エロゲ転生~異世界転生したのに、転生先がエロゲなうえにTSした件~ 作:どくいも
――淫樹の森 中層
やはりというか、そこは同じ淫樹の森の中でありながら、浅層とは何もかもが違っていた。
まず見た目が大きく違う。
淫樹の森の浅層は、ダンジョンと言えど普通の樹木に草木が生い茂る、ごく一般的な森に近いダンジョンであった。
しかし、中層ともなると様子が一変。
青々と茂っていた植物は粘液にまみれ、さわると粘り気がある。
太く伸びていた木々は、肉肉しく、形も卑猥なものに。
更には地面や湖すらも、どこか生暖かく、性的な物を連想させるのだ。
次に、管理の仕方も違った。
淫樹の森の浅層は、基本入り口はどこからでも入れ、出てくるのも自由だった。
散策に関しても、特に決められたことのない、自由なのが特徴であった。
しかし、中層は違う。
ダンジョンの入り口は決まっており、それ以外の道は魔法や結界で封鎖されている。
入り口には見張りが立っており、入るのには手数料が要求されるのだ。
そして最後の違いは、ダンジョンの傾向だ。
淫樹の森の低層は、やろうと思えば姦淫と関わらずに過ごすことができた。
淫虫などの催淫作用の強い魔物は、力が弱く、弱った相手や自ら望む人にしか襲い掛かれない。
オークや魔獣といった比較的強い魔物は、まず戦闘ありきであり、フィジカルが強い相手ではエロに行く前に勝負がついてしまうのだ。
――しかし、中層は違った。
物理的ではない、淫魔の本領ともいえる性をもって、攻撃してくるのだ。
そう、それは例えば圧倒的なまでの快楽。
例えば、正気を保てないほどの混乱。
例えば、空気のようにまとわりつき貶める催淫。
などなど、様々な角度から侵入者を陥れ、堕落させる。
そんなげに恐ろしき、淫魔たちの巣窟なのだ!
「……というわけで、事前に情報を通り、聖水を買った。
一人一本使った。
おかげで、催淫対策はばっちりのはずなんだけど……」
「んきゃ!口に何か入った……。
んはは~~♪体が熱いのぉぉ~~♪♪
えへへ~~♪なんだか踊りたくなってきました~~!!♥♥
あそーれ♪お洋服ぽーい!そして、よいしょ~~よいしょ~~♥♥」
「あああぁぁぁぁ♥♥
偽チンポ気持ち良すぎますうぅぅぅぅぅ♪♪
イくうううぅうううう♥♥
………ボク、キノコ!乗っ取り完了です♥」
残念ながら、対策は効果がなかったようで、一人は酔っぱらって、嬉々として裸踊りを披露。
もう一人は股間に生えたキノコに意識が乗っ取られてしまった。
「……どうする?あきらめて、二人で帰って慰めックスでもしようか?」
「冗談言ってないで、助けますよ」
唯一無事なリン先輩と共に、二人を助けながら、中層の洗礼を受けるのでした。
「めんぼくない……」
「すいません……」
さて、時は淫樹の森中層に入って一時間以内、場所は淫樹の森の中層の入り口すぐ近く。
本当なら、少し歩けば低層部に帰れるところであるが、出入りすると再び入場料かかってしまうので、ここで休憩をとることにした。
「にしても、事前に聖水を使っても、ああなるとは…。
そんなに淫魔の催淫は強いんですか?」
「うう……ごめんなさい……」
「いえ、謝ってほしいわけじゃないんですが」
自分の質問に、なぜかナルサは謝り続けた。
淫樹の森中層は、事前の情報通り、今までの淫樹の森浅層と違い、催淫特化攻勢であった。
分かりやすく言えば、今までのダンジョンは戦闘で気絶させたり、弱ったりした相手を逃げれなくするためにエロを行う、いわば、エロがおまけの淫魔ばかりであった。
が、ここのダンジョン初めからエロがメイン。
戦闘、あるいは拘束のために、初めから何かしらの催淫攻撃―すなわち、何かしらの性に溺れさせるような攻撃―を仕掛けてくるのだ。
「……精神力の強さや、個人差が影響されるって聞いたけど……
なんとかなりそうですか?」
もちろん、それらの催淫攻撃は万能ではない。
強い精神力を持つ人には効かないし、体質によって効果が薄い場合もあるそうな。
なんなら、あらかじめ聖水を使ってきているので、
「え~っと、ごめんなさい……。
ちょっと無理です」
が、残念ながら、このパーティはその
ナルサもヨウキも性に寛容であり、そのおかげで弱い身でありながら淫樹の森の浅層を探索する事ができた。
が、その性格が災いして、中層の催淫攻撃にはされるがままであった。
おそらく自分がいなければ、1時間と待たずに淫樹の森に囚われてしまっていただろう。
「まったく、なさけない。
そんなんで私を説教してただなんて、ナルサは本当に人にも自分に甘いんだから」
唯一、リン先輩だけは、これら中層の催淫攻撃を喰らっても問題なかった。
やはり、盗賊だけあっていざという時の危機管理は優れているのだろう。
「……ちょっと距離感近くありませんか?」
「そんなことないよ。
ただ、いつもと違って中層だからね。
エメリアの警護も兼ねて、近くにいるだけだよ。
本当にそれだけ」
もっとも、だからといって完全に影響を無効化してるわけではないようで。
本人は気付いていないつもりなのだろうが、こちらの匂いを嗅ぎに来たり、汗を拭いてくれるふりをしつつ、その汗を拭きとったハンカチに全力で顔を埋めている。
まあ、あくまでそのようなリン先輩の奇行は一時的であると思うので、ほっといても問題ないはずだが。
「結局のところ、どうしましょうか?」
というわけで、私はナルサたちに、ダンジョンの探索をどうするか尋ねた。
なお、私としては今回の淫樹の森中層のダンジョン探索は、ここでいったん打ち切るべきと考えていた。
なぜなら、ナルサとヨウキが中層淫魔の攻撃に、手も足も出てないからだ。
多少なりとも光明が見えれば話が変わるのだが、現段階では不可能に
一応リンさんは、無事であるもののそれだってぎりぎりだ。
この状態で先に進んでもまともに探索できないだろうし、いつ強敵に相まみえるかわからない。
そもそも、この探索自体、未来ある自分のために無茶をして行われているのは知っているからだ。
そういうわけで、一応は否定気味にこの提案を出したわけだが……。
「……う~、でも、流石に入っただけでは……。
せめて、ここがどんなところだが、確認してからにしない?」
が、どうやら、ナルサたちはまだ諦めていないらしい。
本格的な探索はまだしも、軽く一周回るくらいはできないかと言ってきた。
となると困った。
おそらく自分の将来を考えてでの発言のため、ある意味嬉しくはある。
が、ナルサとヨウキが催淫攻撃にやられている現状ではどうしようもできない。
何かいい方法はないものかと悩んでいると、ふとヨウキの口から言葉が紡がれた。
「……でしたら、私にいい考えがあります!」
なお、ヨウキが言った作戦は、あまりにも常識を逸脱したものであり、おもわず自分とリンはドン引き。
そして、試してみる価値はあるとナルサは賛成したことに、さらにドン引きしてしまった。
しかし、それ以上いい方法を思いつくことはできず、結局はその方法を試してみることになったとさ。
「ん……んあ、ああ♥♥」
さて、あれから数時間後。
初めの失態は嘘のように、探索は順調に進んでいた。
「やぁ、そこ汚い……!!」
件の作戦を実行して以降、何回か淫魔の群れや催淫の罠に遭遇。
しかし、件の作戦がぴったり合致し、どれも無事に無効化に成功した。
ヨウキもナルサも催淫攻撃をいなし、ダンジョンの奥へと進んでいった。
「大丈夫ですよ、汚いなんてありませんよ」
さらに言えば、この作戦の副次効果でナルサとヨウキの戦闘力がアップしたのだ。
催淫攻撃を受けるごとに、二人の攻撃力があがっていく。
おそらくこの調子であろうと、今日中に中層の下見は無事に終えられるだろう。
「ああぁ♥♥ヨウキ♪ヨウキぃ♪」
「ふふふ♪ナルサさんったら、こんなに濡れて……♥
そんなに好きだったんですか♥」
「うん♡ヨウキのこと、大好き♥愛してる♥」
――ただし、PT内感情は無事ではないが。
「……いや、まじでそこまでしなくても……」
「えへへ、ヨウキの唇、吸い付きたくなるほどきれい♥」
「ナルサさんだって♪ああ、乳首吸ってもいいですか?」
「聞けよ」
さて、ヨウキが提案した作戦は、【淫魔の催淫攻撃を喰らう前に、もっと強い催淫攻撃を喰らっておいて、無効化しよう!】というものであった。
だが、より強い催淫攻撃で無効化するといっても、そう簡単には代役があるわけがない。
が、その淫魔を上回る安全な催淫攻撃の方法として、【美肌クリーム】が選ばれたのだ。
はじめは、正気を疑った。
当然はじめは上手く行くわけがないと思った。
だからせめてもの成功祈願として、美肌クリームの中でも最高レベルのものを選び、双方に体に塗りたくり、そのまま互いに魅了し合ってもらった。
が、こちらの予想とは裏腹に、美肌クリームを塗った両者の美貌はかなりのものであり、その性的誘惑にこちらもくらりとくるほどであった。
そして、自分が魅了されかけるということは、魅了に弱いヨウキとナルサはそれ以上ということであり、あっという間に恋仲に発展。
そのまま、互いの魅了が他の淫魔の魅了を跳ね除け、なんなら嫉妬により他淫魔の催淫攻撃に関して、過剰に反撃するくらいだ。
「もう、ナルサさんしか見えません。
この探索が終わったら、一緒に式場を探しましょう」
「もう、ヨウキったら、気が早いんだから……♥」
もっとも、その副作用で、探索中二人のいちゃつきっぷりを見せつけられる羽目になったのは予想外であった。
本当のカップルならいいが、これが自分の作った薬によって引き起こされたものと考えると、寒気がするのが本音だ。
「ふーっ!ふーっ!私だって、私達だって……!!
目の前でいちゃついて……私達も見せつけるべきで……!!」
さらには、目の前のラブラブカップルに当てられて、リン先輩が色々と限界を迎えている。
勝手にオナニーをし始めるならまだしも、こっちのお尻を揉んだり、胸を触ったり、こちらに対する性欲を隠さなくなってきた。
「……ダンジョンを抜けるまで、無事でいられるかなぁ……」
「……!!!!!!
エメリアは私が守る!!
エメリアの処女は私のものだ!!誰にも渡さん!!」
とうとうこちらに対する性欲を口にしてしまったリン先輩を尻目に、言いようの不安を胸に探索を続けるのであった。
―――そして、その不安はすぐに的中することになる。
「む、敵!?」
「ぴぎぎぃぃぃぃぃぃ!!」
探索の最後に現れたのは一匹のオーク。
ただし、全身が青く、手に杖を持った、いわゆるレアもののオークであった。
濃厚なオスの匂いとりっぱなチンコ、なによりも圧倒的チンカス。
あれは恐らくフェロモンで淫乱な女性なら自分から股を開いて従属させる、そういうモンスターなのだろう。
「ヨウキちゃんは渡さないよ!!
はぁああああああ!!」
「ふっ!!!」
「ぷ、ぷぎ!!??」
しかし、現在
身体能力こそ、そこそこ優れているようだが、4対1の数の差はいかんともしがたく、あっというまに、追い詰めることに成功した。
「……ぷうううぅぅぅぅうぅ!!!」
「……魔力の流れ!?
何か来ます!」
だが、追い詰められたレアオークは、杖を構えながら何かを唱え始めた。
おそらくは魔法の詠唱であり、発動すればよくないことが起きるのは明白だ。
「ぴぎゃああああ!!」
なんとか発動前に止めようとするも、こちらの攻撃が届く前に詠唱は完了。
杖先から4つ光の筋が放たれ、それぞれ体に直撃した。
「ぐ!!……あれ?なんともない?」
しかし、直撃したと思われる魔法は、すぐさま弾かれてしまった。
体を触ってみても異常はない。
つまりは、レアオークの放った虎の子の魔術は、私に対しては発動に失敗してしまったというわけだ。
――ただし、失敗したのは自分にだけであった。
「ぷ、ぷぐぁぁ!?
な、なんなのこの魔法は!?」
「ぷぇ、の、こ、これは……呪い!?
ご、ごれは豚化の呪いでプ!ま、まさか、こんな高度なまぽうを!」
なんと、ナルサたちの頭には立派な豚耳が!
更にお尻からは尻尾が生え、鼻も豚のようにつぶれてしまっていた。
「ぴぐぁああああああああ!!??」
リン先輩に至っては、全身が肥大化。
自慢の美しいスレンダーの体質が、見事なボンレスになってしまった。
「……ちぃ!厄介な!
でも、私がいたのが運の尽き、これ以上酷くなる前にとどめを……」
事態を把握した私は、これ以上事態が悪化する前に事を納めようとした。
が、そう簡単に物事はうまく行かなかった。
「ぷあぁ~~♪♪
レアオーク様もエメちゃんもいい匂いだぶひぃぃぃ♥♥」
「レアオーク様のチンカスは私が守プ♪
……エメリアさんも一緒に奴隷になでぃましょうよぅ♥」
なんと、豚化したナルサとヨウキがこちらの動きを妨害。
「ぷあああぁぁぁ!!エメリア、エメリアああああああ!!!」
さらには、巨大化したリン先輩が襲い掛かってくるものだから、もう事態の収拾がつかなくなってしまった。
「……ぴぎ!」
「あ!こら!逃げるな、卑怯者おおぉぉぉ!
……って!うわまって、当たってる!?
リン先輩ストップ、ストップ〜〜!?」
そうこうしている間に、レアオークはナルサたちを盾にして逃走。
かくして、初めての中層探索は散々な結果になってしまったのでした。