚脱ぎ捨てていく。衣擦れの音を室内に響かせながら、ゆっくりと、見せつけるように肌を晒していった。
命蓮寺の住職といえば、際立った美女として有名だ。瞳はおっとりとして撫子らしくありながら、童女のごときお茶目さも秘めている。唇はぽってりと肉厚で艶々しく、頬は柔らかでほんのり朱が差している。説法に出れば、彼女目当ての見物客が詰めかけるほどだった。
体付きもまた、素晴らしい。魔の力により生きながらえた元老女とは思えぬ、瑞々しく若々しい肌だ。肉弾戦を得意とするがゆえの引き締まった筋肉のうえに、むちっむちっと女性らしく脂が乗っている。メリハリの効いた、カーヴィな輪郭を描いていた。
その媚肉の豊かさたるや、ゆったりした法衣の上からでも分かるほどだ。露わになると、なおさら凄まじい。今にも暴れださんほどだ。
それを強調するのが、全身に這わされた縄だった。白い肌にギチギチと食い込み、戒めている。本人が何を感じているかは、ほう……と溢れる甘い溜息から明らかだ。すなわち、被虐性感である。
ほっそりとした首筋に、白皙の肌が照り映える。ぞくりとしてしまう、絶妙な光景だ。鎖骨の窪みとデコルテラインがフェティッシュで、視線を惹きつける。
そうして吸われた視線は、さらに下へと向かうのだ。つまり、規格外なサイズを誇る乳房へ。カップでいえばH、「巨」ではなく、「爆」の接頭語をつけられるべき、圧倒的な乳だった。それでいて型崩れせず、弾力と柔らかさを保ちながらつんと上向いている。
そんな一種の芸術が、縄化粧によってくっきりと分かたれて強調されている。見ている者に、嬲り倒して己のモノにしてやりたいという凶悪な嗜虐欲を抱かせた。
薄褐色の先端は、ぴぃんと充血して、彼女が今何を感じているかを端的に示している。勃起していることを除いても平均よりも大きめで、小豆ほどもある。散々嬲られたために、肥大化したのだった。
腹回りはむちむちと脂を蓄えながらも、すらりとくびれたカーブを描いている。素晴らしい矛盾を、現実に表現していた。縦に走った臍が、尼僧とは思えぬセクシーさを演出している。
骨盤は女性らしく、豊かに広がっている。たっぷりとした下半身の土台となっていた。バスト・ウェストとあわさって、擬態語で「ボンキュボン」と言い表されるべきアワーグラスボディを成していた。
体毛の濃い体質であるにもかかわらず、三角州はつるりとしている。毎日徹底的に剃り上げるよう命じられているのだ。催眠にかかっていないのがバレると面倒だからと、律儀に実行していた。虐げられ続けた毛根はやがて根負けし、この童女のごとき無毛地帯ができあがったのだった。
そこを無慈悲に嬲るのが、身を戒める麻縄だ。Yゾーンを両断するかのごとく這わされ、秘貝にまで食い込んでいる。花弁のあたりだけじっとりと湿っているのは、彼女が今、何を感じているかを示していた。
座っている時間の長い仕事であるため、尻肉はたっぷりと成長している。思わず顔を埋めたくなる、満月のごとき美巨尻であった。洋梨のごときシルエットをした、いわゆる安産型の臀部を、股縄がくっきりと分かっている。強調された両尻たぶには、一目で分かる弾力が備わっており、男を誘惑していた。
女性らしい、極上の肢体だ。そんなものに無慈悲なる縄化粧を施されているものだから、退廃的な印象すら受ける。その様はあまりに扇情的で、マーラの一種だと捉える者がいてもおかしくなかった。
「へへ、緊縛調教の気分はどうだぁ? 牝豚」
「そうですね……常に全身愛撫されているようで、うっとりしてしまいます。ここに来るまでに、気をやってしまうところでした」
「そうかよそうかよ、どうしようもねぇ変態のマゾ豚だなお前は。ホレ言ってみろよ」
「ご主人様のおっしゃるとおりです。私は変態のマゾ豚です。申し訳ございません」
罵倒の言葉に対し、屈辱そして強烈な恍惚を覚える。男はいささかならず嗜虐的な趣味の持ち主で、今回の緊縛のような、倒錯的なプレイを要求されることも多々あった。おかげで今の白蓮は、催眠云々とは関係なしに、マゾヒストとして仕込まれてしまっていた。
「よぉし、俺がいいって言うまでイくんじゃないぞ」
「はい、かしこまりました」
極上の裸体をたっぷりと視姦して、男はようやく起き上がる。のそりと近づき、目の前でくるくると指を回してきた。これで催眠をかけているというのだから、妖術師としてのレベルも推して知るべしといったところだ。
「おら、口開けよ」
「はい……んッ、むぅッ、んぅ」
視界に、男のガマガエルじみた顔面が大写しになる。次いで唇を奪われた。
ただ唇を触れあわせるだけで済むわけもない。生暖かい、蛞蝓を思わせるものが口内に入り込んでくる。
「んぶっちゅ、ぢゅるッ、ぢゅるぅう」
ヌルヌルと、口内をねぶり倒してくる。アルコールの臭気が漂う。ネバつく涎を送り込みながら、こちらの唾液を啜りとってくる。
「んちゅぅ、んふぅ、んっ、んぅ、んぅう」
もちろん、白蓮もされるままではない。忠実なる奴隷として、自らも舌を絡ませる。
繋がりあった口腔の内側で、粘膜がこね回される。くちゅッ、ぬぷっと、唾が混ざり合い粘っこい音をたてる。
千年の恋人なみに情熱的なディープキスだ。白蓮ほどの美女に、それほど積極的に求められる――あらゆる男性にとって憧れのシチュエーションだ。男も興奮しているようで、ムフムフと荒い鼻息を漏らしている。
「ンッ……! ふ、んぅう、ンッ!」
興奮のまま、男は大胆な行動に出る。ぶくぶく太った手を、彼女の乳房へと伸ばしていく。麻縄に分かたれ強調された双山を、我が物顔で撫で回す。
「くぅうんッ、んふぅッ、んんぅ」
身をよじる。やめてほしいという意味ではない。むしろ逆で、もっと触れてほしいとアピールしていた。
もっとも、どちらの意味であろうと、彼のすることは変わらなかったろう。もっちもっちと、下から掬うように揉みしだいてくる。
魅惑の柔肉は圧力に応じて自在に形を変える。Hカップバストが卑猥に歪み、たわわに震える様は、気の弱い者ならそれだけで射精に導かれそうなほど猥褻だ。
「んぅ~ッ、ふぅう……んぅううんッ……んぅうッ!」
蕩ける性感に混ざって、ときおりソリッドなエクスタシーが駆け抜ける。ぷっくり膨れ、一目で弱点と分かる乳首をこねられているのだ。潰すように圧をかけられては、とても堪えられなかった。
「くふぅ、んぅッ、ぢゅくッ、んぅう~ッ」
男の手つきからは、相手への思いやりや、気持ちよくしようという考えなどまるで窺えない。愛撫と呼ぶのもはばかられるほどだ。
が、白い喉からは、甘い嬌声が溢れていた。今まで何度も呼び出され、こうして弄ばれて続け、カラダはすっかり彼好みに仕込まれていた。屈辱とないまぜの快感に、体を震わせる。
くびれた腰の奥で、子宮がツゥーン……と疼いている。気付けば軽く腰をくねらせていた。どうぞこちらも嬲ってくださいというアピールだ。
願いが通じたのか、はたまた単に触りたくなったか。男は丸々と太った右手を、彼女の三角州へと向かわせる。
童女のごとくつるりとした、小っ恥ずかしい恥部を、ゆっくりとなぞる。中指と人差し指を束ね、縄の食い込む裂け目を擦りあげてくる。ぬち、くちと、唾液とはまた異なる蜜音が鳴った。
「くぅううんッ、んぅううん」
喉から、子犬のごときみっともない声が漏れる。くいっくいっと、腰が小刻みに揺れていた。
男の目がニッタリと歪む。股縄が横に退けられ、鉤状に曲げられた指が裂け目の内側へと侵入する。
「くッ、ぅうんッ! くぅうんッ、ふぅッ、んぅう」
我が物顔でヴァギナを弄んでくる。遠慮など欠片もない。奴隷の体が誰の所有物であるかなど、考えるまでもないことだ。
両手の指でも数え切れない調教体験の中で、彼女の肉体は隅々まで把握されている。どこを擦り上げれば甘くよがり乱れるかも、なんなら本人以上に知り尽くされていた。
「んぅう~ッ……! クッ、んぅうんッ! ふぅッ、ンッ! んぅううんッ!」
ぞりッ、ぞりッと、体内から音が聞こえてくる。膣道半ばの腹側、いわゆるGスポットを、執拗に擦り上げてくる。びりびりと、眼球の裏側に響くような快感が、体をガクガクと跳ねさせる。男に押しつけられた乳房が、ぷるぷると小さく震えていた。
ハードな刺激に、思わず逃げるように腰をくねらせる。が、その逃避癖をも見抜かれている。指の動きが、咎めるがごとく激しくなる。
「んっくぅッ……! んぅうッ、んんんぅうう……ッ!」
カクッカクッと、腰が震える。こね回される肉穴から、クチョックチョッと猥褻音が響く。淫猥汁が滴り、太腿を汚す。色褪せた畳にまで溢れ、染みていく。
官能の波が、次から次に押し寄せてくる。それでもどうにか、堪えている。いいと言われるまで達してはならないと、術をかけられているからだ。絶頂すれば、術が通じていないと露見してしまう。
「ぶはァ……おいおい、床が汚れるじゃねぇか、えぇ?」
ようやく唇が離れる。二人の狭間を透明な糸が伝う。
ぴしゃりと、軽く頬を張られる。男が漏らしたのは、ロマンチックな口説き文句でも、睦言でもない。粗相への叱責だった。
「嗚呼……申し訳ございません」
「ったく、躾のなってねぇ牝マンコだよ。……罰のひとつでもくれてやんねぇとな。おら、そこの壁に手ぇついて、ケツ突き出せや」
命じられるまま、すぐ側の日焼けた壁に手をつく。豊満な尻を、彼に向けて差し出す。
剥き出しの下半身は、とても現役住職のそれとは思えぬほどに猥褻な姿を晒していた。肉貝は「しとどに濡れそぼつ」という表現すら甘っちょろく思えるほどの蜜を滴らせ、今も真下の床に牝臭い染みをつくっている。
「そぉら、お前は今から、痛いのが気持ちよく感じるとんでもないマゾ豚になるんだ」
術をかけられるが、やはり通じてはいない。抵抗できていることを伏せるために、自らよがってみせなくてはならない。「あぁん……どうかはやく、淫乱牝豚の白蓮めを折檻してくださいませぇ……」
はぁ、はあと、荒い息を吐きながら腰を揺らす。媚びた言葉を並べてみせる。もはや催眠など関係なしに、彼からの罰を心待ちにしていた。
「はん、お仕置きしてほしがるとか、どうしようもねぇな、そらッ、家畜には鞭打ちだ!」
「んひぃいいいッ!」
ぱぁんと、風船を割ったかのごとき破裂音が響く。無防備・無抵抗に差し出されたヒップへ、男の平手が思い切り繰り出されたのだ。体は反射的に跳ね、縄に戒められたHカップバストがブルンッと弾む。
「はぁあん、あぁッ」
鋭い痛みと、遅れてくるじんじんとした熱に、身をよじる。術には抵抗してしまったので、痛みをそのまま快感と誤認するようなことはない。が、今までの調教によってすっかり躾けられた肉体は、与えられる苦痛によって昂ぶっていた。ある意味、彼の想定したとおりだった。
「ヘッ、相変わらずこの肉人形は、いい声で鳴きやがる。そらッ、一回ケツしばかれただけで! 許してもらえると、思ってんじゃ、ねえだろうな!」
「ひッ! あぁんッ! あぉッ! ぉひッ、ぃいんッ!」
ぱぁんッ! ぱぁんッ! と、先ほどまでと比べても強烈な打擲が連続して繰り出される。勢いづいた平手は狙い違わず臀部へと吸い込まれ、むちむちとした尻肉を波打たせる。
痛みに、悲鳴交じりの嬌声をあげる。演技せねばと思っていたが、蓋を開けてみれば必要はまったくなかった。今の彼女は、叩かれ、虐げられて悦ぶ被虐趣味者として仕上がっていた。
それでも、ひょんなことからバレてしまうかもしれない。そんなスリルをも噛みしめて味わい、股穴からねっとりした涎汁を滴らせる有様だ。
「ひぃ~ッ、あぁッ、いぃッ、お尻ぺんぺんいいッ、もっと叩いて、痛ぁくしてぇ」
打たれるたび、ヒップ全体がじんじんと熱を持つ。掌の痕で紅く染まり、さながら猿のようだった。みっともない、浅ましい姿だった。
普段なら決してあげない、媚びただらしない声を垂れ流しながら、腰をくねらせる。娼婦よりも淫らで、白痴よりもどうしようもない振る舞いだ。そのように己を解放するのが、気持ちよくてたまらなかった。
「お~お~、痛くしてやるよ、ホレッ! ほれッ!」
「いぎッ、ひぃいいいいッ!?」
鳴り響いていた打擲音が、不意に途切れた。が、悲鳴のボリュームはひときわ上がっていた。
狙われたのは、尻肉ではなかった。無防備に曝け出された肉貝、その端でぬらぬらと濡れながら膨れていた陰梃を、親指と人差し指で潰されたのだ。
言うまでもなく、クリトリスとは女体有数の性感帯だ。つまり神経が集中しているわけで、扱いには細心の注意が必要だ。それを、乱暴極まる手つきで愛撫――いや、虐待されたのだ。走った強烈な痛みと快感の前には、立つどころか壁に体を預けることすらできなかった。
ひいひいと目尻から涙を零しながら、その場に崩れ落ちる。全身にはうっすらと汗が浮かび、股座は淫猥汁を垂れ流しにしている。
「あ~あ、催眠かけてるってのに根性のねぇやつ」
アクメしたと捉えられても――術が効いていないとバレてもおかしくない状況だ。が、幸いにして男は、そうだとは認識しなかったらしい。ボリボリと、余りぎみの腹を掻いていた。
「そら、お前の大好きなモンだぞ」
床にへたりこんだ白蓮の眼前を、肉の塊が塞ぐ。すなわち、男の隆起した剛直が。
「あっ」
催眠にかかったフリをしてまで、男に身を委ねているのは、利害が一致していたからだ。それは、彼が白蓮の煮えたぎる欲求を満足させられてこそ続きうる。今、関係が断ち切られていないということは、つまりそういうことだった。
勃起した一物の全長は、二五センチほどにもなる。グイッと反り返り上向いた、曲刀のごとき形状だった。先端は力強く大きく張りだして、己の存在をアピールしている。肉幹がバキバキと苛立つ様は、雄として申し分なかった。
形よい小鼻がひくひくと蠢く。むわぁ……と、濃厚な男性臭が肺に流れ込んでくる。あらゆる女を発情させ、牝に堕としめるフェロモンが。
今の彼女が、抗えるわけもなかった。顔はとろりと蕩け、口が開かれ、舌が突き出される。
交尾待ちの淫猥フェイスに、男も当てられたらしい。たたでさえ野太い魔羅が、ビクッビクッと脈動した。
「おら、ハメてほしいんなら、それなりの形でお願いしてみろや……お?」
言って、男は指をくるくると回す。最後のほうが疑問形だったのは、その動作が完了するよりわずかに早く、白蓮が行動していたからだ。男のいう「それなりの形」、地に手をつき膝をつき額を擦りつける本邦伝統の請願の姿勢、土下座だ。
待ちきれなかったのだ。実際には効いていないからこそ生じた齟齬だが――バレてしまったのではないかと、心臓が早鐘を打つ。そのスリルですら愉しんでいるのだから、心底どうしようもなかった。
「わ、私、聖白蓮は、催眠をかけられて肉人形にされているにもかかわらず、それに気づきもしないアホアホマンコ女です。マゾ穴調教を堪えられず崩れてしまうような、だらしなく情けなくみっともない変態アバズレ催眠牝豚ではありますが、おマンコのオナホっぷりには自慢があります。ですのでどうか、今もナマ交尾したさにくぱくぱしまくっているどうしようもないおチンポ扱き専用種付け穴に、ガチガチに反りかえった最強のおチンポを突っ込んで、ズポズポして、中身がハミでるまでほじくり返しまくって、お金玉の中に溜め込んでいた濃厚お精子を逞しいお射精をどっぴゅんどぴゅどぴゅとブッこきまくってくださいませ。このザーメンゴミ箱肉オナホにちり紙感覚でお精子をぶちまけて、変態お下品ナマお交尾なしではいられない体にしてくださいませ、どうぞお願い致します……」
普段ならば絶対に口にしない語彙だけ並べ立てて、己を貶めながら性交を乞う。まさに立て板に水の弁舌だった。術をかけられている者が、躊躇いなどするまい。なにより今の白蓮は、心底からあの逞しいモノに犯され蹂躙されたいと願っていた。
「おいおい。命蓮寺の住職様が、そんなコト言っちまっていいのかよ。お前を慕ってる信徒もいるだろうになぁ。最低の女だなお前」
「あぁん……ッ」
自分がどれほどとんでもなく、浅ましい嘘をついているか、あらためて思い知らされる。漏れるのは後悔の嘆きなどではなく、蕩けた溜息だった。今の彼女にとって、屈辱と恥辱は快感に他ならない。
それをさらに後押しするものがある。後頭部に乗せられた、妙にずっしりとした感触。男の足裏だ。土下座した頭を、踏んづけられているのだ。
女にこれだけ自身を貶めさせておいて、まだ足りないらしい。なんとまあ見下げ果てた人間性なのだろうか。だからこそ素晴らしいと白蓮は感じていた。もっと踏んづけてほしいばかりに、平身低頭するばかりだ。
「まっ、いいや。そこまで言うならハメてやるよ」
「あはぁ、ありがとうございます、ありがとうございます」
「あ~あ、こんなザーメンゴミ袋に精子吐き出さなきゃいけないとか、もったいねぇなぁ」
滅茶苦茶なやりとりだった。どちらがレイプの被害者か、わかったものではない。
男はまた、煎餅布団に寝そべった。不遜に反り返る男根が、挑戦的に天を衝いている。
ほれ、と顎をしゃくられた。自ら跨がり、自分で腰を振れというのだ。
稚拙な術をかけただけの相手に、こうまで大きな態度に出られるとは。他の男では、こうはいかない。普通は良心が咎めるものだし、そうでなくても、もっとおっかなびっくり慎重に振る舞うだろう。
そんなことでは、己の欲望は満たされない。愚かなほどに大胆すぎる彼の存在は、やはり手放しがたいものだと、あらためて認識する。
命じられるがまま、男の腹上に乗る。たっぷりとした腹ゆえに、安定感があった。
指先で男根を摘まむ。恐ろしいほどの熱が伝わってくる。
コレが今から、ねじこまれるのだ。ゴリゴリと肉襞を蹂躙し、めくり返し、煮えたぎる子種汁を子宮の隅々にまで注ぎ込むのだ。はぁ……と、甘い溜息が漏れた。
膣口に、亀頭が押し当てられる。ヌチッ……と、卑猥音が鳴る。粘膜で感じる雄杭は、手で触れるのとは比較にもならないほどに熱く、猛烈な存在感を放っている。コレが今から自分の体内に入るなど、とても想像がつかないほどだった。
「あぁ……あぁッ、あぁ~んッ……」
思わず、腰がくねってしまう。肉貝の入口に、肉幹が擦りつけられる。淫猥汁が、ぬっちゃぬっちゃと音をたてている。己の淫ら汁でもって、この御立派は私のモノだとマーキングしているのだ。
剃り上げられ無毛となり、クッションを喪った三角州ゆえに、男根の感触がダイレクトに伝わる。喉の奥から漏れるのは、甘ったるく蕩けた声だ。
「へ、何してんだっつうの牝豚。さっさとしろよ」
「あぁッ!」
男の手が伸ばされ、痛いほどに尖った乳首をつねり上げる。被虐趣味者に特有のやる気スイッチを刺激されては、応えずにいられなかった。
グッと、肉穴に対して垂直に男根を押し当てる。軽く息を呑んだのち、そのまま腰を下ろした。
「んぉッ……ぉおおおおおんッ!」
ばちゅんと、肉同士のぶつかり合う音が響く。反りかえる男根が、メリメリと肉洞を拡張していく。何度味わっても味わい尽くすことのない、比類なき雄棒がだ。
すでに雄に屈し、快楽狂いの牝豚と成り果てた白蓮が、堪えられるわけもなかった。背を反らし、全身を震わせる。ぶるんッ! と、Hカップのバストが跳ねた。喉の奥からほとばしるのは、とてもヒトのものとは思えぬ、みっともない嬌声だった。
「んぉおお……ッ」
今のは、本当に危なかった。いいと言われるまで達してはならない――例の術に逆らって、絶頂してしまうところだった。ギリギリのスリルに、ぞくぞくと体が震える。
「あぉッ、ぉおッ、んひッ、あぁんッ、あぉ、ひぃッ、ひぃい!」
そして、いつまでもボウっとしてもいられなかった。彼からは、ヴァギナで奉仕せよと言われている。催眠肉人形として、その命令を忠実にこなさねば、術が効いていないとバレてしまう。なにより、これほど素敵なペニスを味わって、我慢などしていられるわけもなかった。
身をくねらせ、狭穴で男根を扱く。ぢゅこッ、ぢゅぶっと、猥褻音が響く。体を動かせば、雄棒が肉壁を穿ち抉っていく。彼に仕込まれた、彼好みの性技だった。
強烈な官能に、普段の彼女からは想像もつかない下品声があがる。麻縄によって分かたれた乳房が、ぶるんっ! ぶるんっ! と弾んでいる。
「おぉ~。こっちは寝っ転がってるだけでいいんだからな。まったく優秀なチンポ扱き機だよ」
白蓮ほどの極上美女が、その身に縄を食い込ませながら己の男根に跨がり、たっぷりした腰を振ってよがる。あまねく男性が憧れるシチュエーションに、男は平然と受け止めていた。自分がこの世でもっとも偉いのだと言わんばかりにふんぞり返り続けている。
「あはあ、はいっ、私めがこのドスケベ膣穴でご奉仕させていただきますので、どうぞご主人様は楽になさっていてください」
「へぇ~殊勝な心がけだな? まあそうもいかねぇけどな」
「んひぃいッ!?」
放埒に弾んでいた乳房を揉みしだかれる。中指と親指が、硬く尖った乳首をつねり上げ、引っ張る。性交のエクスタシーとはまた異なる性感に、襲われ、喉の奥から引きつった悲鳴がほとばしる。
「あぁッ、だめぇ、許してッ、んひぃい!」
「常識のねぇ女だな、セックスの最中の許しては、もっとしてって意味だろ、あぁそれとも誘ってんのかァ!?」
「ひぃいッ! おッ、んぉおおんッ!」
興が乗ったか、男は自ら腰を突き上げ、彼女の穴を穿ち始める。二五センチにもなる一物からの刺突が、ぼぢゅッ! ぼぢゅッ! と肉洞を穿つ。その最奥の行き止まり、ポルチオを容赦なくサンドバッグにする。
女性としてのプレジャーポイントを、腹の形が歪むほどの勢いで嬲られるのだ。もはや正気ではいられなかった。目尻から涙を零してよがり、堪えがたい官能にただただ狂う。催眠云々など関係なく、牝豚と称されるべき姿だった。
「おほッ、締まる締まる。てめぇはこうやって鬼ピスしてやっとめちゃくちゃ悦びやがるからなぁ~……。おいマゾ豚、そろそろ出すぞォ、いつもどおり中出しだ、ありがたく受け止めろやッ」
「はひッ、ありがとうございます、どうぞ中出ししてくださいませ、無価値な催眠マンコ奴隷の白蓮の、性処理専用猥褻おマンコに、ご主人様のプリップリの優秀濃厚お精子注いでくださいませえぇッ」
己を貶めてる言葉を並べながら、腰をかくかくと振り射精を促す。動きに、もはや技術もへったくれもなかった。そんなものを振るっていられる余裕など、あるわけがない。
それでも、別に問題はなかった。白蓮ほどの美女の乱れる様自体、匂い立つような猥褻さを伴っているのだ。男根が限界に至るまでに、それほど時間はかからなかった。
「そぉら、イけ牝豚ッ、おッ、出るぞッ、中出しでイけ、おッ、おぅ、オッ、ォオオオオ!」
ピストンが激しくなる。体内で男根が膨れ上がる。膣内射精が近いのだ。雄の圧倒的欲望で蹂躙され、翻弄される瞬間に、強烈な期待を抱く。それだけで達してしまえそうなほどだった。
男はやかましく喚きながら、腰を思い切り突き上げる。ごぢゅッ、と、嫌な音が体内から響いた。肉杭の先端が、子袋を思い切り押し潰したのだ。
そうして、男根が炸裂する。ぱんぱんに膨れた睾丸が縮み上がり、内部に溜め込んでいた子種汁を思い切り吐き出す。
ボビュルルッ、と弾丸のごとく放たれた汚濁は、子宮口を貫いて胎内に侵入する。無数の精虫が鞭毛を蠢かし、卵子と結合するべく泳ぎ回る。そうして生じた熱量が、彼女を絡め取り、絶頂へと叩き堕とす。
「あひッ、イくイくイくイくぅううッ、あぁあああああああッ!」
イけと言われたからには、もはや我慢をする必要もない。大手を振って、堂々と、赤っ恥を晒す。彼以上の声量でよがりながら、アクメへ至った。
全身を弓のごとく反りかえらせ、あらゆる筋肉を痙攣させる。見開かれた目の裏では、バチバチと火花が散っている。Hカップの乳房が跳ね、結合部からは熱い潮が噴き出された。
「あっひ……はひ、ひぃい~ッ……」
「お~……出た出た。いやぁ、ほんとチンポ扱き心地だけは極上だなこのオナホ」
人を人とも思わぬ罵倒を、しかし白蓮は極上の口説き文句のごとく受け止めていた。見下され侮られる屈辱は、彼女にとって何よりの興奮剤だった。
ぐったりとする彼女を、男は押しのけるようにして己の上から退かす。解放された肉穴は、しきりにヒクついて、アクメの余韻に浸り続けている。
のそのそと起き上がり、戸棚から何かを取り出す。小さな金の装飾具、リングピアスだ。ただし、着ける先は耳などではない。
「へへ、お前が誰のモンかってのを、誰にでも分かるようにしてやんなくちゃなぁ?」
快楽に惚けた瞳で、準備する男を眺める。そうした品が存在しているのは、白蓮も知っていた。自分がそれを着ける日が来ようとは、思ってもみなかったが。
己が彼の催眠奴隷であることは、実は術にかかっていないことと同じくらい、伏せられなくてはならない。わざわざ物証を身に着けるなど、正気の沙汰ではなかった。
が、理性はともかく本能は、後ろ暗い期待に突き動かされていた。他人の所有物としての証を、女としてもっとも大切な部位に、不可逆な形で装着する。倒錯的なシチュエーションに、仕込まれた被虐趣味が疼いていたのだ。
「はい、どうぞこの催眠奴隷の白蓮めにピアスをつけて、私がご主人様のものだと誰が見ても分かるようにしてくださいませ……」
「おう。まあ嫌がってもそうするけどな。そぉら、動くなよぉ……」
自ら乳房を突き出し、苦痛をねだる。先端は、今すぐ貫いてほしいとばかりにピンと尖っていた。
そこへ、ピアサーの針が押し当てられる。バツンと、肉を断つ嫌な音が響いた。
「いぃッ……!」
鋭い痛みに、顔が歪む。が、同時に、漏れた声にはどこか恍惚が含まれていた。
これでもはや、言い逃れできない。性欲処理のために、好きでもない男に股を開いたアバズレとして後ろ指を差されるのだ。そう考えるだけで、もうたまらなかった。
「いッ、っぎ」
もう片方も穴を空けられる。出血は思ったほどではなく、ガーゼで拭われて終わりだ。落ち着いたころ、開いた穴に輪っかが通される。
生まれ変わった乳首を、陶然と見つめる。本来なら授乳のためにある器官がいやらしく飾り立てられ、男を誘惑する道具となっている。自らがどうしようもない存在になったのだと思い知らされる。見ているだけで、蕩けてしまいそうだった。
「よぉし、これでいいな。さてマンコ女。てめぇのマン汁で汚れたチンポ、このままにしておくわけじゃねぇだろうなぁ?」
言って、男は白蓮の眼前に男根を差し出す。半萎えになった竿は、あらゆる汁にまみれて、べっとりと汚れている。
自分を気持ちよくしてくださったモノを、こんなみっともない姿を晒したままにはしておけぬ――。唇の疼きのまま、大口を開く。そのまま、雄魔羅を迎え入れた。
「んぢゅるッ、ぢゅぷ。んふぅ……んちゅッ、んちゅむぅ……」
もっちゅもっちゅと、頬を蠢かしながらしゃぶる。根元から先端にかけてなめ蕩かす、労る口淫だった。
「おっ、キくキく……。けけ、アホマンコめ、これからも穴が擦り切れるまで使い潰してやるからな、覚悟しろよ」
「んぷぅ……はい、どうぞ催眠奴隷の聖白蓮を、今後もお使いくださいませ……あはぁあッ!」
口内で肉棒が膨れ上がる。適当なところで引き抜かれ、無理やりに押し倒される。先ほど穿たれまくった肉穴をまたしても貫かれながら、彼女の意識は快楽に蕩けていった。