トレジャーハンターが廃館でベッドミミックにぐちゅぐちゅにされて食べられる話 作:どなべ。
オリジナル:ファンタジー/ノンジャンル
タグ:R-18 残酷な描写 パイズリ 騎乗位 女性上位 ぱふぱふ 逆レイプ 巨乳 モンスター娘
ところが館はとんだ肩透かし、財宝はザクザク取り放題。……そんな中でたどり着いた、簡素な寝室。油断してしまったのか、あるいはベッドの魔力か……トレジャーハンターは部屋のベッドに潜り込むと、そのまま眠りこけてしまいます。
ああ、残念です。もう助かりません。ベッドに潜んでいた美しい女体の魔物に、トレジャーハンターは性的に……そして、文字通り食べられてしまうのでした。
(軽めですが捕食描写があるので、念のために残酷な描写タグをつけています)
都から遠く離れた深い森の奥に、曰く付きの館がある。かつて、どこかの貴族か王族が別荘にしていたというその館は、都の市民から「人食いの館」と恐れられている。
人食いというのは、館に入った人間は誰一人として出てこなかった、という逸話からついた月並みな表現だ。
実際のところそれは本当であるようで、度胸試しに行った子供が帰ってこなかったり、宝物目当てに忍び込んだトレジャーハンターが何人も行方を晦ましたりしたそうだ。
なので、今では誰もがその館を恐れ、もう誰も近づこうとはしない。
……俺を除いて。
「ちょろいもんだな」
噂はかねがね聞いていたので、事前準備は抜かりなく行った。
古い館というのでゴースト系の魔物の巣窟になっていると考え、対策として事前に大量のホーリーアイテムを仕入れた。
加えて、金持ちの別荘ということで宝物を守るトラップが仕掛けられている可能性を考慮し、トラップ検知のアイテムを新調した。
さらに、宝物が呪われていた場合に備え、安くない金を出して呪いの検知アイテム、解呪アイテムも購入した。
だが、結果として、これらの準備はほぼ無用だった。
確かにゴースト系の魔物は多少棲息していたようだがいずれも弱小で、俺が持ち歩いている大量のホーリーアイテムに怯えて近づいてすら来ない。
宝物を守るトラップなどは全く仕掛けられておらず取り放題だし、呪いがかけられていることもなかった。
リスクを承知で挑んだにしてはとんだ拍子抜けだったが、何にせよ、楽に事が済むに越したことはない。
俺は冒険者ではなくトレジャーハンターだ。スリルなど求めていない。金が入ればそれでいい。
館をくまなく巡り、金目のものを片っ端から袋に突っ込んでいく。これらを全て売っ払ったらどれだけの金になるだろうか。
もしかすると一生遊んで暮らせるだけの金になるかもしれない……と思うと、思わず顔がにやけてしまう。
そろそろ回る部屋も少なくなってきた頃、とある一室に行き着いた。
他の部屋と比べ、どことなく扉の色が違うというか、他よりも使い込まれているような気がした。
念のため、トラップ検知アイテムで確認してみることにする。魔法使いの里で採れる特別な石を用いて作られたものである。
擬態魔法等に類する魔力を検知すると、ぶるぶると震えて知らせてくれる仕組みだ。
扉の前でかざしてみて、しばらく待ってみる。反応はない。安全だと判断して扉に手をかけた。
扉の先にあったのは簡素な寝室だった。
使用人が寝床にしていたのだろうか、ベッドの他には簡素なランプがある程度で、特に目ぼしいものは見当たらない。
扉の色のことも、ただ使用人が良く使っていただけという話だろうか。何事も起きないのが一番にせよ、肩透かしなことだ。
「ここはハズレかね……」
念のため室内を物色してみたが、やはり金目のものは置かれていないようだった。
強いて言うならば、ベッドは上等に見えるが……家具を持ち出すのは無理だ。売ればそれなりの金になるだろうが、持ち出せないのなら金にはならない。
……しかしながら、見た目こそ質素だがとても寝心地の良さそうなベッドだ。
マットレスも掛け布団も、ふわりとしていて肌触りがとても良い。この中に入ればすぐに夢心地で熟睡できるだろう。……それに、どことなく甘い香りがするような。
ふと、昨夜の宿のベッドを思い出す。宿代を惜しんで安い部屋を取ったのが災いして、まるで床のように硬いベッドで寝ることになった。
金も経験もなかった頃、寝る場所にも困ってやむなく馬小屋に忍び込んで寝たことがあるが、ともすればそれよりも酷かったかもしれない。
そこまで極端な例を出さずとも、こんな上等なベッドで眠った経験などない。この機を逃したら、もしかしたら二度とこんな寝床にはありつけないかもしれない。
そんなことを考えていたからか、先程までは全く無かったはずの眠気が湧いてきて、頭をくらりとさせた。
思えばもう深夜だ。不意に眠気を感じても不思議ではないのかもしれない。なんならここで一眠りしてしまおうか。
悪評が流れて久しいこの館には誰も来やしないだろうし、ゴーストはホーリーアイテムを恐れて寄り付きもしないだろう。
自分自身に言い訳を聞かせて、ベッドに身体を潜り込ませてみると、思った通り、いや、思った以上の寝心地で――
「ふぁ……」
たちまち強烈な眠気に襲われる。瞼がずんずんと重くなり、視界がどんどんと閉じていく。ベッドに沈み込んでいくように身体の力が抜ける。
思考があやふやになる。つい先程まで何を考えていたかすら忘れてしまうほどに、頭の中が白く染まっていく。
それから間もなく、俺の意識は闇に沈んだ。
――――――――
……身体のあちこちを温かいものが這い回っている気がした。
布ではなくもっと別の、生暖かい、まるで人肌のような感触が、足の方から迫り上がってくるような……。
未だに重く、閉じようとする瞼をなんとかこじ開けた。
「な……っ!?」
「ふふ……お目覚めですか?」
白い肌の全裸の女が、仰向けになった体の上から俺を見下ろしていた。
思わず身をよじろうとしたが、体が全く動かない。……完全に脱力している。目を開いているだけで精一杯だ。
身に着けていた服もいつの間にか脱がされている。
(脱力の呪法か……!?解呪のアイテムは……!)
「もう、抵抗なさらないで?」
女が身体を寄せて耳打ちすると、頭の中がぞわりと震えて思考が止まる。
密着した身体と身体から一際柔らかい感触を感じ、それが女の豊満な乳房であることを理解した途端、否応なしに股間に血が通うのを感じた。
女、ベッド、ほのかに温かい肌の感触。思考が空回りして、それすらも、耳にふうっと吹きかけられた吐息ひとつで容易く吹き飛んでしまう。
「何も考えないで……」
「気持ちよさだけ感じていて……ね?」
囁く声が耳から脳を吹き抜けて、理性を掠めて奪っていく。
耳を這う舌の、ぴちゃぴちゃとした唾液の音が、耳から染み込んで脳を桃色に染めていく。
桃色に染まりきった脳は、思考と身体のコントロールを一切放棄して、ただ股間に血を通わせ続けている。
「ちゅう……」
抵抗できないまま、今度は唇を奪われる。ついばむように数度触れてから、今度はむにいっと唇を強く押し付けられる。
ぬらりとした舌が唇を割って、口腔に侵入してくる。こちらの舌はぴんと立つばかりでろくな抵抗もできず、絡め取られていいように弄ばれている。
舌に舌を絡められて、ぬこぬこと扱かれる。口内を蹂躙されている屈辱と、深く長いキスの息苦しさで、顔がぼうっと熱くなる。
「ぷはっ、はっ、はあっ」
長い長いキスから解放された唇が、空気を求めて荒く呼吸する。空気を求める荒い息遣いが、性的興奮と混同して喘ぎ声のようになっていく。それとともに身体の興奮がどんどん高まっていく。
「苦しいのが好きなのですか?」
そんなことはない、という否定の言葉が出ない。
深いキスで火照らされた身体は、口先だけの嘘をつく余裕すらなくなっている。
「でしたら、これはいかがですか?」
女がぐいっと上体を持ち上げると、その豊満な胸が眼の前に躍り出る。
暴力的なまでに扇情的な光景に目が釘付けになる。股間にまた一段と熱が籠るのを感じた。
2つの山のような胸が、ずいずいと顔に寄せられてくる。間もなく訪れるであろう、近づいてくるのを意識する度に、心臓の鼓動が加速していく。
「……むぎゅっ♡」
顔全体が谷間に沈む。視界が暗い白に染まる。
マシュマロのような感触と、胸が顔を包んでいるという事実だけで、否応なく興奮が高められていく。
荒い呼吸を塞ぐように、胸がむぎゅむぎゅと圧迫する。息苦しい。反射的に鼻から大きく息を吸った。
「がっ……!」
その瞬間、身体がどくんと跳ねて、それから燃えるように熱くなった。
どぎついフェロモンを無防備に吸い込んでしまった。脳みその中がぱちぱちと弾けている。めまいがする。
頭に手を回されて、一層強く胸が押し付けられる。胸の牢獄に捕らえられて、胸にまとわりついている女のフェロモンが充満した空気を吸うほかなくなる。
気持ちよくて、苦しくて、頭の中が爆発しそうになっているのに、相変わらず身体は指一本たりとも自分の意志では動かせない。
自分では制御の効かない快楽が外に飛び出そうとして、身体のあちこちを痙攣させているだけだ。
「むぐっ、んんっ、っっ!」
声にならない声を上げてもどうなるものでもない。
ただ、そうしないと、この苦しさと快楽にわずかながらでも抵抗しないと、本当に狂ってしまいそうだ。
眼の前の女体にしゃぶりついて、押し倒して、獣のように、本能のままに肉棒を突き立てたいのに。
身体の中ではち切れんばかりに膨れ上がった白く濁った獣性を、目の前の雌に叩きつけてやりたいのに。
いや、もう、そんな贅沢は言わないから。このまま何の抵抗もできないままでいいから、せめて、せめて、精を放つことだけは。
このまま吐精も許されず、フェロモンに当てられ続ければ、いつかは、いやそう遠くないうちに。
(死、ぬ……!)
強すぎる快楽に身体が耐えられなくなるか、高まりすぎた興奮で狂ってしまうか。
どういう形にしろ、肉体も精神も、もう限界のところまで来ていた。
興奮が心臓を突き破って出てきそうだと錯覚するほどに鼓動がうるさい。
死ぬ。死んでしまう。
殺される。
助けてくれ。
「えいっ♡」
「――――あ?」
不意に、下半身から、柔らかいものにぎゅっと締め付けられる感覚がした。
それが、女の豊満な胸が肉棒を包みこんだためだと理解した瞬間、
「あ――――♡」
頭の中が、火が付いたように熱くなった。
次いで、頭の側から背骨を伝うように快楽の衝撃が押し寄せて、一直線に股間へと向かっていく。
そしてそれは肉棒から勢いよく飛び出し、女の白い胸と顔を一層白く、べっとりと染め上げた。
それでも快楽はとどまることを知らず、かくかくと、へこへこと、情けなく腰を揺らしながら、噴水のように溢れ出していく。
ようやく収まった頃には、女の胸は真っ白に汚れていた。
「もう、出しすぎですよ」
そう言いながら、女は指で自分の胸を一筋なぞって、
「れぇ〜……」
掬い取った精液を舌に乗せて、見せびらかして、
「あむ……」
わざとらしく、下品な音を立てて咀嚼して見せて、それから、
「……んくっ」
……喉を鳴らして飲み込んだ。
あまりにも扇情的なその光景に、俺はずっと釘付けになっていた。
――――――――
「あら……?もう元気になってしまったんですか?」
身体の力はずっと入らないままで、先程の射精の余韻もあって、今は指一本すら動かせそうにない。
けれど肉棒だけは、女が俺の精液を食するのを見ただけで、すっかり元の調子を取り戻していた。
「ふふ。もう一回、おっぱいでしましょうね」
「今度はゆっくり甘やかしてあげますから……たっぷり堪能してくださいね」
そして、身動きができない俺の耳元に顔を寄せて、
「わたしの……おっぱい♡」
一段と、俺の劣情を煽り立てた。
「行きますよ……えいっ」
甘やかす、との言葉通り、女はその豊満な胸でそっと肉棒を包んだ。
先のような身体が焼けるような快楽とは違う、どこか浮遊感にも似た快楽を味わう。
柔らかい胸が肉棒を揉み込む度に、ふわふわとした多幸感がじわりと全身に広がって、視界がとろけていく。
気づかない間に、半開きのままの口から赤子のうわ言のような声が漏れるようになっていた。
「すっかり、お顔がとろけてますよ」
「かわいいです……♡」
かわいい。いい子。かわいい。まるで赤子をあやすような甘い声の響きと、胸のゆりかごにあやされた肉棒から伝わる、とろけるような快楽。
本当の赤子のように、すべてを任せきって夢見心地でとろけていると、不意に放出感が込み上げてくるのを感じた。
「で、る……♡」
快楽に浮かされて、口が勝手に限界だと伝えてしまう。
それが聞こえたのか、女はくすりと微笑んでから、肉棒をあやす胸の動きを少しだけ速めた。
「はーい、いいですよ……ぴゅっぴゅしましょうね……♡」
「最後まで、おっぱいで甘やかしてあげますから……」
たぽ、たぽ。たぱんたぱん。
胸の動きはずっと優しいまま、けれどどこか放精を促すような動きに変わっていった。
「あっ、あっ、っ♡」
「おもらし、ぴゅっぴゅ……♡しましょう……♡」
卑猥なオノマトペで「おもらし」を強請られる。
「しー、しー♡」
今にも出そうになっているのが、尿なのか精液なのかわからなくなってきた。
「とぷ、とぷ、とぷ♡」
「ひあっ♡」
どうしてそのオノマトペに反応したかはわからない。
ただ、確かに反応した。琴線に触れた。それを見るとにやにやして、
「とぷ♡とぷ♡とぷとぷ♡とぷっ♡」
何度も何度もそれを連呼して、今にも弾けてしまいそうな劣情をさらに煽ってくる。
噴き出すのではなく、それこそ、とぷとぷと漏れるような。赤子がおむつに粗相をするような、垂れ流しの放精を否応なく想起してしまう。
「あ♡あっ♡あーーー♡」
止まらない。もう止められない。
脳裏に浮かんだ、おもらしのような射精のイメージがすっかり頭に焼き付いてしまっている。
もう間もなく、射精してしまう。それも勢いなんてまるでない、情けないおもらし射精を、とぷとぷ、とぷとぷと……。
「とぷとぷ♡しましょう♡とぷとぷしちゃう〜〜♡って♡ほら、声に出してみてください♡」
そんなことを、胸の動きを少し緩やかにしながら、甘ったるい声で囁く。
……おもらし射精に至る最後の一線を、自ら踏み越えるように、と。そういうことなのだろう。
口に出して、それでおもらしをしてしまえば、もう後戻りできなくなる気がした。大人の男として生きてきた今までの人生を、尊厳を、全て投げ捨ててしまうような気がした。
おっぱいに甘えきった肉棒がふるふると震えている。
出したい、負けたい、おもらししたい。そう訴えている。
頭はもうおもらしの気持ちよさのことばかり考えている。
おもらしが気持ちよければ、もうそれでいいじゃないかと、言い訳を立てている。
心も身体も、とっくに負けていた。
おもらしの欲求に抗うものはなにもなかった。
屈服の言葉を叫んで、最後の一線を容易く飛び越えるのは、本当にすぐのことだった。
「しちゃうっ♡とぷとぷしちゃうっ♡あっあ♡でるっ♡でるうううっっ♡」
ああ、言ってしまった。負けてしまった。おっぱいの感触と、おもらしの快楽に負けて。
あっという間に頭の中が白く塗り潰されて、本能のままに悲鳴のようなねだり声をきゃいきゃいと上げて、身体を子鹿のように痙攣させて、それからすぐに。
「あ……♡でる♡あっ♡あっ♡」
「あぁ〜〜〜〜っ♡」
とぷ♡とぷ♡とぷぷっ♡
「あ……すごいです♡甘イキ……♡ちょろちょろって……なっさけない射精………♡♡」
だらだらと続く吐精の快感に、じわりじわりと脳を溶かされていく。
身体の力と理性が、精液と一緒に漏れ出していく。身体は一段と、ずんと重くなって、頭の中はふわふわと浮くような感じがする。
身動きできないまま、ただ性感だけを味わい続ける。そんな存在に成り下がっていくような気がした。
吐精が止まりかける度に、もっと出してとねだるようにおっぱいが揺れて、また溢れ出す。
何度も、何度も、その繰り返し。ずっとずっと、射精が終わらない。
最終的に、おっぱいが肉棒を離すまで、射精が止むことはなかった。
――――――――
抜け殻のようになった。
精根尽き果てたように身を投げだして、放心している。
精根尽き果てたと言っても、実際のところ、肉棒だけは痛いほど張り詰めて屹立しているのだが。
「もうすっかり、出来上がったみたいですね」
出来上がった、と。この状態をそのように評されても、何として出来上がったのかわからない。
強すぎる快楽にすっかり脳を焼かれて、もうまともな思考をすることもままならなくなっている。
「じゃあ……」
人肌の熱がにわかに離れていく。
代わりに、肉棒の先にぷにっとしたものが触れた。
先端に厚い唇でキスされるような感覚。
それだけで、ぞわりと背が震える。
「……いただきます♡」
ぱん、という、肉と肉がぶつかる音と共に、肉棒がぬらぬらとした狭いところに閉じ込められた。
腰に跨った女が、繋がりを見せつけるように、上体を起こして腰をぐりぐりと回している。
もはやなんの抵抗もできない。ただひたすらに脱力して、叩きつけられる快楽をただ甘受して、意味をなさない声を口から垂れ流すのみだ。
「んー……」
「ちょっとつまらないですねぇ」
唇が触れてしまいそうな距離まで顔を近づけられる。
驚くほど整った顔立ちで、ただ、どこか冷たい目をしていた。
さらに近づく。唇が触れる。がぶりと食らいつくような、深い深い口づけ。舌が口腔をこじ開けてから、こちらの舌が抜けそうなほど強く吸い上げられる。
それと同時に腰の動きが激しくなり、結合部からじゅぷじゅぷと下品な水音が立つ。
にわかに勢いを増した快楽に、反射的に身体をばたつかせ、塞がれた口で呻く。
唇が離れても、てらてらとした細い糸が名残惜しそうに口と口を繋いでいる。
口づけの余韻で喘ぎ声に艶めいた吐息が混ざるようになると、
「そうそう、そうやって可愛く悶えてくださいな」
満足そうににんまりと笑って、
「せっかく『食べて』いるんですもの」
そんな事を言った。
食べる。食べる?確かにこれまで、交わりというよりは、それこそ捕食のような行為だったけれど。
捕食。人が人を?普通、人は人を食べない。でも食べていると。
自分は食べられている?人に?……いや、人の形をした何かに。
まさか。
「あら……ようやく気づいたんですね♡」
さあっと血の気が引いた様子を見て、にまにまとした表情のままそんなことを言われる。
「あなた、今……食べられているんですよ?」
最悪の予想が答え合わせされていく。
「わるーい……
当たってしまった。
魔物。人の姿をした魔物に、今まさに食べられている最中だったと。
強烈過ぎる快楽を味わいながら、それでもわずかに、どこかおかしいと思っていたのに。
気持ちいいからと見て見ぬふりをしていた。
「そうですよ」
ずっと昔、どこかで読んだことがあった気がする。
「あなたの身体がずっと動かないのも」
四肢の力を奪う脱力の呪法。
「おっぱいを嗅いで、とっても興奮してしまっているのも」
嗅いだものを異常に興奮させる魔性のフェロモン。
「それに……あなたがここで眠ってしまったことも♡」
無意識下に働きかける催眠魔法。
「ぜーんぶ……わたしのせいです♡」
――ベッドミミック。
寝台に化けて人を待ち、その精気を糧にする、限りなく淫魔に近いミミックの変異種。
その毒牙にかかって、今まさに、その口の中で咀嚼されているところまで来ている。
「でも、もういいですよね」
耳を甘噛みされながら、吐息混じりの囁きを聴く。
「食べられてしまっても、いいですよね?」
文字通りの、悪魔の囁きだった。
「だって、こんなに……気持ちいいんですもの♡……ね?♡」
快楽の対価に、命を差し出せという。
……ふと、部屋の隅に、いくつもの高価そうな装飾品が乱雑にぶちまけられているのが見えた。
あれはなんだったか。そうか、そういえば、あれらを集めて売り捌いて、金を稼ぐために俺はここに来たのだった。
みんなくすんで見える。確かに高価かもしれない。でもそんなものは、もうどうでもいい。
それよりも、たった今味わっている、この全身を焦がすような快楽を味わっていたい。
肉棒がきゅっと締め付けられただけで、甘い痺れが全身に広がって、身体が小さく跳ねる。
「最後まで気持ちいいまま、食べて差し上げますから♡」
最後まで。最後まで、この快楽の中に居られるのならば。
ずっとこの中にとどまって、結果として食べられてしまうことになってしまっても。
……それでもいい、そう思った。
「じゃあ、言っちゃいましょうか」
「『食べてください』……って♡」
心の中の諦観を見透かしたように、そう迫ってくる。
また、これだ。先程は尊厳を、その次は命そのものを、自分の意志をもって捨てさせようとしている。
そしてまた、いとも簡単に自分から、大事なものを捨てようとしているのもまた同じだった。
だって、もう、何もかも手遅れなのだから。
身体のどこにも力が入らないのに、逃げることなんて出来ないのだから。
心はもうすっかり折れていて、もうどうなってもいいと諦めているのだから。
だったらもう、悩むことなど無いのだから。
ただ、せめて、彼女が気を良くするような、とびきり媚びたおねだりを。
「食べて……♡」
「食べて、ください……♡」
「おれのことっ♡たべていいからっ♡きもちよくしてくださいっっっ♡♡♡」
「たべてっ♡♡たべてぇえええっっっ♡♡♡」
言った。捨てた。捨ててしまった。
こんなに簡単に、いとも躊躇いなく。
媚びに媚びた甘え声でわめきながら、もう既に、この先に待っている快楽を勝手に妄想していた。
「……ぷくくっ」
「あーあ、言っちゃいましたね♡」
心底馬鹿にしたような含み笑いで応えられる。
もうそれすらも気持ちがいい。
彼女から与えられるものは何だって。
「いいですよ♡馬鹿な人間さん♡」
許してくれた。食べてくれる。
早く、早く、早く、早く。
早く食べて欲しい。気持ちよくして欲しい。
「食べてあげます♡」
ばちゅん、ばちゅん、ばちゅん、ばちゅん。
今までとは比較にならない速度で腰を叩きつけられる。
男が出すとは到底思えない、仔犬が泣くような甲高い喘ぎ声が、腰の動きに合わせて口から押し出されていく。
ぎゅうっ、と両方の乳首を指で抓られると、きゃいん♡と犬のような悲鳴を上げてしまう。
面白がった彼女にきゅっ、きゅっと乳首を弄ばれて遊ばれる。その度に、無様に甘えた犬の声で応えた。
耳に舌が這うと背筋がびくつく。息を吹きかけられてもびくんと跳ねる。耳穴を舌でほじられると、背中が弓なりに跳ねたまま戻らなくなった。
その状態のまま、お留守になっていた乳首を爪で引っ掻かれると、釣られた魚のようにびちびちと背中が跳ね踊って、面倒がった彼女に強くベッドに押し付けられて、そこからまた耳と乳首を責められる。体外への放出を禁じられた性感が身体中を荒らし回っていく。
「ほら、ほらっ♡イってください♡イって♡イって♡」
イって、と命じられると、身体が馬鹿正直に射精の準備を始めだす。
身体中を駆け回っていた快楽たちが、一斉に股間に集まっていく。
乳首に触れる指から、耳に差し込まれた舌から新たに送り込まれた快楽も、その流れに従って一直線に股間へと向かう。
「イけっ♡イけっ♡イけっ♡」
身体の中の全てが肉棒の根本に集結して、すぐにも溢れ出しそうになっている。
このまま、このまま、全てを出し切って――
「……死ね♡」
どくん。
どくん。どくん、どくん、どくん。
まだ集まっていく。これで全てだと思っていた身体の中身が、まだ股間へと集まって増えていく。
無意識下で残そうとしていた、身体の中の命の一部。それらが、『死ね』の一言に従って、排泄されようとしている精気と合わさっていく。
身体が先端から冷たくなっていく。頭が凍るように寒くなって、視界がだんだん暗くなっていく。
「死ね♡死ねっ♡私の中に全部出して死ねっ♡」
死ぬ。死ね。出ると死ぬ。出すと死ぬ。出して死ね。
イきたい。出したい。出したい。出す。出すと死ぬ。出す。死ぬ、死ぬ、死ぬ。
死ね。
どくどく、どくん、どくん、どくん、どくん。
「うわ……♡死ねって言われて……♡ほんとに死のうとしてる……♡」
きもちいい。死ね。死ぬのきもちいい。
死ね、死ね、死ね死ね死ね。もっと死ね。
きもちいいから死ね。
「いいですよ♡死んで♡ほらっ♡速く死ね♡死ねっ♡♡死ねっっっ♡♡♡」
死んでいい。きもちよくなっていい。
はやく、はやく、きもちよく。
はやく、きもちよく、死ね。
死――――――――
――――――――
「ごちそうさまでした、なかなか美味しかったですよ」
ベッドの上で仰向けに転がった、干物のような男に一瞥をくれながら、女はそう言った。
声をかけられた側の男はぴくりともしない。もう二度と動くこともない。
「あら……お宝、こんなに集めてたんですか。戻すのが面倒です」
部屋の一角に転がった、ネックレス、指輪、ブレスレット。装飾品の群れ。
全てこの屋敷に元からあったものだ。ただ、今は女の撒き餌として用いられている。
「……まあ、後でいいでしょう。久しぶりに満腹で眠くなってきましたし……」
もぞもぞとベッドに潜り込もうとする女を、乾いた物体が妨げた。
先程、女が干物に変えた男だった。
「あ……はあ……。これ、片付けないと……」
早く眠りたいのに、まったく面倒くさい。
そんな気持ちがこもったようなため息を一つついた後、女はベッドの角を、とん、と叩いた。
すると、ベッドの真ん中から大きな口が開いて、干物をばくん、と飲み込んだ。
そのまま口はベッドに沈んで消えて、そこには装飾品が散らばった寝室だけが残った。
「これでよし、ですね。では、おやすみなさい……」
――魔物図鑑 第八巻 三十九頁より。
【ベッドミミック】
特徴:潜伏、脱力魔法、催眠魔法
宝箱等に擬態する魔物「ミミック」の、極めて希少な変異体。
廃館等のベッドに潜んでおり、そこで眠りについた人間を捕食する。
自身から常に催眠魔法を放っており、近づいた人間の眠気を誘い、また自身で寝かせようとする。
極めて淫魔に近い性質を持ち、活動のエネルギーは捕食対象の人間から搾り取った精気とされる。
また、体臭には嗅いだものを強烈に発情させる性質があるといわれる。
これも淫魔同様に、性嗜好には個体差があるとされる。
かつて報告のあった個体においては、胸を使っての行為を好むほか、
獲物が自分から捕食を懇願するように追い詰める等、嗜虐的な傾向が見られたとのこと。
一般的なミミックと違い、擬態ではなくあくまでベッドの中に潜伏しているに過ぎないため、
トラップ検知アイテム、および検知魔法は効果を発揮しづらいと思われる。
遭遇したことに気づきづらく、また遭遇に気づいた時点で手遅れになっていることが多い極めて厄介な魔物である。
幸い、個体数は非常に少なく近年の活動報告も稀であるため、生息地とされる廃館等には近づかないことが一番の対策となるだろう。
ということで、引っかかったらほぼ即死のミミックさんでした。
こわいですね。コンセプトは「即死トラップ」でした。
よろしければ感想いただけると嬉しいです。閲覧ありがとうございました!