※この作品はR-18です。

小柄な新人女優が映画で少年役に抜擢されて男の子の気持ちを理解する為に立ちションを極める話   作:喋家月餅太

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11話 男の子をシミュレーションして見えた景色

クランクインを3週間後に控えたある日の事。彼女は衣装合わせや多目的スタジオや会社の会議スペースでのリハーサルを重ねて映画の撮影が近づいてくる事を実感すると同時に緊張に悩まされる日を送っていた。

これまでも舞台の公演直前の緊張は何度も味わっているがそれよりもずっと大きな緊張だ。数十人の観客の前で、しかもほとんどが関係者の知り合いという環境で芝居をするのとは違う。自分の演技が映画館のスクリーンにかかり配信サイトで流れるのだ。産業展示会用映像に出たこともあるし自分の乗る電車内でのマナー啓発映像にも出たが、それは本当に数秒映るだけのちょい役だ。見た人の中には彼女の存在に気づかない人もいるレベルだ。だけど、これは違う。主演であり自分の名前がエンドロールに最初に出る。しかも、彼女はその映画を作る会社の契約社員だが従業員でもある。社運をかけてるのも自分ごととして痛感してるので尚更だ。

緊張は家に帰っても続いていた。口の中が乾く感じがして水を飲む事が多くなり、トイレに行く回数も多い。これまで身につけた立ちションのスキルが頻度の増えたおしっこにはありがたく感じた。部屋で全裸で過ごす事もだ。友人と呑みに行った夜から始めた大陰唇を引っ張り上げての男性と同じ姿勢の立ちションも難なくこなせるようになっていた。今の彼女にはそれが普通の事になっていた。あくまでそれは部屋の中での話で、外では洋式便器でお尻を突き出すタイプAと立ちション器具を男子トイレで使うタイプBを状況に応じて使い分けてる状態だが。

この所、リハーサルで忙しく、僅かな空き時間も兼業している家庭教師の仕事で追われているのでゆっくりできていない。今週は少しスケジュールに余裕ができたので何か気晴らしをしようと思った。撮影のスケジュールは2週間の主要撮影とその後2ヶ月〜3ヶ月の追加撮影だ。追加撮影は通常勤務と並行しながら行うしずっとその期間撮影をするわけじゃないが、主要撮影はスタジオやロケを借りるためスケジュールを詰め込んで行う。その2週間は訳を話して家庭教師も休みをもらった。かなり忙しい期間になりそうだ。

彼女は撮影前にできた僅かな余裕に何をしようか考えて友達に会おうかと思ったが、急だったためスケジュールが合わなかった。ツーリングはここしばらく短いものならできていてこれ以外のものをしたかった。そこで思ったのは風俗を利用する事だった。この所、忙しくてお金も使う事がなくて金銭的には余裕がある。疲れとストレスがムラムラに出る事が多い上に忙しさで人寂しさを感じていた。友達に会えない代替としてはちょうど良く思えた。

風俗を利用するとして迷ったのはどちらを利用するか。女性からサービスを受けるか男性からサービスを受けるかだ。当初は女性のやわらかい肌に抱かれたいと思いレズ風俗を考えたが、これから少年役を演じるにあたり今はちんちんを見ておきたいと思った。彼女自身にはないが彼女の演じる少年の身体には付いてるものに触れておきたくなった。

以前利用した女性向け風俗を見るとちょうど、先日サービスしてもらったセラピストの予約ができた。男の連れションを経験させてもらったお礼を兼ねて売り上げに貢献できるし好都合だ。彼女は前回の倍の時間、そして思いつきで要望欄にやってみたい事を記入した。本音を言うと男性の力強い抱擁よりも女性のやわらかい抱擁をして欲しい気分ではあったが、下手に友人に対して持った性欲や先輩の事を思い出しても面倒だ。単純に楽しむ事に集中しようと思った。

 

風俗を予約した日。仕事帰りに以前、レズ風俗で利用したラブホテルを借りた。ここは長時間のプランもあって倍の時間を予約した今日にはちょうど良かった。

今日は珍しくワンピースを着て会社に出勤した。それには理由があった。私生活で少年に見られる機会が増えて、男子トイレに入っても誰も怪しまなくなった彼女にとってラブホテルについて気になる事を知ったからだ。それはラブホテルは男性同士の利用を断られる事が多いという事だ。どうやら男性同士がすることの多いアナルセックスはベッドを汚す事が多いためらしい。ゲイカップル歓迎の所もあるそうだが、探すのが大変だったので女性にきちんと見られる格好で受付する事を選んだ。ただし、男の格好をする必要があるため、バッグに男物の服を入れており、部屋に入るとすぐにそれに着替えた。

男装して待っているとそれほど時間が経たないうちにスマホに連絡があってセラピストが到着した。彼が所属する店ではホテルの前まで到着するとその旨を伝えるメッセージを送ってもらい、それを合図に迎えに出る。

「久しぶりだね。また会えて嬉しいよ。今日は予約、ありがとう」

「今日はよろしくお願いします」

二人は挨拶をそこそこにベッドに腰掛けた。

「今日はロールプレイをしたいって予約の受付に書いてあったけど、どんな事がしたいの?」

セラピストが聞く。彼女は抱かれるにあたりなりたい人物像があり、ロールプレイの希望を予約フォームの要望欄に書いておいた。セラピストが所属する風俗店では内容次第でシチュエーションや服装などの要望に応えてくれるそうだ。その例にロールプレイとあったので、それを書いた。

「準備が必要な事なら事前に具体的に書いておいて欲しかったけど、可能な限り希望には応えるよ」

「エッチするのに僕達に設定を付けるってありですか?」

「もちろん、それがロールプレイだよね。どんな設定?」

「兄弟って設定でエッチしたいです。お兄さんが僕の兄で、僕は弟。弟だけど、FTMでまだ体に何もしてなくて、お兄さんみたいなちんちんに憧れてる、そんな弟です。あと、男の子だけど男の人が好きでちんちんは自分にも欲しいけど、見たり触ったりして興奮するような子で……ってダメですか?」

「いいよ。◯くんは今日は俺の弟ね。ただし、弟だけどちんちんがない」

「そうです」

セラピストは彼女のその言葉に納得したように笑った。

「それじゃあ◯、一緒に風呂に入ろうか」

「えっ……あ、はい。じゃなくて、うん!」

セラピストは彼女を名前を省略した呼び捨てで呼んだ。少しびっくりしたが、それがロールプレイ開始の合図だとすぐに理解した。彼女は一瞬目を閉じて頭を切り替えた。彼女は役者だ。養成所の稽古でやるエチュードと同じ要領でやればいいと事前に考えていた。これまでの少年の役作りを反映させてトランス男性の弟を演じようと目を開けた。

「兄ちゃん、僕、その前におしっこしたい。連れションしようよ」

「お、おう……」

セラピストは彼女がまるで別人になったかのように雰囲気を変えた事に困惑したそぶりをした。これまでロールプレイは何度もしているが言葉の上の表面的なやり取りに留まっていた。だが、◯くんは別人に切り替わったとはっきり分かる何かがあった。役者という人種に接した経験はほとんどないが、この第一声で「この人は演劇を本当にやってるんだ」という以前偶然会った時に聞いた話の答え合わせと「役者ってすごい」という圧のようなものを感じた。

「兄さん、もしかしてまた言うつもり? 『ちんこないから連れション無理だろ』って」

彼女は慎重にセリフを選びながら考えてきた設定を提示していく。エチュードで相手に対してこちら側の持ってるアイデアを伝える方法だが、素人に通じるかは自信がなかった。ところどころはっきりセリフで示した方が良さそうだと思いながら様子を探る事にした。

「そ、そうだよ。立ちションできないし、洋式便器一つでどうやって連れションするんだよ」

セラピストは戸惑いながら精一杯、トランス男性の弟として彼女を扱おうとした。実際トランス男性の常連客に接してるようにすればいいのかと考えながら、いつものロールプレイと違う感覚に戸惑いながら会話を考えた。

「そこは交代でしようよ。僕ね、立ちションできるようになったんだよ。兄さんに見せたいんだ」

彼女はそう言って手を引いて風呂場に連れて行った。トイレでしたいところだが、このラブホテルは風呂トイレ別でトイレは一人しか入れない。この後入浴するとなると少し汚いと思ったが、おしっこの見せ合いはこうするしかない。

「ここでするのか?」

「うん。僕がした後、兄さんも見せてね」

「いいよ。器具使うの?」

「違うよ。見てて」

彼女は太ももの頭で履いてたズボンとパンツを下ろした。こまめに毛を剃っているツルツルのちょんちょんが丸見えになる。彼女はそれを浴槽に座って見ているセラピストに対して恥ずかしさを感じた。

「僕、こうするとまだ女の子だよね」

「お前は男の子だよ。ついてなくてもな」

セラピストは彼女の言葉にハッとした様子を見せてからそう言った。さっきの戸惑った様子はなくて素に思えた。多分、トランス男性の客を連想させたんだろう。彼女は異性の体を持って生まれた人への配慮のない言葉かと思い少し後悔した。

「じゃあするね」

素に戻らない為、彼女はそのまま演技を続けた。大陰唇を引っ張り上げて割れ目を開いた。そして、手の力加減を調節しつつおしっこを出した。

「おおっ!」

飛距離は短いが斜め前に向かっておしっこが彼女の股間から飛んでいった。それは紛れもなく男の子の立ちションと同じ立ちションだった。違うとすれば男の立ちションは放物線を描くが彼女の立ちションは直線に近く、尿道口からおしっこの出る高いシャーっという音がすることだ。

「すごいな! ちゃんと立ちションできてる!」

セラピストはロールプレイの演技ではなく本心から驚いた様子でそう言った。で終わりに足元に落ちると言う欠点があるしパンツを下ろさないといけないという実用性に欠ける点がある為、FTMのお客さんはこの立ちションをしてないのだろう。家ではしてるかもしれないがセラピストには見せてないのかもしれない。

「すごいな、お前はちゃんと男の子だ。兄さんは嬉しいよ」

セラピストはそう言いながら彼女のちょんちょんを撫でた。

「兄さん、僕のここ触ってもしかして興奮してる?」

「そりゃな。大好きな弟の大事なところだからな」

「エッチの時に好きなだけ触っていいから、今度は兄さんのおしっこを見せて。本物の立ちションを見たい。あと、兄さんのちんちんも」

「いいぞ」

本気モードで演じている彼女のペースに慣れたのかセラピストは少しスムーズに受け答えできるようになった。彼女はFTMの、ちんちんのない男の子を演じながら彼女自身のちんちんへの興味で心を躍らせた。

バスタブと洗い場をお互いに行き来して場所を交換し、今度はセラピストがパンツを下ろしてちんちんを露出した。社会の窓から出すのではなくパンツを下ろすのは彼女に見えやすいための配慮だろう。股間についているちんちんはペニスは斜め上を向いてタマタマはぶら下がっていた。彼女はその姿をまじまじと見た。今目の前にあるのは彼女についてないが彼女が映画で演じる少年にはついているもの。そして、今演じているセラピストの弟にもついていない上にその弟が自分の体に欲しくてたまらないものだ。一人の女性として性的な興奮を覚えながら、一人の女優として調査対象としての関心を向けながら、一人のFTMとして将来手術で獲得するかもしれないものとして彼女はちんちんをじっと見た。彼女の中の三つの視点で自分の体にないそれと自分に出来ないが男性には日常の行為を観察した。

セラピストのペニスの先端から細い水流が放物線を描きながら飛んで床に落ちていく。尿道口の数ミリ先で水流が捩れているのを見つけた。これは自分の女性器でも起こっているものだろうか。それとも男性特有のものだろうか。どちらにしてもこれはセラピストに見えていておしっこをしている本人に見えるのは男性ならではだろう。

ペニスを持つセラピストの手にも着目した。指先に力を入れてなのかペニスが上に向いてたのを下に向けている。これは風呂でしているからあまり飛びすぎないためだろうか、それとも小便器でもしてるのだろうか。意識してなのか無意識になのかも気になる。やっぱり立ちション器具をつけてするのとも大陰唇を持ち上げてするのとも違う。足の付け根に天然のホースがあってそこから出るのはこれで見るのは二度目だが全然違った。股間に直接おしっこの穴が空いてる彼女のそれとは別物だ。

セラピストはおしっこを全部出し終わり、先日ビジネスホテルのユニットバスで見せてもらった時と同じようにちんちんを上下に振っておしっこを振り落とした。これもちんちんがついてないと出来ない事だ。そしておしっこを出し終わったセラピストのペニスは少し小さくなっていた。尿意が勃起を促進させるのだろうか。改めて間近で見た男性の放尿は不思議がいっぱいだった。

「どうした? やっぱりちんちん、欲しいか?」

パンツを履いてシャワーで床を流しながらセラピストは聞いた。そこでちんちんとおしっこへの興味と驚きで気を取られてFTMの弟を演じるのを忘れていた事を彼女は思い出した。慌てて役に入り直す。

「そりゃそうだよ。兄さんも僕の見たばっかりでしょ。男なのについてないんだから」

少し不貞腐れた様子を見せた。お互いに同性愛の関係にある兄弟だ。可愛げを見せるところだろう。それを汲んでなのかセラピストは彼女の頭を撫でた。その撫で方は少し乱暴で髪の毛が結構乱れた。これが男兄弟のコミュニケーションなのだろう。

セラピストはバスタブから出て栓をするとお湯を注ぎ始めた。他にはバスソープを入れた。泡風呂だ。このホテルの風呂は適量に溜まると知らせてくれるタイプのため、二人は全裸になってベットに腰掛けて並んだ。前回はビジネスホテルでセミダブルが二つだが今回はラブホテルでセックスをする為の部屋なのでキングサイズのベッドが一つだ。そこで全裸で待つ状態で手持ち無沙汰になった彼女はセラピストのちんちんを見ていた。

「兄さんのちんちん、勃ってるんだよね?」

「そうだよ」

「すごいな。勃つって経験してみたい」

「お前にだって勃つ部分はあるだろ?」

「え?」

「ここの中に」

セラピストは彼女のツルツルのちょんちょんを撫でた。彼女はびっくりしたがその行為に割れ目の内側がじんわり熱くなるのを感じた。

「あるけど、勃っても自分じゃわからないし」

彼女がそう言うとちょうど風呂の適量を知らせるメロディが鳴った。

「さて、入るぞ」

セラピストに手を引かれてさっき立ちションを観察したバスルームに戻った。そして、二人で広めのバスタブに向かい合わせに入った。

バスタブに入るとセラピストは彼女に近づき、アメニティのタオルを持って彼女の身体を洗い始めた。これは以前、レズ風俗でも経験したことがある。前回、男性の風俗で狭いユニットバスだった関係でなかったが、風俗ではよくあるサービスだそうだ。女性に体を現れるのとは違い、男性であるセラピストに身体を洗われるのは感触が違った。優しく洗ってくれるが指先の力は強い。その感触に男性が自分とは違う存在だと感じた。今演じているFTMの弟はこの自分と違う感触の手をどう考えるのだろうか。そして、同じように洗われているであろうセラピストの常連客のFTMの人も。

セラピストは上半身から順番に彼女の体を洗い、立ち上がる事を促されちょんちょんも洗われた。左右の大陰唇に指を置き泡で優しく撫でるように洗ってくれる。自分の身体とは違う部分なのにレズ風俗の嬢と同じようにしてくれている。たくさんの経験を積んで身につけてくれたんだろう。彼氏のいた経験のない彼女は多分、普通の男性はこの部分の洗い方を知らないだろうなと思いながら別に性感を刺激されてるわけじゃない行為に心地よさを感じた。

今度は頼んでセラピストの身体を洗わせてもらうことにした。男性の肌は女性に比べて厚くツルツルした感触だった。筋肉はぎっしり詰まった感じがするが力を入れてないと思ったより柔らかかった。セラピストは痩せ型で筋肉質だがふくよかな男性なら違ったのかもしれない。そんな男性の肌を胸や背中をタオルで擦りながら感じていると次は股間を洗わせてもらうことになった。股間の洗い方は真っ平らな自分の股間とは違い付いているものがあるため洗い方がわからなかった。そこにセラピストがレクチャーしてくれた。まずは付け根の毛が生えているところをシャンプーの要領で洗い、それから優しくペニスを撫でるように洗う。先端の方は粘膜が露出していて洗うと痛いから軽くお湯を流すだけらしい。そして玉袋を全体を撫でるように洗う。単に触らせてもらうよりも洗うと丁寧に詳しく感触を知ることができる。ペニスはかなり硬いが触られて興奮していると言われた。ペニスの硬い弾力のある感触は勃起した状態の感触だ。勃起をするとペニスにその感覚があると言うがその感覚がどんなものなのか不思議に思いながら彼女はセラピストのちんちんを洗い続けた。

こうして身体を洗う間もロールプレイが続いた。セラピストの放尿を観察した時に浮かんだ疑問を次々とぶつけていった。あくまで今はFTMである彼の弟だ。ちんちんに対する羨ましさや自分にないことを悩んでいる事を言葉や口調のニュアンスに含めながら聞いていく。なんとなくだが今こうして女性である裸を晒しながら男の子として男性の体への興味をつのらせていくのが楽しかった。自分の身体に今目にしているちんちんがあったらと考えながら未知のものだったちんちんがだんだん身近に感じられてきた。

「僕にもちんちんが生えてきたらいいのにな」

自分の平らな股間を触りながら彼女は言った。これは本心ではなく演技だが、セラピストはハッとしたような顔をした。

「兄さんのちんちんを見て濡れるんじゃなく勃ちたい。兄さんみたいに」

セラピストは優しげな眼差しで彼女のことを見ると急にシャワーのお湯を出した。彼女は突然だったのでびっくりしたが、甘えた様子を見せるのがいいだろうと思ってセラピストに抱きついた。上半身で筋肉の感触を感じながら太ももに当たるペニスの感触に少しドキドキした。

「お湯流すぞ。びっくりしたのか。男の子なんだからしゃきっとしろよ」

セラピストは笑いながら彼女を離すと風呂の栓を抜いて彼女と自分に代わる代わるシャワーをかけて泡を落としていった。

「よし、これで綺麗になったな。ベッドに行くか」

シャワーで身体に加えて床の泡を流して、バスタオルで身体を拭くと彼女とセラピストは全裸のままベッドに向かった。

「して欲しいことはある?」

「太ももでちんちんを挟むやつをしたい」

「わかった。じゃあ、コンドーム付けるよ」

そういうとセラピストはコンドームとローションを鞄から取り出しベッドに置いた。それを見ると彼女は前回の時の感触を思い出して濡れた。そして、ちょんちょんを摘んだり、割れ目をなぞったりした。今は男の子を演じてる最中だが、風呂場でのちんちんや立ちションを見たことや触れた感触を思い出して自分が女の子である事を実感したい気分だった。そして、そんな事をしながら男の人を好きなFTMもこんな風に自分との股間の違いを意識するのか気になった。ちんちんへの興奮はするだろうが、自分と違うからこそする興奮はあるのだろうか。身体は違うけど、違うことへの拒否反応みたいな心境になるのだろうか。少年の役作りとその為の立ちションの研究をしてきた彼女だが、ちんちんがない事で超えられないライン、見ることのない景色を経験してきた事を考えるとFTMの人たち、特に恋愛対象が男性の人たちがちんちんに対して感じる渇望のようなものは大きいように思える。自分の体にそれがないことの苦痛とそれを愛や性欲の為に求める感情のせめぎ合い。彼女はまだ膣への男性器の挿入を経験してないが、恋人のペニスを受け入れることが自分があるべき姿じゃない事とイコールなら辛いだろう。少し軽はずみにFTMのロールプレイを選んだ自分を軽率に思えた。だけど、役者としてこの複雑な感情は男性を演じる上で糧になると自分に言い聞かせた。

「大丈夫か?」

セラピストは彼女の表情が険しく思えて心配そうに声をかけた。

「あ、うん。僕、やっぱりちんちんがないんだなって思って」

「おお、そうか」

「でも兄さんのちんちん見たら濡れちゃった。早く気持ちよくしてほしい」

彼女は演技に戻り、自分にないちんちんに興味津々な弟としてエッチな行為をせがんだ。セラピストはそんな彼女が女子大生には見えなくて少年として見えていた。もっとも、女子大生というのも嘘ではあるが。

彼女は立膝でセラピストを上目遣いで見ながら身体の力を抜いてリラックスした。脚は内股気味にして太ももにペニスを挟みやすいようにして前回味わった感触を心待ちにした。そんな彼女の様子に年端もいかない少年を抱くような背徳感を感じながらセラピストは十分に勃起したペニスにコンドームをつけた。彼女はその様子をじっと見る。コンドームはペニスにぴったり締め付けるような感じが見て取れる。その感触は彼女に想像がつかないものだった。そもそも股間にあんな長くて太い棒状の組織がついてる感覚なんて想像できない。今は男の子のつもりでいるがどんなに役作りをしてもそこにある身体感覚は知ることができない。ただ言えるのは、これまで女性の体で興奮してきたのと同じだけ、自分にはない、自分と違う男性の身体の各部に興奮を覚えてるということだ。早くペニスを太ももで挟みたいし、胸の筋肉にほおで触れたかった。

セラピストは続けて手に満遍なくローションを塗った。そして彼女の太ももの間に手を差し込んでそれを塗っていく。男性の方か大きな手の感触が太ももの内側を滑っていく。そこは彼女の性感帯でもある。それはセラピストからもレズ風俗の嬢たちからも愛撫されて知っている。少しずつ感じてきた。股の割れ目の中にあるピンクの女性器にムズムズする感覚が広がる。待ちきれなかった。

セラピストは彼女の太ももの間から手を離すと腰を彼女に近づけて太ももの間にペニスを差し込んだ。そして前後に出し入れする。硬い感触が彼女の太ももを刺激する。手に比べれば刺激する面積が小さい分、感覚は小さいがそれが憧れにも似た感情を持つ自分にはない器官であることの興奮が気持ちよさをもたらす。湧き上がる性欲が気持ちよさを運んでくる。そして彼女はロールプレイに徹する為、男性の好きなFTMならこのシチュエーションで考えるであろう自分にもちんちんがあってそれが刺激されて勃起する感覚を夢想した。彼女のクリトリスも勃起するが勃起するという感覚はない。それは想像でしかないし朧げだが考えると興奮した。女の身体の僕が男同士で愛し合う、その空想はとてもエッチだった。

彼女が弱い性感を男性のちんちんの存在に興奮しながら味わって興奮していると、セラピストが突然太ももからちんちんを抜いた。イったのかと彼女は思ったが、落下したままだったしコンドーム先端の液だまりに白い液体はなかった。彼女は困惑して様子を見ていると、セラピストは彼女を優しく押し倒した。何が起こるのかと彼女は不安になりながらキョロキョロと目を泳がせる。

セラピストは左手で彼女を抱き寄せた。そして、右手を彼女のちょんちょんに伸ばす。割れ目に指を埋めて中の様子を探り始める。そして、手の動きが変わった時、強めの性感が股間に走った。セラピストはクリトリスを指で刺激し始めた。

「あぁっ!」

彼女は思わず声を上げた。

「今日はきちんとイかせてあげるからな」

セラピストは今日はイって欲しいと言っていた。性感帯とは言え太ももではイクのは無理だ。だから一番感じる部分を触ってくれるのだろう。クリトリスはほぼ毎日オナニーで刺激してるが、セラピストがいじる感覚は普段自分でしていたり過去にレズ風俗の嬢にいじられた時とは違った。とにかく刺激が強い。指先の皮膚や筋肉の硬さもあるが、動きが力強い。馬力のある動きで刺激されてしかも速度が速い。これは男性の筋肉の成せるものだろう。声を出すのを我慢できない。

「兄さん、マッサージ無しなんだね」

彼女は性感に思考を邪魔されながらも必死にロールプレイを続け、疑問をぶつけた。大陰唇マッサージは気持ちよかったし、必ずするものだと思ったからたま。

「それは女の子にする事だからな。お前の股間で一番男の子な部分はここだろ?」

「え?」

「男なんだから女にする事はしないよ。一応、お前のちんこだろ?」

「そ、そうだね」

ペニスとクリトリスは解剖学的に相当する器官だ。それは股間を始めて開いてみた時に調べたサイトで知ってはいたが、こうしてロールプレイとはいえ男の子として扱われて、「お前のちんこ」と言われると興奮した。今彼女は女性の身体を持って生まれて男性の身体になることを望みながら男性である兄を愛する一人の男の子だ。股間が割れ目だから男じゃない事を悩みながら愛する兄に割れ目の中にある突起を自分のちんちんだと言ってくれた。男の子として見てくれた上で恋愛対象として見てくれる。すごくエッチなシチュエーションに感じた。ただクリトリスを触られるよりもずっと気持ちよくなれる。

夢中で男の子としてクリトリスあらためちんちんを刺激されていたら、そんなに時間がかからずにイってしまった。クリトリスの下の中の方、膣にピクつく感覚がして、連動して全身が跳ねた。これまでいじったりいじられたりした中でクリトリスに感じた快感で一番大きなものが彼女の身体の中で炸裂した。男の人の手はすごい。指の根本から、その先の手首からの強い馬力でセラピストの指先が彼女のクリトリスを刺激した。しかも、その手つきは力強くも繊細だ。その繊細さは多分、彼女に彼氏がいたら同じようにしてもらえないだろう。プロの技なのではないかと思った。彼女は放心して天井を見ていた。何か温かい液体に漂うような感覚が身体を支配していた。

「はぁ……。はぁ……」

彼女は少し乱れた息で深呼吸をした。腰に力が入らないがなんとか起き上がった。そこにはセラピストが満足そうな顔で見ていた。

「兄さん、僕のちんちんどうだった?」

はっきりしない頭で彼女はロールプレイを続けた。この後、男の子としてやりたい事がある。土台の役柄である、処女の女子大生にはまだ戻るわけにはいかない。知りたい事があるのだ。

「可愛かったよ。ちっちゃくて、まだ射精をしない幼いちんこだった」

これはFTMのお客さんにも同じ事を言っているんだろうか。小さくて可愛いはともかく、身体が女なんだからどうやったって射精なんかしない。それともちんちんをつける手術をしたら精子のない液体が出たりするようになるんだろうか。

「どうせちっちゃいよ。本当はちんちんじゃないし」

「一応、男性ホルモンを打てば人によっては子どものちんこくらいには育つんだぞ」

「そうなの?」

「ああ」

多分、FTMのお客さんのクリトリスもそうなんだろう。でも器具を使ってるという事は先端におしっこの穴がないのは変わらない。男女の身体の違いはやっぱりついて回る。

「じゃあ、僕にちんちんが付いた日のために練習したいな」

「練習?」

「僕はイったけど兄さんはまだでしょ? ぼくにちんちんを触らせてよ。イカせたい。射精するところを見てみたい」

セラピストはそう言った後、自分のちんちんをじっと見る彼女の様子を見てから立ち上がった。もしかしてNGだったかと不安になったが、セラピストは鞄から新しいコンドームを出して付けてまたベッドに座った。

「手コキしてくれるのか。嬉しいよ。やり方わかるか?」

「分からない。僕の指で撫でるけど、大きさ的にそうじゃないよね?」

彼女は男性がペニスを握って手を上下させるのを知っていたがセラピストの説明が聞きたいのと、ちんちんのない弟として可愛く振る舞いたい事から知らないふりをした。

「じゃあ、教えてやるから俺のをこうして握ってみて」

セラピストは頭を撫でた後、ペニスを握って手本を見てた。そして、彼女の手を取り「こうやるんだよ」と握り方を教えてもらった。人差し指が亀頭と陰茎の繋ぎ目あたりになる位置を握る形だ。つまんだら撫でたりは前回に経験したが、こうして握るのは初めてだ。勃起したペニスの小刻みな揺れは握ると収まった。あの小刻みな揺れは動脈によるもので握るとドクドクとその感触を味わえると思ったがどうやら違うらしい。表面に浮き出る静脈からそんな連想をしたが、案外大人しいものだった。

「こうやって上下に動かすんだ」

セラピストは握るジェスチャーをして手をシェイクするように上下に動かす動作をした。

「こう?」

「もっと強く握っていいよ」

「こうかな?」

「もっと」

「このくらい?」

「うん。心配になるくらい強くで大丈夫だから」

女の握力だから力が足りないのかもしれないと彼女は思った。そしてデリケートな部分だから強い力を入れることへの抵抗もあった。だが、セラピストの反応を見ると女の力は強すぎると思っても足りないし、ペニスはクリトリスより丈夫で鈍感なんだろうと思った。大陰唇に挟まれている粘膜で覆われた突起より、股間に直接生えている皮膚で覆われた突起の方が想像以上に丈夫なんだろう。

「男の子だろ? もっと思い切りなよ」

ロールプレイの役柄に沿ってセラピストは言う。多分、男性が好きなFTMなら彼氏のちんちんをいじる時にこう言われるだろう。その自分の性自認に対して倒錯した言葉と自分にない器官を触る事があったに感じて彼女は思い切り力を入れて握り、上下に手を動かした。指の内側に亀頭の凹凸を感じながらその硬く弾力のある感触を味わいながら夢中で動かした。

「いいぞ。その調子だ。そのまま続けて」

彼女は腕の疲れを感じたがそれを跳ね除けて手を動かし続けた。男の人はこんなふうに気持ちよくなるのかと彼女は考え、それが大変そうに思えた。指先だけ動かせばいいクリトリスとは違う。手も腕もフル活用して刺激しなければならない。彼女は慣れてきて少し余裕のできた頭で、映画の脚本で自分の演じる少年が思いを寄せる少女の事を考えて悩むシーンを思い出した。あのシーンはおそらくオナニーをしたのだろうと思った。今まで好きな人のことを考える切なさ程度にしか思っていなかったが、気持ちよさをちんちんに感じながら胸で切なさを感じているのだと考えた。そして、手の疲れもそれに伴っているのだろう。これはこうして男の人にちんちんを触らせて、いや、男の人の身体ににエッチなことをさせて貰わなければ分からなかったことだ。この手の疲れを知らずに男の子のひとりエッチを解ることはできないはずだ。これは家でクリトリスをいくらいじっても分からない。でも、協力者を得られれば見る事のできる景色だ。それを見つけた。

次の瞬間、ちんちんを握る手にドクドクという脈打つ感覚が伝わった。彼女は手を動かし続けながらちんちんをじっと見た。

「あっ……」

セラピストが反射的にといった感じで小さな声を出す。次の瞬間、ちんちんの先端から白い液体が出て、コンドームの中に広がって行った。これは前回も見たことがある。この現象は射精でこの液体は精子だ。

「えっ?」

彼女は驚いて声を上げた。液体が出終わって脈打ちが止まるとすごいスピードでちんちんが縮み始めた。

「手、どけて」

セラピストはちんちんの方に手を差し出し、彼女は少し驚いてちんちんから手を離した。セラピストは右手でコンドームの端を伸ばして左手でティッシュの箱を取った。そして、ティッシュを何枚か鷲掴みにした。

「手や身体についたら良くないから、少し離れてね」

「は、はい」

彼女は冷静に言うセラピストの言葉に戸惑いながら少し後ろに下がった。その際の返事は思わず素に戻っていた。

セラピストはコンドームを引っ張ってペニスから外すと、鷲掴みにしたティッシュの半分で包んだ。そしてもう半分でちんちんにトントンと当てるようにして拭き始めた。

前回も思ったが、イった時におしっこの穴から何かが出るというのは女である彼女には不思議だった。この射精を見たくてちんちんを弄らせてもらったのだが、男の身体が未知のものであり彼女には理解しきれないものである事を思い知らされた。今はFTMの弟という設定で兄を演じるセラピストの精子の後片付けを見ているが、彼女が本当にFTMだったらその事をどのように考えるのかを考えた。完全に男になる事が出来ない事に落ち込むか、愛する人の性的な部分を見て無邪気に興奮するかそれとももっと別のことを考えるか。少なくとも彼女は既に精子が出る身体になっているであろう年齢の少年を演じる難しさを突きつけられていた。例えば、少年がオナニーでイク時に手で感じるものは経験できた。でも、あのドクドクという感触はちんちんではどんなふうに感じるのか。そもそもちんちんがついてる感触すら知ることのできない彼女には知りようがなかった。

「精子、珍しいよな」

「そりゃあ、僕は出せないからね」

「大人になっても無理だもんな」

セラピストはウェットティッシュを出して手を拭くと彼女のちょんちょんを撫でた。

「俺の弟は付いてるものが小さいから」

「先っぽにおしっこの穴もないしね」

「それでもお前はちゃんと男の子だよ」

「本当に?」

「股間が割れ目でも振る舞いはちゃんと男の子だから」

彼女はその言葉にハッとした。これはどういう意味なのだろうか。「もし僕の今日の振る舞いのことを本当にそう言ってくれてるなら」と考え、もしそうなら男性から見て違和感のない少年の演技が出来てるのかと思った。

正直、イった後のちょんちょんを撫でたり摘まれて感じてしまうので深くは考えられないが、自信につながりそうな言葉だと思った。お兄さんは本当に男性になろうとしてるFTMの人を知っている。その人がリップサービスでなく言ってるなら役作りは出来ているのかもしれない。

「よし、シャワー浴びて帰る準備するか」

「うんっ!」

浴室に行くとセラピストが先に浴槽に入ってちんちんを洗って十分に精子を洗い流した後、彼女も入って身体を洗ってもらった。その際に割れ目の中も触られて少し感じた。イった後の女性器はいつもより格段に感じやすい。すでにある程度性感が続いてるところに触られるのだから当然だ。

そして、お互いに服を着てホテルをチェックアウトした。

 

「もしかして、疲れてます?」

帰り道に元のボーイッシュな女子大生に戻った彼女はふと気になることをセラピストに聞いた。イったあとのセラピストは前回もそうだが怠そうで少し機嫌が悪そうに見えたからだ。気のせいだといいのだが。

「少しはね。挿入してなくてもエッチって体力使うし」

「そうですか。少し、気持ちの面で疲れてるように見えたんですけど……」

セラピストは彼女のその言葉を聞いて合点がいったような表情を見せた。彼女はその様子の意味がわからなくて不安になった。

「いや、これね、賢者タイムだよ。賢者タイムってわかるかな?」

「いえ、初めて聞きました」

「男ってイくと性欲が急激になくなって、すごい覚めた気分になるんだ。一応、お客さんの前では分からないように振る舞ってるけど、◯くん演劇やってるんだもんね。バレたか」

彼女は想像もしてなかった話が飛び出したことに驚愕したが、その説明を聞いてセラピストの状況を理解した。賢者タイムなんて初耳だが、性欲が急激になくなったのならあの冷たい感じのする表情は理解できる。

「俺もこの仕事やってるからフリはできるんだけど、賢者タイムになるとエロい事が全部不快に思うようになってさ。今はその時間も短くなったし慣れたけど、童貞捨てたばかりの頃は彼女への態度が冷たくなってよく怒らせてたよ」

彼女は急激に性欲が冷めるというのがどんな感じか想像できなかったが、いつもオナニーをした後に楽しんでる長い時間をかけてゆっくり弱くなっていく性感の余韻を味わいながらエッチな妄想に浸るのが男の人にはない事に少し残念そうに思えた。だが、自分が賢者タイムというものを経験できないように男の人もあの性感の水面に浮かぶような柔らかな感覚を経験できないのだから残念という感情はないのだろうと思った。そして、そんな性欲の強制終了の後にも大事なところを触ってエッチなおまけ行為をしてくれた事に感謝の気持ちも湧いてきた。エッチなサービスをするのは多分、男の人には特有の大変さがあるのだろう。

「ごめんなさい、僕、知らなくて」

「◯くんは、少なくとも身体は女の子だから知りようがないよ。知識として知ってる人は多いけど、ちゃんとわかってる人もほとんどいないしね」

「そう、なんですね」

「FTMのお客さんも最初の頃は賢者タイムの事話して驚いてたよ。ホルモン治療して自分もなるようになった時は嬉しそうに報告してくれたけどね。そんな嬉しいのかと俺はむしろそれに驚いたけど」

彼女はなんとなくそのFTMのお客さんの気持ちはわかる気がした。自分は女だが、少年を演じるために男性のことをたくさん知って、男の子に間違われるようになるまで振る舞いや考え方や身につける努力をしてきて、自分も今知ったばかりの賢者タイムは知りたいし経験したいと思った。特に切実に男になりたいFTMの人が女であることを突きつけられる女性器でのオナニーで男性である証拠を経験できたら喜びもひとしおだろう。一番の男性としての証拠である射精をどうやっても経験できないのだから余計に。それはFTMとしてセラピストに抱かれる時の心境を真剣に考えながらエッチをしていた彼女にはその何分の一程度だろうが気持ちがわかった気がした。

「嬉しかったでしょうね。僕も本物のFTMでなら初めての賢者タイム、すごい喜ぶと思います。特に男の人を好きなら射精を見て完全な男になれないの思い知るでしょうから」

切ない気分になりながら彼女は言った。セラピストはその様子に何か納得した様子を見せた。

「◯くんは優しな」

ホテルの前での立ち話だったが、セラピストに促されて歩き出した。

「これから駅に向かってくけど、少し時間ある?」

「はい、帰って寝るだけですから」

「尿意は?」

「あまりないですね」

「そこにチェーンのカフェがあるからお茶していこうよ。それから駅で別れる前に連れションしよう」

「はい。ぜひ」

彼女はセラピストと一緒に低価格で知られるチェーンのカフェに行った。茶代はお互いに支払う形になった。彼女は世話になったし公園で会ったときの借りもあるので払おうとしたが、今は勤務中でお客と料金以外のお金のやり取りは禁じられているとのことでお互いに自分の分を払うことになった。お互い、尿意が早く来るようにブラックコーヒーを頼んでその利尿作用に頼ることにした。

その間、彼女とセラピストは他愛もない話をした。セラピストが言うには男性と交際経験がなくてその状況を変えたいお客さんに別料金で今こうしてお茶をするように出かけてデートの練習をする事もあるらしい。彼女自身もデートというものは経験がない。そもそも片思いすら経験がない。もしかしたらそれらしき感情は先輩に対して持っていたがそれが恋なのかはよくわからなかったし、気持ちの整理も短い時間についた。まだ男性と女性どちらが好きなのか分かっていない彼女だが、今いるカフェでのセラピストのスマートなエスコートを見てデートの練習をお願いするのもいいかなと思った。男性とデートする際にエスコートされるのも、女性とするときにはエスコートする側とされる側のどちらになるのかわからないがどちらにしてもデートというものがどんなものか分かっていない彼女にはいい勉強になるだろう。そういう気にさせてしまうセラピストは結構、商売上手なのだろう。

1時間位話しただろうか。「◯くん」呼びで女の子扱いされるという妙な会話を切り上げて彼女とセラピストは店を出ることにした。そしてまっすぐ駅に向かい、その改札の外のあるトイレに行った。このトイレは駅ビルの入り口付近にある駅ビルが閉店する夜間になると使う人の少なくなるトイレだ。中に入ると先客はおらず彼女とセラピスト二人きりだ。当たり前のように男子トイレにいる。

「道具は持ってきてるんだよね?」

「はい。一応、常に持ち歩いてます」

「それじゃあ、大丈夫だ」

二人は便器の前に立つ。セラピストは社会の窓からペニスを出す。彼女はカバンから出しておいた立ちション器具を社会の窓から股間に差し込む。ふたりとも同じくらいのタイミングで放尿を始めた。

「今日のロールプレイ、すごかったね」

尿を出しながらセラピストは彼女の方を向いて言う。

「すごい、ですか?」

「本当に男の子みたいだった。元々◯くんはボーイッシュだけど、女の子の要素が完全になくて少年そのものだったよ」

「それはよかったです」

「実は役者だってのは本当なのかなって思ってたんだけど、あれを見て本物だと思った」

「ありがとうございます。照れるけど嬉しいです」

そこで二人は息をついた。ちょうど尿を出し終わったところだ。セラピストはペニスをパンツの中にしまい、彼女は立ちション器具を外した。そのまま手洗い場に向かい、彼女は周囲に人が居ないか警戒しながらまず立ちション器具を洗ってからそれをしまい、それから手を洗った。セラピストは普通に手を洗った。

「よし、行こうか」

セラピストに促されて改札まで歩いた。

「さっきの続きだけど、もしかして◯くんってプロを目指してたりする?」

「え?」

「いや、演劇とか詳しいわけじゃないけど、知り合いにやってるやつもいてそいつとかと段違いだったから」

「あ、いえ、ただの大学の演劇研究会ですよ」

「それって強豪だったりする?」

「いえ、本当に小さなところで……」

彼女は嘘をついている。今回がデビューになるがもうすぐクランクインする映画でプロデビューする。だが、守秘義務もあるし映画の主演女優が風俗を使ってるというのも何かと知られると面倒だと思ったから言うわけにいかない。演劇ではなく映画だが、会社が小さい所というのは本当だしついこの間まで数十人規模の小劇場で商業ベースに乗らない演劇をしていたから間違っては居ない。

「そっか。男の子の役をやるってのはもう終わったの?」

「いえ、これからで」

「大学でやるから流石に呼んでとは言いづらいな」

「ですよね……」彼女は気まずそうに言った。

「今度さ、どこかの劇場でやったりするときはチケットを売ってくれるかな。今日の◯くんのなりきりっぷりを見ると舞台に立ってるところも見てみたいよ」

「ありがとうございます。大学の外でやるときはお知らせします」

「ありがとう。じゃあ、またエッチしたくなったりデートの練習をしたくなったら予約して。◯くんならいつでも歓迎だよ」

「はい、是非」

「演劇頑張ってね」

「はい、がんばります。それじゃあ、これで失礼します」

「またね」

彼女は会釈をして改札を抜けて自分の家に向かう路線に歩いていった。

電車を待ちながら映画ができたらセラピストに見てもらいたいなと思った。そう考えながら、夢のように思えたエッチな時間の終わりを電車の来る音と共に迎えた。

 

家に帰ってから改めてシャワーを浴び直し、いつも通り全裸になった。

今日はクランクイン直前の緊張感とリハーサルの疲れを癒やすために仕事帰りに風俗を利用したがとしても充実した日になった。

男の子を演じて男性とエッチするという体験から明確に立ちションや射精を見せてもらって改めて男性が自分と違う生き物であるということを思い知った。そんな中で少年を演じる上で役作りのラストスパートにもっと作り込める部分を発見してやる気も出た。ペニスの感触、射精の際の脈打つ感覚、賢者タイム、彼女の演じる少年が多感な時期に性の目覚めに悩みながら見える景色はまだまだ再考の余地がある。三週間後のクランクインまでにそれを作り込めるかどうかの努力をしていかなければならない。時間がないのに気が遠くなるような気持ちだった。

だが、セラピストに言われた「少年そのもの」という言葉はそんな緊張を強いられる時期だけに嬉しかった。素人の意見だと言えばそれまでだが、観客の立場になる人からの素直な意見であることは確かだろう。特にあのセラピストはFTMのお客さんも相手にしている。話の内容からするに男性ホルモンを打って男性として生活している人なのだろう。そんな人を知るセラピストから見ての少年そのものの言葉は自信につながった。

もっと色々なことを考えたいところだが、仕事をしてエッチして演技してでかなり疲れていた。それに男性の身体のエッチさをたっぷり味わったから、イッたあとにも気持ちよくなれる女性の身体を楽しみたい気分でもある。賢者タイムなんてものを知ったら自分の性感が続く女性の身体に対する満足のようなものを感じるようになっていた。今日はオナニーをして寝ることにしよう。

彼女は明かりを消して布団に潜り、クリトリスを触り始めた。目を瞑りセラピストのちんちんや筋肉を思い出しながら指先を激しく動かした。暗闇と静けさの中、今日はイッたあとにもオナニーを続ける事に挑戦して眠ってしまうまでそれを継続するつもりだ。男の子をたくさんやったので今日の残りは女の子であることを楽しもうと思った。

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