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※転載 pixiv、ハーメルンとくるっぷに転載しています。

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北条加蓮さん、ノリと勢いとパイズリで枕営業を成功させる

『ねぇねぇ加蓮ちゃん』

『あらら、いつもにましてニヤニヤしちゃって』

 

『ゆいってさ、元々モデル系っていうか、グラビアとかそっちメインだったでしょ』

『そうね』

『その関係でさ……耳寄りなお話があって、トクベツに加蓮ちゃんに教えてあげたくなっちゃって~☆』

『うわ~めっちゃアヤしいな!?』

『ふふ、もちろんゆいにも考えあってのコトだし、聞いてどうするかは加蓮ちゃんしだいだし~』

 

 

 

 

※

 

「……っていうコトよ、ディレクターさぁん♪」

「へぇ、ぜんぜん伝わってこないのは、僕がニブいからですかねぇ」

 

 女子高生アイドル・北条加蓮は一回りほど年上の男をディレクターと呼びつつある部屋に引きずりこんでいた。彼女がデビューするきっかけとなったやり取り――「ぶっちゃけ最初はナンパだと思ってたけど」――をした街角から、偶然にもすぐそばだった。外観が都心だとありふれたオフィスビルに見えて、定礎板の竣工年月が加蓮の誕生月より少し前で、まさかラブホテルのように使えまいと素人なら思う建物の一室だった。

 

「唯ちゃんから聞いたんだけどさ」

「何をですかねぇ」

「ディレクターさんは、アタシみたい“だった”女の子がお好みだって」

 

 ディレクターの眉と目の動きから、彼のことを――「こういう“営業”じたいに不慣れかもしれないなぁ」――と加蓮は読み取った。

 

「つまり、ちょっとはしゃいだだけで熱を出したり、外にあまり出歩けなくて色が白かったり、手足が細くて、か弱く儚げな女の子っ」

「はぁ」

 

 ディレクターは無視をしないように努めてなんとかして声を出した、という調子だった。彼の目前の加蓮は、か弱くも儚げでもなさそうな少女だった。

 

 職業柄、彼はアイドル・北条加蓮についておおざっぱに知っていた。公称のスタイルは身長155センチでスリーサイズが83-55-81――「サバ読んでないよっ」――で、目や口元は涼し気でアイドルたちの中でも整っているほう――「昔は涼しげっていうか単なる陰気だったけど」――で、ダンスやヴォーカルはやや不得意――「いやぁ、凛や奈緒と比べられるとさぁ」――のようだったが、ヴィジュアルの仕事は得意とも聞いている。ギャル系――「この言い回し通じやすいけど手垢がつきすぎなの気になるよね」――ファッションにこだわりがあるとの評判も聞いている。

 

 対して彼自身は、ギャル系――正確には、それに憧れる若い女性向け――の人気ファッションブランドにおいて、広報ディレクターを務めている。加蓮がそのブランドのイメージキャラクターに欠員が出るらしいとどこからか嗅ぎつけて、その枠に自分をねじこもうと“営業”を持ちかけている状況は理解している。

 

「まぶしいお肌がいっぱい見えますね」

「あらら、こういうの見慣れてるんじゃないの?」

「ええ、ずいぶん健康的……で、さっき何と言ってくれましたっけ……か弱くて、儚げって?」

 

 彼の目に見える加蓮の姿と、耳に聞こえる加蓮の言葉とが食い違っている。

 

「ディレクターさんは、そういう女の子に興奮しちゃう性癖なんでしょ? 聞いちゃったんだ~」

 

 ディレクターがブランドの路線に反して“か弱く儚げな女の子”に欲情する――「ね、意外でしょ? だからあんまり“営業”になびかないんだけど、加蓮ちゃんなら……」――と、加蓮は唯から垂れこまれてその気になっている。唯の打算――「加蓮ちゃんがうまくしてくれたら同じ事務所のゆいもやりやすくなるかな~」――も承知である。

 

「誰から聞いた、とも言いませんし……そもそも職業倫理でダメだ、と言っても聞かないでしょうが」

「そんなに堅苦しくしなくていいよ~」

「……そのメリハリボディじゃか弱いも儚げも無理だろ~!」

「ひーどーいー!」

 

 ビジネスホテルのように地味な部屋の、これまた地味なベッドに加蓮が乗りかかって、派手に手足をぱたぱたさせたり肩や腰をごろごろ転がす。不満と同時にベッドをぎしぎし鳴らす。

 加蓮は白地にピンクの差し色が入ったキャミソールと、淡いグリーンのホットパンツをまとっている。肩から手先までと太ももから足先までが、しなやかにベッドを叩いて実に躍動的に見える。バストがトップ83よりも大きそうに弾んで肉感を誇示する。

 若々しい生命感を惜しげもなくあふれさせて無為にふりまいて、美しくエロティックで、どうしようもなく滑稽である。

 

「無理じゃないもんっ、無理じゃないもーんっ!」

「ああ、そんなに動いたら、服が……」

 

 キャミソールとホットパンツが乱れて下着がチラチラのぞく。ビキニラインの日焼け跡がうっすら残っているのもうかがえる。素肌ならもっと白いのか、と彼は少しだけ感嘆する。

 

「まぁディレクターさんが言いたいことわかるよ」

「うわっ急に落ち着かないで、びっくりする」

「アイドルってハードな肉体労働でさぁ」

「らしいね、体育祭のとき運動部のクラスメイトにレッスンで鍛えた体力で一泡吹かせた、ってぼちぼち聞くよ」

「この北条加蓮ちゃんが! すっかり健康優良児になっちゃったのよ!」

「うん、良かったねぇ」

「あなたは……ディレクターさんはそれだと良くないんでしょう?」

 

 加蓮がベッドの上に起き上がって、両足をぺたんとM字型にして座る。ベッドにくっつけたヒップを両足のかかとで横から挟んでいる。尻やふくらはぎや太もも裏のふくらみが圧迫されてぱんぱんに張り詰めてますます健康的に見えてしまう。

 

「病弱だったころの面影もあるんだよ、ほら」

 

 加蓮が急にキャミソールのすそを胸元までひんまくってディレクターにウエストを見せる。部屋がビジネスホテルのように狭いので、加蓮からこっそり後退りしはじめていた彼の目にも素肌の陰影がしっかり見える。

 

「あ」

「ふふ」

 

 彼が見た加蓮の胴は、肉よりも骨のしなやかさを誇示している。

 

「ほら、おなかぺこってすればもっと肋骨が……こら、近くに寄ってきて見てよー、アタシがばかみたいじゃない」

「はい、はい」

 

 彼がベッド近くにヒザをついて、加蓮のヒザもとからそこを見上げる。豊かなバストの下に押さえつけられるようにして肋骨やへそが息づいている。肋骨弓をはじめとする肋骨が皮膚に影を刷いたり薄らいだりさせている。彼が加蓮と同年代だったころ理科室の人体模型で見た胸郭がリアルに思い描ける。それがこんもり盛り上がった加蓮の巨乳の裏側に隠れていると連想する。ますますアンバランスに感じられる。

 加蓮が背中を幾分か反らしていて、ウエストの正中線が浅く細長くくぼんで、へその余韻のようになっている。

 

「あ、いや、これ腹筋が割れてるんじゃないよ~!?」

 

 声が半笑いだったので彼は聞き流す。ウエストのくびれが終わって急角度で張り出してくる骨盤や、そこから秘所に向けて延びつつホットパンツに遮られる鼠径部の起伏に目を奪われる。

 

「ね、ね、薄幸の美少女の面影が残ってるでしょっ」

「……ここだけ見ればね」

「あとね、あるの」

「何が」

「手術痕」

「開胸手術か何かで?」

「寒い日とか、雨の日は、たまに疼くの」

「……どこが?」

「この……見えない? ブラ外すよ」

 

 女子高生アイドルの素肌の乳房を見せてもらおうとする瞬間なのに彼は笑いそうになる。

 

「アタシ自身だと見えないの、アンダーバストに隠れちゃってさ」

「見えにくいほうが、グラビアとか撮りやすそうだ」

「そうなんだけどさぁ」

 

 加蓮があのぱんぱんの乳房を手で持ちあげながらアンダーバストを見せつけてくるが、手術痕とやらは乳肉が成長したせいで押しのけられてしまったのかと彼は思う。アンダーバストが日焼けしておらず血色が薄ピンクに見えるほど色白なようすは病弱らしく思える。

 

「アタシが病弱だったのってだいたい心肺のせいだったんだけど」

「はい、はい……んぐっ!?」

 

 その色白にいきなり襲われる。彼の顔に、加蓮が胸と腹をいきなり押しつけて目と鼻と頬をふさいでしまう。

 

「……異常音はありませんかぁ?」

「ふぐっ、んぐ、もがっ」

 

 油断していた彼の五感を、加蓮が覆い尽くそうとしている。彼女の息遣いも体温も匂いも、彼より先走っている心拍も彼を圧倒する。滑稽さが一瞬にしてかき消されて油断だけが残される。もう降参、と手をもたげて彼女のどこかに軽くタップする。ホットパンツ越しのヒップに当たって手のひらまで跳ね返される。ますます強く抱きしめられる。

 

「ねぇ、キスしてよ、そこらへんの、お好みなところに」

「んぷ、ぼ、僕……か弱い女の子は、別に」

「いいから、して☆」

 

 加蓮の体は、押しつけがましく避けがたく息苦しくありながら、彼の体を煽りたてる。まるでこちらも押しこまれたら押し返すぐらい若々しくなったのかと彼に錯覚させる。

 

「きゃんっ! 違う、くすぐったいよー!」

 

 彼女がこれまでよりもう一段得意げに、傲慢なほどに迫ってくる。

 

「しなさい♥ しろ♥ 焦らさないでっ」

「……もし、したら、それ……ふんぁっ!? ん、ぐっ」

「もし?」

 

 何度も何度も彼女を刷りこまれる。身を任せてしまいたくなる。どこが病弱なんだ、と彼女のむんと甘い肌いきれに紛れてこっそり悪態をつく。美しく扇情的で男を意のままにしてみせる、というのはブランドイメージにお似合いかもしれない、とうなずきそうになる。

 どういう表情でいま彼女は自分を押さえつけているのか、と想像する。

 

「んっ、ふ……こらぁ、あまりドキドキ、させすぎるなー♥」

 

 それが決定打だった。

 

「くひっ、ひんっ! そ、こぉ……くすぐったいなぁ、もーっ♥」

 

 彼が舌とくちびるを差し伸べたのは、加蓮のへそのくぼみだった。ほのかに塩辛くて、夏の日差しを吸った砂浜のような匂いがした。

 

 

 

※

 

「ではディレクターさんのおちんちんをおっぱいでズリズリしてあげます」

「え、あ、はい」

「ズボンと、あとパンツも脱いで、そこに座ってくださいね~?」

 

 ホットパンツと靴下だけ残して脱いでしまった加蓮から唐突に指図されて、ディレクターは混乱するまま従ってしまう。

 

「アタシ、お医者さん役、ディレクターさんは患者さん役ねっ」

「……お医者さんごっこ?」

「入院してる子は、おままごとったらお医者さんごっこばっかりなの」

「飽きないの?」

「飽きる」

「だろうね」

 

 彼はベッドに尻もちをつかされ、両足のあいだを加蓮に占領される。ベッドにヒザ立ちした加蓮から見下される。

 

「でもアイドルごっこなんてできないし、家族ごっこってのも、ねぇ」

 

 ではこの趣向は肉食のギャルごっこか薄幸の美少女ごっこか、ともぐもぐ言いかける。加蓮がデコルテより上だけなら薄幸の美少女らしい、と彼に見えた。

 

「ちょっとだけ、じっとしててね……あなたは強い子だから、できるよね?」

「強い“子”って?」

「患者ったら子供だよ、小児病棟だったもん」

 

 加蓮はヒザ立ちのまま彼の顔を見下ろしている。クール系美少女と評される顔がうつむいて神妙な表情をうかべて、痛ましく儚げに装う。首筋が細く、彼がただ両手を添えるだけで絞めてしまえそうに見える。その左右で二つ結びの髪が幼気に揺れている。

 首筋がさらに目を引く。加蓮がうつむけてあごを引いているのにちっとも皮膚がだぶつかず、ノドの左右や鎖骨周りが彫りこまれたようにくぼんだまま陰をたたえている。薄い皮膚に静脈らしき青も透ける。

 

「さて、しっかりヌギヌギできてえらいねっ」

「ふぁ、ぐ、んんっ!?」

「あとは加蓮ちゃんセンセイに任せて♥」

 

 しかし乳房から下は痛ましいとも儚いとも言いがたい。バスト83センチ――過少申告としか思えない――の谷間が彼のペニスに押しかけてくる。愛されて贅沢するさまのよく似合う肉体が、奉仕と言い張りながら服従を要求している。

 加蓮が巨乳を中心にして彼の腹と腰にすっかりのしかかる。

 

「ん、ちゅっ、はむ……うふふ、まずい、まず~い!」

「ぁ、くぅう……って、なんでうれしそうに言うのさ」

「うれしくないよ~、でも、これではかどる」

「何が」

「すぐに滑りを良くしてあげるからね~」

 

 早くも半勃起になっている彼のペニスを、加蓮が乳房の谷間でとらえる。そこから首を曲げて亀頭をくちびると舌先で何度もくすぐってくる。乳房の表面はほんのりぬるくずるずる滑り、舌はじんわり温かくさわさわ擦れて感じられる。ぐぶぐぶ、にちゅにちゅと口中で無作法な水音を聞かされる。“まずい”ペニスのせいで唾液がしみ出しているらしい。

 加蓮が唾液を亀頭へ垂らして塗りつけてくる。ぬらぬらとコーティングされる。自分の血よりも彼女の唾液と体温を吸ってペニスが怒張に近づいていくように思われる。加蓮が鼻歌交じりにゆっくり大きくパイズリを始める。ペニスの根本をみちみちに圧した乳房が左右互い違いに波打って揺れている。舌とくちびるとで亀頭から雁首まで磨くようにしゃぶっている。彼がうめくのを察して頬をにやりと吊りあげられるとこちこちした前歯もこすれる。

 

「んぢゅっ、ちゅ……はぷっ、んはぁ、あんっ……そぅら、えいっ、えいっ♥」

「っくっ、それ、っぐう、う……っ!」

 

 病弱でやせ細った少女だったら絶対にできないおっぱいの使い方で、彼は一気にたぎらされていく。彼女にとってペニスを縦横無尽に好き勝手になぶっているのもなかなかおもしろいらしく、はしゃぐ笑顔と声も浴びせられる。彼がかつて“病弱ではない”女にパイズリしてもらった記憶を思い出す。いまの加蓮の年頃より少し年上で、巨乳にうぬぼれてか乳よりも自意識が大きかった女で、彼が――少なくとも、彼自身の評価では――デートで涙ぐましく機嫌をとってやり記念日にプレゼントを贈ってやりようやくセックスにこぎつけて、それからもさんざん文句を言われながらやっとしてもらったパイズリは、多少うれしかったぐらいで、乳房を手で揉んでいたほうが心地よいと拍子抜けした思い出が――「もっとずりずりしてもだいじょうぶ? 赤くかぶれちゃったこととかない? なんてっ」――加蓮に塗り替えられていく。

 

「かぶれるって、採血のアルコールじゃあるまいし……もうそんなに……笑わせられたら本当にうっかり、いきなり、出ちゃう、って」

「そっかー、そんなに気持ちいいんだぁ♥ 気持ちいいんだぁ……これが、女の子だと実感できないなぁ、ちょっとうらやましい」

 

 さらに刺激が激しくなる。快楽が波打って限界の器を超えた飛沫がぴちゃぴちゃ飛び散っているように鳴って、加蓮のくちびるだけでなく鼻頭や頬やあごまで汚している。彼のペニスや睾丸や足の付け根などとっくにぬめぬめ濡れそぼっている――ぐじゅ、ぬじゅっ、べちゅ、ぴちゃんっ――加蓮がパイズリをどんどんオーバーアクションにして、弾けるようなデカパイと骨も透けそうな胴体とのアンバランスな刺激がついに彼を射精させる。

 

「ぁ……くぁ、ごめ、も……ぐ、ぅう、うっ!」

「おっ、びくびく、びゅるって……がまんしないの♥ 出せ♥ 出し切っちゃえっ♥」

 

 亀頭が加蓮のアンダーバストに埋もれている瞬間に、がまんの糸が切れて射精に及ぶ。加蓮は巨乳をへこませるほど手首でぎゅうぎゅう押して亀頭を包み、ぶじゅ、ぶじゅ、と射精を受け止める。ディレクター自身も覚えがないほど長く多い射精だったが、加蓮にすっかり受け止められてアンダーバストからびちゃびちゃと垂れていく。彼女の古傷のどこかにしみているだろうか、と妙な考えが通り過ぎる。

 

「ふふっ、お疲れ様でした~♪ あなたが私で気持ちよくなっちゃった証拠の精液……うべぇええっ!?」

「あ、加蓮ちゃん、それは別に」

「やっぱまずっ!」

 

 加蓮がアンダーバストから白濁液をすくって舐めて、眉間にくっきりシワができるほど顔をしかめる。射精直後の気分とあいまって、お約束の演出にも似た安心感に浸りかける。

 

「ま、薬みたいにオブラートがあれば飲めるかなぁ」

「加蓮ちゃんだと、もうゼリーの時代じゃなかったっけ」

「うん、病棟でオブラートなんてアタシだけだった……ゼリーきらいでさぁ、オブラートも使うとヌメってしちゃうけど、まだマシだった」

 

 無駄撃ちさせられ“まずい”と一刀両断された精液だが、それを加蓮は捨てがたいふうにべちゃべちゃと音を立てたり糸を引かせたりしてもてあそんでいた。パイズリを終えて加蓮がただヒザ立ちしているだけなのに、幻覚の余韻のようにゆさゆさして見える巨乳のふもとからてっぺんまで塗りたくって、彼女の紅潮した肌にいやらしい白化粧のようにおさまっている。

 

「そんなに塗ったら肌とかかぶれちゃわないかな」

「だいじょうぶだと思うよ~、粘膜はダメだって聞いてるけど」

「そうかなぁ」

「そんな心配してくれるなんて……ディレクターさんが昔に夢精とかしちゃってかぶれちゃったことがあったり?」

「うーん……自分の毒にあたるヘビはいないよ」

「あははっ、毒って」

 

 加蓮はなおも精液を乳房にぺちゃぺちゃさせて遊んでいる。生臭い匂いに眉根をしかめながら、それに“毒”とラベルを貼ってみるとしっくりくるらしい。

 

「……ディレクターさんがも~っとぴゅっぴゅ♥ ってしてくれたら、中毒させられちゃうかもねぇ」

 

 加蓮がアンダーバストを手でゆさゆささせて強調する乳房に、ディレクターは手が吸い寄せられる。両手でつかまえてむにゅむにゅと揉んで、赤みがかった褐色が白濁液に映える乳輪をこりこりと引っかく。

 

「ん、ダメ、んっ、はぅ、んっ……んぅうっ……!」

 

 加蓮が細く切れそうな嬌声を漏らす。あの儚げなデコルテがこわばって骨や筋がぴりぴり張り詰める。予想以上の反応に、ディレクターは加蓮の乳房をつかんだまま止まる。

 

「あ、あぁ、うん……」

「……ちょ、ちょっと、敏感すぎる……?」

 

 ついさきほどの“かぶれる”とか“中毒”とかいったやり取りが余韻のように響いている。

 

「別に、もっとしてくれても、いいよ」

「そうかなぁ」

「これは……あの、フリ、演技だから♥」

「フリ、って」

「刺激に敏感なのって病弱っぽい!」

「……そうなんだ?」

「病棟に、洗剤の匂いとか、明かりの点滅とか、機械のぴーぴーってアラームとかで気分悪くなる子、いたよー」

 

 入院しがちだったころの加蓮が敏感だったのかと、ディレクターは乳房を揉みしだきながら考えようとして、思考力を手のひらから乳肉へと吸われていく。

 

「んんっ♥ あっ、こ、こらぁ……♥ じらすみたいだよ、それぇ……♥」

 

 指と手のひらで感じる乳肉は、うっかりむぎゅむぎゅもんでしまったら手がどうにかなりそうに感じられる。おいしすぎるものを食べてほっぺたが落ちる心配をしてしまうように、加蓮自身がパイズリで扱ったような手付きは不可能。あまりもみしだくと精液でぬるりと滑ってしまう気もする。

 

「くひっ、ひんっ! はぁぁっ、んぅぅぅっ……! そ、こっ♥ ちくび、ぃ……♥」

「パイズリのとき、ずいぶんもみくちゃだったけど」

「自分でするのと、あなたにされるのじゃ、違うのぉ……」

 

 乳房を覆ったまま彼は手を止める。加蓮の呼吸や心拍のせいか、手の中で乳肉がかすかに浮き沈みしている。弾けそうだった巨乳が手のひらに向かってずいぶんとおしとやかに何かささやいている錯覚がする。

 

「……違うんだよ? ホントに……♥」

 

 加蓮はヒザ立ちのまま、手を楽にぶらぶらさせている。されるがままでいいと言わんばかりにしている。彼がそっと乳首をつまみあげる。加蓮の微笑みが戸惑ったようにゆがむ。かりっと指先で軽く引っかく。

 

「は……ん、ふぁあぅ……!? う、ふふ、パイズリしてただけなのに、コリコリになっちゃって、恥ずかしいなぁ……♥」

「もっとして、って言われてるみたいだ」

「こらぁ~♥ そんな……んっ、ぁ、きゃんっ……!? ちくび、きもち、ぃ……♥」

 

 乳首を刺激された加蓮がびくびく反応する。彼の手のひらと手首のあいだで何かゆらゆらする感触を覚える。そちらをちらと見ると、“病弱”の面影らしき細いウエストがぺこぺこと波打っている。肋骨どころか横隔膜の動きまで見えるかも、と連想が飛ぶ。

 

「んひゅ、かは、ぁ、あッ、は、ぅ……ちくび、かりかりって、ぁ♥ もっと、つよく……ひゃうんっ!」

「敏感なのはうれしいけど、神経使うよね」

「ゃ、あ……神経すりきれちゃうほど加蓮ちゃんにハマっちゃってよ♥」

 

 加蓮の身もだえは下腹部から太ももより下にも波及している。太ももとふくらはぎが、強すぎる快楽をこらえるようにぴりぴり震えて、ヒザがシーツをごしごしこする。

 

「……いーい? ディレクターさんだけなんだよ、こんなの」

「それ、あざとすぎない……?」

「あざとくていいのっ、サービス、サービスっ」

「……心遣いが染み渡るよ、ありがとう」

 

 加蓮の演技は明らかにわざとらしかったが、ディレクターは本心から“ありがとう”とつぶやく。レシピ本や動画とにらめっこしながら不慣れな手付きでどうにか焼きあげたらしきお菓子を「毒見して♥」と渡されたように心安く味わえる。

 

「あぐっ♥ んんんっ……あっ、おっぱい、はしっこ、も……ひっ、はははっ、くすぐった……い、いじわる~!」

「本当に、いまの加蓮ちゃんみたいな女の子が好きだった気がしてくる」

「照れんな照れんな~♥」

 

 彼が乳房のふもとを踏みしめるように指跡をつけていく。といっても病弱な少女を扱う力加減だったので、加蓮の弾力ある肌がすぐに跡を消してしまう。

 加蓮が挑発もあらわに両腕を後頭部までもたげて腋窩までさらす。つるつるした肌はアンダーバストと同じぐらい白く、腱か筋肉かの溝がしっかり彫りこまれている。腕に引っぱりあげられた乳房がくっきり釣り鐘型になって、ますます弾力豊かに見える。

 バストにこびりつきかぴかぴになった精液をなんとかすくって、腋窩の溝に塗りこんでやる。加蓮から呆れもあらわなため息が漏れて、ほんのり彼の肌を撫でる。

 

「そんなに腕を上げたままだと、きつくない?」

「きついな~って思うぐらいやってくれるんだ~」

「まぁ、僕をつかむときは肩か首がいいと思うよ、たぶんつかみやすい」

 

 加蓮の乳房がいきなり一回り大きくなったように見えたのは、加蓮が腕を上げたままぐいっと胸を張ったせいらしい。彼も腋窩のくぼみに指をひっかけて、内側をカリカリとくすぐったり乳輪のふちから乳頭までをゆるくしごいたりする。手のひらを下乳に忍ばせて重みを味わいながらわしゃわしゃと揺すってやったりもする。加蓮がびくびく腰まで揺らして、猫なで声が糸を引く。何度目かの往復で腕が下がって彼の肩に乗せられる。

 乳首への責めを激しくしてやる。

 

「はぅ、ほぁっ、はぁっ……あああっ! はひゅっ……! はぉ、おお……っ♥」

 

 加蓮のよだれか汗かが乳房を濡らして、かぴかぴの精液をすっかり薄れさせている。指で摘んでぐりぐりねじるようにいじめる。反撃のように彼の肩へ爪が立てられる。シーソーのように交互に刺激しあって浮き沈みがどんどん慌ただしくなっていく。

 

「い……っく、い、い、い……ッ! あぃっ、ひ、ぁ、おぉぉ……っ……♥」

 

 いきなり加蓮の嬌声が細くなったかと思うと、腰ががくんとベッドへ落ちて、足がぺたんとパイズリのときのM字に戻った。

 彼は乳房から追いやられた手を加蓮の肩に回した。肩甲骨が意外と堅牢そうだ、と気づいた。

 

 

 

「あー、もうあれだわ、がまんできないっ」

「あ、営業終わり?」

「……まさか♥」

 

 ディレクターの手に肩を任せきったままの加蓮が、不意に彼の上体へめいっぱい寄りかかって押し倒してくる。

 

「だいじょうぶなの、病弱なんでしょ?」

「病弱“だった”のよ、いまは健康優良児~……ってこれさっきも言ったわ」

「……病弱っぽいセックスってなんだろうね」

「え、あなたのお好みなんでしょ」

「……ええと」

「素直になろうよ~?」

 

 彼は顔に加蓮の乳房を押しつけられている。谷間から逃げられない程度に首を振ってみると、視界の端に淡いグリーンだった加蓮のホットパンツが目に入る。あいかわらず股間と尻の肉体でぱんぱんになっているが、足の付け根部分だけ濡れてビリジアンほど濃い色になっている。

 

「……やっぱ攻守交代、アタシが上でいいよね?」

 

 ベルトがずるりと外され、ファスナーがざらっと下ろされる。濡れそぼって恥丘に張り付くほどの下着もずり下ろされて、いきり立った女性器が――いきり立った、という言い回しはおかしいのだが、おそらくふだんなら折りたたまれているはずの肉ひだがまるでペニスやクリトリスのように充血してか少しだけぽってりはみ出ていて――まろびでる。産毛のように薄くきらきらした陰毛が濡れてぺったり貼りついているさまが絵に描いたようなコントラストにも思える。

 

「ディレクターさんいつのまにか準備万端だね、頼もし~♥」

「加蓮ちゃんのおっぱいさっきまでいじり放題だったし、これで勃ってなかったら僕こそ病院行かなきゃ」

「あるいは……アタシといっしょに行ってくれる?」

「病院に?」

「産婦人科~」

「別に妊娠してなくても行っていいらしいよ」

「そのぐらい知ってるよ~」

 

 脱ぎ捨てたホットパンツの尻ポケットからコンドームの包み紙を一枚――「破れちゃってたらどーしよー♥」――取り出して、いそいそとディレクターのペニスにかぶせてくる。

 

「このおちんぽを、これからアタシのおまんこでネチネチしたりされたりして気持ちよくなっちゃうぞー、おーっ」

「ネチネチって、そんな……ネチネチしてたかぁ、ここまで」

「病弱な子に興奮するオトコ、って聞いて最初は……ネチネチしたオトコなんだろうなぁ、アタシの好みじゃないけど“営業”なら楽そうだし……って思ってたのよ」

「ネチネチ……は、認めるけどさぁ」

「いいのよ、あなたはちょっと気に入ったから♥」

 

 加蓮が彼の腰をまたいでのしかかって、女性器がまず亀頭からカリ首までずっぷりとくわえる。ディープキスのような水音と感触が神経に響く。

 

「は、ぉ、ァ、あ……ッ!!」

 

 加蓮の眉間にうっすらとシワが寄る。乳房もたぷんっと上下に揺れ動く。彼も何かうめいたはずだが彼自身すら聞き落とす。加蓮が中腰のまま女性器を軽くねじったり力ませると、ひどく粘っこい愛液がゴムごしの竿をだらだら汚していく。

 

「ぁ、おぉぉ……っ、キ、た、ぁ……♥」

 

 加蓮が息をつまらせながら、ずるずると奥深くまで腰を沈めていく。肉のつまった感触でペニス全体を万遍なく抱きしめられ、彼は急激な射精衝動を必死でこらえる。パイズリで出していなかったら確実に射精していた。

 加蓮が腰を揺らしながら上体を彼に押しつける。汗ばんだおたがいの肌がこすれあって、鈍く薄く優しい快楽が上乗せされる。

 

「い、いい、でしょ……アタシと、するの……♥」

「す、ごく……いぃ……」

 

 加蓮が両手を彼の両肩にそれぞれ乗せてから、にやにや白い歯をのぞかせつつじりじりと腰を動かしはじめる。さっきのパイズリよりおとなしい摩擦でもみっちりペニスを包まれてたまらず、かすれた褒め言葉をどうにか紡ぐ。その乳房が息苦しいほど重く柔らかく彼の胸板を押す。足では彼の腰をぎゅうぎゅう力強くホールドしている。さきほど乳愛撫を受けてがくがくしていたのが嘘のように感じられる。

 

「んふ~♥ やっばぃ、ね、本気になっちゃいそう」

 

 胸元から加蓮にささやかれ、鼓膜から脳髄まで震わされる。

 

「行き届いたお心遣いで……おもてなし……ホスピタリティも病院で習ったの?」

「……こらー! そういうの楓さんじゃなきゃ許されないんだぞー」

 

 ディレクターが瀬戸際の理性で茶化すと、加蓮はいたく気分を害したように見せる。体を起こしなおして、くちびるを尖らせながらどさどさと強引に上下しはじめる。

 

「う、ぉ――ぐ、ぁっ、ぎゃっ! つ、つよっ……おぅうっ!?」

「きゃっ……♥ う、ぅうー……いくらおちんちんに血ぃ取られてアタマぼーっとしてたからっていまのは許さないぞー!」

 

 加蓮がぐりぐりと腰を振りたて、彼の下腹部へ何度も叩きつける。ぱしっ! ばちっ! と肌をひっぱたく音が響く。内臓ごと揺さぶられているように快楽と衝撃が激しくあるはずの痛みも霞んでいる。

 

「あああ゙っ、ふわあぁっ……♥ あ゙、その……これは、フリだからっ、営業スマイルみたいなっ……あ゙ーっ……♥」

「ぐっ……!? あ、うぁ、く……も、もう、で……!」

 

 そんなに腰を使いながら喘ぎながらしゃべって、舌を噛んじゃう――と心配できたのもたまゆら――彼が気遣ってみせようとするセリフも再びの射精衝動に押し流される。

 

「お゙っ、ひ……う、お、お、く……♥ ふ、ふぁ、ぃ……いっちゃ、ぇ……♥」

「ぁ――ふぁ、ぉ、あ、め、ぐ、ぅう、う――っ!」

 

 腟内に締め付けられる反動のように、亀頭がぶわっと膨張して、どくどくと白い精液を打ち出す。加蓮の膣も強く熱く痙攣して、ゴムを食い破らんとするように浸透する。彼の全身を毒のように甘い達成感で満たす。

 

「ん、ぁ……ぁあ~……最初に、しては、いい感じだったんじゃないかな、お互い、ねぇ……♥」

「……最初……って……」

「末永くお願いしたいってことよ~、もうちょっと儚げにもできるから~」

 

 

 

 加蓮はディレクターから、狙い通り仕事の約束を取りつけた。ついでに次の“営業”の約束も取りつけた。

 

 

 

 

 

 

※

 

『けっきょく病弱な女の子のえっちってどうやって演じるんだろう』

『加蓮ちゃんがわかんないなら、ゆいにもわからないかなぁ~』

『ちょっとは考えてよ~ディレクターさんをも~っと骨抜きにすれば』

『あのディレちゃんが病弱な女の子好きってのテキトーだしギャルもたぶん好きってほどじゃないよ、ノリ悪かったでしょ?』

『そうだよー思ったより手こずっちゃ……は?』

 

『どしたの?』

『テキトーって!?』

『ああ言っておけば加蓮ちゃんがやる気になってくれると思っただけ~』

『そりゃやる気になったけどさ』

『うまく行けばうちの事務所がこのおシゴトでもっと強く出られるし、しくじったらゆいが『ごめんね~☆』ってディレちゃんフォローしてポイント稼ぐチャンスなの』

『こらー!』

 

 

(おしまい)

 


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