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「ずら丸、いま何してるかな……」
善子はベッドに寝転びながら漫画を読みつつ、脳裏に花丸の顔が浮かんで
今日は桜内家で梨子と不埒な遊びに興じ、思いのほかそれが気持ちよく、今でも思い出すと身体が火照りそうになる。
何気ないLINEを花丸に送ろうか、それとも時計に仕込んだカメラをちょっと覗いてみようか考えていた時、スマホからLINEの着信音が鳴った。
「あ、ずら丸だ」
画面には花丸から『今、ちょっといい?』とだけ送られていた。善子は『OK』というスタンプで返した。
『今日、何してたずら?』
花丸の問いに、善子は『家族と買い物だけど』と嘘をついた。本当のことは言えなかった。
少し間があってから、今度は一枚の画像が送られてきた。それを見て善子はガバっと起き上がり「へっ⁉」と変な声を出した。
それはベッドの上で、裸姿の善子と梨子が乳繰り合う場面……。
善子は今になってハッとして気づいた。桜内家で撮られていた映像は、花丸のスマホにも共有されてしまっていることを。善子は一気に冷や汗をかいた。
すると今度は電話の着信が来た。相手は、花丸。
恐る恐るといった具合に、善子は通話ボタンをタップした。
「も、もしも……」
「善子ちゃんの嘘つき」
善子の言葉を遮って、冷淡な口調で花丸はそう言った。善子は心にナイフが刺さったかのような感覚を覚えた。
「い、いやその……」
「マルとより、梨子ちゃんの方が好きなの?」
「い、いや……そういうつもりじゃ……」
しばらく沈黙があった後、善子は正直に
「……そ、そうなの?」
「そうよ……だ、だから元をただせばずら丸がいけないんだからねっ! アンタがスマホをなくさなければ……」
責め立てようにも、梨子との体験が存外悪くなかったこともあり、善子はあまり語気を強められなかった。
またしばらく、二人の間には気まずい沈黙が流れた。
「……そういうことなら、仕方ないずらね」
「し、仕方ないも何も……」
「……でも。マルも、その……善子ちゃんとしたいずら」
「え? 何を?」
「だ、だからその……梨子ちゃんと、してたこと……とにかくしたいずら、したいずらよっ!」
いつになく強気な花丸に、善子はたじろいだ。
「し、したいって……要するにエッチでしょ?」
「善子ちゃんは、マルとはしたくないの?」
「いやそんなこと言ってないでしょ! 私は……べ、別にいいけど。ずら丸としても……うん」
善子は頬を赤く染めながら言った。
「じゃあ……明日、来れる? マルの家に」
「……別に、いいけど」
「じゃあ、待ってるずら」
最後の声は、少し明るい調子だった。通話を終えた善子は「ぬわぁ……」と脱力した声を発しながら再びベッドに寝転んだ。どうしてこうも連日にわたって、友人たちとセックスをしなければならないのか……。
「……ずら丸、そんなに私のこと好きだったのかな」
冷静になった善子は、花丸の態度から察してそんなことを思った。
とにかく明日もバスに乗って、内浦へ行かなくてはならない。
花丸と、寝るために。
Y×H
「い、いらっしゃい。善子ちゃん」
花丸は寺の門前でわざわざ待っていた。善子はどぎまぎしつつもいつもどおり「よ、ヨハネよ」と返し、二人は並んで歩きながら境内に入った。
「ね、ねぇ……家族の人とかいるんでしょ? バレたらマズくない?」
花丸の家は寺という性質上、いつも常に誰かが家には居る。
「そこはもう……声を抑えてヤルしかないずらよ」
「うーん……まぁそうよね、そうするしかないわよね」
寺に隣接する花丸の家は歴史を感じる木造建築で、壁も薄そうだった。とにかく喘ぎだけは必死に抑えようと善子は決め込んだ。
「……で、どうすんのよ」
「だ、だから……ヤルずらよ」
花丸の部屋で向かい合った二人は、ぎこちない雰囲気にもじもじとし始めていて、どちらから切り出すかで揉めていた。
「……と、とりあえず、布団しく?」
「そ、そうずらね……そうするずら」
二人は共同して敷布団をしき、布団の上であらためて向き直った。
「じゃ、じゃあ……するわよ」
「う、うん……よろしくお願いするずら」
礼儀正しく頭を下げてきた花丸に、善子は思わず「ぷっ」と笑ってしまった。
「そんな堅苦しいもんじゃないでしょうよ。もっと、こう……」
善子はずいっと前に出て、花丸と至近距離まで顔を近づけた。そのまま二人は唇を重ねて、手の指も絡ませ合った。
「んっ……んっ♡⁉」
不意に花丸が舌を入れ込んできたので、善子は驚いた。そのまま受け身にさせられて、善子は押し倒された。キスは絶え間なく続き、二人は体を密着させた。
「んぁっ♡……んんっ♡」
花丸の積極的な姿勢は変わらず、洋服越しに善子の胸を揉み、さらに片手をミニスカートの内側に遣った。パンツ越しに秘部に触れると、善子は「んっ♡!」と敏感に感じた。
このままされるがままなのも悪くはなかったが、善子はあえてヤリ返しにかかった。花丸を逆に押し倒し、服の内側から手を滑り込ませて胸を触り、半ズボンの中にも手を入れた。
「んんぅ♡……」
花丸も触られることに感じつつ、善子の身体に触れる手の動きも止めなかった。
どちらが切り出すこともなく、二人は衣服と下着を脱いだ。
「んっ♡ はぁ♡」
二人はねっとりと舌を絡ませ合いながら、お互いの秘部に手を遣って弄り合った。濡れている股からはクチュクチュという音が鳴り、二人の指は愛液にまみれた。
「んんんぅっ♡」
善子の指がグッと奥まで入ると、花丸は身体をよじらせながら感じた。
「ダメじゃないのずら丸ぅ……静かにヤらなきゃバレるでしょ」
善子は花丸の耳元で囁き、
それに応えるように、花丸も弄る手の動きを速めた。今度は善子が「んっくぅ♡」と感じて震えた。
「よ、善子ちゃんこそ♡……声出ちゃってるずらよ」
「う、うっさいわね……さっさと先にイキなさいよ……んっ♡」
「いやずら。善子ちゃんのイキ顔、間近で見たいずら……んずっ♡」
「何よ〝んず〟って……んぁっ♡」
二人はその後もお互いの秘部を弄り合って、欲情をひたすら昂らせていた。
「……そろそろ、アレしたいずら。梨子ちゃんと、ヤってたやつ」
「……いいわよ。声、抑えなさいよ」
二人は手を離して、今度は直接お互いの秘部同士をくっつけた。思わず恥ずかしい声が上がりそうになったが、二人は口を真一文字にして必死に抑えた。そしてゆっくりと腰を揺らして、快楽を貪った。
「ん♡ んっ♡」
「んぁっ♡」
二人は極力声を出さないようにしながらも、段々と腰を振るスピードが速くなっていった。その度に秘部から伝わる快感が増し、二人はもう夢中になった。
「んっ……そ、そろそろイキそうなんだけど……」
「じゃあ、一緒にイクずら……」
花丸が腕を伸ばすと善子は応じて、二人は肘のあたりを掴み合った。そして全力で腰を振り続け、一緒のタイミングで絶頂を迎えた。
「ハァ、ハァ……どうよ、これで満足した?」
まだ息が上がっている善子は、となりで寝ている花丸に問いかけた。
「うん……カメラにもバッチリ撮れたずら」
「ああそうね……ん? はっ⁉」
目を見開く善子に対し、花丸はクスクスと笑っていた。花丸と寝ることばかりを考えていてすっかり失念していた、花丸の部屋に置かれている時計に仕込まれていた盗撮カメラの存在を。
「これでもう、善子ちゃんとマルのことも映像に残ったずらね」
「あ、アンタねぇ……まさかソレを狙ってたわけ?」
善子はカァっと顔を赤くしながら言った。
「ふふ、だって善子ちゃんといちばん仲が良いのは、マルがいいずら」
花丸はそう言うと、そっと善子の唇に軽いキスをして身体に抱きついた。善子は顔を赤くしたまま黙っていたが、花丸との抱擁を腕をまわして受け入れた。……