「あーあ、どうしていつもクッパったらああなのかしら」
ここはキノコ王国。
その城の自室、窓から夜空を見つつ……ピーチ姫は一人、呆れたようにため息をついていました。
先日もまた、いつもの如くクッパに誘拐され、しばらくしてマリオに助け出してもらった、のですが。
これまたいつもの如く、檻に閉じめられてじっとしている——と思いきや。
「ワガハイの魅力を分かってもらうために、今回は特別に城の中を見せてやろう!」
と突然クッパが大いに張り切り出して。
別段興味はなかったのですが、逆らうことも出来ず。
どうせマリオが来てくれるまでは退屈ですし、仕方なしに付き合ってあげる事にしたのでした。
ところが、です。
「何ぃ? 資材が足らんだと! リストを見せろ、ワガハイが調達してきてやる!」
「おい、待て! お前はまだ病み上がりであろう。もっと負荷の低い作業に変えてやろう!」
「事故だとぉ!? 全く、どうしたというのだ! この前も気をつけろと言ったばかりだろう! どれ、現場はどこだ!?」
(ええ……とてもいい上司じゃないのよ……)
テキパキと動き、城内はくまなくチェック。
わずかな異変にも気を配り、問題が起きれば自ら動く。
恋愛沙汰は驚くほど下手くそなのに、仕事の手際は驚くほど良くて。
まあ、結局マリオが助けにきた結果いともの如く負けてしまうのでしたが。
「一緒にスポーツとかしていると、そんなに悪い人じゃないのよね実際」
意外とルールは守りますし、ルール違反にも厳しくて。
割とスポーツマンシップはあるし、勝負の線引きはしっかりしていて。
「ううん……結局、クッパが良くないのって私がらみの事ってわけなのかしら」
どうも、ピーチ姫の事になるとすぐムキになって、頭に血がのぼって、向こう見ずになってしまって。
マリオと対峙する時……もっと正確に言うと、ピーチ姫の取り合いをする時だけ、急激にポンコツになるのでは? と考えました。
「困っちゃうわね、他の原因ならどうにでもなるのに。私が原因だったら、私がどうこうできないじゃない」
ピーチ姫がこう漏らすのには、明確な理由がありました。
「乱暴でガサツなカメだって思ってたのに、あんな一面見せられたら、ねえ」
決してマリオが満点ではないゆえの独り言。
とはいえ、キノコ王国に平然と攻め込んでくるわけですからよくないやつ評価は変わらないのですが。
何度目かのため息をついた時、暗闇を切り裂くように流れ星が一つ。
「あら、綺麗ね。流れ星様、クッパと私の問題が、うまく解決しますように……」
そんな切実でもなく、軽い気持ちで目を瞑り、手を組んで、祈りを捧げ。
と、その時でした。
急に手袋の皺がなくなっていき、縫い目がプチプチと千切れだし。
「あら……?」
うっすらと目を開ける彼女の顔は、気のせいか左右に膨らみだし。
少しずつ、体が重くなっていく感覚。
「え、え、私、どうなって!?」
驚いている間にも、どんどん体は変わっていきます。
ビリ、バリ、と何かを突き破る音が背中から聞こえ、膨脹をしているかのように服が裂けていき。「こ、これ、私、ワガハイ、えっ、ワガハイ!?」
思わず口から出た言葉にびっくり。
咄嗟に口を押さえようとするのですが、動かした途端に手袋がはらりと落ちて。
中から現れたのは、なんとゴツゴツとした頑丈な手!
「えっ、これ、どういうこと、なのだ!?」
見開いた目は、いつの間にか片側だけ形が変わってしまっています。
燃えるような赤い眉毛が目の上を走り、髪から太く大きな角がにょきりと生えて。
髪型はそのままなのに、前にも横にも大きくなった顔のせいで非常に滑稽です。
いつの間にか足は大股になっており、立派な爪が生えた足はカーペットをしっかり踏み締めていて。
「ちょっと、何よこれ、私、ワガハイ、何が起こったのだ?」
混乱する頭で考えよう、とするのですが……
私、ピーチ姫よね? いや、クッパだぞ?
えっ、そんな事ないわよ、ワガハイだってピーチじゃないぞ!?
でも、私、ワガハイだと言ってるだろ! ううん、私だもの!?
いいや、ワガハイよ。確かにクッパですもの、ほら、手とか……
だからおかしいと言っているだろう、私はピーチなのに、こんなでっかい手だと不気味ではないか!
考えがまとまるどころか、ごちゃごちゃになるばかり。
「えっ、えっと、私、ワガハイ、なん、なんなのかしら、ええっとぉ?」
ぐわんぐわんする頭を押さえつつ、一歩下がった時でした。
偶然、姿見に映った自分自身と目が合って。
「えっ、これ、私が、ワガハイが、ワガハイに、私にぃ!?」
ピーチ姫とクッパ大王の特徴を併せ持った何者かが、混乱した表情を浮かべています。
「も、もしかして、ワガハイ、私、一緒に!?」
わけがわからないとはいえ、実際そうなっている以上これが現実。
愛しの存在と、いつも誘拐してくる存在と、同じ肉体に、重なり合っている。
ピーチはますます頭が痛くなり、自問自答を始めます。
えっ、私がクッパ、ワガハイがピーチ!?
ん、んもう、一緒だからって、頭の中まで、ワガハイだぞ!?
ワガハイ、ワガハイって言っても、私でしょ!?
でも、私、しっかり吾輩の気持ちが、記憶が、あるんだぞ!?
そ、それだったら私も、私の記憶とかあるんだから!
あ、ん、そうね、ワガハイ、ピーチなのかしら?
わ、私がピーチよ!
じゃあ、クッパって、誰かしら? ん、あ、ワガハイなのかしら?
もう、変なことを言うでない! 私だってちゃんとワガハイの記憶があるのだから、よくわからなくなるだろうが!
もう、なんで怒るのよ。第一、ワガハイがこうなっちゃったの、どうしてなのだ?
私にわかるわけないだろう、第一、私だってこうなって困ってるのよ!?
でも、何かしら、私、ワガハイって、あまり嫌じゃないぞ。
え、ん、ま、まぁ、吾輩は私、好きだから、当然じゃないかしら。
いや、そう言うのじゃなくてだな。私になったワガハイ、ん? ワガハイになった私? こう、なんだか、しっくりくるというか。
そんなわけないだろう、体も心もくっついてるんだぞ!? 私の方は……あー、でも、ちょうど、ワガハイも悪くないと思っていたところだったけど、あら?
第一だな、私が悪いのよ。マリオと一緒になるのはいいけど、ちゃんとしてないのは知っとるんだからな!
ちゃ、ちゃんとしてるわよ! ただ、マリオの方が弟が気になるからって……
ワガハイ、付き合ったらぜぇーったいそんな事しないわよ! お互いに好いているのに、別の事情ですぐ帰るなんてサイテーなのだ!
う、うん、わ、ワガハイも、納得はしてないけど。
じゃあ、いいじゃないのよ。私、もうワガハイだぞ。一緒なんだから、いつだって一緒にいるわよ!
あ、あら、それって、えっ、でも、い、いかん、私、ドキドキ、してきてるぞ!?
そりゃあ、私と一緒だからよ! だから、ワガハイって、私なのよ。気持ちだって、同じはずだぞ!
え、そ、そんな、でも、でも、あ、あら、私、私に、ドキドキ、してきてるのだ!?
うふふ、だって、大好きな私と、私は一緒になってるのだ! そう考えれば考えるほど、ドキドキして!
でも、ワガハイ、あっ、えっ、あれっ、私と一緒になっちゃって、すっごく、満足してる!?
まあ、我が王国の領土を拡大できないのは気になるが、そんなことはどうでもいいわ。だってぇ、私になっちゃったんですもの、ワガハイ、私なのよ♡
あ、あ、ワガハイになっているのに、私、ドキドキしてきちゃってる、へ、変ねぇ、変だけど、変なのに、満足して、納得して、ドキドキして♡
そりゃあ、そうよね。もう、私はワガハイなんだから、取り合いなんてしなくなっていいんだもの♡
そうね、そうだな、ガハハ! マリオと付き合っても、全然嫉妬する必要ないものな。だって、ワガハイ、わ・た・し♡
少しずつ顔の強張りが取れ、表情も緩くなっていき。
「ワガハイ、私、一緒なんだぞぉ……♡」
クッパのような顔を赤く染めながら、融合体は無意識に胸を揉み始めていました。
「あっ、おーっ、触ってみたいと思っていたけど、時々触っているけど、いいっ、いいっ、グフフ、さ、触っていいのだな、私のだもの、ガハハ♡」
若干の抵抗感はあるものの、興奮した肉体は正直です。
大きな手が、大きくなった胸を変形させていき。
「ぐふ、グフフぅ、ワガハイ、私、だからぁ、触るだけじゃなくってぇ、やだぁ、ワガハイのドキドキ、私も、感じちゃって、あっ、あっ、たまらんぞぉ〜♡」
お互いの感情がお互いに作用して、微妙な興奮は拡大していって。
「んもう、マリオも、このくらい強引にっ、弟が可愛いのはわかるがな、でも、ワガハイだってぇ、もっと、もっと、こう、こう、あぁああ〜ん、ワガハイ、ワガハイって、いい、わぁ〜ん♡」
欲求不満や嫉妬心が絡まり合い、二人はますます一つの肉体で興奮していきます。
大きな口から大量の熱い息が漏れ、鼻の穴はヒクヒクと動き。
「あっ、あーっ、本当に、私、ワガハイなんだぁ、私なのにぃ、ワガハイなのにぃ、むわっとしてて、ああっ、大好きな匂い、どっちも、一緒に、うふ、うふふ、グフフぅ、ムラムラしてくるぞぉ、私、私もぉ、好きに、なっちゃうわぁ♡」
感情がどんどん高まっていき、肉体はますますヒートアップしていって。
「あっ、おっ、いかん、私なのにぃ、勃起、ワガハイったら、エッチなんだからぁ、エッチなのは私でしょぉ、う、ふふ、マリオのより先に、ワガハイの、私のおちんちん、え、へへへぇ……♡」
さあ大変。
そこそこ良い仲であるはずのマリオのそれを出し抜き……ピーチ姫は、クッパの、いえ——もう自分のものになっている陰茎をいじり始めてしまったのです!
「うふ、うふ、絶対、マリオのより、私の方が大きいぞぉ、ガハハ、体もでかいから、これも大きいんだわぁ、ああっ、すごぉおおい、いいわあぁあ、もっと、もっと、いいぞぉ♡」
愛しの女性が自分のチンコを触ってくれている、チンコを触ると自分も気持ちよくなる。
快感が共鳴し、二人の魂はますます融け合っていきます。
「あぁ〜っ、もし結婚できても、してくれるとは思ってなかったわぁ、あらあら、自信ないのだな、流石に体格差があるからな、でももう、同じ体格よぉ、でもでも、もうエッチ、できないがな、んっ、その代わり、一緒に気持ちいいの、最高、最高よぉ、ガハハ、私のちんちん、ワガハイのおっぱい、たまらん、たまらんぞぉ……♡」
くっついてトンチンカンになったまま、融合体は自慰を楽しんでいきます。
「ムフッ、ムフフ、もう、もう、ずうっと同じで、一緒で、あーっ、いい、いいわぁ、ワガハイ、私で、いいわぁ、たまらんぞ、こんな、こんな、違うのに、同じで、気持ちよくて、ドキドキして、ワガハイ、私、幸せ、幸せ、あんっ、あぁああ〜〜〜〜〜〜んっ♡♡♡」
悦びに全身を震わせ、心を震わせ。
強く胸を掴んだまま、絶頂を迎えた肉体が白い液体をビュッビュと撒き散らし。
キノコ王国の姫の、クッパ王国の大王の、二つの遺伝子が組み合わさった精液は……まるで、世界平和を祝うかのように部屋中を白く染めていくのでした。
「うふふ、どうだマリオ? ワガハイ、可愛いでしょ?」
あんぐりと口を開けているマリオの目の前には、しっかりと採寸したドレスに身を包んだ融合体。
二人が一人になって果てた後、城の中は大騒ぎに。
ところが、ピーチとクッパはもう完全に一緒。
自らをピッパと名乗り、テキパキと諸問題を片づけ。
最初は呆気に取られていた両国の民だったのですが……
元に戻す方法も分からず、本人たちもそれは望んでおらず、むしろますますしっかりしたように見え。
結局ピッパ本人の意志に押し切られる形で、二つの国は手を取り合いすっかり仲良くなってしまったのでした。
やっと諸事が終わり、今日はマリオとお出かけ。
なのですが、初めて見るピッパにマリオはタジタジ。
「んもう、驚いちゃって! どうだ、マリオ! ワガハイ、ピーチ姫になったのよ? マリオ〜、私ったら、ワガハイになったのだぞ、ガハハ♡」
ニヤニヤしながら、わざと困るような発言をして見せて。
マリオはますます、どうしたらいいのか分かりません。
「マリオったら、失礼しちゃうわ! そうだぞ、そもそもお前がちゃんとワガハイと付き合っていたなら、こんな事にはならなかったのよ? すぐ弟が気になるって帰っちゃうもんだから、私、一緒にいて離れないワガハイの方が、気持ちいいわぁ、ねえクッパ? グハハ、ワガハイのおっぱい、たまらんのだ♡」
ニヤニヤ、モミモミ。
人に見られながらする自慰行為で、ピッパはもうドッキドキ。
なんだかんだ言って、永遠のライバルでありそこそこいい仲の男性なのですから……気にならないわけがありません。
「うふふ、どうだ、ワガハイがデートしてやってもいいわよ? そう、そう。くっついちゃったから、私とワガハイ、一緒だけどね? その代わり、夜は——二人を、独り占めだぞぉ?」
とろけた顔をしながら、ピッパが大きな顔をマリオに近づけます。
数多の死線をくぐり抜けたマリオも、これには敵いません。
ゆっくりと後退りしつつ何度も頭を下げ、そのまま振り返って一気に逃げ帰ってしまい。
「うふふ、ガハハ、あーっ、いい気味だぞマリオ、ワガハイもちょっと、スッキリしちゃった!」
ピッパは悲しむどころか、大笑い。
「しかし、あんな一面もあるんだな、可愛いわぁ♡ むふ、むふふ、せっかくいい天気だし、ドレスを破いたら怒られちゃうけど……マリオのこと考えたら、ワガハイ、ちょっと勃起してきたし、楽しんでから帰りましょうっと♡」
股間を乱暴に掴み、片方の手で胸を掴み。
「んっ、んっ、マリオ、マリオ……♡」
名前を呼びながら、うっとりと快感に溺れていき。
「うふ、うふふぅ、いいでしょう、ピーチの体は、もうワガハイの物なのよぉ、あぁ〜、マリオなんかより、私のチンポの方が、気持ち、いいわぁ〜ん♡ ガハハ、マリオったら、あぁ〜、いいっ、いいっ、ワガハイ、やぁ〜っと、私と一緒に、マリオに勝てて、私もちょっと仕返しできて、いいっ、いいっ、気持ちいい〜♡♡♡」
完全に自分大好きになっている反動か、マリオへの嫌がらせのようなオナニーに夢中になってしまっています。
「戻らないわよぉ、だってぇ、ワガハイって私だし、私はこの体、大好きなんだぞ、うっふぅ〜ん、ワガハイ、ずうっとお姫様♡ んっ、グフフっ、ドレスなのにぃ、ちんぽ、気持ち良すぎてぇ、ああっ、もっともっと、おっぱい、乳首ぃ、いいわぁ、いいわぁ〜ん、ワガハイのボディで、私の体だからぁ、強くてぇ、いっぱい気持ちよくってぇ、合体ってぇ、合体ってぇ、くっつくってぇ、幸せ、なのだぁああああああ♡♡♡♡♡」
いつでも一緒に、イチャイチャラブラブ。
主人公の事なんて真面目に考えもせず、ピッパ姫大王は今日も自分自身と好きなだけエッチを楽しむのでした。
「う、ふふ、もう出ちゃった♡ しょうがないな、後五回するぞぉ♡」
おしまい