「わあ、オイラ――タケルのママになってるエレー!」
「エレッ!? エレッ!?」
お昼すぎの一軒家から、賑やかな声が響いてくる。
「えっへへ! よく分かんないけど、面白いエレ~!」
ロングヘアにエプロン姿の女性が満面の笑みで、両手を上に曲げ大股でポージング。
その横で、顔を真っ赤にしているエレブーが右往左往。
「わー、これ、おっぱいだぁ!」
「エッ、エレッ……!」
下を見たはずみに視界に入った膨らみを躊躇せずに掴み、大はしゃぎ。
それを見たエレブーは手を伸ばして止めようとしているようだが、ひらりとかわされてしまう。
「あっ、もしかして! オイラがタケルのママになったって事は、タケルのママはオイラになったって事エレ!?」
「エレッ、ブー!!!」
先に行くほど平たく大きな手を振り回し、短い足でドタドタと足踏みしながら声を上げ。
「えっへへへ、すごいすごーい! えーっと、入れ替わったって奴だエレ~! オイラがママで、ママがエレブーなんだエレ!」
「エッ、エレッ、エレェ!」
やたらと散らかった部屋の中、興奮している女性と慌てているエレブーのやり取りは続く。
「というか、なんでタケルのママがオイラを外に出しちゃったエレ? 今タケル、学校のはずエレ!」
胸を触る手を止めずに、首を傾げて元自分を覗き込む。
「エレッ、エレブッ、ブーッ!」
「あれぇ……? オイラ、ママになってるからかな? エレブーなのに、オイラになったママが何言ってんのか分かんないや!」
あっけらかんと言い放つママさんの発言に、エレブーは顔を曇らせてしまう。
「うーん、困ったエレ。おっぱい楽しいけど、そっちが困ってたらなんかつまんないエレ」
「え、エレぇ……」
母親からすると、息子のポケモンになったうえ、しかも目の前で自分の体が恥ずかしいことをしている状態。
なんとしてでも元に戻りたい……のだが、そもそもどうしてこうなったのかがわからない以上どうしようもない。
そもそも、息子の部屋が散らかっているので片付けようとしていたのだが……こうなっては、それすらも難しい気がしてきた。
「ね、ね、何してたエレ?」
ぬう、っと50cm以上ある身長差の見下ろし。
胸が気持ちいいのか、頬は若干赤く染まっていて……
「え、エレ! エレ!」
ヤケクソになって、あたりを指差す。
出しっぱなしのおもちゃ、机の上の文房具、ベッドの上。
「んー……?」
どうやら、意図を組もうとはしてくれているらしい。
手の動きが止まり、間の抜けた表情ながらも指さされた方向を見て。
「もしかして、お片付けエレ?」
「エレ、ブー!」
思わず体の本能に従って両手を上げながら、頭を縦に振る。
「そっか、そっかー! だから、モンスターボール触っちゃったエレね! じゃーあ、分かったエレ! オイラがママの体で、お片付けするエレ!」
「エ、エレェ!?」
大股でノシノシと歩き出した自分の体に思わず声をかける……が、もちろん出るのは鳴き声だ。
「んぇ? どうしたエレ?」
「エ、エレ、ブー、ブゥ……」
変な動きをされて怪我をしてほしくない……のだが、伝わるわけもなく。
「ん、ん、ん?」
眉間にしわを寄せ、顔を近づけられ。
「エ、エレェ、エーッ……」
できることならすぐにでも、ポケモンセンターなりに連絡をしたいのだが……エレブーの鳴き声ではいたずらと思われるのが関の山だろう。
そうしたいという事すら目の前にいる、自分であるはずの存在に伝えられないと言うのに。
「えーっとぉ……ママさんも一緒にお片付けするエレ?」
「エェ……」
少しズレている気がする。
「んー、そうエレね。いっつもママ、お片付けはタケルにすぐ怒るから……どこに何を置くか、教えてくれると助かるエレ!」
「ブゥ」
そんないつも怒鳴っているかしら、と考え込んでしまいそうになる。
が、それは戻ってからでもできること。
部屋が散らかっている事実は事実なので、それの解決をしたいのは確かであった。
「エェー……エッ、ブッ!」
物を指差し、置くべき場所を指示し。
「これを? ここ?」
「エッ、エッ……!」
指示がどうしても単純なので、なかなか思い通りにはいかない。
鉛筆の挿れる向きが逆だったり、置く場所が少しズレていたり。
手を伸ばして自分でやろうとしてみるが……うっかり太く大きな指のせいで、物を倒してしまう。
「わ、わ! ママ、おいらがやるエレ!」
慌てふためく自分の顔を見て、気まずさが増してしまい。
こんな部屋、いつもならものの数分でキッチリ片付けられるのだが……
「ようし、出来たエレー!」
「ブゥ……」
全く持って不満な出来ですら、30分はかかってしまったのであった。
「えへへ、ママのおかげで上手く出来たエレ! ありがとエレー!」
汗を拭いながらも、頭を撫でてくる。
「エッ……」
恥ずかしさのような、快感のような刺激に心が戸惑ってしまい。
思わず、一歩後ろに下がってしまう。
「あっ、そーだ! ごほーび、ごほーび!」
そう言いながら、突然母親の肉体のエレブーがしゃがみ込む。
ゆっくりとその手が伸び、腹に触れ。
「エレぇ?」
「タケルね、オイラがバトルとか頑張ったら、お腹をいい子いい子してくれるんだエレ!」
そう言いながら、ゆっくりと手が上下に動き始める。
「エッ、エッ!?」
想像を超える感覚に、思わず大きな鳴き声が漏れる。
「えへへ~、気持ちいいエレ? オイラも、だぁ~い好きだからよく自分で撫でてるエレぇ!」
感覚を思い出しているのか、こちらをうっとりとした顔で見てくる元自分。
「アッ、エッ、ブッ、ブゥ……!」
全く性的な意識でされているはずではないのに、頭の中に電流が走り、心が燃えるように熱くなり。
それでも、肉体がこの快感を求めているのか……まるで逃げる気にならないのだ。
「ママは偉いエレ、いっつもお片付けとかしてるエレ!」
「ブ、ブゥ……」
「えへへ、ママ、嬉しそうエレェ!」
「エ、エレェ」
相手の満面の笑みに、腹を撫でられる快感。
どこか母親は安堵感を覚えてしまい、徐々にその中に沈んでいくような……
「ただいまー!」
その時、息子の元気な声が響く。
「あっ、帰ってきたエレ!」
「エッ、エレッ!?」
急に現実に戻され、自分が今エレブーの姿だと言うことを思い出す。
息子にこんな恥ずかしい姿は見られたくない……はずなのに、体が勝手に玄関まで動いてしまい。
「あれ、エレブー? 外に出ちゃったの?」
「エ、エレ……」
自分でもどうしてここに来てしまったのか分からないせいで、もじもじするしか出来ず。
「まあいいや! エレブー、ただいまー!」
まだ小学一年生のタケルが、エレブーの頭を撫でる。
ほぼ同じ目線の存在に顔を覗き込まれ、頭を撫でられ。
「レッ、レェ♡」
自分にお腹を触られる以上の快感が一気に脳にあふれ、思わず表情がとろけてしまう。
「あれぇー、どうしたの今日は? 随分あまえんぼさんだなー!」
嬉しそうにニコニコしながら、今度は両手で頭をワシャワシャしてくる。
「エッ、エッ、ブゥ♡♡」
手が二つになったせいか、快感はますます増えていき。
ただでさえ短い足が震え、情けなく床にへたり込んでしまい……
「あ、おかえりエレ!」
「あ、ママ! ただいまー!」
そこに、大股でどすどすと母親の肉体のエレブーがやってくる。
「今日はどうだったエレー?」
「うん、学校楽しかったよ! ママは何してたの?」
「エッ、レッ……♡」
自分が母親だ、とアピールをしようとしたが……ワシャワシャしてくる手が、まるで脳内を直にかき混ぜているかのような快楽に気が散ってしまう。
「えーっとね、エレブーと一緒にタケルの部屋のお片付けしてたエレ!」
確かに、今の母親の精神はエレブーであり、エレブーの精神は母親であり。
エレブーとしては、自分と一緒に片付けをした、と言いたかったのだろう。
「えーっ! エレブー、僕のお部屋の掃除してくれてたの? ありがとー!」
すっ、と手が頭から引くのを名残惜しく感じた直後、その手が腹に当てられる感触。
そのまま、小さな手が腹の上で動き出し……
「エッ、アッ、ブッ、ブゥウウウん♡♡♡♡♡」
不意をつかれたせいで、母親はエレブーの肉体のまま絶頂しそうな声を上げてしまう。
「えへへ、そーんなに嬉しい?」
一方、中身が母親とはつゆ知らずタケルはエレブーのお腹をナデナデし続ける。
エレブーは体をビクつかせ、声も飛び飛びになっていき。
「あ、そうだエレ。今、ママとオイラ、入れ替わってるんだエレ!」
「えぇ? 入れ替わってる、ってなぁに?」
「エッ♡ エレェ♡♡♡」
手を止めず、タケルが聞き返す。
「うーんっと、オイラはエレブーなんだけど、今はタケルのママの体なんだエレェ!」
「えぇ? ママ、何言ってるのかよくわかんないよ?」
「ンッ♡♡ ブゥ、エッ、エレッ、レェエ♡♡♡♡♡」
「えーっと……今、タケルがナデナデしているエレブーの中は、ママだエレ!」
「え、え?」
ピタリ、と手が止まりやっとエレブーも嬌声が止まる。
息も絶え絶えで、今にもひんしになってしまいそうで……
「え、えーっと、ママ?」
「エ、レェ……」
顔を真っ赤にしながら、母親は息子の問いかけにゆっくりと頷くのであった。
「でも、エレブーすごいね! 普通に喋れるんだぁ!」
「エーレ! エレッ!」
「えっへへ、オイラもびっくりしてるんだよー!」
エレブーの体の母親が落ち着き、改めて三人で会話しているのだが。
無論、鳴き声しか出せないエレブーの肉体では参加できない母親。
怒っているアピールはしているのだが、エレブーの見た目では滑稽で可愛らしく見えるのが関の山。
一方、喋れるようになったポケモンと、そのトレーナーは話が弾む弾む。
「ねぇねぇ、おっぱいってすごいの?」
「うんうん、すっごいエレ! でも、タケルがナデナデしてくれる方がもっといいエレェ♡」
「えぇー、でも、ママのお腹ナデナデしたらママに怒られちゃうもん!」
「レッ! エレッ!」
「そうエレねぇ……さっきちょっと触ってみたけど、ママの体じゃお腹はそんなに気持ちよくなかったエレ」
「ママはエレブーの体なんだから、お腹気持ちいいんだよね!」
「エッ、レェン!?」
いきなり撫でられ、全身が引きつらんばかりに震え。
「あーいいなぁー! オイラも、片付け頑張ったからお腹ナデナデされたいエレェ!」
指をくわえ、羨ましそうにやり取りを見ているママの体のエレブー。
意外にも、人間の体にはそこまで執着がないようだ。
「じゃあ、元に戻る?」
「エッ♡ エレッ♡」
撫でられて悶絶している母親を気にもとめず、タケルが質問をする。
「うんうん、戻るエレー!」
両手を真上に上げ、無邪気に叫ぶ。
「ええっと……入れ替わりって、どうやったら戻るんだろ?」
「タケルは、入れ替わるのって知ってるエレ?」
「ンッ♡ ブゥ♡♡♡」
母親としては早くポケモンセンターに連絡してほしいのだが、頭の中は気持ちいいで一杯だ。
「あっ、そーだ! エレブー、ちょっと待っててね!」
タケルがダッシュで部屋に行き、すぐに戻ってくる。
持ってきたのは……漫画の単行本。
「エレ、いつもタケルが読んでるやつエレね」
「これにね……ほら!」
「ブゥ?」
母親もなんとか起き上がり、覗き込む。
そこには、頭をぶつけたはずみに少女とバシャーモが入れ替わってしまう話が描かれていた。
「最後にね、もう一度頭をぶつけたら戻ったんだよ!」
「わぁ、分かったエレ! オイラとママさんが頭ぶつけたら、戻るエレね!」
「うん、うん! ママ、やってみて!」
「エッ、レェ!?」
言われたものの、漫画と同じことで戻るはずもない。
そもそも、別に入れ替わった原因が頭をぶつけた事ではないのは一番良く知っているのである!
それでも、元自分とタケルはやる気満々!
「よーし、タケル! 命令して欲しいエレー!」
「わかった! エレブー、思いっきり頭突きだー!」
「エ、レ!?」
そんな気持ちとは裏腹に、息子の命令を聞いた瞬間体が勝手に動き――
鈍い音がして、二人は仲良く気を失う。
体力が尽きてしまったのか、エレブーは自動的にモンスターボールに戻ってしまい。
残ったのは、母親の体のみ。
「ママ、大丈夫?」
「う、ううん……」
頭を抑えつつ、体を起こし……
「あ、起きた起きた! ママ、戻れた?」
「ん、ええっと……あ、やったわ! 私の体だわ!」
自分の手を見て、服を見て、一安心。
「わーい、やったー!」
「もう、ひどい目にあっちゃったわ。ポケモンの体になっちゃうなんて……」
ブツブツ、と文句をいう母親をよそに、タケルの関心はもう一人に移動する。
「エレブーも戻ったのかな?」
「オイラはまだここだエレ! えっ、私、今!?」
勝手に動いた口を、慌てて手で抑える。
「んもう、ママったらまねっこ? 変なことしないでよぉ」
「え、えっと、そんなつもりはないんだけど」
また勝手に動くのでは、と警戒をするもその気配はない。
「あ、そうだ! どうしてママ、僕のお部屋掃除してたの?」
「そう、そうよ! タケル、ママいつも言ってるでしょ! お部屋はきれいにしなさいって。どうして言われたとおりに出来ないの!」
「えー、だってぇ」
「だって、じゃありません! ママ、大変だったのよ! いきなりエレブーの体になっちゃうし!」
本気のお叱りモードになった母親が、厳しい顔つきで怒鳴り始める。
「でも、エレブーは楽しそうだったでしょ?」
「それは、うん! オイラ、楽しかったエレー! えっ、ちょ、また!?」
「えっ、ママ、どうしたの!?」
「な、なんでもないわよ、そんな事より!」
「もしかしてエレブー、まだいるの?」
「うん、オイラはまだママの体エレ! ちょ、ちょっと、嘘でしょ!?」
「あれぇ、戻ってなかったんだ?」
「も、もう、タケル! そもそも、タケルがちゃんと片付けしていたらこんなことには……」
「んもう、ママの代わりにエレブーが喋ってよ!」
「分かったエレー! ちょ、勝手に、オイラとママは一緒だから、オイラ、ママのことは何でも分かっちゃうエレ! わ、私の体なのに、オイラのだもーん!」
なんと、母親の肉体には今二人の精神が宿ってしまっているのであった。
どうやら母親の精神はキチンと自分の肉体に戻ったようなのだが、エレブーの精神が居座ったままになっていたようである。
「ほんと? じゃあ、ママが今日何してたか教えて?」
「うん、思い出すエレ! 私のっ、今日はママ、デパートにケーキを買いに行ったエレ! ま、まだ私が、それでねー! やめなさっ、タケルの大好きなチーズケーキなのに、人の体でっ、冷蔵庫の奥にしまっちゃったんだよ! い、言わなくていいでしょ!?」
「へー、それでそれで?」
目の前で母親がトンチンカンに動き出し、タケルは面白くて仕方ない。
母親の顔は片側が母親の目つきと感情、その反対側がエレブーの目つきと感情をしておりコミカルな状態に。
「でもそれはね、こ、こらったら、実はね! やめなさっ、タケルが――」
「あ、そーだ! もっと面白く喋ってみて! エレブー、おっぱい好き?」
「うん! オイラ、おっぱいだーいすき! 私の声で、そんな事言わないで!」
「じゃーあ、おっぱい触りながら続き喋ってみてー!」
「こ、こら、タケッ、あんっ♡ えへへ、おっぱいおっぱい♡ いい加減に、ケーキの話なんだけどぉ、あっ♡ やっ、そこっ、んっ♡ えへへ、ママのおっぱいの弄り方真似するの、気持ちいいエレぇ♡ このっ、おっ♡ ケーキ、ケーキだけどぉ♡ この前、ママがイライラしてて、あーっ♡ 変にタケル叱っちゃったから、も、もう、それ、私ぃ♡ ごめんねって、ケーキ、あっ♡ 出すつもりで、しまっちゃったんだエレ♡ あっ、話し終わっちゃった、んっ、も、もう、わ、私の体で遊ばないで!」
指示された命令が終わり、母親だけの制御に戻る。
秘密をぶちまけられ、痴態も見せてしまい。
まあ、エレブーの体の時にさんざん喘いでしまったので今更でもあるのだが……
「あはは、ママ、面白かったよ!」
「もう、タケル! ふざけないの! ママはポケモンセンターに行って、なんとかしてもらいますからね!」
母親が怒りと恥ずかしさで顔を真っ赤にして、準備をしようとし始めたときであった。
「えー、エレブーが喋る方が面白いのにー!」
「えっへへ、じゃーあ、えっ、ちょっと、あっ!?」
母親の体がビクンと一瞬震え、こわばった表情が緩み。
「じゃーん! ママ、今日からエレブーの思いどおりに考えちゃうのよー!」
満面の笑みで、母親が息子に声をかける。
「えっ、どうなっちゃったの!?」
「えへへ、オイラが『ママもオイラの思ったとおりになったら良いのにな』って思ったら、一瞬でその通りになっちゃったのよ~、すごいでしょう?」
母親の精神が後から入った判定になっていたのか、強い権限を持つエレブーによって母親が完全に制御されてしまったようだ。
左右で目つきが違うものの、表情は楽しそうそのもの、一色であった。
「えー、すっごーい! エレブー、どう?」
「すっごく面白いエレ! そうよ、ママ、エレブーと同じ気持ちなんだもん! オイラがおっぱい触りたいと思うから、私もおっぱいもーみもみ♡ オイラ、タケル大好きだから、もちろん元から大好きだけど、私もタケルだ~いすき、うふふのふ♡」
片手で胸を揉みながら、優しく息子をハグして大はしゃぎ!
「あはは、変なの! じゃあ、ママがエレブーのポケモンになっちゃったんだ!」
「その通りエレ! でもそうね、私が人間なのに、オイラのポケモンって変だエレ! えへへ、もっと面白くしちゃうエレ、私はタケルのママ、じゃなくてエレブーなんだエレ~!!!」
一人で楽しそうに騒ぎ、ニヤニヤし。
「エレブー、今度は何したの?」
「えっへん! オイラはエレブーだけど、タケルのママなのよ! 私はママなのに、エレブーなんだエレ! これでもう、私はオイラのポケモンで問題ないんだエレ! タケル、オイラがママになるの、イヤかしら?」
「わぁ、すごい、すごーい! でも、そうなったらエレブーは僕の言う事、聞かなくなっちゃうの?」
「そんな事はないわよ! オイラはタケルのママの役割のエレブーってだけ! 私は、エレブーの役割のママだエレ! 私はオイラの言う事聞くエレ、オイラはタケルの言う事、聞いちゃうわよ!」
どんどんこじれていき、ますますおかしな状態になっていく。
「あはは、すごいすごーい! じゃあエレブー、戻りたくなるまでそうしててよ!」
「いいわよ、タケル! オイラ、気が済むまでママとして色々しちゃうわよ~! 私も、エレブーとしてオイラの手伝いするエレよ!」
ヘンテコな表情をしながら、同居した精神がデタラメになった母親が家事を再開するのであった。
「わーい、ママ、美味しいよ!」
「えっへん、オイラはママなんだから当然よ! 本当は私、ピーマン入れたかったエレ、でも美味しくないものを無理に食べるの、オイラ良くないと思うのよね、その通りエレ!」
タケルへの返答をしつつも、一人で会話をする母親。
食卓には美味しそうなオカズが並んでおり、仲良く食事が進んでいた。
「ママ、いっつもピーマン食べろっていうんだもん。栄養があるっていうのは分かるけどさー」
「うふふ、オイラ、っていうかママ、いっつもタケルのこと怒るけど、嫌いだからじゃないエレ! そうそう、大好きで、元気に育ってほしいからなのよ、でもやっぱり、私すぐカッとなっちゃうエレ、いっつもごめんって思ってるんだけど……」
「え、えっと、ピーマン、食べてみていい?」
「ん、え、無理しなくていいのよ、美味しくないエレよ?」
タケルのお願いに、母親は少し困惑し。
「食べられなかったら怒られるのイヤなんだけど……残しても、怒らない?」
「えへへ、オイラが食べてあげるから安心しなさい! そうエレ! 私の方がたくさん食べるから、ピーマン全部食べちゃうんだエレ!」
いつもと全く違う雰囲気に、タケルもどこか安心したように箸を伸ばす。
「んっ……」
神妙な面持ちで口の中にピーマンを運ぶ息子を、親トレーナーを、不安げに見守る。
「わ、に、苦いけど、たべれた!」
「わぁ、偉いわね! わ、私、すぐ怒っちゃうから怖かったエレね、うふふ、後で出すケーキの意味が増えちゃうわ、オイラ嬉しいわぁ、私も幸せエレェ!」
息子の成長を喜びつつ、自分の落ち度にも気づいてしまいつつ。
しかしながらも、今肉体を制御しているエレブーのおかげか……母親の罪悪感も、あっという間にどっちらけになってしまうのであった。
「はーい、ケーキの前にお風呂に入りましょうね、一緒に入るエレ?」
「え、いいの?」
息子が運んでくれた食器を受け取りつつ、母親が声をかける。
「うん、オイラにいっつも言ってるじゃないのよ、私とお風呂入りたいって」
「で、でも、この前おっぱい触っちゃって怒られちゃったから……」
好奇心旺盛の男の子、うっかり変なことをやらかしていたようで。
「えへへ、いいのよいいのよ! タケルにおっぱい触られたらオイラ、嬉しいわぁ♡ え、えっと、私、ビックリしちゃって、つい怒鳴っちゃって、悪かったエレ、でもでも、オイラと一緒で、私もタケルとお風呂に入りたいエレ!」
「あ、ありがと……」
やらかしてしまったことへの許しをもらえたのか、タケルは少しはにかんでお礼をいう。
「あっ、でも!」
が、母親の声に肩をすくめてしまい……
「これはオイラのおっぱいだから、まずはオイラが触るわよ? うふふ、私のおっぱい、オイラとタケル、どっちが気持ちいいか楽しみエレ~♡」
叱られるどころか、遊びのような話を持ちかけられ……キョトンとしつつも、タケルはどこかワクワクするのであった。
「はーい、ピーマン食べたご褒美と、おっぱい触るのうまかったボーナスポイントのケーキよ、あぁ、すごかったエレェ♡」
恍惚とした表情で、テーブルにそれぞれ違うケーキを並べる。
「でもママ、お腹はあんまりだったね」
「そうね、オイラは確かにお腹が気持ちいいんだけど……私の体、そういうわけじゃないエレ。残念エレ!」
「エレブーになっちゃったママはどうだったの?」
「私、実は、とっても気に入っちゃったんだエレ♡ あんなに気持ちよくなれるなら、すぐにでもなりたいエレ~♡ でもでも、オイラはおっぱいが好・き♡」
くねくね、と品を作りながら思い出した快楽にひたり。
「あはは、エレブーのお腹も、ママのおっぱいもどっちもあったらいいのね!」
「うふふ、そうね! オイラ、欲張っちゃうの大好きよ♡ 私も、エレブーみたいになっちゃいたいエレェ♡♡♡」
大はしゃぎの母親につられるように、タケルも楽しそうにケーキをつついている。
「ねぇねぇ、エレブー! ケーキ、半分ちょうだいよ!」
「だーめ! これは私の大好きなケーキエレよ! でもでも、タケルのケーキを半分くれるなら、あげちゃうわよ?」
「えー、くれないのー?」
怒られないのを理解したのか、甘えた声でおねだりをして。
「だってぇ、オイラだってケーキ食べたいのよ? 私だけ半分しか食べられないの、ちょっとさみしいエレ! だから、交換ならいいわよ? そうすれば、オイラもタケルの大好きなケーキ、食べられちゃうもの!」
決して叱りはせず、丁寧に理由を説明するエレブー。
「あ、そっか……エレブー、いっつも僕のおやつ食べたそうにしてたもんね。ごめん、ごめん! じゃあ、半分くれたら……僕のケーキ、ちょっと多くあげる!」
「あら、あら! いいのよ、気をつかわなくても!」
「だって、エレブー、僕より大きいでしょ? いっぱい食べたいかなって!」
そう言いながら、タケルはケーキを分けて差し出す。
「え、へへ、私、嬉しいエレぇ、オイラも、嬉しいわぁ♡」
思いがけない息子の気遣いに、同じ肉体の異なる精神は仲良くジンと来てしまうのであった。
「え、へへ、いいのかしら、でも、やっちゃいたいエレェ……♡」
満足したタケルが寝静まった夜、こっそりと部屋から何かを盗み出した母親。
「でもオイラ、こんな事しちゃったらもうずっと、私と一緒になっちゃいそうエレ♡」
その手に握られているのは、モンスターボール。
タケルの部屋から持ち出したということは、その中身は……?
「お、オイラを私に混ぜちゃって、オイラのお腹、私のおっぱい、一緒にしちゃって、えへ、えへへ、でも、変な姿になっちゃうわぁ、でも、私、お腹気持ちよくなりたいエレェ♡」
罪悪感と好奇心、背徳感と性的欲求。
お互いにお互いの気持ちいいところを堪能したせいか、エレブーの制御関係なく母親も融合を望んでいる節があるようだ。
「へへ、エレブー人間、オイラだけ、私、ママでエレブーになっちゃうエレ、うふ、うふふ、でもでも、それってぇ、流石に変な気がして、だったらボール戻すエレ、んもう、意地悪ねぇ、オイラなんだから分かってるくせにぃ、私だってぇ、オイラなんだから伝わってるはずエレぇ?」
なかなか決めきらないのか、ボールをしっかりと握ったままリビングで一人もじもじとして。
天高く掲げられたボールが照明の光を反射し、怪しく光っている。
「あぁ~ん、でも、オイラと一緒だと私、なんだか素直になるエレ、私が伝わって、オイラもポケモンなのにママになれてたし……♡」
ドキドキして、汗が滲み。
ボールを握り直そうとしたとき、つるりと滑ってしまう。
「あ」
反応するより早く、ボールが頭に命中し……
たちまち、中身が光となって溢れ出し母親の肉体に重なる。
額にVの字の模様が浮かび、顔が横に伸びていき。
大きな牙が二本、口からはみ出すように生える。
アンテナのような角も負けじと髪から飛び出し、アホ毛もぴょこん。
スタイルのいい体型のはずなのに、腹が膨れていき、手足も変化していき。
大きな爪がソックスをやぶき、スリッパのような足が床を踏む。
ボールが硬い音を立てて床に落ちたときにはもう、エレブーと母親の肉体は完全に同化を果たしていたのであった。
「あっ、私、オイラ、一緒になっちゃったわ、えへ、えへへ、どうしよエレェ……♡」
困ったようなことを言いつつも、横に長い口はニヤニヤと歪み切っている。
「あぁ~ん、事故で合体、カナエでエレブー、エレカナエに、なっちゃったエレぇ~♡」
かつらのようになった髪をなびかせつつ、セクシーポーズを取ってみて。
膨らんだせいで服がずり上がっており、模様のある腹が露出していて台無しである。
「えっへへ、私のお腹、お腹ぁ、あぁ、いいっ、いいわぁ~~~ん……♡♡♡」
大きく平たい手が腹を擦ると、昼に感じた刺激が蘇る。
「うふふ、オイラのおっぱい、おっぱい、わあ~い♡♡♡」
反対の手が躊躇せず乳房を掴む。
合体で体重が増えたせいか、胸もしっかりと増量されており。
「あっ、やっ、オイラ、私、どっちも、どっちも、いいっ、いいっ、いいわぁん、幸せエレェ、エレブーで、人間でぇ、タケルのママでぇ、ポケモンでぇ、えへ、えへへぇ、一緒、一緒だからぁ、うふ、うふふぅ♡♡♡」
新しい自分の体を独占し、堪能し。
「あら、そう言えば、うふふ、オイラ、気づいちゃったわ、私、オイラ、もう、どっちがどっちか、分からないエレぇ、でも、でもぉ、体が同じなんだからぁ、心も同じでぇ、いいっ、いいわぁ、いいっ、いいっ、もう、私ってオイラで、カナエはエレブーで、ポケモンなのに人間で、タケルはママでトレーナーで、どっちも、どっちも、両方とも、両方とも、あっ、あっ、オイラ、オイラ、私エレ、オイラよぉ、一緒だからぁ、好きにしていいのよぉ、オイラの体よぉ、私のだエレ! あっ、あっ、一つの体なんだからぁ、エレブー、人間、一つ、一つ、ああっ、最高、幸せぇ、思ってたよりぃ、ずっと、ずっとぉ、気持ちいい、おっぱい、おっぱい、合体おっぱい、あぁあ~~~~ん♡♡♡」
心も混ざり合ってしまった今、止めるものはもう何もない。
「うふふ、いい子いい子、合体していい子エレぇ、いやぁん、おっぱい揉んだご褒美にお腹撫で撫で、一生一緒にいてくれてありがとう、もっと強くしてぇ♡♡♡ あぁん、そこ、乳首、エレぇ、ブゥウウウン♡♡♡」
乱暴に服を脱ぎ、全裸になり。
人間とエレブーの特徴を併せ持った肉体が、露わになる。
「えへ、えへへぇ、なんだかぁ、なんだかぁ、いつもより、あっ、あぁあ~、いいっ、気持ちいいっ、おっぱいこんなに気持ちよかったかしらぁ、お腹気持ちいいエレぇ、混ざっちゃったから、混ざっちゃったからぁ、あぁあん、エレッ、ブゥ♡♡♡」
人間とエレブーが合体パワーアップしたことにより、あらゆる感覚が強化されているようだ。
本人たちの精神がデタラメに混ざったまま仲良く気持ちよくなり、それがお互いに伝わり合い、肉体にも影響を与え……
見た目は不格好でも、融合した本人にとっては最高に気持ちよく、楽しく、幸せな肉体なのである。
「あっ、あっ……♡ なんだろう、なんだか、オ、オイラ、私、これ、これ、えっ、お、オイラの、あっ、やぁん♡ おっぱい、お腹、だけじゃなくってぇ、おちん、おちんちんエレぇ、ポケモンのオスだけどぉ、人間の女性でぇ、ポケモンの女性でぇ、人間のオスだからぁ、えへ、えへへぇ、やったぁ、おちんちん、おちんちん、あっ、お゛っ!?」
勃起を始めた仮性ちんぽを握るなり、思わず放電するほどの快楽が肉体を襲う。
「あっ、んっ、うふふ、えへ、えへへへ……おちんちんも、いい子いい子、してあげるエレ、あっ、あっ、オイラの、おちんちん、いいこねぇ~……♡♡♡」
ガチガチのイチモツを撫でながら、目を細め。
どちらにとっても初めての性器を、息を荒げながら可愛がっていく。
「んふっ、おっぱいだけじゃなくて、おまんこもあるのにぃ、お腹も、おちんちんもぉ、あぁ、いいっ、いいっ、私、オイラぁ、ぜぇ~んぶ、タケルに触ってほしいエレぇ、おっぱいちんちん、お腹とおまんこ、全部全部、よしよしして欲しいわぁん、エレぇ、あぁ~ん……♡」
大きな手が女性の秘部の入り口をこすり、イヤらしい液体に濡れていく。
「えへ、えへ、オス、メス、男、女♡♡♡」
先走りで汚れた手で女性器を弄り、おりもので濡れた手が男性器に触れ。
「あんっ、やんっ、オイラのあそこ、ポケモンに触られてるわぁ~ん、私、ポケモンなのにぃ、タケル、ここから生んだのねぇ、あっ、中っ、ブッ♡♡♡」
指が膣内に入り、心を揺るがせる。
「んもう、んもう、ダメ、ダメよぉおおお、こんな、オイラがこんなに、気持ちいいのぉ、おちんぽ、おちんぽもぉ、あっ、あっ、だめ、だめぇ、揺れて、指、中でぇ、や、や、や♡」
両性具有となった今、どちらの快感も自分のもの。
融合体エレカナエは遠慮すること無く、まるでおもちゃで遊ぶかのように体を弄ぶ。
ポケモンがくっついたせいか、まるでびくともしない肉体。
しかしながら、心地の良い刺激が次々に脳を襲い、融け合った精神をますます加熱していく。
「好き、好きぃ、オイラ、私ぃ、くっついてぇ、好き好き好き好き、たまんないわぁん、あっ、えへ、合体、合体、最高エレぇ、もう、なんで迷ってたのかしらぁ、もう、もう、オイラは私、一生このまま、おっぱいちんちん独り占め、お腹もおまんこもオイラのものなのよぉ、あっ、ああっ、イク、イク、ずうっと一緒だって思えば思うほど、いいっ、いいエレぇ、私、私は心も体もオイラに合体、同じ、一緒で、もう、もう、このままでぇ、あっ、あっ、融合、しちゃったエレェエエエエエエエン♡♡♡♡♡」
堂々と宣言しながらの絶頂。
精通した陰茎からはネトネトの精液がまき散らされ、膣は強欲に指を締め付け。
「あっ、あっ、あーーーーっ……♡♡♡」
異常な状態を満喫してしまったという背徳感、これからもうずっとこのままだという幸福感に身を任せ――エレカナエは射精の刺激を味わい続けるのであった。
「ただいまー!」
「はーい、おかえりエレ!」
タケルが帰ってきたのを、エレブー人間エレカナエが出迎える。
「ねぇ、ねぇ! ママ見てよ、テストで満点とったよ!」
「あら、すごいわね! この前も90点だったのに、もっとすごくなったエレ!」
「えへへ、エレブーがお勉強教えてくれるおかげだよ!」
「あっ、ママも褒めてくれないと寂しいエレ!」
あれから一ヶ月。
完全に一致してしまったエレカナエは、周囲の目も気にせずそのままの暮らしを満喫している。
当然ながら、タケルも最初は融合した姿にびっくり仰天。
大きなちんちんがあるのも、理由の一つだったのかもしれない。
「えへへ、ママ、ありがとうね!」
大きなお腹に抱きつかれ、エレカナエは思わず心がキュンとなり。
「あ、う、うん、どういたしまして……♡」
ねだっておきながら顔を赤くし、モジモジし。
大股でドスンドスンと歩きながら、夕食の準備のためにキッチンに戻っていく。
「えへ、えへへ、オイラも、私も、褒められちゃったわぁ♡♡♡」
よほど嬉しかったのか、エプロンの股間部にテントを作りながら作業を続ける。
「じゃーあ、今日の夜は……オイラに私の、10まんボルトしちゃいましょ♡」
エレカナエの密かな楽しみ。
それは、エレブーもカナエもタケルから褒めてもらえた時だけする、と決めているイケない遊び。
条件を満たした夜、タケルが寝ている間に……お気に入りの入浴剤を入れた風呂に浸かりながら、自分の角を両手でしっかりと握るのである。
「オイラ、私に、むふ、10まんボルト♡♡♡」
遠慮容赦のない電気エネルギーが全身を駆け巡り、その刺激で体のあちこちの性感帯が刺激され。
たちまち天にも登るような快楽が襲い、ドピュドピュと精液が射出され、膣はきゅうきゅうと収縮し。
あまりにも気持ち良すぎるせいで、エレカナエはルールを決めて楽しんでいる、というわけなのだ。
無論、10まんボルトを使わないオナニーはいつでも好きな時にしてはいるのだが……自分に自分の技を使う、というのは格別なのだろう。
「今日は何の入浴剤にしようかしら、電圧はどんな感じに上げちゃうエレ……♡」
頭の中はもうすでに、深夜のオナニーの計画でいっぱい。
ひょんな事でデタラメポケモン人間にまとまった母親とエレブーは、今日も楽しく性欲を満たす一日を送っているのであった。
「あっ、集中できなくなってきたエレ、一回トイレで抜いてきましょっと、おまんこでも一回、絶頂したいエレェ♡♡♡」
おしまい