すっかり仲の良い夫婦のような雰囲気すら見せるカップルとなった二人は、デートのあと、あやしくエッチなお城へと足を踏み入れる。
『ねぇたける、あたし達付き合ってもう2ヶ月くらいだしさ、例のお城行ってみようよ。そこなら、ボンデージも手袋も持ち込み放題だよ。広いっていうし。』
学校の帰り道、すっかりエッチなことに興味津々な麻衣はやけに張り切って提案してきた。
『俺は別にいいけど、そこ、本当に魅力的なホテルなのか?心霊スポット的な廃ホテルだろ?』
『あたしに青姦趣味なんてないわよ。たけるはホテル事情調べてないんだねぇ。今どきのホテルっていろんなシチュエーションで楽しめるコンセプトルームなるものがあって、お姫様気分を味わえたり、電車風の痴漢ごっこだって出来ちゃったりするんだから。料金がそれでいて格安なの。』
こいつ、やけに詳しいな。ギャップに萌えて仕方がないのでここは少し意地悪してみるか。
『麻衣さん。今まで彼氏いたこともなかったしスケベなことなんて全然知らないわ〜、とかつい最近までツンツンしてませんでしたっけ…………。』
図星だったのだろう。夏日に焼けたほんのりとした小麦色の肌が恥じらいで赤くなり、少しミステリアスで官能的な若干吊り目がちの幅広二重瞼を大きく見開くと、元チアのあの娘は咄嗟に口を開いた。
『た、たけるの為にここ最近ネットで研究してたんだから……!!あたし、たけるじゃないとエッチな気分になれない……から…………♡』
『そこまで言えだなんて言ってないよ。解ってるし。じゃあ明日から連休だし、お城いってみよっか。趣味のコスチュームも沢山試しちゃうからな、麻衣で♪』
『もうっ、あたしはたけるの着せ替え人形さんだから、ちゃんと愛でてね♡』
恥ずかしがるあまり少し目線を逸らしながらも官能的なオーラを醸し出し微笑むお人形のような美少女はたった一人そこに竚んでいるだけで、この寂れた過疎地域の公園を魅力的なものにしているとすら感じられた。こんな娘と、ついに………
そんなことを考えるだけで、たけるの心は熱くなり、男根様も健やかに固くなるのであった。
『あんた、麻衣ちゃんと明日デートするのかい?』
『ああ。煉獄熟女観に行ったり、買い物したり。』
『あんた少し明るくなったわよね。そりゃそうよね、あんなお人形さんみたいに綺麗な彼女いるんだもの。でも避妊はきちんとしなさいよ。今孫なんて出来たら困りますから!あと、8時までには帰ってきなさいね。』
『はーい。』
『あー将来楽しみ楽しみ♪』
母さんはうぶ故に無意識のうちに質問攻めにしてくるので、ちょっと恥ずかしい。けれども俺と麻衣の恋愛関係を誰よりも喜んでくれている大切な人間であることは確かだ。勿論、フェチプレイをしていることは流石に知らないし俺からも言えないが。
翌日午前11時台半ばごろ。
『おっはよーたける♪』
猛暑が凄まじい夏の休日、白いノースリーブブラウスに紺色のホットパンツにサンダルという、なんとも夏らしい私服姿で麻衣は現れた。
『ずっと見たかった映画だし、思い切って飛びきりおしゃれしてきちゃったんだ♪映画見て、その後は〜♡』
白いノースリーブブラウスが汗で透け、黒いサルートに包まれたFの肉まんの自己主張が悩ましい麻衣の身体。映画が頭に入ってくるかどうか非常に不安になる程、情欲を誘ってくるように見える。
『あー、怖かった。煉獄熟女アニメの頃からファンだからさぁ。再現度の高さにもう感激ッ!』
『意外とアニヲタだったんだね、麻衣。』
『煉獄熟女とSOCIO-PASSだけは全部見てるもん。』
本気のオタクであるたけるからすれば、私のアニヲタ知識なんて微々たるものだろうけどそんなのでも微笑みながら話を合わせてくれるのは本当にありがたい。正直こんなに優しい人だなんて、昔は解らなかった。入学式のときも、若干怖そうな寂しそうな感じに見えたし。叶うなら一生、寄り添って生きていきたいなぁ、いっそのこともう赤ちゃん出来たとしてもいいなぁ。
『きゃっ。』
考え事しながら歩いていたせいか躓いて体制を崩し、たけるの背中に胸が密着してしまった。
『大丈夫?』
『ごめん、考え事してた。』
何バカなこと考えてるんだろう。私。そうこうしているうちに私達二人は、夢の城と呼ばれている大きなデザイナーズラブホの前に辿り着いた。
『着いたね。あ、コスチューム、どんなの持ってきたの?』
『性癖全開のコスチュームばかりだけど、許してくれるか?』
お城の前で、恥ずかしそうにしながら尋ねてくる愛しの同級生。付き合って2ヶ月、いろんな手袋で調教してあげたし、今更びっくりしないのに。気遣ってくれるなんて本当に可愛い。
『180分、お姫様ルームでお願いします。』
麻衣は料金8700円を支払うと、たけるの手を握り速やかに部屋へと入っていった。
ジャアアアアアアッ
くちゅっ、ぷちゅっ、くちゅっ、くちゅっ、ぷちゅっ、ぷちゅっ
『たける………♡ああん………♡お風呂の中で逝っちゃう♡』
…………………お風呂の中での濃厚すぎる前戯を済ませたあと、満を持して麻衣にコスプレを着てもらう運びとなった。
『素敵じゃん、エナメルのボンデージと黒手袋だなんて。』
テカテカした光沢が眩しいエナメル製のボンデージに、フェイクレザー製、レース製、ナイロンサテン製の手袋3双をうっとりと眺めながら、麻衣は少女のような、それでいてほんのり大人の女性のような微笑を浮かべると、目線をたけるの方へと移す。
『図書室以来久々ね。こういうコスプレプレイ♪』
手袋越しでもあったかいの、わかるよ……?
あたしもあっつくなっちゃった
たけるは人生初めてのフェチプレイの感傷に浸りながら、見せつけるようにボンデージを身にまとっていく麻衣の姿を見つめていた。
『じゃあ手始めにこの黒いサテンの手袋で、気持ち良くしてあげるね。』
ツルツルテカテカとした光沢が眼を引くボンデージと、上品な光沢の黒いナイロンサテングローブにその身を包み、スタイルの良さがより一層強調された麻衣の姿は、まるでアニメやゲームの世界からそのまま出てきたかのようだ。こんな自分を甘やかしてくれて性癖も受け入れてくれて面倒見の良い綺麗な愛人形、今から3時間この娘をどっぷり好き放題出来ると妄想するだけで、局部に込められる力が強まっていく快楽に、拗らせ男子高校生は悶えるのであった。