俺がハーレム主人公をヤるためだけの世界 作:アウグスティンティン
あれからも毎日のように早朝の特訓は続いて、流石は原作主人公というべきか、素晴らしい速度で成長していった。
まだまだフェイトの方が強いが、そう遠くない内に並ぶことになるだろう。
一緒にジュエルシードも一つ回収した。
ちょっと早い気もしなくもないが、まあいいだろう。アニメからしてわりとハードスケジュールだしな。
フェイトに渡さず持っていたジュエルシードの封印を解いて、あとはこれを適当な誰かに渡して暴走させるか。だーれがいいかなーっと。
一般人に渡しても、サッカーのガキとかが大惨事にしてたからな。目的意識さえ強ければ誰でもいい節はあるが。
でもこう……やっぱ派手にやってほしいよな。
せっかく原作主人公とオリ主とが仲良くなるエピソードを始めようってんだし、敵にもそれなりの面白味が欲しい。
いい感じに俺のことを敵視してて、力のある奴、例えば俺にヒロイン取られて逆恨みしてる他の転生者とかいればよかったんだが、分かりやすく突っかかってきた奴はもうみんなこの世界にいないからな。
今頃、どっか他のアニメの世界で楽しくやってることだろう。
しかしそれ以外となると……うーん、あ、いいこと思いついた。
■◆■
前言撤回。ちょっとやり過ぎだったかもしんねぇ。
バリアー貼って、体ごと倒して斜めに攻撃を受ける。
俺がこんなことしなくちゃいけないくらい困っている。
三対六枚の翼を持った無貌の天使。見上げるほど巨大なコレが何かってーと、はやてだ。
端から単騎でやる気はなかったが、これは俺一人では厳しいな。適当にやり過ごしながら、なのは達が来るの待つか。
てなわけてわかりやすく結界を貼って、はやての相手をすること数分。慌てふためいた感じでなのは一行がやってきた。
「なんだこいつは! こんなのいなかったはず──くっ」
転生者の奴が思わずといった風に口走る。
かなり苦戦はしているようだが瞬殺されるほど弱かったりはしないみたいだ。
で、防御魔法での防戦一方に追い込まれていたなのはに向かってそいつが言う。
「なのは! こいつは危険だ、下がってろ!」
おお、言った言った。
予想していた俺が守る、ではなかったけどそんな感じのことを言ったわ。
これを言ってくれそうだったから、殺さずに生かしておいたんだ。
なのはが言われた通りに下がって、それからもうしばらくかな。後もう少し苦戦する様子を見せてから。
……。よし、もういいか。
「なのは! 頼む、手を貸してくれ!」
「え」
「封印するには一人の魔力じゃ足りない!」
「で、でもわたしじゃない方が」
「砲撃は俺達がツートップだ。お前とじゃなきゃ無理だ!」
「……、うん! わかった!」
「よし来た! 前衛は任せたぞ。こっちに攻撃を通すなよ」
てなわけでフェイト、アルフ、転生者の奴が壁をやっている後ろで砲撃魔法をチャージして、何事もなく撃ち抜いて解決した。
■◆■
「やったな、なのは」
「うん、ありがとう。あっ、流星くん! どうだったかな……わたし上手にできてたかな?」
転生者の奴との会話もそこそこにこちらへと話しかけてくる。
「ああ、これ以上ないってくらいにな」
高町なのはは明るく元気な女の子主人公の典型例。ではなくそれを演じているだけというキャラクターだ。
幼少期のトラウマから自己肯定感が低く、愛情に飢え、周りに褒められるために明るく振る舞っているという人物像。……なんかはやてといい、フェイトといい、みんなこんなんだな。
ともあれそんな彼女は原作では、異常な事態を解決できる唯一無二の魔導師として、魔法だけが自分の価値と思うレベルで魔法で承認欲求を満たしていた。
でもここでは違う。
なのはの力は特別じゃない。
満たされない、でも『いい子な高町なのは』はそんなことに文句は言わない。
だから俺がその承認欲求を満たしてやろう。
なのはより凄いフェイトより凄い俺が、真っ先になのはを頼りにしてやる。
自分より凄い奴が自分を頼ってくるのはさぞや心地よい、だろう。
■◆■
オマケ
下で気を失っていたはやてを回収中に目を覚ます。「なんやまた助けられた気がする」とぼんやりはやてが呟いたことで状況とか関係を聞かれて答えるうちに。
「家の玄関にな、宝石みたいなのが落ちとってん。それで拾ったら」
「玄関……?」
と、フェイトがこちらを見てくる。
俺は静止するように手のひらをフェイトに向けてから、左右のポケットに手を突っ込み、胸や尻ポケットにも手を当ててから呟く。
「やべ」
「お前のせいじゃねーか!」
「ま、誰にでもミスはあるもんだ。切り替えていこう」
「やらかした奴が言うセリフじゃねーぞ、それは!」